2016/07/06
桐の花で採餌するクロマルハナバチ♀
2016年5月中旬
里山に生えたキリの高木でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。
もしかするとオオマルハナバチ♀かもしれませんが、あいにく望遠レンズを外していたので一瞬の映像ではよく分かりませんね。
オリジナルの映像はあまりにも短か過ぎるので、1/4倍速のスローモーションに加工しました。
ここでしばらく粘って観察していても、クロマルハナバチが撮れたのはこの一瞬だけでした。
桐を訪花するクロマルハナバチの数が少ないのはクマバチとの採餌競争に負けているためでしょうか?
餌資源(蜜源)を巡る縄張り争いがあるのかな?
【追記】
▼翌年は別の場所でもっとしっかり動画に記録できました。
キリの花で採餌するクロマルハナバチ♀
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訪花
2016/07/05
電柱からケヤキ樹冠に集団塒を変えたハクセキレイ♂♀(野鳥)
▼前回の記事
早朝ハクセキレイ♂(野鳥)の群れが集団塒の電柱から飛び立つまで
ハクセキレイ♂(野鳥)集団塒の電柱:定点観察#7
2016年5月下旬・くもり・午後18:32〜19:0418日ぶりの定点観察に来てみると、冬の間に落葉していたケヤキ並木にようやく再び青葉が茂り始めました。
夏の到来でハクセキレイ(Motacilla alba lugens)は集団塒を変えるでしょうか?
それまで塒として使われていた2本の電柱(S&N)の下を未だ明るいうちに歩くと、路上に落ちた糞の数が減っていました。
雨で路上の糞が洗い流されたのか、定期的に清掃車が来るのか、不明です。
それとも、最近になってハクセキレイが塒の位置を変えた証拠でしょうか?
黄昏が迫ると辺りからハクセキレイが集まりだして就塒が始まります。
ちなみに、この日の日の入り時刻は18:50。
これまでメインの集団塒として使っていた電柱Sに近い街路樹のケヤキの茂みにハクセキレイが飛び込み始めました。
新旧の集団塒(電柱S⇔ケヤキの木)間の距離は、目測で約10m。
ケヤキ並木の枝葉が電線に触れて断線事故を起こさないように、電力会社が樹冠をかなり強く剪定しています。
引っ越した結果、塒の地上からの高さはかなり低くなりました。
天敵の蛇や猫などに寝込みを襲われるリスクが増したはずなのに、ハクセキレイにとっては人工物の電柱よりもどうやら安心するらしい。
横の歩道を自転車や歩行者が通っても気にしません。
もっとも、忙しい現代人はハクセキレイの集団塒の存在に気づかずに暮らしています。
3年前に初めてハクセキレイの塒入りを観察したケヤキの木は、通りを挟んで反対側にありました。
もしかすると当時は観察が不十分で、メインの集団塒を見落とした可能性があります。
▼関連記事
街路樹に塒入りするハクセキレイの群れ(野鳥)
ケヤキの茂みに塒入りしても、明るいうちは塒内の場所取りを巡って小競り合いが繰り広げられています。(※追記2を参照)
枝の手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露したり、空中戦の追いかけっこを繰り広げたりしています。
暗くなるまでに塒入りをやり直す個体も多いです。
塒の位置が低くなったおかげで、ハクセキレイの背中の色が確認できて性別判定が可能になりました。
注目すべき点は、塒入りした個体の中に背中の色が薄い(灰色)♀タイプも少数ながら混じっていたことです。
これまでは背中が黒い♂ばかりが集まり、性比の極端な偏り(♂100%)が不思議でした。
繁殖を早々に終えた(または繁殖に失敗した)♀成鳥または巣立った若鳥が♂の集団塒に合流したようです。
ケヤキ樹冠で♀の上に居た♂が細い小枝を伝い歩きしながら♀に接近しているのは求愛なのかな?(自信なし)
もしそうだとすると、塒は集団お見合いの場としても機能していそうです。
ハクセキレイが繁殖期に入る前の集団塒の様子を観察する必要がありますね。
手前の電線に別の♂が飛来した途端に、♀の近くに居た♂が塒から飛び立ち、追い払いました。
また、懸案だった就塒前集合の場所を今回ようやく突き止めることが出来ました。
従来のメインの集団塒(電柱S)の下に営業している某外食店(平屋建て)の赤いトタン屋根です。
屋根のてっぺんの棟や雪止めに少し間隔を空けて何羽も止まっています。
屋根でも互いに近づき過ぎると争いの種になります。
屋根に就塒前集合しているのは♂ばかりでした。
この屋根から塒に使うケヤキの木が目の前に見えるので、ハクセキレイは真っ直ぐ飛んで行けばすぐに就塒可能です。
塒に使うケヤキの木の方へ少しずつトコトコ歩いて屋根を移動したり飛び去ったりしています。
周囲の電線に一旦止まってから塒入りする個体も居ましたが、就塒前集合と呼べるほどの数が同時に電線上で鈴なりに並ぶことはありませんでした。
暗くなるとハクセキレイが続々とケヤキの木に塒入りします。
ときどき旧集団塒の様子も観察してみました。
すると以前メインの塒だった電柱Sには少数ながらもハクセキレイが来ていました。
柱上変圧器の周りがやはり好まれています。
一方、以前サブの塒だった電柱Nには1羽も居ませんでした。
個体群の一部が惰性の習慣または単純な好みで電柱を塒に選んだのでしょうか?
塒入りの順番待ちをしているだけかもしれません。
それとも、群れ内の力関係で強い個体だけがケヤキの樹冠に引っ越すことができたのかな?
これを解明するにはハクセキレイ全個体に足環を付けて個体識別する必要がありますね。
実はこの大通りの裏手には静かな桜並木があり、素人目には絶好の塒を提供しています。
ハクセキレイが集団塒としてそちらを選択しないのは、辺りに外灯がなくて真っ暗だから不安なのでしょう。
一方、実際に使われている集団塒は郊外の大通り沿いにあります。
夜もヘッドライトを点灯した車が行き交い、水銀灯やナトリウムランプが一晩中辺りを照らしています。
気象条件:くもり。
午後18:50の測定値で気温25.1℃、湿度41%。
18.53には23.6℃、46%。
つづく→#8:集団塒の街路樹から深夜に飛んで逃げるハクセキレイ【野鳥:暗視映像】
【追記】
日本野鳥の会『セキレイのなかまたち(みる野鳥記)』p15によると、キセキレイでは抱卵行動がよく調べられているようです。(ハクセキレイとどのくらい共通するかどうかは不明)
卵は♂と♀が共同で(交代で:しぐま註)あたためます。抱卵時間は♀>♂。夜の間、卵をあたためるのは、いつも♀。♂はテリトリーの中の別の場所で眠っています。
※【追記2】
川内博『大都会を生きる野鳥たち』という、都市鳥についてまとめた良書の「繁華街に眠る鳥ハクセキレイ」と題した章を読むと、この小競り合いについて書かれていました。
より良い場所を狙って、後から舞い降りた個体が、先住者を追い出そうとする。「チチンチチン・チンチュチュン」と鳴きわめき、大きくくちばしを開いて互いに争う。暗い夜空をバックに、街灯に照らされ、蝶のように白いつばさがひらひらと舞う。ピークは15分程度で、その間はだいぶ騒がしい。 (p208より引用)
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