2016年7月下旬
団地の植え込みに咲いたビヨウヤナギ(=マルバビヨウヤナギ)の群落でヒメハナバチの一種の♀が訪花していました。
花がほとんど散り終わった群落で、残り少ない花にて採餌していました。
『ヤマケイポケットガイド5:庭木・街路樹』p86によると
(ビヨウヤナギは)花の寿命は短いが、1つの花が終わっても、新しい花が次々と咲き続ける。
吸蜜している様子はなく、長い雄しべの茂みの中をひたすら歩き回り集粉しています。
回転集粉と言えるほど効率的な採餌法ではありません。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
飛び上がっても、すぐに同じ花に舞い降ります。
後半は雄しべの先端によじ登ってしがみ付き、葯から集粉していました。
同定のため蜂を採集したかったのですが、柄の長い捕虫網が無いと花壇中央に届かないため無理でした。
2016年7月下旬・午後16:50頃
溜池でゴイサギ(Nycticorax nycticorax)の幼鳥が岸に近い浅い所で佇み、興味深い行動をしていました。
池底から拾い上げた短い枯れ枝を何度も啄んでいます。
同じ小枝を水中に落としては素早く嘴で咥えて拾い上げる、という動作を飽きずに繰り返しています。
好奇心旺盛な子供(幼鳥)が退屈しのぎに遊んでいるように見えますが、おそらく捕食行動の自主練なのでしょう。
映像の冒頭でヨシゴイ成鳥♂がゴイサギ幼鳥をかすめるように飛来し、近くのヨシ原に姿を消しました。(@0:03)
ゴイサギ幼鳥はさほど驚いた様子もなく、捕食の練習を続けています。
アオサギやカルガモが近くに来た時にもゴイサギ幼鳥はほぼ無関心でした。
この池では互いに顔馴染みの水鳥なのでしょう。
やがてゴイサギ幼鳥は小枝を捨て、池の中を歩き回りながら自力で採食しようと試み始めました。
頻繁に水中に嘴を突っ込んでいるものの、獲物を捕らえているようには見えません。
アメンボぐらいは捕食しても良さそうな気がして期待したのですが、毎回空振りでした。
最後、ゴイサギ幼鳥は急に池から飛び立つと、立ち枯れしたハンノキの枝に止まりました。
右にパンすると、別個体が同様にハンノキの枯れ枝で羽繕いしています。(前回の記事で紹介した個体)
▼関連記事
飛んで木に隠れるゴイサギ幼鳥(野鳥)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
同じサギ科のササゴイは撒き餌漁をすることで有名です。
魚を誘き寄せるための餌や疑似餌を目の前の水面に浮かべておいて待ち伏せし、寄ってきた魚を素早く捕食するという賢い捕食戦略です。
ゴイサギも似たような撒き餌漁をするとしたら面白いですけど、そのような話は見聞きしたことがありません。
ゴイサギの親鳥(成鳥)は夜行性なので採餌行動を観察するのが困難ですし、暗い夜の池で疑似餌を撒いても魚には通用しない気がします。
余談ですが、夜の魚に有効なのは漁り火漁です。
都会のゴイサギ成鳥はネオン街に近い夜の川で光に集まる魚群を狙うのだそうです。(『マン・ウォッチングする都会の鳥たち』p133-より)
幼鳥の期間だけでも撒き餌漁をマスターする個体が現れるでしょうか?
この池は水深が浅い割に水鳥の生息密度が高く池の魚はほとんど獲り尽くされているため、漁を観察するのは無理そうです。
ゴイサギの親鳥(成鳥)を私は未だ一度も見たことがありません。
隠れて寝ている昼間の塒を突き止めたいものです。
▼関連記事(1年後に撮影)
ゴイサギ幼鳥の群れが池の岸で小枝を相手に捕食の自主練(野鳥)
2016年7月下旬
沢の水が流れ込んで濡れている路面に夏型のサカハチチョウ(Araschnia burejana)が来ていました。
半開きの翅を開閉しながら徘徊すると、口吻を伸ばして泥から吸水を始めました。
泥からミネラル成分を摂取しているのでしょう。
吸水しながらときどき腹端から透明な液体を排泄しています。
一緒に来ていたコチャバネセセリと比べると、サカハチチョウ夏型は鈍感で撮影が楽でした。
この水場では他にキタテハも吸水に来ていたのですが、逃げられて撮り損ねました。