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2024/02/19

捕らえた甲虫を吸汁するオオイシアブ♂

 

2023年6月上旬・午後14:00頃・晴れ 

里山の細い山道の横に立つコナラの幹にオオイシアブ♂(Laphria mitsukurii)が下向きに止まっていました。 
よく見ると何か小さな獲物を抱え、胸背に口吻を突き刺して吸汁しているようです。 
獲物は黒い小さな甲虫ですが、私には種名どころかおおまかな分類(科)も見分けられませんでした。 
餌食となった甲虫は、虫の息で脚を動かしています。 

私がちょっと動いたら、警戒したオオイシアブ♂は少し飛んで別の木に止まり直しました。 
今度は向きを変えて後ろ姿になりました。 
その場で腹端を持ち上げたので脱糞するかと思いきや、予想は外れました。 
腹端の交尾器の形状がよく見えるようになりました。 
腹端の形状が今後の参考資料になるかもしれないので、写真を最後に載せておきます。 

飛び立った瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイしてみると、クロアリ(種名不詳)のワーカー♀が近寄ってきたので、獲物を奪われないよう自発的に飛び去っていました。 
オオイシアブ♂が止まり木で腹部を持ち上げたのも、通りすがりのアリが体に登ってこないようにするためだったのかもしれません。

ムシヒキアブ科の仲間で♂が♀に共食いされないように求愛給餌する可能性がありそうとのことなので、気をつけて探すようにしています。

オオイシアブの性別の見分け方を今回の調べ物で初めて知りました。 
今回の個体は胸部に橙色の剛毛が密生していることから♂と分かります(♀では黒い)。 
過去の記事も遡って性別を追記しておきます。 

関連記事(1、2年前の撮影)▶ 

2024/02/18

トビ(野鳥):謎の背面飛行

 

2023年6月中旬・午前11:50頃・ くもり

里山で山腹の上空を低く飛び去るトビMilvus migrans)を何気なく動画に撮ったら、興味深い行動を披露してくれました。 
滑空と羽ばたきながらの巡行飛行を交互に繰り返してから、急に空中でクルッと裏返しの体勢になりました。 
背面飛行は長く続かず、すぐに正常飛行に戻りました。 
近くに営巣木がありそうだと予想しているのですけど、飛び去るトビをいつも見失ってしまい、突き止められません。 

トビは図体ばかり大きくて、帆翔など不器用な飛び方しかできないというイメージがあります。
こんな器用な飛び方をするトビを初めて見ました。 
山腹の上昇気流が急に乱れて失速したようには見えず、意図的に背面飛行になったようです。 
カラスの群れにモビング(擬攻撃)されて逃げている訳ではなく、単独で飛んでいました。 
求愛のためのディスプレイ飛翔だとしたら、もっと目立つ高度で披露するはずです。

背面飛行を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:29〜) 
同時に1.5倍に拡大しました。 
翼下面にあるトビ特有の斑紋が見えるように、逆光補正してあります。 
トビは裏返って急降下すると、ハリギリ(別名センノキ)高木の樹冠の枝葉に足が一瞬触れていました。 
通過後にハリギリの葉が大きく揺れています。
樹上に着地するなら、もっと減速するはずです。
どうやら、ハリギリの葉の上に止まっていた昆虫など何か小さな獲物を見つけて、通りすがりに素早く狩ったようです。 
直後のトビの足に注目しても、鉤爪で何か獲物を掴んでいるようには見えませんでした。 
獲物が小さ過ぎて見えないだけなのか、それとも狩りに失敗したのか、不明です。
謎の背面飛行は、獲物に狙いを定めて咄嗟に急降下するための旋回運動だったのでしょう。
この特殊な飛び方の正式名称をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。

トビと言えば死肉食性の掃除屋(スカベンジャー)というイメージがあります。


ハリギリ高木の葉の上に小動物の死骸があるとは考えにくいので、生きた虫を狩ろうとしたと思われます。
その点でも、珍しい事件簿でした。

2024/02/17

ムシトリナデシコの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:55頃・晴れ(梅雨の晴れ間) 

川沿いの花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落でウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 風で揺れるムシトリナデシコの花序で歩き回り、細長い花筒に口吻を深く差し込んで吸蜜しています。 
訪花中に初めは半開きの翅を開閉していたのに、途中から暑くなったのか、翅をしっかり閉じるようになりました。 
翅表に性標の黒条が見えたので、♂と判明。 

田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』によれば、
(ムシトリナデシコの)蜜は1.5cmもある細長い筒の中に隠されているので、口の長い昆虫にしか吸えない。(p42より引用)
この花壇で様々な虫が訪花していましたが、確かにいずれも口吻の長い種類でした。 (映像公開予定)

ウラギンヒョウモン♂がムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:27〜) 
風揺れの激しい虫撮りには悪条件の日でも、スーパースローで見ると気にならなくなります。


【アフィリエイト】

2024/02/12

ムラサキツメクサの花蜜を吸うベニシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前11:00頃・晴れ 

川沿いの堤防路に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
共にありふれた普通種ですけど、意外にもこの組合せは初見です。 
翅を立てたまま(ほとんど閉じて)吸蜜しているということは、気温が暑いのでしょう。 
よほど花蜜の量が豊富なのか、なかなか飛んでくれません。 
よく見ると、クモの遊糸が吹き流しのように風にたなびいているのがキラキラと光って見えます。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:14〜) 
すぐ横をヒゲナガハナバチ?が高速で飛来しても、ベニシジミは無反応でした。 
用事があって急いでいた私はベニシジミが自発的に飛び立つまで待ち切れず、帽子を投げつけたら前方に飛び去りました。 
緊急避難の羽ばたきが速過ぎて、翅表の斑紋をしっかり見極められず、春型か夏型か不明です。

2024/02/10

ブラックベリーの花で採餌するニホンミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前 10:50頃・晴れ および 午後15:40頃・ くもり

民家の裏庭の生垣で咲いたブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)ニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
後半に登場する個体は、後脚の花粉籠に少量の薄黄色の花粉団子を運んでいました。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:51〜) 
吸蜜後は花粉で汚れた顔と触角を前脚で拭ってから飛び立ちました。 
次の花に飛んで行く間にも口吻が伸びています。

2024/02/08

タヌキの溜め糞場で激しい空中戦を繰り広げるキイロコウカアブとコウカアブの群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午後13:10頃・くもり 

平地のスギ防風林にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場wbcに定点観察に来てみると、互いに少し離れて3つ並んでいる溜め糞のうち1つ(wbc-2)だけ異様な活況を呈していました。 
黄色と黒の昆虫2種類が糞塊の上すれすれを高速でブンブン群飛していたのです。 
てっきり私は、溜め糞場で黒いハエを狩ろうとスズメバチが集まってきたのかと初めは思いました。 

関連記事(2、3、11年前の撮影)▶  


昼間でもかなり薄暗いスギ林床でよく目を凝らすと、黄色っぽい昆虫はスズメバチやベッコウバエではなくキイロコウカアブPtecticus aurifer)のようです。 
同じ溜め糞場で以前、下草に止まっているキイロコウカアブを撮っています。
黒い昆虫を写真鑑定した結果、おそらくコウカアブPtecticus tenebrifer)と思われます。 
性別までは見分けられませんでした。 
採集用の捕虫網を持参していれば、しっかり同定できたかもしれません。 
しかし、網をひと振りで仕留めないと、皆逃げてしまって戻ってこないでしょう。 
黄色と黒の体色が同種の性的二型だと群飛の説明がしやすいのですが(求愛飛翔)、同じミズアブ科でも体色の異なる別種のコウカアブでした。 
各種が複数個体で溜め糞の上すれすれを低空で飛び回っています。 

私が溜め糞wbc-2に近づいたせいでコウカアブ類が警戒して溜め糞から飛び立ったのかと思ったのですが、私がその場で長時間静止していても糞塊に着陸せずに群飛を繰り広げています。 
耳を澄ますと、ブンブンという羽音だけでなく空中で互いにバチバチと激しくぶつかる衝突音が頻繁に聞こえます。 
2種共に♀は産卵目的で獣糞に来ますから、ニッチが重なる同属2種間で熾烈な縄張り争いがあるのでしょうか? 
それとも、交尾相手の♀を溜め糞場で待ち伏せしている♂が飛来した♀を空中で捕獲しようと、必死で飛び回っているのでしょうか?(求愛のための群飛) 
溜め糞の周囲で交尾中の♀♂ペアを見かけませんでした。
彼らにとっても暗過ぎて、高速飛翔中に障害物を回避できないだけかもしれません。(空中衝突不可避)
コウカアブ類の成虫は肉食性ではありませんから、狩りのための探餌飛翔ではありません。 

キイロコウカアブとコウカアブの群飛を240-fpsのハイスピード動画でも無理して撮ってみました。(@0:50〜) 
確かに空中で互いに突進してぶつかり合っていることが分かりました。 
ライバルを縄張りから追い払おうと肉弾戦を挑んでいるのか、それとも誤認求愛の結果で衝突しているのか、素人目には見分けられません。 
現場はただでさえ暗いのに、ハイスピード動画モードに変えてフレームレートを4倍に上げると、単純計算で明るさが1/4に落ちてしまいます。
黒っぽい溜め糞を背景にすると、黒いコウカアブは見えにくいです。 
黄色いキイロコウカアブはまだ辛うじて目立ちます。 

溜め糞wbc-2の表面ではいつものように、クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫および幼虫が徘徊していました。 
キンバエ類と並んで、うんちレストランの常連客です。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施して暗い映像を明るく加工しました。 
※ アブの羽音や衝突音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。


明らかに光量不足の薄暗いフィールドで生態動画を撮りたいとき、補助照明を使うべきでしょうか? 
写真撮影の場合はフラッシュを焚けば済む話ですが、問題は動画撮影です。 
赤外線の暗視カメラを使うほどではない、薄暗い条件が一番厄介です。 
特にハイスピード動画モードに切り替えてフレームレートを4倍に上げると、単純計算で明るさが1/4に落ちてしまいます。
私はいつも照明を使わずにカメラ本体の設定を変えてなるべく明るく写るようにしてから撮影し、編集時に更に明るく加工するようにしています。 
しかし、そのやり方では、どうしても画質が粗くなってしまいます。 

よほど明るい強力なライトを使わないと効果がありませんし、何よりも人工的な光を照射すると生き物の自然な行動が撮れなくなってしまうという懸念があります。 
野鳥や野生動物なら新たな眩しい光源に警戒してそれまでの行動を中断して逃げてしまいますし、昆虫には正または負の走光性があるので、照明自体が行動観察に悪影響を及ぼしてしまいます。 
時間をかけて照明に少しずつ慣らしてやるのが定石の撮影テクニックですけど、そんな悠長なことは言ってられない場合があります。(すぐに撮りたい場合) 
※ 昆虫にはあまり見えない赤色光のライトを使ってみるのがよさそうですが、我々ヒトが見た時にどうしても不自然な色味になってしまいます。

きれいに撮れない(見栄えが悪い)薄明薄暮の生態動画は誰も撮りたがりませんから、ある意味では未開拓のフロンティアかもしれません。 
BBCの動物カメラマンが使っているような超高感度のカメラやサーモグラフィカメラを私も使ってみたいのですけど、あまりにも高価で手が出ません(高嶺の花)。 
そうした軍事用カメラの需要が高まっている昨今、民生品の値段も下がってくれないかな〜?と密かに期待しています。

2024/02/07

白鳥の北帰行(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午前9:10頃・晴れ 

雪解けが進む田園地帯で数日前まで採食していたコハクチョウの大群が忽然と居なくなっていました。 
田んぼの餌(落ち穂など)を食べ尽くして、餌場を変えたのでしょうか? 

刈田の上空から白鳥の鳴き声がするので見上げると、白鳥の群れが見事なV字編隊を組んで北に飛び去るところでした。 
群れの個体数を数えてみると、計20羽と大きな群れでした。 
ちょうど私の頭上を通り過ぎたので、飛び去る白鳥を見送るために動画を撮りながら振り返りました。 (白鳥が旋回した訳ではありません。) 
北へ向かって飛び去ったので、日本での越冬を無事に終えた白鳥がシベリアなど北の繁殖地へ帰るところなのかもしれません。 

飛びながら散発的に鳴き交わしています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
鳴き声を声紋解析すれば、オオハクチョウかコハクチョウか識別できるかな? 
渡りの際に2種の白鳥が混群の状態で編隊飛行することは無いと思われますが、どうやって確かめたら良いでしょうか?

2024/02/06

クリの雄花に集まり花粉を食べるクロハナムグリとコアオハナムグリの混群

 

2023年6月上旬・午前11:30頃・晴れ 

初夏になり、あちこちでクリ(栗)の花が咲き始めました。 
山道の横で育つクリの木で コアオハナムグリGametis jucunda)とクロハナムグリGlycyphana fulvistemma)がブンブン飛び回り、花穂に群がっていました。 
クロハナムグリとクリの組合せは初見です。 

関連記事(9年前の撮影)▶ 栗の花とコアオハナムグリ 


栗の木の白くて細長い花序は雄花なのだそうです。(雌花は雄花の基部に小さく咲く。) 
多数派のコアオハナムグリと少数派のクロハナムグリは、花穂を歩き回って花粉や花蜜を食べています。
コアオハナムグリの中には、少数ながら赤銅型も混じっていました。 

よく晴れて気温が高いせいか、ハナムグリたちはハエのような羽音を立てて元気にブンブン♪飛び回ります。 
※ 虫の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


私はハナムグリの性別の見分け方を知りませんが、クリの雄花で2匹のコアオハナムグリがニアミスしても、求愛行動や争いはまったく見られませんでした。 
交尾中の♀♂ペアも見当たりません。 

最後に花穂の風揺れを止めようと手で摘みながら動画撮影しようとしたら、異変に気づいたハナムグリたちは警戒して一斉に飛び去ってしまいました。 (映像は割愛)

田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』でクリの送粉生態学について調べると、
風媒花から虫媒花に進化の舵を切り変えた花。 雄花は蜜を出し、雌花は蜜を分泌しないので昆虫はまれに触れるだけ。(p63より引用)
クリが風媒花だとすると無駄なぐらい大量の花粉を放出しますから、毎年初夏にクリの花粉症になるヒトがいても不思議ではありません。
クロハナムグリ(左下)とコアオハナムグリ
緑型と赤銅型のコアオハナムグリ

2024/02/01

強風の日にウィンドサーフィンや掴み合いの空中戦を楽しむハシボソガラスの群れ(野鳥)

 

2023年6月上旬・午後15:15頃・晴れ 

山麓の農村部にそびえ立つ2本のスギ(杉)高木の梢からハシボソガラスCorvus corone)の群れが繰り返し飛び立っていました。 
晴れているものの強風が吹き荒れる日で、樹上のカラスは軽く飛び上がると翼の角度を少し変えるだけで急上昇したり急降下することが可能です。 
隣の木にふわりと飛び移りました。 
4羽のカラスが強い逆風を利用してウィンドサーフィン(風乗り遊び)を楽しんでいるようです。 

樹冠に止まった個体がお辞儀をしながら鳴いていますが、風切り音がうるさくて聞き取れません。 
鳴き声が聞こえなくても、鳴き方の姿勢だけでハシボソガラスと分かります。 

杉の木から相次いで飛び上がった2羽が空中で互いに追いかけっこを始めました。 
強風で流されてしまうスリルが楽しいのでしょう。 
元の止まり木に戻るのも大変で、強風に逆らって必死で羽ばたいています。 

強風下の空中戦を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:20〜) 
空中で互いに足で蹴り合ったら絡み合ってしまい、きりもみ状態で落ちていきます。 
地上に墜落する寸前で離れました。 
まるで本で読んだことのある猛禽類の求愛行動みたいです。 

空中戦も含めて遊びの行動だと私は解釈しましたが、止まり木を巡る本気の縄張り争いだった可能性もありますかね? 
スギ樹上に塒入りするにはまだ早い時間帯でした。 


関連記事(2、7、10年前の撮影)▶  

2024/01/21

シロバナヤマフジの花で採餌するクマバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年5月上旬・午後15:20頃・晴れ 

民家の蔓棚で今年も見事に花が咲きました。 
いわゆる普通のフジ(藤)(ノダフジ)の紫の花と一緒に白い花の品種も並んで咲いていました。 
花序が短いので、シロナガフジ(白長藤)ではなくヤマフジの一品種であるシロバナヤマフジ(シラフジ、白藤)のようです。 
ヤマフジとノダフジは蔓の巻く向きが逆向きになるらしいのですが、この蔓棚では成長初期に庭師が人為的かつ強引に蔓の巻き方を変えたのか、不規則でよく分かりませんでした。 

長年の宿題だったキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)の訪花シーンをようやく撮影できました。 
♀との組み合わせは、これが初見になります。 

関連記事(同所で6、7年前の撮影)▶  


同じ藤の仲間でも花の咲く時期が少しずれるのか、今回クマバチ♀は白藤ばかり選んで訪花していました。 
マメ科植物に特有の蝶形花に正当訪花を繰り返し吸蜜するクマバチ♀の後脚をよく見ると、花粉籠は空荷でした。 
あまりにも忙しなく飛び回るので、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:15〜) 

つづく→雄蜂♂の訪花吸蜜【ハイスピード動画】

2024/01/20

夜の小川で飛び回るコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年5月下旬

シーン0:5/18・午後12:55・(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
浅い小川が手前から奥へ緩やかに流れ、その先で川の本流に注いでいます。 


シーン1:5/18・午後19:07・(@0:06〜)日の入り時刻は午後18:50。 
日没後にコウモリが水路の上空を手前から奥に高速で飛び去りました。 
この地点でコウモリは初登場です。 

飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
旧機種のトレイルカメラは動画のフレームレートが25fpsとスペックが低くて、コウモリの素早い羽ばたきを捉え切れていません。 


シーン2:5/18・午後19:08・(@0:06〜) 
黒いコウモリが丸木橋の奥の水路を低空で何度も往復しています。 
小川の周囲を夜蛾も多数飛び回っているので、いつか狩りの決定的瞬間が撮れないかな〜と期待しています。 
ご存知のようにコウモリは超音波を発してエコロケーションを行いますが、夜蛾の中には飛翔中にコウモリの超音波を感知すると飛び方を急に変えて捕食を逃れようとする種類がいるらしいのです。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


2024/01/11

セイヨウタンポポの花蜜を吸って飛び去るビロウドツリアブ【ハイスピード動画】

 

2023年5月上旬・午後12:40頃・晴れ 

山麓の山道に咲いたセイヨウタンポポビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が訪花していました。 
ともに普通種ですけど、この組み合わせは初見です。 

長い口吻で吸蜜している間も高速で羽ばたき続けていますが、舌状花の花弁に足を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)ではありません。 
そのまま次の花へと飛び去りました。 
アイドリングの羽ばたきを止めないのは燃費が悪い気がするのですけど、カロリー収支が赤字にならずやって行けてるのが不思議です。 
訪花中に外敵に襲われたり交尾相手が飛来した際にいつでも素早く飛び立てるように、アイドリングしているのでしょうか。

240-fpsのハイスピード動画撮影を優先したら、高画質のFHD動画に切り替える前に逃げられてしまいました。 
撮影後に頭花の総苞片が反り返っているセイヨウタンポポと確認しました。

2024/01/08

コンクリートの橋桁に巣作りを始めたイワツバメ♀♂(野鳥)

 

2023年5月下旬・午後12:35頃・晴れ 

河原の橋の下にツバメの群れが高速で出入りしていました。 
カメラでズームインしてみると、いわゆる普通のツバメではなく、イワツバメDelichon urbica)という白黒の種類でした。 
どうやら橋桁の下に泥巣の土台を作り始めた基礎工事の段階のようです。 
私が近くからカメラを向けて撮影しても、イワツバメはさほど気にせずに造巣作業を続けています。 

ファーブル昆虫記』では人家に泥巣を作る蜂(ドロバチ類)の習性と比較するために、ツバメの造巣行動も観察しています。 
私はいわゆる普通のツバメの造巣行動もまだ観察できていません。 
この川の流域にイワツバメが生息することは気づいていたのですが、まさか巣作りを観察できるとは、千載一遇のチャンスです。 

関連記事(4年前の撮影)▶ 飛んでいるイワツバメを見つけた!(野鳥) 


実は、同じ流域の別な橋で橋桁の垂直な壁面(高所)になすりつけた泥汚れを過去に見た記憶があります。
てっきり悪童が泥団子を橋脚に投げつけて遊んだ跡なのかと当時は思ったのですけど、今思えばあれもイワツバメが作った泥巣の痕跡だったのでしょう。(※追記参照)

この橋の下をよく調べると、進捗状況の異なるイワツバメの泥巣が2箇所に作られていました。 
造巣を始めたばかりの♀♂ペアに注目します。

橋の下は鉄筋コンクリートの橋桁や橋脚に囲まれているため、イワツバメの鳴き声♪が反響しています。 
他にはカワラヒワも鳴いています♪。 
私の背後から川のせせらぎ♪も聞こえます。 





飛来したイワツバメは垂直のコンクリート壁面に塗りつけた泥玉を足掛かりとして辛うじて止まると、嘴に咥えた巣材の泥を新たに塗りつけ、泥巣の形を整えています。 
橋桁のコンクリートの壁面だけでなく、天井部の隅にも泥の巣材を塗り付けようとした形跡がありました。 
 『やまがた野鳥図鑑』でイワツバメの造巣習性を調べてみると、理由が分かって納得しました。
集団繁殖する種で、校舎の軒下や橋げた、歩道橋下などに営巣し、付近の上空を群れで飛んでいる。  「岩燕」と書く。もともとは山地の岩棚に営巣していたのだろう。建造物を岸壁などに見立てて巣作りするケースが増えている。イワツバメはツバメと違って天井ぎりぎりに巣を設け、その出入り口は狭い。中にはたくさんの羽毛が入っているようだ。(p91より引用)

イワツバメが泥巣aに飛来し、飛び去る様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
垂直な壁面に危なっかしく止まっている際には、キツツキと同じく硬い尾羽根の先端で体を支えていることが分かり、興味深く思いました。 

1回の巣作り作業は短時間で終わり、またすぐに飛び去ります。 
おそらく近くの川岸で巣材の泥を採取して来るのでしょう。 





2羽のイワツバメが相次いで飛来して、作りかけの泥巣に並んで止まることがありました。 
てっきり♀♂つがいが協力して巣作りしているのかと思ったのですが、イワツバメは集団でコロニーを形成するらしいので、2羽の♀が隣合うようにそれぞれの泥巣を作っているのかもしれません。 
私はイワツバメで性別の見分け方を知りません。 
ツバメと同じく尾羽根の長さに注目するのかな? 
バードリサーチニュースの生態図鑑でイワツバメを参照すると、素人には識別が難しそうです。
・羽色は雌雄同色.(中略)オスは肩羽および背から頭上にかけての藍色光沢が強い傾向にある. 
・さえずりは「ピチュルピチュルピチュル」と早口に長く繰り返す.繁殖期は飛翔中や巣内でよくさえずり,この声はオスのみが出すと思われる.地鳴きは「ジュリ,ジュリ」と鳴く. 
・繁殖システムは一夫一妻.つがい関係は毎年異なるものが多く…(後略) 
・巣: 建造物や岩場の崖,トンネルの出入り口などの雨の当たりにくい場所に営巣するが,近年は自然物への営巣は少ない.建造物は人家よりも橋桁や高架下,学校や病院などを好む.一般的にコロニーを作って繁殖し,一度作られた巣は長期間にわたって利用される.コロニーを放棄することもあるが,放棄されたコロニーが数年後に再び利用される例もある.巣材は泥が中心で,壁や庇の下に深い椀形で出入り口の狭い巣を作る.泥はコロニーから約200m離れた水田や約50m離れた水溜りから運んでいることが観察されている.(中略)多くの個体が古巣を補修して繁殖をおこなうが,新たに巣を作る場合の造巣日数は21.1±3.8日(n=14)であった (西 2009).

せっかくなのでイワツバメの造巣過程を微速度撮影しようと思い、急いで三脚を取りに家へ戻りました。 
ところが2時間後(午後14:45頃)に戻ってきて微速度撮影をいざ始めたら、イワツバメの親鳥は全く来なくなってしまいました。 
短いですが、10倍速の早回し映像を最後にお届けします。 (@3:16〜)
こんなことなら、三脚なしの手持ちカメラで動画撮影を続けるべきでした。
黒く濡れた泥は、新しく作られたばかりの部分です。 
巣材の泥が乾いた部分は白っぽく見えます。 









同じ橋桁で少し離れた地点にもう1つ別な泥巣bを見つけたので、後半はそちらを微速度撮影しました。 
初めに見つけた泥巣aよりも造巣作業がずっと進んでいて、素人目にはほぼ完成しているようです。 
長撮り監視しても、巣内で雛が顔を出すことはありませんでした。












さて、どうしてイワツバメは造巣を途中で止めてしまったのでしょうか? 
一日の中でも特定の時間帯にしか造巣行動をしないのかな? 
巣材の泥が乾いて強度が増すまで待っているのではないか?と推測しました。 
それとも、私が橋の下に設置した三脚カメラを警戒して営巣地に近寄らなくなってしまったのでしょうか? 
一応、橋の下に生えた雑草の茂みに三脚を隠したつもりで、微速度撮影中の私はカメラから離れて時間を潰していました。 
次回は迷彩ブラインドを持参して、三脚カメラ全体を本格的にカモフラージュ(隠蔽)するべきかもしれません。 
しかし、ツバメはカラスなどの天敵(捕食者)を避けるためにわざわざ人家の近くに営巣するシナントロープです。 
この橋の下も昼間はヒトがジョギングやイヌの散歩のため結構頻繁に往来しています。 
イワツバメも他の野鳥に比べてヒトに対する警戒心は薄いと思うのですが、どうなんでしょう? 

作りかけの泥巣の真下には、コンクリート基質に付着できなかった巣材の泥玉が大量に散乱していました。 
巣内で孵化した雛が排泄した糞なのか?と一瞬思ったのですが、よく見ると白く乾いた泥玉(巣材)でした。 

泥巣aの直下



泥巣bの直下




この時期の私は忙しくて、定点観察に連日通うのは無理でした。 
後日、現場入りしてみると、残念ながらイワツバメの営巣は失敗していました。 
まさか橋の下に作られたイワツバメの巣をわざわざ高所作業車を使ってまで駆除するヒトは居ないはず…と信じたいです。 
イワツバメがコロニーを作ったぐらいで橋脚の機能や強度に悪影響は無いはずです。 
糞害を嫌う潔癖症のヒトは居るかもしれません。 

どうやら橋脚のコンクリート表面が滑らか過ぎて、巣材の泥がしっかり付着できず、重さで自然に剥落してしまったようです。 
橋桁を建造する際に、この点を何か改善してもらえれば(コンクリートの表面を一部ザラザラに加工する等)、イワツバメにとって優しい営巣環境ができるはずです。 
ツバメの仲間は蚊やハエ、羽アリなどを飛びながら捕食してくれる益虫です。 
「害虫が大発生した!」と騒いで殺虫剤を毎年大量に撒かないといけない事態になるのは、近年ツバメが住宅難(営巣地不足)から数を減らしているのが一因です。 
イワツバメを含めた生物多様性を確保すれば、生態系のバランスが適度に保たれて害虫の大発生は抑えられるはずです。



※【追記】
半年前の冬に撮っていた写真を掘り出しました。

2022年12月上旬
同じ川の流域で少し下流に架けられた別の橋の下をくぐって通り抜ける際に見つけたものです。
コンクリート護岸に鳥の糞がまとまって大量に落ちていたので上を見上げると、コンクリートの橋桁の裏面にイワツバメが作ったと思われる古巣を見つけました。

もっと昔に撮った未公開写真があるはずなので、探しています。




2024/01/06

河原で脱糞後に飛び立つセグロセキレイ(野鳥)

 

2023年4月下旬・午後14:00頃・晴れ 

河原で石の上に乗ったセグロセキレイMotacilla grandis)が羽繕いしていました。 
私がカメラを向けたら羽繕いを止めてしまい、身震いしたり、辺りをキョロキョロ見回したりしています。 
私を警戒したのか、一声鳴きながら下流へ飛び去りました。 
セグロセキレイの背側がしっかり見えず、性別は不明です。 
現場は橋の下で、石だらけの中洲でした。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、飛び立つ直前に脱糞していました。 
尾羽根を持ち上げ、足を少しかがみながら、白い糞を少量排泄しています。 

※ スロー映像は1.5倍に拡大しました。

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