2016年11月下旬・午前9:50
郊外の庭で落葉したナナカマド?の木の天辺でモズ♂(Lanius bucephalus)を発見。
猛禽類のモズが純肉食性なのに赤い果実を採食したら大発見?…と内心期待しながら息を潜めて見守りました。
モズは枝先で辺りを油断なく見回しています。
頻りに首を傾げる仕草が可愛らしいですね。
朝の陽射しの中で日光浴しているのかもしれません。
すぐ近くでヒヨドリやカラス鳴いているのに、高鳴きなどせずにモズは黙っています。
この辺りは結構賑やかな環境です。
飼い犬が鳴いても車が通り過ぎても鉄道の踏切が鳴っても、里のモズはあまり気にしていないようです。
やがて尾羽を持ち上げたタイミングで白い糞を排泄しました。(@1:29)
最後は細い枝で突然バランスを崩したのか、激しく羽ばたき、そのまま飛び去りました。
結局、赤い木の実は食べませんでした。
まぁ、当然ですね。
【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば
ほとんど木の実を食べず、昆虫や小動物が餌のモズの冬の生活は、ことのほか厳しい。(p20より引用)
【追記2】
唐沢孝一『モズの話 (1985年) (よみもの動物記)』を読むと「木の実を食べるモズ」と題した章が設けられていて、具体的な観察記録が日本各地から報告されていました。
モズが木の実や芽を食べることは確かで、それも偶然食べたというよりも、かなりの頻度で、どの季節にも食べているらしい。 (p136より引用)
2016年11月下旬
▼前回の記事
杉の実を採食するヒガラ(野鳥)の群れ
峠道の横の斜面に生えたスギ林で遭遇したカラ類の混群の中で、シジュウカラ(Parus minor)もスギの球果を啄んで採食していました。
冒頭シーンは、コガラ(Poecile montanus)が休んでいた枝にシジュウカラが乱入して追い払いました。
混群で個体数が多いのはシジュウカラでした。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
2016年11月下旬
農村部の休耕田にガマ(蒲)の群落が生えていました。
晩秋の秋風に吹かれて、熟した穂先から白い綿毛がフワフワと飛んでいきます。
空気抵抗を大きくするために冠毛を付けた種子が風任せで遠くまで散布される仕組みは風散布の一種です。
タンポポの綿毛がその代表例です。
鷲谷いづみ、埴沙萠『タネはどこからきたか? (Nature Discovery Books)』によると、
・ガマは、冠毛のある細かいタネを大量につくり、強い風でなければ飛ばないように穂の形にまとめ、その穂を高く掲げる。風でタネを飛ばす名人中の名人だ。その分散力の大きさが、ガマを世界中に広げているといってもよいだろう。(p21より)
・いかにも身軽そうな微細なタネは、ときに数千mの高度まで舞い上がり、水平距離にして数百kmも飛ぶことがあるという。(p9より)
埴沙萠『科学のアルバム:たねのゆくえ』p1によると、
風にとばされたガマのわた毛は、やがて水面におちてながされ、さらに遠くへはこばれていきます。
▼関連記事
ガマの穂の綿毛はフワフワ
このとき(6年前の2010年11月上旬)は未だ少し未熟な穂を手でほぐして中に詰まっていた綿毛を風に飛ばせる実演をしました。
今回はご覧のように、自然に綿毛が飛ばされていく様子を動画に撮りました。