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2023/08/26

雪深い河畔林でニセアカシアの枝をつついて虫を探すエナガの群れ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年2月上旬・午後15:35頃・くもり・気温4℃ 

雪深い河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)大木の下にある溜め糞場bLを監視するカメラにエナガAegithalos caudatus)の群れが写りました。 
ニセアカシアの枝に生えた鋭い棘を全く気にせずに、少なくとも2羽以上の群れが枝から枝へ忙しなく飛び回っています。 
落葉したニセアカシア灌木の細い幹や巻き付いた細い蔓に止まり、樹皮を嘴でつついています。 
越冬中の小さな虫をちまちまと捕食しているのでしょう。 
ときどき群れ内で鳴き交わす声も聞こえます。 

夏なら溜め糞に集まる様々な食糞性昆虫を捕食しようと野鳥が集まってくるのですが、寒い厳冬期に虫は活動していませんし、しかもこの日は積もった雪の下に溜め糞が埋もれていました。 

※ エナガの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
しかし、近くを流れる川の音もうるさくなってしまいました。 


関連記事(3、10年前の撮影)▶ 

2023/08/16

ヤマオニグモ(蜘蛛)の垂直円網に囚われて暴れるヒグラシ

 

2022年7月中旬・午後14:00頃・晴れ 

里山の斜面を直登する細い山道が廃れて使われなくなり、左右から灌木の枝が伸び放題になっていました。 
そこを少し整備すると、ヤマオニグモAraneus uyemurai)などが網を張るようになりました。 
クモの巣に捕らわれたセミが逃れようと必死に羽ばたいて暴れていました。 
(私が獲物をクモの網に給餌したヤラセ映像ではありません。) 
鳴き声を発してないので♀かもしれません。

同定のために暴れるセミを手にとってじっくり接写すべきでしたが、夏の廃道登山でヘロヘロにへばっていた上に先を急いでいたので動画に撮っただけです。 
腹部全体が茶色く透けて見えるのでエゾハルゼミまたはヒグラシだと思うのですが、エゾハルゼミは時期的に少し遅いです。 
周囲でカナカナカナ…♪と寂しげに鳴き交わしているのは、ヒグラシ♂(Tanna japonensis)でした。 

セミがかなりパワフルに羽ばたいても、粘着性のあるクモの横糸は強力で切れません。 
獲物が疲れておとなしくなるまで、網の主はどこかに避難しているようです。 
以前ここにヤマオニグモAraneus uyemurai)が造網しているのを見ています。 


2023/08/15

深雪に潜って獲物を探す冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年1月上旬・午後18:03・気温-4℃ 

里山のスギ林道はサラサラの(乾いた)新雪に覆われ、道端に突き刺さっていたスギ落枝も完全に埋もれました。 
左下から登場した冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が立ち止まると、深雪に頭を突っ込んで穴を掘り始めました。 
テンの体が完全に新雪の中に埋もれました。 
おそらく雪の下にトンネルを張り巡らせて冬も活動する野ネズミ(ノネズミ)の気配を感じてテンが狩りを試みたのでしょう。 
深雪の中で方向転換したテンが、逆向きに雪の中から顔を出しました。
口に獲物を咥えていないので、残念ながら狩りに失敗したようです。 

諦めたテンは、元気に雪道を右へ走り去りました。 
前後の足を揃えて細長い胴体を尺取り虫のように伸縮させて跳びはねるように走ります。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:16〜) 
それにしても、雪深い厳冬期になるとテンの登場頻度が急に上がりました。

雪山で野生動物が残した足跡を追跡(アニマルトラッキング)していると、足跡が乱れた狩りの痕跡が見つかることがたまにあります。 
今回ホンドテンが雪面に残した足跡および穴掘り跡をもし見つけたら、狩りに失敗したと正しく読み解けるでしょうか? 

熊谷さとし『動物の足跡学入門』によると、
 雪の深い地方にすむテンは、雪の中に「テンの雪室ゆきむろ」とよばれるウロ(ほら穴)を掘る。テンは嗅覚が強いので、雪の下にある食べ物をとるために掘った跡だと言われているけど、俺はシェルターなのではないか?と思っているのだ。(p167より引用)

つづく→ 厳冬期の雪山でスギ林道を駆け抜ける冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

2023/07/25

初冬の河畔林で虫を捕食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月上旬・午後19:30頃 

夜の河畔林で溜め糞場rvの近くをウロチョロ徘徊して餌を探していた野ネズミ(ノネズミ)が落ち葉の下に隠れていた何か黒っぽい細長い虫?を引っ張り出しました。 
少し離れた場所に運ぶと、ゆっくり平らげました。 
1.5倍に拡大してリプレイしてみましょう。(@1:01〜) 
更に、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しました。 
野ネズミに噛まれて暴れている獲物は、ミミズではなく明らかに昆虫のようです。 
なんとなくハサミムシの仲間かな?と思うのですが、この画質では確定できません。 


2023/07/24

夏の夜の水場でコウモリが狩りに成功?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年8月上旬・午後21:45頃 

里山の水場をトレイルカメラで見張っていると、夜な夜なコウモリ(種名不詳)が飛来します。 
奥の森から飛来したコウモリが此岸で急旋回して引き返しました。 
このときは水面に触れていないので、飲水行動ではありません。 

飛び去るコウモリの足に何か細長い物がぶら下がっていました。 
1/4倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。 
動画のフレームレートが25fpsでは何が起きたか、いまいちよく分かりません。
どうやらコウモリは此岸の灌木の辺りで素早く狩りをしたようです。 
泉から水草を採取して行ったようにも見えますが、この池に水草は生えてないので除外できます。 
池の上に張られたクモの網にかかって暴れていた獲物をコウモリが掠め取ってきたのではないか?と想像しました。 
あるいは網に占座するクモそのものを網ごと狩ったのかもしれません(一網打尽)。
破れたクモの網がコウモリの足にまとわりついたまま飛び去った、という解釈です。 
コウモリの狩りの成功シーンらしきものがトレイルカメラで撮れたのは初めてです。 
どこか安全な止まり木に逆さまにぶら下がってから、落ち着いて獲物を食べたり、足にべっとり付着したクモの巣を毛繕いで取り除いたりするのでしょう。


後半は続きの5倍速の早回し映像です。 
蛇足かもしれませんが、コウモリが飛び去った後も何事もなかったように水面に多数のアメンボが泳いだり、周囲を夜蛾が飛び回ったりしています。 

つづく→

2023/07/21

オニグルミを運ぶ野ネズミがフクロウに襲われ危機一髪【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月上旬 

オニグルミ堅果の給餌は6回目になります。 
今回はカラマツ大木の根元の右側に、果皮を剥いたクルミ40個を山盛りに並べて置きました。 
餌場を左から右に移動したのは、少しでも監視カメラに近づけて、野ネズミがクルミを選ぶ行動の詳細を観察するのが目的です。 
右側の餌場Rは狭いので、なるべく小さなクルミを選んで山積みにしました。 

その日の晩に夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が早速現れて、いつものようにせっせと餌場通いを始めました。 
貯食のためにクルミを1個ずつ持ち去っていると、大事件が勃発しました。 


シーン1:午後22:43・気温11℃ 
野ネズミが給餌場Rでオニグルミ堅果を選んでいると、どこからともなくキョヨヨヨ♪と奇妙な鳴き声がしました。 
木の枝が風に揺れて軋む音なのでしょうか? 
途端に野ネズミはパッと画面右を向いて警戒しました。 
そのまま物音を立てないようにフリーズしています。 
やがて野ネズミは警戒を解くと、1個のクルミを咥えて右斜面を駆け上がりました。 
それと同時に再び謎の音声が録音されていました。 
(カメラを固定したシナノキの幹を樹液が流れる音?? 風に揺れる枝と枝が擦れる音?) 


シーン2:午後22:54・気温10℃(@0:50〜) 
少し間隔が開きましたが、10分後に野ネズミが餌場Rに戻って来ていました。 
選んだクルミを持ち去ろうと、カラマツの根元を右に回り込んでから右斜面を駆け上がる途中で立ち止まると…。 
左上からフクロウStrix uralensis)が音もなく急降下し、野ネズミに奇襲しました。 
斜面の下草にバサッと舞い降りたフクロウは、辺りをキョロキョロ見回してから左上に飛び上がりました。 
飛び去った後もキョヨヨヨ♪と謎の鳴き声が聞こえました。 
どうやらフクロウの鳴き声だったようです。 
フクロウがこんな鳴き声を発するとは知りませんでした。 
調べてみると、この鳴き声はフクロウ雛の餌乞い♪(参考サイト:さえずりナビ)と似ています。 
今回聞こえたのは、親鳥に給餌をねだる鳴き声の名残りなのかな? 
狩りの未熟な若鳥なのかもしれません。(素人の勝手な想像です) 
それにしても、シーン1でフクロウが鳴いた理由が全く分かりません。
鳴き声で獲物に気づかれたら、警戒されたり逃げられたりしてしまい、狩りは台無しになるはずです。
このカラマツや周囲の樹木にフクロウが営巣できそうな樹洞はありません。

襲撃の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイし、狩りの成否を確かめてみましょう。(@2:02〜) 
優れた聴覚を持つフクロウは暗闇で獲物が立てる微かな物音だけを頼りに定位して襲いかかります。 

映像でフクロウが意外に小さく見えるのは、遠近感の問題ですかね? 
夏鳥のアオバズクは除外できます。 
耳がないので、トラフズクでもありません。 
今回調べて初めて知ったのですが、フクロウは留鳥で冬季も見られるのだそうです。 

スロー再生すると、野ネズミは紙一重でフクロウの攻撃を交わし、カラマツの背後を通り左斜面の草むらに素早く逃げ込んでいました。 
私が給餌を続けたおかげで野ネズミの栄養状態が良くなり、反射神経や注意力に優れていたのかもしれません。 
フクロウによる狩りは狙いがわずかに外れて失敗に終わりました。
したがって、襲撃後の謎の鳴き声は野ネズミの断末魔ではありません。 
襲撃後にカラマツの背後に生えた羊歯(ゼンマイ?)が右に大きく揺れ動いたのは(@1:45〜)、逃げた野ネズミに再び襲いかかったのでしょうか? 
しかしフクロウはもっと急角度で飛び上がったので、無関係の風揺れと考えられます。 

この野ネズミ個体は、オニグルミ堅果を貯食する場所を毎回ランダムに変えるのではなく、毎回ほぼ同じルートでクルミを運んでいました。 
明らかに油断していたことになります。
捕食者による襲撃リスクを減らすためにも、運搬ルートを頻繁に変えないといけません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 

今年は里山でフクロウが野ネズミを狩る成功例と失敗例がトレイルカメラで撮れて、非常に興奮しました。
自動センサーカメラ(トレイルカメラ)という文明の利器に感謝。



それにしても、野生動物に給餌することの是非について、改めて考えさせられました。
人工的な給餌は特定の種類の野生動物に対する依怙贔屓となり、生態系のバランスを崩すことになりますが、自然界は一人勝ちを許しません。
遅かれ早かれライバル種が必ず現れて、豊富な餌をめぐる競争や縄張り争いになります。
その上、餌場に誘引された獲物を狙って、今回のように捕食者が登場します。
そうした自然界の連鎖反応や弱肉強食の真剣勝負を観察できるのもトレイルカメラの醍醐味です。


餌場に繰り返し現れる常連客に愛着が湧いて名前(愛称)を付けたりするタイプのヒトは、天敵に捕殺されるシーンがトレイルカメラに記録されていたら、精神的に強いショックを受けたり罪悪感に苛まれるかもしれません。
そうなったとしても給餌が招いた結果なので、予め覚悟しないといけません。


2023/07/09

刈田の上空でホバリングして獲物を狩るチョウゲンボウ♀♂(野鳥)

 

2022年11月下旬・午後12:55頃・晴れ 

稲刈りの終わった刈田の上空でチョウゲンボウ♂(Falco tinnunculus)がホバリング(停空飛翔)していました。 
野ネズミやモグラなどの小動物などをドローンのように上空から探しているのです。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、頭部が灰色っぽいのでおそらく♂のようです。 
秋晴れの空中の一点でヒラヒラと羽ばたきながら見事に停飛しています。 
旋回したりスゥーッと高度を少し下げたりしてから再びホバリング。 
滑空しながらよそ見をした(顔は横を向いた)のに、そちらには旋回しませんでした。 
チョウゲンボウ♂が滑空して刈田に舞い降りたのですが、手前に生えた枯れ草が邪魔で、狩りの成否は不明です。 

地表からチョウゲンボウが飛び立つ瞬間を撮り損ねてしまいました。 
飛翔シーンをスロー再生しても、獲物を足で掴んで運んでいるかどうか、遠くてはっきり見えません。 (空荷なら両足を後方に揃えて流線型になるはず?) 
そのまま流し撮りすると、刈田の端に建つ民家の屋根の角に止まりました。 
続けてもう1羽(つがいのパートナー♀)が追いかけるように飛んで来て、通り過ぎました。 
狩った獲物を屋根の上で啄むかどうか、見届けるべきでしたね。
少なくとも、パートナーに獲物を分け与える(求愛給餌)ことはしませんでした。


飛び去ったチョウゲンボウを追いかけて住宅地に向かうと、電柱の天辺に♂が止まっていました。 
私がカメラを向けると、急旋回しながら飛び去りました。 
ズームアウトして行方を追うと、少し離れた民家の屋根に止まり直しました。 
パートナー♀と合流して同じ屋根の対角に止まると、眼下に広がる刈田を見張って獲物を探します。 
ときどき頷いているのは、気になる対象物を凝視しているからです。 

この間、チョウゲンボウ♀♂の鳴き声は一度も聞き取れませんでした。 


※ 動画の順番を入れ替えて、分かりやすいストーリーに再構成しました。







2023/06/23

スズメ(野鳥)に狙われたイモムシ(蛾)の正体は?

2022年6月下旬・午後12:30頃 

河川敷の遊歩道で私が近寄っても逃げないスズメPasser montanus)がいました。
どうやら、近くの路上に居たイモムシを捕食しようとしているようです。 (映像は割愛)
捕食シーンを動画で撮れるかもしれないと期待して、一旦少し離れて見守ることにしました。 
しかし、警戒したスズメは結局イモムシを捕食しないで飛び去りました。 

側面
腹面
頭部正面(顔)
採寸

難を逃れたイモムシを調べてみましょう。 
尾角があるのでスズメガの仲間だろうと思うのですが、こんな地味な色の幼虫は見たことがなく、名前が分かりませんでした。 
土で汚れてこんな色になってしまったのですかね? 
炎天下の舗装路で熱せられた上にスズメに狙われ、ぐったりと衰弱していたので、成虫まで飼育するのは無理だと判断しました。 

いつもお世話になっている「不明幼虫の問い合わせのための画像掲示板」にて問い合わせてみたところ、常連のYAMKENから以下の回答を頂きました。
スズメガ科ウチスズメ亜科のいずれかと思われます。 この子は前蛹状態にいるようで本来の色模様は変わってしまっているので確定はできませんが前蛹状態でも頭と尾角の形状的な特長は残っており食餌植物が河川敷に多いことから トビイロスズメ が一番候補と思われますが・・・・。
なるほど、前蛹になると変色(退色)するのですね。 
スズメガ類の飼育経験が浅い私には、思いもよりませんでした。 
第一候補のトビイロスズメClanis bilineata tsingtauica)と言えば、確かにこの川の流域で過去に終齢幼虫を見つけています。(成虫は未見。) 

関連記事(3年前の撮影)▶ トビイロスズメ(蛾)の幼虫を見つけた!
 

2023/06/18

秋の溜め糞場で虫を捕食しながら排便するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月中旬・午後20:58 

里山のスギ林道にある溜め糞場sで、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右を向いて(南向き)脱糞していました。 
驚いたことに、この個体は排便しながら落ち葉に鼻面を突っ込んでムシャムシャと何かを食べました。 
まさか食糞性ではないと思うので、溜め糞場に来ていた虫を捕食したのではないかと推測します。 


キノコを食べた可能性もありますかね? 
関連記事(1ヶ月前の撮影)▶  
スギ林道に生えたスギエダタケ(キノコ)を採集してみる 
スギ林道の溜め糞場に生えたキノコはイバリシメジ?エセオリミキ?

いずれにしても、ホンドタヌキは食物連鎖で自分たちの糞を間接的に食べていることになります。
高速で起動する新機種のトレイルカメラで撮っていたらタヌキの採食メニューを突き止められたかもしれず、残念でした。
溜め糞場にて入出力を済ませたタヌキは、右に走り去りました。 


2023/06/09

日の出前に河畔林の林床で餌を探すホオジロ【トレイルカメラ:野鳥】

 



2022年11月上旬・午前5:54・(日の出時刻は午前6:01) 

河畔林にあるタヌキの溜め糞場rvをトレイルカメラで監視していると、夜明け直前に早起きのホオジロEmberiza cioide)が登場しました。 
林床に転がっている落枝をピョンピョンと伝い歩きしたものの、地面には降りませんでした。 
溜め糞場に獲物となる虫が集まってきているかどうか調べに来たのでしょう。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

2023/06/07

野ネズミはタヌキの溜め糞に来て何を食べているのか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年11月上旬 

河畔林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場rvに夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が訪れるシーンをまとめてみました。 
画面の左が北で、林床の東と西にある黒々とした2カ所が溜め糞です。 
画面から外の東に3mほど行くと川が南から北へ流れています。 

実は野ネズミは夜の活動時間のほとんどを、溜め糞以外の場所で探索しています。
関連記事(同時期の撮影)▶ 秋の河畔林で夜な夜な餌を探し歩く野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】
シーン1:11/5・午前3:14・(@0:00〜) 
冒頭から、画面下部(西)の溜め糞に野ネズミが珍しく長居していました。 
タヌキの糞塊に含まれる未消化の種子を採食しているのでしょうか? 
その後は、ニセアカシアの根際の隙間などを徘徊したり木に登り降りしたりして餌を探し歩きます。 
木登りが得意なのはヒメネズミApodemus argenteus)なのですが、この程度の軽い木登りならアカネズミApodemus speciosus)にも出来そうな気がします。 
映像から種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。 


シーン2:11/6・午後23:22・(@0:37〜) 
左のニセアカシア根際に登場した野ネズミが溜め糞(東)に訪れたものの、匂いを嗅いだだけで離れました。 
野ネズミに不潔とかいう衛生観念は乏しいのかもしれませんが、素人目にはやはりタヌキの糞便臭を忌避しているように見えます。 
新鮮な糞が追加されたかどうか、チェックしただけなのかもしれません。

他の場所で落ち葉をかき分けながら探餌行動を続けます。 


シーン3:11/9・午後17:52・(@1:20〜) 
左上のニセアカシア根際に登場。 
溜め糞(東)にちょっと立ち寄ってから、今度は溜め糞(西)の端で長居しています。 
未消化の種子を採食しているのか、それとも溜め糞場にあつまる虫を捕食しているのかもしれません。 
ちょうど林床に転がっている落枝が地面から少し浮いている空間に野ネズミは隠れていて、上空のフクロウから見つかりにくいよう警戒しているようです。 


シーン4:11/9・午後17:58・(@2:19〜) 
5分後にも野ネズミが画面中央の林床に登場しました。 
溜め糞(西)で長居しています。 
タヌキの糞に含まれる未消化の種子を採食? 


シーン5:11/9・午後18:55・(@3:05〜) 
約1時間後に画面の下端に野ネズミが再登場。 
溜め糞(西)が気になるのか、辺縁部を横切って調べています。 


シーン6:11/9・午後23:55・(@3:54〜) 
5時間後に画面中央の林床に登場。 
溜め糞(西)で長居。


野ネズミはタヌキの溜め糞に来て何を食べているのでしょうか?
野ネズミの種類もろくに見分けられないのに個体識別なんて私には無理ですが、同一個体が通っていると仮定しましょう。 
探餌徘徊の合間に適当な時間間隔を空けてタヌキの溜め糞に戻って来るということは、必ずしも未消化の種子が目当てではないのかもしれません。 
タヌキの糞には未消化の種子が多数含まれていますから、野ネズミの目的が種子ならば、一度見つけたら食べ尽くすまでひたすら居座るなり、持ち去って貯食するなりするはずです。 
個人的には、「溜め糞場に集まる虫を捕食している説」に傾きつつあります。 
野ネズミを警戒して逃げてしまった(隠れた)虫がしばらくすると糞塊に戻って来て、それをまた野ネズミが捕食しに戻ってくるという、「イタチごっこ」になっていると想像すればしっくりきます。 
暗視映像に虫は写っていませんが、ハエ成虫のような敏捷な虫ではなく、もっと動きの鈍い幼虫とかダンゴムシなどを想定しています。 

林床を上から見下ろすアングルだと、どうしても野ネズミが溜め糞で採食している手元や口元がよく見えません。 
カメラの設置位置をもっと下げて溜め糞に近づけたり、ローアングルで設置すれば決定的な証拠映像が撮れるかもしれません。
しかし、そうすると今度はタヌキがカメラを露骨に警戒して溜め糞場に近寄らなくなり、糞の供給が絶たれてしまうため、元も子もありません。 
どうすりゃいいの?!



晩秋のタヌキ溜め糞場で落ち葉をめくって虫を探すトラツグミの群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年11月上旬・午前9:31〜10:43 

山林の斜面をトラバースする小径に残されたタヌキの溜め糞場dを自動撮影カメラで見張っていると、トラツグミZoothera aurea)が繰り返しやって来ました。 
迷彩効果の高い地味な斑紋を身にまとっているため、じっとしていると見つけるのが困難です。 
画面の中央に黒々と見える塊がホンドタヌキの溜め糞です。 

落ち葉に覆われた小径にトラツグミが降り立ち、溜め糞に近づいてチェックするも、素通りします。 
気温の低い晩秋になると、溜め糞の上にはもう虫が居ないようです。 
地面に降り積もった落ち葉を嘴で払い除けて、隠れている虫を捕食し始めました。 


複数のトラツグミが繰り返しやって来るということは、やはり溜め糞場の周囲には隠れている虫の量が多いのでしょう。 
たとえば、糞塊を食べて育ったウジ虫(ハエの幼虫)は溜め糞場を離れて分散してから地中に潜り、蛹になります(蛹化)。 
その間にも雑木林の落葉性広葉樹から落ち葉がハラハラと舞い散ります。

同時に複数個体のトラツグミが登場することもありました。(@3:31〜) 
林道の右と左で2羽のトラツグミがそれぞれ落ち葉めくりに勤しんでいます。 
そこへもう1羽がバサバサと羽音を立てて飛来しました。(@3:58〜) 
ところが、初めから左端に居た個体が他の2羽を次々に追い払ってしまいました。 
てっきり家族群なのかと思いきや、餌場の占有行動があるのかな? 
音量を上げても闘争時に鳴き声を聞き取れませんでした。 
追い払われた個体も、すぐにまたピョンピョン跳んで戻って来ました。 
つつきの順位で上位の強い個体が餌場を独占するというよりも、集団採食時に個体間で適切な距離を取らないといけないのかもしれません。(ソーシャル・ディスタンス!) 

※ 旧機種のトレイルカメラで昼間に撮影すると画面全体がピンク色に点滅して見苦しいので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 
ほぼモノクロの映像になってしまいますが、仕方がありません。 

2023/05/27

カラマツの木の下で逃げる虫を捕食するシジュウカラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2022年10月下旬・午前10:40頃 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮った現場の様子です。 
泥汚れの付いたカラマツの樹の下に山盛りのドングリ(ミズナラの堅果)を給餌してあります。 

その餌場を自動センサーカメラで監視していると、午前中にシジュウカラ♀(Parus minor minor)が来ていました。 
給餌場に残っていたドングリには興味を示さず、カラマツの幹の根元付近に止まっていました。 
前回は樹皮を剥がして持ち去ったのですが、今回は微小の虫を狩ろうとしている様子です。 
地面に落ちて林床を逃げ回る虫を追いかけて、見事シジュウカラ♀は捕食に成功しました。 
最後は獲物を咥えて飛び去りました。 
捕食シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

シギゾウムシの老熟幼虫がドングリの堅果から脱出していたのかもしれませんが、それならすぐ地中に潜って蛹化するはずです。 
シギゾウムシの幼虫は足が退化しているので、木に登るはずはありません。 
スローモーションで見直すと、幹に止まっていたシジュウカラ♀が給餌場付近の地面に居た虫を見つけて飛び降りたようにも見えます。
それなら獲物の正体がシギゾウムシ幼虫でもおかしくありません。

※ 画面全体がピンク色に点滅して見苦しいので、動画編集時に自動色調補正を施しています。

2023/05/05

夜の林床で虫に跳びついて捕食するカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年10月中旬・午後20:50頃 

山林のカラマツの木の下にドングリを給餌して、何が来るか自動撮影カメラで見張っています。 
画面下の赤丸で示した場所に注目して下さい。 
雑木林の斜面に生えた幼木の葉の背後から黒っぽい小さなカエルがゆっくりと這い出て来ました。 
目だけが白く光って見えます。 
斜面をノソノソと登っていたカエルが急にジャンプしました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:40〜)、どうやら林床で活動する黒い小さな虫に向かって一気に跳びついたようです。 
カエルは暗い夜でも目が見えることになります。
てっきり網膜にタペータムがあるのかと思って調べたら、どうもカエルには無いらしいので不思議です。

カエルは、本来「明所での視覚」に関わる光センサー(光受容タンパク質)の性質を、わずか1アミノ酸の置換によって「暗がりでの視覚」に適した性質に変化させている。

動画のカエルの種類は何でしょう?
なんとなくアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の若い個体ではないかな?と思うものの、定かではありません。
カエルは変温動物ですから、トレイルカメラの前で動き回っても本来ならカメラのセンサーに動体検知されません。
今回は恒温動物の野ネズミが横切ったおかげでカメラが起動し、たまたまカエルの捕食行動を記録してくれました。



2023/04/26

カラマツの樹皮を剥がして持ち去るシジュウカラの謎【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年10月下旬・午前10:20頃 

雑木林の林床で午前中にシジュウカラParus minor minor)がカラマツの根元を覗き込んでいました。 
このアングルではシジュウカラの性別を見分けられません。 
私が給餌したドングリは野ネズミが全て持ち去った後で、食べ残ししかありません。 
そんなドングリ餌場にシジュウカラは興味を示しませんでした。 
ドングリ(ミズナラ堅果)を中から食い荒らして育ったシギゾウムシの幼虫が蛹化するためドングリの外に脱出していたかもしれませんが、それも地中に潜り込みますし、おそらく野ネズミが見つけ次第捕食してしまったはずです。 

泥汚れの付いたカラマツの幹をシジュウカラがついばんでいるのは、微小のアブラムシなどを捕食しているのでしょうか? 
根元で強く湾曲したカラマツの幹から樹皮?の欠片を毟り取って左に飛び去りました。 
巣材集めにしては季節外れです。 
寒くなって越冬の準備で巣内に断熱材が必要なのかな? 
しかしスギの樹皮とは異なり、カラマツの樹皮はフワフワの繊維質ではないので、鳥の巣材に向いてるとは思えません。 
クモ♀(蜘蛛)が樹皮に産み付けた卵嚢を捕食した可能性もありそうです。  (追記参照)

※ 古い機種のトレイルカメラで明るい昼間に動画を撮ると、画面全体がピンク色に染まって点滅します。 
見苦しいので動画編集時に自動色調補正を施しました。

冒頭のシーンは明るい日中に撮った現場の状況です。
餌場に置いたドングリが見えます。
設置直後だけは昼間でもフルカラー(総天然色)で正常に写るのが不思議で腹立たしいです。 



【追記】
約2週間後に現場検証してみると、カラマツの根元付近の樹皮に小さなパッチ状のクモの巣(網)らしき構造物が幾つか付着していました。
これはヒラタグモUroctea compactilis)のコロニーですかね?





2023/04/17

林縁で虫を捕食するコガラ(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後13:45頃・くもり 

私が山間部の峠道を歩いていると、カラ類の混群と遭遇しました。 
道端の法面は雑木の灌木に覆われているのですが、その細い横枝に止まったコガラPoecile montanus)が何か小さな虫を捕食しました。 
慌ててカメラを向けると、コガラは嘴を細い横枝で拭っていました。 
何か虫を食べた直後に汚れた嘴を掃除しているのでしょう。 
綿のような白いワックスが嘴に付着しているので、獲物はワタムシ(アブラムシの仲間)ではないかと想像しましたが、白い蛾の鱗粉かもしれません。 

その後は群れの仲間と鳴き交わしながら、斜面の茂みを下へ下へ移動していきます。 
私を警戒して、最後は下草のアカソ?群落に隠れてしまいました。 
車道の反対側はスギの植林地で、カラ混群の一部はここに居ました。

2023/04/09

ニセアカシア樹上で獲物を探すスズバチ♀【探餌飛翔】

 

2022年10月上旬・午後15:50頃・晴れ 

川岸に自生するニセアカシア(別名ハリエンジュ)灌木の枝先をスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が忙しなく飛び回っていました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:08〜)、スズバチ♀は食痕(虫食い穴)のあるニセアカシア小葉や熟した豆果を次々と調べていることが分かりました。 
ホバリング(停空飛翔)で狙いを定めてからぶつかるようにアタックしたり、着陸して触角で念入りに調べています。 
どうやら泥巣に貯食する獲物(蛾の幼虫)を探索する探餌飛翔のようです。 
雄蜂♂の探雌飛翔ではありませんでした。

ニセアカシアに巻き付いて育った蔓植物のツルウメモドキの果実が黄色から赤く色づき始めています。 
探餌飛翔するスズバチ♀は、ツルウメモドキには全く興味を示しませんでした。 
背後にジョロウグモ♀(Nephila clavata)が枝間に張り巡らせた円網が見えますが、スズバチ♀は気にせず飛び回っています。 

残念ながら狩りに成功するシーンが撮れる前にスズバチ♀を見失ってしまいました。 
秋が深まると獲物の数が減り、母蜂は苦労しているようです。

関連記事(3年前の撮影)▶ アオムシを狩るエントツドロバチ♀

磐田久二雄『日本蜂類生態図鑑:生活行動で分類した有剣蜂』を紐解いてスズバチが狩る獲物について調べると、
スズバチは体長2.5〜3.5cmのフトスジエダシャク(の幼虫:しぐま註)を3〜8頭貯える。(p37より引用)
とあります。 
しかし、フトスジエダシャクの食樹はセンダン(のみ?)とされています。 
センダンは温暖な西日本にしか分布しませんから、当地(北日本)では見たことがありません。 
フトスジエダシャク成虫も私は未見です。 
したがって、今回観察したニセアカシア樹上にフトスジエダシャク幼虫は居なさそうです。 

一方、最近の資料(例えば『狩蜂生態図鑑』p89)によると、スズバチの獲物は「シャクガの幼虫(尺取虫:しぐま註)」と一般化されていました。 
狩蜂が貯食する獲物を正確に同定するのは困難です。 
狩りの際に麻酔されてしまうので、救出しても飼育下で成虫が羽化しないからです。 
DNAバーコーディングが普及すれば調査研究が飛躍的に進展するはず、と期待しています。

2023/04/08

草刈り後の河川敷で干し草をついばむカルガモの群れ(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後16:05頃・晴れ 

河川敷で草を刈った後の干し草の束が点々と散らばっています。 
普段は川の中に居る留鳥カルガモAnas zonorhyncha)が河川敷に上陸して、群れでゆっくり歩きながら干し草から採食していました。 
カルガモは超普通種なのに、こんな採食行動は初めて見ました。 

牛や馬のように干し草そのものをムシャムシャと食べているのではなく、干し草の下に嘴を突っ込んでガサゴソと左右に細かく動かし、何かを食べています。 
おそらく枯れ草の種子を食べているのでしょう。(種子食) 
干し草の下に隠れているコオロギなどの昆虫もついでに捕食しているかもしれません。 
青々とした草の葉(クローバー?)の先端を嘴で毟り取り、少し食べることもあるようです。 
よく見ると舌を高速で出し入れしているようですし、ハイスピード動画で撮ればよかったですね。 

私が立ち止まってしつこく撮影しているせいで警戒したのか、カルガモ4羽の群れはさり気なく遠ざかり、後半は奥にある堤防の方へ(干し草地帯から芝生地帯へ)行ってしまいました。 

一緒に採食しているカルガモの群れをよく見ると、横から見た翼の白い縁取りの前に青い羽根が見える個体と見えない個体がいることに気づきました。
これで成鳥と幼鳥の違いや性別などを見分けられたりするのでしょうか?
個々の羽根にも鳥類学的に正式な名称がありそうですが、私は未だ勉強不足です。

※ 時系列順ではなく、素材の順番を入れ替えました。 
冒頭のシーンなどは曇りに見えますが、奥にある堤防で西日が遮られているだけで、秋晴れの夕方でした。 


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