2017/07/01
夜明け前の川で目覚めるコハクチョウとサギ類の混群(冬の野鳥)
2016年11月上旬・午前5:39~6:03(日の出時刻は午前6:11)
コハクチョウ(Cygnus columbianus)の集団塒がある川に徹夜で向かい、現場に着いたのは午前5:05。
真っ暗な川から野鳥の鳴き声が聞こえました。
川に降りる土手の草むらに霜が降りていました。
カモの群れが夜空を飛んでいたものの、暗過ぎて動画には撮れませんでした。
夜が白々と明け始めると、ようやく集団塒の様子が見えてきました。
川に朝霧が立ち込めています。
暗いうちはズームしてもAFの効きが悪いのです。
暗い川の中央部で白鳥が群れで寝ており、群れの辺縁には白鷺(おそらく冬鳥のダイサギ、コサギもいる?)も数羽居ました。
また、途中でアオサギが左(下流)から飛来し、集団塒の右端に着陸、合流しました。
コハクチョウとサギ類が混群の集団塒で夜を過ごしたことが分かりました。
手前の川岸近くにはカモ類が漂う別の集団塒がありました。
映像からコハクチョウを数えると、成鳥が20羽、幼鳥が4羽でした。
眠りから目覚めた個体からコハクチョウは朝の羽繕いを始めました。
体を上下に揺すって冷たい川の水を背中に何度もかけて水浴びしています。
やがてコハクチョウが小声で鳴き交わしながら川面を移動し始めました。
一方、白鷺は目覚めると塒には長居せずに、川から次々と飛び立ち上流に消えました。
もしかするとコハクチョウよりも警戒心が強く、対岸から撮影する私の存在を嫌ったのかもしれません。
朝日が昇り気温が上がると、カメラのレンズが急に結露して困りました。
レンズフードを装着しなかったのは失敗です。
次からはレンズヒーターなどの結露対策をしっかり考えないといけません。
不織布でレンズを拭いたら復活。
※ 映像の途中から(@1:49~)編集時に自動色調補正を施しています。
(実際はもっと暗く、朝靄に包まれてぼんやりしていました)
つづく→朝焼けの川とコハクチョウの群れ(冬の野鳥)
川に潜って漁をするカワウ(野鳥)
2017年4月中旬
私が川沿いの道を歩いていると、上流から飛んで来た大型の鳥とすれ違いました。
一瞬アオサギかと思いきや、見たことのない真っ黒な鳥で、震撼しました。
予定を急遽変更し、慌てて後を追いました。
黒い鳥の正体はクロサギではなくカワウ(Phalacrocorax carbo)でした。
こんな街中を流れる川で初見の水鳥と出会えて、久々に大興奮。
カワウは川に着水すると、橋の下で潜水漁を始めました。(映像はここから)
早春の川は大量の雪解け水で流れが早く、カワウは潜っている間に下流へどんどん流されてしまいます。
私も必死で追いかけます。
どうやら漁場として橋の下を好んで選んでいるような印象を受けました。
橋の下付近は水深が比較的深くて(淵)、獲物の魚が多いのでしょうか?
水中で魚を捕らえると丸呑みにするのですが、次回はこの「鵜呑み」にするシーンをしっかり撮りたいものです。
やがて潜水漁を中断して川の中洲に上陸しました。
カワウの特徴である腰の白斑を確認できました。
かなり目立ちますね。
カルガモが居る中洲を横断するとカワウは再び入水し、潜水を再開。
最後は川から飛び立つと、橋の下をくぐり下流へ去りました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
参考:山形県におけるカワウの飛来状況 2004(PDF)
【追記】
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』によると、
水中で魚を捕らえるカワウでは、水中での視力は、人間の水中での裸眼視力とたいして変わらないという。水中でさほど視力がよくないとすれば、どうやって彼らは魚を認識して捕食するのだろう? ひとつの可能性としては、近くだけで見ていることが考えられる。(p100より引用)
中川雄三『水辺の番人 カワウ (月刊たくさんのふしぎ2017年11月号)』によると、
・カワウは目がよく見え、にごった水のなかでも獲物を探すことができます。「鵜の目鷹の目」という言葉もあるほどです。 (p12より引用)
・成長とともに鼻の穴が完全にふさがるなど、潜水に適したからだをもっていて、水に潜る能力は水鳥のなかでも群を抜いています。 (p17より引用)
2017/06/30
塒の川から第二陣のコハクチョウが飛び立つまで(冬の野鳥)
2016年11月上旬午前7:14~7:23(日の出時刻は午前6:11)
▼前回の記事
コハクチョウ第一陣が塒の川から飛び立つまで(冬の野鳥)
集団塒の川からコハクチョウ(Cygnus columbianus)の第二陣が飛び立つまでの一部始終をノーカットでお届けします。
もしかすると、この小群は昼間も川に居残りヒトからの給餌に依存して暮らすのかと思いきや、結局は少し遅れて離塒しました。
後で聞くと、鳥インフルエンザの流行を恐れて今季はここで白鳥に給餌をしていないのだそうです。
第二陣の内訳は、黒っぽい幼鳥が2羽、成鳥が3羽の計5羽。
もし血縁関係にある家族群だとしたら、つがい(番)以外の成鳥一羽は前の年に生まれたヘルパーなのかな?
♂1♀2の小ハーレムである可能性もありそうです。
それとも昼間に行動をともにする群れの構成員は日替わりで変わるのでしょうか?
足環調査でしっかり個体識別しないと分かりませんね。
ときどき鳴き交わしながら川面を優雅に移動しています。
各々が朝の身支度(水浴と羽繕い)に余念がありません。
水浴シーンでは、体を上下に揺すって冷たい川の水を背中に繰り返しかけています。(@1:10)
川の水を嘴ですくって飲む個体もいます。(@2:15)
最後は川の中央部で全員が横一列に並んで同じ方向(上流)を向いています。
首を上下して鳴き交わす頻度が次第に上がってきました。
助走開始のきっかけは、陣形の中央に居た1羽の成鳥が先陣を切りました。(@7:00)
幼鳥は陣形の右翼を占めていました。
全速力で走りながら初めは水面を翼で激しく叩きますが、徐々に高度を上げていきます。
今回も上流へ向かって(風上へ?)離陸しました。
川の上空で右に旋回して河畔林に一度隠れてから、下流のどこか採餌場へ飛び去りました。
白鳥の行き先をいつか突き止めたいものです。
そして塒の川に白鳥は1羽も居なくなりました。
夕方になれば再び群れで戻って来るでしょう。
午前7:20に測定した気温は1.4℃、湿度82%。
今思うと、川の水温も測るべきでしたね。
風向きが逆の日は助走の向きも今回とは逆になることも確認したいです。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
【追記】
嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、
ハクチョウはいっせいに移動することはありません。日の出から10時くらいまでに、家族ごとや仲間どうしで田んぼへ飛んでいきます。コオーコオーと仲間どうしでよびかけあいながらの移動です。 (p12-13より引用)
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