2022/02/02

日光浴後に飛び立つツマグロヒョウモン♂【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年11月上旬・午後12:50頃・晴れ 

河川敷の小径の地面にツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が止まっていました。 
私が近づくと飛んで逃げますが、私が立ち止まったままじっとしていると、ツマグロヒョウモン♂は辺りを往復してからほぼ同じ場所に着陸します。 
縄張りを張って♀を待ち構えているのでしょう。 
(映像はここから。)
翅を全開にして日光浴しています。 
右後翅の肛角付近が破損している個体でした。 
左右非対称の破損なので、鳥に襲われたビークマークではありません。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:16〜) 
全開状態の翅を一度持ち上げてから勢い良く打ち下ろす必要があり、緊急時にはタイムロスになる気がします。

2022/02/01

川の浅瀬で盛大に水浴するコハクチョウの群れ【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年11月上旬・午後15:00頃・晴れ 

冬鳥のコハクチョウCygnus columbianus bewickii)が越冬のために日本の川に渡来しました。 
昼間から中洲付近の浅瀬に計6羽の小群が集まっています。 
嘴がピンク色で羽色が汚れて見える若鳥が1羽混じっていて、残りの5羽は成鳥です。 

川面で水飛沫を上げて盛大に水浴びを始めました。 
自ら体を横倒しにして片方の翼で左右非対称に羽ばたくので、初めは溺れているのかと心配しました。 
ときには水中で体をねじって両足を水面の上に出し、下半身だけ逆立ちの体勢になることもありました。 
川の中でひっくり返ってもがいているように見えます。 
経験不足な若鳥だけでなく、成鳥も同じように無様な水浴を繰り返しています。 
まさか大袈裟な偽傷行動だったりして…? 
しばらく観察していると、どうやらコハクチョウは水深の浅い川で水浴する方法を編み出したようです。 
むしろ遊びのように楽しんでいるようにも見えます。 
どうして伸び伸びと水浴できるぐらい水が深いところに行かないのか、不思議です。 
この群れは正常に飛べることを後に確認したので、片方の翼が折れたりしている訳ではありません。

長い首を水中につっこんで頭から水をかぶり、ひっくり返ると翼を激しく動かして全身に水をかけます。 
水浴が一段落すると、背伸びをしながら左右の翼を大きく広げてバサバサと激しく羽ばたき、濡れた羽根の水気を切ります。 
水浴直後に翼をバサバサしている成鳥から白い羽毛が抜け落ちました。(@x:xx) 
翼を畳むと尾羽を左右に振り振りします。 
長い首を曲げて嘴で羽根を整えます。 
羽繕いと水浴を交互に何度も繰り返しています。 
若鳥が水浴の合間にガー♪と鳴きました。(@x:xx) 

白鳥の水浴シーンを初めて240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:08〜) 
よく晴れていて光量も強く、絶好のハイスピード動画撮影日和でした。 
大型の水鳥が水飛沫を盛大に跳ね上げて行水する様子は壮観です。 




【追記】
世界文化社 しぜんのせかい10『はくちょう』という古い児童書を見返すと、
ひっくりかえって みずあび
とキャプションの付いた写真が掲載されていました。(p17)
水浴びも小鳥とは違い大柄ですから見事です。羽で水をたたきづけるように水浴びをします。でんぐりがえって背面水浴もします。 (p19より引用)

背面水浴は別に珍しい行動ではなかったようです。

ハクチョウは浮力が大きくて水中に潜れないのだそうです。 


タヌキの溜め糞の上で配偶者ガードするベッコウバエ♀♂

 

2021年10月下旬・午後13:05頃・くもり 

里山の細い山道の真ん中にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残したと思われる溜め糞eを新たに見つけました。 
泥状の新鮮な下痢便が一番上に残されています。 
その上に乗って交尾中のベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)の♀♂ペア2組を見つけました。

よく見ると、2組とも交尾器は結合していませんでした。 
♀が溜め糞に産卵するまで♂は交尾後ガード(配偶者ガード)するのでしょう。 
左側のペアに注目すると、♀♂ペアでかなり体格差があり、♂>>♀。
♀Lの背後にマウントした♂Lは、腹端から鍵状の交尾器を出し入れしています。 
(マウントされた個体の腹背の色が見えないので、本当に♀なのかどうか定かではありませんが、一応♀としておきます。) 
♀L,Rは静止してるだけで、獣糞を吸汁していませんでした。 
♂Lは♀Lにマウントしたまま、前脚でゆっくり手招きするように空を切っていました。 
単独時にときどき見られる不思議な行動で気になっていたのですが、交尾中も見られるとは意外でした。 
▼関連記事(同時期に撮影)
これは♀を宥める催眠術のような行動なのかな? 
前脚を置く場所が無いので探っているだけのような気もしてきました。 
 続けて♂Lは左右の前脚を擦り合わせ、口吻で舐めました。 
暇つぶしで身繕いを始めたようです。 
次に♂Lはパッパっと翅を素早く開閉して翅紋を誇示しました。(@1:04) 
これも誰に対するアピールなのか不明です。 

一方、右側のペアに注目すると、体格差はそれほど極端でないものの♀<♂。 
やはり交尾器は未結合のまま、ただひたすらじっと静止していました。

交尾ペアが2組とも♀<♂だったのは、今回だけの偶然でしょうか? 
雌雄の体格に極端な性的二型が見られる(♀<<♂)ということは、♂同士で♀を巡る激しい闘争行動があることを示唆しています。 


残る課題としては、ベッコウバエの♀♂が出会ってから交尾を始める一部始終を見届けることです。
また、ベッコウバエ♀が溜め糞に産卵するシーンも観察してみたいものです。
 
周囲の山道をパトロールしてから17分後に溜め糞eの現場に戻って来ると、ベッコウバエは1匹の♂だけが残っていました。
下の写真をよく見ると、フンバエの仲間と思われるハエも2匹、糞上に来ていました。
左端にはセンチコガネが立ち去ろうとしています。
写真を撮ったときには不覚にも気づいていませんでした。
下手に近づくと特にハエ類は飛び去ってしまうので、どうしても獣糞から少し離れたところからの撮影になります。
薄暗い山中では小さな昆虫を見落としがちです。

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