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2024/02/13

笹薮のタヌキ溜め糞場で虫を探すウグイス?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月上旬


笹薮が生い茂る河畔林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場rpを自動撮影カメラで見張っていると、夕方に小鳥が登場しました。 


シーン1・4/6・午後15:30・(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
オニグルミ大木の下にこんもりと巨大な溜め糞場rpがあります。  


シーン2・4/9・午後17:25頃・晴れ (@0:05〜) 
画面の赤丸に注目してください。 
笹藪の奥から現れた小鳥が林床をピョンピョン跳んで移動(ホッピング)し、溜め糞rpの上を横切りました。 
気温がまだ低いこの時期はハエの幼虫(蛆虫)や糞虫など獲物となる虫は居なかったようで、左に素通りしました。 

この時期はウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪とさえずる鳴き声がこの地点でよく録音されていたので、今回の小鳥はおそらくウグイスではないかと思うのですが、定かではありません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
旧機種のトレイルカメラには奇妙な癖があって、明るい日中の映像を撮ると画面全体にピンク色のフィルターがかかることが多く、しかもそれが点滅するのです。 
あまりにも見苦しいので自動色調補正して、騙し騙し使っています。 
新機種のトレイルカメラに少しずつ買い替えようとしているのですけど、せっかく買った新機種の方が先に壊れてしまいます。
堅牢性の高い旧機種をなかなか引退させられずに、仕方なく使い続けるはめになっています。 


【アフィリエイト】

2024/02/03

雪解け田んぼに集まるコハクチョウ大群の諸活動:採食・飲水・羽繕い・昼寝・小競り合い【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・晴れ 

早春の田んぼにコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開していました。 
あまりにも個体数が多いので、どの個体の行動に注目すべきか、目移りしてしまいます。(計何羽が登場するか数えてみる?) 
採食したり(落ち穂拾い)、雪解け水を飲んで喉を潤したり、羽繕い、昼寝など各々がのんびり過ごしています。 
近くの舗装路を車や自転車が通りかかっても、白鳥は逃げようとしません。 
この大群の中には首輪を装着した個体は見つけられませんでした。 

採食中に群れが混み合ってくると、たまに小競り合いが勃発します。 
畦道から隣の雪田に下りた個体が、目の前を横切ろうとした別個体を邪険に追い払いました。(若鳥同士の小競り合い @2:00〜) 
嘴でつつかれそうになった相手は反撃せずに、慌てて逃げて離れました。 
その左では、別個体が雪田で片足立ちのまま採食しています。 
冷たい雪解け水に浸かった足がしもやけや凍傷にならないように、片足ずつ交互に持ち上げて温めているのでしょう。 

せっかくカメラを三脚に固定して高画質の4K動画で撮っても、雪解けの進む刈田から陽炎が絶えずゆらゆらと立ち昇っています。
もっとシャープな映像を撮るには、気温の低い早朝に撮影する必要がありそうです。

2024/01/30

細い山道に座り込んで反芻するニホンカモシカ♂

 

2023年6月上旬・午後12:35頃・晴れ 

里山でつづら折れになった細い山道を私が静かに登っていると、前方に座り込んでいるニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)を発見。 
画面の左が山側で右が谷側という斜面になっていて、しかも画面の手前から奥に向かって上り坂になっています。
カモシカの方が私よりも斜面の上に位置しているので優位性があり、私をあまり恐れていません。 (いざとなったら余裕を持って逃げられる、と知っている。)
カモシカは近視なので私の姿が見えてないのかもしれませんが、座ったままでこちらを見下ろしています。 

角や耳介に個体識別できる分かりやすい特徴は無いものの、顔馴染みの個体だと思います。 
やがて警戒を解くと、横(谷側)を向いて反芻を始めました。 
反芻胃から未消化の食物を吐き戻して、植物繊維を臼歯で磨り潰すように噛み直しています。 
口が届く範囲に下草がいくらでも生えているのに、それを食べようとはしません。 

咀嚼しながら鼻面で右前脚に擦り付けたのは、鼻面が痒くて掻いたのかもしれません。
右脇腹の筋肉をピクピクと痙攣のように繰り返し動かしています。 
吸血性昆虫を追い払うための動きなのでしょう。 
耳介を動かして、頭部の周りを飛び回る吸血性昆虫を追い払います。 

カモシカはときどき私を見下ろしながらも、反芻を続けます。 
周囲ではホトトギス♂(Cuculus poliocephalus)などの野鳥が鳴く声♪が聞こえます。 
カモシカが座っているのは山道の日陰(木陰)ですが、木漏れ日が少し胴体に射しています。

反芻するカモシカの目が少しトロンとしてきたものの、寝るまでは至りませんでした。(@5:55〜) 
ここまでリラックスした姿を見せてくれるのは有り難いです。 (私を信頼してくれているのかな?)

遂にカモシカが立ち上がりました。(@6:33〜) 
このとき股間で睾丸がブラブラ揺れたので、♂と判明しました。 
フィールドで野生カモシカの性別を見分けるのは至難の業なので、貴重な事例となりました。  


下り坂の山道に立って踏ん張る前脚の蹄を大きく開げて体重を支えていることが分かります。 
右肩の辺りが痒かったのか、右後脚の蹄で器用にゴシゴシと掻きました。 
身震いしてから細い山道を伝って、なんと私の方へゆっくり下り始めました。 
 少し歩いただけですぐに立ち止まると、道端に自生するユキツバキ幼木の葉に顔を擦り付けて眼下腺マーキングしました。(@6:51〜) 
他個体のニホンカモシカに対して縄張りを宣言する行動です。 
異種の私に対してやんわりと縄張りを主張する意味もあるのでしょう。
ところが、私は肝心なところで録画を中断してしまいました。 
動画を撮りながら静止画スナップショットを撮るつもりが、うっかり隣の録画ボタンを押してしまったのです。 (痛恨のミス)
急いで続きを撮り始めたときには、眼下腺による匂い付けを止めていました。 

私をじっと見下ろしながら、ときどき舌舐めずりしています。 
鼻をヒクヒク動かして、風の匂いを嗅いでいます。 
カモシカ♂の動きがソワソワと落ち着かなくなりました。
きっと、山道を塞いでいる私に退いて欲しいのでしょう。 
この山道はとても狭くて、道を譲れませんし、すれ違うのも困難です。 
せっかく登って来た山道を引き返して、カモシカに背を向けたくありません。
(もしも万一、鋭く尖った角を持つカモシカが私を攻撃しようと坂を駆け下りてきたら、熊よけスプレーを噴射して撃退するつもりでした。)
仮に私が山側の茂みの中に退避すればガサガサと物音を立ててしまい、それに驚いたカモシカがパニックを起こして逃げてしまうような気がしたのです。 
私はその場から一歩も動かず静かに撮影を続けます。
カモシカ♂は鼻息を荒らげたり、蹄を地面に叩きつけるように足踏みして(地団駄を踏む)蹄を鳴らしたりする威嚇行動や苛立ちを示す行動を全くやりませんでした。 
おそらく過去にも山中で私と何度も遭遇していて、人畜無害だと分かっているのでしょう。 

 カモシカ♂は大きく身震いして、体にまとわりつくように飛び回るヤブ蚊やブヨを追い払いました。 
立ったまま左後脚の蹄で左耳の後ろをゴシゴシと掻いてから(@8:25〜)、再び顔をプルプルと振りました。 
さっきマーキングしたユキツバキ幼木とは別の株の葉の匂いを再び嗅ぎました。 
もぐもぐと少しだけ反芻咀嚼。 

遂にニホンカモシカ♂は痺れを切らし、細い山道から谷側に外れて私を迂回してくれました。 (@9:30〜)
ユキツバキ群落の茂みに突入すると、ガサガサと藪漕ぎしながら急斜面を下って行きます。 (つづら折れをショートカット)
ここでカモシカの姿を見失いました。 
なかなか濃密な直接観察の時間を過ごすことができて、大満足です。 

関連記事(1、3、12年前の撮影)▶  





カモシカが長時間座っていた辺りを
動画撮影の直後に現場検証すると、おそらくイタドリと思われる草の葉に食痕が残っていました。 
採食シーンは見てませんけど、ニホンカモシカの食痕には特徴があります。
熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』によると、
カモシカはシカと同様に、上顎に前歯はない。そのため、草や小枝を食いちぎった跡は(中略)、植物の一部に繊維が残る。ウサギ類の食痕(スパッとした切り口)と比べると、雑な印象だ。 上顎の前歯の代わりに、板歯(硬い歯茎)をまな板にして、下顎の前歯を包丁のようにして使う。 (p92より引用)

2024/01/24

田植え後の水田で採食するカルガモ(野鳥)

 

2023年6月上旬・午前10:35頃・晴れ 

田植えの済んだ水田に1羽のカルガモAnas zonorhyncha)が飛来、着水しました。 
(映像はここから。) 
ときどき嘴を開閉して鳴き声を発しているようですが、風が強い上に遠くて聞き取れません。 
仲間を呼んでいるのでしょうか? 
(私の見る限り、周囲にカモ類は全くいないようです。) 

しばらくすると、田んぼの水面を遊泳しながら嘴を水中に突っ込んで採食を始めました。 
採食の合間にもときどき鳴いています。 

やがて、キジ♂(Phasianus versicolor)が母衣打ちをする絶叫♪がケンケーン♪と辺りに響き渡りました。(@1:10〜) 
縄張りを宣言するキジ♂の声量は圧倒的です。 

稲作で除草剤や殺虫剤をなるべく使わないようにする有機農業にアイガモ農法という試みがあります。 
私は未だ実際に見たことはありませんが、アイガモの雛鳥や若鳥を田植え後の水田に放ち、自由に遊泳・採食させることで、雑草や害虫の発生を抑えることが期待できます。 
アイガモの糞はそのまま水田の肥料となり、育ったアイガモは鴨肉として食べる、という一石二鳥どころか、三鳥、四鳥もあるアイデアです。 
しかし手間の割には肝心の除草効果が安定しないなどの課題が浮かび上がってきたそうです。 

水田で採食する野生のカルガモの数が多ければ、アイガモ農法と同じ原理で除草効果が期待できます。
しかし、野鳥は自由気ままに飛び去ってしまうのが問題です。
(だから合鴨農法では飛べない雛や若鳥を使うのです。)
実は今回、カルガモが採食する田んぼの隣の区画では、最先端のアイガモ・ロボットが黙々と稼働していました。 


2024/01/22

赤い首輪で標識されたコハクチョウが雪解け田んぼで採食【冬の野鳥:10倍速映像】

 



2023年3月下旬・午後15:45頃・くもり 

早春の雪解け田んぼに集結して落ち穂拾いしているコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群を撮影した動画を見直すと、赤い首輪を装着した個体が混じっていました。
コハクチョウは、北極圏の繁殖地と日本の越冬地を毎年行き来する渡り鳥です。 
渡り行動を研究するために、一時捕獲した個体に首輪や足輪を付けて放鳥するプロジェクトが続けられています。 
標識された鳥を見つけたら、世界中のバードウォッチャーが報告することになっています。 
撮影中に気づいていれば、この標識個体を重点的に観察したのに、残念です。 
微速度撮影中の私は三脚を立てて画角を決め録画を始めた後はひたすら寒風に耐えるだけで、何が撮れているかチェックしてませんでした。
長撮りする際はカメラの電池を節約するために、液晶画面(バックモニター)の表示をオフにしていたのです。


動画を拡大してみると、プラスチックの赤い首輪に白い文字で「C48」または「C4B」と書いてあります。 
 「標識コハクチョウ名簿」サイトで調べると、「首輪-赤C46」および「首輪-赤C48」が登録されていました。 
目撃情報から、おそらく「首輪-赤C48」だろうと判明しました。 
この個体は2年前の2021年8月1日にロシアの北極海に面するチャウン湾で標識されていました。
標識時には若鳥だったのに、2年後にはすっかり成鳥になっています。 
渡りの途中でも日本各地で何度か目撃されています。 
どうやら新潟県で越冬しているらしく、ここ山形県や北海道を経由してロシアに渡去していました。 
近くの最上川を集団塒として山形県内で越冬する個体群が餌場に通っていた訳ではありませんでした。

地道な個体標識プロジェクトの強み・凄みをまざまざと実感しました。
白鳥の大群を漠然と眺めているよりも解像度が格段に上がり、特定の個体の暮らしぶり(生活史)が浮かび上がってきます。 
個人的には、どうしても白鳥にGPSやアクションカメラ(GoProなど)を装着して移動ルートの詳細なデータを取りたくなります(バイオロギング)。

2024/01/12

雪が溶けた田んぼで採食するコハクチョウの若鳥【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:20頃・晴れ  

雪解けが進む早春の刈田で採食するコハクチョウCygnus columbianus bewickii)大群の中で若鳥に注目し、高画質の4K動画で撮影しました。 
頭部が黒っぽくて薄汚れて見えるのが若鳥の特徴です。 
白鳥が田んぼの泥で汚れたのではなく、若鳥は羽根の色自体が元から黒っぽいのです。
成鳥へと成長すると白い羽根に生え変わります。
嘴の中がピンク色なのは、雛のときに口を大きく開けて親鳥にアピールして給餌してもらうための名残でしょう。
(この点はカラスも同じです。)
ちなみに、もっと若い個体は嘴全体がピンク色です。

雪解け水でぬかるんだ田んぼを歩き回って落ち穂拾いしています。

2023/12/29

サルナシの果実を食べてみる

2022年10月上旬

河畔林のオニグルミ灌木に巻き付いた謎の蔓植物に果実がつきました。

図鑑で調べてみると、名前だけは聞いたことのあるサルナシ(マタタビ科)でした。

 



緑色で熟しているかどうか分からないのですけど、果実を1個採取し、ナイフで輪切りにしてみました。
切り口になぜか粘り気があります。


2022年10月中旬

19日後に現場を再訪すると、手の届く範囲のサルナシ果実は無くなっていました。
野生動物が食べ尽くしたのか、それとも通りすがりのヒトが誰か採取したのかな?

蔓を強引に引き寄せて、残った熟果をなんとか1房(5個)だけ採集しました。
果実が熟しても果皮は緑色のままで、表面がシワシワになるだけです。

採寸代わりに1円玉(直径2cm)を並べて写真に撮りました。
ナイフで輪切りと縦切りにしてみました。
断面の果汁に粘り気があります。


試食してみると、酸味が強いものの、確かにキウイフルーツと同じ味でした。
小さな種子のプチプチした歯応えも同じでした。
しかしサルナシは1個の果実が小さいので、食べごたえがありません。
食後に口内が少しピリピリするのは、アクチニジンと呼ばれるタンパク質分解酵素が含まれているからでしょうか。

多田多恵子『身近な草木の実とタネハンドブック』を紐解いてサルナシについて調べると、このタンパク質分解酵素の役割りについて興味深い話が書いてありました。
なるほどなぁ。

・キウイに似て美味だが、食べ進むと甘みを感じなくなり、苦痛になる。果肉中のタンパク質分解酵素で舌の味蕾がやられてしまうのだ。大食いの哺乳類が1回に食べる量を制限して、タネを少しずつ分散させるために酵素はある。

・種子の粒は小さく、サルやタヌキやクマの歯の間をすり抜ける。(p147より引用)

サルナシやキウイフルーツは熟しても果皮が色づかず地味なままなので、鳥類ではなく哺乳類に果実を食べてもらって種子を糞と一緒に散布してもらう戦略です。
サルナシの果実を食べる種子散布者としてはホンドテンやハクビシン、ニホンザル、ツキノワグマなどが予想されます。
(『身近な草木の実とタネハンドブック』にはタヌキも挙げられていましたが、木登りのできないタヌキは落果を食べるしかないでしょう。)

トレイルカメラを設置して、サルナシの実を食べに来る野生動物を観察してみたいところです。
しかし、この場所は川沿いの遊歩道のすぐ横なので人通りが多く、隠しカメラを設置したらトラブルになりそうです。
人里離れた山林に自生するサルナシを探しているのですが、なかなか見つかりません。
適当な場所にサルナシの種子をばらまいて育つのを待つ方が早いかもしれません。


同じ日の帰り道に、民家の庭の蔓棚でたわわに実ったキウイフルーツの熟果を2箇所で写真に撮りました。
東北地方の雪国でもキウイフルーツが育つとは最近まで知りませんでした。
品種改良すればサルナシの果実もこのぐらい大きく立派に育つのでしょうか。

民家aの蔓棚
民家bの大きな蔓棚

【追記】
2023年5月下旬
同じ場所に定点観察に通い、蕾の写真を撮りました。






その後は忙しくなってしまい、残念ながらサルナシの花を観察しそびれてしまいました。
訪花昆虫(サルナシの送粉者)に興味があるので、花を見るのは来季の宿題です。

同じ日に民家の蔓棚bで育つキウィフルーツの蕾も写真に撮っています。






次は6月中旬に定点で撮ったサルナシ未熟果の写真です。





2023/11/29

雪解け田んぼで採食するコハクチョウ大群の離合集散【野鳥:10倍速映像】

 

2023年3月下旬・午後15:22〜16:02・くもり後晴れ 

雪解けしつつある早春の刈田でコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が採食しています。 
ハクチョウの大群が移動しながら採食(落ち穂拾い)するシーンを微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像で大群の離合集散をご覧ください。 
混み合ったエリアでは、コハクチョウ同士で小競り合いも頻発します。
長撮りしている間にも新たにコハクチョウが次々と飛来し、旋回してから採食群に合流します。 



2023/11/25

雪解け田んぼに集結するコハクチョウの百態(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・くもり 

早春で雪どけが進む広大な田園地帯にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開して、落ち穂拾いしています。 
あまりにも個体数が多くて、どの個体の行動に注目すべきか目移りしてしまいます。 
三脚を立ててカメラで左右にパンして、採食群の遠景を記録してみました。 

残雪が溶けて泥濘んだ刈田で採食したり、座り込んで寝ていたり、水を飲んだり、羽繕いしたり、刈田を歩き回ったり、片足立ちでストレッチしたりと、様々な行動が見られます。 
小競り合いや羽ばたき威嚇している個体もいます。 
泥に埋もれた藁を嘴で掻き分けてから採食しています。 

白鳥がひときわ密集したエリアは餌となる落ち穂の量が豊富なのでしょうか。 
撮影中にもコハクチョウが2〜4羽の小群(家族群)単位で続々と飛来・旋回すると、仲間が大勢居る餌場に合流しました。 
白鳥の優雅な着陸シーンは何度見ても感動します。 

飼い犬(白い犬種)の散歩に来た中年男性♂が奥の農道を歩いても、充分に距離が離れているせいか白鳥は逃げ出しませんでした。 (@4:55〜、@6:13〜) 



コハクチョウの密集した大群の迫力は圧巻です。 
餌場やねぐらでこれほど同種が密で暮らしていたら、ひとたび鳥インフルエンザなどの感染症が蔓延したらひとたまりもありませんね。 
…と書こうとしたら、私の勉強不足(知ったかぶり)でした。 
水鳥はインフルエンザが腸で常在しており病原性を引き起こすことはほとんどない。 
・水禽類(水鳥)の腸管で増殖し、鳥間では(水中の)糞を媒介に感染する。水禽類では感染しても宿主は発症しない。(wikipediaより引用)

鳥インフルエンザ・ウイルスが問題視されるのは、抵抗性のないニワトリなどの家禽に感染して大量死をもたらす経済的損失と、突然変異したウイルスがヒトへ感染を広げるパンデミックのリスクがあるからです。
長い進化の末に水鳥が鳥インフルエンザ・ウイルスと共存するようになった仕組みは解明されているのでしょうか?(免疫の獲得?)


【追記】
白鳥が渡来する初冬になっても、なぜか同じ刈田にコハクチョウの採食群を見かけません。
刈田で落ち穂拾いするなら、根雪が積もる前に採食しても良さそうなものですが、もっと良い餌場があるのでしょうか。


2023/11/16

河川敷でオニグルミの堅果を拾って持ち去るハシボソガラス(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:45頃・晴れ 

早春の河川敷で枯れた芝生に覆われた遊歩道を1羽のハシボソガラスCorvus corone)が餌を探してうろうろと歩き回っていました。 
河畔林のオニグルミの並木道には、秋に落ちた堅果が未だ少し残っているようです。 
野ネズミやリスなど、クルミを貯食するライバルの野生動物が居るはずですが、春まで見逃されてきた落果なのでしょう。

近づく私に気づくと、カラスは逃げ腰になりました。 
私が立ち止まると警戒を解き、オニグルミの落果を嘴で拾い上げました。 
嘴で軽くつついたり咥え直してから、クルミの堅果を持って右へ飛び立ちました。 

逆風に煽られながらも堤防を飛び越えて市街地の方へ向かい、見失いました。 
胡桃の実をどこかに隠す(貯食)つもりなのか、それとも殻を割って中身を食べるつもりなのでしょう。

2023/11/04

春の刈田で落ち穂拾いするキジ♀3羽の群れ(野鳥)

 

2023年4月中旬・午前10:20頃・くもり 

田んぼの農道で採食する2羽のキジ♀(Phasianus versicolor)を発見。 
私に気づくと警戒し、農道から隣の刈田に慌てて逃げ込みました。 
地味な羽毛のキジ♀は刈田に居ると見事な保護色となり、カメラのAFピントが合焦しにくくなります。 
じっとしていれば、まず見つからないでしょう。

キジ♀が飛び去るシーンを期待して、動画を撮りながら農道を歩いて近づいてみました。 
しかし飛ぶのが苦手なキジは、よほど身の危険が迫らなければ、ひたすら走って逃げるようです。 
足早に刈田を横断し、畦道を乗り越え、私からどんどん離れて行きます。 
キジ♀には目立った冠羽がありませんが、後頭部の羽毛が少し逆立っていたのは緊張の現れなのでしょう。 
私が立ち止まって撮影を続けると、充分な安全距離を取ったキジ♀はようやく警戒を解き、逆立っていた冠羽が寝ました。 

途中からもう1羽が現れ、計3羽の群れと判明しました。 
キジは♀だけが集まって群れを形成します。
嘴の動きを見ると、キジ♀は刈田を移動しながらときどき互いに小声で鳴き交わしているのかもしれません。 
残念ながら遠くて鳴き声を聞き取れませんでした。 

ようやく落ち着くと同じ区画の刈田で仲間と合流し、歩きながら地面を啄んで採食を始めました。 
落ち穂拾いだけでなく、春の刈田で昆虫や虫などを捕食しているのかもしれません。 
採食の合間に立ち止まって胸の羽毛を嘴で整えました(羽繕い)。 

最後は田んぼの端にある枯れヨシ原へ逃げ込みました。
いつもここはキジの隠れ家となっています。 
ヨシ原にキジの営巣地がありそうだと前々から睨んでいるのですけど、未確認です。 

ところで、キジ♀が採食していた刈田の一区画だけ、なぜか大量の不燃ゴミが散乱していました。 
せっかく撮れた採食動画が見苦しいゴミのせいで台無しです。 
田起こし前に撒く肥料のような物だとしたら、刈田の全区画に撒くはずです。 
何かトラブルがあって誰かが悪質な嫌がらせでゴミをぶちまけたのか…?と米農家の闇を見た気がしました。(勝手な想像です) 



2023/10/27

餌場の雪解け田んぼから助走して飛び立つコハクチョウのペア(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:50頃・くもり 

体重の重いハクチョウは、飛び立つ揚力を得るのに長い助走を必要とします。 
川では風上に向かって水面を走ってから飛び立っていました。 



泥濘の雪解け田んぼでコハクチョウは助走できるのでしょうか? 
しっかり踏み固められた畦道や農道を走るのかな? 
飛び立つ様子を観察したくても、雪解け田んぼに散開した大群の中で、次にどの個体が飛び立つのか予想するのは困難です。 
ひたすら長撮りを繰り返していたら、迫力のある離陸シーンがたまたま撮れてラッキーでした。 

雪解けが進む広大な田園地帯で採食するコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群を撮影していると、左の方で騒々しい小競り合いが勃発しました。 
鳴きながら羽ばたき威嚇して相手を追い払います。 



その後、♀♂ペアと思われる2羽が頷くように首を上下に動かしながら鳴き交わし始めました。 
この動きがシンクロしてくると、離陸の合図です。 
横に並んでいたペアが一緒に羽ばたきながらカメラに向かって走り出しました。 
田んぼは畦道(一段高い障害物)で囲まれているので、その手前で飛び立つ必要があります。 
川から飛び立ったときよりも短い助走で済みました。 
泥濘でも地上では水面よりも走りやすくて助走のスピードが出せるのでしょう。
あるいは、この日は強い向かい風を利用できたのかもしれません。 

雪解け田んぼから飛び立ったペアを三脚カメラで流し撮りすると、横風に煽られたのか左に旋回して別の区画に舞い降りました。 
ペアは互いに少し離れて着地しました。 
着陸直後の行動に注目してもう少し長く撮り続けるべきでした…。 
それにしても、大群の中でコハクチョウはどうやってパートナーを個体識別してるのですかね?(鳴き声の声紋に個性がありそうです)

迫力のある助走からの飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:58〜) 
雪解け田んぼの泥水をバシャバシャ跳ね上げています。 
両足を揃えて跳ぶカワウのコミカルな助走と異なり、コハクチョウの助走は両足を交互に前に出す普通の走り方です。



最後にペアの飛び立ちを1/2倍速のスローモーションで逆再生してみました。(@1:48〜) 
てっきり喧嘩に負けたカップルが飛び立ったのかと初めは思いました。 
しかし逆再生してみると、飛び去った2羽は喧嘩したグループの中心部ではなく辺縁部に居て、しかも互いに少し離れていました。 
意外にも、ご近所トラブルで周囲の個体から直接的な攻撃を受けて餌場から追い払われた訳ではありませんでした。 
混雑する餌場で小競り合いを始めた別の2家族のとばっちりを食らい、辟易して逃げ出したような印象を受けました。 
残念ながら喧嘩が発生した理由は不明です。 
トラブルを避けるために白鳥密度の低いエリアに移動したのなら理解できるのですが(レッド・オーシャンから競争の少ないブルー・オーシャンへ)、ペアが舞い降りた先も先客が多いエリアでした。 
餌場で周囲に仲間が居ないと心細いのでしょう。 

2023/10/23

廃屋の庭をうろつくキジ♂(野鳥)

 

2023年4月上旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓の農村部で廃屋の荒れ果てた庭をキジ♂(Phasianus versicolor)がうろついていました。 
ばったり出くわしたときには近過ぎて、お互いにビックリ!
警戒して、採食行動もなかなかしてくれません。 
ハトのように1歩ずつ頭を動かしながら歩き始めました。 
倒木の陰でようやく何か餌を啄みました。 
立ち止まって背伸びしたので、縄張り宣言の母衣打ちするかと期待したものの、私を気にしてか披露してくれませんでした。 
私から隠れようと物陰に移動したがります。 

背景が緑の草むらでもキジ♂の赤い顔が一際目立ちます。 
よく晴れているため、キジ♂の豪華な羽の色が美しく輝いています。 

庭の地面を覆うように伸び始めた緑の園芸植物?が気になります。 
見覚えがあるのに名前が分かりません。 
手前に植栽された落葉樹は、幹に棘があるのでタラノキだと思います。

2023/10/20

春のスギ林床で採食するウソ?とホオジロ?の混群【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月上旬 

里山の麓近くのスギ植林地でタヌキの溜め糞場opを監視しているセンサーカメラに、野鳥の群れが写りました。 


シーン0:3/24・午後14:44(@0:00〜) 
明るい昼間にフルカラーで偶々撮れた現場の状況です。 
斜面を下から見上げるアングルで、奥には残雪が見えます。 
画面中央を左から右に緩やかに登る遊歩道が切り開かれていて(細長い落枝が目印)、その路上および少し下の斜面にホンドタヌキが溜め糞opを残しています。 


シーン1:4/3・午前11:15頃・晴れ(@0:05〜) 
旧機種のトレイルカメラには不具合があり、日中に動画撮影すると画面全体になぜかピンク色のフィルターが入り、しかもそれが点滅します。 
あまりにも目障りなので、モノクロに加工しました。 

晴れた昼前に見慣れない鳥5羽の群れが林床に散開し、スギの落ち葉をつついて回っていました。 
カメラからやや遠い上に白黒の映像なので、鳥の種類をしっかり見分けられません。 
頭部が黒いので、なんとなくウソPyrrhula pyrrhula)ですかね? 
イカルEophona personata)と迷ったのですが、イカルの嘴はもっと太いはずです。 
ウソのきれいな紅色をフルカラーで記録できなかったのがつくづく残念です。 
途中で右下隅から現れたのは、ホオジロEmberiza cioide)かな?(@0:29〜) 
怪しい同定ですので、もし間違っていたらご指摘願います。 
ウソとホオジロだとして、その2種が混群を形成するとは知りませんでした。(嘘みたいな話?) 
『やまがた野鳥図鑑』でウソについて調べると
 県内では、繁殖期は蔵王や鳥海山、吾妻山系などの亜高山の針葉樹ですごし、冬季は里山に下りてきて、数羽から数十羽の群れですごしていることが多い。(p56より引用)

動画から鳴き声は聞き取れず、採食中に鳴き交わしていないようです。 
林床で餌を探す野鳥の混群は、タヌキの溜め糞場opの周囲に集まって未消化の種子を食べている訳ではありませんでした。 
溜め糞に含まれる未消化の種子は、野ネズミや種子食性の鳥がもう既に食べ尽くしてしまったのかもしれません。
雪が溶けて活動を始めた虫やクモを探して捕食しているのでしょう。

ウソの採食行動と言えば、桜の芽を食害することで有名です。

雪国の当地では桜がようやく咲く頃ですが、樹上に限らず林床でも採食するとは知りませんでした。

関連記事(10年前の撮影)▶ ウソ♀が桜の花芽を採食【冬の野鳥】 


2023/10/18

雪解け田んぼの餌場で小競り合いするコハクチョウの羽ばたき誇示♪【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:25〜16:50頃・晴れ 

雪解けが進む早春の刈田にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)が集結して落ち穂拾いしています。 
採餌群の中でときどき勃発する小競り合いのシーンを高画質の4K動画でまとめてみました。 
広大な雪解け田んぼの中に散開した大群のどこで喧嘩が始まるのか予測できないので、喧嘩の原因やきっかけも含めて一部始終を動画に記録するのは、なかなか難しいミッションです。 
鳴き騒ぐ声を聞きつけてズームインしたときには、もう遅かったりします。 
餌場が密になってくると、個体あたりの餌の割当量が減りますから、苛々していざこざが増えるのでしょう。 
白鳥は家族群を単位に行動しているらしいので、餌資源を巡って家族間で縄張り争いになり、よその家族群を追い出すと思われます。 


シーン1:(@0:00〜) 
仲良く並んで採食しているペアに注目していたら、2羽がほぼ同時に頭を上げて首を前に伸ばし、鳴きながら一緒に翼を広げ、その場で羽ばたき始めました。 
♀♂ペアが気分を高め合う求愛誇示なのかと思いきや、右から別の2羽も集まって来て、一緒に羽ばたきディスプレイに参加しました。 
鳴いて羽ばたきディスプレイしながら、この4羽は少し左に移動しました。 
元から居た個体の1羽が新参者の相手を嘴でつついて牽制するような素振りを見せたので、♀へのアピールというよりも、餌場をめぐるペア間の争いではないかと思います。 
騒ぎが収まって平静を取り戻してからも、勝ったペアがその場で力強く羽ばたいて周囲に誇示します。 
ときどき翼を大きく広げて羽ばたくことで、餌場で適切な個体間距離を互いに保っているのかもしれません。 

その後、近くのローカル線で踏切がカンカン♪と鳴り始め、列車が轟音を立てて通過しました。 
しかし白鳥は全く怯むことなく、夢中で採食を続けています。 



シーン2:(@1:13〜) 
刈田で採食シーンを撮っていたら、残雪がある右奥の区画で急に小競り合いが始まり、慌ててズームアウトしました。 
4羽のコハクチョウが輪になって向き合い、鳴きながら翼を広げて口論しています。 
嘴で激しくつつき合う喧嘩になりました。 
最後に背伸びしながらバサバサと羽ばたきます。 

その間、小競り合いから離れた位置にいる個体は、全くの無関心で採食を続けています。 


シーン3:(@1:58〜) 
3羽のコハクチョウが羽ばたき誇示しながら雪田を走り回っています。 
じっくり観察すると、どうやら♀♂ペアにうっかり近づき過ぎた1羽の余所者を奥に向かって追い払ったようです。 

たまたま奥の区画で採食していたハシボソガラスも、手前で鳴き騒ぐ白鳥の剣幕に驚いたようで、トコトコ歩いて退散しました。 



シーン4:(@2:26〜) 
2羽のコハクチョウが田んぼの畦道に登り、鳴きながら小競り合いしていました。 畦
道の残雪はもうすっかり溶けているのに、喧嘩中に水かきの足がスリップして慌てる様が可笑しかったです。 
後から畦道に登った個体が左の区画に追い払われました。 

最後はスローモーションで小競り合いをリプレイするつもりだったのに、動画編集に失敗しました。(ただのリプレイになってしまった) 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


白鳥の小競り合いについて勉強しようと思っても、手元にある本で喧嘩の行動を解説したものは多くありません。 
世界文化社 しぜんのせかい10『はくちょう』という古い本によると、
・ハクチョウたちは、向かい合って首を上下に振ったり、水面を羽でたたいたりして、賑やかな挨拶(ディスプレイ)をかわします。(p8より引用) 
・ハクチョウもけんかをすることがあります。長い首をからませ、羽を強く打ち振り、相手をねじ伏せようとします。(p9より引用)
嵯峨悌二『白鳥 SWANS (クォークスペシャル) 』という写真集には喧嘩やディスプレイの瞬間を捉えた見事な生態写真が多数掲載されています。 
巻末にある解説によると、
 毎日次々とオオハクチョウが越冬地に到着する頃には、家族同士でけたたましい口論が繰り返され、時には派手なけんかもする。勢力の強さは主に餌を採る権利と結びついているようである。けんかはふつう数分間つづき、翼の“手首”で相手を叩いたり、相手の肩をかんだりする。その間、幼鳥たちやほかのグループの白鳥は喧しくはやし立てる。負けたほうはおとなしく退散するので、相手を傷つけるようなことはめったにない。(p91より引用)
私が観察したコハクチョウも喧嘩の作法はオオハクチョウと全く同じなのか知りませんが、参考のため(比較のため)に記しておきます。
詳しく観察すると種間で微妙な違いが出てくるかもしれません。

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