2012年9月下旬
里山の砂防堰堤に野生ニホンザル(Macaca fuscata)の群れが現れました。
コンクリート製の大きな堰堤の上部を一列で渡っています。
左右から来た2頭が出会い頭に追い駆けっこを始めました。
追いついて軽く小競り合いするも、マウント&毛繕いの儀式的宥和行動で仲直り。
初めに右手から来た方が優位個体のようです。
かなり遠い所から望遠で狙いましたが、猿たちは私の存在に気づいているようで警戒しています。
もっと近づいてから続きを撮ろうとしたら、群れ全体が走って左手の山の方に逃げてしまいました。
殿(しんがり)を務める最後の堰堤の左端からこちらの様子を窺っています。
【追記】
宮崎学『あったかねぐら―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る〈4〉』p28に次のような事例が報告されていました。
山の中、砂防ダムの堰堤の上にいるのは、ニホンザルの群れだ。梅雨の晴れ間の日をあびて、あったまったコンクリートの堰堤。大きなコンクリートのかたまりは、熱をためていつまでもあたたかい。夕方、肌寒くなってくると、サルたちがやってきて、その上で暖をとっている。
一方、私が観察したのは、単に群れの遊動経路として堰堤を利用しただけだろうという印象を受けました。