ラベル 両生類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 両生類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023/09/24

雪解け水の池に産卵するヤマアカガエル♀♂の群れを微速度撮影したい!【チャレンジ#2】

 



2023年3月中旬〜下旬 

里山の斜面にある池に雪解け水が貯まり、ヤマアカガエル♀♂(Rana ornativentris)が毎年早春に集まって繁殖活動しています。 

3/13  
前回の反省を生かして、同じ池でも少し別の地点の卵塊bをやや引きの絵で微速度撮影することにしました。 
わざわざ持参したスコップで池畔の深い残雪を地面まで掘ってから、三脚を立ててみました。 
試写してみるとアングルがいまいちなので、諦めて雪を埋め戻し、場所を変えます。 
水を入れた600mLペットボトルを三脚に吊り下げて、風で倒れないように重りとします。
夜に照射する赤外線LEDが水面で反射することを考え、水面に対して斜めから狙うようにしました。 

5分間隔のインターバル撮影を行います。 
本当は5分間隔よりも短く設定したいのですが、残念ながらカメラの仕様で撮影頻度をこれ以上は上げられません。 
池の周りに複数台のトレイルカメラを設置して微速度撮影したいところですけど、他のプロジェクトも同時並行でやっているので、1台しか使えません。

3/22 
カメラを回収しようと池に近づくと、ヤマアカガエルの鳴き声が響き渡っていました。 
しかし少し離れたところから望遠で探しても、鳴いているカエルの姿を見つけられません。
私が岸まで行くと、警戒したカエルは鳴き止んで水中に潜ってしまいます。 
今季は岸辺だけでなく、水中にも大量の卵塊が残されていました。 
池畔に黒い三脚カメラを設置したせいでヤマアカガエル♀が警戒し、浮上しなくなったのかな? 
水中で♂にしがみつかれた♀は溺死するリスクがあります。 

最初に産み付けられた卵塊aから黒いオタマジャクシ(ヤマアカガエルの幼生)が孵化していました。 
ゼラチン質の中で、まだほとんど動きません。 
日当たりの良い岸辺に産み付けられたヤマアカガエルの卵塊には緑藻が繁茂していました。 
素人の勝手な想像ですけど、卵塊が緑藻に隠れて捕食を免れるかもしれませんし、光合成により卵塊に酸素が供給されて好都合かもしれません。 

トレイルカメラのレンズおよび液晶モニターが内側から結露していて焦りました。 
防水パッキンの蓋を開けてみると、電池ボックス内にも水滴がありました。 
実は3/13にトレイルカメラを現場に持参する際にザックに入れて運んだのですが、濡れた長靴や着替えも同じザックに入れていました。 
別々の防水袋で互いに隔離していたつもりが、ザック内の湿度が上がってトレイルカメラの内部が結露してしまったようです。 
前回はカメラを池に水没してしまいましたし、踏んだり蹴ったりです。 
今回の失敗も完全に自分の落ち度なので、自分の迂闊さを呪うしかありません。 
カメラを持ち帰って蓋を全開にしたまま室内で放置したら結露が完全に蒸発してくれ、復活しました。 

気落ちしつつも、撮れた連続写真を確認すると、設置後しばらくは結露したレンズのせいでぼやけた写真しか撮れていませんでした。 
晴れた日にカメラが日差しを浴びれば自然に蒸発してくれるかな? 
ようやくレンズの曇りがなんとか晴れたのが4日後の3/17からでした。 

しかし寒の戻りで3/18の朝から雪が降り始め、池畔の枯れ草に白い雪が積もりました。 
翌日3/19は朝から晴れて、岸辺の雪がみるみる溶けていきます。 
その日の晩から蛙が繁殖行動を再開したようで、水中に少数ながらも姿を表すようになりました。 
夜になると水面に浮かぶ蛙の目が白く光って見えます。 

インターバル撮影なんて初めに設置すればカメラにお任せなのに、実際にやってみると色々と失敗続きです。
集団産卵によって岸辺の卵塊がみるみる大きくなるかと期待したのに、満足の行くタイムラプス映像を撮れませんでした。 
今季はもうヤマアカガエルの配偶行動が下火になったので、また来年まで持ち越しです。 
次にいつ再チャレンジできるか分かりませんから、失敗や改善点を忘れないように記録しておきます。
この繁殖池が開発で埋め立てられるのではないかという懸念があるのです。


2023/09/13

雪解け水の池に産卵するヤマアカガエル♀♂の群れを微速度撮影したい!【チャレンジ#1】

 

2023年3月上旬〜中旬 

早春になると、未だ雪深い里山の池でヤマアカガエル♀♂(Rana ornativentris)の群れが配偶行動および産卵のために集まります。 
毎年通って観察しているのですが、ヤマアカガエルは警戒心が強くて肝心の産卵行動が観察できません。 
そこで今季は、無人カメラを設置して撮影する作戦に切り替えました。 
両生類は変温動物ですから、いくら動き回ってもトレイルカメラのセンサーは反応してくれません。 
そこで次善の策として、インターバル撮影でヤマアカガエルの離合集散を記録することにしました。 

3/8に現場入りすると、雪や氷に閉ざされていた池aの水面が現れ、早くも岸にヤマアカガエルの卵塊が産み付けられていました。 
前回2/27に来たときは卵塊が無かったので、9日間の間(2月下旬〜3月上旬)に今季初の産卵が行われたことになります。 
2023年度 アカガエル産卵前線を参照すると、山形県の記録は登録されていませんでしたが、隣県の新潟県および宮城県とほぼ同じ時期でした。 
てっきり毎年同じ場所に産卵するかと思いきや、2021年とは少し違う地点(下の池bへ水が流れ出る地点)に卵塊が産み付けられていたのが興味深く思いました。 

既に産み付けられた第1陣の卵塊に再び♀♂が集まって追加で産卵するだろうと予想し、三脚に固定したトレイルカメラを池畔に据えました。 
真っ黒な三脚の存在を警戒してヤマアカガエルは岸辺に近寄らなくなるかな?という心配もありますが、やってみないことには分かりません。 

雨が降る日の夜に産卵が活発になると予想して、天気予報を元にして3/8にカメラを設置しました。 
5分間隔のインターバル撮影が順調にいったものの、704枚目の写真を最後に、カメラが水没してしまいました。 
3/11の深夜に突風が吹いて三脚が倒れたようです。 
フクロウなど夜行性の野鳥が三脚の上に止まったのか、あるいは池に来た夜行性の野生動物が三脚に興味を示して触れて倒れたのだとしたら面白いのですが、真相は不明です。 
転倒防止のために、水入りのペットボトルを重しとして三脚に吊るしておくべきでした。 

3/11の早朝に現場入りした私が慌ててトレイルカメラを水中から引き上げました。
トレイルカメラは防水性能が驚くほど優れていて、カメラ本体もmicroSDカードも無事でした。 
カメラの防水パッキンがとても優秀で、6時間も水没していたのに全くダメージが無くて感心しました。 
水没しても律儀に水中写真を5分間隔で撮り続けていました。

3600倍速の早回し映像を確認してみると、なかなか思ったようにはいかず、反省することばかりです。
良かった点として、旧機種でも写真の場合は、気温および月齢のデータを写真に焼き込んでくれます。 
昼間は晴れると枯れ草の影が日時計のように刻々と動きます。 
夜になって暗視モードになると、赤外線LEDの光量が強過ぎて白飛びしていました。
真上から水面を見下ろすアングルでカメラを設置したので、赤外線の反射光をレンズが直視してしまいました。 
少し斜めに見下ろすアングルに設置するべきでした。 
それから、この機種は被写体から1.5m以上離す必要があるらしい。 

5分間隔のタイムラプスではカエルの離合集散がよく分からないので、もっと間隔を縮めた方が良さそうです。 
意外にもヤマアカガエルは夜にあまり集まって来ないようです。 
やはり♀はカメラ(三脚)の存在を警戒した結果、少し別の場所で産卵したのでしょうか? 
産卵地点が予測不能だとすれば、池全体を俯瞰で見張るように、カメラを池から少し離した方が良いかもしれません。 

3/11に現場入りして調べると、池aの別な地点(例年通り)に新たな卵塊が追加で産み付けられていました。 
これで岸辺の卵塊は2ヶ所になりました。 
下の池bにもヤマアカガエルの卵塊が1個産み付けられていました。 

もう一度インターバル撮影にチャレンジしてみましょう。 
色々と試行錯誤してみるしかありません。 


2023/05/19

雨夜の山林でカエルと野ネズミがニアミスすると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬・午前5:20頃・小雨 (日の出時刻は午前5:59) 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮った現場の様子です。 
カラマツの木の根本にドングリ(ミズナラの堅果)を山盛りに給餌しました。 

小雨が降る未明に野ネズミ(ノネズミ)が餌場に通い、ドングリを1個ずつ咥えて持ち去ります。
それまで全く気づかなかったのですが、画面右下の斜面にいつの間にか小さなカエル(種名不詳)が居ました。(赤丸に注目) 
そのカエルが斜面の上に向かって2回連続して跳びました。 
少し休んでから斜面をノソノソと歩いて登り、カラマツに近づきます。 
小雨がポツポツ降っているので活発なようです。 

次にトレイルカメラが起動すると(@0:54〜)、餌場に戻って来ていた野ネズミが次に運ぶドングリを選んでいました。 
野ネズミが給餌場に戻る途中でカエルとニアミスしたら捕食するかどうか、興味があったのですが、ドングリに夢中の野ネズミは地面のカエルを素通りして(飛び越えた?)まっしぐらに餌場に戻ったようです。 
野ネズミがドングリを持ち去り餌場から居なくなると、それまでじっとしていたカエルは再び斜面をゆっくり歩いて登り始め、方向転換して右向きになりました。 

次にトレイルカメラが起動すると(@1:42〜)、野ネズミが餌場でドングリを選び、どこかに運んで貯食します。
次に野ネズミはカエルとは逆の左から給餌場に戻り、結局カエルとニアミスしませんでした。 
右を向いて静止しているカエルが瞬きしました。 

カエルが林床でおとなしくじっとしていれば、野ネズミは気づかないのかもしれません。 
野ネズミがカエルを捕食することがあるのかどうか、飼育下で与えてみれば実験することはできそうです。
変温動物のカエルが単独で動き回っても、本来ならカメラのセンサーに動体検知されません。 
今回は恒温動物の野ネズミが忙しなく餌場と行き来してくれたおかげでカメラが起動し、たまたま夜のカエルの活動を記録してくれました。

関連記事(2週間前の撮影)▶ 夜の林床で虫に跳びついて捕食するカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

※ カエルに動きのない退屈なシーンは5倍速で早送りしてあります。


 

2023/05/05

夜の林床で虫に跳びついて捕食するカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年10月中旬・午後20:50頃 

山林のカラマツの木の下にドングリを給餌して、何が来るか自動撮影カメラで見張っています。 
画面下の赤丸で示した場所に注目して下さい。 
雑木林の斜面に生えた幼木の葉の背後から黒っぽい小さなカエルがゆっくりと這い出て来ました。 
目だけが白く光って見えます。 
斜面をノソノソと登っていたカエルが急にジャンプしました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:40〜)、どうやら林床で活動する黒い小さな虫に向かって一気に跳びついたようです。 
カエルは暗い夜でも目が見えることになります。
てっきり網膜にタペータムがあるのかと思って調べたら、どうもカエルには無いらしいので不思議です。

カエルは、本来「明所での視覚」に関わる光センサー(光受容タンパク質)の性質を、わずか1アミノ酸の置換によって「暗がりでの視覚」に適した性質に変化させている。

動画のカエルの種類は何でしょう?
なんとなくアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の若い個体ではないかな?と思うものの、定かではありません。
カエルは変温動物ですから、トレイルカメラの前で動き回っても本来ならカメラのセンサーに動体検知されません。
今回は恒温動物の野ネズミが横切ったおかげでカメラが起動し、たまたまカエルの捕食行動を記録してくれました。



2023/02/20

池に落水して暴れるヒカゲチョウ♀を捕食するトノサマガエル♀

 



2022年9月中旬・午後14:55頃・くもり 

山中の池に落水したヒカゲチョウ♀(Lethe sicelis)が水面でパタパタと暴れています。 
蝶が立てる波紋に気づいたトノサマガエル♀(Pelophylax nigromaculatus)が浅い池をピョンピョン跳んで近づいて来ました。 
この時点では獲物に対して定位しており、一直線に向かってきました。 
トノサマガエル♀は喉をヒクヒク動かしています。 

ヒカゲチョウ♀も迫りくる殺気を感じたようです。 
絶体絶命のヒカゲチョウ♀は逃げられないので、動きを止めました(フリーズ、すくみ行動、擬死、死んだふり) 
蛙に翅裏を見せていますが、地味な模様なので保護色になっているのかもしれません。 
案の定、トノサマガエル♀は獲物を見失ったようで、ヒカゲチョウ♀の横を通り過ぎてしまいました。 
蝶が少しでも動いたらカエルに気づかれてしまいます。 
至近距離で共にフリーズした息詰まる神経戦を5倍速の早回し映像でご覧ください。 
トノサマガエル♀はときどき腹部がヒクヒク動くだけで、じっとしています。 
カエルが動かないのも、獲物を油断させるための作戦なのでしょう。 

ヒカゲチョウ♀が先に警戒を解いてしまい、ピクピクと身動きし始めました。 
閉じた翅を細かく震わせているのは、飛び立つ前の準備運動なのでしょう。 
体温を上げるために、胸部の飛翔筋を激しく動かすのです。 

それを横目で見ていたカエルが遂に襲いかかりました。 
狩りの決定的瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:17〜) 
トノサマガエル♀は口を大きく開けて跳びつき、見事に獲物をパクリと咥えました。 
カメレオンのように舌を素早く伸ばして獲物を狩るのではありません。 
自分の身を守る武器を持たないヒカゲチョウは、成す術もなく捕食されてしまいました。 
狩りに成功したカエルはまず左右の前脚を使って、獲物に付着したゴミや泥を払い落としました。 
トノサマガエル♀の口の両側から蝶の翅が飛び出しています。 
かさばって食べにくい翅を取り除くこともなく、その場で全て丸呑みしました。 
カエルは歯が無いので、大きな獲物を食い千切ることができないのです。 
数回に分けて獲物を飲み込もうとする度に、大きな眼球が引っ込みます。

トノサマガエルの捕食シーンを動画に撮れたのは久しぶりです。 
こうなるだろうと展開を予想(期待)して、辛抱強く長撮りした甲斐がありました。 

池を舞台にして繰り広げられる「食うか食われるかの連続ドラマ」を目の当たりにして、静かな感動を覚えました。 
特に印象的なのは、弱者の対捕食者戦略としてのすくみ行動(フリーズ)です。 
今回はトノサマガエルに軍配が上がりましたが、「ヘビに睨まれたカエル」という慣用句もあるように、立場が変わればカエルもフリーズするしかありません。 
実際、この池にはヤマカガシなどの蛇がときどき出没します。

2022/12/25

山の泉で育つトウホクサンショウウオ幼生をすくって見る

 

2022年8月下旬・午後12:35頃・晴れ 

夏でも冷たい湧き水(地下水)が流れ込む山中の泉で、珍しい水生動物を見つけました。 
これまでアズマヒキガエル幼生(オタマジャクシ)の大群を定点観察していたのですが、変態が完了して池から全て居なくなるまでサンショウウオ幼生の存在に気づきませんでした。 
岸辺の浅いところに居たのを咄嗟に素手で掴み取りました。 
小魚のように逃げるかと思いきや、その動きは鈍かったです。 
透明プラスチックのお魚観察ケース(13.5×3.5×7.0cm)に移してから、じっくり観察してみましょう。 
(映像はここから) 

後で図鑑などで調べると、トウホクサンショウウオHynobius lichenatus)の幼生でした。
生まれて初めての出会いです。 
山中を流れる沢の源流となる、こんな池に居るとは知りませんでした。
尻尾に黒い斑点模様があります。 
四肢が伸びていて、胸部の横に外鰓が張り出しています。 

山渓ハンディ図鑑9『日本のカエル+サンショウウオ類』でトウホクサンショウウオを調べると、
幼生は、秋までに変態して上陸する。(p167より引用)
wikipedia:トウホクサンショウウオによれば、
幼生ははじめは12-14mm程度の大きさで、動物性プランクトンや川エビ、水棲昆虫などを捕食する[4][5][2][3]。共食いをすることもある[2]。 多くの個体は生まれた年の秋までに40mmほどになって成体へ変態するが、なかには越冬して翌春まで幼体のものもいる[4][5]。

容器の底でじっと静止していて、容器を揺らしても無反応。
私が指を水中に突っ込んでしつこく触れると、ようやく泳いで逃げました。 
尻尾を左右にくねらせて小魚のように泳ぎます。 

容器の側面には定規の目盛が刻んであるので、容器越しに採寸することができます。 
真夏でも湧き水の水温が低いために、プラスチック容器の表面がすぐに曇ってしまいます。 
邪魔な結露を布で何度も拭き取りながら撮影しました。 
この日は温度計を持参せず、池の水温を測れませんでした。 

観察した後はトウホクサンショウウオ幼生を池に戻してやりました。(再放流) 
いつか飼育してみたいものです。 
安易に採集しても、真夏に生かしたまま険しい山道を下山して家まで無事に持ち帰れる気がしません。







2022/12/17

山中の池に最後まで残ったオタマジャクシ(アズマヒキガエル幼生?)

前回の記事:▶ 前脚も生えてきたオタマジャクシの大群(アズマヒキガエル幼生?)

2022年8月上旬・午後14:30頃・晴れ 

定点観察の間隔がまた開いてしまいました。 
15日ぶりに山中の泉に行ってみると、黒いオタマジャクシの数が激減していました。 
ほとんどのオタマジャクシは変態を済ませてカエルとなり、池から上陸して山林に去ったのでしょう。 
しかし岸辺を探しても、子ガエルは見当たりませんでした。 

必死で探すと、左岸の水中に少数のオタマジャクシを発見。 
池に残っているオタマジャクシは、発生が遅れた個体だけのようです。 
お魚観察ケースでなんとか2匹を一時捕獲しました。 
アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生だと思うのですが、後脚と前脚が伸びつつある小型の個体でした。 
未だ長いままの尻尾を左右に振って泳ぎます。
しばらく観察すると、前脚も少し動かしました。 

サンダル履きで池に入水すると、かなり冷たい水温でした。 
レーザー式温度計で水温を測定すると、池の中央部が10.1℃、左岸が13℃でした。 
真夏の昼間でも水温がこれだけ低いと、夜霧の発生が頻発するのも納得です。 
左岸は木陰なのに水温が高いのがいつも不思議でした。 
オタマジャクシ大群の呼吸熱で水温が少し上昇していたのかと疑っていたのですが、オタマジャクシが(ほとんど)居なくなっても温度差が保たれているので、その仮説は却下。 
単純に、冷たい湧き水(地下水)が常に流れる部分の水温は低く、淀んでいる左岸の水温は少し高いのでしょう。 
したがって、オタマジャクシが左岸に集まっていたのは、捕食者から逃れるために日陰に隠れていたというだけでなく、水温が少しでも高いエリアを好んでいたようです。 

後日の定点観察では、池にオタマジャクシは1匹も居なくなっていました。
オタマジャクシが変態する過程をじっくり観察するには、頑張って池に毎日通うか、採集して家で飼育するしかなさそうです。
今季は、オタマジャクシの尻尾が短くなっていく様子や子ガエルが上陸する様子は見れませんでした。

2022/11/30

コウモリが飛来する夜の池でカエルがトレイルカメラを相手に「だるまさんが転んだ」【暗視映像】

 

2022年8月上旬
前回の記事:▶ 霧の立ち込める夜も池を飛び回るコウモリの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

トレイルカメラで山中の泉を見張っていると、いつも通り、夜になるとコウモリが飛来しました。 
今回の注目ポイントは夜行性コウモリの飲水行動ではなく、水面下に潜んでいるカエル(種名不詳)です。 
カエルは変温動物ですから、水中で動き回ってもトレイルカメラが熱源として動体検知することはありません。 
たまたま恒温動物のコウモリが飛来してカメラが起動したときに、水中のカエルが一緒に写っていたのです。
音量を上げてみても、カエルの鳴き声は録音されていませんでした。 

シーン1:午後19:22・夜霧 
冒頭の赤い丸に注目して下さい。 
夜霧が立ち込める池の水面からカエルが顔を出しているようで、両目が暗視カメラの赤外線を反射してギラギラと光って見えます。 


シーン2:午後19:38・霧が減少 (@0:23〜) 
約15分後にコウモリが飛来すると、池のカエルがいつの間にか少しだけ前進していました。
カメラが録画中には、カエルは水中でじっとしています。


シーン3:午後19:44・霧が晴れた 
コウモリが水場の上空を低く飛び回っても、池のカエルは無反応で瞬き一つしません。 


シーン4:午後19:48・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン5:午後19:49・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン6:午後19:57・晴れ (@1:24〜) 
水中のカエルがいつの間にか再び前進して、落枝の手前まで来ていました。 
まるでカエルがトレイルカメラを相手に「ダルマさんが転んだ♪」をして遊んでいるようです。(イカゲームならぬ、カエルゲーム! )
夜行性カエルの遊泳シーンが記録されていなかったのが残念です。 

ちなみに、午後20:23にコウモリが飛来した時には、池のカエルは居なくなっていました。(映像は割愛) 
おそらく此岸に上陸したのでしょう。 

※ 霧が立ち込める冒頭のシーンのみ動画編集時に自動色調補正を施しています。



 

Netflixで大ヒットしたドラマ『イカゲーム』で登場したように、韓国でも「ダルマさんが転んだ♪」と同じ子供の遊びがあります。
鬼は韓国語で「무궁화 꽃이 피었습니다」(むぐんふぁ こち ぴおっすむにだ:=ムクゲの花が咲きました)と言ってから振り返ります。 
英語圏では、鬼が「Red light, Green light」(=赤信号、青信号)と言って遊びます。 

2022/11/21

夜の溜め糞場を素通りして林道を横切るカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬・午後22:42頃・気温26℃ 

タヌキとアナグマが共有している溜め糞場sを監視するトレイルカメラにカエル(種名不詳)が初めて写りました。 
そもそもカエルは変温動物ですから、今回カメラが何に反応して起動したのか不明です。 
おそらく恒温動物の野ネズミかコウモリが素早く通り過ぎたのでしょう。 

画面の下より小さなカエルがのそのそ歩いてスギ林道を横断開始。 
トレイルカメラが照射する赤外線を反射して、目だけが白く光っています。 
 林道上に転がっているスギ落枝の上でしばし静止してから、いきなり大跳躍を披露しました。 
再び歩き出し、スギ落葉の敷き詰められた林道を移動して行きます。
最後はスギ大木の幹に跳びつきました!  
これから木登りを始めそうですが、残念ながら録画が切れてしまいました。 
カエルの跳躍シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:59〜) 

「溜め糞場に集まる夜行性の食糞性昆虫を狙ってカエルが捕食する」というシナリオを期待したのですが、このカエルは溜め糞を素通りしました。 
おそらくカエルは嗅覚が鈍くて、暗闇で糞便臭を嗅ぎ取れないのでしょう。 
また、カエルは視覚に頼って狩りを行いますから、真っ暗な夜に、しかも特に暗く鬱蒼とした杉林で虫を捕食するとは考えにくいです。
一度でも狩りの成功体験があれば、学習して溜め糞場の近くで獲物を待ち伏せするようになるかもしれません。

2022/11/09

前脚も生えてきたオタマジャクシの大群(アズマヒキガエル幼生?)

 

2022年7月下旬・午後15:20頃・くもり
前回の記事:▶ オタマジャクシの群れが池の中で日陰に偏って分布する謎

5日ぶりに山中の水場を訪れると、オタマジャクシを捕食していたアカショウビンの鳴き声はもう周囲の森から聞こえませんでした。 
夏鳥ですから、もう繁殖を終えて南国に渡去したのかもしれません。 
聞こえるのはヒグラシ♂♪の蝉しぐれだけです。 

池の岸辺で蠢く夥しい数の黒いオタマジャクシは健在でした。 
相変わらず日陰の左岸に多いのが不思議です。 
透明ケースで大群の一部を掬って観察しようとすると、気温に対して水温が低いために、プラスチックの表面を拭いても拭いてもすぐに結露してしまいます。 
今回も温度計を持参し忘れて、水温を測定できませんでした。 
観察容器(13.5×3.5×7.0cm)の真上から見下ろすように撮影すれば、オタマジャクシを明瞭に撮れます。 
容器内でも互いに群れる性質があるようです。 

オタマジャクシの変態が進み、一部の個体には後脚だけでなく前脚も生えていました。 
しかし四肢はまだ動かせないようで、長い尻尾を左右にくねらせて泳いでいます。 
これから尻尾が短くなれば変態の完了で、子ガエルとなって上陸するはずです。 
サンプリング調査の後で、オタマジャクシを元の泉に放流しました。 

アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生だと予想しているのですが、どうでしょうか? 

2022/10/21

オタマジャクシの群れが池の中で日陰に偏って分布する謎

 

前回の記事:▶ 後脚が生えてきたオタマジャクシの大群

2022年7月中旬・午後13:10頃・晴れ 

前回の2日後にも頑張って山中の水場にやって来ました。 
冷たい湧き水(地下水)が溜まっている泉です。
日陰になっている左岸の浅瀬では、相変わらず膨大な数の黒いオタマジャクシがひしめき合い、蠢いています。 
あまりにも密集していて、脚の発達具合(変態)を確かめられません。 
オタマジャクシを観察容器ですくって見れば良いのですけど、今回は横着してサンプリング調査をやりませんでした。 
こんなに密集していては酸欠状態になるのではないかと心配になります。
水面にはアメンボの幼虫(種名不詳)が浮いています。 

一方、日当たりの良い右岸では水中を遊泳するオタマジャクシの密度が低く、数が疎らです。 
素人考えでは水温が高い方が生育が早まって有利ではないかと思うのですが、酸素濃度が低かったりするのでしょうか?
池の中で右岸よりも左岸の方がオタマジャクシの餌が圧倒的に豊富とは思えません。 
日向の右岸では昼行性の捕食者に狙われやすいので、明るい日中は日陰者としてひっそり暮らしているのかもしれません。 
つまり、水温の高い日向は発生が早い利点があるものの、捕食者に狙われやすい欠点がありそうです。
関連記事 ▶ 山中の池に飛び込んで獲物を捕食するアカショウビン【野鳥:トレイルカメラ】

オタマジャクシの密度が低い右岸では、個々のオタマジャクシをじっくり観察できます。 
頭でっかちですけど、後脚の肢芽が生えかけているようです。 
同じ池の中でもオタマジャクシの発育の程度が不揃いなのは、複数回に分けて産卵した結果と思われます。 
アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生ではないかと予想しているのですけど、別種の幼生が混じっている可能性もありそうです。 

不定期の観察のため、オタマジャクシの成長記録としては不完全です。 
子ガエルへと変態が完了した個体はさっさと水場から上陸するはずですから、発育の遅いオタマジャクシばかりが池に残ることになります。 
本当は採集したオタマジャクシを飼育してじっくり観察したいところです。 
しかし、オタマジャクシを山中から家まで生きたまま持ち帰るミッションが想像するだけでも大変だ…という言い訳をして二の足を踏んでいます。 
今回は温度計を忘れてしまい、池の水温も気温も測っていません。 


2022/10/05

後脚が生えてきたオタマジャクシの大群

前回の記事:▶ 山の泉で育つオタマジャクシの大群をすくって見る

2022年7月中旬・午後13:30頃・晴れ・水温17〜18℃ 

トレイルカメラで監視している山中の泉に10日ぶりにやって来ました。 
電池交換のついでに、池で育つ黒いオタマジャクシを観察します。 
アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生ではないかと予想しているのですけど、どうでしょうか? 
今回は横着して、観察容器にすくうサンプリングをやりませんでした。

地下水の湧き水が溜まっている泉は水温が低く、そのためにオタマジャクシの発育が他の池よりもかなり遅れているようです。 
それでもオタマジャクシの変態が進行中で、後脚が伸びた個体が混じっていました。 
私が裸足で池に入水すると、長時間は浸かっていられないぐらいの冷たさです。 
赤外線レーザーの非接触式温度計で池の水温を測ると、17〜18℃でした。
 

ところが今回はうっかり気温を測り忘れてしまいました。 
オタマジャクシの大群が蠢いている岸辺は、日の当たらない木陰なのに水温が少し高いのが不思議でした。
冷たい地下水が湧き出してくる地点を避けてオタマジャクシは集結しているのでしょうか? 
変温動物のはずですが、オタマジャクシの大群の呼吸熱で周囲の水がわずかに温まるのかな? 

動画にたまたま写ったように見えたアメンボ(種名不詳)は、まさかオタマジャクシを襲って吸血するのでしょうか? 
この池ではアカショウビンという鳥がオタマジャクシを捕食しに通っていましたが、数で圧倒することでオタマジャクシの多くが無事に生き残りました。
▼関連記事 
山中の池に飛び込んで獲物を捕食するアカショウビン【野鳥:トレイルカメラ】

つづく→オタマジャクシの群れが池の中で日陰に偏って分布する謎

2022/09/23

山中の池に飛び込んで獲物を捕食するアカショウビン【野鳥:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 水場の周囲の森に響くアカショウビン♂のさえずり(野鳥)

2022年7月上旬

山中の泉を監視している自動撮影カメラ(トレイルカメラ)に憧れのアカショウビンHalcyon coromanda major)が2日連続で写っていました。 
私の予想通り、池のオタマジャクシを捕食しに通っているようです。 

左岸から池の上に張り出しているイロハカエデの枝に赤い鳥が止まっています。 
ここがアカショウビンのお気に入りの止まり木になっていました。 
止まり木から狙いを付けると、高速で池に飛び込みました。 
アカショウビンが左岸の止まり木から斜め下の水面に飛び込む瞬間を1/3倍速のスローモーションでリプレイすると、流線型の姿勢で赤い弾丸のように突っ込んでいました。 
派手に水飛沫を上げると、すぐに元の止まり木に戻りました。 
アカショウビンが飛び込んだ後の水面には波紋が広がります。 
飛び込み後に止まり木に戻ったアカショウビンは、嘴に黒っぽい獲物を咥えていました。 
獲物はおそらくオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)のようです。
関連記事(同時期に撮影)▶ 山の泉で育つオタマジャクシの大群をすくって見る
獲物を枝に叩きつけずに、そのまま飲み込みました。 
魚と違ってオタマジャクシは暴れたり抵抗したりしないからでしょう。
巣で待つ雛に持ち帰って給餌しないで自分で食べたということは、既に繁殖期は終了したのでしょう。 
食後のアカショウビンは嘴を枝に擦り付けてきれいにしました。 
止まり木で尾羽を上下に動かしながら水面を見つめ、次の獲物を探しています。 
水深の浅い池で飛び込み漁をするのは結構な危険が伴うと思うのですが、アカショウビンは易々と繰り返しています。 
モミジの枝に止まったアカショウビンが画角の外で、全身像がしっかり見えないのが残念です。 
捕食行動の間、アカショウビンは鳴き声を発しませんでした。 

黒いオタマジャクシの大群は左岸の岸辺に集結しているので、アカショウビンは左岸の止まり木から真下に飛び込むか、あるいは右岸の止まり木から池に飛び込むべきだと私は思うのですが、素人考えの通りには行動しませんでした。 
アカショウビンにはアカショウビンの都合が何かあるようです。 
逆に、オタマジャクシの昼間の分布が池の中で左岸に著しく偏っているのは、捕食者のアカショウビンからできるだけ隠れようとしているのでしょう。 
捕食圧で自然淘汰された結果、分布が偏ってしまったのかもしれません。 

※ 池に飛び込む水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
一連の捕食行動が分かりやすいように、2日連続で撮れた映像素材の時系列を再構成しました。 

お気に入りの止まり木の真下を探せば、吐き捨てたペリットも落ちていそうです。 
アカショウビンがよく利用する止まり木を狙うなら、トレイルカメラをもう少しだけ左に向けるべきですし、録画時間を1分から2分間に延長すれば、ダイビングの瞬間を撮れる確率が上がりそうです。 
色々と試行錯誤してもっと良い動画を撮りたかったのに、この直後に新しいトレイルカメラの電源部が故障して使えなくなってしまいました。 
雨季で湿度の高い水場という過酷な撮影環境のために、カメラの内部に浸水してしまったようです。 
仕方なく旧機種のトレイルカメラに取り替えようとモタモタしている間に、夏鳥のアカショウビンはこの山林から渡去してしまいました。 
来年までお預けです。 
せっかく導入した新機種のトレイルカメラを短い期間しか使えませんでしたが、充分に元が取れたと大満足。
私は夏にアカショウビンの鳴き声をたまに聞くだけで、自分の目で観察したことが未だありません。
トレイルカメラという文明の利器を使うことで、この山林にアカショウビンが確かに暮らしているという証拠映像を撮ることが出来ました。

山形新聞社『やまがた野鳥図鑑』でアカショウビンについて調べると、
 森林内の小さな沢や池でカエルなどを捕る。捕った獲物は枝に何度かたたきつけてから食べる。 薄暗い森の湖沼で会える。 6月下旬〜7月中旬が特に狙い目。県内では一応、5月下旬〜9月上旬まで見れるらしい。(p87より引用)

2022/09/07

山の泉で育つオタマジャクシの大群をすくって見る

 

2022年7月上旬・午後15:30頃・晴れ 

トレイルカメラで監視している山中の水場でオタマジャクシが大発生していることに気づきました。 
なぜか分布に偏りがあり、特に南の岸辺付近に集結していました。 
夥しい数の黒いオタマジャクシが岸辺で尾をくねらせています。 
素人目には過密状態で、水中を活発に泳ぎ回っている訳ではありません。 
池底の落葉やプランクトンなどを食べて育つのでしょう。 
この泉は湧き水の水温が低く日当たりが悪いために、山麓にある別のカエル池よりもオタマジャクシの成長が著しく遅れているようです。 


100円ショップで買ってきた「お魚観察ケース」でオタマジャクシの群れを掬って一時捕獲してみました。 
水温が低いために、透明プラスチックの表面がすぐに結露してしまいます。 
バンダナで水滴を拭きながら動画撮影しました。 
容器に定規のように目盛りが刻まれているので、オタマジャクシの大きさが分かります。 
容器のサイズは13.5×3.5×7.0cm。 
肝心の水温を測り忘れてしまいました…。 
湧き水(地下水)が流れ込む辺りに素足で入水すると、夏でも冷たくて長時間は我慢できないほどでした。 

お魚観察ケースを持つ私の左手から出血しているのが気になるかと思いますが、指先を少し切っただけです。 
水場に辿り着く前の激しい運動(登山)中にうっかり指先を負傷したら、びっくりするぐらい出血しました。 
体温と心拍数が上がった状態で指先を切ったからでしょう。
破傷風予防のために、とりあえず清潔なビニール袋を手にかぶせて傷口が汚れないようにしました。 

修行不足の私はオタマジャクシの種類をしっかり見分けられません。 
トレイルカメラの映像にヒキガエル成体がたまに写るので、おそらくアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生だと思います。
関連記事(5日前の撮影)▶ 山中の池から岸に上陸したアズマヒキガエル【トレイルカメラ】
もうひとつの候補であるヤマアカガエルは、ここのトレイルカメラに一度も写ったことがありません。 
池畔の枝先にモリアオガエルの泡巣を見かけないので、モリアオガエル幼生の可能性は除外しました。
春の繁殖行動(カエル合戦・産卵)を観察して確かめるのが来季以降の課題です。 
本来ならば、採取したオタマジャクシを飼育して何ガエルに育つか調べるのが手っ取り早くて確実でしょう。 
しかし忙しくて、飼育する余力がありません。 
長谷川雅美『カエルの田んぼ (森の新聞)』によると、オタマジャクシの種類によって顔つきが違うらしい。




2022/08/16

山中の池から岸に上陸したアズマヒキガエル【トレイルカメラ】

 

2022年6月下旬・午後12:00頃・晴れ・気温23℃ 

山中の水場にやって来る野生動物を監視するために今季も無人センサーカメラ(トレイルカメラ)を設置してみました。 
動画の冒頭から画面の左下隅に鎮座している黄土色の塊がアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)です。 
どうやら池から岸に上陸したばかりのようです。 
そもそも変温動物のヒキガエルに対してどうしてトレイルカメラが反応できているのか不思議です。
残念ながら顔が見切れてしまっていますが、体表がゴツゴツしています。 
やがてゆっくりと此岸の崖を登り始めました。
関連記事(約8か月前の撮影)▶  
大雨の朝に水場の岸を登るアズマヒキガエル【トレイルカメラ】 
雨の日に池の岸をうろつくアズマヒキガエル【トレイルカメラ】
この池で晴天時にヒキガエルが登場したのは初めてです。 
梅雨時だからでしょうか? 
春の繁殖行動(いわゆるカエル合戦)や産卵を記録しそびれてしまったので、来季の楽しみです。

新しい機種のトレイルカメラを導入したら、撮影日時だけでなく気温や月齢などの情報も動画に書き込まれるようになって便利です。

2022/07/23

晩春の河畔林を夜な夜な駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 河畔林の雪上を夜に駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

2022年5月中旬〜下旬 

河畔林のタヌキ溜め糞場rvを監視するトレイルカメラに夜な夜な登場する野ネズミ(ノネズミ)の記録です。 
様々なトラブルで調査に空白の期間が生じてしまいました。 
この時期は、ほぼ毎晩のように野ネズミが林床に現れました。 
問題は、春も後半になると(晩春)林床に下草が繁茂するようになったことです。 
特に画面右下および右中央にある黒々としたタヌキの溜め糞の周囲から草が多く生えています。 
カメラが林床を見下ろすアングルでは小さな野ネズミの活動が下草に隠れてしまいがちです。 
トレイルカメラの映像で野ネズミの巡回ルートが決まっているように見えるのは、下草でカメラの視界が遮られているせいだと思います。 
対策として、私が現場を訪れる度に、必要最小限の除草をしました。(画角内の邪魔な草や葉っぱだけをナイフで切って取り除く) 

シーン1:5/18・午後19:47 
赤外線の暗視映像で野ネズミの毛皮は黒く見え、目だけが爛々と白く光って見えます。 
ニセアカシア立木が並ぶ林縁を左へ走り去りました。 
途中で幹の根際を少しだけ登ったものの、すぐに林床に飛び降りました。
(木登りしたとは言えません。) 

シーン2:5/18・午後22:25 
林床に転がっている落枝の上を伝ってチョロチョロと渡ると、右の茂みの下に隠れてしまいました。 
タヌキの溜め糞そのものには用が無いようで、近づきません。 

シーン3:5/20・午後20:43 
左奥の立木を根際から登りかけたが、すぐに林床に飛び降りて左に走り去りました。(木登りしない。)
なぜ木登りの有無に拘っているかと言うと、アカネズミは木に登れず、やや小型のヒメネズミは木登りが得意とされているからです。 
今のところ本格的な木登りシーンが撮れてないので、ここの野ネズミはアカネズミなのかな? 
ニセアカシア立木の奥に川沿いの獣道があり、野ネズミも利用しているようです。 

シーン4:5/21・午前0:14 
林床で落枝の上を渡り、右へ移動して茂みの下に隠れてしまいました。 
前回と同じコースを辿り、タヌキの溜め糞には近寄りませんでした。 
晩秋の時期には果実をよく食べるタヌキの糞には種子が多く含まれていて、野ネズミはそれをよく採食していました。 
春になるとタヌキの採食メニューに果物は無くなり、糞に含まれる種子も無くなりますから、野ネズミが溜め糞に魅力を感じないのも当然です。 

シーン5:5/22・午前3:20 
立木の左奥を野ネズミがチョロチョロと徘徊しています。 
河畔林の暗闇を夜蛾が飛び回っていました。 

シーン6:5/22・午前3:31 
トレイルカメラの起動が間に合わず、登場シーンを撮り損ねました。 
野ネズミが落枝の上を駆けて行きます。 

シーン7:5/22・午後19:30 
立木の奥を左へ走り去りました。 


シーン8:5/23・午前0:09 
いつものように、ニセアカシア立木の奥を左へ。 

シーン9:5/23・午前3:06 
カメラの起動が間に合わず、林床を右下へ走る野ネズミがチラッと写りました。 

シーン10:5/23・午後21:25 
林床の落枝から右へ駆けていきました。 
その直後に面白い虫が登場したのですが、それについては記事を改めて書きます。 

シーン11:5/25・午前1:02 
左奥の立木の根際を左へ。 

シーン12:5/25・午前2:10 
落枝を渡って画面の下へ走り去りました。 

シーン13:5/25・午後22:45 
落枝を渡り、画面の下へ 


同一個体の野ネズミが同一ルートで夜な夜な巡回しているのですかね? 
この時期は複数の野ネズミが同時に写ることはありませんでした。


ランダムに記事を読む