2021/01/28

マリーゴールドの花を舐めるスズキフタモンハナアブ♀

 

2020年10月中下旬・午後15:00頃・晴れ 

山際の家庭菜園の片隅に咲いた色とりどりのマリーゴールドの花で見慣れない双翅目が訪花していました。 
図鑑『札幌の昆虫』で名前を調べてみると、スズキフタモンハナアブ♀(Ferdinandea cuprea)と判明。 
口吻を伸縮させて花粉や花蜜を舐めています。 
マリーゴールドの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

『あおもり昆虫記』のサイトに掲載されたスズキフタモンハナアブのページには「ブナ林に依存性があるアブのようだ」と記されています。 
幼虫の食性を知りたくなって調べてみると、英語版wikipediaに本種の独立したページが作られていました。 
それを読むと、ブナ科コナラ属やトネリコなどの樹洞や樹液に幼虫が見つかるらしく、腐食性またはスカベンジャーと考えられているそうです。 
今回の撮影現場はミズナラやコナラなどの雑木林が広がる里山の麓なので、納得しました。 (私のフィールドでトネリコは見た記憶がありません。) 
山地性のハナアブなのでしょう。

ヒトの汗を摂取するウラギンシジミ♂

 

2020年9月上旬・午前10:40頃・晴れ 

郊外の路地裏を私が歩いていると、飛来したウラギンシジミ♂(Curetis acuta paracuta)が私の黒い靴下に止まりました。 
実はすぐ横の庭でクサギボタンの花が咲いていたので、もしかすると直前まで訪花していたのかもしれません。 
翅をしっかり閉じたまま吸汁を初めたようですが、肝心の口吻がよく見えません。 
蝶の口吻の動きをしっかり撮ろうとすると体を無理にひねった窮屈な体勢になる上に、被写体が太陽を背にした私の影に入ってしまうので、非常にもどかしい撮影でした。 
蝶を足首に乗せたまま私が少し移動しても、私の汗に夢中のウラギンシジミ♂は逃げませんでした。 
真夏の日差しが強いので、体温調節のために自分の影が最小になるように蝶は体を向けているのかもしれません。 

吸汁後の飛翔シーンをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。 
羽ばたく際に翅表の橙赤色が見えたので、♂と分かります。 
(私は本種の♀を未だ見たことがありません。) 
すぐに舞い戻ってきてくれて、今度は迷彩柄の短パンに止まりました。 
しかし私がカメラを近づけると、すぐに逃げてしまいました。 
汗ばんだ衣類からナトリウムなどのミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
今回は私の素肌から汗を直接舐めてくれませんでした。
▼関連記事(1年前の撮影) 
汗を舐めに飛来するウラギンシジミ♂【HD動画&ハイスピード動画】 
砂地を舐めてミネラル摂取するウラギンシジミ♂【HD動画&ハイスピード動画】
ちょうど山から降りてきたばかりなので、綿の黒靴下に緑色の「ひっつき虫」が数個付着しています。(動物散布型の種子)

 

2021/01/27

柿泥棒の野生ニホンザル♀が逃げた先は…【猿は渋柿を食べる?】

 

2020年10月上旬・午後15:20頃・くもり 

山里に出没した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)と遭遇したのでそっと追いかけると、某施設の駐車場(グランド?)に猿の群れが散開していました。 
私の接近に気づいた猿が一斉に走って逃げ出しました。 
その中で何かオレンジ色の果実を抱えて逃げる個体が気になりました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、どうやら近くの集落でカキノキの未熟果を失敬してきたようです。 

逃げた先を見やると、口に餌を咥えたニホンザル♀が山の急斜面に張り渡さられた電線を伝ってスイスイ登って行きます。 
平行に並んで張られた複数の電線に四足を掛けて登るため、ケーブル1本の綱渡りよりも安定しています。 
ここは、山の急斜面の高低差を利用した小規模な水力発電所なのでした。 
こんな秘密基地みたいな施設があるとは知りませんでした。 

電線を張り渡す鉄塔に到達した猿は、「ここなら安全」とばかりに、鉄塔の天辺に腰を下ろして持ってきた柿の実を食べ始めました。 
背後はスギ林です。 
果実に付いていた葉の形状から、リンゴではなく柿の実と確定しました。 
完熟しておらず、黄緑色〜黄色の固い果実をボリボリと食べています。 
未熟な柿の実はタンニンを含み強烈に渋くて食べられないはずなのに、猿は気にしないようです。
ニホンザルが渋柿を平気で食べる様子に私は驚いてしまいました。 
あまり渋くない品種なのかな? 

▼関連記事(8年前の冬に撮影)

胸の正面にピンク色の乳首が1対見えたので♀成獣のようです。 
実りの秋、食欲の秋を満喫しているようで、丸々と太って見えます。 
この個体は黒いGPS付きの首輪を装着していました。 
緑色のラベルが首輪に張られているものの、遠くてラベルの文字を読み取れませんでした。 

完食してないのに、食べかけの柿の実の欠片を惜しげもなく捨ててしまいました。
 

食後のニホンザル♀は鉄塔で立ち上がると、再び電線を伝って更に上へ登り始めました。 
股間に睾丸が見えないので、やはり♀で間違いないでしょう。 
黄色いケーブルに手を掛けると右へ勢い良くジャンプして、鉄製の階段に飛び移りました。
見事な跳躍を1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 

発電所の作業員が使う階段を野生ニホンザルも普段から使い慣れているようで、少し登ると途中で座り込みました。 
カメラを上にパンすると、階段を登り切った地点のコンクリートから別個体のニホンザルが見下ろしていました。 
コンクリートの縁に腰掛けているこの個体も、GPSの首輪を装着していてます。 

柿泥棒の個体に注目して撮影したので、一緒に逃げた群れの行方をほとんど見失ってしまいました。 

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