2021/02/21

チョウセンカマキリ♀緑色型の一時捕獲

 

2020年10月中旬・午後13:10頃・くもり
▼前回の記事 
オカワカメの花で獲物を待ち伏せするチョウセンカマキリ♀緑色型
アカザカズラ(別名オカワカメ)の花に居たチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)を手掴みで生け捕りにして、識別点を確認しました。 
胸部の前脚のつけ根の間に橙色斑があるのがチョウセンカマキリの特徴です。 
ここが赤いチョウセンカマキリを長年探し続けているのですけど、どうやら私のフィールドには生息していないようです。(絶滅した?) 
この辺りで出会うのはオオカマキリとコカマキリばかりです。
後翅の色で見分ける方法もあるのですが、片手でカメラを持って動画撮影しながらだとカマキリの後翅を広げられないので今回はやれませんでした。 
 元居たオカワカメの花に戻してやると、すぐに登って行きました。



 
長年この見分け方をしていたのですが、うろ覚えだったのでネット情報を見直すと、自信が無くなってきました。
胸がオレンジ色の個体はチョウセンカマキリと書いてあるサイトも多く、だとするとこの個体はオオカマキリ♀ではなくチョウセンカマキリ♀になります。
やはり横着せずに後翅も確認すべきでしたね…。
後で訂正するかもしれません。
過去の記事でも誤同定してたかも…?

【追記】
「生きペディア」というサイトの解説記事「チョウセンカマキリとオオカマキリ、見分けや違いは何?!」を読んで初めて知ったのですが、顔に走る緑色の縦条でも見分けられるのだそうです。
オカマキリもチョウセンカマキリも前頂部に3本の緑の帯があり、頭楯部から上唇部にかけて2本の線になって繋がっています。

この前頂部から頭楯部への左右の2本の帯はチョウセンカマキリの方が上唇部から先端に行くにつれ、狭くなってゆきます。

そして頭頂部の3本の濃い緑の帯もオオカマキリは細く、チョウセンカマキリは太い帯です。そして上唇部の濃い緑の帯の色の薄い部分はチョウセンカマキリが狭まって見えます。

今回私が出会った個体の顔写真を見ると、緑の縦帯が3本あったことから、やはりチョウセンカマキリと判明しました。


平凡社『日本動物大百科8昆虫I』を紐解くと、
 両者(オオカマキリとチョウセンカマキリ:しぐま註)は形態や行動が似ているにもかかわらず、オオカマキリが、山ぎわや林縁のクズ、ススキ、セイタカアワダチソウ、ササ類などが混生する草地に多いのに対して、チョウセンカマキリは、水田やその休耕地および開けた草原に多く、両種はある程度すみわけている。ただし、林縁などのオオカマキリの優占地でも、チョウセンカマキリが少しは生息していることが多いのに対して、水田周辺の環境では、オオカマキリがまったく見られないことがある。(p95〜96より引用)
今回の撮影現場は平地の新興住宅地で、すぐ裏には水田や休耕田が広がっていました。
したがって、いかにもチョウセンカマキリの生息地に相応しい環境です。
恥ずかしながらこの年齢になってようやく近縁2種の見分け方をマスターしたので、馴染みのなかったチョウセンカマキリを改めて飼育してみるつもりです。





 

ボタンクサギの花でクロホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリング【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年10月下旬・午後15:45頃・晴れ 

ガードレールの奥の庭に咲いたボタンクサギの群落でホウジャクの仲間が訪花していました。 
ホシホウジャクと似ていて迷うのですが、後翅の橙黄色帯が狭いのでクロホウジャクMacroglossum saga)だと思います。 
動画撮影を優先した結果、同定用の写真を撮り損ねました。(下記掲載の写真は、動画から切り取ったスナップショットです。) 

クロホウジャクはホバリングしながら黒くて(焦げ茶色)長い口吻を伸ばして細い花筒に器用に差し込み、吸蜜しています。 
長い口吻の前半分が橙色(明るい茶色)に見えるのは、ボタンクサギの花粉が付着してるためでしょう。 
花から引き抜いた口吻はゼンマイのようにクルクルと丸まります。 
停飛中に脚を花に掛けることはなく、常に体に引き付けて空気抵抗を減らしています。 

60fpsの動画(毎秒60コマ)で撮ったホバリング(停空飛翔)の羽ばたきがあまりにも早いので、残像のように逆に遅く見えます。 
この錯覚をストロボ効果(その中でも特にワゴンホイール効果)と呼び、扇風機の羽根の回転が逆に見えることでお馴染みです。 

クロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:14〜) 
順光の西日を浴びて、ハイスピード撮影日和でした。 
強い 秋風が吹いてボタンクサギの花序が大きく揺れても、クロホウジャクは即座に対応して吸蜜ホバリングを続けていました。 
花筒に深く差し込んだ口吻が折れたりするような事故はありませんでした。 
スズメガ類の口吻は、長くてもしなやかで折れにくいのでしょう。 
更に強い突風が吹いて煽られても墜落せずに、空中ですぐにホバリングの姿勢を立て直せるのは流石です。 
小型化、静音性、高度な姿勢制御、燃料を自律的に補給して飛び続けられることなど、これほど凄い高性能なドローンを人類(エンジニア)は未だ開発できていません。 

私は園芸植物に疎いのですが、ボタンクサギの花期は夏で、この時期(10月下旬)まで咲いているのは珍しいらしいです。 
もう一点珍しいと言えば、確かホウジャク類は薄暮性のはずなのに、今回は夕方よりも早く明るい時刻に訪花していました。 
活動時の明るさを照度計でしっかり計測して調べてみるのも面白そうです。 


2021/02/20

ドバトの群飛と電線への着陸(野鳥)

 

2020年8月中旬・午後17:20頃・晴れ 

街中でカワラバト(=ドバト;Columba livia)の小群がぐるぐると飛び回っていました。 
2羽?のカラスに追い回されていたような気もしたのですが、その様子は動画に撮れませんでした。 
計11羽のドバトが一団となって旋回してから、電線に着陸しました。 
群飛というほど大きな群れではありませんが、一斉に着陸する様子がささやかながらも動画映えすると思ったので、1/5倍速のスローモーションでまずはご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 

日が暮れるとドバトはどこで寝るのか、塒入りの様子をそういえば観察したことがありません。 
多くは鳩舎に帰るのではないかと予想しているのですが、野良のドバトのねぐらがこの近くにあるのかな? 

それにしても、ドバトの数がめっきり減りました。 
近年は市民(特に就学児童)の野鳥に対する正しい動物愛護意識が向上したせいか、ドバトへ給餌するヒトが減りました。
(公園で鳩の餌を販売しなくなって久しいです。) 
2020年は更にコロナ禍対策でヒトが出歩かなくなったので、鳩に餌をやるヒトが本当に減ったのでしょう。 
ヒトが気まぐれに与える大量の餌に依存していたドバトは、採餌活動域を大きく変更する必要に迫られたはずです。

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