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2019/06/06

白梅に付く害虫を捕食するシジュウカラ♀(野鳥)



2019年4月上旬

民家の庭でウメ(白梅)の花が満開に咲いていました。
小雨が降る中、その白梅の樹上にシジュウカラ♀(Parus minor minor)が来ていました。
意外にも、この組み合わせは初見です。
腹面の黒帯が細い♀でした。

メジロやヒヨドリのように花蜜を舐めに来たのかと思いきや、シジュウカラは梅の花には関心がないようです。(花より団子)
幹や枝に付いた微小な虫(おそらくカイガラムシやアブラムシ)を見つけて丹念に捕食しています。
白い花弁の裏に付いている虫も目敏く見つけて啄みました。
庭木の害虫にお困りの方は、野鳥の巣箱を掛けてあげるのが良いそうです。


シジュウカラ♀(野鳥)@白梅樹上+アブラムシ?捕食
シジュウカラ♀(野鳥)@白梅樹上+アブラムシ?捕食
シジュウカラ♀(野鳥)@白梅樹上+アブラムシ?捕食
シジュウカラ♀(野鳥)@白梅樹上+アブラムシ?捕食

2019/05/31

食べ残した獲物を住居網の入口で捕食するクサグモ(蜘蛛)



2018年7月上旬
▼前回の記事
棚網に給餌したセマダラコガネを襲うクサグモ(蜘蛛)

農道と用水路の間に生えたタケニグサの群落に棚網を張ったクサグモAgelena silvatica)が筒状住居網の入口でじっとしていました。
私のせいで初めは警戒(緊張)しているようでしたが、しばらくすると警戒を解いて食餌を再開してくれました。
黒い虫の死骸を拾い上げると、触肢で獲物をクルクルと回しながら噛んで体外消化しています。
獲物はアブの仲間ですかね?

非粘着性の糸で密に編まれた棚網には雨の水滴があちこちに残っています。
クモが水を飲むシーンを野外で観察してみたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口+食べ残し捕食

2019/05/25

桜の木や電柱で餌を探し回るシジュウカラ♂(冬の野鳥)



2018年11月下旬

落葉した桜(ソメイヨシノ)の樹上でシジュウカラ♂(Parus minor minor)が忙しなく飛び回り、餌を探していました。
すぐ隣りに立っている電柱に飛び移ると、今度は電線を支える支柱の穴や器具の隙間を丹念に調べています。
こういう隙間には昆虫が越冬していたり、クモの卵嚢や蛾の繭・蛹が潜んでいたりすることがあるからです。


▼関連記事(2年前の撮影)
電柱でクモの卵嚢を捕食するシジュウカラ♂(野鳥)

最後は鳴きながら飛んで、隣家の庭木(落葉樹)に移動しました。



2019/05/22

クリの木をつついて虫を探すアカゲラ♀(野鳥)



2018年11月下旬

郊外のクリ(栗)林に聳え立つ巨木でアカゲラ♀(Dendrocopos major)がヒョコヒョコ登っていました。
すっかり落葉した枝を嘴で突付くと木屑が飛び散ります。
残念ながら材中に虫は潜んでいなかったようで、捕食シーンは見れませんでした。

あいにく、逆光がキツくて非常に撮りにくいアングルでした。


アカゲラ♀(野鳥)@クリ樹上
後頭部が赤くないので♀

2019/04/10

ナツアカネ♂の縄張り占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬

湿地帯の端に生えた柳の灌木にナツアカネSympetrum darwinianum)の成熟♂が止まっていました。
翅を深く下ろして休んでいる間も大きな複眼で上空を油断なく見張っていて、頭部全体がグリグリと動きます。
どうやらこの止まり木を中心とした縄張りを張っているようで、飛び立ってもすぐにまた同じ場所に舞い戻ってきます。

昆虫の飛翔シーンを撮る際に私はよく物を投げつけて強引に飛び立たせることがあるのですが、今回は赤トンボが自発的に飛び立つまで辛抱強く待ちます。

止まり木に離着陸を繰り返す様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:16〜)
スローモーションで見ると、ナツアカネ♂は頭部が動いて狙いを定めてから、そちらの方向へ飛び立っています。
飛行中は畳んでいた脚を広げて着地します。



▼関連記事(4年前の撮影) 
稲穂に離着陸するナツアカネ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

ナツアカネ♂が毎回飛び立った理由は、もっと引きの映像で記録しないとよく分かりません。
交尾相手となる♀が飛来するのを待ち構えているはずなので、それらしき飛影が上空を横切ったのを見てスクランブル発信したのかもしれません。
冒頭のシーンでは止まり木に戻ってきたナツアカネ♂が口をモグモグと動かしていました。
おそらく微小の昆虫を空中で捕獲し、すぐに食べてしまったのでしょう。
捕食(らしき)シーンが撮れたのはこの1回だけでした。

wikipediaの解説によると、

(ナツアカネの)成熟した雄は水域近くに縄張りを持つようになるが、本種は明確な縄張りの範囲を持たず、すぐに場所を変える。

図鑑『ネイチャーガイド日本のトンボ』でナツアカネの項目を参照すると、

成熟♂は水辺の植物に静止して♀を待ち、他の♂が近づくと追尾するが、はっきりした縄張り性はみられない。 (p375より引用)




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


余談ですが、赤とんぼが止まった小枝の又の部分にイラガの空き繭が見えます。
繭の上端部に丸い穴が開いているのは羽化した跡です。



撮影地点は池や川の畔ではなく柳の林縁で、ナツアカネ♂は舗装された歩道の方を向いて止まっていました。
近くに♀が産卵できるような水はありませんでした。
ただし、私が座るためにキャンプ用の銀マット(クッション)を近くの歩道に広げていたので、それが反射してトンボの目には産卵可能な水溜りに見えた可能性があります。
トンボが誤認したとしたらそれはそれで面白いので、改めて検討(実験)してみます。


ナツアカネ♂:側面@銀マット


2019/03/23

クルマバッタモドキを捕食するコカマキリ♀



2018年10月中旬

舗装された農道でコカマキリ♀(Statilia maculata)がクルマバッタモドキOedaleus infernalis)を捕食していました。

獲物を鎌で捕らえたコカマキリ♀は私が近づくと警戒し、こちらを見上げてじっとしています。
左の鎌で獲物の胸部(翅)を、右の鎌で獲物の頭部をガッチリ挟み込んでいます。
虫の息の獲物がヒクヒクと動きました。
餌食となったクルマバッタモドキは、後脚の脛節が赤く、膝(後腿節末端)は黒色でした。
胸背にトレードマークのX紋があります。
やがて警戒を解いたコカマキリ♀が獲物を生きたまま貪り食い始めました。
頭部の脳や胸部の飛翔筋が好きなようです。
コカマキリが獲物を食べながら顔を動かすと、偽瞳孔も動いて見えます。

獲物の胸背(後頭部?)に噛み付くと、クルマバッタモドキが急に力強く跳んで逃げようとしました。
一緒に宙を飛ばされたコカマキリ♀は鎌で獲物を離しませんでした。
その後も何度かバッタが必死に跳んで脱走を試みました。
頭部の脳を食われても胸部の末梢神経節が残っていれば、なんとか脚を動かせるようです。

数時間後に現場を再訪すると、コカマキリ♀は居なくなっていたものの、路上に食べ残しを見つけました。
現場検証のようにクルマバッタモドキの死骸を採寸しましたが、後翅を広げて黒紋の有無を確認すべきでしたね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食

クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:背面(コカマキリ♀食痕)

2019/03/12

柳でイモムシを捕食するツツドリ(野鳥)



2018年10月中旬

溜池の畔にある柳(種名不詳)の梢に見慣れない鳥が止まっていました。
胸に独特の縞模様があり、カッコウの仲間か小型の猛禽類か迷いました。
この季節(秋)にカッコウなんて…?と不思議に思いつつ図鑑で調べると、カッコウ科のツツドリCuculus saturatus)でした。

柳の葉に居た黄緑色のイモムシ(種名不詳)を目ざとく見つけたツツドリは、すかさず捕食しました。
幼虫が暴れても構わずに丸呑みすると、食後は嘴を目の前の枝に擦り付けます。
その後すぐ下の小枝に止まった赤トンボに対しては、捕食行動を起こしませんでした。(@1:15)

どうやらツツドリは私に望遠レンズで撮られていることを嫌がっている(警戒)ようで、柳の枝伝いに少し下りて茂みの陰に隠れてしまいました。(池の向こうに飛び去ったかも?)
ツツドリと言えば特徴的な鳴き声が有名ですが、撮影中には全く鳴きませんでした。
余談ですが、柳の小枝のあちこちに丸い虫こぶが見えます。

帰宅後に図鑑で調べると、夏鳥のツツドリが秋になって渡去する途中だったようです。
蛾の幼虫(イモムシ、毛虫)を好んで食べるそうです。

高木清和『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』でツツドリの生態を調べると、

春と秋の渡り期は、公園の雑木林や桜並木に毛虫を食べにくる。
食性:昆虫類、幼虫(主に蛾類)(p38より引用)


一方、叶内拓哉『山渓フィールドブックス4:野鳥』によると、

(ツツドリは)夏鳥として渡来。
樹上でガの幼虫などの昆虫を食べる。小鳥類の好まない毛虫も食べる点にカッコウ類の特色がある。
春秋の渡りの時期には、市街地の公園などでしばしばカッコウ類が見られるが、その多くはツツドリである。(p237より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→柳にツツドリ(野鳥)



【追記】
餌食となった幼虫を映像から同定できるほど細かな特徴がよく見えないのですが、柳を食す緑色のイモムシということで、例えばコムラサキの幼虫などが候補として考えられます。
現場近辺の柳の灌木で同時期にトビネオオエダシャクの幼虫を見かけましたが(映像公開予定)、今回のイモムシには縞模様が無いので除外できます。


ツツドリ(野鳥)@柳梢+?(蛾)幼虫捕食

2019/03/07

川で潜水漁を繰り返すカイツブリ(野鳥)



2018年10月上旬


▼前回の記事
カルガモの群れに混じって川面の岸辺で休むカイツブリ(野鳥)

やがて警戒を解いたカイツブリTachybaptus ruficollis)は、対岸でカメラを構えている私から距離を保ちながらも、川面をせかせかと縦横無尽に泳ぐようになりました。
勢いを付けて水中に潜ったのは、小魚や水生昆虫を捕食するためでしょう。
潜水して川面に波紋が広がると、次にどこで浮上するか予想できず、神出鬼没です。
水中で結構長い時間、息を止めていられるようで、見失ってしまいます。
初めは川岸近くで潜水していたカイツブリは、やがて川の中央でも潜水するようになりました。

潜水直後に獲物を何も捕らえていないことが多く、ここはどうも、あまり獲物の豊富な漁場ではなさそうです。
後半で浮上した際にようやく嘴に何か細長い黒っぽい獲物を咥えているのが見えました。(@1:54、2:20)
遠いので獲物の正体は不明です。
運良く再浮上まで記録できた映像を見直すと、潜水時間は最長でなんと46秒間でした。


余談ですが、カイツブリの学名は属名Tachybaptusが「早く潜るもの」という意味で、種小名ruficollisが「赤い頸の」という意味らしく、名は体を現す良い学名ですね。(大田眞也『田んぼは野鳥の楽園だ』p151-152より)


また、この動画では同じ川に生息するカルガモとカイツブリが登場し、潜水ガモと陸ガモ(淡水ガモ)の体型を比較することができます。
カイツブリは潜水ガモなので水に浮かんだときに尻の部分に丸みがあり、陸ガモ(淡水ガモ)のカルガモは尻の部分は上にはね上がったようになっているらしい。
参考:『ヤマケイジュニア図鑑3:鳥』p102 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし:卵から巣立ちまで』によると、
(カイツブリは)平たい櫂状の脚指や丸い体形は泳ぎや潜水に適し、約30秒間、水中を動き回ることができる。 (p60より引用)
私の観察では、それより長い潜水時間でした。



2019/01/20

カイツブリが川面で羽繕い後に潜水(野鳥)



2018年10月上旬

川に来る水鳥を近くから観察するため、ニセアカシアの河畔林に迷彩ブラインドを張ってその中に隠れていたら、川面に浮かぶ一羽のカイツブリTachybaptus ruficollis)が私の目の前まで来てくれました。
目当ての水鳥とは違うのですけど、カイツブリは初見なので結果オーライ♪



川の流れに逆らって遊泳しながら、嘴で念入りに羽繕いしています。
やがて、激しく羽ばたきながら全身を伸び上がりました。(@0:51)
対岸に沿って上流へどんどん移動して行きます。
最後は川の中に潜水し、姿が見えなくなりました。(@1:08)
どうやら私の存在がバレてしまったようで、その後は決して此岸に近寄らなくなりました。

図鑑と見比べると、夏羽の状態でした。(『ヤマケイジュニア図鑑3:鳥』p108より)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
後半で画面に緑色の霞がかかったように見えるのは、川岸に繁茂するヨシなどの茂みの隙間から泳ぎ去るカイツブリを隠し撮りしたからです。

つづく→カルガモの群れに混じって川面の岸辺で休むカイツブリ(野鳥)


カイツブリ(野鳥)@川面遊泳
カイツブリ(野鳥)@川面遊泳

2019/01/04

カワセミの飛び込み漁と脱糞(野鳥)



2018年9月下旬

池の中に突き刺さったままの落枝がゴイサギなど水鳥たちの格好の止まり木になっています。
ゴイサギの定点観察に来てみたら、この日は成鳥も幼鳥も全く見つかりませんでした。
その代わりに、幸せの青い鳥が止まっていました。
カワセミAlcedo atthis bengalensis)です。
逃げられそうで近づけず、性別を見分けられませんでした。


カワセミは池にボチャンと飛び込み、すぐまた落枝に戻りました。
漁の成否は不明です。
もし小魚を取ったなら、獲物を止まり木の枝に叩きつけて殺すはずですが、手前の枝が邪魔でよく見えません。
ひょっとして、夕方にさっと水浴びをした可能性もありますかね?


尾羽を上げたと同時に白い糞を後方にポトリと排泄しました。(@0:32)
すっきり軽量化したカワセミは落枝から飛び立つと、池の水面スレスレを低空で飛び去りました。
この池でまさかカワセミに会えるとは、とても意外でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カワセミ(野鳥)@池畔:落枝

2018/12/24

収穫期の田んぼでイナゴを捕食するダイサギ(野鳥)



2018年9月中旬

田んぼの一部で稲刈りが始まりました。
コンバインに追い立てられた虫を目当てに野鳥が集まってくるオートライシズムが見られないかと期待して探しても、周囲の田んぼで見つかったのは1羽の白鷺だけでした。
おそらくダイサギArdea alba)だと思うのですけど、やや遠くて識別点の目元にズームできません。

雑草が生い茂った畦道をゆっくり歩き回り、稲穂や草むらから虫を次々に捕食しています。
やがて純白の白鷺は黄金色の稲穂が実る田んぼに降りると長い足で歩き回り、虫の捕食を続けます。
獲物は形状から主にバッタやイナゴ、コオロギの仲間だと思われ、米農家にしてみればダイサギは益鳥になります。

「その者白き衣を纏いて金色の野に降りたつべし。」
何かに警戒し、田んぼにすっくと伸び上がって佇む姿も絵になりますね。
このダイサギは稲刈り中のコンバインから離れた位置で採餌していたので、オートライシズムの例ではありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ダイサギ?(野鳥)@田んぼ畦道+イナゴ?捕食
ダイサギ?(野鳥)@田んぼ畦道+イナゴ?捕食



2018/12/15

芝生で蛾の蛹を捕食する若いハクセキレイ(野鳥)



2018年9月中旬・午前8:16

公園内の東屋あずまや周辺の地面をハクセキレイMotacilla alba lugens)の若鳥が歩き回りながら採食していました。
顔に黄色味があるので若鳥ですね。

尾羽を上下に動かしながら、雨上がりの濡れた石畳を歩き回っています。(実際はコンクリートのプレートを並べたもの)
急に駆け寄ると、石畳の表面から白っぽい種子?を拾い食いしました(@0:34)。
次は芝生に移動すると、茶色い蛾の蛹を啄みました(@0:40)。
何度か地面に落としてから美味そうに丸呑みしました。
ハクセキレイの餌食になった蛹の正体は分かりませんが、芝生を食害する蛾の幼虫は多くの種類が知られています。
例えばスジキリヨトウ幼虫が蛹になったものかもしれません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハクセキレイ若鳥(野鳥)@?(蛾)蛹捕食
ハクセキレイ若鳥(野鳥)@石畳

2018/12/03

樹洞に帰巣するニホンミツバチ♀を空中で待ち伏せるキイロスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月上旬
▼前回の記事
ニホンミツバチの巣がある樹洞を深夜に観察【暗視映像】

クリの樹洞に営巣したニホンミツバチApis cerana japonica)のコロニーを3週間ぶりに定点観察。
すると、2匹のキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)がニホンミツバチを襲撃しているところでした。
巣口がある樹洞の手前で外を向いてホバリング(停空飛翔)し、帰巣するミツバチのワーカー♀を狩ろうと待ち構えています。
天敵のスズメバチに襲撃を受けたニホンミツバチ側は、門衛がクリの幹で振身威嚇しているはずです。
しかし、巣がある樹洞は手前の藪で覆われていて、振身威嚇の様子が見えませんでした。

ホバリング中のキイロスズメバチ♀が獲物と誤認したのか仲間に襲いかかり、空中で同士討ちになりました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:45〜0:52)。
2匹共にもんどりうって墜落したものの、すぐ間違いに気づいて待ち伏せホバリング(戦闘空域)に復帰しました。
もしかするとキイロスズメバチ同士で狩場における縄張り争いがあるのでしょうか?
同じコロニー出身ではない可能性も考えられます。

240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@1:23〜)
木陰は昼間も薄暗く、画質が粗いです。
鬼のいぬ間にミツバチの外役ワーカー♀が次々に飛び交っています。
命がけで帰巣するニホンミツバチ♀が栗の木を覆う草の葉に衝突すると、葉が揺れました。
ようやくキイロスズメバチ♀が茂みの陰から現れ、待ち伏せホバリングを始めました。
しかし今回の観察で、狩りの成功シーンは見れませんでした。


ニホンミツバチの対スズメバチ防衛法として、蜂球による蒸し焼き作戦が有名です。
あれはオオスズメバチの斥候をミツバチの巣内に誘き寄せてから一斉に覆い被さり胸部飛翔筋による発熱で高温に弱いオオスズメバチを殺して退治するのです。
しかしキイロスズメバチはその手には乗らず、ニホンミツバチの巣内には入りません。
いつもミツバチの巣の近くの空中でホバリングしながら一匹ずつミツバチを狩るので、ミツバチ側の損害もあまり大したことないのかもしれません。(全滅はしない?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀@ホバリング+待ち伏せ@ニホンミツバチ巣:クリ樹洞前
キイロスズメバチ♀2@ホバリング+待ち伏せ@ニホンミツバチ巣:クリ樹洞前



2018/11/28

不規則網にかかったコガタスズメバチの創設女王を捕食するオオヒメグモ♀(蜘蛛)



コガタスズメバチ初期巣の定点観察2018年#3

▼前回の記事
コガタスズメバチの巣の下に不規則網を張るオオヒメグモ♂(蜘蛛)

2018年7月上旬

コガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣に特有の細長いトンネル状の巣口は、ワーカーが羽化するとすぐに取り壊されます。
この取り壊しの様子を見届けたくて、軒下の初期巣を毎日のようにチェックしていました。

前回の定点観察から6日後。
私の嫌な予感が的中しました。
恐れていた通り、初期巣の直下に張り巡らされたオオヒメグモParasteatoda tepidariorum)の不規則網に1匹のコガタスズメバチ♀が捕らえられていました。
既にスズメバチは毒液を注入されて死んでおり、オオヒメグモ♀が糸で軽くラッピングしていました。
オオヒメグモ♀は獲物に噛み付いて体外消化を始めます。

死んだコガタスズメバチ創設女王の腹端に水滴のような物が見えます。
これは毒針から放出した毒液かな?と想像したものの、毒針は伸びていませんでした。
(水滴ではなくて、半透明な翅の先端部かも?)

映像を見直すと、コガタスズメバチ初期巣の巣口の直下に実はもう一匹、別のクモが居ました。
ピントが合わず、よく分かりませんが、これはオオヒメグモ♂かな?

オオヒメグモの不規則網にはガガンボの死骸も食べ残されていました。

真下から見上げるアングルで撮ると遠近感が分かりにくいので、斜め横から写真を撮り直してみました。
するとコガタスズメバチ女王の死骸は巣口のかなり下に吊り下げられていることが分かります。

前日は異状なかったので、この1日の間に巣に出入りしようとした女王蜂が油断してクモの罠にかかったのでしょう。
オオヒメグモはさすが全世界で繁栄しているクモだけあって、その不規則網は地味ながら恐るべき捕獲性能を誇ります。
コガタスズメバチ♀が必死に羽ばたいても不規則網の糸の末端部にある強力な粘着球から逃れられなかったようです。
スズメバチは毒針で反撃しようとしたはずですが、糸で絡め取られて万事休すだったのでしょう。
私がもう少し早く気づいていれば、対決の様子を観察できたのに、残念です。
コガタスズメバチの巣を定点観察するためには軒下から天敵であるクモの網を払っておくべきでしたが、とても手が届かない高所だったのです。


▼関連記事(10年前の撮影)
キアシナガバチ創設女王がオオヒメグモ(蜘蛛)に捕まる

コガタスズメバチの初期巣に特有の徳利型の細長い入り口はそのままなので、ワーカー♀が羽化する前に女王蜂が非業の死を遂げたことになります。
もし巣内で既に幼虫の何匹かが蛹になっていれば、ワーカー♀が羽化してくるかもしれません。
しかし羽化する度に下で待ち構えているオオヒメグモの餌食になりそうです。
そんな期待をしながら定点観察をしばらく続けていたのですが、初期巣の形状は全く変化せず、コガタスズメバチ♀が新たにオオヒメグモの不規則網にかかることもありませんでした。

したがって、育房内に未だ蛹は育っておらず、卵や幼虫は女王蜂の死後、全て餓死したと考えられます。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2日後には、オオヒメグモの不規則網にカシノシマメイガPyralis farinalis)が捕らえられていました。


左上:カシノシマメイガ(蛾)@オオヒメグモ(蜘蛛)不規則網@軒下:コガタスズメバチ巣

9日後、オオヒメグモの不規則網に卵嚢が2個吊り下げられているのを見つけました。
まさに弱肉強食の世界で輪廻転生を目の当たりにしました。



シリーズ完。




【追記】その後の経過

2019年3月中旬

この古巣はその後、秋から冬になっても軒下に残っていました。
梯子も届かない高所なので古巣を採集して中の状態を調べることもできず、放置していたのです。
春になってから再訪すると、いつの間にか古巣の外皮の下半分が壊れていて、中の巣盤が露出していました。
下から見上げると巣盤は1層しか見えません。
大きく育ったコガタスズメバチの巣では中の巣盤は何層も積み重なった構造になっていますが、この事例では初期巣の段階で造巣が止まっているので巣盤も単層のままだと思われます。

古巣が壊れた正確な時期も理由も不明です。
冬の風雪に耐えられず自然に崩壊したのか、スズメやヒヨドリなどの野鳥が壊したのか、それとも寄生虫が巣の内部を食い荒らした結果なのか、可能性は色々と考えられます。
▼関連記事 
キイロスズメバチの古巣を壊して捕食するヒヨドリ(野鳥)
巣盤をよく見るとその中央部の3つの育房に白い膜のようなものが付着していて個々に穴が開いています。
これが羽化後の空繭だとすると、この初期巣は創設女王が死んだ時点で蛹になっていたワーカー♀が3匹だけ羽化できたことになります。
しかし私が観察していた限りではコロニーの活動が無かった(巣に出入りするワーカーの姿を見ていない)ので、女王不在の巣に生まれたワーカーはすぐに逃去してしまうのかもしれません。



左上にオオヒメグモの卵嚢が4つ吊り下げられています。

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