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2019/07/24

斜面の草むらに潜伏するキジ♂の母衣打ち♪(野鳥)



2019年5月中旬

溜池に降りる斜面の草むらに色鮮やかなキジ♂(Phasianus versicolor)が潜んでいました。
赤い鶏冠が緑の草むらでは逆によく目立ちます。
初めは警戒して身を屈めていましたが、私がじっとしていると、警戒を解いてゆっくりそろそろと首を伸ばしました。
正面からきっと見据えると、迫力のある眼力です。
強い日差しに照らされ近くで見ると、艶やかな羽毛が美しいですね。
今にも飛び立って逃げるかと思いきや、キジ♂は斜面をゆっくり歩いて下り始めました。(階段になっているのかもしれません)
灌木の茂みの手前で立ち止まると、ケンケーン♪と雄叫びを上げながら力強くドドドド♪と羽ばたき、縄張り宣言の母衣打ちを披露してくれました。
その後は藪の奥に身を隠しました。


キジ♂(野鳥)@斜面草むら

2019/07/19

川面を走るカイツブリ(野鳥)



2019年5月中旬

川面に♀♂つがいと思われる2羽のカイツブリTachybaptus ruficollis)が浮いて居ました。
羽繕いしたり、魚を捕るために潜水漁をしたりしています
川の水が緑色に濁っているため水中の様子は見えず、潜水したカイツブリが次にどこから浮上するか予測できません。

ときどき、急に慌てたように羽ばたきながら水飛沫を上げて水面を走り出します。
1/5倍速のスローモーションでまずご覧下さい。
カワウの離陸とは異なり、両足を交互に前に出して水面を走っています。

▼関連記事
川から飛び立つカワウの助走は両足跳び(野鳥)【HD動画&ハイスピード動画】

助走の後で飛び立つのではなく、真っ直ぐ短距離走をした後で滑り込むように着水しました。
着水の最後は上半身を仰け反って停まります。
おそらく水掻きのついた両足を水中で前に出して急ブレーキを掛けているのでしょう。

水面を走るこの行動が、川岸からカメラを向けて撮影している私に対する警戒・逃走なのか、何か別のディスプレイ(誇示行動)なのか、よく分かりません。
必ずしも私から遠ざかるように走り去るとは限らないからです。

縄張りへの侵入者(私)に対する威嚇誇示なのでしょうか?
素人目には、着水の滑り込みが楽しそうで、ただ遊んでいるようにも見えます。
カイツブリは潜水漁に適応した体の作りになっているため、翼が短く飛ぶのは苦手なのだそうです。
近くの川岸で喧しく鳴いているオオヨシキリ♂の囀りさえずりに混じって、ときどきキュルルル♪というカイツブリの鳴き声が川からかすかに聞こえました。
外見からカイツブリの性別を見分けられないのが残念です。
確かカイツブリの求愛誇示は♀♂が並走すると聞いたことがあります。

対岸の水際にペットボトルなどのゴミが漂着していて見苦しく、民度の低さがお恥ずかしい限りです。
川面に大量に浮いている白い物は、川を汚染する洗剤の泡やゴミではなくて、この季節の風物詩である柳絮りゅうじょです。(柳絮について詳しくは別の記事にします)

つづく→カイツブリのつがいが川面で羽繕い(野鳥)


カイツブリ(野鳥)@川面+着水

2019/07/15

窓ガラスに映った鏡像に戦いを挑むシジュウカラ♀(野鳥)



2019年5月中旬

建物の2階に並ぶ大きな窓ガラスにシジュウカラ♀(Parus minor minor)が体当たりを繰り返していました。
室内には窓全体にレースカーテンが引かれ、暗くなっています。
そのために外界の景色が窓ガラスにくっきりと反射して映っています。
シジュウカラ♀はガラスに映る自分の姿に何度も闘いを挑んでいるようです。
♀同士で熾烈な縄張り争いをしているつもりなのでしょう。
ガラスの方を向いて窓枠に止まり、飛び跳ねながら右往左往しています。
飛び上がった際に見えた腹部の黒帯が細いので♀と判明。
ときどき窓ガラスを嘴でつついているようです。
左端の窓に執着しているのは、ここが一番暗くて窓ガラスが外界を良く反射しているからだと思われます。

鏡像と喧嘩しながらも盛んに警戒声♪を発しているようですが、背後にある噴水の水音でかき消されてしまっています。
もう1羽のシジュウカラ(つがい相手の♂?)が近くで鳴いて応援していたようです。
私は撮影に集中していたので確認できていません。
もう1羽が高速で横切った姿が窓ガラスに反射して写った瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:17)

どうして番の♂はパートナーの♀に積極的に加勢して共同で侵入者を追い払おうとしないのでしょうか?
シジュウカラ♂は窓ガラスに映っているのが虚像だと見抜いているのかな?
縄張りへの侵入者が♂の場合には♂が、♀の場合には♀が対応するような分担があるのかもしれません。
番の♂としては、必ずしも一夫一妻には拘らずチャンスがあれば別の♀と浮気したいというのが本音でしょうから、縄張りに侵入した♀を追い払うのにあまり気乗りがしないのかもしれません。


どんな結末を迎えるのかと固唾を呑んで見守っていたら、最後は戦いを諦めたのか、離脱しました。
この近くで営巣しているのでしょうか?
もしここで窓ガラスに映った鏡像との戦いを毎日繰り広げているのだとすれば、無駄な闘争で体力を消耗しそうです。

野鳥が自分の反射像を敵と誤認して戦いを挑むという話は本などでよく見聞きしていましたが、実際に観察したのはこれが初めてで興奮しました。
ところで、飛来した野鳥が窓ガラスに激突して死んでしまうバードストライク事故もよく報告されています。
不幸な衝突事故を防ぐための方法として、京都新聞が2019年05月24日に次のような記事を掲載していました。

野鳥の衝突防止「窓にカーテンして」京都市動物園が協力訴え

今回この建物では室内の窓にカーテンをしているので、飛来した野鳥は通り抜けそうだとは思わず、窓ガラスへの激突事故は防げそうです。
しかし窓ガラスに外の景色がくっきり映ってしまっているため、反射像を敵と誤認した野鳥による不毛な闘争行動が引き起こされてしまいます。



▼関連記事 
カーブミラーに激突したヤマドリ♂(野鳥)の断末魔

シジュウカラ♀(野鳥)@窓ガラス:鏡像反応
シジュウカラ♀(野鳥)@窓ガラス:鏡像反応
シジュウカラ♀(野鳥)@窓ガラス:鏡像反応
シジュウカラ♀(野鳥)@窓ガラス:鏡像反応
施設+窓ガラス・全景

2019/07/14

ナツグミの木でアブラムシを捕食するスズメ(野鳥)



2019年5月中旬

噴水池の畔に植栽された庭木にスズメPasser montanus)が来て、チュンチュン♪鳴きながら枝先で何やら採食していました。
見慣れない黄色い花で吸蜜しているのかと初めは思ったのですが、よく見ると葉裏などに群がるアブラムシをつついて捕食しているようです。
葉縁を嘴で咥え込むこともありました。
ただし葉をちぎり取ることはしません。
食餌の合間に嘴を足元の小枝に擦り付けました。


スズメ(野鳥)@ナツグミ樹上+アブラムシ捕食
スズメ(野鳥)@ナツグミ樹上+アブラムシ捕食

庭木に疎い私は、この灌木の樹種を知りませんでした。
黄色い花はキバナウツギやツクバネウツギとも違います。


ナツグミ花+葉
ナツグミ花+葉
ナツグミ花+葉
ナツグミ花+葉
ナツグミ花+葉
ナツグミ幹

後日(6月下旬)に現場を再訪すると、赤い実がなっていたことから、ようやくナツグミと判明。

ナツグミ果実
ナツグミ果実
ナツグミ果実

2019/07/08

農道をパトロール中に縄張り宣言♪するキジ♂(野鳥)



2019年5月上旬

身の回りの生き物を見ていると毎日のように新しい(小さな)発見があるので、なるべくネタが被らないようにお届けしているのですが、個人的に何回撮っても飽きないテーマがあります。
その一つがこの、「母衣打ちするキジ♂」です。
豪華絢爛たる装いのキジ♂とフィールドで出会う度に母衣打ちを期待して、毎回飽きずに撮ってしまいます。
決して美声囀りさえずりとは言えませんが、命みなぎる活力を溜めて溜めて短い瞬間に爆発させるパフォーマンスにいつも惚れ惚れします。
こうして動画を撮り貯めれば、後に声紋解析で鳴き方の個性を比べたり、地域による微妙な方言を調べたり、例えばドラミング回数の時代変化を調べたりすることができるかもしれません。
縄張り宣言するキジ♂の絶叫は、かなり遠くまで響き渡ります。

今回は少し長い動画なので、まず冒頭で2回鳴いたハイライト・シーンの1/5倍速スローモーションを見てもらいます。
田んぼは田起こしがほぼ終わり、これから水入れと代掻きが始まるようです。
畦道もきれいに作り直されています。
キジ♂と出会う前からも田んぼの方から鳴き声♪は聞こえていました。

その田んぼの真ん中を通る農道にキジ♂(Phasianus versicolor)が現れました。
夕方の西日を浴びつつトコトコと歩き去る後姿を撮影開始。
辺りをキョロキョロ見渡しながら、縄張りをパトロールしているようです。
スミレやヒメオドリコソウ、タンポポ、スイバの花などが咲いている農道で立ち止まり、道草を食いました。
雑草の群落の濃い緑色の葉っぱを2回啄みました。(@1:47)
残念ながら採食メニューは不明です。

やがて立ち止まると縄張り宣言の母衣打ち♪を披露しました。(@2:43)
風切り音にかき消されて、ケンケーン♪という勇ましい鳴き声が聞き取れませんでした。
スローモーションを見直すと、母衣打ちでドドドドド…♪と2+9回羽ばたいています。
すぐにまたパトロールを再開。
尾羽も強い横風に煽られています。
歩き去るキジ♂の後ろを私もこっそり尾行して撮影を続けます。

農道の突き当りは砂利道とのT字路になっています。
キジ♂はそのまま砂利道も直進すると、立ち止まって二度目の母衣打ち♪。(@5:37)
今回も風の音で全く聞き取れませんが、激しい羽ばたきで砂埃が舞うので迫力は伝わります。
母衣打ちをスローモーションで見ると、3+10回羽ばたいていました。
また歩き始め、隣接する墓地に姿を消しました。


キジ♂(野鳥)@農道パトロール

2019/07/07

帰巣後に転卵してから座るハシブトガラス(野鳥)



2019年5月上旬
▼前回の記事
ニセアカシア樹上の巣で抱卵するハシブトガラスは警戒心が強い(野鳥)

私があまり動き回らずに下を向いて道端のキタテハ撮影に熱中していると、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥は「こいつは人畜無害だ」と判断し警戒を解いてくれたようです。
やがてヒノキ高木の天辺で見張っていたハシブトガラスが少し飛んで農道を横切り、営巣木の5本左隣のニセアカシア(別名ハリエンジュ)高木に止まりました。
ガーガー♪と嗄れ声で鳴いています。(私に対する警戒声?)
しばらく私の様子を伺ってから再び飛んで、営巣木に着地。
白テープを巻いた巣の真下にある枝に移動しました。
辺りを警戒してから飛び上がり、ようやく自分の巣に戻りました。
段階的に帰巣することからも、ハシブトガラス親鳥の用心深さが伺えます。
最後はピョンと巣に跳び乗りました。

巣の縁に止まって中を覗き込み、嘴でなにやらゴソゴソと作業しています。
これはおそらく、転卵でしょう。
巣材を整えているのかもしれません。
巣の縁を移動し、向きを変えて転卵を続けます。
ようやく座り込んで抱卵を再開。
私に背を向け、川の方(西)を向いて座りました。

30分後に現場を再訪すると、親鳥は川の方を向いたまま抱卵を続けていました。


2019/07/06

ニセアカシア樹上の巣で抱卵するハシブトガラスは警戒心が強い(野鳥)



2019年5月上旬

河畔林のニセアカシア(別名ハリエンジュ)樹上に作られた巣でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥が抱卵していました。
ニセアカシアの棘だらけの枝には若葉が開き始めています。
その幹から枝が四叉(それ以上?)に別れている所に巣材の枯れ枝を積み上げ、深いコップ状の巣をこしらえてあります。
巣材の一部に白いビニール(プラスチック?)テープが使われていて、他の枯れ枝に編み込まれていました。
その白テープがリボンのようにひらひらと風でたなびき、巣の目印になっています。

巣内で抱卵しながらもキョロキョロと辺りを警戒していた親鳥が急に立ち上がり、右へ飛び立ちました。
私に巣を覗かれていることに気付いたようです。
凄い剣幕で怒ってガーガー♪と嗄れ声で鳴きながら農道を飛び越えました。
(ハシブトガラスの普段の鳴き声はカーカー♪と澄んでいますが、警戒声は嗄れ声になります。)
旋回すると、農道を挟んで向かいに聳え立つヒノキ高木の天辺に止まり直しました。
頭部の羽毛が興奮(怒り?)で逆だっています。
見晴らしが良いヒノキ樹頂で私を見下ろしながら、羽繕いを始めました。(怒りの転移行動?)

最後は巣から飛び出す様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

つづく→帰巣・転卵


ハシブトガラス(野鳥)巣+白テープ@ニセアカシア樹上
ハシブトガラス(野鳥)巣+白テープ@ニセアカシア樹上
ハシブトガラス(野鳥)巣+白テープ@ニセアカシア樹上
ハシブトガラス(野鳥)巣+白テープ@ニセアカシア樹上・全景
ハシブトガラス(野鳥)巣+白テープ@ニセアカシア樹上・全景
ハシブトガラス(野鳥)@巣+白テープ:ニセアカシア樹上+抱卵



2019/07/03

ハシブトガラスとハシボソガラスの縄張り争い(野鳥)



2019年5月上旬

神社の境内に植栽されたイロハモミジ(=イロハカエデ)の枝にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が止まり、念入りに羽繕いしています。
その枝には若葉の新緑と赤い花が美しいコントラストをなしています。

急に飛び立つと、すぐ近くのヒノキの木に止まり直し、大声でカーカー♪と澄んだ声で鳴きました。
そこへ2羽のハシボソガラスCorvus corone)が飛来し、喧嘩が始まりました。
ハシボソガラスは名前の通り嘴が細く、嗄れ声でガーガー♪鳴きます。
どうやら、この辺りを縄張りとするハシボソガラスのつがいが共同でハシブトガラスを追い払ったようです。
縄張り争いに勝ったハシボソガラスがヒノキの枝でガーガー♪と凱歌の声を上げました。



【追記】
中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』という本を読むと、2種類のカラスの関係性について面白いことが書いてありました。

ボソとブトの両種は鳴き声が違うだけでなく、お互いの言葉が通じていないという説もあります。ただ、悲鳴の声(Distress Call)などは種を超えて理解しあっているようにも思います。 (p48より引用) 
大人のボソとブトが仲良くすることはない。 p66より引用)


ハシブトガラス(野鳥)@カエデ枝

2019/06/23

川面を泳ぎながら鳴く♪コガモ♂(野鳥)



2019年4月下旬・午後17:02

川の中流域でコガモ♂(Anas crecca)が下流へ急いで泳いで行きます。
川の流れよりも速く移動しているので、明らかに水掻きで水中を懸命に漕いでいるようです。
小声ながらもよく響き渡る高音でピリッピリッ♪と繰り返し鳴いていました。
昨年の秋からこの川で聞こえる度に気になっていた、美声を発する謎の鳥の正体が遂に判明しました。

この鳴き声を声紋解析したいのですが、近くの堰を流れる水音がノイズとなり、きれいな声紋が得られません。

※ 動画編集時に音量を上げています。(音声の正規化)


コガモ♂(野鳥)@川面+遊泳♪

早春の河畔林で鳴き交わす♪シジュウカラ(野鳥)



2019年4月下旬

柳(樹種不詳)やニワトコオニグルミなどの灌木が密生している川岸で、2羽のシジュウカラParus minor minor)が枝から枝へ飛び回っていました。
シジュウカラの1羽は♂と確認できました。
つがいなのかな?
耳を澄ますと鳴き声がかすかに聞こえます。


2019/06/21

早春の河川敷で鳴く♪ホオジロ♀(野鳥)地鳴き



2019年4月下旬

夕方の河川敷で枯れたままの葦原にホオジロ♀(Emberiza cioide)が止まっていました。
小声でチチッ♪と繰り返し鳴いています。(地鳴き)
少し遠いし川の音にかき消されて地鳴きがよく聞こえないので、動画編集時に音量を上げてみました(音声の正規化)。

最後は飛び立ちました。


【追記】
山形新聞社『やまがた野鳥図鑑』の解説によると、
 ホオジロ類の地鳴きは「チッ」だが、ホオジロだけは「チチッ」、または「ツチチッ」と1音ではない。古称の「しとど」もこの「ツチチッ」からきているようだ。(p54より引用)
確かにそう言われると、その通りですね。
ホオジロの地鳴きは、チチッ(2声)、またはツチチッ(3声)



ホオジロ♀(野鳥)@河原:枯れ葦原♪
ホオジロ♀(野鳥)@河原:枯れ葦原♪

2019/06/11

春になり戻ってきたハクセキレイが再びシラカシ街路樹に塒入り(野鳥)



2019年4月上旬・午後18:18〜18:28(日の入り時刻は午後18:07)
▼前回の記事(2018年11月下旬に撮影)
初冬に塒の街路樹を変更したハクセキレイの群れ(後編)常緑樹シラカシに塒入り【冬の野鳥】

雪が降る冬の間、定点観察していた集団塒の街路樹にハクセキレイMotacilla alba lugens)が来なくなってしまいました。
厳冬期に一体どこで過ごしているのか、謎です。
雪国のハクセキレイは留鳥ではなく、実は漂鳥なのではないかと疑うようになりました。
春になると再びハクセキレイが戻ってきてくれました。
しかし夏季に集団塒として利用されるイチョウ並木は未だ落葉したままで丸裸です。
昨年11月下旬に最後に見た時と同じく、隣の常緑樹シラカシに塒入りするのでしょうか?

前回の反省を活かし、今回は初めから落日に対して順光のアングルで狙います。
映像としてはほぼ前回と同じ行動の繰り返し(就塒前集合からの集団就塒)なのですけど、前回(11月下旬)に塒入りしたシラカシから10mぐらい離れた別のシラカシ街路樹に塒入りした点が異なります。
歩道沿いのシラカシ街路樹ではなく、駐車場の隅に植栽され最も大きく育った常緑樹シラカシに塒入りしました。
それに合わせるように、就塒前集合の場所も、大通りに面した某施設の屋上から近所の喫茶店の屋上や周囲の電柱・電線に移ってきていました。
撮影の合間に気温を測ると、午後18:26に12.6℃、湿度44%。

似たような季節消長のパターンは別な場所の集団塒でも以前観察しています。
春に戻ってきたハクセキレイの群れが電柱に塒入りし、近くのケヤキ並木の葉が茂る時期になるとそちらに塒を移動していました。
初冬に集団塒のケヤキが落葉すると、いつの間にかハクセキレイはその塒から姿を消しました。

どうやらハクセキレイの群れは毎晩の塒をある程度は臨機応変に選んでいるようです。
塒をどういう基準でどうやって選んでいるのか(合議制? リーダーの存在?)、というのも興味深い問題です。

※ 実際はもっとどんよりと薄暗く青空ではないのですが、ハクセキレイの性別を見わけるため編集時に彩度を少し上げています。


2019/06/09

お気に入りの窓枠に未だ居座って鳴く♪ドバト(野鳥)



2019年3月上旬・午後15:15〜16:39
▼前回の記事
窓枠に昼も夜も居座る2羽のドバト【冬の野鳥】

4日ぶりの定点観察です。
定位置から左隣の窓枠にカワラバト(=ドバト;Columba livia)が1羽だけ止まって居ました。
囀りさえずりなのか警戒声なのか分かりませんが、耳を澄まして聞くと小声でグルルルルー♪と繰り返し鳴いていました。
(風切り音や周囲の騒音で鳴き声がかき消されてしまいます。)
私がカメラを向けると警戒して少し飛び、定位置(右隣の什器搬入口の窓枠)に戻りました。
鳩胸を膨らませているのは、寒いのかな?

1時間20分後に現場を再訪すると、同じ場所に居座っていました。
前回は仲良しのつがいだと思ったのに、パートナーは戻ってきません。
瞬きするだけで寒そうにじっとしています。
レース鳩のように足輪を装着していないので、野良ドバトのようです。

今後も毎晩ここに塒をとるのか、このまま巣を作るのかどうか、興味深く見守るつもりでした。
しかし残念ながら、ここで鳩を見かけたのは、この日が最後でした。
糞害を嫌った誰かに追い払われたとは思いたくありませんが、私がしつこくカメラを向けたりストロボを焚いたりしたせいで、鳩がすっかり警戒心を強めてしまった(居心地が悪くなった)のかもしれません。
もう一つの可能性としては、近所で始まったビルの解体工事のせいで昼間の絶え間ない騒音や振動にドバトも耐えられなかったのでしょう。


ドバト(野鳥)@営巣予定地?/塒:窓枠
ドバト(野鳥)@営巣予定地?/塒:窓枠

2019/06/08

ツグミに母衣打ち♪を聞かせるキジ♂(野鳥)



2019年4月中旬

春になって雪が溶けた刈田にキジ♂(Phasianus versicolor)が佇んでいました。
その眼の前の畦道を冬鳥のツグミTurdus eunomus)がピョンピョン跳んで横切り、地面を啄みました。
ツグミをちらっと見た直後にキジ♂がケンケーン♪と絶叫し、その場で翼を力強く羽ばたかせて母衣打ちしました。
ツグミを縄張りから追い払う意図で鳴いたというよりも、同種♂間の縄張り宣言および♀への誘惑でしょう。
間近でキジ♂に母衣打ちされると大音量ですごい迫力ですが、聞かされたツグミの方は特に気にせず、畦道で採食を続けていました。


▼関連記事(7年前の撮影)
キジ♂が隣で鳴いても動じないスズメ【野鳥】

鳴き終えたキジ♂は私を正面から眼光鋭く睨みつけます。
陽光の下で羽根の構造色がメタリックに煌めき、惚れ惚れするほど美しくも勇ましい魅力が漲っています。
やがてキジ♂は頭を下げた姿勢で歩き始めました。
畦道に沿って刈田を移動して行きます。

つづく→早春の畦道で道草を食うキジ♂(野鳥)


【追記】
初稿ではホオジロだと早合点していましたが、YouTube上でAdrianij氏から指摘がありましたので、ツグミに訂正しておきます。
冬鳥のツグミがこの時期に未だ(ぎりぎり)日本に居るということを知らなかった私は、あまりじっくり見ずにホオジロだと思い込んでいました。


キジ♂(野鳥)@刈田+母衣打ち直後
キジ♂(左端)@刈田vsツグミ(右端)@畦道
キジ♂(野鳥)@刈田+歩行移動

2019/06/07

ニセアカシアの樹上で鳴く♪早春のツグミ(野鳥)



2019年4月中旬

河畔林のニセアカシア(別名ハリエンジュ)の樹上でツグミTurdus eunomus)が止まって鳴いていました。
少し飛んで上の枝に移動しました。
ようやく春になったのに、ニセアカシアの木は落葉したままで未だ芽吹いていません。
その横枝にツグミが止まり、クィクィ♪と鳴き続けています。
私に対する警戒声なのかと思いきや、これは地鳴きなのだそうです。
囀りさえずりではないので、♂とは限りません。

『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』でツグミについて調べると、

声: クィクィ、クェックェッ(2声ずつ) 地鳴き
冬鳥だが10月から5月まで見れる(p30より引用)


せっかく録れたツグミの鳴き声(地鳴き)を声紋解析してみたかったのですが、風切り音や選挙カーの騒音のせいで使い物になりませんでした。

冬鳥のツグミを4月に撮ったのは、これが初めてです。
未だ渡去しないのですね。


和名は冬季に飛来した際に聞こえた鳴き声が夏季になると聞こえなくなる(口をつぐんでいると考えられた)ことに由来するという説がある[2]。 (wikipediaより引用)

最後に状況説明のためにズームアウトすると、土手の林床にヒメオドリコソウがお花畑のように咲いていました。


ツグミ(野鳥)@ニセアカシア樹上
ツグミ(野鳥)@ニセアカシア樹上・全景

2019/06/04

早春の畑で葉菜を食べるムクドリの群れ(野鳥)



2019年3月下旬

根雪が解けた早春の畑にムクドリSturnus cineraceus)の群れが来ていました。
何を採食するのでしょう?

藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、

(ムクドリは)北海道や東北などの積雪地帯では、冬になると南に渡って行くため姿を消しますが、少数の個体は移動しないで残っています。 (p69-70より引用)
葉菜ようさい類の被害は、主として冬期間のヒヨドリによるものです。キャベツ、ハクサイ、レタス、ホウレンソウ、コマツナなどの葉が加害されます。 (p193-194より引用)


畑の野菜を食害するヒヨドリを私は未だ見たことがありません。

畑に黒いマルチシートを被せてあるのは、鳥の食害対策にもなっているようです。
玉ネギの苗を植えた手前の畝にムクドリは興味を示しませんでした。
その奥の畝では、青菜(小松菜?)が育っています。
画面の右上隅で一球育っているキャベツの葉をムクドリが啄んだようです。
(キャベツの葉に付く青虫を捕食した可能性は?)

最後は何かに警戒したようで、鳴きながら一斉に飛んで逃げました。
春一番の風が強く吹き荒れ、慌てて飛び立ったムクドリは強風で流されています。


2019/06/03

初冬に塒の街路樹を変更したハクセキレイの群れ(後編)常緑樹シラカシに塒入り【冬の野鳥】



2018年11月下旬・午後16:35〜16:52(日の入り時刻は午後16:21)


▼前回の記事
初冬に塒の街路樹を変更したハクセキレイの群れ(前編)就塒前集合【冬の野鳥】

この日は、きれいな夕焼け空になりませんでした。
大通り沿いの屋上や電線に就塒前集合していたハクセキレイMotacilla alba lugens)の群れがほぼ一斉に移動を始めました。
これまではお気に入りのねぐらだったイチョウ並木を、落葉後は使わなくなりました。
丸裸になったイチョウ並木を飛び越えて、その隣に植栽されていた常緑樹の茂みに、チチチ♪と鳴きながら次々に飛び込んで行きます。
これはシラカシというドングリが実る常緑樹です。
自然分布は福島県以西らしいのですが、最近では隣の雪国(山形県)にも洒落た街路樹として植栽されているようです。

冒頭は完全に逆光のアングルになってしまい、ハクセキレイのシルエットしか写っていません。(性別を見分けられない)
一旦塒入りしてもしばらくは落ち着かず、再び飛び出す個体も結構います。
塒内の場所取り争いで小競り合いや追いかけっこに発展することもあります。
誰か通行人が脅かした訳ではないのに、なぜか鋭い警戒声とともに多くの個体が一斉に四方へ飛び去ってしまいました。(私を警戒したのかもしれません)
しばらくすると再び戻って来てくれて、塒入りをやり直します。
シラカシの上部の枝から順に埋まっていく印象です。

順光のアングルに私がこっそり回り込むと、残照で画面が大分明るくなりました。(@5:07〜)
塒入りしたハクセキレイの群れには♀♂両方いることを確認できました。
近くで別のシラカシ街路樹に塒入りしているスズメの鳴き声もチュンチュン♪と聞こえています。
辺りが一気に暗くなると集団塒のハクセキレイはすっかり寝静まり、枝葉の茂みに隠れた姿は一羽も見つけられなくなりました。
撮影の合間に気温を測ると、午後16:48で7.0℃、湿度51%でした。

イチョウと異なり冬になっても落葉しない常緑樹のシラカシなら、冬の風雪を凌げそうです。
逆にどうしてハクセキレイは一年中、同じ常緑樹シラカシに塒入りしないのか? どうして夏は落葉樹イチョウを選んで塒入りするのか? 不思議です。
てっきりハクセキレイはこのまま冬になっても常緑樹シラカシを集団塒として毎晩過ごすのかと思っていました。
しかし、本格的に雪が降り始めた後も定点観察に通ってみると、意外にもハクセキレイの群れはいつの間にか居なくなっていました。
生き物の謎解きは一筋縄ではいきません。
夕刻の就塒前集合に来る個体数も激減し、厳冬期にハクセキレイがどこで塒入りしているのか、突き止められませんでした。
ここは繁華街で交通量や人通りも多く、他の天敵が来ないので、街路樹に塒入りした鳥は安心して夜を過ごせます。
ヒートアイランド現象で気温が周囲よりも少し高い可能性があります。
それでも厳冬期の塒としては厳し過ぎるのでしょう。

私のフィールド(多雪地帯)でハクセキレイが冬に集まる塒を見つけたことが未だ一度もありません。
私が知っている数カ所の集団塒はどれも、冬が近づいて街路樹が落葉するとハクセキレイがいつの間にか来なくなってしまうのです。(例:ケヤキ並木)
図鑑では留鳥として扱われているハクセキレイも、実は群れの大半が暖かい地方に渡って越冬しているのではないか?と疑ってしまいます。

塒の問題よりも、積雪期は餌が充分に取れなくなるのだろうと私は推測しています。
ハクセキレイの体にGPSや発信機を取り付けて追跡してみないことには、解明できそうにありません。


つづく→春になると…


電線に並んで鳴き脱糞するハシボソガラスのつがい【冬の野鳥】



2018年3月下旬・午後17:50

日没5分前の夕方、郊外の住宅地で2羽のハシボソガラスCorvus corone)が電線の最上段に止まり、声を合わせて鳴いていました。
春も近づき、そろそろカラスの繁殖期が始まる頃だとすると、この2羽はつがい関係なのかもしれません。
実はこの直前に3羽のカラスが電柱で奇妙な争いをしていたのに、撮り損ねてしまいました。(1羽が逃げた後から撮影開始)
つがいが縄張りを防衛していたのかな?

1羽がピョンと飛んで近づき、互いに逆を向いて電線上で並びました。
お辞儀をしながら嗄れ声で鳴いています。
嘴を足元の電線に擦り付けたりしています。
ようやく鳴き止んで静かになった思いきや、右の個体が電線上で少し脚を屈め、白っぽい液状糞を排泄しました。(@2:08)
最後は電線から相次いで飛び立つと、裏手にある小さな鎮守の森(防風林?)へ飛んで行きました。
そこが夜のねぐらなのか、それとも営巣地なのか、見届ける前に観察を打ち切りました。


ハシボソガラス2(野鳥)@電線

2019/06/02

初冬に塒の街路樹を変更したハクセキレイの群れ(前編)就塒前集合【冬の野鳥】



2018年11月下旬・午後16:21〜16:34(日の入り時刻は午後16:21)

▼前回の記事
黄葉したイチョウ街路樹に塒入りするハクセキレイ♂♀の群れ(野鳥)

11日ぶりの定点観察にやって来ました。
ハクセキレイMotacilla alba lugens)が夜の集団塒として利用していた街中のイチョウ並木は、黄葉した葉がほとんど散り終えた後でした。
歩道にはイチョウの黄色い落ち葉が敷き詰められています。
銀杏の実は落ちておらず、枝にも残っていないことから、やはり悪臭問題を気にして雄株しか植栽していないのでしょう。
遠くの山は初雪で冠雪しています。

ハクセキレイは落葉後も同じイチョウ並木に塒入りするのか、注目です。
鳥の塒入りに関する本を読むと、そのような写真が載っていたりするのですけど、雪が降らない暖かい地方の情報しかありません。
落葉後の枝に塒入りするのでは丸見えになりますし、雪国の厳しい風雪を凌げるとはとても思えず、留鳥のハクセキレイがどう対処するのか興味があるのです。

日没直後、いつものように大通り沿いの某商業施設の屋上や電線にハクセキレイが続々と集まってきました。
就塒前集合の始まりです。
屋上に登る外階段にハクセキレイが2、3羽、集まっています。
交通量が多くて騒音がうるさいのですが、耳を澄ますとハクセキレイが互いに鳴き交わしています。

ちなみに、撮影の合間に気温を測ると、
午後16:15に気温9.5℃、湿度42%。
午後16:32に気温8.8℃、湿度47%。


つづく→常緑樹シラカシに集団就塒




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