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2021/04/25

墓地のケーブルでスラックラインのように遊ぶ若いニホンザル

 

2020年12月上旬・午前11:55頃・くもり 

山麓の墓地で若いニホンザルMacaca fuscata fuscata)が墓石の天辺に座り、木と木の間に張り渡したケーブル(電線?)を掴んで独り遊びをしていました。 
墓石に両手をついて逆立ちのように両足を弛んだケーブルの上に乗せて弾むような反動を楽しんでいます。 
ケーブルが弛んでいるので、綱渡りというよりも今風のスラックラインですね。 
「遊び」の行動をするのはニホンザルやカラスなど知能が高く生活に余裕のある動物だけです。
子ザルの微笑ましい独り遊びをもっと見ていたかったのですが、近くから別個体の悲鳴♪が聞こえた途端に私を警戒して、墓石からそそくさと地面に降りてしまいました。 

※ 周囲の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2021/04/20

墓地で湯呑茶碗をもて遊んでいたニホンザル♀がうっかり落として割る!

 

 2020年12月上旬・午前11:50頃・くもり 

山麓の集落に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが山から降りてきていました。 
村の墓地で若い♀(子ザル)が石の上に乗っています。 
なぜか湯呑茶碗を手に持ち、墓石の上で転がしたりしたりして感触を楽しんでいました(遊び)。
中には酒(雨水?)が入っていたので、お供え物として墓地に置いてあったのでしょう。 
ニホンザルが湯呑を自分で持って墓石によじ登ったのか、それとも墓石の上に誰かヒトが乗せておいた湯呑を見つけて遊んでいたのか、不明です。 
私に気づいて目線をくれた途端に子ザルの集中力が途切れ、手が滑って湯呑をうっかり下に落としてしまいました。 
陶器の湯呑茶碗はガチャン♪と音を立てて割れてしまったようです。 
子ザル♀はきまり悪そうに墓石から慎重に地面に降りて、姿を消しました。 

映像を見れば分かるように、子ザルは決して湯呑をわざと割った訳ではなく、好奇心の強い子供らしいただの過失(粗相)です。 
後から割れた湯呑だけを見て「けしからん!猿に湯呑茶碗を割られた」と怒るヒトがいるかもしれませんが、山村の猿害対策としては墓地にお供え物(食料)を放置せずに持ち帰ることも重要です。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2021/02/08

落ちていた羽毛を繰り返し拾って遊ぶカワセミ♂(野鳥)

 

2020年10月中旬・午後16:50頃・くもり
▼前回の記事 
コンクリート護岸から池に飛び込み魚を捕るカワセミ♂(野鳥)
小魚を食べ終えたカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が奇妙な行動を始めました。 
急に振り返ると、コンクリート護岸に落ちていた白い羽毛を嘴で咥えました。 
カモ類やサギ類など別種の水鳥が池畔で羽繕いした際に羽毛が抜け落ちたのでしょう。 
階段上には落ちた羽毛がいくつも散乱しています。 
カワセミ♂は拾った羽毛の根元を咥え直すのに苦労しています。 
嘴から落としてしまった羽毛を繰り返し拾い上げました。 
下の段に羽毛を落としてしまったときは、素早くフライングキャッチし、元居た階段にすぐ舞い戻りました。 
再び羽毛を落とした後は、見失ったのか興味を失ったのか分かりませんが、今度は羽毛を咥えて来ませんでした。 
階段で再び脱糞し、直後にどこかへ飛び去りました。 

カワセミ♂がこんな行動をしたのは初めて見ました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。 
繁殖期(造巣期)に行う巣材集めの名残なのでしょうか? 
しかし本で調べてみると、カワセミの巣穴は崖に水平坑を掘るだけで、産座にも羽毛などの巣材を使わないそうです。(参考:大阪市立自然史博物館叢書『日本鳥の巣図鑑』p129)

私には捕食の練習や遊びの一種に見えました。 
薄暗い夕暮れなので池の岸に落ちていた白い羽毛を一瞬小魚に見間違えたのかもしれません。 
仮にそうだとしても、一回拾ってみれば餌ではないとすぐに悟り、捨てて興味を失うはずです。 
にもかかわらず、繰り返し落としたり拾ったりする様は私には遊びとしか思えません。 
それなりの知能と生活の余裕が無ければ「遊び」は生まれないので、カワセミが遊ぶとは意外でした。 

別の可能性として、拾った羽毛を疑似餌(ルアー)として使おうとしているのかもしれません。 
池の水面に羽毛や木の葉などを浮かべて集まってきた小魚を捕食する「道具使用」行動が一部地域のササゴイButorides striatus amurensis)では知られています。 
もし拾った羽毛で遊んでいたカワセミが偶然池に羽毛を落としてしまい、獲物となる魚が集まってくることを学習すれば、味をしめて繰り返しやるようになるかもしれません。
カワセミが疑似餌漁をやる証拠映像が撮れたら面白いスクープになるでしょう。

2020/11/16

電柱のワイヤーや金具に悪戯するハシボソガラスの幼鳥(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後16:05頃・晴れ 

道路沿いの電柱の天辺にハシボソガラスCorvus corone)の幼鳥が独りで止まり、ひっきりなしに奇妙な声で鳴き騒いでいました。(多彩な鳴き方) 

※ カラスの鳴き声がよく聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。  

嘴の中が赤いので、幼鳥と分かります。 
親鳥が給餌に来るのを待っている間に、幼鳥は暇つぶしをしているのかもしれません。 
ワイヤーやボルトなど電線を電柱に固定する器具を嘴でいじくり回して遊んでいます。 
悪戯の合間に嘴を足元のワイヤーに擦り付けたり、足で顔を掻いたりしています。(@1:39)  

そこへ蜂が1匹、左から飛来しました。(@1:50) 
黒装束のカラスが蜂に刺されるかと内心期待したのですが、何事も起こりませんでした。 
やや遠くて蜂の種類を見分けられません。 
電柱の金具のボルト穴に興味を示したようなので、オオハキリバチ♀など借坑性のハチが営巣地を探索に来たのかもしれません。 

それにしても、これがもしカラスの成鳥なら、私がこんなに近距離から長時間撮影していると、気まずくなって(警戒して)早々に飛び去るはずです。 
カラスの幼鳥はヒトを未だあまり恐れていないというか、遊びに夢中でヒトなど眼中にないのかもしれません。 

晴れていても風が強い日でした。 
電柱を見上げながら撮影している私の体が強風でぐらついてしまうほどでした。 
体幹の筋肉をもっと鍛えないといけませんね。 

ハシボソガラスの幼鳥が電柱天辺の金具の隙間を嘴でつついたら、中に詰まっていたゴミ(小石?)がボロボロと落ちました。(@2:40) 
こんな所に小石が詰まっているのは変なので、別個体のカラスがガラクタを貯食していたのかもしれません。  
最後は鳴きながら電柱から飛び立ちました。(@4:09) 
少し離れた隣の電柱に止まり直した直後に黒っぽい固形の糞をポロポロと排泄しました。(@4:21) 
鳥は普通、飛び立つ直前に軽量化のため排便するはずなのに、意外でした。
幼鳥は想定外のことを色々とやってくれるので、見ていて飽きません。

▼関連記事(6年前の撮影) 
電線の器具に悪戯するハシボソガラス【冬の野鳥】
カラスが悪戯しても感電事故が起こらないように、電柱や電線の金具はしっかり対策されているのでしょう。

2020/09/27

コンクリート護岸で翼を虫干しする遊び盛りのハシブトガラス幼鳥兄弟(野鳥)



2020年7月中旬・午後17:25頃・くもり

河原のコンクリートブロックで護岸された緩斜面に3羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が集まっていました。
ブロックの隙間からヨモギ?などの雑草が生え、蔓植物のクズが護岸の大部分を覆っています。
2羽は口内が赤い幼鳥でした。
何か採食している1羽の成鳥(親鳥)の傍らで、2羽の幼鳥がつきまとって餌乞いしているようです。
対岸からでは遠くて鳴き声を聞き取れませんでした。
1羽の幼鳥aが親鳥の真似をしてヨモギ?の葉を啄んでから、翼を少し広げてコンクリート護岸の斜面に座り込みました。(@0:37)
その体勢で羽繕いをしようとしてバランスを崩しました。

突然、親鳥が左へ飛び去り、幼鳥2羽が取り残されました。(@0:45)
どうやら親鳥が幼鳥へ巣外給餌したシーンを私は見逃してしまったようです。

雑草の生えていないコンクリートブロックが露出した部分で幼鳥aが再び翼を広げて座り込み、羽繕いを始めました。(@0:53)
快晴ではなく夕方の曇り空なのですが、おそらく昼間の太陽光で温められたコンクリートの予熱で羽根を虫干ししたいのでしょう。
蟻浴の可能性もありますが、特定の1箇所には固執しなかったので、虫干しだと思います。

もう1羽の幼鳥bが兄弟姉妹aにキスしたり割り込もうとしたり、嘴でつついたり、色々とちょっかいをかけている様子が微笑ましいです。
虫干し行動を少し真似することもありました。
もしかすると、ときどき相手の体を啄むのは、体に登ってきたアリを捕食しているのかな?
だとすると蟻浴説が一番しっくりくるのですが、遠過ぎて小さなアリは映像に写っていません。
幼鳥aが場所を少し変えて、羽根の虫干しと羽繕いを続けます。
もう1羽の幼鳥bは飽きっぽい性格のようで、護岸の上部に移動するとクズ群落で探餌採食を始めました。

後半は望遠レンズを装着し、少しだけ近づいてから続きを撮影。(@2:43〜)
相変わらず2羽の仲良し兄弟姉妹は羽根を虫干ししながら互いにちょっかいをかけています。
相互羽繕いというよりも、嘴でつついて遊んでいるようです。(ふざけてる)
護岸に生えた枯草の茎を試しに咥えて引き寄せようとパクパクしている嘴の中が赤いので、幼鳥と分かります。

※ 動画編集時にうっかり音声を消してしまい、無音になってしまいました。
動画編集ソフトをバージョンアップしたら、使い方が少し変わっていたのです。
対岸から望遠で撮ったので、川の流れる音にかきけされてカラスの鳴き声は聞き取れませんでした。


私がカラスの正面から撮ろうと更に左へ移動したら、警戒したハシブトガラス兄弟は虫干し行動を止めて通常の採食行動になってしまいました。

つづく→河原で探餌採食するハシブトガラス幼鳥の兄弟(野鳥)

カラスが身を伏せていた現場に行って、アリの巣またはアリの行列があるのかどうかを調べるべきでしたね。
また、コンクリート護岸の表面温度も測るべきでした。
しかし対岸に行くにはかなり遠回りして橋を渡らないといけません。
億劫で断念した私は修行が足りませんね。


▼関連記事(1、4年前の撮影)
ガードレールに翼を引っ掛け日光浴するハシボソガラス(野鳥)
トビ(野鳥)の蟻浴?





2020/09/09

隣り合う2本の送電塔で営巣するハシボソガラスとハシブトガラス



2020年6月上旬・午後17:35頃・晴れ


▼前回の記事
送電塔の巣で雛に給餌してから見張りにつくハシブトガラス親鳥(野鳥)

ハシブトガラスの巣がある送電塔#18を後にして、西に一つ離れた送電塔#19を見に行きました。
この鉄塔#19には、(私が知る限りほぼ)毎年ハシボソガラスCorvus corone)が営巣しています。
2018年に定点観察のため足繁く通った思い出深い場所です。
鉄塔#19の周囲には田畑や郊外の住宅地が広がり、なかなか良さそうな縄張りです。

送電塔#19の巣ではハシボソガラスの雛が計3羽、育っていました。
こちらの巣#19は、スカスカのみすぼらしい状態になっていました。
3羽の元気な雛が巣内で活発に動き回るのため、巣材の枯枝がほとんど崩壊・落下したのでしょう。
雛はときどき翼を広げて羽ばたく練習をしていました。
雛の巣立ちも近そうです。
この2点から、同じ地域でもハシブトガラス(巣#18)よりもハシボソガラス(巣#19)の方が雛の生育が少し早いと言えます。
これは過去の観察でも見られた傾向です。

送電塔の鉄骨の外側には針金が放射状に伸びた謎の物体があちこちに設置されています。
正式名称をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
送電塔を保守管理する電力会社以外のヒトが勝手に登るのを妨害するための「ネズミ返し」のような物なのでしょうか?
カラスの営巣を妨害するために設置しているのだとしたら、全く効果がないことになります。
まさか避雷針?

ネット検索してみると、この謎の物体はカラスよけの器具で「クローアウト(crow out)」と呼ばれ、絶縁プラスチック製らしい。

クローアウト®は、カラスが留まる・侵入する・営巣することを物理的に阻止する鳥害防止装置です。 (三和鋼器株式会社のサイト内PDFより引用)
クローアウトを設置することでカラスの営巣を完全には防げなくても、巣材による停電事故を起こさないように鉄塔内で営巣位置をある程度コントロールすることが可能なのでしょう。

在巣のハシボソガラス雛の1羽が、目の前にあるクローアウトの細い絶縁プラスチックの感触を確かめるように甘噛みしていました。
この行動は、退屈しのぎの遊びの一種と言えるかもしれません。
クローアウトを曲げたり破壊したりする力はないようです。

その間、1羽のハシボソガラス親鳥が送電塔#18〜19の間を結ぶ高圧線に止まって周囲を見張っていました。
嘴を半開きにして暑さに喘いでいます。
私にカラスの個体識別は無理ですが、もしかすると顔馴染みの親鳥かもしれません。(代替わりしていなければ)

隣接する鉄塔#18と#19との間の距離を地図上で測ると223mでした。※
隣り合う送電塔でカラスが営巣した例を私は初めて見ました。
しかも親子など血縁関係がある同種の2ペアならともかく、異種のカラスでした。
営巣初期に親鳥ペア同士の熾烈な縄張り争いが繰り広げられたことが想像できます。
送電塔#19に長年営巣してきたハシボソガラスの親鳥♀♂ペアが(老いて?)広い縄張りを守れなくなり、東隣の送電塔#18をハシブトガラスに奪われたのかもしれません。

今季の私は、カラスの営巣観察にほとんど通うことができませんでした。
残念ながら、雛の巣立ちも見届けていません。
来季も二種のカラスが隣り合う送電塔で営巣するのかどうか、要注目です。
下手すると、条件の良い営巣地#19をハシブトガラスが強奪してしまうかもしれません。


※ 最近の地図ではテロ対策のため、送電塔や変電所など重要インフラ施設の位置情報を隠すようになってしまいました。
仕方がないのでGPSを持って高圧線に沿って歩き、鉄塔間の距離を歩測しました。
そうこうしているうちに、マイナーながらも送電塔の位置が記録されたWEBマップを見つけたので、鉄塔間の正確な直線距離を測ることができました。


ハシボソガラス雛3@巣:送電塔#19
全景
ハシボソガラス親鳥@高圧線

2020/08/01

跳ね回る無邪気な仔ヤギ【HD動画&ハイスピード動画】



2015年4月中旬

春に生まれたばかりの仔ヤギ(山羊)Capra hircus)2頭が囲いの中ではしゃいでいます。
遊び盛りの仔山羊は高い所が大好きで、木の切り株や堆肥箱に登ったり飛び下りたりを飽かずに繰り返しています。
やがて互いに追いかけっこが始まりました。


小林朋道『先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』によると、

・ヤギは、地面から盛り上がった高い場所で休むのが好きなのだ。(p6より引用)
・これはヤギの子どもに特徴的な習性なのであるが、とにかくよく跳ねる。何が楽しいのか、暇さえあればとにかく跳ねている。もちろん好奇心も旺盛(同書p231より引用)



240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:37〜)
首を左右に激しく回す謎の動きは、顔にたかるハエを追い払おうとしているのかな?


2020/05/11

川面で後退運動するカルガモの謎



2019年12月中旬・午前11:05頃・晴れ

川の対岸近くで仲良く浮かんでいる2羽のカルガモAnas zonorhyncha)の内の1羽が奇妙な行動を繰り返しているので気になりました。

川面で動かずに休んでいる1羽(♀?)の横で、もう1羽(♂?)が首を伸ばして頭を下げた姿勢で後退する奇妙な動きを何度も繰り返しています。
必ず相手の真横に戻ってから後退運動を始めています。
残念ながら川の水が濁っているため、後退時に水中で水かきの動きを見ることは出来ませんでした。
横の相手に(構って欲しくて?)後退運動を見せつけている気がしました。
謎の行動を見せられた個体(♀?)は無反応です(やや迷惑そう?)。

カルガモのこんな行動を見るのは初めてですし、本で読んだこともありません。
求愛誇示行動の一つなのでしょうか?
ただし今回♂によるヘッドトッシング(求愛行動)は見られませんでした。
例によって、カルガモの性別を外見で見分けられないのが残念です。
水面に浮いた餌を採食する行動だとしたら、わざわざ後退する意味が分かりません。
それとも、ただの遊びだとしたら、それはそれで面白い話です。


つづく→同じ日に観察したカルガモの求愛交尾(別のペア)








【追記】
All About Birdsという英語のサイトで「How To Recognize Duck Courtship Displays」という解説記事を読んでみたら、♀が♂に交尾を迫る求愛行動という意外な可能性が出てきました。

Nod-Swimming: A male or female swims rapidly for a short distance with its neck held low, just grazing the surface of the water. Females use it to express they are interested in courtship and stimulate the nearby males to display. Males perform this display during bouts of Head-Up-Tail-Up display and immediately after mating.
ただし、これはカモ類の代表としてマガモを例にした解説であり、カルガモと共通かどうか分かりません。
頭を低く下げたまま水面を短く素早く泳ぐ行動と書いてあるだけで、前進とも後退とも明記していません。(添えられた挿絵を見ると、nod-swimmingは前進すると考えるのが自然だと思います。)





SUZUGAMOさんのYouTube動画では、カルガモが餌箱から採食する度になぜか後ずさりしています。
この場合は単独でやっているので、誇示行動ではない気がします。(真空行動?)


2020/03/01

ゴイサギ幼鳥の群れが池の岸で小枝を相手に捕食の自主練(野鳥)



2019年9月上旬・午後18:00頃(日の入り時刻は18:02)

日没直前の溜池でゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥の群れが岸辺に多数集まっていました。
さほど深い池ではないのに、ゴイサギ幼鳥は皆、決して池の中央には行かずにコンクリートの護岸や浅い水際に留まっています。
その点が足の長いダイサギとは違います。

池の水面に浮いている落葉や落枝を嘴で素早く拾い上げては捨てる、という遊び(?)を飽きずに繰り返しています。
水中から小枝を咥えて引っ張り出すことも何度もありました。
おそらく巣立ち後の幼鳥が池の小魚などを自力で捕食できるように、遊びながら練習しているのでしょう。
水面にプカプカ浮く丸い木の実(クルミではなくトチノキ?)を相手に遊んでいる個体もいます。
その木の実は嘴で挟み切れない大きさらしく、苦戦しているのが微笑ましいです。
樹上で羽繕いした別個体から落ちたのか、鳥の羽毛も池の水面に浮いていました。
その漂って来る羽毛を使って捕食練習するかと期待したのですが、それは無視しました。


▼関連記事(3年前の夕方に撮影。単独個体)
小枝で漁の特訓をするゴイサギ幼鳥(野鳥)


画面手前の枯れ木で止まっていた個体が私に警戒して飛び立ち、奥の柳の枝に移動しました。
引きの絵(広角)にすると最大で計9羽の幼鳥が写っていました。(カウント漏れがありそう)
どの個体に注目すべきか目移りしてしまい、後半は散漫な映像になってしまいました。


※ 夕暮れに撮った薄暗い映像なので、動画編集時に彩度を上げています。


2020/01/15

柵の手摺で遊び回るニホンザルの仲良し3頭(追い越し、マウンティング、木登りブランコ遊びなど)



2019年7月下旬・午前7:30頃

山麓の水路沿いのフェンスで朝からニホンザルMacaca fuscata fuscata)の仲良しトリオが遊んでいました。
鉄パイプの手摺に3頭が身を寄せ合うように座っています。
2頭はやんちゃな子猿、もう1頭は年上のようですが、兄弟姉妹なのか親子なのか先輩・後輩なのか、関係性が不明です。
(とりあえず勝手に先輩・後輩と呼ぶことにします。)
残念ながら私にはこのトリオの性別もしっかり見分けられません。
3頭すべて睾丸が見えないので♀だと思うのですが、どうでしょう?
先輩の胸に乳首が見えないので、母親とは思えません。

手摺を先行する子猿を急き立てるように、後ろから先輩が煽っています。
ただでさえ歩きづらいのに後ろから煽られた後輩Aは堪らず水路側のフェンスを伝って少し降りて、先輩に道を譲りました。
ノシノシと追い越した先輩が、手摺に戻って来た後輩Aに振り返りざま掴みかかろうとしたものの、後輩の子猿Aはフェンスから横の道に飛び降りて逃げました。
後続の後輩Bは、大胆不敵にも手摺を先行する先輩の背中にピョンと飛び乗って追い越しました!
そのまま手摺で子猿A、B同士の追いかけっこが始まりました。
2頭の子猿A、Bは同い年ぐらいと思っていたのに、追いついた個体が背後からマウントし、腰を少しスラストしました。
こんなに若い年齢でのマウンティングは交尾行動ではなく、個体間の順位を決める優位行動だと思います。

(夏はニホンザルの発情期ではありません。)
残念ながら私には子猿A、Bの性別が見分けられません。(3頭すべて睾丸が見えないので♀だと思うのですが、どうでしょう?)
そこへ先輩が追いつくと、後輩の子猿が機嫌取りをするように甲斐甲斐しく対他毛繕い(ノミ取り)を始めました。

やがて2頭の後輩(子猿AB)を先頭に手摺の上を歩き去ります。
途中で子猿Aが前を塞ぐ子猿Bを身軽にヒラリと跳び越えました。
少し助走を付けてから、横に生えたコナラ灌木の枝に跳び移りました。
そのままスルスルとコナラの枝を登っていきます。

手摺をゆっくり歩いて来た先輩がコナラの木の下で座り込みました。
コナラの枝葉を手で引き寄せて採食しようとしているのかな?
先にコナラの木に登っていた個体(子猿A)が、しなる枝に逆さまにぶら下がりながら降りて来くると、最後は地面に飛び降りました。(ブランコ遊び)
後輩(子猿A)はすぐにフェンスをよじ登って手摺に戻りました。

採食を邪魔された先輩が 子猿Aを手摺上で軽く追いかけたものの、子猿Aはフェンスを伝って横の道に逃げました。
もう1頭の子猿Bも手摺を走って戻って来ました。
先輩は近寄ってきた子猿Bに対して口を大きく開けて軽く威嚇しています。
左手で後輩(子猿B)の頭の毛を鷲掴みにして手荒に引き寄せ、無理やり腹這いにすると強引に対他毛繕いを始めました。
ところが、ろくにノミ取りもしないで離れました。
素人目には、これも一種のマウンティングのような優位行動(力の誇示、威嚇)のように見えました。
最後はフェンスの手摺から横の地面に飛び降りました。

群れが採食しながら一方向にゆっくり遊動しているという感じでもなく、この3頭はとにかくふざけて遊びながらフェンスの手摺を行ったり来たりしていました。
先輩は後輩(子猿A、B)に対して必ずしもいじめっ子(ガキ大将?)という風でもなく、時には寛大だったり手加減して遊んでやっている印象でした。
ニホンザルは高い身体能力を活かせば狭い1車線の手摺でも追い越し禁止ではなく、あおり運転への対応もヒトより遥かにスマートでした。

たった4分間の観察でもこれだけ面白い物語が生まれるのですから、群れのニホンザルをしっかり個体識別して関係性を把握しつつ行動を観察できれば更に面白くなるに違いありません。


ニホンザル3@用水路・手摺
ニホンザル2:子猿@用水路・手摺+マウンティング
ニホンザル3@用水路・手摺+対他毛繕い

2019/12/28

追いかけっこして遊ぶニホンザルの群れ



2019年7月下旬・午前7:20頃

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の子猿2頭が山麓の土手に座って草を採食しています。
用水路に向かって急に走り出し、追いかけっこをしながら手摺に跳び乗りました。
そのまま手摺の上を伝い歩き、手摺に座っていた成獣(母親?)に合流。
更に2頭の子猿たちが横から走って現れ、次々とフェンスをよじ登りました。
子猿たちは朝から元気いっぱいで、互いに鬼ごっこのように遊び始めました。
成獣の毛繕いをする子猿もいます。(対他毛繕い)


ニホンザル子猿2@土手+草採食

2019/12/26

喧嘩中にミズキの木に登って飛び降りるニホンザル



2019年7月下旬・午前7:53

山麓で土手の斜面を登っていた野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)が座り込むと目の前の草を摘んで口にしました。(採食メニューは不明)

上から木の葉や小枝がバラバラと降ってくるのは、近くにそびえ立つハンノキとミズキの大木の樹上で別個体が活動しているからです。

しばらくすると、土手で3頭が格闘遊びを始めました。
悲鳴を上げながら一進一退の追いかけっこ(鬼ごっこ?)をしています。
本気で噛み付いたりはしていないので、シリアスな喧嘩ではなくじゃれ合いだと思います。
争いの合間の休戦中に土手の草を手でむしり取って採食。(メニューは不明)

1頭が土手を駆け下りてミズキの樹上に避難すると、もう1頭もすかさず木登りで追いかけます。
樹上で追い詰められた個体はブランコ遊びのようにミズキの横枝にぶら下がってから、土手に飛び降りました。
地上からミズキの枝葉を掴んで登り、再び樹上に戻りました。


▼関連記事
杉の枝でブランコ遊びを楽しむニホンザル(白猿を含む群れ)
ミズキの木の枝にぶら下がって遊ぶ白猿♀(野生ニホンザル)

スピーディーかつダイナミックな格闘遊びを特等席で観戦できて、とても見応えがありました。(大興奮!)


ニホンザル2@土手+格闘遊び:鬼ごっこ

2019/12/24

猿害対策の銃声を聞いても動じない野生ニホンザル(白猿を含む群れ)



2019年7月下旬・午前7:47

山麓の水路沿いで野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが散開しています。
鳴き交わしている猿の鳴き声が響き渡ります。
どの個体に注目して撮るべきか目移りしてしまいます。

転落防止フェンスの手摺の上を歩いて来る個体を撮っていると、パーン♪と銃声のような破裂音が少し遠くから聞こえました。(@0:35)
ニホンザルの群れが里の集落に降りてきて果樹園や田畑の農作物を食い荒らさないように(猿害対策)、近隣住民が爆竹や空砲を鳴らしているようです。
ところが、5回連発の銃声が山麓にこだましても、猿の群れは逃げるどころか全く気にしていません。
各々が平然と遊動、採食、遊びを続けています。
水路に出入りしている個体もいます。
草の生えた土手に白猿♀(白変種の若い個体)も現れ、別個体と格闘遊びを始めました。

山里で暮らすニホンザルにとってこんな銃声は日常茶飯事で馴れてしまい、危険性が無い虚仮威しだと見抜いているのかもしれません。
集落からニホンザルの群れを追い払いたいのであれば、専門的に訓練されたイヌ(モンキードッグ)を放つのが最も安上がりで有効だろうと私は考えます。



▼関連記事(6年前の撮影)
猿害対策の爆竹の効果


2019/12/18

ミズキの木の枝にぶら下がって遊ぶ白猿♀(野生ニホンザル)



2019年7月下旬・午前8:02〜8:11

山麓の用水路沿いに生えたミズキの枝をニホンザルMacaca fuscata fuscata白変種の個体がスルスルとよじ登りました。
この白猿は若い♀のようです。
背中中央の毛および瞳には色素が残っているので、完全なアルビノではありません。
群れの中で一際目立つため、何度も行動を撮影できました。

しばらくすると、再びミズキの枝を降りて来ました。
股間に陰核が見えたので♀と判明。
こちらを見ながら枝から逆さまにぶら下がり、水路の手摺を経由してフェンスから地面に降りました。



ニホンザル:白猿♀@ミズキ木下り+ブランコ遊び

2019/12/14

路上で排便する野生ニホンザル



2019年7月下旬・午前6:55

山麓の林道で私が気配を感じて振り返ると、親子?のニホンザルMacaca fuscata fuscata)a,bが路上に座っていました。
左の山林からもう1頭の若い子猿cが走って路上に現れ、仲間に合流しました。
立ち上がって歩き去り始めた成獣aの股間に立派な睾丸が見えたので、♂と判明。
子猿同士b,cが出会い頭に抱き合い、ふざけて格闘したものの、すぐに離れました。
仲良しの兄弟なのかな?
この格闘遊びの間、右側の個体cが肛門から脱糞していました。(@0:20〜0:29)
少し柔らか目の大便でした。
「今ウンコしてるんだから邪魔するなよ〜」と言ったかどうか不明です。
野生ニホンザルが排便する瞬間を観察できたのは珍しいです。


▼関連記事(7年前の撮影)
首輪をした野生ニホンザルのトイレ(排便)

そのまま3頭が一緒に林道を向こうに遊動して行きます。
先行する子猿bが走り去り、姿が見えなくなりました。

成獣♂aが再び路肩に座り、斜面の下に広がる杉林を眺めています。
子猿cは成獣♂aに遠慮して迂回するように追い越しました。
成獣♂aがノシノシと歩いて近づくと、子猿cがビクッと驚き歯を剥いて怯えた表情になり(泣きっ面)、慌てて急斜面へと少し逃げて年長者に道を譲りました。
すぐに林道に戻って来た子猿cが路上に座ると、また少量排便しました(@1:15)
脱糞するほど成獣♂の鉄拳制裁が怖いのでしょうか?
ニホンザルの社会は礼儀にうるさいのだそうです。

私は子猿の性別を見分けるのが苦手なのですが、個体b,cの性別が分かる人がいらっしゃいましたら教えて下さい。

ニホンザルの排便は、必ず座ってするのかな?
群れから一時的に離れ物陰に隠れて独りでやるのではなく、遊動中にごく自然に行われました。
ヒトとは異なり、排便中の羞恥心はニホンザルには無いのでしょう。
イヌのように排泄した糞の上に土や落葉などをかけて隠す行動もしませんでした。


そのまま2頭a,cの観察を続けると、またちょっと面白い事件が起こりました。
つづく→対他毛繕い中のニホンザルがハシブトガラスの鳴き声を聞くと…(野鳥)


ニホンザル子猿bc@路上+格闘遊び+脱糞
ニホンザル成獣♂a+子猿c@路上ニアミス+怯えの表情

2019/12/10

オニグルミの枝にぶら下がるニホンザル(白猿を含む群れ)



2019年7月下旬・午前8:00および8:24

野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)がオニグルミの木の枝にぶら下がって遊んでいる映像をまとめてみました。

シーン1:

毛皮の白っぽい子猿(白猿♀?)がオニグルミの枝を引き寄せて跳び移りました。
白猿と言っても完全なアルビノではなく、後頭部および背中の毛は褐色でした。
その枝先で別個体と小競り合いになり(ふざけている? 遊び?)、葉の茂ったオニグルミの枝がバサバサと激しく揺れています。
猿はぶら下がった枝先から林床の地面に次々と飛び降りました。

シーン2:

水路沿いに生えたオニグルミの灌木の枝にぶら下がって遊んでいます。
最後は水路の横の地面に飛び降りました。
性別は♀。



ニホンザル白猿@オニグルミ木登り
ニホンザル@オニグルミ枝+ぶら下がり

2019/12/06

用水路内に降りて水を飲み苔を採食するニホンザルの群れ



2019年7月下旬・午前7:33〜8:15


▼前回の記事
野生ニホンザルが深い水路内に落ちて出れなくなった?


シーン1:(@0:00〜)

山麓を流れる用水路内で別個体のニホンザルMacaca fuscata fuscata)がコンクリート壁面下部に生えた緑色の苔(地衣類?)を採食していました。
手で苔や泥を引っ掻いて少しずつ崩し、何か小さいものを指で摘み上げては口に運んでいます。
苔(地衣類?)そのものではなく、中に潜んでいる虫を捕食しているのかもしれません。
採食時の利き手は不明です。(左手→右手と両方使用)


ニホンザル@水路内岸壁+コケ?採食

私が見ていることに気づくと警戒したものの、この個体はパニックには陥りませんでした。
水路の壁面に設置された梯子を身軽に登って水路から脱出しました。
この用水路は深いので、水量が多い時にヒト(特に幼児、児童)が誤って落ちると溺死する悲劇が起きてしまいます。
そのような水難事故を防ぐために、水路に落ちて流されたヒトが自力で脱出できるように梯子や浮きのついた鎖が水路に沿って何箇所も(等間隔で?)設置されています。
野生ニホンザルは誰に教わった訳でもないのに、この梯子を自在に使いこなして水路内に出入りしていました。
水路の両側には落下防止のため(ヒト用に)高いフェンスが設置されているのですが、身軽で身体能力の高いニホンザルにとってはこんなフェンスを乗り越えるのは朝飯前です。

先程、水路内に閉じ込められてパニックになっているように見えた個体も、落ち着きを取り戻せば自力で脱出できるはず(助けは無用)と分かり、安心しました。

誤って水路内に落ちたのではなく、自ら梯子を使って水路の底へ降りて行ったのでしょう。



シーン2:(@0:51〜)

コンクリート岸壁の上端に腰掛けて居た個体が下向きで(頭から先に)梯子を降りて、逆立ちするように水路の底に着きました。
この時期、水路を流れる水量は少なく水深は浅いです。
この個体はまず水面に口を付けて水を飲みました。
続いて水路の底を手で引っ掻いて食べ物を探しているようです。
やがて採食を止めて梯子に戻ると一気に上まで登り、更にフェンスもよじ登ると手摺に並んで座る仲間に合流しました。
躍動する体の毛皮から水飛沫が飛び散っています。
そのまま水路横の木の枝に飛び移ってブランコ遊びを始めました。


シーン3:(@2:25〜)

水路内で計3頭のニホンザルがバラバラで採食?水遊び?していました。
非常用梯子の真下に居た個体が水面に口を付けて水を飲みました。
両手で川底を繰り返し引っ掻いているような仕草は、小さな水棲動物(カニや水生昆虫、小魚、オタマジャクシなど)を捕食しようとしているのでしょうか?
それともヌルヌルした水苔の感触を楽しんでいるのかな?

そこへ別個体が真っ逆さまに梯子を伝って水路内に降りて来ました。
この猿もまずは水面に口を付けて喉の乾きを癒やしました。
しばらく水底を両手でさらって何かを採食すると、仲間同士でふざけ始めました。(水飛沫を跳ね上げながら追いかけっこ)


シーン4:(@3:48〜)

用水路沿いの手摺を歩いてきた個体がフェンスを伝って水路内に降りて行きました。







絶え間ない蝉しぐれに混じって、水路の両側の山林に散開したニホンザルたちが鳴き交わす声もときどき聞こえてきます。
野生ニホンザルが非常用ハシゴを使って水路内に自由に出入りできることを示す決定的な証拠映像が撮れたのは収穫です。
猿は水を全く恐れていませんでした。
ニホンザルの群れが居なくなってから巻き尺で測ると、水路の幅は2.5m、コンクリート岸壁の高さは1.6mでした。

※ 撮影順ではなく、ストーリーを考えて映像素材の時系列を入れ替えています。



2019/12/03

杉の枝でブランコ遊びを楽しむニホンザル(白猿を含む群れ)



2019年7月下旬・午前6:00〜7:33

山麓に植林されたスギ(杉)林の林縁で枝が激しく不自然に揺れているのが気になりました。
そっと近づいてみると、早朝から野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが楽しげに遊んでいました。
ターザンごっこ(忍者ごっこ?)をして遊んでいるのは主に若い子猿たちのようで、微笑ましい光景でした。

雑草で覆われた急斜面の土手から林縁のスギの枝に飛びついて木によじ登ります。
樹上で隣のスギの木の枝に跳び移ることもあります。
得意満面で枝にこしかけています。
猿の体重でしなって揺れる横枝から手でぶら下がり、林床に飛び降ります。
横枝から両手を離して足だけで逆さまにぶら下がり、アクロバチックに地面に飛び降りる個体もいました。
再び斜面を少し登り返し、またスギの枝へ身軽に跳びつきます。
急斜面を一気に駆け下りて助走をつけてからスギの枝に飛びつく個体も多くいました。
ニホンザルのとんでもない身体能力に惚れ惚れしますね。

雑木林に比べてスギ林にはニホンザルの採食メニューが乏しく、遊動中にわざわざ立ち寄る用事はないはずです。
撮影した行動は、明らかに遊びとして楽しんでいます。
山から降りてきた群れが杉林へ遊動する必要に迫られた単純な行動(移動手段)ではなく、ニホンザル達はこの一連の遊びを飽かずに繰り返していました。

遊んでいる群れの中には毛皮が白っぽい若い白猿(アルビノ? 白変種?)も1頭混じっていて、とても目立ちます。
アルビノは網膜の色素も薄いために視力が弱いことが多いそうです。
しかし、この白猿が遊んでいる動きは群れの健常個体と全く遜色ありませんでした。
このブランコ遊びは両眼立体視で距離感を掴むのが大切なので、もし視力が悪かったら危なくて出来ないはずです。
ということは、完全なアルビノではなくて白変種なのかもしれません。

遊びという行動は高い知能と生活の余裕がある種にしか発現しません。
野生ニホンザルの空中ブランコを特等席で堪能できて幸せでした。
時が経つのも忘れて夢中で撮った動画をまとめてみました。
ただし時系列順ではなく、動画で説明する演出の都合で順番を少し入れ替えてあります。
猿を見つけた当初は死角が多くてアングルがいまいちだったのですが、警戒されないように少しずつ近づいてようやく撮影できました。
欲を言えば画角のことを考えて私も急斜面を林縁まで降りて猿たちと同じ目線で撮影したいところでした。
ところが、遊んでいる群れに私が同じ高さまで近づこうとするとニホンザルは露骨に警戒して逃げ腰になったので、諦めて斜面の上から望遠レンズで撮影を続けました。

撮影中、近くでハシブトガラスが鳴く声が聞こえました。
カラスも賢いですから、ニホンザルのブランコ遊びを見て学び、そのうち同じ遊びを真似し始めないかな…と期待してしまいます。
ニホンザル@スギ枝ブランコ遊び
ニホンザル@スギ枝ブランコ遊び
ニホンザル@スギ枝ブランコ遊び

↓【おまけの動画】
「Crows Playing Swinging from a Branch」(by NCARalphさん)



2019/11/29

ニホンザル:夏の格闘遊び



2019年7月下旬

この日の早朝に山麓で遭遇した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れで観察できた格闘遊びのシーンをまとめてみました。(計3回)
殺気立った本気の喧嘩(闘争)が頻発する発情期は冬ですから、夏に見られる格闘はふざけ合いの遊び(プロレスごっこ)だと思います。
鋭い犬歯で本気で噛んだら大怪我するはずですが、この日に見た格闘では甘噛みに留めるというルールがあるらしく、流血沙汰にはなりません。
本気の喧嘩なら大声で悲鳴を上げるはずですけど、静かに格闘していました。
(周囲で絶え間なく鳴き続けるセミ時雨の高周波数のせいでニホンザルの鳴き声が聞き取りにくかったのかもしれません。)
闘争後に関係を修復したり緊張をほぐしたりするための宥和行動(毛繕いやプレゼンティングなど)はありませんでした。
こうした格闘遊び(スパーリング)を繰り返しながら群れ内の順位が次第に決まっていくのでしょう。

シーン1:午前7:05(@0:00〜)

里山の斜面で2頭が取っ組み合いをしています。
相手を組み伏せると甘噛みしています。
起き上がると素人目にも体格差、年齢差があるようでした。
親子(母子)と言うよりも兄弟ではないかという気がしたのですが、性別を見分けられませんでした。
すぐ近くに居た別の2頭が合流し、 追いかけっこが始まりました。
追われた個体は木に登って逃げたようですが、手前の藪が邪魔でよく見えません。

シーン2:午前7:46(@1:13〜)

林縁の舗装路で2頭の子猿が格闘遊びをしています。
喧嘩を止めて離れても、軽く追いかけっこしています。
林道を歩き去る後ろ姿で股間に見えるのが小さな睾丸だとすると、共に♂ですね。
遊動しながら文字通り道草を食っています。(採食行動)

画面右の斜面からさらに別個体が登場。
そのまま二頭が追いかけっこになり、激し目の取っ組み合いをしながら土手の斜面を滑り降りて行きました。
土手で首相撲のような格闘を少し続けてから、何事も無かったように別れました。

シーン3:午前8:17(@2:40〜)

画面左はハンノキ。
それに隣接したオニグルミの樹上で1頭がスルスルと降りて来ました。
下の枝で別個体と出会い頭に格闘遊びが始まりました。
やはり甘噛みしています。
離れてから右の個体がツタの絡みついた幹を幹をどんどん降りていき、林床まで降りました。


2019/06/01

屋根で雪を食べながら遊ぶハシボソガラス【冬の野鳥】



2019年1月下旬・午後16:00頃

住宅地の屋根で雪遊びに熱中するハシボソガラスCorvus corone)のスクープ映像が撮れました!

傾斜の付いた屋根に積もった新雪に1羽のカラスが頭部を突っ込み、歩き回りながら雪を食べています。
嘴で雪を掻き分けるような動きをしています。
頭を雪に突っ込んだまま傾斜に沿って少し屋根を下っても、毎回必ず屋根の最上部に登り返します。

カラスは冷たい雪を大量に食べてもこめかみがキーンと痛くなる、いわゆるアイスクリーム頭痛に悩まされないのですかね?

次は頭を雪に突っ込んだ姿勢でゴロンと横向きに一回転しました。
バランスを崩したのか、ふざけて意図的に側転したのか不明です。
「雪浴び」の行動ではなさそうです。
独り遊びを満喫したカラスは最後に飛び去りました。



海外のカラスの行動として以前YouTubeで見たような、屋根をスキーのように足で滑り降りるクールな遊びはしませんでした。
賢いカラスに芸を仕込んで屋根の雪下ろしを手伝ってもらえるように出来たらとても助かるのに…と雪国の人なら誰しも思うことでしょう。



【追記】
中村眞樹子(NPO法人札幌カラス研究会)『なんでそうなの 札幌のカラス』によれば、カラスの雪遊びにも色々あるそうです。
その年生まれの幼鳥は初めての雪ですから、降ってくる雪を食べようとして嘴を半開きにしています。雪の中で嘴を開いたまま突き進み掃除機のように雪を口に吸い込んで雪遊びをしている姿も見かけます。ボソの幼鳥に多いのは、雪玉をくわえて飛び上がっては落とすこと。これってまるで、クルミ落としと同じですね。 (p56より引用)

雪浴びはブトもボソも両方行います。見ていると、何となく「これって遊び? 楽しんでる?」と感じることがあります。ブトだと雪浴びをしながら嘴を開き、まるでラッセル車のように突き進み、口の中を雪いっぱいにして食べたり、そのまま吐き出したりしています。ボソも同じようにラッセルをするのですが、小さな雪玉ができると、それをとても大事そうにくわえて飛び上がり、まるでクルミ落としのように落としています。(中略)傑作なのは雪の上をゴロンゴロン転がるところです。これはボソ特有の行動だと思われます。なんと、お腹を上にして転がるのです。 (p110より引用)
世の中にカラスの本は数あれど、雪国の個体群の行動を詳細に記録した本は少ないので、とても参考になります。
ただし読んでいて、私のフィールド(山形県)で見ているカラスは札幌のカラスとは少し行動が違うぞ?と思うこともいくつかあるので、行動や習性に地域差がありそうです。
私が未だ見たことのない雪遊び行動も多いので、今後も冬のカラス・ウォッチングが楽しみです。



ハシボソガラス(野鳥)@屋根+新雪摂食+遊び
ハシボソガラス(野鳥)@屋根+新雪摂食+遊び

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