2012/02/01

ヒメクサキリ褐色型♂の鳴き声♪を解析してみる



2011年8月下旬・室温〜24℃?
ヒメクサキリ褐色型♂の飼育記録

※視聴の際はヘッドフォンの使用を推奨します。

体長37mmのヒメクサキリ♂(Homorocoryphus jezoensis)成虫が夜に鳴く様子を観察しようとしても、神経質なのか点灯すると鳴き止んでしまいます。
同時期に飼育していたハヤシノウマオイ♂とは違い、飼い続けても照明に慣れてくれませんでした。
関連記事→「ハヤシノウマオイ♂の鳴き声♪(HD動画)
仕方がないので、暗闇/薄明で飼育容器越しに鳴き声だけ録音しました。
窓の外で鳴くエンマコオロギ♂の歌声もかすかに聞こえます。
何も映っていない動画を連結してから音声だけをwavファイルに抽出し、音量を正規化しました。
おまけにスライドショーを付けてみました。


ヒメクサキリ♂は超高音の一本調子でチー♪もしくはジー♪と切れ目無くひたすら鳴き続けます。
気の利いたメロディやリズムのような音楽的構造は無いようで、どちらかと言えば耳障り(不快)なノイズです。
鳴き止んで静けさが戻るとようやく鳴いていたのかと気づく程です。
たまに断続的に鳴く部分(ジッジッジッ♪)を聞くと分かりやすいと思います。

『鳴く虫の観察と研究』p27によると、
「高い周波数の音は吸収されやすく、また反射されるので、周囲に散在する細かい物体があると伝わりにくいのである。(中略)高い周波数のキリギリス類は、草や木の上で鳴いている。」


高周波成分が非常に多いため、高齢者は聞き取りにくいかもしれません。
そのため鳴き声の波形を見ながら聞けるように工夫してみました。
今回録音した鳴き声のスペクトログラムを描くと、確かにヒト可聴域の上限近くに波形が集中していることが一目瞭然です。
「ヒトでは通常20Hzから、個人差があるが15,000Hzないし20,000Hz程度の音を音として感じることができ、この周波数帯域を可聴域という。」





せっかくwav形式(ステレオ、16-bit PCM、48000 Hz)で録音しても、mp3などに非可逆圧縮すると音質設定によっては高音域は大幅にカットされる可能性があります。
例えば「虫の音WORLD」サイトではヒメクサキリ♂が鳴く声MP3を試聴できます。
練習用にこのmp3ファイル(ステレオ、44100 Hz)をダウンロードさせてもらい、wavに変換してから同様に解析してみました。



あれれ…? MP3なのにむしろ私の録音よりも超高音域が残っていますね。
見事に予想と逆になりましたけど、マイクの性能差が如実に現れたのかな?
密閉したプラスチックの容器越しに録音したことが影響したのだろうか。
流石に鳴き声の専門サイトだけあって、色々とノウハウの蓄積があるのでしょう。

【追記】
動画から抽出した音声部が無圧縮の状態だと思い込んでいたのは私の勘違いでした(前に使っていたカメラの仕様と混同)。私の今のカメラは音声をac3形式(48000 Hz, 192 kbps)に圧縮しながら記録していました。この際にヒメクサキリの高音部が劣化したと思われます。


幸い今回YouTubeにアップロードしても、ファイル形式の再変換によって肝心の鳴き声が聞き取れなくなることはありませんでした。
もし駄目なら音声のピッチを下げてから再アップロードしなければいけませんでした。

いつか暗視カメラを買ったら鳴く様子を動画に撮り、発音器(翅)の使い方(動き)も記録したいものです。
これだけ高音だと、翅の振動も速過ぎて超スーパースローでないと見えないかもしれません。
カメラ内蔵のマイクではなくて外付けする専用マイクロフォンも欲しいなー。



素人が見様見真似で試してみただけなので、用語の使い方や波形の解析法などが適切かどうか自信無いです。
虫や鳥獣の鳴き声をパソコンで分析できるよう、これから少しずつ勉強していきたいのですが、手頃な参考書が見つからず困っています…。
お勧めの本があれば教えて下さい。



【備忘録
使用ソフトウェア一覧
OS: Ubuntu Linux
スライドショー作成:Imagination
MTS動画ファイルからのwav音声抽出:Kdenlive
波形表示&スペクトラム解析:Audacity
スクリーンキャプチャ:Desktop recorder
スペクトログラム解析: sndfile-spectrogram (CUI)





2012/01/31

笹の葉を蚕食するタケカレハ幼虫(蛾)



2012年1月上旬

タケカレハの飼育記録

冬にタケカレハEuthrix albomaculata directa幼虫が雪面をウロウロと徘徊する様子は季節の風物詩です。
関連記事→「雪面のタケカレハ(蛾)幼虫
この毛虫を2頭採集して飼い始めました。

2006年も幼虫から育ててみたのですが※、冬はブログがネタ切れになりそうですし、微速度撮影してみたいテーマが幾つかあるのです。
※「タケカレハ(蛾)幼虫の繭作り:前編」の動画は私がYouTubeで公開した最も初期の作品になります。
食草はイネ科植物(竹、笹、ススキなど)なので、雪国でもなんとか調達可能です。

虫を飼うと食草や生き餌を調達する必要に迫られ定期的にフィールドに出なければならず、出不精が解消されます♪

新鮮なササの葉(種名不詳)を与えてみると早速、蚕食し始めました。
堅い繊維を口器で断ち切る音がカシカシ♪聞こえます。
夜中や朝(消灯時)になると特に響いてきます。
タケカレハ幼虫が夜型の日周活動なのか、それとも単に周囲が静かだからでしょうか。

食餌シーンを動画に接写。
照明を点けても気にしなくなりました。
摂食中の口器の動きを正面から接写したかったのですが、顔に生えた下向きの長い毛に隠されてうまく撮れませんでした。
食草から口を離して探索徘徊し、容器の縁に登ろうとするほど元気です。


映像に登場するこの毛虫には、背中(中央よりやや右寄り)に気になる瘤が一つあります。
寄生されているのだろうか? 腫瘍?


つづく



2012/01/30

ヒメギス♂がヨモギを採食



2011年10月中旬

道端の草むらでヒメギスがヨモギに止まっていました。
短翅型のヒメギスで(それともイブキヒメギス?)、産卵管が無いことから♂。
口器や口髭が動いているので、さっきまで葉を採食していたのだろうか。





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