2022年9月上旬・午後14:25頃・くもり
里山の急斜面をジグザグに登る細い山道の横にミズナラの大木がそびえ立っています。
その苔むした幹にサトキマダラヒカゲ(Neope goschkevitschii)が翅を閉じて止まっていました。
小刻みに素早く翅を開閉しながら、幹を歩いて下り始めました。
サトキマダラヒカゲが到達したのはミズナラの樹液酒場でした。
苔むした樹皮の内側から木屑(フラス)が排出されているのは、材の中に穿孔して潜むカミキリムシ幼虫の排糞孔です。
その傷口からミズナラの樹液が滲み出しているいるのです。
私の鼻では樹液の発酵臭を嗅ぎ取れませんでした。
樹液酒場には2匹のスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis striatipennis)などが先客として群がって居ました。
サトキマダラヒカゲは翅を閉じたまま、長い口吻を伸ばして樹液を吸汁し始めました。
先客スジクワガタ♂の存在に気づいていないのか、足で踏んづけています。
蝶の種類を同定するために翅裏に正対して紋様をしっかり撮りたかったのですが、見つけたときには近過ぎて、私が下手に動くと逃げられそうです。
残念ながら蝶はすぐに飛び去ってしまいました。
私のせいではなく、隣席の先客スジクワガタ♂に追い出されたようです。
薄暗い現場では蝶をミドリヒョウモン♀と見間違え、樹皮に産卵するのかと予想したのですが、映像を見直すと全然違いました。
後翅裏の斑紋の配列(緩やかなくの字)から、ヤマキマダラヒカゲではなくサトキマダラヒカゲと判明。
カメラを上にパンして、ミズナラの樹高を示します。
年季の入ったミズナラの幹にはツタ?の蔓も巻き付いています。
周囲の雑木林ではミンミンゼミ♂が鳴いていました♪