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2024/02/14

巣外で4頭の幼獣に授乳するニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年6月上旬 

もはやニホンアナグマMeles anakuma)の母親♀が幼獣の首筋を咥えて連れ出さなくても、幼獣は自力でなんとか歩いて巣外に出てこれるようになりました。 
これまで♀は幼獣を1頭ずつ巣外に連れ出して毛繕いしてやっていましたが、巣外で複数の幼獣にまとめて授乳するようになりました。 

気温の表示はほとんどが異常値です。 
暗視動画を連続撮影すると、トレイルカメラ自体が熱くなるせいです。


シーン1・6/10・午後19:22・(@0:00〜) 
手前の巣穴Lから出て外の地面に座った母親♀の乳首に幼獣2頭が吸い付いていましたが、じきに離れました。 
♀は授乳しながら自分の体を左の前足と後足で掻きました。 
もう1頭の幼獣が巣口Lから自力でアクセストレンチを登り、母親のもとになんとか辿り着こうとしています。 


シーン2・6/10・午後19:24・(@1:00〜) 
計4頭の幼獣が母親にまとわりついていました。 
♀が仰向けになって体を掻いたり毛繕いしたりすると、腹面に乳房が張っていることが分かります。 
仰向けになった♀の乳首に幼獣が吸い付く決定的瞬間が撮れました。(@1:40〜) 
アナグマ♀の授乳シーンは初見です。 
♀は自分の身だしなみを整えるのに忙しくて、結構手荒に幼獣を扱っています。 


シーン3・6/10・午後19:23・(@2:00〜) 
別アングルで設置した旧機種のトレイルカメラでも授乳シーンが同時に撮れていました。 


シーン4・6/10・午後21:58・(@3:00〜) 
約2時間半後、アクセストレンチに座って待つ♀の元に巣口Lから幼獣が登ってきます。 
♀が迎えに行って、幼獣の尻を舐めてやりました。(対他毛繕い) 
幼獣は♀の腹の下に潜り込み、母乳を飲んでいるようです。 

他の幼獣がキャンキャン♪鳴き騒ぐので、様子を見に♀は巣穴Lに戻りました。 
母親の乳首に吸い付いていた幼獣も、一緒に引きずられるように入巣L。 


シーン5・6/10・午後22:57・気温19℃(@3:47〜) 
約1時間後、♀が巣口Lで幼獣が出てくるのを待ち受けています。 
糞尿で汚れた尻の辺りを中心に丹念に舐めてやります。 
幼獣を仰向けにひっくり返して、腹面を舐めるのも忘れません。 


シーン6・6/10・午後23:00・(@4:47〜) 
♀がアクセストレンチに移動して自分の体で痒い部分を左後足で掻いています。 
幼獣が覚束ない足取りで巣口Lからアクセストレンチを登って来ると、そのまま♀の腹の下に潜り込み母乳を飲み始めました。 
続いて2頭目の幼獣が巣穴Lから外に出てきました。 


シーン7・6/10・午後23:03・(@5:47〜) 
カメラの起動が遅れ、母子の合流シーンを撮り損ねてしまいました。 
♀が幼獣を跨いだ直後に軽く座って尻を幼獣に擦り付けました。(アロマーキング@5:50〜) 

その後♀は地面に座り込んで自分の体をボリボリと右後足で掻いています。 
近くをうろついていた幼獣が♀の乳首に吸い付きました。 


シーン8・6/10・午後23:02・(@6:47〜) 
別アングルで撮れた映像に切り替えます。 
巣穴Lの周囲に生えたマルバゴマキ灌木の茂みに隠れてアナグマ家族の姿がよく見えないので、5倍速の早回し映像でお届けします。 
暗視動画で見ると、母親♀の目の大きさが左右で少し違うことが分かります。(右目<左目) 

シーン9・6/11・午前1:54・(@6:59〜) 
日付が変わった6/11は、東北地方南部で梅雨入りが宣言された日です。 
撮れた映像では雨は降っていませんでした。

アクセストレンチに座り込んだ♀の乳首に腹を空かせた3頭の幼獣が殺到しています。 
仰向けで授乳しながら♀は幼獣に対他毛繕いしたり、自分の毛繕いをしたりしています。 

残る1頭の幼獣はどうしているのか、安否が少し心配になります。 


シーン10・6/11・午前1:53・(@7:59〜) 
別アングルで同時に撮れていた映像に切り替えます。 


 シーン11・6/11・午前1:55・(@8:59〜) 
新機種トレイルカメラの暗視映像に戻ります。 
♀と幼獣3頭が組んず解れつしながら、ひたすら授乳と対他毛繕いを続けています。 


シーン12・6/11・午前1:55・(@9:59〜) 
別アングルに設置した旧機種のトレイルカメラで同時に撮れていた映像に切り替えます。 
アナグマ母子の姿が周囲の灌木の茂みに隠れてよく見えないので、5倍速の早回し映像に加工しました。 


シーン13・6/11・午前1:57・(@10:11〜) 
新機種トレイルカメラの映像に戻りました。 
幼獣2頭が母親にまとわりついています。 

手前の巣口Lからもう1匹の幼獣がアクセストレンチを登ってきました。 
この幼獣は、いつの間にか左の死角から巣口Lに転がり落ちてしまったようです。 
それとも巣L内でずっと寝ていた幼獣個体がようやく目覚めて(空腹に耐えかねて)外に出てきたのかな?
(別アングルの映像を見ると謎が解けました。)


シーン14・6/11・午前1:57・(@11:11〜) 
別アングルで同時に撮れていた暗視映像に切り替えます。 
5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン15・6/11・午前1:58・(@11:23〜) 
アクセストレンチをよちよち登ってきた幼獣が兄弟姉妹の体を乗り越えようとしたら、滑ってコテンと横転してしまいました。(@11:38〜) 
幼獣の一挙手一投足がなんともかわいらしいですね。
転んだ幼獣個体も鳴き声ひとつ上げず、なんとか兄弟姉妹をかきわけて、母親の乳首に吸い付くことが出来ました。(@12:00〜) 
その体を♀が丹念に舐めてやっています。 


シーン16・6/11・午前1:57・(@12:23〜) 
別アングルで同時に撮れていた暗視映像に切り替えます。 
5倍速の早回し映像でお届けします。 

 幼獣1頭がアクセストレンチから巣口Lに転がり落ちた(滑り落ちた)ものの、自力でなんとか這い上がります。 


シーン17・6/11・午前1:59・(@12:35〜) 
♀は3頭の幼獣に同時に授乳しながら、対他毛繕いしてやっています。 


シーン18・6/11・午前1:59・(@13:35〜) 
別アングルで同時に撮れていた暗視映像に切り替えます。 
5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン19・6/11・午前2:00・(@13:47〜) 
トレイルカメラ新機種の映像に戻ります。 
幼獣3頭を巣外に放置したまま、母親は先にさっさと帰巣Lしてしまいました。(@14:35〜) 
残された幼獣が自力で入巣Lするまで見届けられなかったのが残念です。
幼獣がもう自力で歩けるほど成長したので、♀が幼獣を咥えて運ばなくなったことが分かります。 


シーン20・6/11・午前2:00・(@14:47〜) 
別アングルで同時に撮れていた暗視映像に切り替えます。 
5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン21・6/11・午後23:15・(@14:59〜) 
昼間は寝て、同じ日の晩遅くに再び授乳シーンが撮れていました。 
今度は右の巣穴Rの近くの地面で、♀が幼獣1頭に対して授乳および対他毛繕いをしています。 
カメラの電池が消耗して、断片的な映像しか撮れなくなりました。 


シーン22・6/12・午前0:57・(@15:07〜) 
日付が変わった深夜にも、巣穴Rの近くの地面で♀が幼獣1頭に対して授乳および対他毛繕いをしていました。 


シーン23・6/12・午前1:01・(@15:20〜) 
右の巣穴Rの入口付近で、♀が幼獣2頭に対して授乳および対他毛繕いをしています。 


シーン24・6/12・午後23:53:・(@15:34〜) 
明るい日中は巣内で寝て、同じ日の晩遅くに再び授乳シーンが撮れていました。 
幼獣3頭を引き連れて♀が巣穴Lの外に出てきました。 
♀はアクセストレンチに放尿マーキングした匂いを嗅いでから、その横の地面に座り込みました。 
アクセストレンチをゆっくり登ってきた幼獣が♀に追いつくと、舐めてやります。 
幼獣の1匹は♀の腹の下に潜り込んで乳首を吸おうとしています。 


シーン25・6/16・午後18:24・(@16:34〜)日の入り時刻は午後19:06。 
4日後、日没前なのに早くも母子全員が巣穴Rの外に出て来ました。 
幼獣4頭が同時に外出するのは初見です。 
実はそれまで同時に3頭の幼獣しか巣外で見かけなかったので、残る1頭は死んでしまったのではないかと心配していました。 
幼獣4頭の無事が確認できて一安心。 
ヘルパー♂の姿が見えませんが、母子勢揃いの微笑ましい光景でした。 

母親♀は近づいてきた順に幼獣の体を舐めてやります。 
♀は自らコテンと寝転び、横臥で自分の体を掻きました。 
そのまま仰向けになると、幼獣に授乳を始めました。 
一方、1頭の幼獣が巣口Rに取り残されたまま、アクセストレンチを登れないでいます。 
発育が少し遅れた個体なのでしょうか? 


シーン26・6/16・午後18:25・(@17:34〜) 
巣口Rに取り残されたままの幼獣個体がいます。 
巣口Rから伸びるアクセストレンチには多数の落枝や蔓が転がっていて、体の小さな幼獣にとってはかなり歩きにくそうです。 
歩行能力が比較的高い幼獣個体は、奥の灌木林へ探検に出かけます。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

ニホンアナグマ♀の乳首の数をネット検索で調べても、いまいち正確な情報が得られませんでした。
アナグマ – おもしろ哺乳動物大百科 83 食肉目 イタチ科 というサイトによると、乳頭数は3対です。 
ただし、このまとめサイトでは、ニホンアナグマとヨーロッパアナグマを一緒くたに扱っています。

ヨーロッパアナグマ はオスメスともに3対の乳首があるが、メスのほうがより発達している。 (wikipediaより引用)


熊谷さとし『フィールドワーカーのための動物おもしろ基礎知識』という入門書のp205で乳頭式の定義を記してあったのですが、ニホンアナグマの乳頭式については記述がありませんでした。

ニホンアナグマ♀の乳頭が3対あるとすると、最大で6頭の幼獣を同時に授乳することができます。
私が観察しているアナグマ♀は4頭の幼獣を出産し、育てています。
成獣の個体識別も覚束ないのに幼獣の個体識別は難しすぎて私にはとても無理です。
もしかすると、この♀は幼獣を3頭+1頭と2グループに分けて別の時間帯に授乳しているような気がします。
4頭の幼獣を同時に授乳するのは肉体的な負担が大きいからでしょう。
幼獣1頭を巣外にしばらく放置した事件がきっかけで、授乳リズムが1頭だけずれたのかもしれません。
あるいは幼獣を性別によって育て分けているのだとしたら、より一層興味深いです。

熊谷さとし氏の著作では、ニホンアナグマのヘルパーは若い♀が務めると書いてあります。

 子別れの際、成長した子どもを全部追い出さず、1頭だけ残して翌年の子どもの世話をさせる、ということもある。
 キツネやオオカミ、イノシシ、ヨーロッパアナグマなど、多くの動物に見られる行動で、ヘルパー制度と呼ばれている。
 (中略)動物のヘルパーは、妊娠中の母親にエサを運んできたり、子どもの遊び相手をしたり、さらに♀のヘルパーは、母親に代わって弟や妹たちにお乳をやることもあるという。
 この制度は、母親の子育ての負担を軽減し、目配りが行き届くために、より子どもたちの安全が守られ、またヘルパー自身が親になったときの訓練にもなる、という素晴らしい制度なのだ。
 もっとも、この制度には経済力が優先する。(中略)「確実にエサが確保される」という食べものが豊かな場所でなければ、このような行動を観察することはできない。
 俺が観察している(ニホン)アナグマのファミリーは、毎年ではないけれど、この制度を導入している。 (熊谷さとし『フィールドワーカーのための動物おもしろ基礎知識』(2006)p204より引用)

手元にあるもう1冊の本、熊谷さとし『日本の野生動物 2―身近に体験! タヌキを調べよう』(2006)によると、
 アナグマもほんとうは、秋になるとタヌキのように「子別れ」をして、子どもは親からはなれるはずなのだが、母親は♀を1頭だけ手もとにのこし、翌年の子どもの世話をさせることがある。(中略)ヘルパーは子守ばかりでなく、妊娠中の母親に食べものを運ぶこともする。
ヘルパー制度は、母親の子そだてを楽にして、子どもの安全を守るほか、ヘルパーに子どもが生まれたときの子そだての訓練にもなる。(p25より引用)

私が観察しているニホンアナグマでは、ヘルパーが妊娠中の母親に食べものを運ぶ行動は一度も見られませんでした。(トレイルカメラが撮り漏らしたのかもしれません。)

もしも母親♀だけでなくヘルパー♀(1歳仔の娘)も幼獣に授乳できるとなると、私が撮った動画の解釈は大幅に再検討する必要があります。
しかし、妊娠・出産していないヘルパー♀の乳腺が発達して授乳が可能になることは生理的にあり得るのでしょうか?(調べてみると、動物でも想像妊娠はあるらしい。)
ニホンアナグマのヘルパーは若い♂(1歳仔の息子)であるというのが最近の研究結果らしいので、この点で熊谷さとし氏の古い?見解はひとまず忘れることにします。
混乱の原因は、若い時期のアナグマは体型に分かりやすい性差がないことにあります。
私も股間の陰茎を見て初めてヘルパーが♂だと分かりました。
逆に♂がヘルパーだとすると、「自分が子育てするときのための訓練になる」という説明はできなくなります。




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【追記】
鈴木欣司『アナグマ・ファミリーの1年』(2000年)によると、
アナグマの巣を出たばかりのときの子どもの数は、3頭が普通です。お乳の数は全部で6個ありますが、専用の乳を吸うのではないようです。(p19より引用)

私の観察するニホンアナグマ♀が4頭の幼獣を産んだのは、平均よりも多産の部類に入るようです。 

4頭とも無事に育ちましたし、生息環境に餌が豊富なことを示しています。


2024/02/13

笹薮のタヌキ溜め糞場で虫を探すウグイス?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月上旬


笹薮が生い茂る河畔林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場rpを自動撮影カメラで見張っていると、夕方に小鳥が登場しました。 


シーン1・4/6・午後15:30・(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
オニグルミ大木の下にこんもりと巨大な溜め糞場rpがあります。  


シーン2・4/9・午後17:25頃・晴れ (@0:05〜) 
画面の赤丸に注目してください。 
笹藪の奥から現れた小鳥が林床をピョンピョン跳んで移動(ホッピング)し、溜め糞rpの上を横切りました。 
気温がまだ低いこの時期はハエの幼虫(蛆虫)や糞虫など獲物となる虫は居なかったようで、左に素通りしました。 

この時期はウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪とさえずる鳴き声がこの地点でよく録音されていたので、今回の小鳥はおそらくウグイスではないかと思うのですが、定かではありません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
旧機種のトレイルカメラには奇妙な癖があって、明るい日中の映像を撮ると画面全体にピンク色のフィルターがかかることが多く、しかもそれが点滅するのです。 
あまりにも見苦しいので自動色調補正して、騙し騙し使っています。 
新機種のトレイルカメラに少しずつ買い替えようとしているのですけど、せっかく買った新機種の方が先に壊れてしまいます。
堅牢性の高い旧機種をなかなか引退させられずに、仕方なく使い続けるはめになっています。 


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2024/02/03

雪解け田んぼに集まるコハクチョウ大群の諸活動:採食・飲水・羽繕い・昼寝・小競り合い【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・晴れ 

早春の田んぼにコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開していました。 
あまりにも個体数が多いので、どの個体の行動に注目すべきか、目移りしてしまいます。(計何羽が登場するか数えてみる?) 
採食したり(落ち穂拾い)、雪解け水を飲んで喉を潤したり、羽繕い、昼寝など各々がのんびり過ごしています。 
近くの舗装路を車や自転車が通りかかっても、白鳥は逃げようとしません。 
この大群の中には首輪を装着した個体は見つけられませんでした。 

採食中に群れが混み合ってくると、たまに小競り合いが勃発します。 
畦道から隣の雪田に下りた個体が、目の前を横切ろうとした別個体を邪険に追い払いました。(若鳥同士の小競り合い @2:00〜) 
嘴でつつかれそうになった相手は反撃せずに、慌てて逃げて離れました。 
その左では、別個体が雪田で片足立ちのまま採食しています。 
冷たい雪解け水に浸かった足がしもやけや凍傷にならないように、片足ずつ交互に持ち上げて温めているのでしょう。 

せっかくカメラを三脚に固定して高画質の4K動画で撮っても、雪解けの進む刈田から陽炎が絶えずゆらゆらと立ち昇っています。
もっとシャープな映像を撮るには、気温の低い早朝に撮影する必要がありそうです。

2024/01/30

細い山道に座り込んで反芻するニホンカモシカ♂

 

2023年6月上旬・午後12:35頃・晴れ 

里山でつづら折れになった細い山道を私が静かに登っていると、前方に座り込んでいるニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)を発見。 
画面の左が山側で右が谷側という斜面になっていて、しかも画面の手前から奥に向かって上り坂になっています。
カモシカの方が私よりも斜面の上に位置しているので優位性があり、私をあまり恐れていません。 (いざとなったら余裕を持って逃げられる、と知っている。)
カモシカは近視なので私の姿が見えてないのかもしれませんが、座ったままでこちらを見下ろしています。 

角や耳介に個体識別できる分かりやすい特徴は無いものの、顔馴染みの個体だと思います。 
やがて警戒を解くと、横(谷側)を向いて反芻を始めました。 
反芻胃から未消化の食物を吐き戻して、植物繊維を臼歯で磨り潰すように噛み直しています。 
口が届く範囲に下草がいくらでも生えているのに、それを食べようとはしません。 

咀嚼しながら鼻面で右前脚に擦り付けたのは、鼻面が痒くて掻いたのかもしれません。
右脇腹の筋肉をピクピクと痙攣のように繰り返し動かしています。 
吸血性昆虫を追い払うための動きなのでしょう。 
耳介を動かして、頭部の周りを飛び回る吸血性昆虫を追い払います。 

カモシカはときどき私を見下ろしながらも、反芻を続けます。 
周囲ではホトトギス♂(Cuculus poliocephalus)などの野鳥が鳴く声♪が聞こえます。 
カモシカが座っているのは山道の日陰(木陰)ですが、木漏れ日が少し胴体に射しています。

反芻するカモシカの目が少しトロンとしてきたものの、寝るまでは至りませんでした。(@5:55〜) 
ここまでリラックスした姿を見せてくれるのは有り難いです。 (私を信頼してくれているのかな?)

遂にカモシカが立ち上がりました。(@6:33〜) 
このとき股間で睾丸がブラブラ揺れたので、♂と判明しました。 
フィールドで野生カモシカの性別を見分けるのは至難の業なので、貴重な事例となりました。  


下り坂の山道に立って踏ん張る前脚の蹄を大きく開げて体重を支えていることが分かります。 
右肩の辺りが痒かったのか、右後脚の蹄で器用にゴシゴシと掻きました。 
身震いしてから細い山道を伝って、なんと私の方へゆっくり下り始めました。 
 少し歩いただけですぐに立ち止まると、道端に自生するユキツバキ幼木の葉に顔を擦り付けて眼下腺マーキングしました。(@6:51〜) 
他個体のニホンカモシカに対して縄張りを宣言する行動です。 
異種の私に対してやんわりと縄張りを主張する意味もあるのでしょう。
ところが、私は肝心なところで録画を中断してしまいました。 
動画を撮りながら静止画スナップショットを撮るつもりが、うっかり隣の録画ボタンを押してしまったのです。 (痛恨のミス)
急いで続きを撮り始めたときには、眼下腺による匂い付けを止めていました。 

私をじっと見下ろしながら、ときどき舌舐めずりしています。 
鼻をヒクヒク動かして、風の匂いを嗅いでいます。 
カモシカ♂の動きがソワソワと落ち着かなくなりました。
きっと、山道を塞いでいる私に退いて欲しいのでしょう。 
この山道はとても狭くて、道を譲れませんし、すれ違うのも困難です。 
せっかく登って来た山道を引き返して、カモシカに背を向けたくありません。
(もしも万一、鋭く尖った角を持つカモシカが私を攻撃しようと坂を駆け下りてきたら、熊よけスプレーを噴射して撃退するつもりでした。)
仮に私が山側の茂みの中に退避すればガサガサと物音を立ててしまい、それに驚いたカモシカがパニックを起こして逃げてしまうような気がしたのです。 
私はその場から一歩も動かず静かに撮影を続けます。
カモシカ♂は鼻息を荒らげたり、蹄を地面に叩きつけるように足踏みして(地団駄を踏む)蹄を鳴らしたりする威嚇行動や苛立ちを示す行動を全くやりませんでした。 
おそらく過去にも山中で私と何度も遭遇していて、人畜無害だと分かっているのでしょう。 

 カモシカ♂は大きく身震いして、体にまとわりつくように飛び回るヤブ蚊やブヨを追い払いました。 
立ったまま左後脚の蹄で左耳の後ろをゴシゴシと掻いてから(@8:25〜)、再び顔をプルプルと振りました。 
さっきマーキングしたユキツバキ幼木とは別の株の葉の匂いを再び嗅ぎました。 
もぐもぐと少しだけ反芻咀嚼。 

遂にニホンカモシカ♂は痺れを切らし、細い山道から谷側に外れて私を迂回してくれました。 (@9:30〜)
ユキツバキ群落の茂みに突入すると、ガサガサと藪漕ぎしながら急斜面を下って行きます。 (つづら折れをショートカット)
ここでカモシカの姿を見失いました。 
なかなか濃密な直接観察の時間を過ごすことができて、大満足です。 

関連記事(1、3、12年前の撮影)▶  





カモシカが長時間座っていた辺りを
動画撮影の直後に現場検証すると、おそらくイタドリと思われる草の葉に食痕が残っていました。 
採食シーンは見てませんけど、ニホンカモシカの食痕には特徴があります。
熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』によると、
カモシカはシカと同様に、上顎に前歯はない。そのため、草や小枝を食いちぎった跡は(中略)、植物の一部に繊維が残る。ウサギ類の食痕(スパッとした切り口)と比べると、雑な印象だ。 上顎の前歯の代わりに、板歯(硬い歯茎)をまな板にして、下顎の前歯を包丁のようにして使う。 (p92より引用)

2024/01/24

田植え後の水田で採食するカルガモ(野鳥)

 

2023年6月上旬・午前10:35頃・晴れ 

田植えの済んだ水田に1羽のカルガモAnas zonorhyncha)が飛来、着水しました。 
(映像はここから。) 
ときどき嘴を開閉して鳴き声を発しているようですが、風が強い上に遠くて聞き取れません。 
仲間を呼んでいるのでしょうか? 
(私の見る限り、周囲にカモ類は全くいないようです。) 

しばらくすると、田んぼの水面を遊泳しながら嘴を水中に突っ込んで採食を始めました。 
採食の合間にもときどき鳴いています。 

やがて、キジ♂(Phasianus versicolor)が母衣打ちをする絶叫♪がケンケーン♪と辺りに響き渡りました。(@1:10〜) 
縄張りを宣言するキジ♂の声量は圧倒的です。 

稲作で除草剤や殺虫剤をなるべく使わないようにする有機農業にアイガモ農法という試みがあります。 
私は未だ実際に見たことはありませんが、アイガモの雛鳥や若鳥を田植え後の水田に放ち、自由に遊泳・採食させることで、雑草や害虫の発生を抑えることが期待できます。 
アイガモの糞はそのまま水田の肥料となり、育ったアイガモは鴨肉として食べる、という一石二鳥どころか、三鳥、四鳥もあるアイデアです。 
しかし手間の割には肝心の除草効果が安定しないなどの課題が浮かび上がってきたそうです。 

水田で採食する野生のカルガモの数が多ければ、アイガモ農法と同じ原理で除草効果が期待できます。
しかし、野鳥は自由気ままに飛び去ってしまうのが問題です。
(だから合鴨農法では飛べない雛や若鳥を使うのです。)
実は今回、カルガモが採食する田んぼの隣の区画では、最先端のアイガモ・ロボットが黙々と稼働していました。 


2024/01/22

赤い首輪で標識されたコハクチョウが雪解け田んぼで採食【冬の野鳥:10倍速映像】

 



2023年3月下旬・午後15:45頃・くもり 

早春の雪解け田んぼに集結して落ち穂拾いしているコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群を撮影した動画を見直すと、赤い首輪を装着した個体が混じっていました。
コハクチョウは、北極圏の繁殖地と日本の越冬地を毎年行き来する渡り鳥です。 
渡り行動を研究するために、一時捕獲した個体に首輪や足輪を付けて放鳥するプロジェクトが続けられています。 
標識された鳥を見つけたら、世界中のバードウォッチャーが報告することになっています。 
撮影中に気づいていれば、この標識個体を重点的に観察したのに、残念です。 
微速度撮影中の私は三脚を立てて画角を決め録画を始めた後はひたすら寒風に耐えるだけで、何が撮れているかチェックしてませんでした。
長撮りする際はカメラの電池を節約するために、液晶画面(バックモニター)の表示をオフにしていたのです。


動画を拡大してみると、プラスチックの赤い首輪に白い文字で「C48」または「C4B」と書いてあります。 
 「標識コハクチョウ名簿」サイトで調べると、「首輪-赤C46」および「首輪-赤C48」が登録されていました。 
目撃情報から、おそらく「首輪-赤C48」だろうと判明しました。 
この個体は2年前の2021年8月1日にロシアの北極海に面するチャウン湾で標識されていました。
標識時には若鳥だったのに、2年後にはすっかり成鳥になっています。 
渡りの途中でも日本各地で何度か目撃されています。 
どうやら新潟県で越冬しているらしく、ここ山形県や北海道を経由してロシアに渡去していました。 
近くの最上川を集団塒として山形県内で越冬する個体群が餌場に通っていた訳ではありませんでした。

地道な個体標識プロジェクトの強み・凄みをまざまざと実感しました。
白鳥の大群を漠然と眺めているよりも解像度が格段に上がり、特定の個体の暮らしぶり(生活史)が浮かび上がってきます。 
個人的には、どうしても白鳥にGPSやアクションカメラ(GoProなど)を装着して移動ルートの詳細なデータを取りたくなります(バイオロギング)。

2024/01/12

雪が溶けた田んぼで採食するコハクチョウの若鳥【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:20頃・晴れ  

雪解けが進む早春の刈田で採食するコハクチョウCygnus columbianus bewickii)大群の中で若鳥に注目し、高画質の4K動画で撮影しました。 
頭部が黒っぽくて薄汚れて見えるのが若鳥の特徴です。 
白鳥が田んぼの泥で汚れたのではなく、若鳥は羽根の色自体が元から黒っぽいのです。
成鳥へと成長すると白い羽根に生え変わります。
嘴の中がピンク色なのは、雛のときに口を大きく開けて親鳥にアピールして給餌してもらうための名残でしょう。
(この点はカラスも同じです。)
ちなみに、もっと若い個体は嘴全体がピンク色です。

雪解け水でぬかるんだ田んぼを歩き回って落ち穂拾いしています。

2023/12/29

サルナシの果実を食べてみる

2022年10月上旬

河畔林のオニグルミ灌木に巻き付いた謎の蔓植物に果実がつきました。

図鑑で調べてみると、名前だけは聞いたことのあるサルナシ(マタタビ科)でした。

 



緑色で熟しているかどうか分からないのですけど、果実を1個採取し、ナイフで輪切りにしてみました。
切り口になぜか粘り気があります。


2022年10月中旬

19日後に現場を再訪すると、手の届く範囲のサルナシ果実は無くなっていました。
野生動物が食べ尽くしたのか、それとも通りすがりのヒトが誰か採取したのかな?

蔓を強引に引き寄せて、残った熟果をなんとか1房(5個)だけ採集しました。
果実が熟しても果皮は緑色のままで、表面がシワシワになるだけです。

採寸代わりに1円玉(直径2cm)を並べて写真に撮りました。
ナイフで輪切りと縦切りにしてみました。
断面の果汁に粘り気があります。


試食してみると、酸味が強いものの、確かにキウイフルーツと同じ味でした。
小さな種子のプチプチした歯応えも同じでした。
しかしサルナシは1個の果実が小さいので、食べごたえがありません。
食後に口内が少しピリピリするのは、アクチニジンと呼ばれるタンパク質分解酵素が含まれているからでしょうか。

多田多恵子『身近な草木の実とタネハンドブック』を紐解いてサルナシについて調べると、このタンパク質分解酵素の役割りについて興味深い話が書いてありました。
なるほどなぁ。

・キウイに似て美味だが、食べ進むと甘みを感じなくなり、苦痛になる。果肉中のタンパク質分解酵素で舌の味蕾がやられてしまうのだ。大食いの哺乳類が1回に食べる量を制限して、タネを少しずつ分散させるために酵素はある。

・種子の粒は小さく、サルやタヌキやクマの歯の間をすり抜ける。(p147より引用)

サルナシやキウイフルーツは熟しても果皮が色づかず地味なままなので、鳥類ではなく哺乳類に果実を食べてもらって種子を糞と一緒に散布してもらう戦略です。
サルナシの果実を食べる種子散布者としてはホンドテンやハクビシン、ニホンザル、ツキノワグマなどが予想されます。
(『身近な草木の実とタネハンドブック』にはタヌキも挙げられていましたが、木登りのできないタヌキは落果を食べるしかないでしょう。)

トレイルカメラを設置して、サルナシの実を食べに来る野生動物を観察してみたいところです。
しかし、この場所は川沿いの遊歩道のすぐ横なので人通りが多く、隠しカメラを設置したらトラブルになりそうです。
人里離れた山林に自生するサルナシを探しているのですが、なかなか見つかりません。
適当な場所にサルナシの種子をばらまいて育つのを待つ方が早いかもしれません。


同じ日の帰り道に、民家の庭の蔓棚でたわわに実ったキウイフルーツの熟果を2箇所で写真に撮りました。
東北地方の雪国でもキウイフルーツが育つとは最近まで知りませんでした。
品種改良すればサルナシの果実もこのぐらい大きく立派に育つのでしょうか。

民家aの蔓棚
民家bの大きな蔓棚

【追記】
2023年5月下旬
同じ場所に定点観察に通い、蕾の写真を撮りました。






その後は忙しくなってしまい、残念ながらサルナシの花を観察しそびれてしまいました。
訪花昆虫(サルナシの送粉者)に興味があるので、花を見るのは来季の宿題です。

同じ日に民家の蔓棚bで育つキウィフルーツの蕾も写真に撮っています。






次は6月中旬に定点で撮ったサルナシ未熟果の写真です。





2023/11/29

雪解け田んぼで採食するコハクチョウ大群の離合集散【野鳥:10倍速映像】

 

2023年3月下旬・午後15:22〜16:02・くもり後晴れ 

雪解けしつつある早春の刈田でコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が採食しています。 
ハクチョウの大群が移動しながら採食(落ち穂拾い)するシーンを微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像で大群の離合集散をご覧ください。 
混み合ったエリアでは、コハクチョウ同士で小競り合いも頻発します。
長撮りしている間にも新たにコハクチョウが次々と飛来し、旋回してから採食群に合流します。 



2023/11/25

雪解け田んぼに集結するコハクチョウの百態(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・くもり 

早春で雪どけが進む広大な田園地帯にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開して、落ち穂拾いしています。 
あまりにも個体数が多くて、どの個体の行動に注目すべきか目移りしてしまいます。 
三脚を立ててカメラで左右にパンして、採食群の遠景を記録してみました。 

残雪が溶けて泥濘んだ刈田で採食したり、座り込んで寝ていたり、水を飲んだり、羽繕いしたり、刈田を歩き回ったり、片足立ちでストレッチしたりと、様々な行動が見られます。 
小競り合いや羽ばたき威嚇している個体もいます。 
泥に埋もれた藁を嘴で掻き分けてから採食しています。 

白鳥がひときわ密集したエリアは餌となる落ち穂の量が豊富なのでしょうか。 
撮影中にもコハクチョウが2〜4羽の小群(家族群)単位で続々と飛来・旋回すると、仲間が大勢居る餌場に合流しました。 
白鳥の優雅な着陸シーンは何度見ても感動します。 

飼い犬(白い犬種)の散歩に来た中年男性♂が奥の農道を歩いても、充分に距離が離れているせいか白鳥は逃げ出しませんでした。 (@4:55〜、@6:13〜) 



コハクチョウの密集した大群の迫力は圧巻です。 
餌場やねぐらでこれほど同種が密で暮らしていたら、ひとたび鳥インフルエンザなどの感染症が蔓延したらひとたまりもありませんね。 
…と書こうとしたら、私の勉強不足(知ったかぶり)でした。 
水鳥はインフルエンザが腸で常在しており病原性を引き起こすことはほとんどない。 
・水禽類(水鳥)の腸管で増殖し、鳥間では(水中の)糞を媒介に感染する。水禽類では感染しても宿主は発症しない。(wikipediaより引用)

鳥インフルエンザ・ウイルスが問題視されるのは、抵抗性のないニワトリなどの家禽に感染して大量死をもたらす経済的損失と、突然変異したウイルスがヒトへ感染を広げるパンデミックのリスクがあるからです。
長い進化の末に水鳥が鳥インフルエンザ・ウイルスと共存するようになった仕組みは解明されているのでしょうか?(免疫の獲得?)


【追記】
白鳥が渡来する初冬になっても、なぜか同じ刈田にコハクチョウの採食群を見かけません。
刈田で落ち穂拾いするなら、根雪が積もる前に採食しても良さそうなものですが、もっと良い餌場があるのでしょうか。


2023/11/16

河川敷でオニグルミの堅果を拾って持ち去るハシボソガラス(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:45頃・晴れ 

早春の河川敷で枯れた芝生に覆われた遊歩道を1羽のハシボソガラスCorvus corone)が餌を探してうろうろと歩き回っていました。 
河畔林のオニグルミの並木道には、秋に落ちた堅果が未だ少し残っているようです。 
野ネズミやリスなど、クルミを貯食するライバルの野生動物が居るはずですが、春まで見逃されてきた落果なのでしょう。

近づく私に気づくと、カラスは逃げ腰になりました。 
私が立ち止まると警戒を解き、オニグルミの落果を嘴で拾い上げました。 
嘴で軽くつついたり咥え直してから、クルミの堅果を持って右へ飛び立ちました。 

逆風に煽られながらも堤防を飛び越えて市街地の方へ向かい、見失いました。 
胡桃の実をどこかに隠す(貯食)つもりなのか、それとも殻を割って中身を食べるつもりなのでしょう。

2023/11/04

春の刈田で落ち穂拾いするキジ♀3羽の群れ(野鳥)

 

2023年4月中旬・午前10:20頃・くもり 

田んぼの農道で採食する2羽のキジ♀(Phasianus versicolor)を発見。 
私に気づくと警戒し、農道から隣の刈田に慌てて逃げ込みました。 
地味な羽毛のキジ♀は刈田に居ると見事な保護色となり、カメラのAFピントが合焦しにくくなります。 
じっとしていれば、まず見つからないでしょう。

キジ♀が飛び去るシーンを期待して、動画を撮りながら農道を歩いて近づいてみました。 
しかし飛ぶのが苦手なキジは、よほど身の危険が迫らなければ、ひたすら走って逃げるようです。 
足早に刈田を横断し、畦道を乗り越え、私からどんどん離れて行きます。 
キジ♀には目立った冠羽がありませんが、後頭部の羽毛が少し逆立っていたのは緊張の現れなのでしょう。 
私が立ち止まって撮影を続けると、充分な安全距離を取ったキジ♀はようやく警戒を解き、逆立っていた冠羽が寝ました。 

途中からもう1羽が現れ、計3羽の群れと判明しました。 
キジは♀だけが集まって群れを形成します。
嘴の動きを見ると、キジ♀は刈田を移動しながらときどき互いに小声で鳴き交わしているのかもしれません。 
残念ながら遠くて鳴き声を聞き取れませんでした。 

ようやく落ち着くと同じ区画の刈田で仲間と合流し、歩きながら地面を啄んで採食を始めました。 
落ち穂拾いだけでなく、春の刈田で昆虫や虫などを捕食しているのかもしれません。 
採食の合間に立ち止まって胸の羽毛を嘴で整えました(羽繕い)。 

最後は田んぼの端にある枯れヨシ原へ逃げ込みました。
いつもここはキジの隠れ家となっています。 
ヨシ原にキジの営巣地がありそうだと前々から睨んでいるのですけど、未確認です。 

ところで、キジ♀が採食していた刈田の一区画だけ、なぜか大量の不燃ゴミが散乱していました。 
せっかく撮れた採食動画が見苦しいゴミのせいで台無しです。 
田起こし前に撒く肥料のような物だとしたら、刈田の全区画に撒くはずです。 
何かトラブルがあって誰かが悪質な嫌がらせでゴミをぶちまけたのか…?と米農家の闇を見た気がしました。(勝手な想像です) 



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