2019/05/02

ピンクの花を食べたヨトウガ(蛾)幼虫の糞はピンク色



2018年10月下旬

ヨトウガ(蛾)幼虫の飼育記録#10

▼前回の記事
コスモスの花弁を食べるヨトウガ(蛾)幼虫

コスモス(秋桜)の花を食べているヨトウガMamestra brassicae)の幼虫(俗名ヨトウムシ:夜盗虫)を長撮りしていたら、腹端からショッキングピンク(赤紫色)の糞を計3回排泄しました。
コスモスの花びら(舌状花の花弁)に含まれるピンクの色素(アントシアニン)を消化分解できないのでしょう。
「ピンクの小粒コーラック♪」という便秘薬のCMソングをなぜか思い出して可笑しくなりました。


ちなみに、以前スイゼンジナの葉を食べさせた別個体は黒い糞を排泄していました。

▼関連記事
ヨトウガ(蛾)幼虫の規則正しい脱糞


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

実は10倍速の微速度撮影した素材を編集で等倍速に戻した映像なので、コマ落ちで幼虫の動きが若干カクカクしています。

つづく→#11:コスモスの筒状花を味見するヨトウガ(蛾)の幼虫


2019/05/01

カワウとダイサギが河畔林に続々と塒入りする定点映像(野鳥)

2018年11月上旬・午後16:24〜17:14(日の入り時刻は16:36)
▼前回の記事
河畔林の集団塒でダイサギ同士が小競り合い(野鳥)

カワウPhalacrocorax carbo hanedae)とダイサギArdea alba)の集団塒を3日後に再訪しました。
かなり無理して定点観察にやって来たのは、塒となった河畔林が落葉する前に樹種を調べるためです。
もう一つの理由は、カワウのコロニーや鷺山は糞害などで酷く嫌われているので、せっかく見つけた集団塒も誰かにいつ追い払われるか分からないという心配があるからです。

未だ鳥がやって来る前、日没前の明るい時間に、集団塒に使われていた3本の木の種類を調べます。
多数の鳥が夜間に排泄した糞で下の枝葉や笹の葉が白く汚れていました。
左の木はオニグルミで、カナムグラなどの蔓植物に下部が覆われてマント群落になっていました。
右の木も水辺によく見かけるオニグルミでした。
クルミの木の間に挟まれた一番背の高い落葉樹の種類が分かりません。
晩秋で枯れかけた(落葉しかけた)葉の特徴から樹種を同定するのは難しかったです。(どなたかお分かりの方は教えて下さい。)
長くて赤っぽい葉柄が特徴的です。
鳥の糞害で枯死しなかったら、翌春に樹種をしっかり調べるつもりです。


【追記】
ミズキですかね?

花序の枝は果実が熟すころには赤くなる。(山渓ハンディ図鑑4『樹に咲く花:離弁花2』p650より引用)






さて、前回の撮影地点に近い木陰に三脚を立てて、こっそり隠れました。
迷彩ブラインドを設置する前に鳥の塒入りが始まってしまいました。
画面の右端に垂れ下がったノブドウの蔓や柳の小枝が邪魔なのですけど、画角を変える暇もありませんでした。
今回はズームイン、ズームアウトをなるべく控えた定点映像で記録しました。
画面に見えている木々の奥(背後)に川が右から左へ流れています。
沈む太陽に対して凡そ順光の撮影アングルでした。
この日の月齢(27.0)はほぼ新月で、しかも沈んだ後でした。

長撮りした50分間の集団就塒ショーをほぼノーカットでご覧下さい。
長編動画なので、お暇な時にでもヒーリング用の環境映像としてご覧下さい。

先に現れたのはカワウでした。
集団塒となる河畔林の上空をカワウの群れが旋回し始めました。
それまではどこか近くに待ち合わせ(就塒前集合)していたのでしょう。
グルグルと旋回を繰り返し、着陸前に塒周囲の安全を確認しています。
やがて河畔林の梢の枝に次々と着陸しました。
塒入りした枝の居心地が悪いと、再び飛んで別の枝に止まり直す個体もいます。
たまに私が身動きしたり物音を立てると、樹上のカワウが警戒し、数羽が飛んで逃げてしまいました。
撮影はカメラに任せた私が息を潜めてじっとしていると、しばらく後に鳥たちが戻ってきてくれて一安心。

背景の青空に白い雲が浮かんでいて、やや夕焼けになっています。
背後の空に白い飛行機雲がまっすぐ伸びて行きます。

カワウとは別に天高く飛んで通過する黒い鳥の大群は、自分たちの別な集団塒に向かうカラスでした。(@2:40-)

後から遅れて飛来するダイサギは、川沿いの樹上に点々と止まったカワウを目印として塒入りするのかもしれません。
カワウに塒の安全を確かめてもらっている可能性もありそうです。
数羽ずつ飛来するダイサギは、木の葉落としのようにジグザグに急降下して樹上にフワリと塒入りしました。(@15:25〜)
こんな着陸法でよくもまあ失速、墜落事故が起きないものだと感心します。
どうやら上空から木の梢に直接舞い降りるルートと、低空で川からアプローチして最後にフワリと枝に飛び上がるルートがありそうです。
横の川に一旦着水して就塒前集合してから改めて樹上の塒に飛び込む個体もいそうな気がします。
(今回とは逆に川側から観察すればはっきり見えるでしょう。)

鳥の種類別に続々と帰ってくると、集団塒では混群になりました。
樹冠に着陸したダイサギの右隣で先客のカワウが木の葉を嘴でちぎって遊んでいました。(@19:50)
ダイサギが真ん中の木の梢に着陸しかけたものの、隣のカワウが羽ばたいて抗議すると、諦めて飛び去りながら不満気にグワッ♪と一声発しました。
先着したカワウと遅刻してきたダイサギとの異種間では、それほど激しい場所取り合戦にならないのが不思議でした。
ダイサギの方が体格では大きいのに、先客のカワウを塒から強引に追い出すこともありませんでした。
塒内で隣り合うダイサギ同士では前回同様に小競り合いがときどき勃発します。

前回は塒内でカワウが樹冠部を占めているような印象を受けたのですが、今回は特にそのような傾向は見られず、木の天辺に着陸するダイサギも居ました。
おそらく場所決めは毎晩適当になされ、たまたま空いている枝に止まるだけなのでしょう。
映像では画面から見切れていますが、更に右の木にも塒入りしていました。

日没後もしばらくは残照で白鷺と黒いカワウは色で見分けられます。
午後17:00になると、遠くから物悲しい「夕焼け小焼け」のオルゴール放送が流れてきました(田舎あるある@35:40)。

辺りがとっぷり暗くなると、木々のシルエットも闇夜に溶け込んで見えなくなりました。
樹上の集団塒で鳥たちはすぐに寝静まりました。
ムクドリの集団塒に比べたらとても静かなものです。
川の方からカモ類の鳴き声が響いてきます。
最後になぜかヘリコプターがうるさいローター音を響かせながら夜空を通過したのですが、塒入りした鳥たちはもう逃げ出しませんでした。

日没時の川べりでは色々な鳥が鳴いていて賑やかでした。(カルガモや白鳥の鳴き声も聞こえます)
余談ですが、川の方からたまに聞こえてくる甲高いキュルルル…♪、ピリリリ…♪という笛のような謎の美声がとても気になりました。
カワウやダイサギのがさつで色気の無い鳴き声とは明らかに違います。
おそらく川面に群れで浮かんでいるカモ類などの鳴き声だと思うのですけど、カイツブリですかね?
春になって現場をしつこく再訪し、ようやく鳴き声の主がコガモAnas crecca)と突き止めることができました。


つづく→カワウとダイサギの混群が塒入りする定点映像を早回しにしてみる【10倍速映像】(野鳥)


銀色に光るマットに離着陸するノシメトンボ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬・午後15:00頃

湿地帯で柳などが生えた林縁の遊歩道にキャンプ用品の銀マットを敷いたら、しばらくするとトンボが集まってくるようになりました。
マットの表面に蒸着したアルミ・コーティングの反射光を水溜りと誤認して産卵しに来たのでしょうか?
実験は午後に行い、日が傾いて日陰になったらこまめに銀マットを日向へ移動しました。






まずやって来たのはノシメトンボ♂(Sympetrum infuscatum)です。
銀マットの端に止まり、翅を翅を深く下ろして休息しています。
銀マットは断熱性があり地面に直接座るよりも暖かいので、トンボにも日光浴で体温を上げる効果がありそうです。
大きな複眼のある頭部はグリグリと動き、常に辺りを油断なく見渡しています。
ここに縄張りを張り、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せしているのかもしれません。

ときどき自発的に離着陸を繰り返すので、飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@00:14〜1:01)
頭部が動いて目標を見定めてから、羽ばたいて離陸しています。
飛び立ってもすぐにまたほぼ同じ場所に舞い戻ってきます。
ただし着陸する向きは変えました。
スローモーション映像を見る限り、空中で獲物を捕獲してきた様子はありません。
銀マット上で休むノシメトンボ♂は上空を動く物(虫?)に反応しているようですが、翅をピクッと動かしただけで飛び立たないこともありました。

しばらくすると同種♂がもう1匹飛来し、銀マット上の近くに着陸しました。
並んだ2匹は違う方向を向いて止まっています。
♀を獲得するために縄張りを張っているのなら、ライバル♂同士が互いに排斥する(追い払う)行動が見られなかったのは不思議です。
しかし2匹のノシメトンボ♂は落ち着きなく飛び回り、銀マット上で休む場所を変えました。
先程よりも互いに離れて止まるようになりました。
このとき1匹の♂が不思議な飛び方をしたので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみます。(@2:04〜)
飛び上がったノシメトンボ♂が羽ばたきながら銀マットのすぐ上の空中で腹部を前屈させました。
撮影中はトンボ♀の産卵行動(¶)と似ているように見えて興奮したのですが、♂の行動にしては奇妙です。
苦し紛れに想像するに、交尾相手の♀を把握器で掴む練習なのでしょうか?

¶ただしノシメトンボ♀の産卵法は打水産卵ではなく打空産卵なので、辻褄が合いません。

▼関連記事
ノシメトンボ♀♂の交尾と連結打空産卵


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


一方ノシメトンボの♀は銀マットに対してどのように反応するでしょうか?
つづく



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