2013/01/11

ミゾソバに訪花吸蜜するクロマルハナバチ♂【ハイスピード動画&HD動画】



2012年10月上旬

ミゾソバの群落に訪花するマルハナバチの中に初めて見るお洒落な色使いの蜂がいました。
忙しく花に離着陸を繰り返す様子を220 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。

縞模様があまりにもエキゾチックな配色なので外来種なのかと思いきや、帰ってから調べるとクロマルハナバチBombus ignitus)の♂と判明。


  • (クロマルハナバチ)♂は胸部から腹部第2節まで鮮黄色で、胸部の中央部と腹部第3節は黒色で、第4節以降は赤褐色。(『日本の真社会性ハチ』p242より)
  • クロマルハナバチ♂は顔の前方に特徴的な黄色い毛がある。 (『マルハナバチ・ハンドブック』p33より)

雄蜂♂は訪花しても吸蜜のみで集粉はしないはずです。
確かにどの個体も後脚の花粉籠は空でした。

通常のHD動画でも撮ってみましたが、個々の花の蜜量が少ないのか落ち着きのない訪花で撮る方も見る方も目が回りそうです。
時間を引き伸ばしたスローモーションの方が見応えがありますね。





同じミゾソバ群落でクロマルハナバチ♀も訪花していた(映像公開予定)のに、交尾は見られませんでした。

関連記事→「ミゾソバに訪花吸蜜するクロマルハナバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】
新女王ではなくワーカー♀だったのでしょうか。


【追記】
平凡社『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p64によると、
コロニーが崩壊する直前に出現した(マルハナバチの)♂は、決まったルートを高速で巡回しながら、巣から羽化してくる新女王を探索する。






キタテハ秋型が野菊に訪花吸蜜



2012年10月上旬

キタテハ秋型(Polygonia c-aureum)が野菊(種名不詳)に訪花して蜜を吸っていました。


【追記】

シータテハ(Polygonia c-album)はキタテハによく似ているが、翅の縁の凹凸がくっきりしていて先が円いこと、後翅の表の黒い斑点の中に水色の点がないことなどで区別する。(wikipediaより)



2013/01/10

ムツモンオトシブミの徘徊と飛翔を接写



2012年5月下旬

ムツモンオトシブミApoderus praecellens)がホストのクロバナヒキオコシ群落で徘徊したり飛んで移動したり活動していました。
この日は揺籃作りを観察できませんでした。
この個体は♂なのだろうか?

少しでも風が吹くと接写が困難になります。





オオチョウバエの飛び立ち【ハイスピード動画】



2012年9月下旬

シャワー室の壁に止まっていた一匹のオオチョウバエClogmia albipunctatus)をピンセットで軽くつついて飛び立つ瞬間を220 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
浴室は光量不足のため、補助照明として白色LEDの強力なマグライトを使用。
なぜか短距離しか飛ばず、近くの壁にすぐまた着陸します。

おかげで気の済むまで繰り返し撮影することができました。



ツマグロオオヨコバイの飛び立ち



2012年10月上旬

葉に止まっていたツマグロオオヨコバイBothrogonia ferruginea)が横歩き(横這い)で葉裏に隠れるのではなく、翅を広げて急に飛び去るときがあります。
跳んでいるのか飛んでいるのか、1/4倍速のスローモーションにしても速過ぎて羽ばたきはよく見えません。
次回は飛び立ちをハイスピード動画に撮ってみたいものです。






2013/01/09

キボシアシナガバチ創設女王が初期巣の育房を伸長@杉の葉



2012年6月中旬

山中でキボシアシナガバチPolistes nipponensis)の創設女王がスギの葉に初期巣を作っていました。
巣は丁度目線の高さにありました。
外側の育房の壁に巣材を追加し大顎で薄く伸ばしています。

育房数は14室で白い卵が見えます。
幼虫は未だ孵化していない段階です。

外出前に女王蜂は身繕いしながら腹部下面から蟻避け物質を育房に塗布したようです。




アメリカセンダングサに訪花するニホンミツバチ♀【ハイスピード動画】



2012年9月下旬

山間部の道端に咲くアメリカセンダングサの群落に訪花する蜜蜂を220-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
花粉籠に赤い花粉団子を付けている個体もいますね。
せっせと飛び回る働き蜂(ワーカー)の羽音♪はカメラの仕様で記録されていません。

現場ではてっきりセイヨウミツバチかと思ったのですけど、念のために一匹採集。
後翅の翅脈からセイヨウミツバチではなく、ニホンミツバチApis cerana japonica)と確定しました。
腹背にも褐色帯がありセイヨウミツバチだとばかり思い込んでいたので予想外でした。

毒瓶で処置しなかったので持ち帰る間に暴れて花粉籠に付いた花粉が落ちてしまった。

腹背に褐色帯あり。

落ちた花粉で翅もべったり汚れてしまった。

後翅の翅脈

ニトベベッコウハナアブ♀の飛び立ち【ハイスピード動画】



2012年9月下旬

クズの葉にニトベベッコウハナアブ♀(Volucella linearis)が止まって朝の日光浴をしていました。
左右の複眼が離れていることから性別は♀。
前脚を擦り合わせています。
葉から飛び立つ瞬間をハイスピード動画に撮ってみました。

後半は更に1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
(1回しか撮れなかったので水増しです。)
220 fps程度ではアブの高速羽ばたきは捉えられませんね。



2013/01/08

ツマグロオオヨコバイの横這い逃避行動



2012年10月上旬

ツマグロオオヨコバイBothrogonia ferruginea)が横這いで逃げる有名な(ありふれた)行動を長年動画に撮ろうとして、意外に苦労しました。
近づくとカメラを向ける間もなく警戒して葉裏に素早く回りこんでしまいます。

夏よりも少し気温が下がり虫の動きが鈍る秋が良いのかもしれません。
クズの葉で見つけたツマグロオオヨコバイを(複数個体)撮りながら葉の近くで手を振るとようやく念願の映像をものにできました。


映像の冒頭では、たまたま近くに居たカンタン♀がツマグロオオヨコバイの急な横歩きに驚いてビクッとしました。
慣れてくると、同一個体で繰り返し撮影できることが分かりました。
くるりと葉裏に隠れても虫の近くでシッシッと指を振り動かして葉表に誘導すれば何度も実験できます。

反復横飛びみたいな映像が撮れれば楽しいのですが。

ところでツマグロオオヨコバイは天敵対策としていつでも葉裏に隠れられるように葉の縁に近い所を選んで止まるのでしょうか?

野球で出塁した走者が牽制球に刺されないようにベースから離れる(リードする)距離を考えるように、ツマグロオオヨコバイも葉の縁からなるべく離れないように止まっている(リードしている)のかもしれません。
葉っぱの上のいるツマグロオオヨコバイの写真をひたすらたくさん撮り貯めて葉の縁からの距離を調べるだけでも面白いかもしれません。
葉の中央に止まってしまった場合(葉の縁から遠い場合)は、危険が迫るといきなり飛び立つのでしょうか?

次回はツマグロオオヨコバイが飛び立つシーンをハイスピード動画に撮りたいものです。

wikipediaによると、

(ヨコバイ類の)名前の元になった横にずれながら歩く行動は、人影などを感じて警戒した時に見られるもので、平面でこの行動をすると単に斜め前に歩いているように見えるが、植物の茎や葉にとまっている場合はそれらの裏側に隠れる行動となる。この「横這い」はヨコバイ類のみならず、アワフキムシやセミにも見られる行動で、さらに警戒感が高まると飛んで逃げて行く。





オトコエシに訪花吸蜜するキオビツチバチ♀を接写



2012年9月下旬

オトコエシの花にキオビツチバチScolia oculata)が蜜を吸いに来ていました。
今回はマクロレンズで接写してみます。
触角が短いので♀ですね。
アカスジツチバチとは異なりキオビツチバチは顔が黒いです。
花の上を歩き回るハチの体中が白い花粉にまみれており、花蜜と引き換えに花の受粉を助けていることが分かります。




帰巣するミツバチを襲うキイロスズメバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月下旬

コンクリート電柱のネジ穴にミツバチが出入りしています(直径18mm、地上から高さ130cm、穴の方角は北向き)。
奥で営巣しているようですが、空洞になっているのでしょうか?
借坑性で単独生活を送るカリバチならともかく、社会性のミツバチがコロニー営巣できるほど広い空間があるのかな?
おそらくセイヨウミツバチではなくてニホンミツバチApis cerana japonica
)だと思うのですが、確認していません。
※ 後日、ニホンミツバチと判明。

帰巣するミツバチのワーカーを数匹のキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera
)が待ち伏せして代る代る襲っていました。
ニホンミツバチなら巣口で振身行動する歩哨・門衛のワーカーが居るはずなのに、この電柱には見当たりません。
スズメバチを巣内に誘き寄せてから集団で襲いかかり蒸し焼きにして殺そうという有名な籠城作戦なのでしょうか?※(追記を参照のこと。)
キイロスズメバチもその手には乗るまいと巣内には決して侵入しないのが興味深く思いました。(穴が狭くて入れない?)

ミツバチの決死の帰巣シーンやキイロスズメバチとの空中戦を220 fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
キイロスズメバチは帰巣するミツバチのワーカーを迎撃すると本に書いてあったのですが(『ミツバチ学―ニホンミツバチの研究を通し科学することの楽しさを伝える』より)、





スローモーションで確認すると常に巣口を向いてホバリング飛行しています。
キイロスズメバチ同士の空中戦(小競り合い)も見られました。
ミツバチは次々に帰巣するだけで出巣する蜂が一匹も映っていません。


巣穴の横から通常のHD動画でも撮影してみました。





キイロスズメバチ♀がホバリングしながら巣口の縁に一瞬だけ掴まって覗き込むも、やはり侵入しません。
ミツバチのワーカーが間隙を突いて帰巣します。
スズメバチに空中戦を挑んで反撃することは決してありません。

ミツバチをしっかり同定できなかったことが心残りです。
生憎この日は捕虫網を持参していなかったのですけど、ありあわせのビニール袋などで採集すれば良かったですね。
2週間後に再訪するとコロニーは全滅したのか出入りするミツバチは皆無でした。


【追記】
『スズメバチの科学』p101によると、
ニホンミツバチは、セイヨウミツバチと異なり決して単独でオオスズメバチに立ち向かうことをしない。(中略)この引きこもり行動は、相手が単独捕食型のキイロスズメバチなどの場合には観察されず、ニホンミツバチは明らかにオオスズメバチと他種スズメバチとを識別している。
未だ一例だけですけど、今回の観察結果は本の記述とは違うかもしれません。



2013/01/07

キビタキ♀?@水路のヤナギ樹上【野鳥】



2012年10月上旬

平地の遊水地に注ぐ水路で鳥が水浴びする音がしたので茂みの奥をこっそり覗いてみると、柳の枝に地味な鳥が一羽止まっていました。
周囲の環境は池や湿地、河畔林(ハンノキ、ヤナギなど)です。
残念ながら水浴シーンは撮れず、鳥は枝から飛び降りて逃げました。

日本野鳥の会宮城・山形県支部画像掲示板にて問い合わせたところ、TOSHIOさんからキビタキFicedula narcissina)の♀ではないかと教えてもらいました。
地味な野鳥はなかなか覚えられません…。







イワガラミの葉を食すアシグロツユムシ♀



2012年9月下旬

飼育中のアシグロツユムシPhaneroptera nigroantennata)の餌としてその辺に生えたイワガラミの葉を適当に与えてみました。
萎れた枯葉を♀がパリパリかじっています。
お上品に葉縁から齧るのではなく、葉の中央に口を付けて虫食い穴を開けます。



別日にはクズの葉も食べました。(映像なし)
イネ科など単子葉類は試してませんが、食草に好き嫌いは無さそうで助かります。
水分補給用のリンゴは切らさずに与えるようにしています。


手乗りスジクワガタ♂の起き上がりと歩行



2012年10月上旬・室温22.5℃

飼い始めたスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis striatipennis
)が仰向け状態から起き上がる運動を撮影しようとしたのですが、木の床に置いやるともがくばかりで起き上がれませんでした。(映像省略)
手に乗せて仰向けにしてやると、なんとか自力で起き上がれました。

『机の上で飼える小さな生き物』p138によると、

「クワガタは仰向けになると起き上がるのがへたなので、昆虫マットの上には足場となる落ち葉や小枝を敷いておく。」
なるほど。




2013/01/06

リンゴを舐めるスジクワガタ♂



2012年9月下旬

路上で拾ったスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis striatipennis)を飼い始めました。
大顎を含む体長は25mmで、スジクワガタ♂にしては中型の個体らしい。

リンゴを与えてみると、口吻を伸ばして舐めています。
後には食痕が残りました。
ときどき少量の蜂蜜をリンゴに塗り付けてやりました。

小学館の学習百科図鑑40『クワガタムシ』p153によると

「春や秋に活動し始めたら、リンゴを1週間に一度与えて下さい。リンゴはクワガタムシの餌としてとても良い。リンゴは値段が高いことを除くとクワガタムシにとって最適の餌です。」

【追記】
よく調べずにてっきりコクワガタかと思ったのですが、H720316さんより誤同定をご指摘頂きました。
あごの形状からスジクワガタですね
大顎の内歯が2本あることがスジクワガタの特徴らしい(大型の場合)。
一方、コクワガタの大顎の内歯は1本とのこと。
小学館の学習百科図鑑40『クワガタムシ』p45より






アシグロツユムシ♂の婚活?(鳴き交わしと喧嘩)



2012年9月下旬・気温18〜19℃

ナギナタコウジュの群落にアシグロツユムシPhaneroptera nigroantennata)がなぜか♂ばかりで集まっていました。
♂が♀に求愛するための集団お見合い場(レック)なのでしょうか?
産卵管を持つ♀の姿は撮れていませんが、少し離れた木の葉に一匹だけ見つけました。
少なくとも4匹の♂が群れており、たまに翅を震わせて鳴き交わしています。

鳴き声は「ジキーッ・ジキーッ…」または「ジュキーッ・ジュキーッ…」と聞こえる。小さな声なので10数メートルも離れると聞こえなくなる。(wikipediaより)

(この日は風が吹いて環境ノイズが多い上に本種♂の鳴き声は高周波成分が多く含まれるため、youtube動画の再変換された音質では殆ど聞き取れません。)


♂はときどき互いに近づいては小競り合いして別れる、という行動を繰り返しています。
どうやら近くにいる♂を♀と誤認しているようで、しゃにむに接近したり交尾を試みることすらあります。
♂が活発に離合集散しては互いに干渉し合っている様子は占有行動(縄張り争い)のようにも見えます。
ライバル♂を追い払った後でまるで勝鬨の声を上げるように鳴くこともあります。
蹴飛ばして追い払ったり高飛びして逃げたり忙しい。

マーキングで個体識別してじっくり観察すれば何か面白いことが分かるかもしれませんね。




ヒトに興味津々のニホンカモシカ



2012年9月下旬

雑木林を離れスギ植林の細い山道をマタギ(猟師)のように足音を忍ばせて登っていると、目の前で獣が急に立ち上がり蹄の音を立てました。
座って休んでいた(反芻?)カモシカが驚いて立ち上がったのでしょう。
私はその場で静止して撮影開始。

しばらくフリーズしていたカモシカも、やがて鼻を上げて風の匂いを嗅ぎ始めました。
身じろぎもせず耳だけを神経質に動かしています。
3〜5mぐらいの距離でしょうか。
やがてカモシカは意を決したようにこちらに数歩近づいて来ました。
よそ見をしたり身震いしたり。
右後脚で右耳の後ろを掻いたりしています。
好奇心旺盛なのか近眼なのか、無邪気にどんどん近寄ってきます。
野鳥を撮るつもりで装着していたテレコン(望遠レンズ)では撮れなくなるほどの至近距離で対峙。
慌ててテレコンを外すと、カモシカは聞き慣れない物音に驚いたのか身を翻して道を外れ横の茂みに逃げ込みました。
もし私が我慢してじっとしていたら体に触われたかもしれません。
個人的なカモシカとの最接近記録を更新しました。

すぐに立ち止まって茂みの奥からこちらの様子を窺っています。
つづら折れの山道をゆっくり静かに進むと再会。
山道をゆっくり登り森に入る後ろ姿が撮れました。
股間を見ても私には性別が分かりませんでした。

今回のニアミスの間、カモシカは珍しく鼻を鳴らしましせんでした。
こちらからカモシカの鼻息威嚇を真似てフシュフシュ♪呼びかけてみても反応ありませんでした。




2013/01/05

灯籠横に作られた初期巣をガードするコアシナガバチ創設女王



2012年5月上旬

石燈篭の側面に作られた初期巣にコアシナガバチPolistes snelleni)の創設女王が休んでいました。
小さな巣盤の中を覗いてみると育房数は7室で産卵済みでした。
巣柄は石灯籠の南面の地上約30cmに付着していました。






リンゴを食すアシグロツユムシ♂♀



2012年9月下旬

野外で採集してきたアシグロツユムシPhaneroptera nigroantennata
)の♀♂ペアを飼い始めました。
水分補給のつもりで与えたリンゴの切れ端を喜んで食べてくれました。


アシグロツユムシ♂@リンゴ摂食
10月上旬




ヤブガラシの花で争うヒメスズメバチ♀【ハイスピード動画】



2012年9月下旬

ヤブガラシに訪花するヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)のワーカー♀同士で小競り合いする様子をハイスピード動画(220-fps)で撮れました。
相手を毒針で刺そうとするほど本格的な闘争なのかどうか不明です。
一匹が花から滑落し、残った一匹も飛び去りました。

てっきり同じコロニー出身のワーカーが内輪もめしていると思ったのですけど、別の巣からも来ているのかな?
スズメバチ類の中で本種は気性が荒い方ではないというのが定説です。
樹液なら占有行動に値する餌場ですけど、蜜流のあるヤブガラシの花はわざわざ防衛するには分散し過ぎていると思います。



【追記】
実は性別をしっかり見分けられていないので(触角の長さが確認できない)、もしかすると雄蜂♂が交尾を試みている可能性もありそうです。

2013/01/04

フキノトウで吸蜜するクジャクチョウ



2012年4月下旬

道端に咲くフキノトウの群落で花蜜を吸う越冬明けのクジャクチョウ(Inachis io geisha)です。

同一個体が花から飛び立つ瞬間をハイスピード動画で撮ってみた記事はこちら



ニホンカナヘビは尻尾を自切するか?(成功篇)



2012年9月下旬

庭の草むらでじっとしていたニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)を両手で包むように捕獲しました。
午前中は体温が低く動きが鈍いのかな?
尻尾の先を既に自切している個体です。

春にもニホンカナヘビの幼体を捕まえ、尻尾を自切するかどうか試したのですが、扱い方が分からず失敗しました。

関連記事→「ニホンカナヘビ幼体は尻尾を自切するか?(失敗篇)
この機会に再挑戦します。
今回も成体ではなく幼体です(…よね? あまり自信なし)。
囚われの身となったカナヘビはときどき身を捩って暴れるものの、意外に大人しくしています。
撮影しながらの実験なので少々難しいのですが、尻尾を指で強く挟んで拘束してみます。
しつこくちょっかい出すと私の指に噛み付こうとします。
ようやく尻尾を自切して逃げて行きました!(@2:03)
自切した瞬間、ブチっと切れた感触が手に伝わりました。
決して私が無理やり尻尾を引っ張って引きちぎった訳ではありません。

丁度挟まれた位置で自切したようです。

残された尻尾はピクピクと激しく動きます。
切り口から僅かに血が滲んでいるようです。
次第に動きが弱まってきても、尻尾に触れると再び動き始めます。
動く尻尾の切れ端を見れば、なるほど確かにネコなんかはすっかり気を取られるだろうなぁと実感しました。



【追記】
浅間茂『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略 』というとても面白い中公新書を読んでいたら、前書きに驚くべきことが書いてありました。
トカゲが捕食者から逃れるために紫外線反射の強い尾を自ら切って、そちらに目を向けさせて逃げる。 (piiiより引用)
カナヘビではどうなのでしょう?
紫外線で動画が撮れるカメラが欲しくなりますが、特注でないと手に入らないようです。



【追記2】
『トカゲ・ヘビ・カメ大図鑑』で調べ物をしていたら、「トカゲの自切のしくみ」と題したコラムが掲載されていました。
カナヘビの自切とは少し違うのかもしれませんが、参考のために引用しておきます。
トカゲの仲間でも尾の再生能力が無い種類もいるのだそうで、その進化(退化?)の道筋に興味をもちました。
にげているトカゲの尾にちょっとふれただけでも、尾はかんたんに切れてしまいます。尾は背骨と同じように小さな骨がつながってできていますが、その小さな骨にはとちゅうに切れ目があり、骨が前後に分かれて切れてしまうのです。(中略) 自切したあとに生えてくる尾は、骨は軟骨で、模様も変わることがあります。また、子どものときほどよく自切を行いますが、大人のトカゲは自切をしにくくなります。尾に栄養分をたくわえているからです。(中略) 傷口の筋肉が強くしまるので、ほとんど血はでない。 (p24より引用)








オトコエシに訪花吸蜜するアカスジツチバチ♀を接写



2012年9月下旬

オトコエシの花でアカスジツチバチ♀(Carinoscolia melanosoma fascinata)が吸蜜していました。
今回はマクロレンズで接写してみます。
花の上を歩き回りながら舌を差し込んで花蜜を舐めています。
花上で待ち伏せしていたハナグモEbrechtella tricuspidata)とニアミスするも(@1:00)、体長差がありすぎて(蜂>クモ)勝負になりません。


2013/01/03

クロマルハナバチ♂がミゾソバに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端のミゾソバ群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。
後脚の花粉籠は空なので、集粉ではなく吸蜜していたと思われます。


【追記】
映像を見直すと、オオマルハナバチのワーカー♀ではなく、クロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀の雄蜂♂の間違いですね。
訂正しておきます。
♂は後脚に花粉籠を持たないので、空荷なのは当然です。



ヘリグロツユムシ♂とアシグロツユムシ♂



2012年9月下旬

サルトリイバラ?の葉に静止して触角だけ動かしていたヘリグロツユムシ♂(Psyrana japonica)を撮っていたら急に歩き始め、隣のカエデの葉にゆっくり移動しました。
それと入れ替わるようにサルトリイバラの葉にはアシグロツユムシ♂(Phaneroptera nigroantennata)が登ってきました。
これは偶然なのか、二種の力関係を反映した占有行動のようなもの(小競り合い)なのか不明です。
見かけ上はアシグロツユムシよりもヘリグロツユムシの方が大きい気がしました。
撮影後にヘリグロツユムシを採集してみると、体長26mmの♂でした。
飼育下で鳴き声を記録するつもりで持ち帰り、室内で放し飼いにしてみました。
しかし夜も鳴かずにどこかへ行ってしまいました。





アメリカセンダングサに訪花するオオマルハナバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月下旬

アメリカセンダングサにせっせと訪花するオオマルハナバチ(Bombus hypocrita)のワーカー♀を220 fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
側面から見ると後脚の花粉籠が空なので、どの個体も集粉ではなく吸蜜していたのだろうと思われます。

通常のHD動画でも撮ってみました。
冒頭の個体は後脚にオレンジ色の花粉団子を付けていますね。
リアルタイムで見るといかに忙しなく花から花へ飛び回っているか分かりますね。
むしろスローモーションに適した題材です。

実はこのアメリカセンダングサ群落のすぐ横でオオカマキリがクズの葉に乗って待ち伏せしていました。
しばらく見張ってみたものの、蜂が近くを飛来せず狩りのシーンは撮れませんでした。




2013/01/02

首の折れたシマヘビの蛇行



2012年9月下旬

おそろしく時差のある季節感の無いブログですけど、年が明けたので巳年の干支に因んだネタを一つ。
しかし残念ながら健康体の蛇ではなく、おめでたい動画とは言えません。

どこか動きのおかしなシマヘビElaphe quadrivirgata)を道端で見つけました。
とぐろを巻いたり蛇行したりのたうち回っている蛇の首が右に妙な角度で曲がったままです。
草むらに逃げ込もうとしても上手く蛇行で前進できないようです。

車に轢かれて骨折しているのでしょうか?
天敵の鳥獣に襲われて負傷したのかな?
それとも生まれつき背骨や頚椎が奇形の個体?
骨格標本にするかX線写真に撮らなければ分かりませんね…。





ナギナタコウジュの葉を食すアシグロツユムシ♂



2012年9月下旬

道端のナギナタコウジュ群落にてアシグロツユムシ♂(Phaneroptera nigroantennata)が葉を齧っていました。
葉縁に虫食い跡(食痕)が残ります。

右の触角が途中で切れた別個体もナギナタコウジュの葉を食していました。
食事シーンを接写していると、また別のお邪魔虫♂が乱入してきて追い払われました。
一種の占有行動や穏やかな闘争なのかもしれませんが、この間、鳴き声は発しませんでした。



クルミの実を運ぶニホンリス【HD動画&ハイスピード動画&声紋解析】



2012年9月下旬

道端の胡桃の木からキキキッ♪と鳴き声がするので見上げるとニホンリスSciurus lis)がいました!
初めはカメラ操作を間違って、ハイスピード動画(220 fps)の設定で撮ってしまいました。
画質は落ちますが、リスが幹を登るスローモーションが撮れてなかなか良い感じ♪

慌てて高画質のHD動画モードに戻しました。
枝を素早く走り回るため、なかなかカメラでは追い切れません。
少なくとも2匹いるようです。
番(つがい)なのかな?
ときどき幹にしがみ付いて静止してくれます。
枝からクルミの果実を採取すると口に咥えてどこかへ持ち運んでいます。
一匹はクルミの木から右手のスギの木へ跳び移って姿を消しました。
巣にクルミを運んでいるのでしょうか。
巣の位置は見つけられませんでした。
それとも冬に備えてクルミの実を貯食するのかな?
時折クルミの実を採取し損うのか、実が落ちる音が森に響きます。
最後はキキキキッ♪と鋭い鳴き声を発しながらクルミの枝を走って左隣の杉の木に跳び移りました。





『日本動物大百科1:哺乳類I』p70によれば、ニホンリスは
樹上で危険を感じると、反対側の幹へまわり込、尾をたらして張り付く。


『リスのきた道―なぜ鎌倉にタイワンリスか? 』p163によると、
ニホンリスは、人に出会うと、クルリと木の幹のうら側へまわって、すがたを隠そうとする習性をもっています。



ニホンリスの鳴き声を声紋解析してみる

映像の最後で鳴いた1秒間の音声を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
辺りが静かなため、前回より明瞭な声紋が得られました。
15kHz以上の高周波数域が不自然にカットされているのはカメラの録音の仕様です。



【追記】
『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』p112によると、ニホンリスは
来るべき冬のために木の実などを地面に埋めるという貯食行動をとる。
貯食行動をするリスはクルミの木と種子散布の共生関係にあります。

『空中モグラあらわる:動物観察はおもしろい』p186によると
クルミにとって殻をじょうぶにするということは、「だれに食べられるか」を選べることになります。たくさんの動物の中から、相手としてリスを選べる。ほかにアカネズミもクルミの実に穴を開けて食べるのですが、今わかっているところは、日本の動物では、これらの二種しかクルミの硬い殻をやぶれないのです。



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