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2022/04/07

冬の河畔林でタヌキ溜め糞場の周囲を深夜徘徊する謎の昆虫【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 夜の河畔林で活動する謎の昆虫【暗視映像:トレイルカメラ】

2021年12月中旬・午後23:20頃 

平地の河畔林に残されたタヌキの溜め糞を長期監視しているトレイルカメラに謎の夜行性昆虫がまた写っていました。 
(トレイルカメラが起動したのは、野ネズミなど何か別な野生動物にセンサーが反応したのだと思います。)
溜め糞の周囲の林床を黒っぽい虫がゆっくりと歩き回っています。 
頭部が白く光ってるのは、複眼に赤外線が反射しているのでしょう。 
溜め糞から遠ざかり、落ち葉の下に潜り込んだり出たりしています。 
動画モードで記録したので、残念ながら気温データを取得できませんでした。 
この時季は昼間に現場を訪れても、溜め糞に集まるハエ類ですら見かけません。

映像を見直しても、この虫は小さ過ぎて、何の仲間かも分かりません。 
なんとなく甲虫類のような気がするのですけど、どうでしょうか? 
それとも翅が退化した冬尺蛾の♀が羽化して林床を徘徊しているのだとしたら、面白いですね。 


2022/03/29

夜の河畔林で活動する謎の昆虫【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2021年12月上旬・午後17:40頃・晴れ(日没時刻は午後16:18)

トレイルカメラを野外に設置すると、恒温動物の野鳥や野生動物だけでなく昆虫が撮れることもたまにあります。 
河畔林のタヌキ溜め糞場を監視する映像で、画面右の立木の幹を謎の昆虫がゆっくり歩いて下っています。 
地面に降りると、そのまま林床を徘徊し始めました。 
小さ過ぎて正体不明です。(なんとなく甲虫かな?) 
タヌキの溜め糞を目指しているようにも見えますが、到達する前に録画が切れてしまいました。 

撮影時の気温を知りたいところですけど、残念ながら動画モードでは気温データを取得できません。 
今回トレイルカメラのセンサーが何に反応して起動したのか不明です。 
熱源を動体検知するはずなので、変温動物の昆虫に反応しないと思うのですが…。 
赤外線の暗視映像で謎の昆虫は黒く写っているので、温度は低いです。 
前端が白く光って見えるのは、虫の複眼がカメラの赤外線を反射しているのでしょう。 



2022/02/05

山上で回る風力発電所の巨大風車

 

2021年11月上旬・午後15:15頃・晴れ 

下山してきた私が夕方に遠くの山並みを何気なく眺めたら、風力発電の風車が回っていることに気づきました。 
ベンツのエンブレムのような3枚羽の白い風車が4基、山の峰に並んで回っています。 
かなり遠いのにこれだけ目立つということは、恐ろしく巨大な建造物であることが伺えます。 
風力発電用の風車の実物を見たのは初めてです。 
巨大な使徒を連想しました。 
後で調べると、ブレード(羽根)の長さは43m、全高は約120mとのこと。 
風車の向きは風向きとは無関係で、固定されているようです。 

今までこの風車の存在に気づかなかったのが我ながら不思議です。 
西日を浴びて青空を背景にすると白い風車がよく目立ちます。 
私が少し近付くと、逆に風車が山の端に隠れてしまう上に、背景の空に白い雲がかかってしまい、てきめんに風車が見えにくくなりました。 
後に分かったことですが、巨大風車が見えるかどうかは天気や時間帯によって決まるようです。 
風が弱くて風車が止まると、遠くからは見つけにくくなります。

山形県と福島県の県境付近に風力発電所が建設されたと風の噂には聞いていたものの、これほど遠くからでも巨大風車が見えるとは知りませんでした。 
廃業したスキー場の跡地を再利用したらしく、2020年に完成し、2021年3月に売電を始めたそうです。 

風力発電所は原子力発電所に比べれば遥かにクリーンでエコなエネルギーですが、飛来した野鳥が風車に激突して命を落とすバードストライク事故が問題になります。 
特に猛禽類や渡り鳥が心配です。 
撮影中に飛来したカラスが風車に接近したように見えてヒヤッとしたのですけど、遠近感のトリックで実際はかなり離れていました。
鳥に対して目立つように風車を着色すると「景観を損ねる」とのクレームが来るのですかね? 
参考:風力発電所の生態系への影響 @wikipedia
この風力発電所をいつか間近で見学したいものです。 
日本海側の雪国は冬になると日照が少ないので、太陽光発電よりも風力の方が向いているのかもしれません。 


↑【おまけの動画】
建設プロジェクトの全貌を伝える公式映像です。

2021/08/02

鯉のぼりと本物のコイの泳ぎを比較【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月中〜下旬・午後・晴れ

ようやく水面にハスの若葉が開き始めた蓮池で、コイ(鯉;Cyprinus carpio)が泳ぎ回っていました。(@2:28〜) 
オーソドックスな黒いコイに混じってオレンジ色の錦鯉も泳いでいます。 
大型個体のコイが池底の泥を巻き上げながら岸辺を泳ぐと、ときどき気泡がブクブクと浮き上がります。 
これは泥の中のメタンガスなのですかね? 
私が岸辺から池を覗き込むと、給餌するのを期待して鯉が集まって来ます。 
水面で口を大きく開けて餌乞いしています。 

今さら池のコイを撮っただけでは面白みに欠けるので、ちょうど5月に街なかで見かける鯉のぼりの映像とつないでみました。 
春風で勢いよくたなびく鯉のぼりを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:18〜) 
支柱の天辺で風車がクルクルと回っています。 
私がちょうど風下に立った位置で撮影したので、いまいち迫力ある絵になりませんね。 
横着せずにちょっと回り込んで、鯉のぼりの側面から撮るべきでした。 

2021/01/24

モンスズメバチの巣が駆除された後の樹洞内に生き残った生物は?【暗視映像】

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#13

▼前回の記事 
樹洞内の巣が壊れても居残るモンスズメバチ♀♂と居候ゴキブリの群れ【暗視映像】

 

2020年9月下旬・午前1:20頃・くもり 

8日ぶりの定点観察に来てヤエザクラ(八重桜)の樹洞内を赤外線の暗視カメラで覗いてみると、モンスズメバチVespa crabro)の巣盤がほぼ完全に破壊され無くなっていました。 
モンスズメバチの成虫は♀も♂も1匹も見つかりませんでした。
やはり誰かに蜂の巣を駆除されてしまったようです。 
秋になってコロニーの解散が近づき、ワーカー♀による防衛力が衰えた途端に居候のヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)などが巣盤や外皮を一気に食害したのかもしれない…という可能性も無くはありません。 
しかし、樹洞の底にモンスズメバチ巣の外皮の破片が散乱していたことから、物理的に巣を破壊・駆除されたと確信しました。 
実は私が定点観察に通っていた期間中、営巣木の周囲に立入禁止のロープが張り巡らされて注意喚起の張り紙もしてありました。 
黄色と黒の縞模様で危険を示すロープ(ベイツ型擬態)と注意書きが前回見に来たときには撤去されていました。
その寛大な対応は今どき珍しい神対応だと私は高く評価していたのですが、やはり誰かハチ嫌い(ハチ恐怖症)のヒトが一人でも強いクレームを入れると、残念ながら駆除せざるを得ないのでしょう。 

モンスズメバチの巣が駆除されても、樹洞内に隠れ住む昆虫が全滅した訳ではありませんでした。 
ハチの巣駆除にはおそらく殺虫剤を使用したはずです。 
(殺虫剤を使わないでモンスズメバチだけ駆除したのだとすれば、難易度が高い方法なので大したものです。) 
使用した殺虫剤に対して抵抗性を獲得しているのか、多数のヤマトゴキブリと1匹のゲジは樹洞内でしぶとく生き残っていました。 
それとも駆除後に新たに樹洞内に侵入したゴキブリ集団なのかな? 
殺虫剤が樹洞内に残留しているはずです。 

今回新たに樹洞内で見つけた昆虫として、おそらくカラスヨトウAmphipyra livida corvina)の仲間と思われる中型の黒い蛾も1頭潜んでいました。 
侵入したカメラに警戒して、樹洞内を走り回ったり少し飛び回ったりしています。 
蛾の複眼がカメラの照明(赤外線または白色光)を反射して見えます。 
文献検索でヒットしたPDFを斜め読みしてみると、
小蛾類も複数種が,夏季にはヤガ科のカラスヨトウ類も認められる. (亀澤洋. "甲虫の生息場所としての 「乾燥した樹洞」 について." さやばねニューシリーズ 11 (2013): 4-14.より引用)
との記述がありました。 

実は私も忘れかけていたのですが、こんな面白い体験を記録しています。
▼関連記事(6年前の撮影) 
夜モンスズメバチの巣に忍び寄るシロスジカラスヨトウ(蛾)【暗視映像】
しかし、今回見つけた蛾の映像をスロー再生しても翅表に白帯は見えませんでした。 

鈴木知之『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』によると、
チョウ目の多くの種は、朽ち木や朽ち木に発生したキノコを利用する。(p76より引用)
しかし、カラスヨトウなど見た目が似た蛾は掲載されていませんでした。 
 

次に、森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』を紐解いてカラスヨトウを調べると、
夏眠と呼ばれる活動休止期間がある、盛夏には一時姿を消す。(p25より引用)
 
八重桜の樹洞内でカラスヨトウ(の仲間)が夏眠していたのかもしれません。 

樹洞内の画面左には、マイマイガLymantria dispar japonica)の蛹が吊り下げられていました。 
危険なスズメバチが居なくなったので、可視光の照明を点灯しても大丈夫です。 
蛹の本体は焦げ茶色で、薄茶色の剛毛が疎らに生えていました。 
マイマイガの幼虫は広食性で、食草・食樹リストにサクラが含まれています。 
5年前には現場のすぐ近くのヤエザクラ(八重桜)の木でマイマイガ幼虫を撮影しています。

▼関連記事(5年前の撮影:ほぼ同じ場所) 
桜の葉の中で繭を紡ぐマイマイガ幼虫(蛾)

ゴキブリやカラスヨトウ(蛾)など夜行性の昆虫は白色光を嫌って物陰にどんどん逃げてしまい、じっくり撮影できませんでした。 
(蜂の巣が駆除されたことに落胆して、動画撮影が雑になってしまいました。) 

撮影直後に外気温を測定すると、営巣木の周囲は17.7℃、湿度80%でした。 

シリーズ完。 
モンスズメバチ新女王の羽化を見届けることができず、残念無念です。 
スズメバチの巣の定点観察はいつも不本意な形で強制終了してしまうために生態の解明が遅々として進まず、フラストレーションが溜まります。 
それでもモンスズメバチの巣を定点観察するのはこれで2例目となり、新しい発見とささやかな喜びが得られました。

2021/01/02

プライアシリアゲ♀の飛び立ち

 

2020年8月中旬・午後13:25頃・晴れ 

河畔林の林縁でシリアゲムシの一種♀がクズの葉に止まっていました。 
葉の縁に止まって翅を開閉させています。(翅紋誇示?) 
 飛び降りた下を探すと、ニセアカシア(別名ハリエンジュ)幼木の小葉に止まっていました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

脚は黄色で、腹背も黄色でした。 
ネット検索で絵合わせしても、翅紋に変異があるらしく、しっくり来る種類が見つかりません。 
おそらくプライヤシリアゲ♀(Panorpa pryeri)だと思うのですが、どうでしょう? 
そもそも「プライア」なのか「プライヤ」なのか、表記の揺れもあってややこしいです。
名は、発見者の英国人蝶研究家Henry Pryerの名を取って付けられた。(参考サイト:あおもり昆虫記より引用)

2020/12/26

モンスズメバチの巣内で羽化した雄蜂♂、居候ゴキブリ・ゲジの跳梁跋扈【暗視映像】

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#11

▼前回の記事 
モンスズメバチの巣の定点観察と温度測定【暗視映像】
2020年9月上旬・午前1:30頃・晴れ 

定点観察の間隔が開いて10日ぶりになってしまいました。 
深夜でも半月で明るかったです(月齢19.0)。 
いつものように赤外線の暗視カメラで樹洞内をそっと撮影していみると、モンスズメバチVespa crabro)の巣盤を上からすっぽり覆う外皮の底部が大きく開口していました(巣口の拡大)。 

嬉しいことに、雄蜂♂が既に数匹羽化していて(少なくとも3匹?)、巣盤上を徘徊していました。 
雄蜂♂の触角は長くて先端が緩くカールしてるのですぐ判ります。 
生殖カーストが羽化し始めたということは、コロニーの営巣段階が無事に後半を迎えたことになります。 
新女王よりも雄蜂♂が早く羽化する雄性先熟なのでしょう。 
ただし気がかりなのは、私はこの巣でこれまで創設女王の存在を確認できていません。 
もし今後、新女王が羽化してこなかったら、雄蜂♂はワーカー♀が未受精卵を産卵した結果かもしれません。  

巣盤の育房内では幼虫が蠢いていました。 
おそらくこの蜂の子が新女王に育つのでしょう。 
繭キャップは見当たりませんでした。 

在巣のモンスズメバチ成虫の中には、空いた育房に頭を深く突っ込んでいる個体が数匹いました。 
寝ているのか、それとも育房内の幼虫が吐き戻す栄養液を摂取している(栄養交換)のでしょう。 
頭を育房から引き抜いたら触角の長い♂でした。 

もう一つの特筆すべき変化として、モンスズメバチの巣に居候する虫たちの数が増え、以前より大胆に活動するようになっていました。 
ヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)と思われるゴキブリが多数と、1匹のゲジが巣に出入りしていました。 
肉食性のゲジは獲物として何を狩るのでしょうか? 
樹洞内にワラジムシの姿が見えなくなったのは、ゲジが捕食した結果なのかな? 
ゲジが蜂の子を襲って捕食する可能性があるのか、興味深いところです。 

 ヤマトゴキブリは無翅の幼虫または短翅の♀成虫ばかりで、長翅の♂成虫を見かけませんでした。 
ゴキブリが傍若無人に巣に出入りしたり外皮を齧ったり(?)しても、在巣のモンスズメバチ♀は追い払うどころか全く気づいていない(気にしない?)様子でした。 
モンスズメバチは夜行性(昼も夜も外役が可能)のはずなのに、暗闇で目が良く見えるという訳ではないようです。 
居候を決め込んだゴキブリは、体表成分をモンスズメバチに化学擬態して気づかれないようにしているのだとしたら面白いですね。 
モンスズメバチは雄蜂♂の羽化と引き換えに在巣のワーカー♀個体数が減っていたので、コロニー全体の防衛力が低下しているのかもしれません。 

木屑(外皮の破片?)を糸で綴ったようなゴミが樹洞内にぶら下がっていました。 
何者か(居候昆虫:蛾類?)の巣かもしれません。 
後日、この位置にマイマイガの垂蛹が見つかりました。 
他には微小なアリ(種名不詳)も何匹か樹洞内を徘徊していました。 

動画撮影の合間に赤外線のデジタル温度計で測定してみると、巣盤の表面温度は24.6℃。 
樹洞の底に溜まった木屑は24.3℃。 
 樹洞内部(開口部の奥)は24.4℃。 
営巣木の周囲の外気温は24.3℃、湿度76%。 
ちなみに、点灯した赤外線投光器の表面温度は32.3℃まで発熱していました。


2020/12/21

クモの網を調べに来たヤマトシリアゲ♀

 

2020年8月中旬・午前8:45頃・晴れ 

山間部の道端に咲いたホツツジの花の周囲にクモの網が張り巡らされていて(棚網?)、非粘着性の糸に ヤマトシリアゲ♀(Panorpa japonica)が止まっていました。 
体色が黄色っぽい個体で、右の触角がなぜか曲がっています。 

ホツツジの花粉や花蜜を目当てに訪花したというよりも、クモの網にかかった虫の死骸を盗もうとしているように見えたので、急いで動画に撮り始めました。 
慌てていたので、なかなか被写体にピントがしっかり合いません。 
網を張った主(クモ)は隠れ家に潜んでいるのか、姿が見当たりませんでした。 
 『日本動物大百科9昆虫II』でシリアゲムシの食性を調べると、
シリアゲムシ科の成虫は傷ついたり死んだ昆虫をおもに餌とするが、果実を吸汁することもある。時にはクモの巣にかかった獲物をくすねることもある。(p170より引用)
「雑食性で、花粉や他の昆虫の死体などを食べる。シリアゲムシはクモの網に引っかかった虫を横取りする」ことが知られています(wikipediaより引用)。  

▼関連記事(8年前の撮影)

しかし横の道を車が走り去ると、驚いたヤマトシリアゲ♀は飛び去ってしまいました。 
少し飛んだだけで近くのイタヤカエデ幼木の若葉に着陸し、翅の黒紋を誇示するように翅を動かしています。

2020/12/15

ヤマトシミの活動を早回しで見ると…【10倍速映像】

 

2020年8月下旬・午後23:14 〜 午前1:17
▼前回の記事 
ヤマトシミの飼育:餌を食べる
ヤマトシミCtenolepisma villosa)の夜行性活動を夜中に微速度撮影で長撮りしてみました。(カメラのSDカード容量が切れるまで) 
10倍速の早回し映像でご覧ください。  
隠れ家として与えていた折り畳んだ紙片の陰から夜が更けるとときどき現れて、チョロチョロと徘徊し始めます。 
プラスチック容器の垂直な壁面には決してよじ登りませんでした。 
おそらく滑って登れないのでしょう。(脱出の心配なし) 
ただし容器の底面はときどき歩いています。 

餌を入れた皿にもたまに出入りして、おそらく食事しているようです。 
最近は蕎麦ではなく素麺の砕けた欠片を与えています。 
ヤマトシミは白くて細い素麺にもよじ登っていますが、口を付けてるかどうか不明です。 
素麺は塩分が多く含まれているので、紙魚の餌としてはあまり良くないかもしれません。

※ 微速度撮影に特有の画面のちらつきを抑えるために、動画編集時にdeflickerフィルター処理を施しています。 


次回は可視光の照明は消灯して、赤外線の暗視カメラで微速度撮影してみたら、また様子が変わってくるかもしれません。 
本で読むとシミの配偶行動や交尾行動が面白そうなのですけど、お見合い相手を未だ捕獲できていません。 
ゆくゆくは飼育下で繁殖させてみたいものです。
「逃げるなり紙魚が中にも親と子よ」一茶
この俳句の作者は、かの有名な小林一茶です。 

もう一つ、シミの脱皮行動も必見らしいので、今後の観察課題です。
参考:『虫たちの謎めく生態―女性ナチュラリストによる新昆虫学』第8章「シミの脱皮は死にものぐるい」

2020/12/02

ヤマトシミの飼育:餌を食べる

 

2020年8月上旬・午後20:55頃・室温28.4℃・湿度57%
▼前回の記事 
夜行性ヤマトシミ:飼育下の食餌【暗視映像】

卓上で飼育しているヤマトシミCtenolepisma villosa)がようやく照明に慣れてくれたようです。 
夜行性ですが、明るくても餌皿に入ってくれるようになりました。 
ペットボトルのキャップ(直径30mm)内に蕎麦の乾麺、魚粉、米糊を少量ずつ入れて給餌しています。 
しかし背側から接写しても肝心の口元が見えません。 
(食べているところではなく、警戒して静止しているだけかもしれません。)  
以前飼っていたヤマトゴキブリとは違って餌を食べる物音も全くしないので、張り合いがありません。

接写すると黒っぽい体色に鰹節の粉をまぶしたような模様があるのですね。 
餌の魚粉で汚れたのではなく、そういう斑紋なのでしょう。  

餌皿の外に出ると飼育容器の底を徘徊し、隠れ家として与えた紙の陰に逃げ込みました。 
小魚のような素早い動きから「紙魚」と名付けた昔の人のワードセンスにいつも感心します。

 

2020/11/17

夜行性ヤマトシミ:飼育下の食餌【暗視映像】

 

2020年8月上旬・午前00:25頃 

深夜にヤマトシミCtenolepisma villosa)の様子を見ると、ようやく餌皿の中に入り込んでいました。 
赤外線の暗視カメラで食事シーンをそっと撮影してみましょう。 
ペットボトルの蓋を再利用した餌皿は、直径3cm、深さ1.4cm。  
日本語版wkipediaでヤマトシミを調べると、奇特な有志が飼育方法を詳しく書き残してくれていました。 
それを参考にしながら適当にアレンジした今回の給餌メニューは、短く砕いたソバの乾麺、和風だし用の魚粉をひとつまみ、米糊を少々です。 
最後の米糊は、電気炊飯釜の内側で米飯の澱粉がオブラートのように半透明に乾いた薄いシートです。 
こんな粗食で生きていけるのなら、これほど楽な飼育はありません。
もし餌にカビが生えても、皿ごと捨てれば飼育容器内を楽に掃除できて、衛生状態が清潔に保たれます。  

円筒形の飼育容器の蓋を静かに外してもヤマトシミは逃げ出さずに、じっとしていました。 
背面から撮っても皿の中で動きがないので、本当に餌を食べているかどうかよく分かりません。 
もしかすると、私の気配を感じて食事を中断し、警戒しているのかもしれません。 


 つづく→

2020/11/15

夜の廊下に潜むゲジをつついてみると…【暗視映像】

 

2020年8月上旬・午後22:00頃・室温30.5℃ 

夏の夜、家の廊下の壁面の下の方にゲジが下向きに止まっていました。 
夜行性のゲジが逃げないように照明を消してから、赤外線の暗視カメラでこっそり撮影してみましょう。 
ゲジの複眼は紫外線が見えるらしいのですが、赤外線は見えてないようです。 
頭部から伸びる長い触角とは別に、最後部の歩脚が後方にひときわ長く伸びていて、これも触角のように使うのだそうです。 

定規で採寸すると体長が約16mmだったので、未だ幼虫なのかもしれません。 
しかし歩脚を数えると、成虫と同じ15対でした。 
私は多足類について勉強不足でよく分からないのですが、小型の成虫としておきます。  

ついでに定規でゲジの体に軽く触れると、横の柱を回り込んで上に少し登りました。 
続いてビデオカメラの白色LEDを点灯しても、ゲジは意外にも動じませんでした。 
再び定規で触れると、今度は慌てふためいて下に逃走開始。 
扉の下のわずかな隙間から潜り込んで隣室へ逃げ込みました。  

逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
15対の歩脚が絡まりもせずにゾワゾワ整然と動く様子は壮観です。 
次に機会があれば、歩行時の歩脚の動かし方をハイスピード動画で撮り直したいものです。 
生け捕りにしてゲジを飼育するのも面白そうです。 
捕食や脱皮、自切の様子を観察してみたいのです。 
ただし、動きが素早いので飼育容器から逃げられないように工夫が必要でしょう。

2020/11/12

飼育下で折り紙の上を徘徊するヤマトシミ【暗視映像】

2020年7月下旬 

▼関連記事(4年前の撮影) 
部屋の壁を登って隙間に隠れるヤマトシミ【暗視映像】


室内の剥がれかけた古い壁紙を夜な夜な徘徊するヤマトシミCtenolepisma villosa)の捕獲にようやく成功し、飼い始めました。 

プラスチックの円筒容器(直径7.5cm、深さ8cm)に閉じ込め、隠れ家として折り畳んだコピー用紙を入れておきました。 
容器の蓋に空気穴を開けておきます。


 

2020年8月上旬・午後21:40頃・室温31.3℃・湿度58%  

捕獲から2週間が経ち、新しい環境にも慣れてくれたようです。 
どうやら夜行性らしく、明るい昼間は紙片の隙間に隠れています。 
暗くなると活発になります。 
撮影のために室内を消灯し、赤外線の暗視カメラでヤマトシミの徘徊運動を記録してみました。 
長い触角で周囲を探りながら素早く這い回ります。 
「紙魚」と名付けたのは上手いですね。
実際はじっと静止して休んでいる時間も長いのですが、編集でカットしました。
プラスチック容器の底面や側面よりも折り畳んだ紙の上を歩き回る方が断然好きなようです。
プラスチックの垂直壁面を登るのを一度も見たことがないので、ヤマトシミの脚では滑って登れないのかも知れません。
もしそうなら、容器の蓋を開けても脱走の心配は無さそうです。 



2020/02/09

ウスバキトンボ♀の腹部奇形?



2019年9月中旬・午前10:53

川沿いの草むらでウスバキトンボ♀(Pantala flavescens)が枯れた草の茎に止まっていました。
静止姿勢がどうも奇妙で、腹部がやや反り返っている海老反り姿勢でした。
腹端がヒクヒク上下に動いています。
羽化直後あるいは羽化不全個体なのかと思ったのですが、この枯れた茎の下部にヤゴの抜け殻(羽化殻)は見つけられませんでした。
もし腹部の奇形(先天性の異常)なら、水質汚染などが疑われます。
この♀個体の腹部が背側に反り返ったままだと、♂との交尾および産卵行動に支障を来す可能性が高く、だとすれば次世代を残しにくいでしょう。

トンボは交尾の際に♀が細長い腹部を腹側に丸く曲げて尾繋がりした♂の副性器に腹端を結合する必要があるのです。


▼関連記事(1年前の撮影)
水たまりで単独打水産卵するウスバキトンボ♀?【HD動画&ハイスピード動画】

ウスバキトンボ♀:側面@枯草茎+腹部海老反り姿勢:奇形?
ウスバキトンボ♀:背面@枯草茎+腹部海老反り姿勢:奇形?

2020/01/24

田んぼの稲穂を鳥害から守る目玉風車



2019年9月上旬・午後17:40頃

稲穂が実る田んぼの畦道に木製の小さな風車が並んで設置され、風が吹くとクルクルと回っていました。
スズメPasser montanus)など種子食性の野鳥に食害されないように怖がらせる防鳥グッズのようです。

ホームセンターなどで売られている商品なのか、自作なのか、不明です。

2枚の回転翼の内側は白、外側は赤色のペンキで塗り分けられていて、先端付近には銀色の大きな目玉模様が描かれています。
目玉模様の外側はアイシャドウのように黒く縁取られています。
風向きが変わっても自然に風車の向きが変わるように、垂直尾翼も付いています。
その垂直尾翼にも銀色に光る目玉模様が貼られていました。
無風のときには大きくて光る目玉(眼状紋)による忌避効果を期待しているのでしょう。
風車が回っているときは、ギラギラ光る模様が激しく動くことで鳥を脅かす作戦のようです。
電源などの動力も不要です。

これでちょっとした風力発電もしていたら一石二鳥ですね。
あの手この手の創意工夫に感心します。
鳥が馴れてしまうまでの有効期間はどれぐらいなのでしょう?

風車の周囲に野鳥が居ないのは、時間帯が遅かったせいかもしれません。
念の為に明るい昼間に撮り直すつもりが忘れてしまいました。


2019/09/20

不規則網にかかったオカダンゴムシ♀を捕食するオオヒメグモ♀(蜘蛛)



2019年6月中旬

道端に積み上げられた巨大な庭石の間に張られた不規則網でオオヒメグモ♀(Parasteatoda tepidariorum)がオカダンゴムシ♀(Armadillidium vulgare)を捕食していました。

獲物は糸でラッピングされ不規則網の中央に吊り下げられています。
黄色い斑点があるので、♀のオカダンゴムシと分かります。
ダンゴムシは体を固く丸めて防御姿勢になっていますが、隙間をクモに咬まれて毒液・消化液を注入されてしまうと万事休すです。
既にダンゴムシは全く動かなくなっていました。


庭石を歩いてきたダンゴムシがオオヒメグモの張った粘着糸に触れてから不規則網に吊るされるまでの一部始終を見てみたかったです。

オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食macro
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食macro
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食
オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網@庭石・全景
オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網@庭石・全景

9日後に現場を再訪すると、オオヒメグモ♀の姿は見当たらなかったものの、不規則網に食べ残しのダンゴムシ死骸が残されていました。



オカダンゴムシ♀死骸@オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網:食べ残し
オカダンゴムシ♀死骸@オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網:食べ残し・全景

2019/01/13

家庭菜園を鳥害から守る鳥追いカイト(タカ型の凧)



2018年9月下旬

郊外の川沿いに作られた家庭菜園(畑)が野鳥による食害に悩まされているようで、鷹に似せた鳥追いカイトが設置されていました。
地面に長いポールを突き立て、その先に糸で凧を繋いでいます。
風が吹くと凧が右に左に動いて鷹が飛んでいるように見える仕掛けです。
今年は田んぼでよく見かけましたが、畑に設定されているのは初めて見ました。
奥は河畔林に囲まれています。

猛禽類を恐れる野鳥に対して今のところ効果がある(慣れが生じていない)のか、周囲に野鳥の姿はありませんでした。
無風で凧が動かない日にも鳥よけ効果があるのか、引き続き見て回りたいと思います。
あとは凧やポール、糸の耐久性が問題になりそうです。

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水田を鳥害から守る鳥追いカイト(フクロウ型の凧)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


鳥追いカイト:鷹(野鳥)@家庭菜園

2018/10/24

水田を鳥害から守る鳥追いカイト(フクロウ型の凧)



2018年8月中旬

夏の水田に見慣れない物体が出現しました。
フクロウの絵柄をプリントした(擬態)、結構大きな凧(カイト)が朝の風に揺れていました。
長い釣り竿(?)を田んぼに突き刺し、その先に凧を糸で繋いでいます。

これから水田に稲穂が実る季節になると、これを食害するスズメなどが現れます。
害鳥を追い払うために案山子かかしの改良版を農家が試しに設置したのでしょう。
フクロウは猛禽類ですから、小鳥が本能的に怖がると期待した鳥害対策グッズのようです。
風が吹くと凧は自然に動くので、馴れが生じにくい(防鳥効果が持続する)のでしょうか?
ネット通販でも同じ商品や類似商品を見つけました。
私の素人考えでは、もっと高く飛ばした方が広範囲に効果がありそうな気がするのですけど、開発者が実験的に検討した結果この高さが最適なのでしょうか。

商品をたくさん買ってもらいたいから竿や糸を短くしてるのかな?と邪推してしまいます。
この田んぼを高所から見下ろす撮影ポイントがあれば、鳥追い効果の有無をいつか検証してみたいものです。
(ドローンは長時間飛ばせませんし、ドローンの存在自体が「鳥追い」になってしまうでしょう。)

カイトに小型の監視カメラを取り付けて飛ばしたら面白そうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


鳥追いカイト梟(フクロウ:野鳥)@水田
鳥追いカイト梟(フクロウ:野鳥)@水田


【追記】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、
外国では、凧が鳥を追い払うためによく用いられています。(中略)アドバルーンの下に凧をぶら下げて、畑の上に揚げるという試みもなされています。これは、上空を旋回するワシタカをまねたものと考えることができるかもしれません。(中略)私たちは、ダイズを加害するキジバトに対して凧(ゲイラカイト)の効果を調べたことがあります。その結果は、マネキンよりは劣るものの、相当高い効果が得られました。p150-151より引用)



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