2013/09/11

狩り直後のフタモンクモバチ♀@スギ倒木



2013年7月下旬

里山で細い山道を塞いでいるスギの倒木上にフタモンクモバチ♀(旧名フタモンベッコウ、Parabatozonus jankowskii)を見つけました。
蜂はすぐに飛んで逃げました。
ところが映像を見直すと、狩ったクモが近くに置かれています。
スギの枯葉に紛れたクモが保護色で撮影中は全く気づきませんでした。(痛恨のミス!)
狩りの直後か獲物の運搬中だったと思われます。
しばらく待てば逃げた蜂が獲物を取りに戻って来たはずです。

麻酔した獲物はコガネグモ科でしょう。
フタモンクモバチはオニグモ類を専門に狩る日本最大のクモバチらしい
クモの長い歩脚がスギの枯れ葉に引っかかり、運ぶのが大変そうです。
蜂も立ち往生していたのかもしれません。


イチモンジセセリ♂♀の求愛と交尾拒否@ススキ葉【ハイスピード動画&HD動画】



2013年7月下旬

水辺に近い堤防の草むらでイチモンジセセリParnara guttata)がススキの葉に2頭並んで止まっていました。
時折一頭が飛び回っています。
これは求愛飛翔ではないかと思い、すぐハイスピード動画(240-fps)を撮り始めました。
全編を更に1/2倍速のスローモーションに加工してあります。(トータルすると実際の1/16倍速スローモーション)
途中で小雨が降りだしたので、傘を差しながら撮影しました。

行動を見るになんとなく、下に止まっている方が♂だと思います。
撮影アングルを変えて横から見ると、上に止まった個体のほうが腹部が太く、♀のようです。
たまたまこのペアの場合、♂の方が翅の地色が暗いです。
保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』p9によると、イチモンジセセリの雌雄の区別は

斑紋はほとんど同じであるが、♀は翅の幅が広く、白色の斑紋が♂に比べて一般に強い。

2頭は縦に並んで葉に止まっています。
♂はときどき軽く飛び立って素早く元の葉に戻る、という行動を繰り返しています。
♀の直後→右後→左後と場所を変えています。
♂は求愛して♀の許諾を待っているようです。
視覚的に♀に何か求愛誇示するのなら、♀の前に出る必要があるのでは?と思うのですけど、これがイチモンジセセリの恋の流儀なのでしょう。
♂が動いて♀に触れる度に、♀は前翅を小刻みに震わせています(交尾拒否の合図?)。
迫る♂は片方の触角で♀の翅に触れてその振動を常に感じています。
♀は頑なに交尾拒否をするぐらいなら、なぜ飛んで逃げないのか不思議です。
吸蜜にも行かず静止しているのは雨宿りなのかな?
後で思うと、幼虫の食草はイネ科やカヤツリグサ科らしいので、♀はススキの葉に産卵しようとしていたのかもしれません。

つれない♀に痺れを切らしたようで、諦めた♂が飛び去りました。
例えば最後に撮った回のハイスピード動画では、♂は4分弱の間になんと計16回も♀にアタックしていました。
交尾に至る過程を記録観察したかったのに、恋が成就せずに残念でした。
頑として交尾を拒否する♀は基本的に翅を閉じたままでした。
♀が♂の求愛を受け入れるときはこの翅を広げるのかな?



途中で通常のHD動画に切り替えて同一のペアを撮っています。



実はこの直後、近くで別のペアの求愛を観察しています。

▼関連記事▼イチモンジセセリの求愛と交尾拒否@アカツメクサ花【ハイスピード動画&HD動画】


【参考動画1】
イチモンジセセリの求愛行動(@MOMO:動物行動の映像データベース)
吸蜜中の♀に対して♂が求愛しています。
このペアは♂♀どちらも焦げ茶色の翅。

【参考動画2】

イチモンジセセリの交尾(by peatarochanさん)

互いに逆を向いて腹端を連結しています。
交尾終了後はオスがすぐに飛び去る。


2013/09/10

キンシバイの花で回転集粉・振動集粉するクロマルハナバチ♀



2013年7月中旬

マンションの植え込みに咲いたキンシバイクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が数匹訪花していました。

後脚にオレンジ色の大きな花粉団子を付けています。
幾つかの特定の花が気に入ったようで、これを巡回していました。
花に止まると円形に並んだ雄しべから回転集粉します
ときおり振動集紛の音がかすかに聞こえるものの、車の騒音でかき消されてしまいます。
交通量の多い街中なのに、一体どこで営巣しているのか興味があります。



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