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2019/08/19

日暮れに高圧線で巣の周囲を見張るハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#5



▼前回の記事
巣箱のある送電塔でいちゃつくハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年5月下旬・午後17:24〜19:20(日の入り時刻は18:49)

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥が高圧線に舞い戻って来ました。
澄んだ声でカーカー♪鳴き続けています。
巣箱がある送電塔からなるべく離れたくないのは♀ではないか?となんとなく予想しているものの、性別を外見で見分けられません。

しばらくすると、もう1羽の親鳥も高圧線に戻って来ました。
2羽が同時に飛び上がり、鳴きながら飛び去りました。
私への威嚇誇示にしては飛ぶ方向が少し違うので、川の方で領空侵犯があったのかもしれません。

次に高圧線に並んで止まった時は、親鳥の♀♂つがいが各自で羽繕いしていました。

日が暮れると辺りはかなり薄暗くなりました。
高圧線で並んで休んでいた親鳥♀♂のうち右側の個体が鳴きながら高圧線から飛び降りました。
領空侵犯への対応かな?
遅くまでご苦労様です。
澄んだ声と嗄れ声の両方が聞こえるものの、誰の鳴き声か不明です。(ハシボソガラスによる領空侵犯とは限らない)
高圧線に残った個体は無反応で、もう1羽に任せっぱなしです。

かなり暗くなったので、手持ち夜景モードに切り替えて動画撮影しました。
高圧線に止まった親鳥が独りで羽繕いしています。
左にパンして巣箱のある送電塔を写すと、親鳥は不在で誰も抱雛していません。
もしかすると私が見ているせいで、親鳥は警戒して帰巣しないのかな?
親鳥はこれから巣箱に戻って抱雛しながら夜眠るのか、それとも親鳥のねぐらは別の場所にあるのか、このまま高圧線で夜を明かすのか、気になるところです。

暗くなり動画撮影が限界になったので、観察を打ち切りました。
ここまでが観察初日の記録です。

つづく→#6




川沿いの柳の樹上で鳴き続け♪羽繕いするノスリ♂(野鳥)



2019年4月下旬


▼前回の記事
ハシボソガラスの群れにモビングされ早春の河畔林を逃げ回るノスリ♂(野鳥)

カラスのモビングで追い立てられたノスリButeo japonicus)が河畔林の大木の横枝に止まり、ピーェ、ピーェ♪と甲高い声で鳴き続けています。
芽吹き始めた若葉の細長い形状を見ると、樹種は柳だと思います。
近くで営巣していると思われるハシボソガラスが本気になってノスリを縄張りから追い出さないのが、このときは不思議でした。
カラスはノスリのつがいのもう片方も近くに居るのを知っているから、手強い相手を深追いしないのかな?

この鳴き方はノスリ♂の囀りさえずりなのですかね?
それともカラスへの警戒声?
ノスリは鳴き方のバリエーションが乏しくて、素人には解釈に困ります。

しばらくすると、ようやくリラックスしたのか、左肩の辺りを嘴で羽繕いし始めました。(@2:46〜)
止まり木で横に数歩ずれました。


※ 対岸からでは鳴き声がかすかにしか聞こえないので、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
その結果、手前に流れる川の音や風切り音もうるさくなってしまうのは仕方がありません。


つづく→ノスリの巣を発見!


ノスリ♂(野鳥)@柳樹上♪
ノスリ♂(野鳥)@柳樹上・全景

2019/08/17

ハシボソガラスの群れにモビングされ早春の河畔林を逃げ回るノスリ♂(野鳥)



2019年4月下旬・午後16:18

主にニセアカシアと柳で構成された河畔林の枝に止まっていた1羽の猛禽類が飛び立ちました。
近くの枝に止まっていたハシボソガラスCorvus corone)が慌ててノスリを追いかけます。
カラスは嗄れ声でガーガー鳴きながら飛んで行くも、追跡を止めて電線に止まりました。

ちょうど1年前に、現場の近くでトビがカラスにモビング(擬攻撃)されていたので、今回もてっきりトビかと思いました。


▼関連記事(前年:2018年4月の撮影)
樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

しかし鳴きながら河畔林を逃げていく猛禽類の翼の下面を映像を見直すとトビではなくノスリButeo japonicus)でした。

上流へ飛んだノスリは、ようやく芽吹き始めた河畔林の枝に止まりました。
追ってきたカラスもノスリを見下ろすように近くの木の樹冠に着地。
ハシボソガラスは複数個体が協同で天敵の猛禽類に対してモビング(擬攻撃)しているようです。
この辺りを縄張りとするつがいのカラスなのでしょう。
追い詰められた(?)ノスリは樹上でピィー、ピィー♪と甲高い声で鳴いています。
嘴の動き(リップシンクロ)が鳴き声よりも若干ずれるのは、対岸から望遠レンズで撮っていて遠いからかな?
右の方から明らかに別個体の猛禽類が鳴いている声も聞こえてきます。
後で思うと、近くの巣内で抱卵中の♀が加勢するように鳴いていたのでしょう。
ということは、モビングされていたノスリはつがい相手の♂だろうと推理できました。

急にノスリ♂が飛び上がって上の枝に止まり直しました。
それと入れ替わるように上から急襲してきたカラスに対して、ノスリは蹴爪を向けて牽制します。
ハシボソガラスとノスリが樹上の近い枝で向かい合うように対峙しています。
ハシボソガラスの頭部の羽毛が興奮で逆立っていて、少しハシブトガラスっぽく見えますが、細い嘴と嗄れた鳴き声からハシボソガラスで間違いありません。
再びノスリ♂が飛び立ち川の上流側へ逃げ出しました。
左上から別個体のカラスが追いすがります。


動画のハイライトを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:19〜)

※ 対岸からでは鳴き声がかすかにしか聞こえなかったので、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
その結果、川の流れる音もうるさくなってしまうのは仕方がありません。


つづく→川沿いの柳の樹上で鳴き続け♪羽繕いするノスリ♂(野鳥)


ノスリ♂vsハシボソガラス(野鳥)@ニセアカシア樹上+モビング
ノスリ♂(野鳥)@ニセアカシア樹上

2019/08/15

ハシブトガラス♀♂つがいの愛情表現:キスと相互羽繕い(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#3



▼前回の記事
幼い雛への給餌と抱雛のため送電塔の巣箱に出入りするハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年5月下旬・午後17:30および19:10頃(日の入り時刻は午後18:49)

育雛が一段落すると、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の♀♂親鳥は巣箱のある送電塔の天辺から伸びる高圧線に並んで止まりました。
仲良く並んでこちら向きに止まっているつがいが人目もはばからず濃厚な愛情表現を始めました。
まずは互いの嘴で熱烈なキスを交わしています。
喉袋から餌を吐き戻して求愛給餌しているのか?とも思ったのですが、定かではありません。
カラスの性別を見分けられないのが残念です。(交尾をしない限り私には性別が分かりません)
右の個体がキスの直後に尾羽を上下に震わせていて、興奮しているようです。
次は、相手の頭部や背中を嘴で掻いてやったり羽根を優しく愛撫するように相互羽繕いを始めました。
この間の鳴き声は一切聞き取れませんでした。(おそらく鳴いてない)


ハシブトガラスの親鳥♀♂は一旦、高圧線から解散した後も、しばらくすると再びお気に入りの高圧線に仲良く並んで止まりました。
夫婦水入らずの時間なのでしょう。
1羽がカーカー♪と澄んだ声で断続的に鳴き始めました。
鳴く度に尾羽を上下にピコピコ動かすのがハシブトガラスの特徴です。
嘴を軽く触れ合いキスを交わしました。
つづいて自分が羽繕いするついでに、パートナーの羽根にも触れて相互羽繕い(愛撫)しました。
定点観察の初日からハシブトガラス♀♂つがいの濃厚な愛情表現を見せつけられ、いやはやどうもご馳走さまでした。

中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』という本にもカラスの愛情表現について書かれていました。

つがい同士の羽繕いは、見ている方がなんだか照れくさくなるほどです。一方が頭を下げて、日ごろ自分では手が(嘴が)届きにくいところを羽繕いしてもらい、ウットリしています。これをかわるがわる行うこともあります。 (p96より引用)


※ 今回の映像のように背景が空で抜けている場合、動画編集時に手ブレ補正すると却って不自然な動きになってしまいます。

仕方がないので、素材をそのまま繋いだだけでお届けします。


つづく→#4:巣箱のある送電塔でいちゃつくハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)


ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+キス
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+キス
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+相互羽繕い
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+相互羽繕い

ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+羽繕い
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+羽繕い



↑【おまけの動画】
3年前の夕刻にも、2羽のハシボソガラスCorvus corone)が山麓の高圧線に並んで止まっているのを見たことがあって不思議に思いました。
今思えば、営巣期のつがいの貴重なスキンシップ・タイムだったのかもしれません。
お蔵入りしていた動画を、この機会にブログ限定で公開しておきます。

ちなみに、動画に映っている送電塔にカラスの巣はありませんでした。

2019/08/11

送電塔の巣箱を守る警戒心の強いハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)




送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#1


(私の記憶違いで、定点観察を始めた初日の記録はこちらでした。連載の順番を入れ換えます。)



2019年5月下旬・午後17:02〜18:49(日の入り時刻は午後18:49)

郊外を通る高圧線の送電塔の中段ステージで繁殖中のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣を見つけました。
ハシボソガラスよりもヒトに対して警戒心の強いハシブトガラスが、周囲が開けた街中の送電塔に営巣するのは意外でした。
樹上の巣と違って周囲に葉が生い茂ることが無く、遥かに撮影し易いので、定点観察に通ってみることにしました。


カラスの巣材が高圧線に触れてショートすると大規模な停電になってしまいます。
最近の東北電力は、高圧線の送電塔に毎年作られるカラスの巣を片端から撤去する方針を改めたようです。

巣を撤去しても親鳥はすぐに作り直すので、不毛なイタチごっこになってしまうだけでなく、カラスの近隣住民に対する攻撃性も高まってしまいます。
鉄塔の中段に、「ここなら巣を作っても良いよ」と特設ステージを用意してカラスと共存するようになったのです。

金網を組み合わせて浅い箱にしたカゴをカラス専用の巣箱として送電塔の中段に設置しています。
カラスの巣箱に屋根は必要ありません。
一方、鉄塔で巣を作って欲しくない場所の周囲にはカラスが止まれないように棘状の障害物を多数設置しています。
飴と鞭を使いカラスの生態に寄り添う素晴らしい試みだと思うのですけど、私がフィールドで見てきた限り、カラスは特設ステージをすぐには使ってくれませんでした。
実際に営巣した例を見るのは今回が初めてです。
ようやくカラスが送電塔の巣箱に馴れてくれたのか、それとも電力会社が巣箱に何か改良を加えたのかな?
(私が知らなかっただけで、この送電塔では毎年カラスが営巣しているのかもしれません。)
詳しく知りたい人は、後藤三千代『カラスと人の巣づくり協定』という本をお薦めします。

 カラスの営巣問題を根本的に解決する方法として、人工巣による営巣対策が挙げられる。
 カラスはなわばりに一つの巣を作るという貴重な営巣習性をもっている。その習性を生かして、カラスの初回の巣を人間が用意した人工巣に作らせ、2回目以降の営巣をなくす、というアイデアである。
 「人工巣」とは、電柱の支障がない部位に巣を載せる台(ベース)をつける程度の意味であって、繁殖ができる本格的な巣ではない。下手に完全な巣を与えることは、他のつがいの巣と警戒され、せっかくの対策を台無しにする恐れがある。 (同書p89より引用)


ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7・全景
ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7・全景

この日の私は未だ、どこから巣を狙うか撮影ポイントを試行錯誤している段階です。
夕方なので、夕日に対して逆光にならない方角から狙うようにしています。
巣箱の中に雛鳥は全く見えませんでした。
未だ卵の段階なのか、それとも孵化直後で小さくて見えないだけなのか、不明です。
送電塔に近づき過ぎると、あからさまに警戒した親鳥が鳴きながら飛んできます。
この日は三脚を持参しなかったので、全て手持ちカメラで撮影しました。


ハシブトガラス(野鳥)巣箱:送電塔#KN7

ハシブトガラス(野鳥)巣箱:送電塔#KN7
ハシブトガラス(野鳥)巣箱:送電塔#KN7
ハシブトガラス(野鳥)巣箱:送電塔#KN7

私が送電塔の中段に設置された巣箱に望遠レンズを向けた途端に、一段下の鉄骨に止まっていた1羽の親鳥が飛び立ち、私の方へ向かって来ました。
近くの針葉樹の梢に止まり、カーカー♪と澄んだ声で鳴き騒いでいます。
これ以上巣に近づかないようにと私に警告しているのです。

しばらくすると、親鳥は鉄塔の下部に一旦止まって辺りの安全を確認してから舞い上がり、帰巣しました。
巣箱と同じ段の鉄骨でしばらく辺りを警戒しています。
結局、巣箱には入らずに滑翔すると、ガーガー♪と嗄れ声で鳴きながら私の方へ真っ直ぐに飛んで来て、私の横を通り過ぎました。
ハシブトガラスなのに、まるでハシボソガラスのようにガーガー♪と嗄れ声で鳴いたのにはビックリしました!
観察を積み重ねると次第に分かってくるのですが、これはハシブトガラスの警戒声のようです。

やがて、親鳥♀♂のつがいが送電塔と私の間にある畑に立った電柱に止まりました。
カメラを構えて長時間居座っている私が気になるようで、偵察に来たのでしょう。
小声でまたもやガーガー♪と鳴き交わしています。
親鳥2羽が相次いで電柱から飛び立つと、今度はハシブトガラスらしくカーカー♪と澄んだ声で鳴きながら私の頭上を飛び越えて行きました。
なかなか立ち去らない私に対して、かなり苛立っている(怒っている)ようです。
しかし私に直接攻撃してくることはなく、身の危険を感じるほどではありませんでした。

ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@電柱+警戒

片方の親鳥(おそらく♀)が巣に戻って抱卵/抱雛している間に、もう1羽のカラスが左から飛来して鉄塔のすぐ背後を高速で通り過ぎました。(@1:25)
領空侵犯されたのに在巣の親鳥♀が迎撃に飛び出さず無反応だったということは、もう1羽の親鳥♂だったのでしょう。

夕暮れ時になると、外出から鳴きながら戻って来た親鳥♀♂は高圧線の最上段に離れて止まりました。
辺りを見回して縄張りを警戒しています。
嘴を足元の高圧線に擦り付けたりもしています。
親鳥のハシブトガラスは高圧線からフワリと飛び上がると、カァカァ♪と澄んだ声で鳴きながら私の頭上を飛び越えて行きました。
私がしつこく見ているのが気に入らないようです。

ラストシーンは、巣箱で抱雛していた親鳥が日没時に突然カーカー♪鳴きながら飛び去る様子です。
領空侵犯に対するスクランブル発進のようです。
その直後に巣箱の中でかすかに動いている雛を初めて確認することができました。(@2:24〜)
巣箱の側面の高さよりも未だ小さい状態ですが、側面のメッシュを通してなんとか雛を見ることができました。
卵から孵化していました。
巣内に座っていた親鳥♀の行動も抱卵ではなく抱雛だったと分かりました。


つづく→#2:幼い雛への給餌と抱雛のため送電塔の巣箱に出入りするハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)


2019/08/10

巣箱に通って雛に給餌し糞を処理するハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)




送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#10



▼前回の記事
巣箱のある送電塔で鳴き続けるハシブトガラスの親鳥(野鳥)


2019年5月下旬・午前10:08〜10:38

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥♀♂が共稼ぎで巣箱に通って雛鳥に代わる代わる給餌するシーンをまとめてみました。
雛が未だ小さいので、給餌の頻度は低いようです。


シーン1:

採食から巣に戻ってきた親鳥は、食料を詰め込んだ喉袋が大きく膨らんでいます。
餌乞いした2羽の雛に口移しで給餌しました。
この後、どうやら雛が排泄した糞を親鳥が食べたようです。
もう少し雛が育つと、親鳥は雛の糞を巣の外へマメに捨てに行くのですけど、この親鳥は出巣せずにそのまま雛の横で付き添っています。(抱雛?)

中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』によると、

・鳥の下嘴の骨格はVの字になっていて、その間が皮で覆われています。カラスの場合はその皮がとてもよく伸びるので、思いのほかたくさんの食べ物を詰め込むことができます。

・食べ物を蓄える皮の部分は、嘴が大きいブトはかなり伸びますが、嘴た小さくて細いボソの場合はそれほど伸びないので、あまりたくさん詰め込むことができません。(中略)おそらくブトの半分以下しか詰め込めないでしょうけれど。(p83-84より引用)



シーン2:(@1:50〜)

在巣の親鳥(おそらく♀)が左を向いてカー♪と一声だけ発しました。
下段の鉄骨に止まっていたもう1羽の親鳥(おそらく♂)が飛び上がって帰巣すると、巣内の雛が振動で気付いて盛んに餌乞いを始めました。
送電塔の鉄骨から鉄骨へピョンピョン跳ねるようにして入巣した親鳥♂は喉袋が膨らんでいます。
甲斐甲斐しく雛に給餌していますが、鉄骨の陰でよく見えません。
続けて今度も食糞したようです。
巣から左へ鳴きながら飛び去った親鳥♂の喉袋が少し膨らんでたのは、雛の排泄した糞を捨てに行くからかな?(排糞行動)



シーン3:(@3:47〜)

いつの間にか、親鳥が♀♂共に巣を留守にしています。
やがて右下より飛来した親鳥(おそらく♀)が帰巣しました。
例によって喉袋が大きく膨らんでいます。
ホッピングで巣箱に入ると、雛に給餌しました。
食後の雛が排泄した糞を今回も食べ(食糞)、そのまま雛に付き添って面倒を見ています。
次にもう1羽の親鳥(おそらく♂)も帰巣しました。(@7:00)
雛に給餌すると、雛の糞を喉袋に入れて外に捨てに行きました。
巣に残った親鳥♀が左を向いてカーカー♪鳴いています。


つづく→#11


2019/08/08

巣箱のある送電塔で鳴き続けるハシブトガラスの親鳥(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#9



▼前回の記事
ハシブトガラスの雛がヘリコプターに餌乞い(野鳥)

2019年5月下旬・午前9:56〜10:27

しばらく巣を留守にしていたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥(おそらく♀)が鳴きながら戻ってきました。
ところが着地したのは巣箱のある段の上の鉄骨で、右を向いてカーカー♪鳴き続けています。
ようやく巣箱と同じ段の鉄骨に飛び降りても(@1:41)、雛に給餌する訳でもなく、ひたすら鳴き続けています。
どうやら右の遠くの河畔林に居るらしい♂と鳴き交わしていようです。
「油を売ってないで雛鳥のために早く餌を取って来い!」と亭主に催促しているのかもしれません。
この間、巣内の雛鳥は餌乞い行動をしませんでした。
雛は未だ小さいので、一度餌を食べてしまうとなかなか空腹にならないのかもしれません。
「親鳥が鳴いている間は危険が迫っているので絶対に動かないように」という鉄則が雛の本能にプログラムされているのでしょうか?
ハシブトガラスの本気の警戒声はもっと切迫しているので、このときの親鳥の鳴き方とは違うと思うのですけど、どうでしょう?

親鳥♀は鳴き止むと羽繕いを始めました。(@2:08)
それまで巣内でじっとしていた雛が動きましたが(@3:10)、横の親鳥が鳴くと再び巣に身を伏せました。
最後、親鳥は鳴きながら送電塔の右に飛び降りました。(@5:01)

24分後、巣箱に入って雛に付き添う親鳥が左を向いてカァーカァー♪鳴き続けています。
先程よりも音程が低く、落ち着いた感じです。
今度は親鳥♂なのかもしれませんが、外見で個体識別できないのが残念です。
状況に応じて声色を使い分けているはずです。
カラスの鳴き声を日本語に訳してくれる翻訳機カーリンガルが欲しいところです。

つづく→#10:巣箱に通って雛に給餌し糞を処理するハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)




2019/08/04

炎天下の巣箱で暑さに喘ぎながら雛に付き添うハシブトガラス(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#7



▼前回の記事
送電塔の巣箱で雛を育てるハシブトガラス♀♂(野鳥)


2019年5月下旬・午前9:22〜9:41

送電塔の周りをぐるりと回りながら、色んなアングルで巣箱の様子を撮影してみました。

巣内に座って抱雛中のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)親鳥(おそらく♀)は嘴を開けっ放しにしたまま辺りをキョロキョロ見渡しています。
この営巣地は強い直射日光を遮る屋根や木の枝葉が無いので、炎天下で暑さに喘いでいるのでしょう。
陽炎が立ち昇っています。
雛の日射病対策のために親鳥が翼を広げて日陰を作ってあげているかどうか、興味があるのですけど、下から見上げるアングルでは見えません。
ドローンを飛ばして上から見てみたいところですけど、親鳥のストレスになるし危険なので止めましょう。

この送電塔は郊外の交通量の多い大通り沿いに立っていて、車の騒音が絶え間なく聞こえます。
ハシブトガラスと言えば繁殖期は巣に近づくヒトに対して非常に警戒心が強いことで有名ですが、私がここまで近づいて撮っても親鳥は怒ったり威嚇してきたりしませんでした。
だいぶ人馴れした、あるいは珍しく性格の穏健な個体のようで、観察しやすくて助かります。
この日はあまりにも暑くて、親鳥もバテていたのかもしれません。

鉄塔の中段に設置された巣箱をよく見てみると、かなり凝った作りでした。
プラスチックのパイプを組み合わせて、浅い箱の枠を作ります。
側面および正方形の底面に金網を張って金具や針金で固定してあります。
金網を使っているので、雨が降っても排水対策は万全です。
この巣箱(特設ステージ)に親鳥が巣材の枯枝を何本も運び込んで組み合わせ、巣が作られています。
巣箱がしっかりしているので、巣材の量を減らして手抜き工事しても大丈夫かもしれません。


ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7
ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7

やがて在巣の親鳥♀はカーカー♪と鳴きました。(@1:42)
澄んだ声で鳴くのがハシブトガラスの特徴です。

気温が高いので、親鳥は雛を抱かずに、横に付き添って座っているだけです。
小さな雛が嘴を大きく開き、横に居る親鳥に向かって背伸びをしました。(@2:00)
おそらく餌乞いだと思うのですが、翼は動かしておらず、雛の鳴き声は遠くて聞き取れませんでした。
しかし親鳥は採餌に出かけません。
雛の赤い口内を間近で見ても、親鳥の給餌衝動が解発されない場合があるのですね。
父親♂が採餌から戻ってくるのを待っているのでしょう。
雛が小さい間は片方の親鳥が付きっきりで見守るようです。

ちなみに、隣の送電塔に設置された巣箱にカラスは営巣していませんでした。(いずれ別の記事に書く予定です)

つづく→#8:ハシブトガラスの雛がヘリコプターに餌乞い(野鳥)


2019/08/03

送電塔の巣箱で雛を育てるハシブトガラス♀♂(野鳥)




送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#6


2019年5月下旬・午前5:14〜5:25(日の出時刻は午前4:20)

3日後の定点観察。
早朝に様子を見に行くと、朝日を浴びた巣内に親鳥は不在でした。
もう暖かい季節なので、夜通し抱雛する必要はなくなったのでしょう。
雛は未だ体が小さく、巣内で寝ている姿は特設ステージに隠れて見えません。

私が送電塔の巣に望遠レンズを向けていると、近くの林のヒノキ?樹冠で親鳥が警戒声を発しました。
もしかすると、親鳥はこの林で夜を過ごしたのかもしれません(親鳥のねぐら)。
喉袋が膨らんでいるので、夜が明けるとすぐに採餌活動をしていた可能性もありそうです。
私が親鳥にカメラを向け直すと、カーカー♪鳴きながら樹上から飛び立ちました。

やがて親鳥の♀♂つがいが送電塔の近くの電柱に飛来し、仲良く並んで止まりました。
着陸後に嘴を足元のケーブルに擦り付けています。

油断していたら、この直後、1羽の親鳥が帰巣するシーンを撮り損ねてしましました。
親鳥は雛の様子をチェックしてから慎重に巣に座ります。
撮影アングルがいまいちで、抱雛する親鳥(おそらく♀)の姿が送電塔の鉄骨に隠れて見えなくなってしまいました。
さっきまで止まっていた右の電柱には、もう1羽の親鳥もいつの間にか居なくなっていました。

しばらく巣を留守にしていた親鳥が戻ってきました。(@1:40)
左から親鳥α(おそらく♀)が飛来すると、送電塔の鉄骨に止まって鳴きました。
ピョンピョン跳んで巣に近づき中を覗き込むと、小さな雛が首を伸ばしました。
(給餌したかどうか不明)

親鳥♀αが送電塔の外に向かってカーカー鳴くと♪、もう1羽の親鳥β(おそらく♂)が左から飛来しました。(@2:16)
喉袋が餌で膨らんでいます。
餌乞いした雛に口移しで給餌した後、親鳥♀αにも少し給餌しました。
親鳥♂βは右へ飛び去り、次の採餌へ向かいました。
巣に残った親鳥♀αは抱雛を続けます。
カラスは♀が主に抱卵・抱雛を担当するそうです。


ハシブトガラスの雛鳥を初めて観察することが出来ました。
普通なら枝葉の茂った樹上に営巣しますし、親鳥の警戒心がとても強く、私が巣に望遠レンズを向けるだけでも怒ってくるからです。

私が通うフィールドではこの時期ハシボソガラスの営巣はほぼ終わり、雛が巣立った例も見ています。
ハシブトガラスはハシボソガラスよりも繁殖が遅れるというのは、本で読んだ通りでした。

・巣立ちがボソより2週間前後遅いブトの雛。 (中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』p57より引用)
・繁殖開始時期はハシボソガラスの方が早く、3月中旬から始まる。 (同書p92より引用)



つづく→#7:炎天下の巣箱で暑さに喘ぎながら雛に付き添うハシブトガラス(野鳥)



ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7早朝
ハシブトガラス(野鳥)親鳥@帰巣:送電塔#KN7早朝
ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7早朝・全景
ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7早朝・全景

2019/07/31

ガードレールに翼を引っ掛け日光浴するハシボソガラス(野鳥)



2019年5月下旬・午前11:00

堤防の白いガードレールにハシボソガラスCorvus corone)が奇妙な姿勢で止まっていました。
まるで我々がハンガーに服をかけて干すように、広げた翼をガードレールに引っ掛けて休んでいます。
こんな体勢のカラスを見たことがなかったので、死骸がガードレールに引っかかっているののかと一瞬思ったぐらいです。

嘴を少し開けたままで、暑さに喘いでいるようです。
口の中が黒いので、成鳥ですね。
首を傾げて居眠り?したり、辺りをキョロキョロ見回したりしています。

カラスの正面(または背後)に回り込んで、この奇妙な姿勢をよく観察したいところです。
右側の翼はどうなっているのか見えないのですが、左右対称に広げているのだとすると、日光浴で羽根を虫干ししているのでしょう。
背後に見えるコーポのベランダで布団や洗濯物が干してあるように、快晴で絶好の洗濯日和でした。
羽根があちこち白いのが気になります。
換羽が進行中なのですかね?

翼が折れて飛べないのかと心配したのですけど、私が動画を撮りながらそっと近づくと普通に飛び去りました。
日光浴を私に邪魔されたハシボソガラスは、ガーガー♪と抗議の鳴き声を発しながら土手を低空で横切り、川岸のニセアカシア高木の枝に着陸しました。
翼を怪我している訳ではなく、飛行能力は正常でした。
最後に飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
ガードレールに引っ掛けていた翼を右、左の順に引き抜いて飛び立っていました。

後日、世間では「ゴリラカラス」のミステリアスな衝撃映像が話題になりました。

まるでマッチョなゴリラがナックルウォークをするような姿勢で佇むハシブトガラスの短い動画です。
カラスの専門家がこれは日光浴の姿勢だと解説してくれたおかげで、私も謎が解けました。
もし私がカラスの正面から撮っていれば、まさにゴリラガラスのポーズが見れたはずです。





中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』によると、

私には夏より冬の方が元気いっぱいに見えます。逆に、真夏の暑い日には、口を開けて翼を半開きにして、目つきがトロンとなります。実に怪しい姿です。 (p55より引用)

撮影後に気温を測るべきでしたね。
この日は朝から快晴で真夏日になりました。
この地域の最高気温は35℃と発表されています。


ハシボソガラス(野鳥)@ガードレール+羽根虫干し?
ハシボソガラス(野鳥)@ガードレール+羽根虫干し?

2019/07/30

モミ樹上で鳴く♪チゴハヤブサのつがい(野鳥)



2019年5月中旬

モミの巨木の横枝にチゴハヤブサFalco subbuteo)が止まっていました。
夏鳥のチゴハヤブサを見つけたのは今季初めてです。(初見日)
断続的に甲高い声でキィーキィー♪と鳴いているのですが、近くにある滝の水音にかき消されてしまい、残念ながらあまり聞こえません。
鳴き止むと辺りをキョロキョロと見回しています。

撮影中は全く気づかなかったのですが、引きの絵で撮った映像を見直すと実はもう1羽が下の横枝に逆を向いて止まって羽繕いしていました。
おそらく♀♂つがいなのでしょう。
体格の違いで性別が見分けられるらしいのですけど(♀>♂)、同じ枝に並んでくれないと大きさを比べられません。

※ 逆光のため、動画編集時に彩度を少し上げています。
チゴハヤブサが鳴き声を発している間は音声を正規化して強引に音量を上げています。(噴水のノイズも上がります)




つづく→モミ樹上で顔を掻き羽繕いするチゴハヤブサ(野鳥)

チゴハヤブサ(野鳥)@モミ横枝
チゴハヤブサ(野鳥)@モミ横枝
チゴハヤブサ2(野鳥)@モミ横枝
チゴハヤブサ2(野鳥)@モミ横枝

枯木の根元で親鳥を待つハシボソガラスの巣立ち雛(野鳥)



2019年5月中旬
▼前回の記事
ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)

河畔林で立ち枯れしたニセアカシアの木の根元にもう1羽、別個体のハシボソガラスCorvus corone)巣立ち雛bが隠れていました。
キョロキョロ見回しながら、辺りに分散している兄弟姉妹の幼鳥たちと鳴き交わしています。
嘴を開くと中が真っ赤なのはカラスの幼鳥の特徴です。

カメラを右にパンすると、先程の個体aが相変わらず近くのニセアカシアの横枝に止まって鳴いています。
巣立った直後はあまり勝手に動き回らずに、親鳥が給餌に来てくれるのを各々が待っているのでしょう。

シリーズ完。


ハシボソガラス幼鳥b(野鳥)@ニセアカシア根元

2019/07/28

親鳥に餌乞いしても無視されたハシボソガラス幼鳥(野鳥)



2019年5月中旬

▼前回の記事
ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)

同じ河畔林で少し離れた別のニセアカシア(別名ハリエンジュ)樹上にもう1羽のハシボソガラスCorvus corone)幼鳥が単独で止まっていました。
この木にもカラスの巣は無くて、幼鳥がどこから巣立ったのか不明です。
河畔林のあちこちに散らばった兄弟姉妹の巣立ち雛たちと盛んに鳴き交わしています。

この幼鳥の行動を見ていると、どうやら親鳥が画面左のどこかに来て居るようです。
横枝に止まった幼鳥は翼を広げて軽く羽ばたきながら親鳥に呼びかけ、給餌をせがんでいます(餌乞い♪)。
鳴いたときの嘴の中が真っ赤なのは、幼鳥である印です。
私がカメラをズームアウトしかけたら、親鳥と思われる個体が飛来し画面を横切りました。
餌乞いする幼鳥に巣外給餌するかと思いきや、親鳥は幼鳥をスルーして、画面奥に流れる河原へ採餌に行ったようです。
これだけ見ると育児(育雛)放棄のようですけど、幼鳥に自力で飛んでついてくるように促しているのかもしれません。
あるいは、近くで見ている私を警戒して幼鳥に給餌しなかったのかな?
親鳥も複数の巣立ち雛の面倒を見るのにてんてこ舞いなのでしょう。
樹上の幼鳥は、親鳥が飛び去った方向を名残惜しそうに見送ると、鳴き止んでしまいました。
撮影する私の背後でキジバトがデデッポポー♪と鳴いています。

親鳥が戻って来るまでもう少し待ってハシボソガラス幼鳥への巣外給餌シーンを撮りたかったのですが、先を急ぐ用事があって断念。

つづく→


2019/07/27

ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)



2019年5月中旬


▼前回の記事
川沿いの林床で鳴く♪ハシボソガラスの巣立ち雛(野鳥)

河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)の太い横枝に2羽のハシボソガラスCorvus corone)が仲良く寄り添うように並んでいました。

鳴いたり欠伸をしたりすると、嘴の中が真っ赤です。
これは幼鳥の特徴なので、おそらく巣立ったばかりの雛鳥なのでしょう。
近くの林床を彷徨う兄弟姉妹の幼鳥たちと鳴き交わしています。
ニセアカシア樹上の幼鳥2羽は、暇つぶしに互いに軽く羽繕いしています。
止まり木に立っているのではなく座り込んでいるのは、幼鳥特有の姿勢なのか、ちょっと珍しく思いました。
やがて樹上の幼鳥が翼を広げながら盛んに鳴き始めたので(餌乞い行動)、親鳥が給餌に飛来したのかと期待したのですけど、空振りでした。

私が撮りながら回り込んでも、ハシボソガラス幼鳥は飛んで逃げたりしませんでした。
また、私がこれほど幼鳥(巣立ち雛)に近づいても、親鳥に襲われることはありませんでした。
やはりハシブトガラスと違ってハシボソガラスは性格が温和ですね。

ちなみに、このニセアカシア樹上にもカラスの巣はありませんでした。
どこから巣立った雛なのか、不明です。

中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』によると、

九州と北海道ではカラスの巣立ち時期に2か月以上の差があり、桜前線と同じように、カラスの「巣立ち前線」があります。(p169より引用)



つづく→親鳥に餌乞いしても無視されたハシボソガラス幼鳥(野鳥)


ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@河畔林:ニセアカシア樹上+休息
ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@河畔林:ニセアカシア樹上+餌乞い

2019/07/25

川沿いの林床で鳴く♪ハシボソガラスの巣立ち雛(野鳥)



2019年5月中旬

巣立ちしたばかりと思われるハシボソガラスCorvus corone)の雛が河畔林のあちこちに散らばり、鳴き騒いでいました。
親鳥が巣外給餌にやって来るのを待っているのでしょう。

ニセアカシアの大木の根元の草むらに隠れている1羽をまず見つけました。
私が近くに居ても恐れず(あまり逃げずに)無邪気に鳴いています。
嗄れ声でガァー♪と鳴くと嘴の中が真っ赤です。
カラスの幼鳥は嘴の内部が赤いのが特徴です。
河畔林に分散した兄弟姉妹の幼鳥たちと鳴き交わしているようです。

私が幼鳥の近くに立ち止まって撮影しても、親鳥が攻撃してくることはありませんでした。
どこか遠くで採餌しているのでしょう。
もしこれが気性の荒いハシブトガラスなら親鳥は激昂し、巣立ち雛(幼鳥)を守るためにヒトを襲う可能性があります。

1.5時間後に私が戻ってくると、同一個体と思われる幼鳥と再会しました。
親鳥からはぐれて迷子にならないように、ほぼ同じ場所に居たのには感心しました。
飛んだり歩いたりする移動能力もまだ覚束ないのかな?

親鳥が戻って来るまで粘って幼鳥への巣外給餌シーンを観察したかったのですが、先を急ぐので諦めました。
ニセアカシア大木に巻きついて育ったフジが満開の花盛りでした。
このニセアカシアの樹上にカラスの巣があったのかな?と予想したものの、枝葉が茂っているせいか見つかりません。
川の対岸のニセアカシア高木の天辺に1つだけハシボソガラスの巣を発見しています。(この日は空巣)

毎年のように色んな場所で複数のカラスの巣を定点観察しているのですが、こんなに早く巣立つ雛を見かけるとは少し驚きでした。
(他の巣に比べて巣立ちが早いです。)
今年は春の到来が早くて餌が豊富だったのでしょう。

つづく→ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)


ハシボソガラス幼鳥c(野鳥)@河畔林:林床
ハシボソガラス幼鳥c(野鳥)@河畔林:林床



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