ラベル 哺乳類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 哺乳類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024/04/08

夜の二次林でニホンアナグマの母子が散開して各々で採食【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年7月中旬〜下旬 

シーン0:7/13・午後13:31・晴れ・気温37℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・くもり(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
いくら猛暑とは言え、気温データはさすがに異常値かもしれません。 
ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン2:7/13・午後20:45・気温21℃(@0:07〜) 
ある晩、アナグマの母子が生まれ育った懐かしの営巣地に戻ってきました。 
母親♀が引率すると言うよりも、元気いっぱいの幼獣が先陣切って夜の森を走ってきたようです。
幼獣3頭が左から来て巣口Lの匂いを嗅ぎ回り、中に入りかけたものの、すぐに出てきました。 
相次いで左へ向かうと…。 


シーン3:7/13・午後20:45(@1:07〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣穴Rは、入り口が更に左右2つに別れています(巣口RlとRr)。 
3頭の幼獣が巣口RlとRrへの出入りを繰り返しています。 
そこへ左から4頭目の幼獣が登場し(@1:26〜)、巣穴Rlに入りました。 
これで当年仔の兄弟姉妹が勢揃いしました。 

最後にようやく成獣の母親♀が左から登場。(@2:05〜) 


シーン4:7/13・午後20:47(@2:07〜) 
幼獣2頭が奥の林縁を探索しています。 
巣口Rの広場を徘徊していた幼獣が細い蔓につまづいて、蔓とつながっているマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の枝葉がざわざわと揺れました。(@2:30〜) 
その物音に反応したように、母親♀が巣口Rから外にひょっこり顔を出しました。 
奥の林縁まで偵察に行ってから、巣口Rに戻ってきました。 
この母親♀は、左右の目の大きさが不均一(右目<左目)なのが特徴です。 


シーン5:7/13・午後20:48(@3:07〜) 
幼獣1頭が巣口Rに留まり、残る3頭は各々がうろついて餌を探しているようです。 
成獣♀が出巣Rすると(@4:00〜)、右にのそのそ歩いて行きました。 
離乳後も横向きになると、乳房と乳首が確認できます。 


シーン6:7/13・午後20:51(@4:07〜) 
画面の右端を幼獣?が右へ立ち去りました。


シーン7:7/13・午後20:53(@4:14〜) 
右エリアで幼獣1頭が林床の落葉の匂いを嗅ぎ回っています。(探餌徘徊) 
落ち葉の下に隠れた小さな虫やミミズなどを次々に捕食しているのでしょう。 
右からもう1頭の幼獣が戻ってきました。 
更にもう1頭の幼獣が右から戻ってきて、巣口Rに向かいます。 


シーン8:7/13・午後21:03・気温28℃(@5:14〜) 
別アングルに設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
母親♀が先導して獣道を歩き去り、右奥の二次林へ消えました。 
 幼獣3頭は各自がてんでバラバラに探餌徘徊しています。 
どうも1頭の幼獣がいつも他の兄弟姉妹とは別行動をしているような気がします。 
独立心が旺盛な個体なのか、それとも母親♀のそばを離れたくないのかな? 

アナグマの母子は夜の林内で散開して各自が採食しているとは言え、離れ離れにはならず緩い群れ(家族群)を形成しています。
暗闇の中でニホンアナグマの母子は迷子にならないようにどうやって互いの存在を確認しているのでしょう。 
耳を澄ませても、アナグマの鳴き声(ジェジェジェビーム♪?)は聞き取れません。 
ニホンザル(昼行性)の場合、見通しの悪い森の中を採食しながら遊動する群れは、コンタクトコール♪(クーコール♪)という独特の鳴き声をときどき小声で発して、群れの仲間の位置関係を把握しています。 


シーン9:7/13・午後21:05・(@6:14〜) 
アナグマ母子が夜の森で散開して採餌する様子を5倍速の早回し動画でご覧ください。 
行方が分からなかった幼獣1頭が左から現れ、兄弟姉妹と合流しました。 


シーン10:7/13・午後21:07・(@6:26〜) 
うっすらと夜霧がかかり始めたようです。 
最後の個体が奥の茂みに消える後ろ姿だけ写っていました。 
そしてセットには誰も居なくなりました。 

アナグマ母子は旧営巣地の巣穴に全員で入って中で寝ることはありません。 
基本的に夜行性なので、採餌活動のついでに旧営巣地に立ち寄っただけなのでしょう。 


シーン11:7/17・午前3:00・気温22℃(@6:38〜) 
4日後の深夜未明に、再びアナグマ母子が旧営巣地に戻ってきました。 
左から先頭切って登場したのは幼獣です。 
巣口Lを点検したものの中には入らず。辺りをうろついています。 


シーン12:7/17・午前3:12(@7:11〜) 
巣口R付近を幼獣1頭が徘徊しています。 
巣口Rから斜め左に伸びるマルバゴマキの細い灌木にキリギリス?バッタ?が止まっていて、ゆっくり移動しています。 
たまたま幼獣が顔を近づけたら、バッタ?はピョンと跳んで奥へ逃げました。(@7:42〜) 
幼獣は暗闇で獲物の存在に気づいていない様子でした。 
夜行性のアナグマは、視覚ではなく嗅覚や聴覚を頼りに虫やミミズを捕食するのでしょう。 
幼獣は逃げたバッタ?の後を追うでもなく、左へ立ち去りました。 


シーン13:7/17・午前3:13・気温25℃?(@8:10〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
この幼獣個体は、単独行動を好むようです。 


シーン14:7/17・午前4:01・(@8:20〜) 
奥の林縁に居た幼獣2頭がなぜか慌てて走り出し、続けざまに巣穴Rに飛び込んで中に避難しました。 
外敵が現れたのでしょうか?
そこへ母親♀が右から早足で登場。 
巣口Rの匂いを嗅いでいると、中から幼獣が出迎えました。 


シーン15:7/22・午前4:29・気温18℃(@9:11〜)日の出時刻は午前4:30。 
5日後の明け方に成獣が単独で右から登場しました。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、手前へ向かってきます。 
どうやらヘルパー♂のようです。


シーン16:7/22・午前4:29(@9:24〜) 
続きは別アングルの監視カメラで撮れていました。 
ヘルパー♂は旧営巣地の巣口LRには立ち寄らず、奥の二次林を右奥に歩き去りました。 
今のところ、母子の群れの採餌行動にヘルパー♂は同行しません。 

2024/04/07

アナグマの旧営巣地を通りすがりに点検するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2023年7月中旬〜下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地に出没するようになったホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 


シーン0:7/13・午後13:31・晴れ・気温37℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・くもり・(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
酷暑とは言え、気温データはさすがに異常値かもしれません。 
新旧2台のトレイルカメラでアナグマの旧営巣地(セット)を見張っています。 


シーン2:7/14・午後13:45・気温22℃(@0:07〜) 
明るい日中なのに、新機種のトレイルカメラがなぜかモノクロで起動しました。 
小雨が降る中、単独で来たタヌキが左から右へ横切りました。 
巣口Lの横で立ち止まって左後脚を上げながら細いマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木の根本に排尿マーキングしたような気もしますが、アングルがいまいちで、はっきりしません。 
後ろ姿をしっかり見せてくれなかったので、尻尾の黒班による個体識別もできませんでした。 


シーン3:7/16・午後19:52(@0:23〜) 
2日後の晩に、奥の二次林からタヌキがやって来ました。 
巣口Rの匂いを嗅いでから右へ立ち去りました。 

約40秒後、野ネズミ(ノネズミ)が巣穴Rから現れました。(@0:42〜)
巣外に出てきかけたものの、警戒してすぐに引っ込みました。 
巣穴Rに出入りする野ネズミをしっかり撮れたのは、初めてかもしれません。 


シーン4:7/17・午前3:15(@0:49〜) 
日付が変わった深夜未明にセットから奥の灌木林へ立ち去る野生動物の後ろ姿が写っていました。 
おそらくアナグマではなくタヌキだと思うのですけど、出巣Rの瞬間を撮り損ねたのかな?


シーン5:7/19・午前1:29・気温23℃(@1:00〜) 
2日後の深夜にもタヌキが登場。 
左から来たタヌキが巣口Lを慎重に覗き込んで匂いを嗅いでから、左へ引き返しました。 

奥に見える常緑のヒメアオキ群落で白く光る目が動いています。 
タヌキのパートナーが茂みの陰の獣道で待っているのかと初めは思ったのですが、どうやら野ネズミのようです。 


シーン6:7/19・午前1:28(@1:24〜) 
別アングルに設置した新機種のトレイルカメラで続きのシーンが撮れていました。 
左下から登場したタヌキが巣口Rの横を通り過ぎ、右へ立ち去りました。 


シーン7:7/19・午後23:01(@1:40〜) 
小雨がぱらつく深夜にタヌキが巣口Rを点検しに来ていました。 
匂いを嗅いだだけで中には入らず、奥の二次林に立ち去りました。 


シーン8:7/22・午前2:11・気温19℃(@1:54〜) 
3日後の深夜未明にホンドタヌキが登場。 
巣口Lには立ち寄らず、左から右奥へ立ち去りました。 
尻尾の中央部に滴状の黒班▼がある個体のようです。 


【アフィリエイト】 


【考察】 
アナグマの掘った巣穴にタヌキが出入りするシーンをこの時期は撮れなくなりました。 
どうやらこの営巣地は、誰も住んでいない空き巣状態になったようです。 
(巣穴への出入りが早過ぎて、トレイルカメラが撮り損ねているだけかもしれません。)

空き巣のニッチを埋めるように野ネズミが大っぴらに巣口LRへ出入りするようになったかと言うと、意外にもそれほど登場頻度は上がっていません。 

右後脚を怪我して跛行するタヌキ個体はその後、監視カメラに写らなくなりました。
ここに来なくなったのか、それとも足裏の負傷(ノイバラの棘をうっかり踏んだ?)から回復して正常に歩けるようになったのか、私には区別できません。




2024/04/06

夜の旧営巣地で延々と取っ組み合いをして遊ぶニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月中旬 

アナグマの幼獣同士による夜の兄弟喧嘩シーンをまとめてみました。
本気の闘争ではなく、遊びの格闘ごっこでじゃれ合っているだけです。
疲れを知らない幼獣同士の格闘遊びは、見ていて微笑ましいです。 


シーン0:7/13・午後13:31・晴れ・気温37℃(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
猛暑とは言え、気温データはさすがに異常値かもしれません。 
新旧2台のトレイルカメラでニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地を見張っています。 


シーン2:7/13・午後20:55・(@0:07〜) 
アナグマの母子(幼獣4頭と母親♀)が生まれ育った旧営巣地にある晩、一時帰還したときの様子です。 
ある幼獣が巣口Rを飛び越えると、近くの別個体幼獣に襲いかかり、一緒に穴へ転がり落ちました。(@0:51〜) 


シーン3:7/13・午後20:57・(@1:07〜) 
幼獣2頭が巣口Rで取っ組み合いを続けています。 
鳴き声はほとんど聞き取れませんが、互いに甘噛みしたり前脚で押さえつけたりしているようです。 


シーン4:7/13・午後20:59・(@2:07〜) 
つづき。
格闘中にワンッ♪と鳴く声(吠える? 唸る?)がかすかに聞こえました。 
巣口Rから離れようとする個体に後ろから追いすがって、しつこく取っ組み合いを続けます。 


シーン5:7/17・午前3:06・(@3:07〜) 
4日後の深夜未明にも暗闇で幼獣同士が兄弟喧嘩(姉妹喧嘩?)していました。 
広場の奥の林縁で幼獣2頭がもつれ合っています。 
1頭が左奥に一旦離れたのに、もう1頭が追いかけて再び取っ組み合いを仕掛けます。 
ようやく格闘遊びを止めて、巣口Lの方へ向かいました。 


シーン6:7/17・午前3:06・気温24℃?(@3:47〜) 
続きは別アングルの監視カメラで撮れていました。 
幼獣2頭が格闘しながら、巣口Lにもんどり打って転がり込みました。 
相手の首筋に噛み付いてぐいぐい引っ張っています。 
これは♂の幼獣が交尾の練習をしているのですかね? 
(私には幼獣の性別が外見で区別できません。) 
ピョンピョン跳ねるように相次いで左へ走り出し、巣口Rへ向かいました。 


シーン7:7/17・午前3:07(@4:25〜) 
一旦離れてクールダウンしたのに、巣口Rでまた格闘遊びが再開しました。 


シーン8:7/17・午前4:00・気温23℃(@5:25〜) 
約50分後に巣口L付近で幼獣の取っ組み合いが再び勃発しました。 
1頭が巣口Lに転がり落ち、なかなか外に出てこなくなりました。 
さすがに疲れてきたようです。 
1頭の幼獣がアクセストレンチLに座って毛繕いをしていると、もう1頭が巣穴Lから外に出てきて、格闘遊びが再開しました。 

後半はニホンアナグマの母親♀の姿が写っていませんが、旧営巣地で遊んでいる幼獣の近くで採食していると思われます。 
母親は幼獣同士の格闘遊びに全く干渉しませんし、仲裁に入ることもありません。
格闘遊びがエスカレートして本気で相手に噛みついたり怪我したり泣き出したりすることがないのが、ヒト幼児のプロレスごっことは違って興味深く思いました。

夜の暗闇でもアナグマ幼獣は格闘の相手がしっかり見えているようです。
それとも聴覚や嗅覚だけで格闘遊びが可能なのでしょうか?


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




2024/04/05

獣道に片方だけ捨てられた古い長靴の謎

 



2023年7月上旬・午後14:05頃・晴れ 

休耕地にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の営巣地を久しぶりに見に行こうとする途中で、林縁の獣道にボロボロになった古いゴム長靴が片方だけ転がっているのを見つけました。 
近隣の家から親タヌキが盗んできたのでしょう。
履いたヒトの足裏の匂いで親タヌキが獲物(死肉)と誤認して持ち帰ったものの、結局は食べられずに子ダヌキが遊ぶ玩具になったのだろうと思われます。 
逆に、野外で古靴が不自然に落ちていたら、近くにタヌキやキツネなど野生動物の巣穴があるというフィールドサインになるかもしれません。

二次林を抜ける獣道の横は、下生えにノイバラの群落が密生しているのが動画でも見えています。
ノイバラの藪は鋭いトゲだらけで歩きにくいのですが、たまにタヌキもうっかりノイバラの棘を足で踏んでしまうのではないかと推察しています。




原っぱで複数の巣穴を見て回っても、タヌキ幼獣の姿はもう見られませんでした。
なんとなく、タヌキの古巣をアナグマ家族が乗っ取ったのでは?という気がするのですけど、確かめたくてもトレイルカメラを設置できません。
雑草の生い茂った夏の休耕地とトレイルカメラは相性が悪くて使い物にならないのです。
巣穴の横に普通に三脚を立ててトレイルカメラを設置すれば撮れそうですけど、三脚を原っぱに長期間放置すると通行人から目立ってしまいます。
カメラを盗まれたりタヌキの巣穴が第三者にばれたりするトラブルを避けるために、自重しています。
人目につかない夜だけ三脚の高さが自動的に高くなり、昼間は低くなって草むらに紛れる装置があれば良いのですが、自作するしかなさそうです。

休耕地や林内に不法投棄されたゴミを悪戯盛りのやんちゃな子ダヌキが食いちぎって遊んだりしているようです。
プラスチックなどの不燃ごみはいつまで経っても自然分解されません。
あまりにも散らかって見苦しいですし、野生動物が誤飲して健康を害する可能性があるので、ゴミを少しずつ拾って持ち帰ることにしました。








余談ですが、7月中旬に里山の細い林道で履き古した黒いスニーカーが片方だけ放置されていました。
登山客が山中に靴を片方だけ落として忘れるなんてことは有り得ません(あったとしたら、事件性を帯びてきます)。
おそらく野生動物が麓の里から盗んできたのだと推察しました。
この辺りに巣穴があるのでしょうか?

この古靴を何気なく裏返してみたら、無数のアリ(種名不詳)が下からわらわらと這い出てきました。
羽アリも混じっていました。
靴の下で営巣していたようです。
暑い真夏の山行でバテていた私は、アリの観察をする余力がありませんでした。
このスニーカーも自然界では分解されないゴミですから、アリには気の毒ですけど、拾って持ち帰りました。








2024/04/04

夜に一時帰還した旧営巣地で幼獣に毛繕いしてやるニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月中旬 

どこか別の巣穴に転出したニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の母子が、生まれ育った営巣地(セット)に夜もときどき一時帰還するようになりました。 
採餌徘徊のついでに立ち寄るようです。
相変わらず、ヘルパー♂は付き添っていません。 
母親♀が幼獣に対他毛繕いするシーンをまとめてみました。 

シーン0:7/13・午後13:31・気温37℃(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
2つのアングルから巣穴L、Rをそれぞれ監視してます。 


シーン2:7/13・午後20:49・(@0:07〜) 
画面の右で母親♀が1頭の幼獣の毛皮を舐めてやっています。 
対他毛繕いが済むと、♀だけ右へ立ち去り、幼獣2頭が巣口Rの匂いを嗅いだり付近をうろついたりしています。 


シーン3:7/13・午後21:02・気温22℃(@0:49〜) 
母親♀が先頭に立って獣道を右へ歩き始めました。 
横から見ると、腹面に乳首が見えます。 
立ち止まって体をボリボリ掻きました。 
次にその場で仰向けになり、毛繕いを始めました。 
そこに近寄ってきた幼獣を舐めてやります。 
幼獣たちはもう乳離れしているようで、各々が採餌しています。 


シーン4:7/17・午前2:59・(@1:49〜) 
4日後も夜にアナグマ母子が現れました。 
まず先に旧営巣地(セット)に到着した幼獣2頭が巣口Rを点検しています。 
奥の二次林から母親♀が遅れてセットにノソノソと登場。 
この個体は、暗視映像で見ると左右の目の大きさが不均等(右目<左目)なのが特徴です。 
離乳後も、腹面の乳房・乳首が発達しています。 

先に来ていた幼獣に巣口Rで♀が対他毛繕いをし始めたものの、遊びたい盛りの幼獣は左に駆け去ってしまいました。 
別個体の幼獣が暗闇で突進したら、垂れ下がる蔓に頭が引っかかって揺らしました。(@2:20〜) 
何事かと♀が振り返ってその幼獣を気遣います。 


シーン5:7/17・午前4:04・(@2:38〜) 
巣口Rで母親♀(右目<左目)が幼獣2頭に対他毛繕いしています。 
もう赤ちゃんじゃないので排泄の世話をする必要はなくなったと思うのですが、♀は幼獣の腰や尻の辺りを重点的に舐めてやります。 


シーン6:7/17・午前4:06・(@3:39〜) 
広場の奥の林縁に移動した♀が幼獣に対他毛繕いをしています。 
幼獣もたまにお返しで母親に毛繕いしているようです(相互毛繕い)。 
最後、アナグマの母子は右へ立ち去りました。 
戻ってこなかったので、アナグマ一家が昼間に休む巣穴はここではないことがはっきりしました。

夜明け前の暗い林内でヒグラシ♂たちが、カナカナカナ…♪と一斉に鳴き始めました。 
日の出時刻は午前4:26。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。



2024/04/03

怪我した右後脚をかばって3本足で痛々しく跛行するホンドタヌキ♂が排尿マーキング【トレイルカメラ】

 



2023年7月中旬・午前5:25頃・気温21℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)に、ある朝早くホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の♀♂ペアがやって来ました。 

シーン0:7/7・午後16:21(@0:00〜) 
数日前の明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン1:7/13・午前5:23(@0:04〜) 日の出時刻は午前4:24。 
巣口Rを覗き込んで匂いを嗅いでいる個体は、後ろ姿の股間に睾丸が見えるので♂と分かりました。 
驚いたことに、この♂個体は右後足を地面に付けないように、3本足で痛々しく跛行していました。
酷い怪我をしているのでしょうか? 

その間、♀と思われるパートナーが画面の右端で待っています。 
奥の二次林内で合流した2頭が仲良く相互毛繕いを始めました。 


シーン2:7/13・午前5:25(@0:48〜) 
タヌキの♀♂ペアは再びアナグマの旧営巣地に出てくると、巣穴Rを避けるように、左へ立ち去りました。 
健常な♀が先行し、後続の♂が3本足でひょこひょこと跛行しています。 


シーン3:7/13・午前5:26・気温21℃(@1:04〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラで続きが記録されていました。 
後続個体♂が、通りすがりに立木(樹種不明)の匂いを嗅いでから幹に排尿マーキングしました。 
怪我している片足(右後脚)を上げた姿勢のままで小便しました。 
排尿姿勢からも、この個体は♂であることが分かります。 

二次林内の獣道を辿って2頭のタヌキ♀♂が前後して立ち去ります。 
ハンディキャップがあっても、健常個体♀に遅れを取らず(遜色なく)ついていけてるようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
タヌキ♂右後脚の怪我について。
負傷の原因は不明ですが、夜の車道で交通事故に遭ったとしたら、こんな軽傷では済まないでしょう。 
この二次林にはノイバラの群落があちこちに自生していて、私も薮漕ぎする度に衣服に引っかかってかぎ裂きになったり手足に刺さって出血したりと、難儀しています。 
今回のホンドタヌキ♂も獣道でノイバラの棘をうっかり踏んで足の裏に刺さり、化膿してしまったのではないか?と推察してみました。 
先天的な奇形の可能性も考えられます。 
このまま定点観察して、跛行の症状が回復すれば、奇形の可能性は除外できるはずです。 

同一個体が数百m離れた溜め糞場でもトレイルカメラに写っていました。


農作物が野生動物(害獣)の食害を受ける問題が近年、深刻になっています。 
農地を電気柵で囲うなどの対策が取られています。 
今回の件で思いついたのですが、農地の周囲に棘のある低灌木をびっしり植えて生垣としたり、大量の棘だらけの落枝を地雷原のように地面に並べておけば、野生動物の侵入を防げるかもしれません。 
逃げる忍者がまきびしをばら撒いて追手を食い止めるのも同じ発想です。
草食動物の食害から身を守るために鋭いトゲを進化させた灌木には、ノイバラやウコギ、タラノキなどがあります。
(ただし、シカやイノシシなど有蹄類は茨の道を平気で歩けそうです。) 
農作業をするヒトは厚底の靴を履いて農地に出入りすれば良いのです。 
ノイバラの生垣がなぜ「失われた知恵」になってしまったのでしょうか?
今となっては「いばらの道を歩く」という慣用句にしか使われていません。
考えてみると、隙間なく生垣を植栽するのが面倒なので、便利な有刺鉄線が発明されたのでしょう。 
私が子供の頃、有刺鉄線は「バラ線」と呼ばれて現役で使われていました。 
それでも害獣への防除効果が薄いために、現代の電気柵に取って代わられたという歴史がありそうです。 
電気柵は周囲の草木に接触して漏電したり電池切れしたりすると、防除効果がゼロになります。 
電気柵の欠点を補うために、もし余裕があれば、農地の周囲にトゲのある生垣を少しずつ復活させるのもエコかもしれません。 (温故知新)
農地を囲う生垣を隙間なく完全に作るのは大変ですが、一部だけでも野生動物の侵入経路を限定することができそうです。
ウコギタラノキを植えれば、山菜として食用にもなります。
キイチゴ類は甘い果実を提供してくれるでしょう。


私が観察しているアナグマの営巣地には大量の落枝が散乱しています。 
落枝をきれいに始末しないアナグマはずぼらな性格なのだと思っていました。
落枝の中に実は、ハリギリ(別名センノキ)という、幹にたくさんの棘が並ぶ木の若い倒木が含まれていました。 
アナグマも巣穴に出入りする度にハリギリ倒木の棘を踏みそうになっていたので、良かれと思って私は勝手に取り除いてしまいました。 
巣穴を監視するために設置したトレイルカメラの画角をハリギリ倒木が遮って撮影の邪魔になる、という理由もありました。
今になって考えると、天敵や不法侵入者への防犯装置として有効だったかもしれません。 
アナグマが棘だらけのハリギリ倒木をわざわざ巣穴の近くまで引きずってきたとしたら、面白いですね。 
アナグマの防犯装置を勝手に取り除いた私は、余計なお世話というか、悪いことをしてしまったかもしれません。 
しかし、私が横にどけたハリギリ倒木をアナグマが再び元に戻すことはありませんでした。 
生まれてきたアナグマの幼獣は、ハリギリの倒木を踏まないように避けて歩くよう学習しないといけません。 
アナグマの母親♀が引率して森を案内する際に、幼獣に教えるのでしょうか。
残念ながら、その過程を観察できませんでした。 



2024/04/02

後足で立ち上がるニホンアナグマ幼獣の謎【トレイルカメラ】

 



2023年7月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の母子が久しぶりに生まれ育った営巣地(セット)に一時帰還した日に、幼獣が後足で立ち上がる謎の行動が何度も見られたのでまとめてみました。 


シーン1:7/9・午前6:24(@0:00〜) 
レンズに雨の水滴が付着しているのか、夜が明けたのに、画面全体がやや曇っています。 
赤丸で囲った幼獣個体に注目してください。 
後足で立ち上がると、灌木の細い幹に前足を掛けました。 
樹上に気になる虫でも見つけたのでしょうか? 
枯れ木で枝葉が付いてなかったので、巣材集め行動の萌芽とは考えにくい気がします。 


シーン2:7/9・午前6:32・気温23℃(@0:20〜) 
母親♀が幼獣4頭を引率して獣道を辿り、右上奥の灌木林へ向かっています。 
道中で1頭の幼獣が立ち止まると、立木に前脚を掛けながら後足で立ち上がりました。 
この立ち木にはたまにタヌキが通りがかりに排尿マーキングしているので、その匂いに反応したのかもしれません。


シーン3:7/9・午前8:01・気温27℃(@0:39〜) 
赤丸で囲った1頭の幼獣個体が再び例の立木に前脚を掛けて立ち上がり、幹の匂いを嗅ぎました。 


シーン4:7/9・午前8:05(@0:57〜) 
赤丸で囲った幼獣個体が、林縁で細い灌木に前脚を掛けて立ち上がりました。 
シーン1と同じ枯木だと思います。 
別個体の幼獣がじゃれついたので、邪魔されてしまいました。 


シーン5:7/9・午前8:09(@1:16〜) 
赤丸で囲んだ1頭の幼獣が前脚を立木(樹種はミズキ?)に掛け、後足で起立しました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
幼獣を個体識別するのは無理なので、毎回同じ個体がやっているのかどうか分かりません。 

以前は母親♀が営巣地周辺の林内で同様に立ち上がり、樹上の枝葉や蔓植物を掻き集めて巣材(寝床)としていました。 
しかし、この時期の成獣(母親♀)は後足で立ち上がる行動をやらなくなりました。 
巣材集め行動の萌芽が早くも幼獣で見られたのかな?

幼獣の兄弟姉妹間で取っ組み合いの格闘遊びが頻発しています。
自分が一番大きいことを示して兄弟姉妹間で序列をつける誇示行動なのか?と思いつきました。
それなら競い合うように複数の幼獣が同時に後足で立ち上がって背比べしても良さそうなものです。 

立ち上がって幹の匂いを嗅ぎながら、なるべく高い位置に放尿マーキングしているような気もします。
しかし排尿の有無を動画では確認できませんでした。

難しく考えなくても、好奇心旺盛な幼獣による単なる探索行動なのかもしれません。

我々ヒトの直立姿勢とは異なり、アナグマは立木を支えにして掴まり立ちしないと後足だけでは立ち上がれないようです。 
同じイタチ科のテンやイタチはたまに後足だけで直立姿勢になって周囲を警戒することがあります。
ずんぐりむっくり体型のアナグマは骨格的に無理なのか、掴まり立ち以外の純粋な直立姿勢を私はまだ見たことがありません。 



2024/04/01

朝の二次林をうろつく夏毛のホンドテン【トレイルカメラ】

 



2023年7月中旬・午前7:00・気温20℃・晴れ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、ある朝、夏毛のホンドテンMartes melampus melampus)が久しぶりに登場しました。 
鮮やかな黄色い毛皮は昼間の林内でかなり目立ちます。 
右から来たもののアナグマの巣穴にはなぜか立ち寄らず、奥の二次林へ立ち去りました。 
最後は画面の右上隅(遠方)にちらっと写りました。 

つづく→ 


【アフィリエイト】 


2024/03/31

古い巣穴に一時帰還して中の様子を調べるニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ】

 



2023年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が生まれ育った営巣地(セット)から他所へ転出した後も自動センサーカメラで監視を続けています。 


シーン1:7/7・午後16:20頃・くもり(@0:00〜) 
まだ明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/11・午前4:39 (@0:04〜) 
日の出時刻は午前4:22。
日が昇った直後の旧営巣地に右からアナグマ成獣が来て、左へノソノソと歩いてました。 
画角の外の巣穴Lを経由して左から手前に回り込むと、巣口Rを覗き込んでその匂いを頻りに嗅いでいます。 
そのまま巣穴Rrの中に潜り込んだのですが、入巣の際に後ろ姿の股間に睾丸が見えたので♂と判明しました。(@0:33〜) 
つまり、単独で戻ってきたのは母親♀ではなくヘルパー♂でした。


シーン3:7/11・午前4:40(@0:45〜)
トレイルカメラの起動が間に合わず(35秒後)、おそらくヘルパー♂が巣穴Rrから外に出て来るシーンを撮り損ねてしまったようです。 
右へ立ち去る前に二次林の中で立ち止まり、身震いしました。 

旧営巣地に久しぶりに戻ってきたヘルパー♂が、巣穴の内部の点検(内見)だけして帰ったようです。 
最近ホンドタヌキ(尻尾に黒班▼)が巣穴Rに(ときどき?)住み着いているようなのですが、アナグマのヘルパー♂は積極的に巣穴を奪い返すつもりはないようです。
「同じ穴のむじな)」の実態はなんとも微妙な関係で、時間をずらしてシェアしているのが面白いですね。


私の観察では今のところ、ヘルパー♂は縄張りを巡回したり採餌に出かける際はいつも単独行動しています。
母子の群れとはいつも別行動なので、離乳前後の子育てを果たしてヘルプしているのかどうか疑問です。
この点が本で読む話とは大きく異なります。(鈴木欣司『アナグマ・ファミリーの1年』など)
トレイルカメラが登場する前の時代にアナグマ家族を餌付けした古い観察記録なので、餌場で見られた行動の多くは餌付けの影響を強く受けた不自然な行動ではないのか?と私は密かに疑ってしまいます。
それとも私が見ている当地のニホンアナグマ個体群の暮らしぶりは一風変わっているのでしょうか?
長期で観察を続けてみないと何とも言えません。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/03/30

山道でニアミスしたニホンカモシカ♂の目の前で座り込んでみると…

 

2023年7月上旬・午後14:35頃・晴れ 

里山で私が静かに下山していると、下から登ってきたニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)とややカーブの死角で鉢合わせしました。 
カモシカの方が先に気づき、慌てて身を翻して逃げました。 
(映像はここから。) 
少し離れたところで立ち止まって振り返り、警戒しながら私を見ています。 
下り坂でカモシカの方が私よりも下に位置していたので、劣勢な位置のカモシカは自ずと逃げ腰になっています。 
キョロキョロと辺りを見回し、耳をそばだてています。 

いつもなら私はその場に突っ立ったまま(なるべく動かずに)撮影を続けるのですけど、前回の反省から、試しに動画を撮りながら山道にゆっくり腰を下ろしてみました。
重いザックを背負ったまま、両足を前に伸ばして地面に座ったのです。 
そのまま背中のザックにもたれかかるように坂道に座って、姿勢を低くしました。
すると私の身長(体高)がカモシカよりも低くなり、私に対する恐怖や警戒心が解けたようです。 
私がすぐには立ち上がれない無防備な体勢であることを理解したのでしょう。 
ゆっくり近づいてきてくれました。 

カモシカの顔にズームインすると、どうやら顔馴染みの個体♂のようです。 
ペロペロと舌舐めずりをしました。 
濡れた鼻をヒクヒクと動かして風の匂いを嗅ぐと、鼻水(涎?)が滴り落ちます。 
私の汗の匂いでカモシカ側も「またお前か!」と認識してくれているようです。

最近もこの山系で出会った顔見知りの同一個体のようです。
関連記事(0、2ヶ月前の撮影)▶  


夏も毛皮を着込んだカモシカは暑いのか、忙しなく腹式呼吸しています。 
胴体の皮膚をピクピク動かすのは、吸血性昆虫を追い払うためです。 
カモシカの周囲をブヨ?が飛び回っています。 

こちらに向かって山道をゆっくり登り始め、私にどんどん近づいて来ます。 
接近するカモシカが立ち止まり、私をじっと見下ろしています。 
慎重に数歩ずつ近づいてきます。 
山道で急に座り込んだ私の体調を心配してくれているのでしょうか? 
遭遇時にこんな奇妙な行動をするヒトをかつて見たことがなかったはずですから、好奇心が掻き立てられたのかもしれません。 
カモシカ猟をするマタギの話でも、カモシカの近くで踊ってみせると興味津々で逆に近寄ってくるのだそうです。 (※ 追記参照)

カモシカが横向きになった際に、下腹部に珍しく陰茎が見えました。 
次に後ろ向きになると、股間に睾丸がぶら下がっていました。 
やはり性別は♂で間違いありません。 

【アフィリエイト】 


後ろ向きになったのに、振り返ってこちらを見ています。 
短い尻尾を素早く振って、吸血性昆虫を追い払っています。 

カモシカも逃げるべきか葛藤したものの、好奇心が勝ったようです。
再び方向転換して、更に私の方へ近づいてきました。 
もう少しでカモシカの体に触れそうです。
私が汗ばんだ手を差し出しても、さすがに舐めてはくれないかな? 

肝心なときにカメラがトラブルを起こし、再起動でもたついている間にカモシカ♂は私から逃げ、山道を少し下ってしまいました。 
そのまま山道でカモシカ♂とすれ違えるかと期待したのですが、カメラが再起動するノイズに驚いたカモシカ♂が坂道の下へ飛び退いてしまったのです。 
山道で立ち止まって振り返り、私の様子を伺っています。 

下り坂を歩き去るカモシカ♂の後ろ姿でも、睾丸と陰茎がしっかり見えました! 
フィールドで野生カモシカの性別を見分けるのは至難の業なのですが、どんな地形条件でどんな体の向きだと♂の外性器が見えるのか、少しずつ分かってきました。 

遂にニホンカモシカ♂は山道を左に逸れ、法面の雑木林に入って行きました。 
ガサガサと薮漕ぎする音が聞こえます。 

今回の出会いで、カモシカ♂が鼻息を荒らげたり蹄で硬い地面を踏み鳴らしたりして私を威嚇する行動は一度もやりませんでした。
私も身の危険を感じることはありませんでした。



ちょっとした実験のつもりでしたが、私の身長を低く見せるだけで顔馴染みのカモシカがいつもとは違う行動を見せてくれたので、大満足です。 
ブラインドを使わず餌付けをしないで野生のカモシカにどこまで近づけるか、という個人的なチャレンジの記録を更新しました。 
もう少しでカモシカの体に触れそうでした。 
私が腕を伸ばしたら、カモシカは私の塩っぱい汗を舐めてくれたでしょうか? 
もちろん、「カモシカに出会ったらその場に座れ」と皆さんに推奨している訳ではありません。 
真似する人は、くれぐれも自己責任でお願いします。 
私は入山する時にはいつも護身用の「熊よけスプレー」を携帯しており、今回も万一ニホンカモシカ♂に襲われたら躊躇なく噴射する気満々でした。


※【追記】
鳥海隼夫『カモシカの民族誌』によると、
カモシカは好奇心が強い反面、頭はあまりよくないといいます。カモシカは大抵同じ場所に現れるので、猟師は頭に布をかぶったり、布を振り回して手足を動かしたり、踊りながらカモシカに近づきます。
 カモシカはそれを猟師だとは気づかず、逃げるどころか踊りに見とれている間に、猟師の接近を許して命を落とすはめになるのでした。(中略)
 林業を営んでいる古畑菊雄さんという知人が、植林地の下草刈り作業の合間に作業員たちと休憩していた時、こんな体験をしたといいます。
 「近くの木の切り株の上で、カモシカが休んでいた。カモシカは踊りを見るのが好きだと年寄りから聞いたことがあったので、面白半分に(佐渡おけさ)を唄い、踊りながらカモシカに近づいてみた。するとカモシカは、驚いて立ち上がりはしたが、逃げる様子もなく踊りを見物しているようだった」(趣旨)。
 古畑さんとカモシカとの距離は、4〜5メートルほどだったそうです。 (p39より引用)
私も次に機会があれば、カモシカの前で踊ってみせる作戦を試してみようと思います。
(踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々♪)
しかし単独行の場合、それを見たカモシカの反応を自撮りで動画撮影するのは難しそうです。

2024/03/29

一時帰還した巣穴の近くで昼間に活動するニホンアナグマの母子【トレイルカメラ】探餌徘徊、幼獣の格闘遊び、相互毛繕いなど

 



2023年7月上旬 

旧営巣地に戻ってきたニホンアナグマMeles anakuma)家族の映像記録の続きです。 
夜行性だと思っていたアナグマが明るい昼間にこれほど活発に活動するとは意外でした。
幼獣が元気一杯なのは、どの種類の動物でも同じようです。

シーン1:7/9・午前6:25・晴れ(@0:00〜) 
晴れた朝ですが、前夜の雨で濡れたレンズがまだ少し曇っています。 
旧機種トレイルカメラの映像がなぜか急にフルカラーに戻りました。 

多数のアナグマ個体が奥の二次林で採餌していました。 
巣穴Rのアクセストレンチに1頭が残っているだけです。 
5倍速の早回し映像でご覧ください。 


シーン2:7/9・午前6:26・晴れ(@0:12〜) 
アナグマ家族群の全個体が林内をゆっくり歩きながら採餌活動しています。 


シーン3:7/9・午前6:29・晴れ(@0:24〜) 
ようやくレンズの曇りが乾き、画面がすっきり見やすくなりました。 
アナグマの♀成獣は褐色で、幼獣の体毛は白っぽく見えます。 

4頭の幼獣が先を争うように巣穴Rに入りかけました。 
何か危険が迫っている訳ではなく、はしゃぎ回っているだけのようです(遊び)。 
先頭を切って実際に入巣Rしたのは母親♀でした。 

幼獣は疲れて巣内で寝るのかと思いきや、未だ遊び足りないようです。 
広場に残った幼獣2頭が取っ組み合いの格闘遊びを始めました。 
巣内Rに入っていた幼獣個体も再び外に出て参戦。 


シーン4:7/9・午前6:32・晴れ・気温22℃(@1:24〜) 
別アングルに設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
東から差し込む朝日が逆光になっています。 

巣口Lの周囲で3頭の幼獣が遊んでいます。 
しばらくすると、母親♀が左からノソノソと歩いて登場しました。 
獣道を辿って右上奥の灌木林へ向かいます。 
幼獣4頭も♀について歩きます。 

道中で1匹の幼獣が立木(樹種不明)に前脚を掛けながら立ち上がり、幹の匂いを嗅ぎました。(@2:07〜) 
何の目的がある行動なのか分かりませんが、アナグマは幼獣の時期から後脚で起立できることが分かりました。 

幼獣たちは遠くへは行かず、セットに駆け戻ってきました。 


シーン5:7/9・午前6:33・晴れ・気温24℃(@2:24〜) 
新機種のトレイルカメラなのに、昼間の連続撮影でなぜかモノクロ映像に戻ってしまいました。 (初めての症状で原因不明です。) 

幼獣が巣穴Lに出入りを繰り返しています。 
広場で2匹の幼獣が互いに突進して、ぶつかり稽古のように遊び始めました。 
突進すると見せかけてフェイントをかけたり、挑発するように横にピョンピョン跳ねたりと、微笑ましい遊びです。 
喧嘩の鳴き声は発していませんでした。 

母親♀が独りで採食に出かけた間、4頭の幼獣はセットで留守番しているようです。


シーン6:7/9・午前6:34・晴れ・気温26℃(@3:08〜) 
モノクロからフルカラーの映像へと自然に戻りました。 
これ以降、モノクロとフルカラーを交互に繰り返す謎の症状が発生します。 
直射日光がレンズに当たると眩しすぎて発症するのかな? 
気温の測定値が短時間で不自然に上昇したのも、カメラ本体に直射日光が当たったせいでしょう。(異常値とみなします) 

母親♀に呼ばれたのか、広場で遊んでいた幼獣2頭が獣道を辿って右上奥へ走り出しました。 
しばらくすると、画面の左下から幼獣1頭が登場しました。 
最後までセットに残っていた個体のようです。 
巣口Lをピョンと飛び越えると、仲間の後を追って獣道を駆け去りました。 


シーン7:7/9・午前6:36・晴れ・(@3:38〜) 
幼獣4兄弟(姉妹)が獣道からセットに戻ってきていました。 
その後から母親♀が獣道を歩いて来ると、幼獣が嬉しそうに出迎えて♀にまとわりつきます。 
既に離乳しているのか、母親♀を横から見ても腹面の乳首があまり目立たなくなっている気がします。 
親子全員が左に消えました。 


シーン8:7/9・午前6:40・晴れ・(@4:11〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
幼獣4頭はバラバラになり、各自が林床の地面を掘り返して採餌の真似事をしているようです。 
母親♀は巣口Rから離れ、独りで左奥の林内へ入って行きました。 


シーン9:7/9・午前6:44・晴れ・(@5:11〜) 
幼獣は3頭しか写っていません。 
そのうちの1頭が後ろ向きで巣穴Rの奥に引っ込みました。 
しばらくするとまた巣口Rに顔を出しました。 

別の幼獣2頭が広場で頭を突き合わせながら探餌徘徊しています。 
軽く突進して相手を牽制し、小競り合いが始まりました。 
軽い取っ組み合いで巣口Rの窪地に転がり落ちても、平気で起き上がります。 


シーン10:7/9・午前6:50・晴れ・(@6:11〜) 
ようやく幼獣4頭の全個体を確認できました。 
(母親♀は採餌に出かけていて留守です。) 
各自があちこちで採餌活動しています。 
幼獣の個体識別はできていませんが、幼獣にも個性がありそうです。 
例えば、いつも♀のそばに居たがる幼獣個体は将来のヘルパー候補♂なのかな? 

林縁で取っ組み合いの格闘遊びが勃発しました。 
巣穴Rへの出入りを繰り返して遊んでいます。 


シーン11:7/9・午前6:59・晴れ・(@7:11〜) 
いつの間にか母親♀がセットに戻って来ていました。 
巣口Rで1匹の幼獣と♀が相互毛繕いで挨拶しています。 

成獣が横を向いた際に、腹面に乳首が見えました。(@7:44〜) 
これでようやく成獣が母親♀であることが確定しました。 
それまでは、ヘルパー♂かもしれないという疑念を除外できませんでした。 

幼獣は♀に授乳を求めることはなくなり、完全に離乳したようです。 

 【アフィリエイト】



シーン12:7/9・午前7:44・晴れ・(@8:11〜) 
巣口R付近に母子全員が勢揃いしていました。
林縁の広場で寄り添い、相互毛繕いを始めました。 

ヘルパー♂の姿を全く見かけないのですけど、一体どこに居るのでしょう? 
幼獣が乳離れすると、ヘルパー♂はお役御免で追放されるのでしょうか?
この旧営巣地から転出した先の巣穴がどこにあるのか、私はまだ突き止められていません。 
アナグマ母子も懐かしの巣穴に一時帰還しただけで、本格的に再転入するつもりはないようです。 

やがて母親♀は仰向けになり、自分で毛繕いを始めました。 

幼獣2頭が相次いで巣穴Rに駆け込みました。 
巣外に残ったメンバーはのんびり過ごしてしています。 


シーン13:7/9・午前7:45・晴れ・(@9:11〜) 
親子で相互毛繕いしたり、体を掻いたりしています。 
幼獣の中には、巣穴Rへの出入りを繰り返したり、地面を前足で掻いて採餌の真似事をする個体もいます。 


シーン14:7/9・午前7:47・晴れ・(@10:11〜) 
幼獣1頭だけが母親♀の後をついて右へ立ち去りました。 
他の幼獣3頭はセットに残り、各自が探餌に励んでいます。 


シーン15:7/9・午前7:50・晴れ・(@11:11〜) 
採食に出かけていた母子がセットに帰ってきていました。 
幼獣が母親♀に向かって突進して甘えています。 
母子の順に巣穴Rに入りました。 
他の幼獣3頭の姿が見えません。 


シーン16:7/9・午前7:58・晴れ・気温24℃(@11:22〜) 
別アングルに設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
新機種なのに、なぜか白黒映像です。 

母親♀が左の巣口R付近で仰向けになり自分で毛繕いしています。(乳首が見える) 
そこへ幼獣が近寄ると、対他毛繕いしてやります。 


シーン17:7/9・午前7:59・晴れ・気温26℃(@11:41〜) 
母親♀が獣道を辿って右上奥へ向かいました。 
旧営巣地からあまり遠くへは行かず、林内で独り採餌活動をしています。 
幼獣3頭はセットに留まり、おとなしく留守番しています。 
親の躾が行き届いているのか幼獣の本能なのか分かりませんが、勝手に動き回って林内で迷子にならない点に感心します。 


シーン18:7/9・午前8:01・晴れ・気温27℃(@12:41〜) 
再び母子の群れが勢揃いしました。 
幼獣のある個体が立木に前脚を掛けて立ち上がり、幹の匂いを嗅ぎました。(@13:10〜) 
続けて幼獣同士の格闘遊びが始まり、キャン♪と軽く吠えました。 
まるで避難訓練のように、幼獣たちは巣穴Lへの出入りを繰り返して遊んでいます。 
巣口Lをピョンと跳び越える様もかわいいですね。 
最後は4頭の兄弟姉妹が連れ立って左の死角へ行きました。 
「そして誰もいなくなった」 


シーン19:7/9・午前8:02・くもり・(@13:41〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 
母親♀の周囲で4頭の幼獣が元気いっぱいではしゃぎ回っています。 
たまに♀が近くの幼獣に対他毛繕いしてやります。 
幼獣の中に黒っぽい個体がいますが、巣穴に出入りした際に黒土で汚れてしまったのでしょうか。 


シーン20:7/9・午前8:03・くもり・(@14:41〜) 
右から左へ母親♀が横切ります。(乳首が見える) 
営巣地に散乱する長い落枝をアナグマが踏むと落枝が動くので、逆に落枝に注目することで死角にいるアナグマの動きを想像することが出来ます。 


シーン21:7/9・午前8:04・くもり・(@15:21〜) 
♀が奥の二次林へ入り、採食しています。 
幼獣からはぐれないように、セットからあまり遠くには行かないようにしているようです。 
幼獣4頭も各自が地面を嗅ぎ回り前足で掻いて餌を探します。 

細長い立木に前脚を掛けて立ち上がる幼獣がいました。(@16:00〜) 
今回この行動を何度も見かけるのですが、特定の幼獣個体の癖なのか、何の目的があるのか、知りたいところです。 

そこへ別の幼獣個体がやって来て、幼獣同士の取っ組み合い(兄弟喧嘩)が始まりました。 
相手に噛み付いて組み伏せているものの、鳴き声は聞き取れません。 


シーン22:7/9・午前8:05・くもり・(@16:21〜) 
元気があり余っている幼獣2頭が巣穴R付近でひたすら格闘遊びを繰り広げています。 
その一方で、いつも母親♀について歩きたい甘えん坊の幼獣が1頭います。 
親の採餌法をよく見て覚えようとする勉強熱心な個体なのかもしれません。 
幼獣の性別が関係しているのかな? 


シーン23:7/9・午前8:08・くもり・(@17:20〜) 
各々がばらばらに活動しています。 
林縁の灌木の根本で虫でも見つけたのか、重点的に匂いを嗅いでいる幼獣がいます。 


シーン24:7/9・午前8:08・くもり・気温25℃(@18:21〜) 
別アングルの監視映像に切り替えました。 
幼獣1匹が巣口Lの近くで地面の窪みに顔を突っ込んで餌を探しています。 


シーン25:7/9・午前8:09・くもり(@19:20〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 散発的に幼獣同士で小競り合いが始まります。 
奥の農地からトラクターの騒音が聞こますけど、アナグマ家族は気にしていません。 

前脚を立木に掛けて起立する幼獣がいました。(@x:xx〜) 


シーン26:7/9・午前8:12・くもり・気温25℃(@20:20〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
幼獣1匹が右下隅から登場し、アクセストレンチLの落葉に鼻面を突っ込んで穴を掘りながら餌を探しています。 




2024/03/28

ヤマザクラの樹上で果実を食べるニホンザルの群れ

 

2023年7月上旬・午後13:30頃・晴れ 

里山の登山道を登り始めて間もない地点で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
山中で猿の鳴き声が近づいてくるとその場に立ち止まって神経を集中し、揺れている木がないかどうか探します。 
すると大抵、樹上にニホンザルを見つけることが出来ます。 

葉の生い茂ったヤマザクラの樹上に登り降りして、果実を摘み食いしています。 
ヤマザクラの実は完熟すると黒くなるのですが、ニホンザルは半熟の赤い実も食べるようです。 

関連記事(11年前の撮影)▶ ニホンザルが群れでヤマザクラの果実を採食 


山麓で土木工事する重機の騒音がうるさいのに、ニホンザルは全く気にしていません。 
しかし、カメラに撮られていることに気づくと警戒し、枝葉の影に隠れたり木から降りたりしてしまいます。 
工事の騒音が止まると、近くの草むらからナキイナゴ♂(Mongolotettix japonicus)が鳴く声♪が聞こえました。 

関連記事(15年前の撮影)▶ ナキイナゴ♂の鳴き声♪


ヤマザクラの果実に含まれる堅い種子を噛む音がカリカリ♪と聞こえたのですが、葉の生い茂る樹上でサルの姿を見失ってしまい、動画で記録できませんでした。 
撮影アングルを求めて私が右往左往すると、ニアミスしそうになった個体が悲鳴を上げて逃げてしまいます。 
猿害問題の対策として、ニホンザルの群れが山から麓に降りてくる度にロケット花火を打って追い払っています。 
警戒心が強いのはそのためでしょう。 
一方、私のことを認識している群れは、山中で出会ってもあまり恐れずにリラックスして自分たちの行動を続けてくれます。 


数時間後に私が同じ山道を戻ってくると、ニホンザルの残した糞が点々と残されていました。(計3個) 
糞をほぐして調べれば、未消化のヤマザクラ種子が含まれているかも知れません。 
猿の採食時に噛み砕かれずに果肉と一緒に飲み込まれた種子は糞と一緒に排泄され、ヤマザクラの種子は遠くに散布されることになります。 


【アフィリエイト】 

2024/03/27

夜の渓谷で鼻息を荒らげて威嚇するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 雪崩に埋もれた渓谷を深夜に連れ立って渡る2頭のニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】 

里山の渓谷(沢の源流部)が厳冬期に雪崩で埋もれ、そこを野生動物が恐る恐る渡っていました。 
春以降も引き続き定点観察したかったのですけど、トレイルカメラの台数が足りなくなり、泣く泣く引き払いました。 
他所のプロジェクトがようやく一段落ついたので、夏の渓谷を無人センサーカメラで監視することにしました。 
夏には切り立った崖を登り降りして沢を渡る野生動物の足跡や蹄跡が地面に残っています。(フィールドサイン)

 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮れた現場の様子なのですが、ひどいモアレが生じてしまいました。
こんな症状は初めてです。
古いトレイルカメラを騙し騙し使い続けてきたので、いよいよ寿命なのかも知れません。
カメラを設置しながら試写したつもりなのですけど、夏の日差しが眩しすぎてカメラの液晶画面がよく見えず、ろくに確認できていませんでした。
こういうときの対処法として、液晶画面を覆う日除け(液晶サンシェード)を後に自作することになります。
幸い、夜の暗視映像には影響を及ぼしませんでした。


2023年7月上旬・午後21:25頃 

真っ暗な晩にトレイルカメラが起動すると、沢の流れる水音に混じってフシュ、フシュ♪と聞き馴染みのある音が渓谷の対岸から何度も鳴り響きました。 
ニホンカモシカCapricornis crispus)が対岸に現れたようで、立ち止まって何度も鼻息を荒らげているようです。 
しかし、威嚇の対象が不明です。 
まさかトレイルカメラの存在に気づいて警戒し、威嚇しているのでしょうか? 
あるいは夜の獣道で他の野生動物と遭遇したのかもしれません。
残念ながらトレイルカメラの旧機種は赤外線の光量が弱くて対岸までほとんど届かず、暗視映像ではカモシカの2つの目が点のように白く光っているだけです(赤丸@0:05)。 
動画編集時に試しに自動色調補正してもカモシカの姿は見えてこなかったので、その処理はキャンセルしました。 
それでも熱源の動きを検知するセンサーの感度には感心します。
カモシカが此岸に向かって渓谷を渡ってくれるかと期待したものの、そのまま90秒間の録画時間が終わってしまいました。 

ひょっとすると、同じ日の昼過ぎ(午後13:20〜13:40; 約8時間前)に私とつづら折れの山道で遭遇した♂と同一個体という可能性があります。 
明るい日中に出会ったときには、鼻息を荒らげて私に対して威嚇することは一度もありませんでした。

 関連記事(同日の撮影)▶  


※ カモシカの鼻息威嚇が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【追記】
渓谷の深さの計り方。
沢の源流部で深い渓谷を渡るために、ヒトも野生動物も両岸の切り立った険しい崖を登り降りしなければいけません。
有蹄類のニホンカモシカが渡る場合は、「義経の鵯越の逆落し」のような迫力のある動画がトレイルカメラで撮れるのではないかと期待しています。
ところで、渓谷の深さをどうやったら測れるでしょうか?
長いロープを使うなど色々と考えてみたのですが、携帯したGPSで標高の表示をリアルタイムで見ながら実際に渡ってみると、両岸と谷底の高低差はわずか4〜5mでした。
私の個人的な体感としては10m以上ありそうだったのに、拍子抜けしました。   




【アフィリエイト】

ランダムに記事を読む