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2023/11/26

高圧線に並んでいちゃつくハシブトガラスの♀♂カップル(野鳥)

 



2023年4月下旬・午後13:50頃・晴れ 

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の♀♂つがいが営巣地の送電塔#KN7から横に伸びる高圧線に仲良く並んで止まっていました。 
よく晴れて気温も高いので、♀が抱雛を中断して巣を留守にしても大丈夫なのでしょう。 
巣からちょっと離れ、私を警戒するついでに、カップル水入らずで過ごしています。 

ハシブトガラスはハシボソガラスと違ってカーカー♪と澄んだ声で鳴くとされているのに、ガラガラの嗄れ声で鳴き交わしています。 
仲睦まじく嘴同士で触れ合ったり、顔の辺りを優しく相互羽繕いしたりしています。 
はしゃいだように高圧線上で互いにひょいと飛び越えて、位置を頻繁に変えました。 
高圧線に止まり直すと、互いに歩み寄って再びキスを交わします。 

やがて、1羽が嗄れ声で鳴きながら白い液状便をダラっと排泄しました。(@0:19〜) 
脱糞の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
真下に居るパパラッチ(私)に対して嫌がらせとして糞爆弾を投下したのかもしれませんが、幸い命中しませんでした。 

散々いちゃついた後に一方が身を屈めたのは、♀が♂に交尾を催促しているのでしょうか? 
足場が不安定な高圧線上で交尾するのは、さすがに無理な気がします。 
結局は交尾することなく、1羽が高圧線から飛び降りてしまいました。 
せっかくカップルの絆を深める微笑ましい行動を見たのに、マウントしない限りカラスの性別を見分けられないのが残念です。

最後にカメラを左にパンして、営巣地の鉄塔#KN7との位置関係を示します。 


2023/11/18

巣穴に近づくニホンアナグマ♂をワンワン♪鳴いて追い払う♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月下旬

二次林にあるニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地(セット)を自動センサーカメラで監視しています。 
新機種のトレイルカメラを追加して、2つのアングルから2つの巣穴LRを狙うことにしました。 


シーン1:4/22・午後18:51・気温6℃(@0:00〜) 
今晩も♂が求愛しにやって来て、右の灌木林へ入りました。 
♀が発情したかどうか、頻繁に確かめないといけないのです。
林縁に佇み、手前の巣口Rの様子を伺っています。 

ちょうどその時、外出していた♀が獣道を通って(画面の下端から)セットに早足で帰ってきました。 
手前の巣穴Rに入ろうとしたら、近くに♂が来ていることに気づきました。 
♀は巣口Lで身を伏せて、夜這いに来た♂と対峙します。 
このとき♂による求愛声は聞き取れませんでした。 
強気の♀が少し前進すると、♂は退散しました。 
♀は身震いすると手前の巣口Rに戻り、体をボリボリ掻いたり辺りを警戒したりしています。 
ようやく♀が入巣Rすると、懲りない♂が右奥の灌木林からセットに戻って来ました。(画面の赤丸) 
今度は♀の巣穴に近づかず、林内を右に立ち去りました。 


シーン2:4/27・午前3:46・気温5℃(@1:21〜) 
5日後の未明にセットの奥で♀が佇んでいます。 
身震いしてから向きを変え、右の林内へ立ち去りました。 
セットの主である♀は、左右の目の大きさが違うという分かりやすい特徴があるので見分けられます。(右目<左目) 
このとき茂みの奥に別個体♂の白い目が光っています。(画面の2つの赤丸) 
♀が林縁からセットに戻って来ました。 
手前の巣穴Lの手前でキッと振り返り、♂の方を睨みつけました。 
このとき♂が求愛の鳴き声を発したかどうか、聞き取れませんでした。 
♀が奥へ猛然と突進し、♂を追い払いました。 
このときワンワン♪とイヌが吠えるような鳴き声を発しました。 
これがアナグマが威嚇(喧嘩)するときの鳴き声なのでしょう。 

♀は深追いしないで手前の巣穴Rにすぐ戻ってくると、身震いしてから入巣Rしました。 
このとき実は、♂が早くも未練がましく戻って来ており、奥の茂みの隙間から白い目が光っています。(画面の赤丸) 
アナグマ♂の行動をストーカーのようにしつこいと思うか健気と思うかは見る人次第でしょう。
強風が吹くと、トレイルカメラを固定した灌木が左右に大きく振動します。 


シーン3:4/27・午後3:56・気温10℃(@2:34〜) 
約10分後、♂が再び奥から現れ、一旦いつものように右の二次林へ向かいます。 
ちなみに気温のデータは異常値で信用できません。 
暗視動画を撮影中はトレイルカメラ自体が発熱するので、外気によって冷めるまで時間を開けないといけません。 

♂は地面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくり手前の巣穴Rに近づきます。 
慎重に巣口Rを覗き込むも、中には入れず、慌てて身を翻して手前に逃走しました。 
巣内の♀に追い払われたのでしょう。 
このとき♂による求愛声も♀による威嚇の鳴き声も聞き取れませんでした。 


シーン4:4/28・午後20:31・気温14℃(@4:15〜) 
6日後の晩に、手前の巣穴Rのすぐ横に♀が座っていました。 
巣口Rを覗き込んだだけで中には入らず、左の方を見ています。 
急にワンワン♪と威嚇の鳴き声を発しながら、左へ突進しました。 
セットの近くまで来ていた♂を追い払ったのでしょう。 
♀はすぐに左から戻って来ると、入巣Rしました。 

今回の♀は左右の目が同じ大きさなので、ヘルパーかもしれません。



※ アナグマの鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



2023/11/13

ニホンアナグマ♀の巣穴に出入りするヘルパーと夜這いに通う♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月中旬〜下旬

二次林にあるニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地に設置したトレイルカメラの映像記録です。
当時は何が起きているのかよく分からなかった雑多な動画をまとめただけです。
今になって見返すとアナグマの性別がなんとか見分けられるようになり、少し解釈できるようになりました。



シーン1:4/13・午後23:54・(@0:00〜) 
真夜中に1頭のアナグマ♂が奥の巣穴Lの周囲をうろついています。 
巣口Lを覗き込んだものの、中には入らず左に立ち去りました。 
しばらくすると、左から戻ってきました。 
手前の巣穴Rに近づいたところで1分間の録画終了。 


シーン2:4/14・午前0:38・(@1:00〜) 
日付が変わった深夜にアナグマ♀が奥からセットに戻って来ました。 
この♀個体(若い♂かも?)は左右の目の大きさに違いはなく、正常に見えます。 
この個体がヘルパー(前年に生まれた子供)で、左右の目の大きさが違う♀が母親だと考えています。 
どうやらこの営巣地(セット)には、少なくとも2頭の♀が住んでいるようです。 

手前の巣穴Rにしっかり入巣したものの、後退して(巣内の土を掻き出しながら?)再び外に出てきました。 
巣口Rを改修
巣口Rの近くで座り込み、体を曲げて痒いところを甘噛みしています。(毛繕い) 


シーン3:4/14・午前0:53・(@1:53〜) 
奥の巣穴Lの周囲をひたすら徘徊しているのは、ヘルパー♀かな? 


シーン4:4/20・午前3:38・(@2:31〜) 
夜這いに来た♂がセットの奥をうろついています。 
右の二次林に入ってしばらくすると、戻ってきました。 
手前の巣穴Rを覗き込むだけで入巣せず、すごすごと右へ引き返しました。 
このときは巣内の♀が♂を撃退しませんでした。 


シーン5:4/20・午前3:40・(@3:20〜) 
♂が巣口LR付近の地面の匂いを嗅ぎ回り、ひたすらウロウロしています。 


シーン6:4/20・午前4:01・(@3:59〜) 
画面中央の林縁で♂が毛繕いしているようですが、手前の枝葉の陰でよく見えません。 
右奥の二次林の林縁をぶらついています。 


シーン7:4/20・午前4:04・(@4:27〜) 
左奥に立ち去りました。 


シーン8:4/20・午前4:05・(@4:38〜) 
画面中央奥の林縁で♂が何か(採食?)しています。 
右の林縁からセットを見守ります。 
夜明け前の記録はここまでになります。 


シーン9:4/20・午後23:08・(@5:00〜) 
深夜に現れた♂が左奥のエリアを徘徊しています。 
立ち止まって身震い。 
奥の巣穴Lに侵入を試みたものの、諦めて左に立ち去りました。 


シーン10:4/21・午前2:49・(@5:42〜) 
日付が変わった未明に奥の獣道から♂が♀のセットに現れました。 
今回は巣口LRには近づかず、未練がましくセットに周囲をうろついています。 


シーン11:4/21・午前2:51・(@6:38〜) 
いつの間にか♂が回り込んで手前の巣穴Rに近づいて来ます。 
入巣Rしないで右の二次林に立ち去りました。 
その後、右の死角から♂が求愛する鳴き声が聞こえます。(@6:54〜) 
いわゆる「じぇじぇじぇビーム」です。 
♂が独特の求愛声を発しながら、右下から戻ってきて、♀の巣穴Rに近づきます。 
残念ながら、ここで録画が打ち切られていました。 


金子弥生『里山の暮らすアナグマたち:フィールドワーカーと野生動物』には「音声によるコミュニケーション」と題した章があり、少し参考になりました。
アナグマが音声によるコミュニケーションについても豊富なバリエーションを持っていることはあまり知られていない。 (p66より引用)
 ニホンアナグマでも、私の知る限り、ヨーロッパアナグマで報告されている唸り声、威嚇音、遠吠えは存在する。さらに交尾のときに♂が巣穴の前で♀を呼ぶ「ジジジジ…ジジジジ…」というささやき声もある。(p67〜68より引用)

アナグマの配偶行動について最も参考になったのは、福田幸広『アナグマはクマではありません』です。
 日本各地でアナグマの恋を観察しましたが、恋の季節はすんでいる地域によって少し違うようです。2月下旬ぐらいから始まり、4月中旬頃から下旬までに終わるようです。
 ♂は♀よりも広い範囲を行動圏としていて、1頭の♂の行動圏の中には複数の♀が生活しています。♂は♀よりひと足早く冬眠から目覚めて、自分の行動圏内にある巣穴を見て回り、♀の冬眠場所を特定するようです。♀は冬眠から覚めて少しすると巣穴で出産します。驚くことに出産後すぐに発情して交尾が始まります。(p50より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
今回は右の茂みが邪魔で、白飛びしています。 
今のところはトレイルカメラの設置アングルを試行錯誤しているところです。
これから初夏にかけて巣穴の周囲の灌木に葉が生い茂ると、ますます観察しにくくなることが予想されるので、それまでになんとかしないといけません。


餌場の雪解け田んぼに向かって飛びながら鳴く♪白鳥の群れ(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後13:50頃・くもり 

白鳥の群れが次々と南へ向かって飛んで行きます。 
日本の越冬地からシベリアの繁殖地を目指して渡る北帰行ではなく、安全な餌場を探して飛来したようです。 
V字型の雁行陣で鳴き交わしながら飛んでいます。 
曇天でやや風が強い午後でした。 
私の上空に続けて飛来した白鳥は、6羽と8羽から成る2つの群れでした。

白鳥の行き先を追いかけると、広大な田園地帯(雪解けした刈田)で採食しているコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が居ました。 (映像公開予定)

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2023/11/10

しつこく夜這いに来て求愛するニホンアナグマ♂を巣穴から追い払う♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月中旬〜下旬 

二次林にあるニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の巣穴を自動センサーカメラで見張っていると、♂が夜な夜な夜這いに来るようになりました。 
春の配偶行動が始まったようです。 
しかし♀は未だ発情していないのか、♂の求愛をなかなか受け入れようとしません。 
地面に掘った巣穴が手前(R)と奥(L)に2つあります。 


シーン1:4/20・午後21:09・(@0:00〜) 
晩に奥から登場したアナグマ♂が左へ移動し、巣口Lの方へ行きました。 
その気配を察したのか、手前の巣口Rから♀が顔を出しました。 
♂が♀の巣穴に近づきながら求愛の鳴き声(ジェジェジェビーム♪)を発したかどうか、重要なポイントなのですが、観察歴の浅い私にはよく分かりません。 
トレイルカメラの位置がやや遠いので、録音されにくいのでしょうか? 

この営巣地(セット)の主である♀は目付きに分かりやすい特徴があり、左右の目の大きさが異なります。(右目<左目) 
斜視やオッド・アイのような生まれつきの形質なのでしょうか。 
明るい昼間だと分からないのですが、赤外線の暗視映像だとよく分かります。 

♀は出巣Rして振り返り、♂の方を見ています。 
睨み合いの末に、突然♀が脱兎の如く駆け出して、♂を追い払いました。 
喧嘩(威嚇)の鳴き声を言葉に現すのは難しいのですが、カカカカ!またはガガガガ!というような鳴き声を素早く発したようです。 
声帯を使って発声しているかどうかも分からない、なんとも得体のしれない音声です。 

しばらくすると奥から♀がトコトコ戻ってきて身震いすると、手前の巣穴Rに戻りました。 


シーン2:4/20・午後21:11・(@1:00〜) 
約30秒後、右の二次林を通って♂が再び♀のセットに戻ってきたようです。 
手前の巣口Rに居座り周囲を警戒していた♀は、♂を見つけると一瞬怯んで巣内に後退しかけたものの、再び脱兎の如く飛び出して撃退しました。 
♀は♂を深追いせずにすぐに戻ってきて入巣Rします。 

タヌキやキツネが巣穴を訪れたとき巣内のアナグマ♀は無反応だったのに、同種の♂が夜這いに来たときだけ、すごい剣幕で(強気で)追い払っています。 


シーン3:4/21・午前2:38・(@1:36〜) 
日付が変わった深夜未明にも同じパターンの行動が繰り返されました。 
手前の巣穴Rからアナグマ♀が顔を出して周囲を警戒しています。 
♂が右奥の茂み(灌木林)からやって来ると、ビルルル♪と何かを震わせているような、言葉にし難い変な物音が聞こえます。 
これはアナグマ♂が発する求愛の鳴き声なのかな?  (じぇじぇじぇビーム?)

この鳴き声?を聞くと♀は慎重に出巣Rして右下へ駆け出し、戻って来ませんでした。 
巣穴にすぐ戻って来なかったということは、画面の外で♂と交尾した可能性を否定できません。
夜這いに通っている♂が同一個体なのか、別個体が代わる代わる来ているのか、私には個体識別ができていません。 

※ アナグマの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


この動画を初めて見たときは「アナグマ同士で巣穴を巡る縄張り争いがあるのか?」と思ってしまいました。 
アナグマ関連の本を何冊か読んで勉強してみると、「♂が♀の巣穴に夜這い・求愛しようとしている」のだと、ようやく状況が飲み込めました。 

アナグマに関しては、観察と並行して本で予習しておくことを強くお勧めします。 
読んでみて分かったのですが、アナグマの配偶行動や社会システムは他の哺乳類と違って独特です。
素人は先入観に囚われて頓珍漢な解釈に陥りがちです。 
自力でゼロから解明しようとすると、アナグマをきっちり個体識別した上で何年も何十年もかかってしまうでしょう。 
特に福田幸広『アナグマはクマではありません』という写真集の解説が特に参考になりました。
 プロポーズの方法が非常に変わっています。それは♂が♀の巣穴へ行き、「ビルビルビルー」という、低い連続した特殊な声を発します。私はこの声を「ジェジェジェビーム」と名付けました。(中略)この声は♀を誘い出す特殊な声で、この声を聞いた発情中の♀は必ず巣穴から顔を出すのです。♀の反応が悪い時には♂は巣の中にまで侵入することがありますが、巣の奥の赤ちゃんを守るためなのか、♀は♂が巣に入るのを徹底的に排除します。(子殺しがあり得るのか?:しぐま註)しかし、何度追い払われてもめげることなく、♂はジェジェジェビームを発し続けるのです。    (p50より引用)


今のところはトレイルカメラの設置アングルを試行錯誤しているところで、今回は右の茂みが邪魔です。

後日、別アングルでもっとはっきり分かる動画を撮ることができました。(映像公開予定)


つづく→ニホンアナグマ♀の巣穴に出入りするヘルパーと夜這いに通う♂【トレイルカメラ:暗視映像】



【追記】
アナグマ ♂の求愛声が低音で響くのは、地中巣内の♀に聞かせるために進化したのだろう。
高音だと指向性が高い代わりに回折しないですぐに減衰してしまいます。 
個人的な思いつきを書き留めておきます。

2023/11/06

笹薮の溜め糞場で朝活(早朝排便)するホンドタヌキ【トレイルカメラ】

 



2023年4月中旬 

笹薮が生い茂る河畔林でオニグルミ大木の下にある大きな溜め糞場rpに通うホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 
珍しく続けて早朝に来たシーンをまとめてみました。
これまで夜行性だったのに、生活リズムや巡回ルートを変更したのでしょうか? 


シーン1:4/12・午前5:34・(@0:00〜)日の出時刻は5:06。 
明るい早朝に左から登場したタヌキが、溜め糞rpの匂いを嗅いでから頭を上げ、右を見ながらヒューン♪と甲高く鳴きました。 
パートナーを呼んでいるのでしょうか?
北西を向いて排便しながら身震いしました。
 (糞切りをする尻尾の動きをしなかったので、脱糞しなかったかもしれません。) 
左下に立ち去りました。 
近くでウグイス♂が繰り返しさえずっています♪。 


シーン2:4/13・午前5:02・(@0:31〜)日の出時刻は5:05。 
翌日の日の出直前に左から来たタヌキは、溜め糞rpの匂いを嗅いだだけで左の笹薮に分け入りました。 
途中で立ち止まり、痒い体を足で掻いています。 

草丈の高い笹薮をタヌキが歩き回っても笹はほとんど揺れませんし、ザワザワと物音も立てることもありません。 
ということは、笹薮の中に歩きやすい獣道ができているのでしょう。 


シーン3:4/14・午前4:54・(@0:49〜)日の出時刻は5:03。 
次の日も日の出直前の薄明に右からタヌキが溜め糞場rpに現れ、南東を向いて排便していました。 
用を足すと左下に立ち去りました。 


シーン4:4/17・午前5:12・(@1:17〜)日の出時刻は4:59。 
3日後の明るい早朝に、タヌキaが右から登場。 
溜め糞rpの匂いを嗅ぐと、南東向きで脱糞。 
手前に茂った笹の葉がタヌキの肛門をうまいこと隠してしまい、大便の状態を確認できませんでした。 

先行個体aが左に立ち去ると、入れ替わるように後続のパートナーbが右の笹薮から登場。 
トイレの近くでおとなしく順番待ちしていたようです。 

近くで笹薮が揺れるガサッという物音に一瞬たじろぎました。 
警戒を解くと溜め糞rpの匂いを嗅ぎました。 
タヌキbは排泄せずにオニグルミ大木の左に回り込み、笹薮の奥に姿を消しました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



2023/11/01

送電塔の天辺で営巣を始めたハシブトガラス♀♂(野鳥)抱卵

 

2023年3月下旬・午後12:45頃・晴れ 

送電塔#KN7に毎年営巣するハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の♀♂つがいを定点観察しています。 



巣に座り込んだ親鳥の尾羽だけが巣材の外に突き出て見えます。 
親鳥♀が抱卵しているのでしょう。 

カメラを下にパンすると、送電塔の中段に設置された巣箱は利用されておらず、空っぽでした。 
巣材の小枝が1本も搬入されていません。 

カラスは大量の小枝を組み合わせて巣作りするのですが、送電塔に持ち込んだ巣材によって感電や漏電事故が起こらないように、電力会社は毎年苦慮しています。 
作りかけの巣を撤去するだけではイタチごっこですし、怒った親鳥カラスがヒト(近隣住民)に対して敵対的・攻撃的になってしまいます。 
抜本的な対策の一つとして、送電線(高圧線)に影響しない鉄塔中段に巣箱を設置する試みが近年増えました。 
しかし天の邪鬼のハシブトガラス♀♂は今季も鉄塔中段の巣箱を使わず、鉄塔の頂点に造巣していました。 
ヒトがなかなか登ってこれない難攻不落の天辺に営巣する方が安心なのでしょう。
電力会社の思惑とは違いますが、ここなら漏電・感電事故は起こらないでしょう。 
ハシブトガラスとヒトがなんとか折り合いをつけて共存できたようです。 



鉄塔から右に伸びる高圧線に、パートナー♂が止まって辺りを油断なく見張っていました。
ときどきカーカー♪と鳴く度に、尾羽が上下にピコピコと動きます。 
充分に離れているせいか、私がしつこくカメラを向けて撮り続けてもハシブトガラス♂は高圧線から飛び去りませんでしたし、私を威嚇してくることもありませんでした。 
幸い当地のカラスは繁殖期でも性格が穏やかです。 
ヒト社会との軋轢が多い都会と違って、カラスがヒトを襲って攻撃するトラブルがニュースになることもありません。 
このままカラスとの良好な関係が続いて欲しいものです。



2023/10/27

餌場の雪解け田んぼから助走して飛び立つコハクチョウのペア(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:50頃・くもり 

体重の重いハクチョウは、飛び立つ揚力を得るのに長い助走を必要とします。 
川では風上に向かって水面を走ってから飛び立っていました。 



泥濘の雪解け田んぼでコハクチョウは助走できるのでしょうか? 
しっかり踏み固められた畦道や農道を走るのかな? 
飛び立つ様子を観察したくても、雪解け田んぼに散開した大群の中で、次にどの個体が飛び立つのか予想するのは困難です。 
ひたすら長撮りを繰り返していたら、迫力のある離陸シーンがたまたま撮れてラッキーでした。 

雪解けが進む広大な田園地帯で採食するコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群を撮影していると、左の方で騒々しい小競り合いが勃発しました。 
鳴きながら羽ばたき威嚇して相手を追い払います。 



その後、♀♂ペアと思われる2羽が頷くように首を上下に動かしながら鳴き交わし始めました。 
この動きがシンクロしてくると、離陸の合図です。 
横に並んでいたペアが一緒に羽ばたきながらカメラに向かって走り出しました。 
田んぼは畦道(一段高い障害物)で囲まれているので、その手前で飛び立つ必要があります。 
川から飛び立ったときよりも短い助走で済みました。 
泥濘でも地上では水面よりも走りやすくて助走のスピードが出せるのでしょう。
あるいは、この日は強い向かい風を利用できたのかもしれません。 

雪解け田んぼから飛び立ったペアを三脚カメラで流し撮りすると、横風に煽られたのか左に旋回して別の区画に舞い降りました。 
ペアは互いに少し離れて着地しました。 
着陸直後の行動に注目してもう少し長く撮り続けるべきでした…。 
それにしても、大群の中でコハクチョウはどうやってパートナーを個体識別してるのですかね?(鳴き声の声紋に個性がありそうです)

迫力のある助走からの飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:58〜) 
雪解け田んぼの泥水をバシャバシャ跳ね上げています。 
両足を揃えて跳ぶカワウのコミカルな助走と異なり、コハクチョウの助走は両足を交互に前に出す普通の走り方です。



最後にペアの飛び立ちを1/2倍速のスローモーションで逆再生してみました。(@1:48〜) 
てっきり喧嘩に負けたカップルが飛び立ったのかと初めは思いました。 
しかし逆再生してみると、飛び去った2羽は喧嘩したグループの中心部ではなく辺縁部に居て、しかも互いに少し離れていました。 
意外にも、ご近所トラブルで周囲の個体から直接的な攻撃を受けて餌場から追い払われた訳ではありませんでした。 
混雑する餌場で小競り合いを始めた別の2家族のとばっちりを食らい、辟易して逃げ出したような印象を受けました。 
残念ながら喧嘩が発生した理由は不明です。 
トラブルを避けるために白鳥密度の低いエリアに移動したのなら理解できるのですが(レッド・オーシャンから競争の少ないブルー・オーシャンへ)、ペアが舞い降りた先も先客が多いエリアでした。 
餌場で周囲に仲間が居ないと心細いのでしょう。 

2023/10/26

春の山道で幼獣を連れて歩くニホンカモシカ♀の鼻息威嚇♪

 

2023年4月中旬・午後14:10頃・晴れ 

春の里山で人気のない山道を私が静かに下っていると、前方の茂みから鋭い鼻息がします。 
2頭のニホンカモシカCapricornis crispus)が寄り添うように並び、藪の陰からこちらを振り返っていました。 
私の方が少し高所から見下ろす位置関係になっています。 

手前に居る個体は額の毛が茶色で角が発達していることから、成獣と分かります。 
その後ろに居る個体は額も含めて全体的に白っぽい毛皮で、角は短く細いことから、幼獣と分かります。 
つまり、この2頭は親子でした。 
カモシカの性別を外見で見分けるのはほとんど不可能なのですが、普通に考えれば母親♀が我が子(幼獣)を連れて歩いている可能性が高いはずです。 

幼獣の白っぽい毛皮は、雪国の冬山では目立たない保護色になっています。 
しかしこの時期は里山の残雪がもうほとんど溶け去り、山の落葉樹も若葉が芽吹き始めていました。 

カモシカは視力が悪いので、私がじっと撮影していると警戒を解いて私に背を向けました。(斜面の谷側に向き直った。) 
それでも耳はこちらに向けたままで、私の立てる物音に油断なく耳を澄ませています。 
左の母親♀がゆっくり先導し、続いて幼獣も一緒に斜面を下って行きました。 
つづら折れの山道は完全に雪解けした後で、周囲はスギと雑木の混交林です。 

そのまま動画を撮りながら、逃げたカモシカ親子を追跡してみます。 
山道の日陰には所々、わずかに残雪ありました。 
スギの落ち葉を踏みしめる足音をなるべく忍ばせて進みます。 
すると私の足音に反応して、カモシカがフシュ♪と鼻息を荒げる音が右下から聞こえました。 
ニホンカモシカの母子はつづら折れの山道をショートカット(近道)したようで、また再会できました。 
カモシカも立ち止まって私を見上げています。 
今度は見通しよく見下ろせます。 

母親♀は横目で私を睨みながら腹立たしげに前足を軽く踏み鳴らしました。 
これも威嚇の行動ですが、地面に落ち葉が深く積もっているため、蹄の音が響かず迫力がありません。 
続けて、鼻息を荒らげて威嚇してきました。 

母親♀がためらいがちに逃げ出すと、幼獣もついて行きます。 
最後は鼻息を荒らげながら斜面を駆け下りました。 
姿を見失ってもしばらくはフシュフシュ♪という鼻息が聞こえました。 

この間、幼獣は一度も鼻息威嚇をしませんでした。 
自分で鼻息を荒げるようになったら、一人前(成長した証)なのかもしれません。

落葉して見通しの良い時期は山中で野鳥や野生動物を見つけやすいのですが、晩春から初夏にかけて植物が生い茂ると藪に隠れてしまいます。
 
左(幼獣)、右(成獣)
左(成獣)、右(幼獣)


春の小川で水を飲むヒヨドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月中旬・午後17:47(日の入り時刻は午後18:22) 

小川に架かる丸木橋を見張っている自動センサーカメラにヒヨドリHypsipetes amaurotis)が写りました。 
画面右下の赤丸に注目してください。 
西日が射す夕方に右岸の浅瀬に降り立ち、静かに水を飲んでいました。 
お辞儀をして嘴で水をすくうと、頭を上げて喉に水を流し込みます。 
この飲水行動を何度も繰り返します。 
喉の乾きを癒やすと、ヒヨドリは河畔林の方へ(左上に)飛び去りましたた。 
この間、ヒヨドリは鳴き声を発しませんでした。
やや遠いので、飲水シーンを2倍に拡大してリプレイ。(@0:32〜) 

ヒヨドリは警戒心が強いのか、無人カメラでないと飲水シーンを見せてくれません。



ヒヨドリが居なくなると、ウグイス♂(Horornis diphone)が鳴き始めました。(@0:57〜) 
姿は見えませんが、おそらく近くの笹薮に隠れているのでしょう。 
繁殖期が始まったばかりで、ホーホケキョ♪という特徴的な節回しが未だ下手糞です。 
囀りさえずりの練習をしているようです(ぐぜり?)。 
前半部のホー♪が弱かったり、逆に後半が省略されてホー♪だけだったり、ホーホケケキョ♪と「ケ」が1個多かったりと、不安定な囀りさえずりでした。 


※ 後半はウグイス♪の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2023/10/24

春山で出会ったホオジロ♀とカシラダカ♂夏羽の混群(冬の野鳥)

 

2023年4月上旬・午後12:35頃・晴れ 

春の里山で私が下山していると、雪解けが進む林道上で採食していたらしい野鳥が警戒して道端の落葉灌木に逃げ込みました。 
カメラでズームインしてみると、ホオジロ♀(Emberiza cioide)でした。 
止まり木(絡み合った蔓)から辺りを油断なく見回しています。 
周囲でミーミーミー♪と鳴いているのはヤマガラの警戒声ですかね?(姿は未確認) 
他にも様々な鳥の鳴き声が聞こえますが、修行不足の私には種類などを聞き分けられず残念。 
もしかすると後述するカシラダカ♂の囀りさえずりだったのかな?
(カシラダカの)地鳴きは「チッ、チッ」。越冬期の後期では日本でも囀りを聴くことができる。ホオジロやアオジ等より早口で複雑な囀りである。囀りを日本語で表記するのは簡単ではない。(wikipediaより引用)

止まり木上のホオジロ♀は 尾羽根を軽く持ち上げて少量の糞をぽとりと排泄しました。(@0:10〜) 
ときどきチチチ♪と鳴いています。(警戒の地鳴き) 
全身の羽毛を膨らませて身震いしました。(@0:45〜) 
急に左へ飛ぶと、落葉灌木の横枝に止まり直しました。 
ここまでは退屈かもしれませんが、これ以降ちょっと面白くなります。 

ホオジロ♀が止まり木から慌てて飛び去ると、 入れ替わるようにカシラダカ♂(Emberiza rustica)が右下から素早く飛来して横枝に止まりました。(@1:05〜) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:08〜) 
秋に渡来した冬鳥のカシラダカ♂が春になって夏羽に生え変わった、と季節の変わり目でややこしい状況です。 
逃げたホオジロ♀は少し右の横枝に止まり直していました。 
留鳥のホオジロと冬鳥のカシラダカは同属なので、混群を形成することがあるそうです。 
実際に一緒にいるところを見たのはこれが初めてでした。 
しかし、今回カシラダカ♂の登場シーンは素人目にはホオジロ♀に対して敵対的でした。(止まり木から追い払った?) 
目立たないホオジロ♀の存在に気づかずにカシラダカ♂が藪に飛び込んだだけかもしれません。
あるいは誤認求愛しそうになったのでしょうか?
春になって繁殖期が始まっても同属で混群を形成したままだと、異種間で誤認求愛のトラブルが起こりそうな気がします。
近縁種の混群と生殖隔離は相容れないと思うのですが、繁殖期前の冬季限定なら上手く行くのでしょう。

カシラダカ♂は鳴きながら嘴を足元の止まり木で拭い、白い糞をポトリと排便しました。(@1:45〜) 
枝から枝へピョンピョン跳んで移動するカシラダカ♂を、見失ってしまいました。 

その一方、ホオジロ♀は止まり木からしばらく動きません。 
それでもしつこく撮り続けると、少し飛んで右の枝先に止まり直しました。 
次は枯草に覆われた地面に飛び降りたようですが、保護色でホオジロ♀を見失いました。 
最後に2羽の脱糞シーンと飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:36〜)

この2羽だけでなく、周囲にはもっと多数の個体が居ました。
混群の活動を記録するためにはもっと広角で全体を撮った方が良いのかもしれませんが、鳥の個体レベルの行動に興味があって同定に自信のない私は、なるべくズームインしたくなってしまいます。 
山林の日陰や窪地には未だ残雪が多いです。

2023/10/18

雪解け田んぼの餌場で小競り合いするコハクチョウの羽ばたき誇示♪【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:25〜16:50頃・晴れ 

雪解けが進む早春の刈田にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)が集結して落ち穂拾いしています。 
採餌群の中でときどき勃発する小競り合いのシーンを高画質の4K動画でまとめてみました。 
広大な雪解け田んぼの中に散開した大群のどこで喧嘩が始まるのか予測できないので、喧嘩の原因やきっかけも含めて一部始終を動画に記録するのは、なかなか難しいミッションです。 
鳴き騒ぐ声を聞きつけてズームインしたときには、もう遅かったりします。 
餌場が密になってくると、個体あたりの餌の割当量が減りますから、苛々していざこざが増えるのでしょう。 
白鳥は家族群を単位に行動しているらしいので、餌資源を巡って家族間で縄張り争いになり、よその家族群を追い出すと思われます。 


シーン1:(@0:00〜) 
仲良く並んで採食しているペアに注目していたら、2羽がほぼ同時に頭を上げて首を前に伸ばし、鳴きながら一緒に翼を広げ、その場で羽ばたき始めました。 
♀♂ペアが気分を高め合う求愛誇示なのかと思いきや、右から別の2羽も集まって来て、一緒に羽ばたきディスプレイに参加しました。 
鳴いて羽ばたきディスプレイしながら、この4羽は少し左に移動しました。 
元から居た個体の1羽が新参者の相手を嘴でつついて牽制するような素振りを見せたので、♀へのアピールというよりも、餌場をめぐるペア間の争いではないかと思います。 
騒ぎが収まって平静を取り戻してからも、勝ったペアがその場で力強く羽ばたいて周囲に誇示します。 
ときどき翼を大きく広げて羽ばたくことで、餌場で適切な個体間距離を互いに保っているのかもしれません。 

その後、近くのローカル線で踏切がカンカン♪と鳴り始め、列車が轟音を立てて通過しました。 
しかし白鳥は全く怯むことなく、夢中で採食を続けています。 



シーン2:(@1:13〜) 
刈田で採食シーンを撮っていたら、残雪がある右奥の区画で急に小競り合いが始まり、慌ててズームアウトしました。 
4羽のコハクチョウが輪になって向き合い、鳴きながら翼を広げて口論しています。 
嘴で激しくつつき合う喧嘩になりました。 
最後に背伸びしながらバサバサと羽ばたきます。 

その間、小競り合いから離れた位置にいる個体は、全くの無関心で採食を続けています。 


シーン3:(@1:58〜) 
3羽のコハクチョウが羽ばたき誇示しながら雪田を走り回っています。 
じっくり観察すると、どうやら♀♂ペアにうっかり近づき過ぎた1羽の余所者を奥に向かって追い払ったようです。 

たまたま奥の区画で採食していたハシボソガラスも、手前で鳴き騒ぐ白鳥の剣幕に驚いたようで、トコトコ歩いて退散しました。 



シーン4:(@2:26〜) 
2羽のコハクチョウが田んぼの畦道に登り、鳴きながら小競り合いしていました。 畦
道の残雪はもうすっかり溶けているのに、喧嘩中に水かきの足がスリップして慌てる様が可笑しかったです。 
後から畦道に登った個体が左の区画に追い払われました。 

最後はスローモーションで小競り合いをリプレイするつもりだったのに、動画編集に失敗しました。(ただのリプレイになってしまった) 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


白鳥の小競り合いについて勉強しようと思っても、手元にある本で喧嘩の行動を解説したものは多くありません。 
世界文化社 しぜんのせかい10『はくちょう』という古い本によると、
・ハクチョウたちは、向かい合って首を上下に振ったり、水面を羽でたたいたりして、賑やかな挨拶(ディスプレイ)をかわします。(p8より引用) 
・ハクチョウもけんかをすることがあります。長い首をからませ、羽を強く打ち振り、相手をねじ伏せようとします。(p9より引用)
嵯峨悌二『白鳥 SWANS (クォークスペシャル) 』という写真集には喧嘩やディスプレイの瞬間を捉えた見事な生態写真が多数掲載されています。 
巻末にある解説によると、
 毎日次々とオオハクチョウが越冬地に到着する頃には、家族同士でけたたましい口論が繰り返され、時には派手なけんかもする。勢力の強さは主に餌を採る権利と結びついているようである。けんかはふつう数分間つづき、翼の“手首”で相手を叩いたり、相手の肩をかんだりする。その間、幼鳥たちやほかのグループの白鳥は喧しくはやし立てる。負けたほうはおとなしく退散するので、相手を傷つけるようなことはめったにない。(p91より引用)
私が観察したコハクチョウも喧嘩の作法はオオハクチョウと全く同じなのか知りませんが、参考のため(比較のため)に記しておきます。
詳しく観察すると種間で微妙な違いが出てくるかもしれません。

2023/10/17

笹藪の溜め糞場で排便の前後に鳴き声♪を発する春のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月上旬〜中旬

笹薮に覆われた河畔林で溜め糞場rpに夜な夜な通うホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 
単独で現れ、鳴いたシーンだけをまとめてみました。 


シーン1:4/7・午後18:41・(@0:00〜) 
激しい雨が降る夜に右からタヌキが登場しました。 
排便姿勢で向きを変えつつ、小声で甲高くクゥーンクゥーン♪と鳴きました。 
便秘のタヌキが排便痛に苦しむ鳴き声なのかも?と思ったりもしますが、他の季節では溜め糞場で鳴くタヌキを撮れてないので、繁殖期に関係した行動なのでしょう。 
いずれにせよ、季節が進行すると溜め糞場に通うタヌキは鳴かなくなると予想されます。

結局、今回は排便しなかったようです。
身震いして濡れた毛皮の水気を切ってから、左下に立ち去りました。 
死角の笹薮でもクゥーン♪と鳴き声を発しました。 


シーン2:4/7・午後18:45・(@0:26〜) 
3分後に再びタヌキが溜め糞場rpに来ていました。 
さっきの個体が便意を催して戻って来た可能性もありますけど、別個体が代わる代わる登場したと考える方が自然でしょう。 
右を向いた(西向き)排便体勢でクゥーン♪と甲高く鳴きました。 

雨で濡れた毛皮の水気を身震いで振り落としました。
この溜め糞場はオニグルミ大木の真下にありますが、若葉が芽吹く前の落葉樹なので、雨宿りになりません。 

健康そうな黒い固形糞をモリモリと排泄しました。 
最後に肛門を締めて糞切りしながらヒューン♪と甲高く鳴きました。 

その後は大木の右に回り込んで奥に姿を消しました。 


シーン3:4/8・午後18:36・(@1:23〜) 
翌日の晩には大雨が収まっていて、タヌキが左からやって来ました。 
溜め糞場rpに南向きでポロポロと脱糞すると、糞切りしながらヒューン♪と小声で鳴きました。 
近くで順番待ちしている別個体(パートナー)が発した鳴き声という可能性もありそうです。 
声紋解析したら鳴き声だけで個体識別できるかな〜? 


シーン4:4/12・午前5:34・(@2:24〜) 
4日後の明るい早朝にタヌキが左から溜め糞場rpに来ていました。 
ちなみに、日の出時刻は午前5:06。 
溜め糞rpの匂いを嗅いでから頭を上げ、右を見ながらヒューン♪と甲高く鳴きました。 
北西を向いた排便姿勢で身震いしました。 
糞切りをする際に特有の尻尾の動きが見られなかったので、排便しなかったかもしれません。 
左下に立ち去り、ウグイス♂(Horornis diphone)がさえずる笹薮に分け入りました。 


シーン5:4/14・午後22:57・(@2:55〜) 
2日後の晩遅くに右から登場した個体は、溜め糞rpの匂いを嗅ぎながらクゥーン♪と小声で鳴きました。 
南向きで溜め糞に跨ると、排便しながら再びクゥーン♪と鳴く声が聞こえました。 
後ろ姿で肛門が見えるアングルなのに、便秘なのか排泄されてないようです。 
オニグルミ大木の左に広がる笹薮の奥に入っていきました。 

溜め糞rpを実況見分した際に血痕や血便を見たことがないので、タヌキは切れ痔になるほどの便秘に苦しんではいないはずです。 
野生動物は便秘になっても、笹の葉など繊維質の多い植物を食べて自力で直すのではないでしょうか?
思いついても、証拠となる映像を撮るのがまた大変そうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工し、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



春の池で泳ぐコガモ♂の鳴き声♪(冬の野鳥)

 

2023年4月上旬・午後17:35頃・晴れ 

西日が射す夕方の溜池からピリリ、ピリリ♪と物寂しげな呼笛(または鈴?)のような甲高い鳴き声がするので鳴き声の主を探すと、渡去前の冬鳥コガモ♂(Anas crecca)が水面を遊泳していました。 
1羽に注目してズームインしましたが、嘴の動きを見ると、どこか近くに居る別個体と鳴き交わしているようです。 
コガモ♂の鳴き声は図鑑によって
・♂は「ピッピィー、ピッピッ」と笛のような高い音を繰り返す。(決定版『日本のカモ識別図鑑』p131より) 
・ピリッピリッ(♂)(『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』p159より)
などと聞きなしがされています。 
鴨の鳴き声の中でも私の好きな美声です。 
この池では常連である留鳥カルガモAnas zonorhyncha)が鳴くガーガー♪という濁声とは全く違います。 

コガモ♂が足の水かきを使って水面を遊泳すると、池に波紋が広がります。 
水面に浮かぶ小さな虫?をときどき啄みました。 
池畔からカメラを向ける私を警戒して遠ざかり、岸辺に広がる枯れたヨシ原の方へ移動しました。 

そこへ左から1羽のカルガモが登場。(@1:28〜) 
水上でニアミスしても互いに無関心でした。 
コガモは日本最小の鴨らしく、確かに体格はカルガモ>コガモでした。 
平地にある溜池の岸辺の残雪はすっかり消えていました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


せっかくなので大好きなコガモ♂鳴き声の声紋解析を試みてみたものの、風切り音のノイズが酷くて、きれいなスペクトログラムが得られませんでした。







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