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2021/03/18

喉をブルブル震わせて体温を冷やす真夏のカワウ(野鳥)

 

2020年8月中旬・午後15:30頃・晴れ 

川面を泳ぐ1羽のカワウPhalacrocorax carbo hanedae)が冒頭で水を一口飲みました。 
カワウの飲水シーンは初見ですが、二度目は水中を覗いて魚を探しているのかもしれません。 
仲間が休んでいる川岸の倒木に上流から泳ぎ寄ると、左端の空席に軽く羽ばたきながら跳び乗りました。 
すぐに羽繕いを始め、濡れた羽毛を整えます。 

その倒木には先客のカワウが3羽並んでいて、白い喉をブルブルと震わせていました。 
白い喉だけでなく横の黒い首の皮も激しく波打っています。 
これは真夏の暑い日にカワウがやる体温冷却の行動です。 
もし至近距離でこの行動を観察すると、独特の音が聞こえるのでしょうか?
▼前回の記事(9日前の撮影) 
喉を震わせて体温を冷やす炎天下のカワウ(野鳥)
再現性があったので、ようやく私も納得しました。 
ただし、今回も肝心の気温を測り忘れてしまいました。 

倒木の一番右端に止まっている個体は若鳥でした。 
成鳥と同様に喉をプルプルと震わせています。
左端に一番後から止まった個体(成鳥)も、欠伸のように嘴を大きく開けて、喉を震わせ始めました。
 

2021/03/17

越冬明けのアカタテハ:日光浴と飛翔【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年4月下旬・午後16:20頃・晴れ 

神社の境内の原っぱを越冬明けのアカタテハVanessa indica)が激しく飛び回っていました。 
桜の花びらが散乱している地面にようやく止まると、翅を広げて日光浴を始めました。 
日が陰ると翅をしっかり閉じ、日が射すと再び翅を少しずつ開きます。 
翅を閉じると翅裏は地味で全く目立ちません(捕食者対策の保護色)。 
越冬明けの個体なのに、翅は無傷できれいでした。 

ときどき飛び立つのは縄張りを張っているのかもしれませんが、同じ場所には戻らず日光浴の場所を変更しました。 
苔むした地面(コンクリート)に止まった時は苔の水分を舐めているのかと思ったのですが、口吻は伸びていませんでした。 

アカタテハが飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:35〜1:43) 
ラストの飛翔・着陸シーンのみ1/5倍速のスローモーション。


実は、今回の動画でも見直すと翅を閉じたときに細かく震わせていました。

2021/02/28

ミシシッピアカミミガメが池の岩場で甲羅干し

 

2020年7月上旬・午後15:50頃・晴れ 

蓮池でいつもの岩場にミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)が1匹だけ登ってのんびり日光浴していました。 
珍しく動きが活発で、平らな岩の上で少しだけ方向転換しました。 
錦鯉や黒い鯉が岩場の周囲を泳ぎ回っています。
 この日もクサガメの姿を見かけませんでした。

 

2021/02/24

キイチゴの葉で活動する2匹のナシケンモン(蛾)幼虫【10倍速映像】

 

2020年10月中旬・午後14:15頃・晴れ 

里山を抜ける峠道に沿って自生するキイチゴ類(種名不詳)の群落で大小2匹の毛虫が近くの葉にいました。 
ナシケンモンViminia rumicis)の幼虫です。 
この時期は被写体が少なくなってきたので、「何か面白い行動をしないかな?」と期待しつつ三脚を立てて試しに微速度撮影してみました。 
私はキイチゴの仲間を見分けるのが苦手で、花または実が付いていない時期にはお手上げです。 

まずは食痕がある葉裏の縁に隠れている小さな個体aに注目して撮り始めました。 
やがて覚醒すると、キイチゴの葉縁をかじり始めました。 
ところがなぜかすぐに食べるのを止め、葉表に移動してきました。 
口にした葉の味が気に入らなくて別の葉に移動するのかと思いきや、葉表で静止。 
のんびり日光浴を始めました。 

どうにも退屈なので、カメラを右にパンして隣の葉に居た大型の別個体bに被写体を切り替えました。 
この個体bが乗った葉表には黒い糞が多数残されています。 
しかし、この個体bも上半身を少し左右に振るだけで移動すらしません。 
ただのんびりと日光浴をしているだけです。 

2匹ともあまりに活動性に乏しいので、撮影を打ち切りました。 
もしかすると体内寄生されている個体なのか?と疑ってしまいます。 
ナシケンモンの幼虫が夜行性だという話は聞いたことがありません。 
秋になると昼間も日光浴して体温を上げないと、食べた葉を消化(解毒?)できないのでしょうか? 

そもそも、天敵(捕食者や寄生者)に対して目立つ場所で白昼堂々と休んでいることに驚きました。 
特に初めに撮った個体aはせっかく葉裏に隠れていたのに、後半はわざわざ葉表に出てきてしまいました。 
ナシケンモン幼虫が食草由来の毒を体内に溜め込んでいるという話は聞いたことがありません。 
私はこの毛虫に触ったことはありませんが、毒毛になっていて防御機能があるのでしょうか? 
毒で自衛するならもっと派手な警告色を身に纏うはずです。 

秋になると目に付くようになるナシケンモンの幼虫が気になっていたので、次に出会う機会があれば採集・飼育してみるつもりです。 
この日は袋や箱など持ち帰る容器を何も持ってこなかったので、諦めました。 

※ 三脚でカメラを固定しても風揺れに悩まされました。 
それでも動画編集時にいつものように手ブレ補正のデジタル処理を施したら、かなり改善されました。

2021/02/17

ウラナミシジミ♂の日光浴

 

2020年10月中旬・午後13:50頃・晴れ
▼前回の記事 
ヒメジョオンの花蜜を吸うウラナミシジミ♂
つづら折れの峠道に沿って自生するナギナタコウジュの葉にウラナミシジミ♂(Lampides boeticus)が止まっていました。 
日光浴のため翅をほぼ全開にしていますが、後翅の尾状突起が秋風になびいています。 
最後は自発的に飛び立ちました。

2021/02/15

ヤクシソウの花蜜を吸うヤノトガリハナバチ♀

 

2020年10月中旬・午後12:45頃・晴れ 

つづら折れの峠道に沿って咲いたヤクシソウの群落で、おそらくヤノトガリハナバチ♀(Coelioxys yanonis)と思われるトガリハナバチの仲間が忙しなく訪花していました。 
ハキリバチ科の労働寄生種なので、♀なのに花粉を採餌しません。 
この組み合わせは初見です。 
 吸蜜の合間に近くのヨモギの葉で日光浴したり身繕いしたりしていました。 
胸背の右肩に黄色い花粉が付着しています。

2021/02/14

クモガタヒョウモン♀の日光浴

 

2020年10月中旬・午後12:40頃・晴れ
▼前回の記事 
ヤクシソウの花蜜を吸うクモガタヒョウモン♀
吸蜜の合間にクモガタヒョウモン♀(Nephargynnis anadyomene)は峠道横の崖で落ち葉の上に乗り、翅を開げて休んでいます。 
地面や落ち葉を舐めてミネラル摂取しているかもしれないと思ったのですが、背側からでは口吻が見えません。 
おそらくただの日光浴でしょう。 
すぐにまた飛んで近くに咲いたヤクシソウの群落に移動し、吸蜜を再開しました。

2021/02/10

崖に産卵するミドリヒョウモン♀暗色型

 

2020年10月中旬・午後12:55頃・晴れ
▼前回の記事 
カワミドリで訪花吸蜜するミドリヒョウモン♀暗色型【HD動画&ハイスピード動画】
さっきまで花蜜を摂取していたミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が峠道横の斜面に移動し、産卵を始めました。 
半開きの翅を開閉しながら、落ち葉で覆われた崖のあちこちに腹端を擦り付けています。 
少し飛んだり歩いたりしてあちこちに移動しながら、卵を1粒ずつ産み付けるようです。 
産卵基質にこだわりは無いようで、枯れた茎や小枝、小石、枯葉などの表面に産卵しています。 
一度だけ生きた植物に産卵しました。 
草本植物(種名不詳)の芽生えの細い茎に白い卵を1個産み付ける様子がはっきりと捉えられていました。(@0:35) 
ミドリヒョウモン幼虫の食草であるスミレの芽生え(双葉)かもしれませんが、私には見分けられません。
 
▼関連記事 
スギの樹皮に産卵するミドリヒョウモン♀
崖を横に少し歩いて移動し、陽だまりで日光浴しながら小休止。 
すぐにまた腹端を前屈して産卵を再開しました。

2021/02/09

路肩で日光浴するセスジハリバエ

 

2020年10月中旬・午前10:40頃・晴れ

農道脇を流れる用水路の更に少し奥でセスジハリバエTachina nupta)が歩き回っていました。 
日当たりの良いコンクリート上に出てくるとしばらく立ち止まって日光浴していました。 
性別不明ですが、♀だとすると寄主探索のため草むらに潜り込んでいたのでしょうか? 
あるいは羽化直後の個体かな?と勝手に想像したのですが、定かではありません。 
訪花するシーンはよく見かけるのですが、地面で活動するセスジハリバエを見たのは初めてかもしれません。

このような何をしているのかよく分からない(思わせぶりなのに何とも表現のしようのない)地味な行動は観察記録になかなか残らないのが普通です。 
後世になって古い観察記録に意味や価値が見出されたりすることも(稀に)ありますから、貧乏性の私はなるべく何でも記録するようにしています。

2021/02/04

ヒメジョオンの花蜜を吸うウラナミシジミ♂

 

2020年10月中旬・午後13:50頃・晴れ 

里山を抜ける峠道の道端に咲いたヒメジョオンウラナミシジミ♂(Lampides boeticus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
口吻を伸ばして吸蜜しながら、閉じた翅を互いにゆっくり擦り合わせています(自己擬態行動)。  
吸蜜後は少し飛んで手前のクズの葉表に移動しました。 
翅を半開きにして日光浴しながら交尾相手の♀を待ち伏せしているのでしょう。 (♀に翅表の青を誇示?) 
…と思いきや、クズの蔓を伝い歩きして死角に隠れてしまいました。 


 

2021/02/02

カワミドリで訪花吸蜜するミドリヒョウモン♀暗色型【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年10月中旬・午後12:50頃・晴れ 

里山の峠道に沿って咲いたカワミドリの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が訪花していました。 
全開にした翅を少し開閉しながら吸蜜しています。 

後半になると花穂に止まっても、口吻を丸めたままで吸蜜しなくなりました。 
翅を全開にして日光浴しています。 
カワミドリの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:57〜) 

栄養補給を済ませたミドリヒョウモン♀は次に…。 

2021/01/30

身繕い中のキイロスズメバチ♀に噛み付く勇猛果敢なクロヤマアリ♀

 

2020年10月中旬・午後12:30頃・晴れ 

峠道の路肩に溜まった落ち葉の上に乗ってキイロスズメバチ♀(Vespa simillima xanthoptera)が身繕いしていました。 
時期的になんとなく、ワーカーではなく新女王のような気もしますが、採寸していないので定かではありません。 
日光浴しながら、前脚で顔や触角を拭って化粧に余念がありません。 
後脚で翅や横腹を掻き、後脚同士を擦り合わせています。 

そこへクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が通りかかりました。 
圧倒的な体格差があるのに、恐れ知らずのアリはキイロスズメバチ♀の正面から立ち向かいます。
前脚に素早く駆け上がり、敵に噛み付きました。 
奇襲を食らったキイロスズメバチ♀は反撃もせずに慌てて飛び去りました。 
振り落とされたアリは興奮したように辺りを駆け回っています。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
アリがスズメバチに対して単独で喧嘩を売るとは驚きました。
もしかして、落ち葉の下にアリの巣口があったのでしょうか?

2021/01/19

エントツドロバチ♀が庭で朝の化粧と日光浴

 

2020年9月下旬・午前9:40頃・晴れ 

山麓の民家の庭に咲いたヒメキンギョソウ(リナリア)の群落にエントツドロバチ♀(別名オオカバフスジドロバチ;Orancistrocerus drewseni)が飛来しました。 
訪花するかと期待した私をよそに、エントツドロバチ♀はなぜかリナリアの細い葉の茂みを少し歩き回ってから蔓植物(ヒルガオ?)の葉に乗って身繕いを始めました。  

前脚で顔を拭ったり触角を撫で付けたり化粧しています。 
葉上で方向転換すると、後脚で腹部を擦ったり後脚同士を擦り合わせたりしました。 
何度も葉上で向きを変えるものの、日当たりの良いお気に入りの葉から離れようとしません。 

最後にようやく飛び立った瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

2021/01/17

シータテハの日光浴と飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年9月下旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の廃れた登山道でシータテハPolygonia c-album)が日光浴していました。 
砂利道でやや白っぽい平らな岩の上に乗り、翅を緩やかに開閉しています。 
ちらっと見える翅裏には白いC紋が目立ちます 
口吻を伸ばして石の表面を舐めている訳ではありませんでした。 
最後に、飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:16〜)

2021/01/12

日光浴中のヒメスズメバチ♂にセスジハリバエが奇襲産卵?!

 

2020年9月下旬・午前10:55頃・晴れ 

里山の細い登山道でヒメスズメバチ♂(Vespa ducalis)が日光浴していました。 
ほっそりした体型で触角が長いので雄蜂♂と分かります。 

そこへ突然、セスジハリバエTachina nupta)が飛来し、ヒメスズメバチ♂を背後から襲撃しました。 
1/5倍速のスローモーションによるリプレイをご覧ください。(@0:49〜) 
ハエの羽音を聞いたヒメスズメバチ♂は翅をやや開いて警戒姿勢になりました。 
寄生性のセスジハリバエの性別を私は外見で見分けられません。
 (1)もし♀だとすると、セスジハリバエ♀がヒメスズメバチ♂に体当りした瞬間に、ヒメスズメバチ♂の体表に素早く産卵したのでしょうか? 
しかし、セスジハリバエの寄主は確か鱗翅目(蝶や蛾)の幼虫のはずです。 
ヤドリバエ科の寄生バエがスズメバチに寄生するという話を私は見聞きしたことがありません。 
(2)別の解釈を苦し紛れに考えてみると、全身のカラフルな斑紋・配色が少し似ているので、セスジハリバエ♂が大型のヒメスズメバチ♂に誤認求愛したのでしょうか? 
(3)セスジハリバエ同士で縄張り争いがあり、見かけが少し似ていたヒメスズメバチはそのとばっちりを受けたのかもしれません。 
(4)単なる偶然の衝突? 
しかし、ハエはぶつかる前に標的を見定めるように一瞬ホバリングしていました。
(5)小鳥が天敵の猛禽類をモビング(擬攻撃)するように、ハエも気に入らないスズメバチをモビングして追い払うのでしょうか?

背後から 不意打ちを食らったヒメスズメバチ♂は慌てて逃げ出しました。 
飛ばずに下草の陰に潜り込むと、身繕いを開始。 
前脚を舐めて濡らし、長い触角を拭っています。 
私が少し近づくと、再び日向に這い出てくれました。 
体表に寄生バエの白い卵(またはウジ虫)は見当たりません。  

やがてヒメスズメバチ♂は元気に飛び去りました。 
もし捕虫網で捕獲して飼育すれば、やがてセスジハリバエの卵が孵化して寄主の体を食い尽くしたかな? 
ハエの羽化まで確認すれば、センセーショナルなスクープ(大発見)になったかもしれません。  

実はスズメバチとセスジハリバエの組み合わせは過去にも観察しています。
▼関連記事(5年前の撮影) 
ノダケの花蜜を吸うコガタスズメバチ♀とセスジハリバエ
このとき、訪花中のコガタスズメバチのワーカー♀は目障りなハエを押し出したり払い除けたりしていました。
ところが小競り合いの度に、敏捷で図太いハエはすぐにノダケの花に舞い戻りました。 
なんとも思わせぶりな行動なので、ひょっとすると本当にセスジハリバエの寄主はスズメバチなのかもしれない、という妄想が膨らみます。
少なくともセスジハリバエはスズメバチをあまり恐れずに強気な態度で接する様が印象的でした。


【追記】
文献検索で以下の重要な情報がヒットしました。
セスジハリバエ♀は寄主の体表に直接産卵しないらしい。
今回私が見たのは別種のヤドリバエなのかな?

舘 卓司, セスジハリバエ幼虫の奇妙な寄生行動(双翅目:ヤドリバエ科), 日本昆虫学会, 2015.09, 
セスジハリバエ Tachina nupta Rondaniは旧北区に広く分布し,日本のヤドリバエの中でも普通種の一つである.福岡市では,成虫は少なくとも春と秋に二回見ることができる多化性である.本種は待機型幼虫を産卵(仔)する間接型寄生であり,ヨトウガ類(ハスモンヨトウなど)に単寄生することが知られている.

2020/12/31

アオダイショウ:朝の日光浴からの蛇行逃走

 

2020年9月上旬・午前6:40頃・晴れ
▼前回の記事 
アオダイショウの高速ベロ【HD動画&ハイスピード動画】
田園地帯の農道で、朝からアオダイショウElaphe climacophora)が全身を伸ばした状態で横たわっていました。 
横顔にズームインしても、舌を出し入れしていませんでした。 
てっきり車に轢かれたロードキルの死骸かと思いきや、全身をじっくり見ても外傷や出血は認められません。  
私が動画を撮りながら近づき、靴の爪先で蛇にそっと触れた途端に、首だけを曲げてこちらをキッと振り返りました。 
更に私が蛇を跨いでも反応が鈍いです。 
私が歩いて近づく振動を感知したはずなのに、逃げ出す気配がありません。 
しばらくするとようやく舌を出し入れし始めました。 

ヘビは変温動物ですから、体温が未だ低い朝には動きが鈍いのでしょう。 
道端の草むらから舗装路に少し出て来て、朝日が差してくるのを待っていたと思われます。 
農道の中央部まで進めば既に朝日が照り始めていたのですけど、猛禽など捕食者に対して丸見えになってしまうリスクがあります。 
日光浴のために路上に出てきたのだとしたら、路面温度および蛇の体温を測るべきでしたね。 
私が赤外線のデジタル温度計を荷物の中からガサゴソと取り出す間にアオダイショウは逃げてしまいそうな気がして、今回は動画撮影を優先しました。 

目測では結構長い個体でした。 
巻尺で採寸したかったのですが、やはり逃げられそうなので諦めました。 

私がアオダイショウの尾を再びそっと踏むと、素早く蛇行しながら前進して道端の草むらに戻り、姿を消しました。 
踏んだ足を噛まれるかと一瞬焦りましたが、臆病なアオダイショウは慌てて逃げただけでした。 
逃げる瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:19) 
素早く蛇行すると、尻尾が鞭のように左右にしなります。  

アオダイショウをそのまま農道に放置していたら、車に轢かれたり、猛禽類に捕食されたりしそうな状況でした。 
実際、近くの電柱にはトビが止まっていて、周囲の田んぼを虎視眈々と見渡して獲物を探していました。  

毒を持たないアオダイショウぐらいは生け捕りにするスキルを身につけたいものです。 
YouTubeにはハウツー動画も公開されていて参考になります。


2020/12/26

オオイタドリの葉で日光浴するコミスジ

 

2020年8月下旬・午前9:00頃・晴れ 

オオイタドリの葉に乗ってコミスジNeptis sappho)が翅を開閉しながら休んでいました。 
口吻に注目しても、葉の表面を舐めてはいませんでした。  
ヒラヒラと飛び回ってから、少し離れた別の葉に着陸しました。 
初めは日陰の葉に居たのに、今度は小さな陽だまりを自発的に見つけて移動してきたのです。 
半開きの翅を開閉しながら朝の日光浴を始めました。 
朝は活動を始める前に体温を上げる必要がありますし、日差しが強い夏は体温が上がり過ぎないように注意する必要もあります。 
一口に「日光浴」と言っても、適切な体温調節のために意外と繊細な行動が必要とされるのかもしれません。 

日光浴中の昆虫(変温動物)をサーマルカメラ(サーモグラフィー)で動画撮影して体温変化を見てみたいのですが、高価で手が出ません…。 
コロナ禍の対策で体温を手軽に測定できるサーマルカメラの需要が世界的に増大したので、手頃な価格まで値下がりしてくれないかと期待しています。
▼関連記事(約2週間前の撮影) 
オオイタドリの花蜜を吸うコミスジ

2020/12/22

ヒトリガ♀(蛾)長い準備運動後の飛翔と羽化液の排泄【暗視映像】

 

ヒトリガ(蛾)の飼育記録#7

▼前回の記事 
ヤマグワの若葉を蚕食するヒトリガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】

2020年8月下旬・午後22:35頃頃 

飼育ケース内で暴れる羽音がするので中を覗くと、いつの間にかヒトリガArctia caja phaeosoma)成虫が羽化していました。 
ヒトリガの蛹は容器の底で6月上旬からずっと、長い眠りに就いていました。
羽化の予定日や前兆が分からなかったので、放置してしまいました。 
それでも成虫まで無事に育ってくれて一安心。 
左右の前翅の翅頂が変形してしまっているのは、翅伸展の際に足場となる止まり木を入れてやるのを私が忘れたせいで、翅先まで充分に伸び切らなかったのでしょう。(羽化不全個体)


 

2020年9月上旬・午前00:25頃・室温26.2℃、湿度55%  

羽化してから2日後。 
夜行性のヒトリガの飛翔行動を記録するために、赤外線の暗視カメラで撮影してみました。 
深夜に様子を見ると、ヒトリガ♀はプラスチック飼育容器の内壁に上向きにへばりつくように静止していました。 
Digital Moths of Japanサイトでヒトリガを調べると「触角は♂で櫛歯状、♀で歯牙状」とのことなので、この個体は♀のようです。 

容器の蓋をそっと外して暗視カメラを近づけても、ヒトリガ♀は寝ているのか無反応でした。 
蛾の翅に指で繰り返し触れると覚醒し、嫌々ながらも壁面を登り始めました。 
容器の一番上に達すると、上縁に沿って歩いて移動します。  

小休止の後に、翅を閉じたまま細かく震わせ始めました。 
しばらくすると急に翅を広げて細かく羽ばたき、飛翔筋の準備運動が本格化しました。 
後翅の眼状紋のような水玉模様が見えるようになりました。 
容器に翅を打ち付ける羽音がパタパタパタ…♪と静かな室内で聞こえます。 
どうも飛び立つには足場が不安定で気に入らないようで、少し移動しました。 
準備運動を止めてしまったので疲れたのか?と思いきや、すぐに再開。 

遂に羽ばたきながら飛び降りました。(@5:15) 
「飛び立ち」というには程遠く、ほとんど落ちるように飛び降りただけでした。 
床で暴れ回り、再び容器の外壁を登り、天辺で激しく羽ばたき続けます。 

急に準備運動の羽ばたきを止めると、腹端から白い?液状便(蛹便・羽化液)を3滴ポタポタと排泄しました。(@6:11) 
飛び立てないのを自覚して、軽量化のため排泄したのでしょう。 

すぐにまた準備運動の羽ばたきを再開すると、床に飛び降りて暴れ回ります。 
翅先が曲がっている羽化不全個体は、とにかく飛翔力が弱くて、残念ながらまともに飛び立てませんでした。 
上手く飛べずにすぐに墜落してしまいます。 
あるいは、多数の卵を体内に蓄えている♀は体重が重過ぎて、飛ぶのは苦手なのかもしれません。 
交尾のために♂が飛来するのをひたすら待つのがヒトリガ♀の配偶戦略なのでしょう。 
♀は性フェロモンを放出するコーリング行動をするはずですが、私は見逃してしまったのか、よく分かりませんでした。  

最後に、白色LEDの照明を点灯しても、疲れ切ったヒトリガ♀は逃げませんでした。 
指で前翅を広げると、後翅に眼状紋のような水玉模様があります。 
蛾の目の前に私が左手を差し出すと、自発的に登ってきてくれました。 
手乗り状態から腕を少し登り、活動停止。 

飼育記録シリーズ完。

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