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2017/08/03

イチモンジチョウ終齢幼虫の排便



2017年5月中旬

イチモンジチョウの飼育記録#2


イチモンジチョウLimenitis camilla)が食餌の合間に定期的に脱糞する様子を接写してみました。
3発つづけてお届けします。
毎回いつも腹端を少し持ち上げて排便し、事が済むとゆっくり下ろします。
糞は真っ黒で、終齢幼虫なのに断面があまりロゼット状にはなっていませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:イチモンジチョウ終齢幼虫の食餌と排泄【10倍速映像】



2017/07/25

線路脇に尿で縄張りをマーキングする長毛ネコ



2016年7月上旬・午後19:20(日の入り時刻は午後19:05)

日没後に、近所で飼われていると思われる長毛のネコFelis silvestris catus)が線路沿いを散歩していました。
あまりにも毛深くてボサボサなので、一瞬タヌキかと思いました。
こんなに長い毛皮を真夏にまとっていたのでは暑くて堪らないでしょう。

線路の砂利ではなく単線のレールの上を慣れた足取りで歩いています。
線路から少し横に外れると、生い茂ったススキ?の群落の匂いを嗅いで回ります。
やがて植物の茂みに対して後ろを向き、尾を高々と上げ細かく震わせました。(@1:22)
これはオシッコ(小便)によるマーキングですね。
暗過ぎてスプレーがよく見えなかったのは残念でした。
こうして毎晩縄張りをパトロールしているのでしょう。

田中豊美『みぢかなともだちネコ』p48によると、

ネコの社会行動(3)においづけ(マーキング)
ネコは、ふだん生活をしている場所の、木やへい、家のかべなどに、オシッコをふきつけたり、つめとぎをしたりして、「においづけ=マーキング」のためのパトロールをする。自分のナワバリでることを、ほかのネコにしらせるためだ。
オシッコのにおいづけは、♂ネコによく見られるが、♀ネコもたまにする。
シャッシャッとオシッコをふきつけるときに、ヒリヒリとしっぽをふるわせる。



▼関連記事
尿で縄張りをマーキングするネコ



↑【おまけの動画】
同じ素材で自動色調補正した動画をブログ限定で公開します。
日没後の雰囲気が失われるほど強制的に明るくしても、肝心の尿の噴射はよく見えませんね。

長毛ネコ@線路+散歩

2017/07/23

尿で縄張りをマーキングするネコ



2017年5月中旬

堤防の階段で私が休んでいると、向こうから1頭のネコFelis silvestris catus)がノシノシと歩いて来るのに気づきました。
私の姿を認めたのに恐れずやって来て、近くの階段に腰を下ろして休みました。(映像はここから)
目つきが悪く肉付きの良い(太り気味)個体でした。
首輪は見えませんが、きっと飼い猫が夕方に縄張りを巡回(パトロール)しているのでしょう。
やがて立ち上がると、しなやかな身のこなしで階段をゆっくり引き返し始めました。
ときどきこちらを振り返りながら立ち去ります。

柳の灌木の陰に隠れてしまいましたが、猫は階段を登ると、枯れ草に覆われた土手で立ち止まりました。
尻尾をピンと持ち上げ震わせました。(@1:02~1:10)
これは尿スプレーのマーキングでしょう。
小便をかける何か立木など目印となる物があったのか、現場へ確認しに行けばよかったですね。
真相は藪の中。

田中豊美『みぢかなともだちネコ』p48によると、

ネコの社会行動(3)においづけ(マーキング)
ネコは、ふだん生活をしている場所の、木やへい、家のかべなどに、オシッコをふきつけたり、つめとぎをしたりして、「においづけ=マーキング」のためのパトロールをする。自分のナワバリでることを、ほかのネコにしらせるためだ。
オシッコのにおいづけは、♂ネコによく見られるが、♀ネコもたまにする。
シャッシャッとオシッコをふきつけるときに、ヒリヒリとしっぽをふるわせる。


その後も猫の動きを撮り続けると、遊歩道に下りてきました。
どうやら私が階段に居座って猫の散歩道を塞いでいたので、仕方なくぐるっと迂回したようです。
ネコも舗装された道の方が歩きやすそうです。

実は、最初にネコが座ったところは野生動物の溜め糞があった地点のすぐ近くなのです。
長年タヌキかアナグマが残した溜糞だと思って定点観察していたので、もしやネコの糞だったのか?!と意外に思いました。
しかし、撮影直後にネコが座っていた階段を調べてみると、新鮮な糞は残されていませんでした。
溜め糞を利用しているのなら、まず共同トイレの匂いを嗅ぐはずです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





↑【おまけの動画】
前後の状況も含めた完全版の動画をブログ限定で公開します。


2017/06/11

川で縄張り争いするダイサギcd(冬の野鳥)



2017年1月上旬

▼前回の記事
川で足踏みしながら魚を探し回るダイサギc(冬の野鳥)

獲物を探しながら渡渉していた冬鳥ダイサギArdea alba)cが川の中央で脚を屈めると、その反動を利用して飛び立ちました。
上流へ少し飛ぶと、コンクリート護岸の縁に着陸。
鳥の目から丸見えの状態で私が撮り続けているので、しつこいパパラッチを嫌ったのかもしれません。



その場でしばらく羽繕いしてから尻を川に向けて少し脚を屈みながら脱糞(@2:03)。
白っぽい液状便が岸壁に付着しました。
同じ日にダイサギによる陸上での排泄シーンを続けて2回(別個体)、撮影することができました。

▼関連記事
屋根で脱糞するダイサギa(冬の野鳥)
いずれも飛んで逃げて着陸した直後に排便しました。
私のこれまでの経験ではダイサギ以外の野鳥では飛び立つ直前に体重を軽くするために脱糞することが多いので、違いが興味深く思いました。
ダイサギのような大型の鳥では飛ぶための軽量化をあまり追求しなくても良いのかもしれません。

川の安全を確認できたダイサギcは、下の川に飛び降りました。(@2:20)
岸壁に沿って下流に歩き、魚を探索しています。
急に空を見上げて身構え、三度(みたび)飛び立ったので何事かと思いきや、もう一羽のダイサギdが飛来しました。(@3:11)
軽い小競り合いのような空中戦になり、すれ違いました。
先住者のダイサギcが迎撃に飛び立ったのに、結局は争いを避けるように上流へ飛び去りました。
後から来たダイサギdが入れ替わりで川岸の雪の上に着陸しました。
川の漁場を巡る縄張り争いなのかな?
生物の縄張り防衛でよく見られる「先住効果」(先住者が勝ち新来者を追い払うことが多い)が今回は無くて後から来た個体(新来者)が勝ったのは、体格の違いがあったのかもしれません。
しかし、映像を見直しても体格差はよく分かりませんでした。

あるいは、先住者ダイサギcがあっさり引き下がった理由は、それまで散々探し回ってこの辺りには魚があまりいないということを知っていたからかもしれません。

日高敏隆『群となわばりの経済学』によると、
・なわばりをめぐる争いは、資源が一様に分布している場合より、固まって分布している場合のほうがおこりやすい。資源のあるところをなわばりとして確保するほうが利益が大きいからである。そういうところに生活する動物は、群をつくるかわりになわばりを守る。(p48より) 
・一般的にいって、動物がなわばりを持つのは、なわばりの収支計算が黒になる場合である。(p56より)


川で出会ったダイサギ同士が小競り合いする結果としてダイサギの群れが川に沿って点々と棲み分けるようになり、各自である区画の縄張りをもっていそうな印象を受けました。
街中を流れるこの川は餌となる魚の量がそれほど豊かではないので、1羽当たりの縄張り流域は長くなることが予想されます。
また、この川で通年見られる顔馴染みのアオサギがこの日は1羽も居なくなっていた点も気になりました。
おそらく冬鳥として渡来したダイサギの群れがアオサギに縄張り争いで勝ち、川を占拠したのだろう、と想像しました。


つづく→川岸で羽繕いし片足で立つダイサギd(冬の野鳥)

(記事を書く順序が逆になりましたけど、フィールドで観察した順序としてはこうなります。)
せっかく縄張り争いで勝ったのに、すぐに魚を探し始めるかと思いきや、川岸でじっと佇んでいるだけでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
野上宏『小鳥:飛翔の科学』を読むと、「争い飛翔」について一章を割いて詳しく解説していました。
その中で繰り返し書いてあった記述が興味深いので引用します。
先に高度をとって速度をつけて襲った側が優位なのは戦闘機と同じ。(p89より)
ダイサギは小鳥とは呼べませんが、今回の映像を見直すと空中ですれ違った瞬間は確かに新来者が相手よりも高度をとり勝っていました。
先住者は空中戦に負けるべくして負けただけかもしれません。


2017/06/08

屋根で脱糞するダイサギa(冬の野鳥)



2017年1月上旬
▼前回の記事
足踏みで川魚を追い出し捕食するダイサギa(冬の野鳥)

撮影アングルを変えて同一個体のダイサギArdea alba)を再び撮り始めると明らかに警戒され、川岸から飛んで逃げました。
しゃがんでから飛び立つと急上昇し、力強く羽ばたいて旋回すると川沿いの民家の屋根に着陸。
屋根の大棟に止まっていたダイサギに少し近づいて対岸からしつこく撮影すると、少しだけ脚を屈めて白い液状便を排泄しました。(@1:16)
こちらに向き直り、屋根でじっと佇んでいます。
雪景色の里山を背景にすると白鷺の姿は全く目立ちません。
見事な保護色のため、AFでピントを合わせるのに苦労します。

つづく→片足立ちで屋根に佇むダイサギa(冬の野鳥)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




2017/06/02

カキノキとツルウメモドキの実を食べるムクドリの群れ(野鳥)



2016年11月中旬

郊外の民家の庭に植えられたカキノキムクドリSturnus cineraceus)の群れが果実を食べに来ていました。
紅葉した葉はほとんど散ってしまっているものの、果実の見た目は熟柿というよりも未だ少し固そうです。

柿の実を啄みながら、ポトリと脱糞しました(@1:31)。
まさに種子散布の瞬間を目撃したことになります。
満足したムクドリは枝から枝へ移動し、嘴を足元の枝に擦り付けています。

後半の映像(@2:59~)では、込み入った枝の奥で柿の実以外の何かを採食している個体が居ます。
あまりよく見えないのですが、枝に絡み付いた蔓植物ツルウメモドキの実を食べているようです。

最後にヒヨドリHypsipetes amaurotis)が一羽で飛来すると、ムクドリの群れは追われてすぐ横の電柱のてっぺんに避難しました。(@3:59~)
ムクドリは数で圧倒しているのに、ヒヨドリに対しては弱いようです。


2017/05/26

川岸から飛ぶ直前に排便するハクセキレイ♀(冬の野鳥)



2016年12月中旬

川岸の遊歩道で夕方、ハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)に来ました。
背中が灰色の♀は特に、辺りの残雪に対して保護色になっていそうです。
飛び立つ前に白い糞をポトリと排泄して、出来る限り軽量化します。
チュチュチュン♪と鳴きながら飛び去りました。




2017/05/21

枝先で脱糞し飛び立つモズ(野鳥)



2016年11月下旬・午前9:50

郊外の庭で落葉したナナカマド?の木の天辺でモズ♂(Lanius bucephalus)を発見。
猛禽類のモズが純肉食性なのに赤い果実を採食したら大発見?…と内心期待しながら息を潜めて見守りました。

モズは枝先で辺りを油断なく見回しています。
頻りに首を傾げる仕草が可愛らしいですね。
朝の陽射しの中で日光浴しているのかもしれません。
すぐ近くでヒヨドリやカラス鳴いているのに、高鳴きなどせずにモズは黙っています。
この辺りは結構賑やかな環境です。
飼い犬が鳴いても車が通り過ぎても鉄道の踏切が鳴っても、里のモズはあまり気にしていないようです。

やがて尾羽を持ち上げたタイミングで白い糞を排泄しました。(@1:29)

最後は細い枝で突然バランスを崩したのか、激しく羽ばたき、そのまま飛び去りました。
結局、赤い木の実は食べませんでした。
まぁ、当然ですね。

【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば

 ほとんど木の実を食べず、昆虫や小動物が餌のモズの冬の生活は、ことのほか厳しい。(p20より引用)




【追記2】
唐沢孝一『モズの話 (1985年) (よみもの動物記)』を読むと「木の実を食べるモズ」と題した章が設けられていて、具体的な観察記録が日本各地から報告されていました。
モズが木の実や芽を食べることは確かで、それも偶然食べたというよりも、かなりの頻度で、どの季節にも食べているらしい。 (p136より引用)



2017/05/11

エゾノコリンゴの果実を採食するヒヨドリの群れ【冬の野鳥】



2017年2月上旬

街中にある旧いお屋敷の立派な庭で、ヒヨドリHypsipetes amaurotis)がとある落葉樹に群がっていました。
雪をかぶった枝に残った丸くて茶色(干し柿のような色)の果実を喋んでいます。
果実の根本はとても細くて長い柄で枝につながっています。
例えるなら、サクランボの実に付いているような柄です。
この柄のせいでヒヨドリはとても食べにくそうな様子でした。
嘴で実をつついても実がブラブラ揺れるだけです。

失敗して、実を落としてしまうこともありました。
ようやく柄からちぎって実を丸呑みできたと思いきや、なぜか種子を吐き出し捨ててしまうシーンが撮れました。(@2:51~3:01)
これでは種子散布の役割を果たしていませんね。(偶々かな?)
最後ヒヨドリは鋭く鳴きながら飛び去りました。



【追記】
映像を見直すと、一羽が採食の合間に排便していました。(ややピンぼけですが左側の個体@1:05)
鳥の糞でよく見る白い液状便ではなく、珍しく黒い固形の便でした。
アングルがあまり良くないのですが、再び脱糞したかもしれません。(@3:05, 3:55)
まさしくヒヨドリによる種子散布の現場を観察できたことになります。


実は初めこの木にヒヨドリだけでなくツグミも来ていたのですが、撮影しようと私が近づいたらツグミは逃げてしまいました。

▼関連記事 
落葉した木に集まるヒヨドリとツグミの混群(冬の野鳥)
あるいはヒヨドリが群れで餌場を占有していたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



この果実の樹種を調べるのに難航しています。
予想が二転三転して現在も調査中です。
撮影中はなんとなくマメガキだろうか?と思いました。
帰ってからは図鑑で少し調べて、エノキかな?と予想を変更。

「エノキの実は甘くてうまい」@『カラスの教科書』p117より
ところが春になって花が咲くと、エノキではなく、桜のような白い花でした。
ズミやエゾノコリンゴですかね?
葉が出るまでもうしばらくお待ち下さい。

次の写真5枚は5月上旬に撮影。



花が白く長枝の葉が中裂しないことから、ズミではなくエゾノコリンゴ(別名ヒロハオオズミ、サンナシ)とようやく判明しました。


次の写真5枚は5月下旬に撮影。
未熟な果実がついていました。


2017/01/08

ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前に下痢便を排泄



▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫とイラガ幼虫の小競り合い・威嚇


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#10


2016年9月中旬

最後の脱皮から6日後、食べて育ったウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫ミズナラの葉裏で主脈に沿って乗り、静止しています。
従来のような黒い固形の糞ではなく白っぽい液状の下痢便を排泄していました。
いよいよ繭を作り始める準備(前兆)でしょう。
泥水のような糞の雫にズームインしてみます。
ついでに、体表の黒い体毛が根元だけ太いことが分かります。
これはウスムラサキイラガ幼虫の特徴で、同属近縁種ムラサキイラガ(Austrapoda dentata)との識別点らしい。

そのまま動かない幼虫(営繭前の眠)を微速度撮影してみました。(@0:37〜)
10倍速の早回し映像で見ると、蠕動していることがよく分かります。
腹端の肛門がヒクヒクしています。
昆虫の心臓である背脈管が背中の中央に沿った表皮の下で激しく拍動しています。

透明な液体を大量に繰り返し排泄しました。
飼育中に私は食樹の葉に霧吹きしていなかったのに、幼虫がこれほど多量の水分を摂取していたことに驚かされます。
初めに見た泥状の糞(軟便)は、もしかするといつもの固形の糞を排便した後に透明の液体で濡れて溶けたのかもしれません。
幼虫が乗っている葉が斜めになっている(水平ではない)ために、下痢便が流れ落ちました。

最後に幼虫は徘徊を始め、隣の葉に移ると営繭場所を探索する長い旅に出かけました。
もう食欲はありません。

つづく→#11


この写真は自動色調補正済み。体表の剛毛は根元だけ太い。



2016/12/24

ミズナラの葉を蚕食し脱糞するウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】



2016年9月上旬
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#5


ウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の亜終齢幼虫は凄まじい食欲でミズナラの葉を貪り続けています。
食害シーンをじっくり微速度撮影したので、100倍速の早回し映像でご覧下さい。

初めは葉先からきれいに律儀に食べ進みます。
葉縁の鋸歯も太い主脈も平気で食べています。
柔らかそうな若葉には拘らず、ミズナラの立派な(大きな)葉でも平気で食べています。
幼虫は葉を食べながら横に移動できるようです。
食痕がほぼ横一直線になるのが面白く思いました。
食べ残しがでっぱった部分に遭遇すると往復して重点的に食べ、他の部分に合わせて一直線にしています。
やがて摂食パターンが変わりました。
横一直線に食べ進むのを止めて、何とも形容しがたい複雑な虫食いパターンになりました。
幼虫が葉上で方向転換する様子がルンバを連想させ、コミカルで可愛いですね。
独特の横歩きが面白い。

ルンバなど掃除ロボットの動きはプログラムで実現されています。
ウスムラサキイラガ幼虫の摂食行動はどのようなアルゴリズムで遺伝的にプログラムされているのでしょう。

背面からの撮影に切り替えると、定期的な脱糞シーンも録画されるようになりました。
(@4:04, 4:14, 4:26, 4:38, 4:49, 5:00, 5:14, 5:26, 5:38, 5:50, 6:01)

マクロレンズで接写していると葉がよく揺れて困るのですけど、必ずしも風のせいではありません。
室内の扇風機を止めても相変わらず揺れるのです。
幼虫が摂食中に葉先で動くせいで葉が揺れてしまうのだと原因が分かりました。
後半はクリップやビニールテープを使って葉をしっかり固定すると、ようやく悩ましい葉の振動が止まりました。


つづく→#6:ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の口元を隠す食事マナー



【おまけの動画】
同じ素材ですが早回し速度を少し変えて、60倍速映像をブログ限定で公開します。



2016/12/23

ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便



2016年9月上旬
▼前回の記事
脱皮後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#4



脱皮して亜終齢になったウスムラサキイラガAustrapoda hepatica幼虫は抜け殻を完食すると、しばらく休んでから食欲が回復したようです。
脱皮した葉裏から隣の葉に移動して、ミズナラの葉を食べ始めました。
それとともに、定期的に排便するようになりました。

脱皮した当日の夜および翌日に撮影した脱糞シーンをまとめてみました。
ラストシーン(@3:25〜)だけは、10倍速の微速度撮影で監視中に撮れたもの。
夜間(室温29℃、湿度57%)は約45分間隔で規則的に排便していました。
肛門がヒクヒクするのが排便の前兆です。
腹端を持ち上げてポトリと脱糞します。
丸い糞が勢い良く放出されます。
これまで様々な種類のイモムシを飼育してきましたが、幼虫の糞の断面は腸の形状を反映したロゼッタ状になるのが普通です。(※追記参照)
一方、ウスムラサキイラガ幼虫の糞は球形で、奇異な印象を受けました。
終齢になれば腸内の襞も発達して糞の形も変わるのでしょうか。

つづく→#5:ミズナラの葉を蚕食し脱糞するウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】



※【追記】

盛口満『昆虫の描き方: 自然観察の技法II』p102~103によると、
イモムシは小さな体で、栄養価の低い植物の葉から、できるだけ栄養を吸収できるような工夫が必要となる。そのためイモムシは大食漢であったりするが、そのほかにも、栄養吸収の効率をよくするために、腸の断面積を大きくする工夫をしている。イモムシの糞は断面が花のような形になっているのは、このためだろう。






2016/12/08

鳥糞を舐めつつ排尿するルリシジミ♂



2016年8月下旬

峠道の路上で2頭のルリシジミ♂(Celastrina argiolus)およびムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が群がっていました。
ルリシジミが口吻を伸ばして舐めているのは、白っぽい鳥の糞が付着した小石でした。
吸汁しながらときどきルリシジミが透明な液体を排泄しました。


▼関連記事鳥の糞に群がるシホンハマダラミバエとルリシジミ

ムネアカオオアリが集まっている辺りにはおそらく獣糞や死骸があったのだろうと推測しましたが、どうでしょうか。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく






2016/12/07

セスジスカシバ(蛾)飛び立ち前の準備運動と脱糞【ハイスピード動画】



2016年8月下旬・午後

峠道の道端に生えた木苺の葉表にセスジスカシバPennisetia fixseni fixseni)が乗って休んでいました。

240-fpsのハイスピード動画で撮りながら指を近づけると、触れる前に飛び立ちました。
しかし飛翔力が弱くて、横の茂みにもんどりうって落下しました。
現場では擬死落下かと思ったぐらいです。
準備運動しないと緊急避難時にうまく飛べないようです。
(気温を測るべきでしたね。)
身を守る自衛戦略としては、蜂の威を借りるベーツ擬態に依存しているのでしょう。
キイロスズメバチにそっくりです。

今度は下のクズの葉に乗っています。
再び蛾に指を近づけると、準備運動の羽ばたきを開始。
やがて、持ち上げた腹端から白い液状の糞を勢い良く排泄しました(噴射、糞射@2:00)。
離陸直前に少しでも軽量化を図ったのでしょう。
アイドリングの準備運動で充分に体温が上がるとようやく飛び立ちました。
今度はちゃんと飛んで逃げ、行方を見失いました。



2016/11/20

ヒヨドリ幼鳥が樹上に集まり羽繕い



2016年8月中旬

ウメ(白梅)の樹上に3羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が寄り添うように並んでいました。
どうやら換羽中の幼鳥らしく、頭部の羽毛がボサボサ、ホヤホヤです。
換羽中は痒いのかもしれません。
各自で頻りに羽繕いするものの、相互羽繕いはしませんでした。
嘴の根元の側面(目頭の下)に白線が入っているのは、おそらく親鳥からの給餌を誘発する目印ではないでしょうか。
一番左で羽繕いしていた個体は明らかに他の2羽(同腹の兄弟姉妹?)よりも発育が遅れています。
この個体が脱糞した直後に、なぜか枝から飛び立ちました。(@2:26)
カメラに気づいていた素振りはないので、巣立ちなのかと思ってしまいました。

近くにヒヨドリの巣があるのかと気になります。
撮影直後に探しに行ったものの、見つかりませんでした。
私が地上から白梅の木に不用意に近づいたら、2羽のヒヨドリ幼鳥は警戒声を発して飛び去ってしまいました。(映像無し)
私がもう少し辛抱強く隠し撮りしていれば、親鳥が飛来して巣立ち雛に給餌したかもしれませんね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




【追記】
川内博『大都会を生きる野鳥たち』によると、
ヒヨドリの雛は他の鳥より巣にいる期間が短く、まだ翼や尾が生えそろわず飛べない状態で巣から出ていく。(中略)巣内での育雛期間は、小鳥の場合ふつう2〜3週間だが、ヒヨドリは10〜11日で巣立っていく。(p149より引用)



【追記2】
水野仲彦『野鳥のくらし:卵から巣立ちまで』を読むと、「庭の梅の木の巣から7月中旬に巣立ちした2羽のヒヨドリ幼鳥」の写真が掲載されていました。(p15)
「幼鳥は尾羽根が短い」とのことです。
さすが達人は見ているポイントが鋭いですね。




2016/11/01

サカハチチョウ夏型の吸水と排尿



2016年7月下旬

沢の水が流れ込んで濡れている路面に夏型のサカハチチョウAraschnia burejana)が来ていました。
半開きの翅を開閉しながら徘徊すると、口吻を伸ばして泥から吸水を始めました。
泥からミネラル成分を摂取しているのでしょう。
吸水しながらときどき腹端から透明な液体を排泄しています。

一緒に来ていたコチャバネセセリと比べると、サカハチチョウ夏型は鈍感で撮影が楽でした。
この水場では他にキタテハも吸水に来ていたのですが、逃げられて撮り損ねました。





2016/10/30

ヨシゴイ♂(野鳥)が池の水を飲み脱糞



2016年7月下旬・午後16:50

東北地方南部の梅雨明けが宣言された日の夕方に溜池で観察していると、ヨシゴイ♂(Ixobrychus sinensis)が岸辺のヨシ原に飛来しました。
頭頂部が黒いので♂成鳥です。
水面に嘴を付けてから頭を持ち上げる動作を何度も繰り返し、水を飲んでいます。
つづいて白い液状の糞を池に排泄しました。(@0:53)
水洗トイレですね。

軽く飛んで水辺から葦原に戻ると、長い茎から茎へ渡り歩きながら、獲物を探し始めました。
途中で再び水辺に降りて嘴を水でゆすぎました。(@1:30)

後半は手前の水面をカルガモが2羽横切ったり、一羽のアオサギがいつの間にか溜池に飛来したりしたので、私はそちらに気を取られてしまいました。
互いに顔馴染みらしく、3種の水鳥は互いに無関心でした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


頭頂部が黒いので♂




2016/10/29

ルリシジミの吸水と排尿【HD動画&ハイスピード動画】



2016年7月下旬

沢の水が流れ込んで泥濘になった路上でルリシジミCelastrina argiolus)が吸水していました。
口吻の先を泥に差し込み、触角を緩やかに上下しています。
あちこち歩き回るのではなく、とにかく一箇所にじっとしています。
ときどき腹端を少し下げて黄色っぽい透明の尿をポタリと排泄します。
大量に水を飲んで泥に含まれるミネラル成分を摂取しているのでしょう。

おしっこは勢い良く噴射するのではありませんが、滴り落ちる排尿シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@5:09〜5:44)

常に翅をしっかり閉じているので、翅裏しか見えません。
飛び立つ瞬間をハイスピード動画に撮れば翅表の色で性別判定できるはずだ、と思いついた時には残念ながら居なくなっていました。






2016/10/27

コチャバネセセリ♂の吸い戻し(吸水と排尿)



2016年7月下旬

峠道の登り口で沢の水が流れ込んで常に路面が濡れている場所があります。
夏になるとここは蝶たちにとって格好の水場になるので、通りかかる度に何が来ているのか楽しみな観察スポットです。
道端の泥になっている部分は、もしかすると獣糞が少し混じっているのかもしれません。

まず初めに夏型のコチャバネセセリ♂(Thoressa varia)を紹介します。
ヒトの気配にかなり敏感で、すぐに飛んで逃げてしまいます。
おそらく同一個体が繰り返し水場に飛来していたので、私もかなりしつこく粘って吸水と吸い戻しの撮影に成功しました。
大量に飲んで排尿するだけなら夏のビアガーデンでヒトがよくやっていますね。
コチャバネセセリ♂はときどき腹部を前方に強く曲げて透明な液体を排泄していることが分かります。
泥や汚物に含まれるミネラル成分を摂取しているのですが、おしっこをかけて泥を溶かしながら吸水する行動がセセリチョウ科に特有の吸い戻しです。

濡れた路上を歩き回り朽木の欠片を見つけると、吸い戻しを開始。
再び少し歩いて、路上で吸水と排尿を続けます。



【追記】
『チョウのはなしI』p143によると、
セセリチョウ科の吸いもどし行動のことを述べておきます。これは、自分の排泄物そのもの、あるいは鳥獣糞に排泄物をのせて成分を溶解させて吸う行動です。その生理的な意味はまだよくわかりませんが、おそらくチッ素分の補給のためなのでしょう。






2016/10/06

高圧線の鉄塔で鳴いて♀を呼び寄せるノスリ♂(野鳥)



2016年7月上旬・午後16:07〜16:17

▼前回の記事
高圧線の鉄塔から見張るノスリ(野鳥)

一週間(7日)ぶりの定点観察に行くと、郊外の田園地帯に立つ高圧線の鉄塔c
#23ノスリButeo japonicus)と思われる猛禽類がこの日も居ました。
今回は大きな進展がありました。
いつものようにてっぺん近くの鉄骨に止まっていましたが、珍しく西を向いて眼下の水田を見下ろしています。
まず後ろ姿を撮ってから少し移動し、真横からのスナップショットも撮りました。

鉄塔のノスリ♂がピーエ、ピーエ♪と甲高い声で繰り返し鳴き始めました。(@0:56)
嘴の動きと鳴き声が同期している(リップシンクロ)ので、この個体の鳴き声で間違いありません。
これが囀りだとしたら♂

突然、左の方から別個体の猛禽が飛来し、鉄塔の同じ高さに止まりました。(@2:32)
つがいの♀を鳴いて呼び寄せたのでしょうか?
若鳥や親子の可能性もありますかね?
2羽の体長を比べたいのですが、鉄骨が邪魔ですし、近くに並んでくれません。

オスよりもメスの方が大型になる。背面は褐色、腹面は淡褐色の羽毛に覆われる。喉の羽毛は黒い。(wikipedia:ノスリより)
鳴いていた♂は後ろを向いているため、初めは気づいていない様子。
ようやく振り返って見て、♀に声をかけました。
右側の♂が鳴き方を変えて柔らかい鳴き声になりました。
求愛の鳴き声なのかな?
左側の個体(♀?)は鉄塔で身震いし(@3:26)、次に尾羽を持ち上げ脱糞しました。(@3:48)
不意に左側の個体(♀?)が鉄塔からフワリと飛び立ちました。(@4:26)
羽ばたく際に翼下面の特徴を確認できて、ノスリと判明。
すぐに旋回して飛び去りました。

一方、♀を見送った♂は鉄塔に居残り、さえずり?を再開。
どうやら遠くの別個体と鳴き交わしているようです。
鉄塔下の地上(民家の庭)で採食中のハシボソガラスCorvus corone)を2羽見つけました。(@5:02)
一つ隣の鉄塔dで営巣しているつがいかもしれません。
いつも不思議に思うのは、カラスが巣の近くで暮らしているノスリに対してモビング(擬攻撃)に向かったり追い払ったりしないことです。
何か特別なカラス撃退法を身につけた手強いノスリなのでしょうか?

ちなみに、この鉄塔cをいくら探しても鳥の巣は見当たりません。
ノスリもカラスも営巣していないのです。
ノスリは近くの防風林で営巣していそうですけど、未確認です。

鉄塔の横の道を更に歩いて、最後はノスリの前から撮りました。
西日を浴びて未だピーエ♪と甲高く鳴いています。


ノスリ♂の鳴き声を声紋解析してみる?







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