2021/02/24

エクリプスのマガモ♂を小突いて追い払う♀(野鳥)

 

2020年9月下旬・午後12:40頃・晴れ 

湖岸に集まって羽繕いしているマガモ♀♂(Anas platyrhynchos)の群れを撮影していたら、ちょっと気になる事件(小競り合い?)が起こりました。(@0:47〜) 
右端で寝ていたエクリプス♂に対して、左から結構な距離をわざわざ歩いてきた♀が跨ぎながら踏みつけて追い払いました。 
嫌がらせされた♂は反撃せず、遠慮気味に少し離れただけです。 
♀だけの群れに♂が混じっているのを嫌ったのかな?
それとも、♀が気になる♂にちょっかいをかけたのですかね? 
非繁殖羽の♂に求愛しても無駄な気がするのですけど。
『みにくいアヒルの子』のいじめを連想させる、何やら思わせぶりな行動でした。 


  

キイチゴの葉で活動する2匹のナシケンモン(蛾)幼虫【10倍速映像】

 

2020年10月中旬・午後14:15頃・晴れ 

里山を抜ける峠道に沿って自生するキイチゴ類(種名不詳)の群落で大小2匹の毛虫が近くの葉にいました。 
ナシケンモンViminia rumicis)の幼虫です。 
この時期は被写体が少なくなってきたので、「何か面白い行動をしないかな?」と期待しつつ三脚を立てて試しに微速度撮影してみました。 
私はキイチゴの仲間を見分けるのが苦手で、花または実が付いていない時期にはお手上げです。 

まずは食痕がある葉裏の縁に隠れている小さな個体aに注目して撮り始めました。 
やがて覚醒すると、キイチゴの葉縁をかじり始めました。 
ところがなぜかすぐに食べるのを止め、葉表に移動してきました。 
口にした葉の味が気に入らなくて別の葉に移動するのかと思いきや、葉表で静止。 
のんびり日光浴を始めました。 

どうにも退屈なので、カメラを右にパンして隣の葉に居た大型の別個体bに被写体を切り替えました。 
この個体bが乗った葉表には黒い糞が多数残されています。 
しかし、この個体bも上半身を少し左右に振るだけで移動すらしません。 
ただのんびりと日光浴をしているだけです。 

2匹ともあまりに活動性に乏しいので、撮影を打ち切りました。 
もしかすると体内寄生されている個体なのか?と疑ってしまいます。 
ナシケンモンの幼虫が夜行性だという話は聞いたことがありません。 
秋になると昼間も日光浴して体温を上げないと、食べた葉を消化(解毒?)できないのでしょうか? 

そもそも、天敵(捕食者や寄生者)に対して目立つ場所で白昼堂々と休んでいることに驚きました。 
特に初めに撮った個体aはせっかく葉裏に隠れていたのに、後半はわざわざ葉表に出てきてしまいました。 
ナシケンモン幼虫が食草由来の毒を体内に溜め込んでいるという話は聞いたことがありません。 
私はこの毛虫に触ったことはありませんが、毒毛になっていて防御機能があるのでしょうか? 
毒で自衛するならもっと派手な警告色を身に纏うはずです。 

秋になると目に付くようになるナシケンモンの幼虫が気になっていたので、次に出会う機会があれば採集・飼育してみるつもりです。 
この日は袋や箱など持ち帰る容器を何も持ってこなかったので、諦めました。 

※ 三脚でカメラを固定しても風揺れに悩まされました。 
それでも動画編集時にいつものように手ブレ補正のデジタル処理を施したら、かなり改善されました。

2021/02/23

キイロスズメバチ♀が物色するヤブガラシ葉巻き巣の謎

 

2020年10月下旬・午後14:30頃・くもり 

河畔林の林縁に咲いたセイタカアワダチソウの群落を覆うようにヤブガラシが繁茂していました。 
ヤブガラシの葉1枚を緩く巻いて作った謎の「虫の巣」をキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が念入りに調べていました。 
巣の入り口から頭を突っ込んで葉巻の内側表面を舐めたり端を噛んだりしています。 
おそらくイモムシが食草のヤブガラシの葉を巻いて巣を作り、中に隠れていたのでしょう。 
しかし葉巻の中は空っぽでした。 
そのまま蛹になり羽化した後なのかもしれません。 

キイロスズメバチ♀は少し飛び回ると、同じくヤブガラシの葉を巻いて作った別の巣を見つけて物色を始めました。 
緩く巻いた葉巻の内部に白い絹糸が張り巡らされている上に、葉に残ったマイン状の食痕が黒変しています。
獲物を狩る瞬間が見れるかと期待して接写したものの、どれも空き巣で私も蜂もガッカリ…。 

キイロスズメバチ♀が熱心に調べていた「虫の巣」を私も手でほぐして中を調べてみました。 
巣の主は不在で、内部は黒変していました。 
少量の糞が残っているような気もしますが、黒カビが生えてしまったようで、状況がよく分かりません。 

撮影中、隣に咲いたセイタカアワダチソウの花にキイロスズメバチ♀は全く興味を示しませんでした。 (吸蜜せず)
完全に「狩り(獲物探索)モード」だったのでしょう。 
おそらくこのキイロスズメバチ♀個体は過去の狩りの成功体験を記憶学習していて、ヤブガラシの葉巻き巣を重点的に調べて回っているのでしょう。 

新開孝『虫のしわざ観察ガイド』などの図鑑で調べてみたものの、残念ながらヤブガラシの葉を巻いて巣を作る虫の情報は得られませんでした。 
きっと蛾の幼虫だろうと予想しているのですが、来季はその正体を突き止めるつもりです。 
ネット検索してみると、候補として例えばモンキクロノメイガHerpetogramma luctuosale zelleri)の幼虫が怪しいと睨んでいます。

過去の記録を探してみると、2006年7月中旬にモンキクロノメイガの成虫を撮影した蛾像が見つかりました。





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