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2023/10/06

白梅の花で採餌するセイヨウミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年3月下旬・午後13:25頃・晴れ 

民家の庭で満開に咲いたウメ(白梅)にセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。 
早春の風物詩ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 

花から花へ飛び回り、開きかけの蕾にも訪花していました。 
隣接する花にはわざわざ飛ばずに歩いて移動します。 
訪花中にバランスを崩しそうになると、羽ばたいて体勢を立て直します。 
吸蜜の合間に身繕いして、体に付着したウメの花粉を集めます。 
後脚の花粉籠が空荷の個体もいれば、クリーム色(黄白色)の花粉団子を運んでいる個体もいます。 

白梅の花からセイヨウミツバチ♀が飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜) 
飛翔中には口吻を伸ばしていませんでした。 

複数個体を撮影。

2023/09/30

キバナノアマナの花蜜を吸うビロウドツリアブ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年3月下旬・午後14:40頃・晴れ 

平地の河畔林で根雪がすっかり溶け去ると、枯れ草に覆われた林床には見慣れない黄色い花が点々と咲いていました。 
早春に咲くスプリング・エフェメラルのひとつと思われますが、帰宅してから調べてみるとキバナノアマナという名前と知りました。 
(ヒメアマナの可能性は? ) 
ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑 春』でキバナノアマナを調べると、
北日本に多く、比較的自然の残った所で見かけます。(p281より引用)







ビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)がキバナノアマナに訪花していました。 
長い口吻で吸蜜している間も羽ばたきを止めませんが、よく見ると黄色い花弁に足を掛けていました。 
ツリアブの仲間はホバリング(停空飛翔)が得意ですけど、今回は吸蜜ホバリングとは言えません。 
すぐに飛び立てるように、アイドリングのように羽ばたき続けているのでしょう。

ビロウドツリアブの高速羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:40〜) 
花から花への飛翔(ホバリング)中は前脚と中脚を揃えて前方に伸ばし、後脚は左右に広げていました。 

「訪花中も羽ばたきを止めない」と断定したいところですが、ひとつの花に長居するときは羽ばたきを止めていました。
生き物の観察では仮説を立てても例外や反例がすぐに出てきてしまいます。
小刻みな羽ばたきがじわじわと減衰して止まりました。 
ストロボ効果で高速羽ばたきが止まって見えるのではなく、本当に翅を休めています。 
花筒の奥の蜜腺にはなかなか口吻を挿入しなかった(手こずっていた?)ので、花粉を延々と舐めていたのかもしれません。 
複数個体を撮影。 





吸蜜の合間にビロウドツリアブは林床で日光浴していました。 
別個体が縄張りに侵入すると迎撃して軽い空中戦を繰り広げたことから、♀が飛来するのを待ち伏せしている♂ではないかと思います。 
せっかく面白い行動だったのに、動画では撮り損ねてしまいました。 




雪国の冬は何ヶ月も虫が撮れないので、ブランクが開けた早春には毎年どうしても、虫撮りが下手糞になっています。
反射神経や予測が鈍っているのです。 
コツを取り戻すまでにしばらく練習やリハビリが必要です。 

2023/08/23

雪国の川で寒中水浴するヒヨドリの群れ【冬の野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年1月下旬・午前11:40頃・くもり 

スノーシューを履いて川沿いの雪原を散策していると、対岸でヒヨドリHypsipetes amaurotis)の群れがやかましく鳴き交わしています。 
雪をかぶった岸辺の落葉灌木に集まり、私を警戒しながらも徐々に下へ下へ降りていきます。 
きっとこれから川面で水浴びを始めるだろうと予感があったので、動画を撮り続けます。 
近くで除雪作業しているブルドーザーが後退(バック)する度に発する警報ブザーがピーピー♪うるさくて興醒めです…。
 
1羽の個体が細い止まり木から川の中へポトリと脱糞しました(@0:35〜)。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
普段見慣れた尿酸混じりの白っぽい液状便ではなく、黒っぽい固形の糞でした。 

やがて私の予想通り、ヒヨドリたちは冷たい川で寒中水浴を始めました。 
川岸の浅瀬に飛び込んで素早く行水すると、すぐに止まり木へ戻り、水気を切ります。 
ヒヨドリに特有の一連の短い水浴行動を何度も繰り返します。 
冬は水温が冷たいから1回の水浴時間が短い訳ではなくて、どの季節でもヒヨドリはこうなのです。 


関連記事(1、2、5、9年前の撮影)▶  


冬の川で激しく水飛沫を立てるヒヨドリの水浴シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:03〜2:42) 
しかし残念ながら水浴は下火となり、ヒヨドリの群れは次々に飛び去ってしまいました。 
もっと早くからハイスピード動画モードに切り替えるべきでしたね。 
水浴の合間に止まり木から脱糞する様子もスーパースローで撮れていました。(@2:25〜) 
脱糞の際に尾羽根を持ち上げてなかったものの、この個体も黒っぽい固形糞を排泄し、川面から水飛沫が上がりました。

雪解け水が流れる川の水温を測りたくても、この日は温度計を持ってきていませんでした。
対岸の河畔林に設置されたトレイルカメラがほぼ同時間帯に記録した気温は5℃でした。  

2023/07/30

ロータリー除雪車による雪かき作業【HD動画&ハイスピード動画】

 

2022年1月上旬~1月中旬~2月下旬 

暑中お見舞い申し上げます。
あまりにも暑いので、少しでも涼しげな動画をお届けします。 

生き物を撮りたくても、雪国の冬は被写体がどうしても減ってしまいます。 
無聊を慰めるために、ロータリー除雪車が雪を跳ね飛ばす様子をハイスピード動画で撮りためてみました。

 

2023/07/25

ツユクサの花で集粉するクロマルハナバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】

 

2022年7月中旬・午前11:30頃・晴れ 

農村部の休耕田に咲いたツユクサの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。 
その様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。 
後脚の花粉籠に白い花粉団子を満載しています。 

ツユクサは花蜜を全く分泌しないらしく、送粉者への報酬は花粉だけです。 
したがって、訪花中のクロマルハナバチ♀は口吻を伸ばさないはずです。 
その証拠映像を撮りたかったのですが撮影アングルがいまいちで、肝心の口元が花に隠れて見えませんでした。 
ツユクサの花から飛び去る際に黒い口吻が伸びていた!と思いきや、よく見ると触角でした。(@1:06〜) 

この後で高画質のFHD動画に切り替えて撮影しようとしたら、採餌を終えた蜂に逃げられてしまいました(帰巣)。





【おまけの動画】
NHKオンデマンド「植物に学ぶ生存戦略①ツユクサ(夜の店の繁栄術)」


2023/07/12

ミドリヒョウモン♀♂の交尾と連結飛翔【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年9月上旬・午後14:40頃・晴れ 

里山で冬になると雪崩が多発する急斜面があります。 
毎年の撹乱が激しくて樹木が育つにはあまりにも過酷な環境なので、夏には雑草に覆われます。 
その山腹でミドリヒョウモン♀♂(Argynnis paphia)が木苺(種名不詳)の葉に乗って交尾していました。 
ヒョウモンチョウ類の中で私がフィールドで一番良く見かけるのがミドリヒョウモンです。 
性別を見分けるのが簡単なので、配偶行動の観察に適しています。 
♀の翅表は緑っぽく、♂の翅表はオレンジ色っぽくて、黒くて濃い性斑(性標)があります。 

互いに逆向きになって腹端の交尾器を連結したまま、翅を緩やかに開閉していました。 
結合部がひくひくと動いているのが興味深いです。 
♂が精包を♀の体内に送り込もうとしているのでしょう。 

どうも交尾の舞台が居心地悪そうです。 
交尾しながら落ち着きなく歩き回り、水平に止まれる葉に移動しました。 
向きを変えてくれたおかげで翅裏の紋様がしっかり見えるようになり、ミドリヒョウモンと同定できました。 
連結部の微妙な動きも側面からしっかり観察できるようになりました。 

しばらくすると、なぜか再び♀♂ペアが落ち着きなく動き回り始めました。 
♀は交尾を早く切り上げたいのか、♂を足蹴にしました。 

交尾中のチョウが飛ぶ際に♀♂どちらが主導権を握って羽ばたくか、種によって傾向が異なることが知られています。 
互いに逆向きに連結しているため、♀♂が同時に羽ばたくと相殺されて上手く飛べないのです。(交尾器がちぎれてしまう?) 
240-fpsのハイスピード動画に切り替え(@3:05〜)、帽子を投げつけて交尾中のミドリヒョウモン♀♂を飛び立たせてみました。 
緊急発進をスーパースローで見ると、今回は♂が主導権を握り、♀を引きずって飛び去りました。 
♀は翅を閉じて空気抵抗を減らし、♂に身を委ねて安全な場所まで運ばれます。 
このタイプの連結飛翔を「←♂+♀」と表記します。 
ミドリヒョウモンでは逆に「←♀+♂」のタイプの連結飛翔も過去に観察しています。
関連記事(1、2、8年前の撮影)▶  
交尾中に連結飛翔で逃げるミドリヒョウモン♀♂(←♀+♂) 
交尾中のミドリヒョウモン♀♂(←♂+♀) 
交尾中に連結飛翔するミドリヒョウモン♀♂
ミドリヒョウモンの場合、連結飛翔で主導権を握るのは♀♂ランダムなのか、それとも先に危機を感じた個体が反射的に飛び立ち、パートナーは受動的に運ばれる仕組みになっているのでしょうか? 

逃げたミドリヒョウモン♀♂は少し飛んで斜面を下り、日当たりの良いクズの若葉に止まり直しました。 
ほぼ水平の広い葉なので、ようやく♀♂共に落ち着いて交尾を続けます。 

下山を急いでいた私は、交尾が終わってカップルを解消するまで見届けられませんでした。 
それにしても、安全を優先するのならどうして葉裏に隠れて交尾しないのか、不思議でなりません。 
どうして鳥などの捕食者に見つかりやすい葉表で堂々と交尾するのかな? 
♀が♂との交尾を早く切り上げたがる理由の一つが、天敵に捕食されるリスクです。
♀(右)♂(左)@キイチゴ葉
♀(上)♂(下)
♀(下)♂(上)@クズ葉


2023/07/10

芝生の巣穴で離着陸を繰り返すモンスズメバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 



2022年8月上旬・午後14:20頃・晴れ 

河川敷で芝生エリアを囲む縁石の横にあるモンスズメバチVespa crabro)の巣穴bを定点観察しています。 
この日は満を持して三脚を持参し、巣穴に出入りするワーカー♀の離着陸を真上からじっくり長撮りしてみました。 
今回の目標は、ワーカー♀が巣内に持ち込む団子が巣材のペレットなのか、それとも獲物を狩った肉団子なのか、見極めることです。 
モンスズメバチはセミを狩るのが得意だと言われていますが、私は未だ実際に狩りの様子を見たことがありません。 
周囲の河畔林からアブラゼミ♂とミンミンゼミ♂がやかましく鳴く蝉しぐれ♪が聞こえてきます。 
巣穴に搬入する肉団子を見ただけでは獲物を同定できないだろうと思うのですが、とにかく観察してみましょう。 
蜂を毎回採寸する代わりに、巣口の横に1円玉(直径20mm)を並べて置きました。 
モンスズメバチ♀の離着陸を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:33〜) 

炎天下の撮影は過酷で、日傘が欲しくなります。 
私は日陰に移動すれば暑さを凌げますが、動画の長撮りを繰り返すとカメラがオーバーヒートして、冷めるまでしばらく使えなくなります。 
携帯ファンで積極的にカメラを空冷すべきかもしれません。 
(試してませんが、ファンの騒音を蜂が嫌うかな?) 

 


蜂を個体標識していないので、計何匹のワーカー♀がこのコロニーで活動しているのか分かりません。 
巣口から出てきても、うろうろと警戒しただけで巣内に戻る個体は門衛なのでしょう。 
3匹の蜂が続けざまに巣口から飛び去ったことがあったので、少なくとも3匹のワーカー♀が居ることが分かります。 
腹部が少し湾曲している個体は、軽い奇形なのかな?  
スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されている可能性が考えられます。
ここで問題が発生しました。 
黒い三脚の脚を長く伸ばして巣穴の真上に設置したので、モンスズメバチ♀が次第に警戒し、機嫌が悪くなり始めたのです。 
日本でスズメバチの巣を襲う一番の天敵は体毛の黒いツキノワグマと頭髪が黒いヒト(日本人)です。
したがって、国産のスズメバチは自分たちの巣を守るために、黒い物に対して特に警戒・攻撃するように進化しました。 
スズメバチを観察する際は、必ず全身を白っぽい服装に身を包み、帽子や白タオルで頭の黒髪を覆う必要があります。 
外役ワーカー♀はその日初めて出巣した直後に、巣穴の位置を記憶するためにホバリングしながら扇状に定位飛行します。 
巣穴の上に覆いかぶさるように置かれている真っ黒な三脚という露骨に怪しい物体を見つけた蜂が攻撃的になったのは当然です。 
警戒フェロモンを放出したかもしれません。 

外役ワーカー♀は巣材集めや獲物を狩りに出かけるどころではなくなり、私が目的とする行動を撮影できなくなってしまいました。 
蜂が忙しなく帰巣しても空荷でした。 
着地の瞬間に前脚も万歳すれば空荷で帰巣したと分かります。 
(前脚は手ぶらでも、口に咥えていたら背面からでは運搬物が見えない?) 

巣の横に立って見ていた私の体にも、まとわりつくように蜂が飛び回るようになりました。 
手を振り回したりしないで落ち着いてゆっくり後退しても、モンスズメバチ♀はしつこく追いかけてきます。 
飛びながら大顎をカチカチ♪鳴らす警告音は聞き取れませんでした。 
営巣地から充分に離れると蜂も許してくれ、私から離れて行きます。 
スズメバチ専用の物々しい防護服を着用していなくても、スズメバチの習性と対処法を知っていれば、刺されずに済みます。 
カメラが1台しか無いので、複数のモンスズメバチ♀が三脚や私に対してしつこくまとわりつくように飛び回る様子を動画に記録できず、残念でした。 

スズメバチの撮影で黒い三脚を使うのは良くないと、改めて(身を持って)知りました。 
三脚を白く塗装してしまうと他の目的に使いにくくなりますから(野外で目立ち過ぎる)、白色や迷彩柄のビニールテープを三脚に巻けば良かったかもしれません。 
あるいは、黒ではなく銀色の三脚を使えばよかったですね。
その一方で、巣口の横に置いたピカピカ光るアルミ製の1円硬貨に対してモンスズメバチ♀は無反応でした。 

地中営巣性のスズメバチが巣穴から離着陸する様子を動画撮影するには、前回やったように、巣穴のすぐ横の地面にカメラを置いてローアングルから撮影するのが一番良さそうです。 
巣に持ち帰る肉団子や巣材をしっかり観察するには、上から見下ろすのではなく横からのアングルでハイスピード動画に記録するべきです。 
私のカメラ本体は黒いのですが、上から迷彩柄のバンダナを被せてやると、蜂は落ち着いてくれました。 




この巣穴bでモンスズメバチのコロニーを定点観察できたのは、これが最後でした。 
河川敷の芝生や雑草が綺麗さっぱり刈られた後、モンスズメバチの活動は無くなってしまいました。 
巣口は干し草の山に覆われていました。
こうなるだろうと半ば予想(覚悟)していたとは言え、観察したいテーマが他にもまだ色々あったので、残念でなりません…。 


枯れ草の山を掻き分けて見つけた巣口b


モンスズメバチの巣をてっきり誰かに駆除されてしまったとばかり私は思い込んでいたのですが(被害妄想?)、後になって別の可能性もあることに気づきました。 
翌年の晩春に河川敷で作業する芝刈りカーを初めて見ました。 
回転する刃を人力で左右に動かすことで草刈りするタイプではなく、ゴルフカートのように一人が運転して走り回るだけできれいに草刈りしてくれるタイプでした。 
この芝刈り機なら効率良くあっという間に草が刈れるので、モンスズメバチの巣穴の上を通り過ぎても、蜂に攻撃されないかもしれません。 
(振動と騒音でやはり蜂は怒るかな?) 
最近ではルンバのように無人で自動芝刈りするロボットも開発されています。
もしかすると、モンスズメバチが営巣を止めたのは駆除されたのではなくて、芝刈りの結果、営巣地周辺の景色が激変して外役ワーカー♀が迷子になり、帰巣できなくなってコロニーが衰退滅亡したのかもしれません。 

つづく→

2023/06/17

シロツメクサの花で求愛するヒメシジミ♂と交尾拒否する♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年6月下旬・午後13:00頃・晴れ 

翅の色で性別をかんたんに見分けることができるヒメシジミPlebejus argus micrargus)は、配偶行動の観察に向いています。 
河川敷に咲いたシロツメクサの花で吸蜜する♀を撮っていると、同種の♂が飛来しました。 
♀の背後からぶつかってきた♂は、同じシロツメクサ頭花に止まると、♀に求愛アタックを始めました。 
細長い腹部を♀の方へ曲げて、隙あらば交尾するチャンスを狙っています。(@0:10〜) 
しかし、この♀は交尾する気がないようです。 
♂に対してなるべく正対するように、シロツメクサ頭花上で♂から逃げ回りながら吸蜜を続けています。 
背後を取られないように♂と顔を突き合わせていれば、♂の交尾器は届きません。 
シロチョウ科の♀では翅を開いて腹端を高々と持ち上げることで♂に交尾拒否の意思表示をしますが、シジミチョウ科のヒメシジミ♀はそのような分かりやすい交尾拒否行動をしませんでした。 

脈がないと分かった♂は少し吸蜜してから、潔く諦めて飛び去りました。 
♂のセクハラから解放された♀は、しばらく吸蜜を続けてから飛び立ち、隣に咲いたシロツメクサの花へ移動しました。 


続けて240-fpsのハイスピード動画でもヒメシジミの交尾拒否行動を撮ることができました。(@0:51〜) 
※ 実は、撮影順は逆です。 
慌てて撮り始めたので、ピントが甘いのが残念です(奥ピン)。 
ハイスピードモードでは固定焦点なので、合焦するように私が撮りながら一歩下がれば良かったですね。
しかし晴れた野外だと眩しくてカメラのバックモニターがよく見えず、ピントが確認しにくいのです。 

ヒメシジミの♀♂が同じ集合花に訪花しています。
♂は青い翅表を見せつけるように翅を半開きにしたまま、歩いて♀に近づきます。 
一方、♀は翅を閉じたままで、シロツメクサの花の下部に隠れています。 
シロツメクサの集合花は小さな蝶形花が下部から順に枯れていくので、下部に隠れた♀は吸蜜できません。 
つまりヒメシジミの♀にとって、♂のセクハラを回避するための行動は、吸蜜活動の機会損失になります。
ここでも♀は♂に背後を取られないように逃げ回っています。(交尾拒否) 
♀の同意がなければ交尾が成立しないのです。

痺れを切らした♂が花から飛び立つと、♀の周囲を激しく飛び回り始めました。(求愛飛翔) 
飛びながら♀の体に何度も軽く体当たりしています。 
♂がシロツメクサの茎に止まって羽ばたき、盛んにアピールしても、♀は交尾する気がありません。 
♀が♂と正対しながら閉じていた翅を半開きにしたのが交尾拒否の強い意思表示なのかな? 
よく見ると、♀は前脚や中脚も激しく動かして「来るな来るな」と正面に居る♂を牽制しているようです。 
ヒメシジミの脚は短いので、「しつこく迫る♂を足蹴にする」と言うほどの迫力はありません。 
遂に♂は求愛を諦めて飛び去りました。 

撮影アングルがいまいちで、交尾拒否のヒメシジミ♀が腹部を高々と持ち上げていたかどうかなど詳しい体勢がよく見えませんでした。 
♂が去ってからもヒメシジミ♀がシロツメクサの茎に居残っていると、その茎を下からクロアリ(種名不詳)が登ってきました。 
すると、蟻を嫌がった♀が慌てて飛んで逃げました。 
羽ばたいた際に翅表が初めて見れて、地味な茶色であることから♀と確認できました。 


2023/06/08

砂利道で巣材の土塊を集めるオオハキリバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年8月中旬・午後14:20頃・くもり 

里山の林道(砂利道)でオオハキリバチ♀(Megachile sculpturalis)が低く飛び回っていました。 
巣材集めの採土がしたいのだろうとピンときました。 
オオハキリバチ♀はかすかに羽音を立てて飛び回り、あちこちで試掘して土質を調べ、気に入ったら採土します。 
大顎で地面をガリガリ削り取るのです。
ドロバチ科やクモバチ科のように水を吐き戻しながら滑らかな泥玉を作るのではなく、ただの土塊を巣に持ち帰ります。 
今回は雨上がりで、湿り気を帯びた土を採掘していました。 

採土後に飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@1:03〜) 

※ 薄暗い後半は明るく加工しました。 


オオハキリバチは造巣過程の各段階で異なる巣材を用います。 
土塊を使うのはごく一部なのですが、フィールドで見かける巣材集めは圧倒的に採土行動が多いです。 
我々の目に付きやすいからなのでしょう。
メインの巣材は樹脂なのに、オオハキリバチ♀が樹脂を集める行動は1回しか観察したことがありません。 

関連記事(1、2、10、13年前の撮影)▶  

2023/05/08

モクゲンジの花で吸蜜するモンシロチョウ♀に交尾拒否されてもしつこく求愛する♂【ハイスピード動画】セクハラ

 



2022年7月中旬・午前11:20頃・晴れ 

モクゲンジの花で吸蜜するモンシロチョウ♀(Pieris rapae)を240-fpsのハイスピード動画で撮っていると、背後から♂が飛来しました。 
途端に♀は閉じていた翅を開き腹部を高々と持ち上げました。 
これは教科書通りの「モンシロチョウ♀の交尾拒否」行動です。 
それでも♂が求愛を続けるので、♀は花から落ちるように飛んで逃げました。 
逃げた先でも再び♂にしつこく迫られ、♀は交尾拒否と逃避を繰り返します。 
探雌飛翔していた別個体の♂もそこへ参戦し、三つ巴の激しい乱舞になりました。 

交尾済みの♀はもう交尾する気がないのに、絶倫の♂にしつこく絡まれて迷惑しています。 
モンシロチョウの♂は♂で自分の遺伝子を残そうと必死なのです。 
産卵前の栄養補給に支障を来すほど♂のセクハラが激しいと、♀の適応度(繁殖成功度)を下げてしまいます。(性的対立) 
昆虫の種類によって、♀に断られた♂があっさり諦めて紳士的に離れるものと、♂の諦めが悪いものがいます。
モンシロチョウでは♀の交尾拒否行動が確立しているのに、♂が諦めず執拗に求愛するということは、わずかながらも交尾に至るチャンスがあるのでしょう。(嫌よ嫌よも好きのうち)
♀の訪花シーンは写真に撮ってなくて、この個体は♂

2023/04/18

ミゾソバに訪花吸蜜するウラナミシジミ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年10月中旬・午後14:25頃・晴れ 

河川敷を横切る水路(出水樋門の下流)に沿って咲いたミゾソバの群落でウラナミシジミ♂(Lampides boeticus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を閉じて吸蜜すると翅裏の眼状紋が目立ちます。 
強い西日を浴びて白飛び気味になってしまいました。 

閉じた後翅を互いに擦り合わせ、尾状突起を偽の頭部の触角のように動かしています。(自己擬態行動) 
本物の触角は剛性があるようで下げたまま動かないのに、尾状突起は秋風にヒラヒラとなびいています。 

しばらくすると翅を半開きにしてくれたおかげで翅表がしっかり見え、♀と判明しました。 
翅が無傷の新鮮な(羽化直後の)個体です。 
風が止むのを待って日光浴するのでしょうか。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:50〜)

2023/04/15

マルバハッカに訪花吸蜜するオオチャバネセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年7月中旬・午後15:45頃・くもり 

農村部の道端に咲いたマルバハッカ(別名アップルミント)の群落でオオチャバネセセリZinaida pellucida)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じた(立てた)まま吸蜜しています。 
隙間からちらっと見える翅表の斑紋から、イチモンジセセリではなくオオチャバネセセリと確定しました。 

途中で夏型のベニシジミが飛来してオオチャバネセセリの周囲で少しホバリングしたのですが、オオチャバネセセリは動じずに吸蜜を続けました。 
別れた後は互いに無関心で各自が吸蜜を続けます。 



花から自発的に飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:31〜) 
訪花中にしなやかな口吻が蜜腺を探り当てる動きも面白いです。

2023/04/10

ナギナタコウジュに訪花吸蜜するイカリモンガ【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年10月上旬・午後13:15頃・くもり 

山間部の道端に咲いたナギナタコウジュの群落でイカリモンガPterodecta felderi)が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま吸蜜しています。 
花穂を歩いてグルグル回りながら次々に花蜜を吸っています。 

ナギナタコウジュの花序に小花は疎らにしか咲いてなかったのですけど、イカリモンガは口吻の先で花筒を探り当てるのに苦労していました。 
イカリモンガは視力が相当悪いことを伺わせます。 

腹部が太くて膨満しているので、なんとなく♀ではないかと思うのですが、どうでしょうか?
(イカリモンガの性別判定法を私は知りません。) 

イカリモンガは少し飛んで隣の花穂へ移動します。
花序から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:05〜2:13) 
翅表の鮮やかな斑紋を見るためには、羽ばたきをスーパースローで撮るしかありません。
曇り空で薄暗いのでカメラの設定で明るくしたところ、逆に上げ過ぎて不自然な色調になってしまいました。 
別の用事があって急いでいた(焦っていた)私は、被っていた帽子を投げつけて強制的に飛び立たせたのですけど、イカリモンガはきれいに飛んでくれませんでした。 
羽ばたきながら落下で緊急避難。 
やっぱり心に余裕がないと虫撮りは上手くいきませんね。

2023/04/05

クロバナヒキオコシで訪花吸蜜するクロマルハナバチ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年10月上旬・午後13:30頃・晴れ 

山間部の道端に咲いたクロバナヒキオコシの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。 
鮮やかでカラフルな装いのクロマルハナバチ♂は私の特にお気に入りのマルハナバチです。
耳を澄ますと、羽音がかすかに聞こえます。 
この組み合わせは初見です。 
雄蜂♂は♀と違って集粉しませんから、当然ながら後脚に花粉籠はありません。 
吸蜜しながら身繕いすることもありました。 

マルハナバチは小さな脳で巡回セールスマン問題をどうやって解くのか?というのは面白い問題です。 
この個体♂はクロバナヒキオコシの群落の中で、隣の株に次々と移動して効率的に吸蜜していました。
「おおっ!」と感心したのも束の間、すぐに例外的な飛び方をしました。 
そうやって巡回経路を時々リセットするのも何か理由がありそうです。 
花蜜が枯渇している花には着陸する前にマルハナバチは匂いで気づいて回避できるのかな? 
自分が訪花した花にはフェロモンなどで匂い付けしておけば、無駄な重複訪花を避けて効率よく蜜源植物を巡回できそうです。 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:50〜) 
現場は昼間でも薄暗かったので、カメラの設定で明るさを上げてから撮影を始めたら、途中から日が射してきて困りました(逆に白飛び!)。 
吸蜜中のクロマルハナバチ♂は翅を半開きのまま、羽ばたきを止めています。 
クロバナヒキオコシの花から飛び立つと、長い舌を伸ばしたままホバリングしています。 
次の花に着陸しようと脚で掴んだら千切れてしまい、蜂ごと落花することもありました。 

花から花へ忙しなく飛び回るために、蜂にピントを合わせ続けるのが至難の業です。 
またクロバナヒキオコシの唇形花が小さいので、どうしても奥ピンになり勝ちです。 
飛び回る蜂の動きがあまりにも忙しなくて通常の動画では撮る気にならないような場合でも、ハイスピード動画に切り替えると、細切れでも意外にうまく撮れていることがあるのでオススメです。
ところで、最近デジカメのハイスピード動画の性能の進化は止まってしまったのでしょうか?
240fps以上のスーパースローが撮れる大衆向けの機種を待ち望んでいます。
 

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