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2022/02/13

山中の池で水を飲むニホンカモシカ♂【トレイルカメラ】

 

2021年11月中旬・午後12:10頃・晴れ・気温10℃
前回の記事:▶ 山中の水場で水を飲むニホンカモシカ【トレイルカメラ】
トレイルカメラ(無人センサーカメラ)で里山の池を監視していると、珍しく真っ昼間からニホンカモシカCapricornis crispus)が水を飲みに来ました。 
しかも、いきなりカメラから至近距離でどアップの横顔が写りました。 
左岸の急な崖をわざわざ降りて水場に来たのかな? 

池の水面に口を付けて静かに水を飲んでいるようですが、残念ながら肝心の口元が写っていません。 
イヌのように舌を使って水をすくうように飲んでいるのならピチャピチャ♪という音がするはずですが、音量を上げても静かです。 
顔を上げたカモシカの口から水が滴り落ちました。 

喉の乾きを癒やしたカモシカは、左岸の泥濘を歩き去ります。 
このとき股間に睾丸らしきものが見えたので♂ではないかと思うのですが、どうでしょうか? 
野生ニホンカモシカの性別を外見から見分けるのは非常に難しいと言われています。 
奥の林道に出ると、地面の匂いを嗅ぎながら右に立ち去りました。

野生カモシカの自然な飲水行動をこれほど間近で警戒されることなく撮影できたのも、トレイルカメラという技術革新(文明の利器)のおかげです。

2022/02/12

池の水を飲み水浴するルリビタキ♀の群れ#2【野鳥:トレイルカメラ】

前回の記事@10月下旬:▶ 池の水を飲み水浴するルリビタキ♀の群れ【野鳥:トレイルカメラ】

2021年11月上旬 

里山の水場でルリビタキ♀(Tarsiger cyanurus)の群れが水を飲んだり浴びたりするために繰り返し訪れていました。 
無人センサーカメラ(トレイルカメラ)が4日連続で撮った動画をまとめました。 
池に来る時間帯は午後(薄暗い夕方)が多いですが、一度だけ朝に行水していました。 
2羽のルリビタキ♀が同時に写っていることがありました。 
瑠璃色の♂が滅多に写らずに地味な♀ばかりなのは、性比が極端に偏っているのではなく、若鳥♂が♀と外見で区別できないためかもしれません。
(ルリビタキの)♂はきれいな瑠璃色になるが、4年ほどかかるようだ。♀や若鳥は(中略)褐色だ。(山形新聞社『やまがた野鳥図鑑』p98より引用)

2022/02/08

川の岩場に落枝を拾い集めて独り遊びするダイサギ【野鳥:10倍速映像】

 

2021年11月上旬・午後14:30頃・晴れ 

川の岩場の周囲で休んでいる白い鳥の混群にほとんど動きがないので、微速度撮影に切り替えて長時間監視してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
岩場に乗って羽繕いしていた2羽のダイサギArdea alba)のうち、1羽が岩から離れ、川で採食を始めました。 
1羽のコサギEgretta garzetta)も続けて岩場から下りて、川で採食開始。 
一方、岩場の手前の川面で寝ていたコハクチョウCygnus columbianus bewickii)6羽の群れは、覚醒すると川面を泳いで岩場から離れて行きました。 

岩場に残ったダイサギが川に沈んでいた長い落枝を嘴で拾い上げ、足元の岩に乗せました。 
まさかこんな晩秋に(季節外れに)巣作りを始めるのか?と私は驚いて見守りました。 
しかもダイサギは高い樹上に営巣するはずです。 
せっかく拾い上げた枝を再び持ち上げて捨てたり拾い直したり、という謎の行動を何度も繰り返しています。 
どうやら巣材集め行動を転用して、ただの独り遊びというか暇つぶしの行動のようです。 

他の仮説を無理やりひねり出すと、岩場を独占したいダイサギが自分の隣の空席に物を置いて仲間が戻って来にくいように嫌がらせしたのですかね? 
ヒトではよく見られる席取り行動です。
しかしダイサギはそもそも群れで暮らすことが多い※ので、それは考えにくいでしょう。 
(※ 繁殖期にはコロニーを形成しますし、非繁殖期でも毎日夕方になると群れで塒入りします。) 
先にネタバレすると、これから夕方になるとダイサギはこの川に就塒前集合します。
岩場で隣に誰も来て欲しくなければ、近づく相手に対してつつく素振りをして牽制すれば済むのに、岩場に並んでいたときにはそんな敵対行動は見られませんでした。 
実際に、タイサギの中には単独行動が好きな個体も居て(一匹狼タイプ?)、同じ時間帯に群れから離れて中州に独り佇んだり、近くの樹上に単独で止まって休んでいる個体も同じ日に見かけました。(映像公開予定?)

落枝で遊ぶ合間に岩場のダイサギは川の水を飲みました。 
独り遊びに飽きると、岩の上で片足立ちになりました。 

2022/02/04

山中の水場で水を飲むマヒワ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬〜11月上旬 

山中の水場を監視する無人センサーカメラ(トレイルカメラ)に見慣れない黄色い小鳥が写るようになりました。 
どうやら冬鳥として渡来したマヒワCarduelis spinus)のようです。 
参考サイト:マヒワとアオジの違いと見分け方 @野鳥情報.com

シーン1:10/31 午後14:09 
画面の左上隅の対岸でマヒワが水を飲んでから飛び去りました。 


シーン2:11/1 午後13:53・気温10℃ 
池に浮かぶ落枝に乗って何度も頭を下げて水を飲む後ろ姿が写っていました。 


シーン3:11/1 午後15:49・気温11℃ 
2時間後、先程と同じ落枝に乗って飲水を繰り返しています。 

不思議なことに、マヒワは水を飲むだけで一度も水浴してくれませんでした。 



2022/01/27

山中の水場に夜な夜な飛来するコウモリ(その3:飲水)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月下旬・午後
前回の記事(@10月中旬):▶ 山中の水場に夜な夜な飛来するコウモリ(その2)【トレイルカメラ:暗視映像】
里山の水場を監視するトレイルカメラ(無人センサーカメラ)をもう1台増やして、2方向から撮影することにしました。 
夜に飛来して水場の周囲を飛び回るコウモリ(種名不詳)の暗視映像をまとめました。 
同一個体を2つのアングルから同時に撮影することはできませんでしたが、2台のカメラが互いに死角をカバーし合って相補的に記録することが出来ました。 

シーン1:10/22 午後18:24 
池の岸辺と山側の崖を写すアングルのトレイルカメラに写っていました。 
山の湧き水が池に絶えず流れ込んでいます。
池の上をコウモリが何度も飛んでは崖の手前で旋回しています。(登場回数は5回/40秒間) 
同一個体が池の上空を何度も旋回しているのか、複数個体が登場しているのか、どちらでしょう? 
2頭が連続して飛来することがあったので、少なくとも2頭が飛び回っているようです。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:46〜

シーン2:10/25 午後21:02・気温6℃ 
池の上を飛んできたコウモリが崖の直前で引き返しました。 

シーン3:10/25 午後21:40 
池畔の崖にある横穴に仕掛けたカメラの映像。 
水場の上を何度も旋回し、水面を掠めるように飛んでいます。 
コウモリが飛びながら水面に一瞬触れたようで、波紋が広がりました。 (@2:21)
おそらく水を素早く飲んだのでしょう。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@2:58)

シーン4:10/29 午後22:30 
レンズが曇っていてほとんど見えません。 
気温が下がって結露したのでしょうか。(気温データなし) 
雨が降った日にレンズが泥水で汚れたのかもしれません。 
そんな悪条件でも水場を訪れるコウモリが撮れていました。 

飲水目的以外にも、池の周囲を飛ぶ夜行性昆虫を目掛けてコウモリが夜な夜な飛来していると考えられます。 
しかし、捕食シーンの決定的瞬間を撮るためには、もっと高性能・高画質のカメラが必要なようです。
(録画のフレームレートが15fpsではとても足りません。) 



2022/01/25

秋の刈田でタニシを捕食するハシボソガラス(野鳥)

 

2021年10月下旬・午前9:00頃・くもり 

稲刈りが終わった田んぼ(刈田)でハシボソガラスCorvus corone)の群れが散開して採食活動していました。 
刈田の奥の端の窪みに水が溜まっているのか、2羽のカラスが代わる代わる水を飲んでいるようです。 
刈株の列に対して斜めから撮っているために、肝心の水たまりがよく見えませんでした。 
1羽が飛び去った後に居残った個体が地面から何か白い虫?を捕食しました。 
カメラを手前に振ると、刈田のあちこちに浅い水たまりができていることが分かります。 

左の刈田にもハシボソガラス2羽が集まり、仲良く並んで採食していました。 
右の個体が刈田の地面から嘴で何かを拾い上げました。 
焦げ茶色の物体で、初めはクルミの実なのかと思いました。 
しかしよく見ると先端がやや尖っているので、おそらくタニシの殻だと思います。 
カラスが嘴でつついただけでタニシの殻は割れるのでしょうか? 
もしかするとクルミ割り行動のように空中から投げ落としてタニシの殻を割って中身を食べるのかもしれません。 
タニシの捕食シーンを最後まで見届けるべきだったのに、残念ながら撮影中の私は気づいていません。 
むしろ初めに撮った個体の飲水行動が気になっています。 
水たまりをしっかり確認しようと私が少し横に移動したら、カラスたちは逃げてしまいました。
▼関連記事(2年前の撮影) 水田でタニシを捕食し巣に持ち帰るハシボソガラス(野鳥)

このときは、タニシの殻を嘴で壊してから中味を咥えると、その場では飲み込まずに巣へ運びました。


余談ですが、この日、現場近くの農道沿いでハルジオンの花が狂い咲きしていました。





2022/01/24

池の水を飲み水浴するルリビタキ♀の群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・ 

里山の水場に設置した無人センサーカメラ(トレイルカメラ)にまた新たに見慣れない地味な鳥の群れが2日連続で写っていました。 
これはルリビタキ♀(Tarsiger cyanurus)ですかね? 
あまり自信がないので、もし間違っていたらご指摘願います。 
地味な♀ばかりで瑠璃色の♂が登場しないのは、若鳥も混じっているから? 
晩秋で落ち葉が降り積もり、此岸がカメラの死角になってしまいました。 

シーン1: 10/30 午後13:20・気温12℃ 
画面右下の浅い岸辺で水を一口飲んだだけで、すぐに飛び去りました。 
トレイルカメラの存在を警戒しているのでしょうか? 
シーン2: 10/30 午後16:24・気温9℃ 
薄暗い夕方でもなんとかぎりぎり、フルカラー映像で撮れています。 
気温が10℃を切り、かなり冷え込んできました。 
今度は画面の左下にルリビタキ♀?が登場しました。 
浅い池に入ると水を一口飲みました。 
次は目の前にある落枝を何度も啄みました。 
水面に浮かぶ落枝をピョンピョンと伝って池の中央部までに来ると、本格的に水浴びを始めました。 
頭を下げて水に浸しながら素早く羽ばたいて水を跳ね上げています。 
日頃の手入れが行き届いた(油を塗った)羽根は水を全て弾いてしまい、水浴しても濡れません。 
すっきりしたルリビタキ♀は右上へ飛び去りました。 
羽繕いは池の外(樹上?)で行なうようです。
シーン3:10/31 午前9:26・気温7℃ 
今回は初めから画面中央で水に入っています。 
何かに驚いたようで、水浴を始めてすぐに飛び去ってしまいました。 
まさか水温が冷たいせいで短い水浴にしたとは思えません。 
シーン4:10/31 午前10:09・気温7℃ 
この茶色っぽい(焦げ茶色)個体がルリビタキ♀かどうか、特に自信がありません。(@1:52〜  下の写真も) 
まさかカワガラスですかね??  シロハラ?
2、3羽の小群が水場を訪れて、あちこち場所を変えながら水浴しています。 
後半に対岸で水浴する3羽はルリビタキ♀っぽく見えます。
互いに離れて同時に水浴するのは、群れで協力して四方八方を警戒するためでしょうか。 

最後の最後にシジュウカラ?が左から飛来したのに、録画終了で尻切れトンボに終わりました。






2022/01/22

池に飛び込み一瞬の水浴を繰り返すヒヨドリ(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午後12:45頃・気温13℃ 

山中の水場を監視していたトレイルカメラ(無人センサーカメラ)にヒヨドリHypsipetes amaurotis)の水浴シーンが撮れていました。 
浅い池の中央で落枝に乗ると、お辞儀をして水を飲みました。 
急に飛び立つとすぐ眼の前の水面に飛び込み、一瞬水浴しただけで飛び去りました。 
何かに警戒して逃げたのでしょうか? 

ヒヨドリが居なくなると、次は見慣れない小鳥が水場に飛来しました。(@0:20) 
これはコゲラDendrocopos kizuki)ですかね? 
もし間違っていたらご指摘願います。 
ところが水を一口飲んだだけで、コゲラはヒヨドリに追い払われるように逃げて行きました。 
【追記】コゲラではなく、マヒワ♀かもしれません。

そのヒヨドリは、今度は右岸付近の水面に飛び込みました。 
またもや短時間の水浴をしただけで、すぐに飛び去りました。 
「カラスの行水」よりもせっかちな早業です。 
その後もおそらく同一個体と思われるヒヨドリが同じ場所(右岸付近の水面)で飛び込み水浴をもう2回繰り返しました。 

ヒヨドリの飛び込みシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@1:00〜) 
アメンボなど水面の獲物を狙って捕食したのではなく、明らかに水浴行動を繰り返しています。 
ヒヨドリが落ち着き無く短い水浴を繰り返すのは、てっきりトレイルカメラが発する微かな電子ノイズを警戒しているのかと初めは思いました。 
しかし、過去の水浴映像を見直してみると、これがヒヨドリに特有の水浴行動なのだと分かりました。
短い水浴行動が進化したということは、ヒヨドリの祖先が水辺で待ち伏せしている天敵(捕食者)に繰り返し襲われた過去があるのかな?
関連記事(3、7年前の撮影)▶  
川で水浴びするヒヨドリの群れ(野鳥) 
川岸で水浴びするヒヨドリとハクセキレイ♂(野鳥)

【参考サイト】 
ヒヨドリの水浴び
午後から陽射しが出てきましたので、ヒヨドリが水浴びをしていました。 ヒヨドリの水浴びは他の小鳥と違い、カワセミの様に木の枝等からダイビングして行い、直ぐ上がってきますので、所謂、カラスの行水より短いが、これを何遍も繰り返します。(引用)
・ヒヨドリスト ~ヒヨドリの雛 保護観察レポート~ レポート27 ヒヨドリの行水



つづく(1年後に新機種カメラで高画質)→古池やヒヨドリ飛び込む水の音♪【野鳥:トレイルカメラ】

 
この動画を拝見すると、ヒヨドリの水浴時間が短いのは生まれつきだと判明しました。 


私の使っているトレイルカメラは明るい昼間でもなぜか暗視モードになってしまい、困っていたのですが、遂にフルカラーで動画を撮れるようになりました。 (祝!)
これまでは動画モードに設定していたのを試しに写真+動画モードに切り替えたら、あっさり解決しました。 
そんなことはカメラの取り扱い説明書にも書いてないので、制御プログラムのバグだと思います。 
写真+動画モードだと、センサーが熱源を動体検知したら写真を1枚撮ってから動画撮影が始まります。 
動画を撮り始めるまでどうしても若干のタイムロスがあるのですが、気温や月齢を写真で取得できるようになりました。

2022/01/20

山中の池で飲水・水浴・採食するシロハラ?(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午前11:26〜午後16:30

里山の水場を監視している無人センサーカメラ(トレイルカメラ)で見慣れない野鳥が撮れていました。 
同じ日に繰り返し何度も登場しました。 
おそらく冬鳥のシロハラTurdus pallidus)ではないか?と思うのですが、どうでしょうか。
間違っていたら(別種の鳥の映像が混じっていたら)ご指摘願います。 
『やまがた野鳥図鑑』p160によると、県内でシロハラは10月中旬から見られるそうです。 
ほとんど白黒の映像なので、鳥の色が分からず同定の難易度が上がってしまっています。 (私の設定ミス? トレイルカメラの制御ブログラムのバグ?)

シーン1:午前11:26 
カメラのレンズに水滴が付着したのか、肝心の画面の中央部がぼやけています。 
冒頭から鳥が至近距離のカメラ目線で登場しました。 
此岸の崖を降りて水際まで降りると、池の中に入りました。 
水深が浅いので小鳥でも立てます。 
少し水を飲んだようです。(目の前の虫を啄んだ?) 
すぐに飛び去ってしまいました。 

シーン2:午前11:31 
左岸近くの浅瀬で水浴しています。 
別個体が飛来し右奥の林道に着陸しました。 
小雨がポツポツ降っていて、水面に波紋が広がります。 
右から別個体が飛来し、池の落枝に着陸しました。 
ところが水浴せずに辺りをキョロキョロ見回しています。 
左岸で水浴していた個体は入れ替わるように飛び去りました。 

シーン3:午後14:15 
レンズに付着していた水滴が乾いたようで、視界が晴れました。 
画面の右下隅で水浴を開始。 
少なくとも2羽が水場を訪れています。 
右岸でシロハラ?が嘴で払い除けた落ち葉が池に落ちました。 
落ち葉をめくって下に隠れた虫を探しているのでしょう。(探餌行動) 
飛んで右岸から左岸に移動すると入水し、水際をつついて歩きます。

シーン4:午後14:17 
つづき 左岸の水際で採食活動を続けています。 
嘴で落ち葉をめくって虫探し。 

シーン5:午後14:32 
画面の左下隅に登場したものの、左上に飛び上がって消えました。 

シーン6:午後15:46 
手前の水面の落枝を慎重に伝い歩いて右へいどうすると、ようやく入水。 
浅い所で軽く水浴・飲水。 
ようやく警戒を解いて本格的に水を浴び始めたのに録画終了(尻切れトンボ)。 

シーン7:午後16:27 
左岸の浅瀬で行水していました。 
水浴を繰り返しながら少しずつ深いところへ進みました。 
水浴後は左岸から池の上に張り出したミズナラの横枝に止まり、羽繕いしてるようです。(画角のギリギリ外) 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
明るい昼間に撮れた動画なのに、なぜか赤外線の暗視モードになっています。 
画面全体がピンク色に点滅する目障りな症状が出るので、自動色調補正しました。 
画面奥の森の緑色だけが薄っすらと復活しています。 

実はもう1台の別なトレイルカメラを設置し、逆のアングルから池畔を狙いました。 
以下の写真はその別カメラで同じ日に撮れたシロハラ?の静止画です。 
動画を撮ったメインカメラが発する赤外線に反応して、最後の写真は白飛びしてしまっています。 
シロハラ?は池畔の崖で周囲の安全を確認してから水場に降り立つようです。 
写真+動画モードで記録すると、肝心の動画撮影を始めるまで遅延が生じてしまうのですけど、写真に気温と月齢が記録されるメリットがあります。 
(動画モードにすると気温と月齢が記録されない原因が分からず、困っています。)

2022/01/17

里山の池で水を飲み水浴するハイタカ?(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午前11:00頃・晴れ 

トレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視している里山の水場に珍しく猛禽が登場しました。 
明るい昼間のはずなのに、カメラの設定ミスで暗視モードの白黒映像になってしまったのが残念です。 
おそらくハイタカAccipiter nisus)ではないか?と思うのですが、どうでしょうか。 
カッコウと迷ったのですが、この時期に夏鳥はもう渡去して居ないでしょうし、尾羽の横縞模様が違います。 

浅い池の中央で辺りを警戒しながら水を飲んでいました。 
やがて水浴を始めました。 
翼を羽ばたかせながら頭を水中に何度も浸しています。 
しかし手入れの行き届いた羽毛は水をすぐに弾いてしまいます。 
その後も飲水と行水を繰り返しています。 
カメラの設定で1分30秒で録画が終了してしまいます。 
ハイタカ?が水場から飛び去るまで見届けられず残念。 

ところが、数分後におそらく同一個体と思われるハイタカが水場に戻って来ました。 
♀♂つがいの可能性もありますかね? 
今度は場所を変え、左岸付近の浅瀬で水浴を開始。 
ときどき水浴を中断し、池の中でじっと辺りを警戒しています。 
断続的に水浴びを繰り返しました。
パタパタ、パシャパシャと翼を羽ばたいて水飛沫を上げる音が聞こえます。 
水浴の合間に、浅い池の中で羽繕いを始めました。
胸の羽毛を嘴で軽く整えています。 
その後も再び同じ所で水浴をやり直しました。 

結局、ハイタカが水場から飛び立つ様子を見届けられませんでした。 
尻切れトンボの映像で残念です。 

ハイタカがこれほど水浴好きとは知りませんでした。 
もしかすると狩りの直後で獲物の返り血を浴びていたのかな? 

※ 画面全体が不自然なピンク色に点滅する症状が煩わしいので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 
画面奥に見える森の緑色だけがほんのりと復活しています。 


2022/01/14

山中の水場に夜な夜な飛来するコウモリ(その2)【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 夜の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】
2021年10月中旬 

里山の水場に夜な夜な飛来するコウモリが無人センサーカメラ(トレイルカメラ)に写っています。 
1週間分の暗視映像をまとめました。 
コウモリの登場時刻はまちまちです。 
森の中や池の周囲を飛び回り、獲物となる昆虫を探索しているのでしょう。 
気温が下がる秋の夜は虫があまり飛ばない気がしますが、この機種は動画モードの際に気温のデータが記録されないのが残念です。 
カメラの存在に慣れてきたのか、コウモリはときどき池の水面をかすめるように飛びながら水を飲んでいるようです。 
バットディテクターとトレイルカメラを組み合わせて、超音波によるエコロケーションを聞いてみたいものです。 

シーン1:10/12 午前00:20頃 
水面にさっと素早く触れる行動を2回続けてやりました。 
このとき水を飲んでいるのではないかと思います。 
あるいは水面のアメンボを捕食しているのでしょうか?
それとも、ツバメのように飛びながら水浴してるのかな? 
▼関連記事(1年前の撮影)
録画のフレームレートや画質をもっと上げたトレイルカメラの上位機種が欲しくなります。 
水面にアプローチする方向は毎回違いました。 

シーン2:10/15 午前00:40、1:25、および3:20頃(@0:20〜) 
水面すれすれを往復してから飛び去りました。 
コウモリが水面に触れると、波紋が広がるので分かります。 

シーン3:10/17 午後18:00頃(@0:55〜) 
少し霧が発生しているようです。 
水場の上を活発に飛び交いました。 

シーン4:10/18 午後19:20頃(@1:00〜) 
池の上を活発に飛び交いました。 

シーン5:10/19 (@1:11〜) 
此岸で野ネズミが活動しているようですが、カメラの死角で見えません。 
そのタイミングでコウモリが画面奥の森から飛来しました。 
果たして偶然でしょうか? 
獲物と期待して確かめに来たのかもしれません。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


 
↑【おまけの動画】 
Bats Dodge Crocodile Infested River | Nature's Biggest Beasts | BBC Earth 
オーストラリアに生息する昼行性のコウモリは暑い夏に体を川の水で濡らして体温調節するそうです。 
塒に戻り、濡れた毛を舐めて水を飲むのだとか。 
所変わればコウモリの飲水行動・水浴行動も変わるのですね。

2022/01/11

真夜中に池の水を飲むホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月中旬・午前4:20頃・ 

無人センサーカメラ(トレイルカメラ)を仕込んだ水場にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が登場しました。
真夜中にカメラ目線の両目が白く爛々と光って見えます。 
どうやらトレイルカメラの存在に気づいて警戒しているようで、頭を上下させて風の匂いを嗅ぎ、辺りの様子を用心深く伺っています。 
やがて急斜面を水辺まで降りて水場の水を飲み始めました。 
タヌキの飲水シーンは初見ですが、犬のように舌で水面をすくって飲んでいます。 
水面から波紋が広がるものの、水音は聞き取れませんでした。 
水面にタヌキの顔や光る眼が映っています。 
後ずさりで崖を登り返し、右岸をカメラの方へ近づいて来ました。 
丸々と太っている個体です。
画角の右端で再度、池の水を飲みました。 
どうもカメラの赤外線LEDを警戒しているような素振りです。 
(タヌキの目には薄っすらと赤く光って見えて怪しいのかもしれません。)
 ここで録画が一旦停止しました。 

44秒後にセンサーが再び起動したときには、タヌキは画面奥の対岸に戻っていました。 
つがいのパートナー(別個体)である可能性もありますね。
よほど喉が渇いていたようで、再び水を飲みました。 
ところで、タヌキは水浴しないのでしょうか? 
ようやく喉の渇きが癒えたタヌキは地面の匂いを嗅ぎながら左へ歩いて行きます。 
このとき遂に、私が池畔に置いておいた茹で栗の存在にタヌキは気づいたようです。 
しかし匂いを嗅いだだけで興味を失い、食べませんでした。 
林道を左へゆっくり立ち去りかけたところで録画終了(尻切れトンボ)。 

茹でた大きな栗の実を分かりやすく半分にカットしておいたらタヌキは食べてくれたかな? 
水辺に何日も放置していたので、もしかするとカビ臭かったのかもしれません。 
思いつきでやってみた給餌作戦は失敗です。 
給餌無しでどこまでやれるか、今季はストイックに野生動物の撮影に挑むことにします。 
餌付けしてしまうと野生動物のためになりませんし、観察された行動の解釈が色々と面倒になるからです。

2022/01/10

山中の池で水を飲むキジバト(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月中旬・午後14:20頃・ 

トレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置した山中の水場にキジバトStreptopelia orientalis)が来ていました。 
対岸の林道から歩いて登場すると水辺に近寄り、頭を下げて水をごくごく飲み始めました。 
鳥類は嘴で水を掬って一口ごとに上を向いて水を喉に流し込むのが普通です。
下を向いたままゴクゴクと水を飲めるのはハトの仲間だけです。
喉の乾きを癒やしたキジバトが池畔から右へ立ち去りかけたところで録画終了。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
トレイルカメラの設定ミスなのか、オリジナルの映像は画面全体にピンクとモノクロが点滅するおかしな症状が出て悩まされています。 
明るい日中に自然光で撮っているのに、暗視モード用の赤外線フィルターがレンズに中途半端にかかっている不安定な状態のようです。 
自動色調補正すると背景の森の緑が少し復活しました。 



2022/01/09

山中の水場で水を飲むニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 

2021年10月中旬・午後13:50頃 

里山の水場でニホンカモシカCapricornis crispus)が水を飲んでいました。 
頭を下げて水面に直接口を付けてゴクゴクと飲んでいます。 
喉の乾きを癒やしたカモシカが頭を上げると、右岸に生えた灌木の葉の臭いを嗅ぎました。
しかし採食もせず眼下腺マーキングもしないで、林道を右へ立ち去りました。 

野生カモシカの飲水シーンは初見です。 
せっかく撮れたのに、トレイルカメラ(無人センサーカメラ)の設定ミスなのか、昼間でも暗視モードで録画されてしまったのが残念です。 
いくら周囲が鬱蒼と生い茂った薄暗い雑木林とは言え、昼下がりの時間帯に自然光で動画を撮れないはずがないでしょう。
なぜかこの機種はセンサー起動時にまず写真を1枚撮らないと赤外線フィルターのオン・オフが上手く作動しないようです。 
私のように全て動画で記録しようとすると、昼間の撮影で問題が生じます。
トレイルカメラの制御プログラムのバグなのであれば、ファームウェアをアップデートして欲しいものです。


▼関連記事(1月後の撮影)

2022/01/08

雨上がりの林道で吸水・ミネラル摂取するメスグロヒョウモン♀

 

2021年8月下旬・午後13:00頃・晴れ 

数日前に降った大雨の後で山から滲み出る雨水が林道のわだちを流れて行きます。 
こういうときは長靴を履いて入山すべきだったのに、忘れてスニーカー靴が濡れてしまいました。 

轍の横にメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が降り立ち、沢の水で濡れた小石の表面に口吻を伸ばして舐めていました。 
半開きの翅を開閉しながら吸水しています。 
水を飲むだけでなく、ミネラル摂取も兼ねているのでしょう。
チョウのミネラル摂取は主に♂が性成熟のためにやるものとされていますが、メスグロヒョウモンでは今のところ♀でしか観察できていません。
関連記事(1年前の撮影)▶ 山道で吸水・ミネラル摂取するメスグロヒョウモン♀
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2022/01/05

夜の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬〜中旬・夜

山中の水場に飛来する夜行性コウモリ(種名不詳)の姿がトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に撮れていました。 

シーン1:午後22:43 
画面奥の森から飛来した1頭のコウモリが水面すれすれを低空で飛び、身を翻して左へ飛び去りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ツバメのように一瞬で水面の水をすくって飲んだように見えます。 
それともユスリカやアメンボなどの昆虫を捕食しに来たのかな? 
使用したトレイルカメラは動画のフレームレートが15fpsしかないのですが、なんとかコウモリの羽ばたきが見えました。 
モモンガやムササビの滑空とは明らかに違います。 

コウモリが池に飛来したとき、長い歩脚をもつザトウムシの仲間(種名不詳)がカメラの前を横切りました。 
果たしてこれは偶然でしょうか? 
池の岸辺を歩くザトウムシを超音波で探知したコウモリが捕食しようと飛来した可能性もありそうです。 
カメラの発する超音波(電子ノイズ)に驚いてコウモリは逃げてしまった、と考えられなくもありません。 
それとも池の小魚を捕食しに来たのでしょうか? 
小魚を捕食するコウモリが海外には居るらしいのですが(中南米のウオクイコウモリなど)、日本で魚食性コウモリの動画が撮れたらスクープ映像かもしれません。 
ただし、この浅くて小さな池で私は小魚を見たことがありません。 
カエルなど両生類なら池に居ても不思議ではありません。 

シーン2:翌日の午前2:26 
3時間40分後、深夜の山中で2頭のコウモリが飛び回っています。 
今度は池の水面に触れませんでした。 

1/5倍速のスローモーションで音声を聞き直してもコウモリの発する超音波は可聴化されませんでした。 
バットディテクターとトレイルカメラを組み合わせて超音波の鳴き声も同時に記録してみたいものです。 
バットディテクターを使えば超音波の声紋解析でコウモリの種類が同定できるらしいのも魅力です。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2021/12/30

夜の水場で喉を潤し水浴するツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午後20:20頃 

山中の小さな水場にトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を仕掛けたら、衝撃映像が撮れていました! 
夜に真っ暗な里山の林道を歩いて来たツキノワグマUrsus thibetanus)が水場に登場したのです。 
カメラ目線の両目が爛々と白く光っています。 
実は池の岸辺にクリの実を数個置いてみたのですが、クマは全く気づいた素振りがありません。 
岸から池の水を飲み始めました。 
ピチャピチャ♪と舌で水面を舐める音が聞こえます。 

喉を潤したツキノワグマは右前脚から慎重に入水しました。 
池の中央まで進んでも浅くて半身浴の状態です。
赤外線の暗視映像はモノクロで分かりにくいのですが、全身の毛皮に点々と付いている異物は「ひっつき虫」(動物散布型の種子)ですかね? 
赤外線では白く光って見えます。 

この水場を「熊の湯」と名付けたくなりますけど、温泉(露天風呂)ではありません。 
山の湧き水が窪地に浅く溜まっただけです。 
冷たい水に体を浸したクマの満足げな息遣いがハァハァ♪と聞こえます。
ようやく胸元に白い三日月紋が見えました! 
今後の個体識別に使えそうです。 
クマは半身浴のままで、背中や頭に水を掛けたりしませんでした。 
私が見慣れている鳥の水浴とは全く違いました。 
秋の夜なのにクマが火照った体を水風呂で冷やしたかったのかな? 
ときどき鼻先だけ水面下に沈めました。 
恍惚の表情に見えますが、まさか水中で排泄してたりして…? 

クマが池の中で向きを変えた時に、歩脚の長いザトウムシの仲間がカメラの前を横切りました。(@2:41) 
しかしクマは暗闇でザトウムシが見えてないのか無反応でした。 
赤外線カメラの存在も全く気にしていません。(見えてない?)
約3分間も水浴を楽しんだツキノワグマは、元の岸に戻ると左前脚から上陸しました。 
身震いして水気を切ったり毛繕いなどはせずに、そのまま林道を立ち去りました。 
録画の尺にピッタリ収まってくれたのも奇跡です。 
こんな大迫力の映像が撮れただけでもトレイルカメラの元が取れた気になりました。


実は昨年(2020年12月上旬)、水場の近く(直線距離で650m離れた地点)の雑木林の斜面(標高470m地点)で熊棚らしきフィールドサインを見つけています。 
落葉性広葉樹(樹種不明;クヌギ?クリ?)の上部の枝が大きく折られていて、そこだけ枯れ葉が枝に残っていました。
当時は半信半疑だったのですが、この山域に野生のクマが生息している確証が遂に得られました。 

 
たとえ低山でも入山時には護身用の熊よけスプレーを携帯する必要があると痛感しました。 
前時代的な「熊よけ鈴」やラジオを過信して命を預けるのは危険です。 
熊よけスプレーがもっと普及すれば値段も下がるはずです。
山間部のコンビニや自動販売機で気軽に買えるようになったら良いのに、と思います。

2021/10/24

吸水中に排尿するイカリモンガ(蛾):ミネラル摂取

 

2021年7月下旬・午前6:15頃・晴れ 

低山を登り始めてすぐの地点で、山道のわだちイカリモンガPterodecta felderi)が静止して泥水をすすっていました。 
いつものように翅をしっかり閉じたまま、水浸しの轍で吸水しています。 
口吻は先端を地面に付けたまま、全く動かしていません。 

吸水中のイカリモンガがときどき腹端から透明な液体をポタポタと排泄していることに気づきました。 
おそらく摂取したい必須のミネラル成分(ナトリウム塩やアンモニウム塩など)の含有濃度が低く、大量の水を飲まないといけないために、余分な水分を直ちに排出しているのでしょう。 
夏に体温を下げるため大量の水を飲んでいる可能性も考えられますが、時間帯が涼しい早朝なので、それはないでしょう。 
そもそもイカリモンガは涼しくて薄暗い林縁に生息する蛾です。

イカリモンガの吸水シーンやミネラル摂取は初見です。 
マクロレンズを装着して排尿シーンをじっくり接写しようか迷いました。 
私のカメラFZ85はバックモニターの角度を変えられず(メーカーPanasonicの改悪でバリアングル機能が廃止)、ヤブ蚊が飛び回る中を水浸しの山道に腹這いにならないといけません。 
そこまでの根性が無くて諦めました。 
(極端なローアングルまたはハイアングルで撮影する際にはバックモニターのバリアングル機能をとても重宝していました。)
その代わり、後半は通常のマクロモードでカメラを被写体に近づけながらしゃがんで接写してみました。 
それでもイカリモンガは飛んで逃げること無く、無心に吸水を続けていました。
ひょっとすると水を飲み過ぎて体温が下がってしまい、飛び立ちにくくなってしまったのかもしれません。
翅に触れてすぐに(準備運動無しで)飛び立つかどうか確かめればよかったですね。

2021/10/17

アリの群れに襲われても耐え忍ぶ、ど根性アズマヒキガエル【10倍速映像】

前回の記事:▶ 切り株で獲物を待ち伏せるアズマヒキガエルがアリを捕り損ねた

2021年7月下旬・午前9:50〜10:14頃・晴れ 

アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)が虫を捕食する瞬間を動画に記録しようと、真横にそっと回り込んでから三脚を立てました。 
ところが20分近く長撮りしても、空振りに終わりました。 
切り株の断面は水平ではなく、やや斜めに傾いています。 
そこに座ったヒキガエルは目の前のミズナラ幹をじっと凝視しています。 
瞬きもせず喉をかすかにヒクヒクさせているだけです。 
たまにアリが幹を徘徊しても、ヒキガエルは無反応でした。 
この撮影アングルでは遠近感が分からないのですが、おそらくヒキガエルの顔の正面にアリが来なかったり、ヒキガエルの舌の射程範囲の外だったのでしょう。 

やがて切り株から微小のアカアリ(種名不詳)がヒキガエルの体に次々とよじ登ってくるようになりました。 
ヒキガエルは皮膚が厚くて触覚が鈍いのか、ほとんど無反応でした。  
顔に来た蟻が目や口元を這い回っても平気です。 
アリは群れの仲間を動員してヒキガエルを攻撃しているのでしょうか? 
しかしヒキガエルの体に噛み付いたり蟻酸を掛けたりしているようには見えません。 
どうやらアリは、ヒキガエルの眼球から涙を吸汁したり、湿った唇を舐めたりして、水分を摂取しているだけのようです。 
ヒキガエルの閉じた口の隙間から唾液の小さい泡が出ています。 
アリに目尻を舐められたアズマヒキガエルはさすがに目を瞑るようになりました。 
カエルの瞬膜は眼球の下から現れて上に閉じます。 
ヒキガエルは左右の目を独立に瞬きできると分かりました。 
ヒキガエルの鼻孔内にアリが侵入することはなかったものの、鼻孔をヒクヒク動かすようになりました。 
喉をヒクヒクさせる動きが激しくなったのは、ストレスや苛立ちの現れでしょうか? 
右脇腹も呼吸で波打っています。 

煩わしいアリをヒキガエルが前脚で払い落とそうとしないのは不思議で仕方がありません。
よほど面の皮が厚くて鈍いのかな?
口元のアリをパクっと食べようとしないのは何故でしょう? (※追記参照)
まるでアリ責めの拷問を受けているようですが、ヒキガエルは身震いしたりアリを手で払い除けたりする行動が全く見られず、ただひたすら耐え忍ぶだけでした。(ガマん大会?) 
脂汗(ガマの油)を流すどころか、修行僧のような佇まいで平気の平左。 

 一部の鳥には蟻浴という習性があります。
アリ塚の上にわざと居座ってアリを怒らせ、羽毛に蟻酸をかけてもらい、ダニなどの体外寄生虫を駆除することがあるそうです。 
このヒキガエルもまさか蟻浴中だったのでしょうか? 

ヒキガエルの体表には毒液(ブフォトキシン)が分泌されているはずなのに、アリ避けの効果は全くありませんでした。 
ブフォトキシンは強心配糖体という心臓毒なので、おそらく脊椎動物にしか毒性を発揮しないのでしょう。
アリは昆虫(無脊椎動物) ですから、その心臓に影響しないのも納得です。

遂に アズマヒキガエルは度重なるアリの攻撃に堪りかねて右前脚で顔のアリを拭い、少し左に体の向きを変えました。 
切り株上でノソノソと歩いて前進を始め、終いには切り株から池の岸辺に飛び降りました。 

ヒキガエルの体長を採寸できず残念でした。 
かなり大型の個体で、目測では成人の拳より大きかったです。 

撮影中の私はカメラの近くで見守っていたものの、ヒキガエルの体に集る微小な蟻に全く気づきませんでした。 
なぜヒキガエルが急に逃げたのか理由が分からなかったのです。 
横に居る私の存在が気になり、警戒したヒキガエルが逃げたのでしょうか? 
あるいは、日向に長居するとヒキガエルの皮膚が乾燥するので、水辺に戻ったのかな?と思ったりしました。 
それとも、私が体中に振りかけた虫除けスプレーの匂いがきつ過ぎたせいで、ミズナラの幹に虫が近寄らなくなってしまい、ヒキガエルが狩場を変えたのか?と思ったりしたのです。 
撮れた映像を見て初めて、アリの群れから執拗に陰湿な攻撃を受けていたと真相を知りました。
ヒキガエルが立ち退いた後で切り株を現場検証しても、アリの巣は見つかりませんでした。 


↑【おまけの動画】 同じ素材でオリジナルの等倍速映像です。


※【追記】
西田隆義『天敵なんてこわくない―虫たちの生き残り戦略』という本を読むと、トノサマガエル(捕食者)とヒシバッタ(被食者)の関係について研究結果が詳しく書いてあり、興味深く読みました。
 カエルに限らず多くの捕食者は、採餌の効率が高くなるようにさまざまな工夫をしている。その一つが、小さすぎたり、大きすぎる餌を無視するというものだ。(p133より引用)

今回の動画で微小なアリが口元に来てもヒキガエルは食べようとしなかった理由は、小さ過ぎて腹の足しにならないからと考えられます。 



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