2023/01/15

赤ちゃんを肩に乗せて運ぶニホンザル♀

 

2022年8月下旬・午後15:45頃・晴れ 

里山の麓にある原っぱを野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の母子が横切りました。 
母親♀が幼い子ザルを左肩に乗せて運んでいました。 
幼い子ザルは母親の腰に乗るか腹にしがみついて運ばれるのが普通です。 
こんな変則的なおんぶは珍しく、初めて見ました。 
この運搬法を何と呼ぶべきか、ヒトの親子がやる肩車とも違います。 
やんちゃな子猿がふざけて母親の肩に乗り、少し不安定な乗り心地を楽しんでいるのでしょう。 (ロデオのような遊びの一種?)
赤ん坊がもっと育って体重が増えると母親の負担も大きくなりますから、「おんぶしてもらいたいなら、しっかり真ん中に乗りなさい」と叱るはずです。



アカタテハ終齢幼虫が前蛹になる前の準備作業【30倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録:2022年#6 



2022年8月下旬・午後・室温25℃ 

隠れ家は未完成ですが、脱皮前の眠に入ったと判断し、微速度撮影を始めました。 
30倍速の早回し映像をご覧ください。 
アカタテハVanessa indica)の終齢幼虫クサコアカソの葉の間に白い絹糸を粗く張り巡らせただけの粗末な巣の中でじっとしています。 
無防備な丸見え状態で天敵対策は大丈夫なのかと心配になりますが、蛹化を撮影するためには逆に好都合です。 

葉裏で幼虫はときどき方向転換しました。 
下から照らした撮影用の照明(USB-LEDライト)が眩しくて嫌がっているのかと思いましたが、とりあえず静観します。 
巣作りはこれ以上進展しないと判断した私は、撮影の邪魔になる周囲の葉や茎をそっと切り落としました。 
かけられていた糸を数本切っても、アカタテハ幼虫は無反応でした。 

長い休息の後に、アカタテハ終齢幼虫はクサコアカソ葉裏の主脈の上に白い絹糸を集中的に紡ぎ始めました。 
これから下垂するための足場(絹の座布団)を作っているようです。 
最後の脱糞を済ませると(@6:55〜)、絹の座布団に腹端(尾脚?)をしっかり固定しました。 
斜めになった葉の裏側で頭を下向きにして静止しました。 
前蛹になるための準備がようやく整いました。 
早回し動画で見ると、眠状態の幼虫もときどき蠕動、微動していることがよく分かります。


 
↑【おまけの映像】 
同じ素材で元々の10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。 
外は雨が降っています。 
撮影用の強い照明で乾燥したのか、ちょっとした振動でクサコアカソの雄花から花粉が室内の微風に舞います。(映像なし) 
クサコアカソが風媒花たる所以です。

2023/01/14

夏の山道に残されたニホンカモシカの糞粒

 

2022年8月下旬・午後15:25頃・くもり 

里山で下山中、ニホンカモシカCapricornis crispus)が砂利道の真ん中に排泄した大量の黒い糞粒を見つけました。 
多雪地帯の当地ではニホンジカが生息していないことになっているので、鹿の糞という可能性は除外します。 
採寸代わりに携帯していたクマよけスプレー(高さ20cm)を並べて置いてみます。 
黒い糞粒の形状が独特です。

少し離れたもう1箇所にも糞粒がばら撒いたように残されていました。 
こちらには茶色の糞粒が混じっているのが珍しく思いました。 
表面が乾いているようにも見えますし、少し鮮度が古い(排便後に日数が経過している)のでしょうか? 
それとも採食メニューの違いを反映しているのかな? 
カモシカの飼育記録をまとめた平田貞雄『ニホンカモシカ・ミミの一生』によると、
・山地で見る野生のカモシカのふんは、季節によって、言い換えると食べ物によって、形とか固さおよび色が違います。 
・カモシカのふんの色ですが、晩秋から翌春まではやや褐色を帯びた緑色です。そしてその他の時期のものは黒緑色です。 
・四季を通じて、一日の排ふん回数は3〜4回です。 (p69〜72より引用)


現場の林道は車の轍ができているぐらいですから、昼間に登山客や林業車両の往来がそこそこ多いです。
したがって、カモシカが糞場として定期的に通ってくるとは思えません。 
カモシカの糞場は、もっと人目につかない場所を選ぶはずです。 
 カモシカは生活域内で、だいたいきまった場所で排便します。その場所を「ふん場」と呼びますが、山地で生活している場合には、斜面の棚状の地形のところをふん場とします。そういう地形のところはそんなにたくさん無いから同じ場所でふんをすることになり、そこにはふんが小高く積もります。 そして、ふん場にはかなりこだわるようです。(中略) 山の麓の方とか、平地の森林内で生活しているカモシカの場合は、棚状の地形に似たところ、たとえば小高い土手のわきなどをふん場とします。(同書p78-79より引用) 
おそらく夜間に縄張りを巡回する途中で便意をもよおしたカモシカが立ち止まってポロポロと排便したのでしょう。 
同一個体が2箇所で連続して脱糞したのか、それとも母子が並んで脱糞したのかな? 
糞粒のサンプルからDNA鑑定すれば突き止められるはずです。 

獣糞に集まる昆虫に興味を持って調べているのですが、今回はハエも糞虫も来てませんでした。

後日、同じ地点を通りかかる度にチェックしても、カモシカの新鮮な糞塊は二度と見つかりませんでした。
つまり、カモシカはここで繰り返し排泄していないことになります。
山中でニホンカモシカが通う溜め糞場を見つけたら、トレイルカメラを設置してみたいところです。

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