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2018/11/07

柿の木に来たジョウビタキ♂(冬の野鳥)



2018年1月上旬

川沿いの民家の庭のカキノキジョウビタキ♂(Phoenicurus auroreus)が落葉した枝に止まっていました。
尾羽を震わせています。
聞こえてくるのは大声で鳴くカラスやヒヨドリだけで、川の対岸からはジョウビタキ♂の鳴き声を聞き取れませんでした。
後半は枝から枝へ飛び回ったり、下の雪面に飛び降りたり、ブロック塀に乗ったりと忙しなく動き回ります。
枝にわずかに残っている熟柿を食べるかと期待したのですが、対岸の私を警戒してか残念ながら逃げてしまいました。


ジョウビタキ♂(野鳥)@カキノキ樹上
ジョウビタキ♂(野鳥)@カキノキ樹上

熟柿@カキノキ

2018/11/04

クズの葉に噛みついた姿勢で朝の化粧をするクズハキリバチ♀



2018年8月中旬・午前6:39〜6:46

川沿いの堤防に繁茂するクズの群落で早朝からクズハキリバチ♀(Megachile pseudomonticola)を見つけました。
クズの葉縁を大顎で噛んでいたので、すわ巣材集めか!と喜び勇んで動画を撮り始めました。
私は未だハキリバチ類の♀が巣材集めに葉を切り取る行動を一度も見たことがないのです。
ところが観察してみると、時間をたっぷり掛けて朝の化粧をしただけでした。
もしかすると、夜はクズの葉縁を噛んだ体勢で寝ていて、たった今目覚めたばかりなのでしょうか?
たとえ巣作りをしている段階でも、夜になると母蜂は巣で寝るとは限りません。(巣とねぐらは違う概念です。)
夜眠る際に植物を大顎で噛んで体を固定する蜂が幾つか知られています。
▼関連記事
大顎で植物を咥えた姿勢で眠るサトジガバチ♀

葉縁を大顎でしっかり噛みしめて体を固定し、両脚を擦り合わせています。
身繕いしながら頻繁に腹部をグイーンと背側に大きく曲げた謎の海老反り姿勢になります。
このときよく見えた腹部下面のスコパ(花粉刷毛)に花粉は付着していませんでした。

腹部背面(腹部第2背板後縁)に顕著な明色の毛帯が一瞬見えたので、クズハキリバチ♀と判明しました。
クズハキリバチ♀の腹部の刷毛は黒色だが前方は黄褐色とのことで、映像を見直すと確かにその通りでした。(『日本産ハナバチ図鑑』p319より)

飛び立つと少し離れた別の葛の葉に止まり直しました。
クズの葉縁にかすかに噛み跡(歯型)が残っています。
二度三度と場所を変えても、ひたすら身だしなみを整えています。
毎回クズの葉縁を噛んだ体勢になります。
脚が6本もあるのに、それを全部使って身繕いするために、大顎で体を固定するのでしょう。
実際に、身繕い中にバランスを崩しかけても、葉縁を噛んで体を固定していたおかげで滑落を免れました。

後半になるとようやく噛んでいたクズの葉を離し、頭部や触角を前脚で拭い始めました。
長い口吻を伸ばし、前脚を舐めて唾液で湿らせながら顔を念入りに洗っているようです。

もしかするとダニなど吸血性の寄生虫に体外寄生されていて体が痒くてたまらないのか?と心配になったのですが、少なくとも映像で見る限りではクズハキリバチ♀の体表に微小な赤ダニなどは集って居ませんでした。



最後は川の対岸へ元気よく飛び去ったのですが、撮り損ねました。
私が採集しようと決断した途端に殺気を感じたのか、逃げられました。

今回もなぜか葉切り行動はしてくれませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:海老反り
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:海老反り
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:脚上げ
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い

日没後に塒から飛び去るゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)



2018年8月上旬・午後19:09〜19:19(日の入り時刻は18:45)

ゴイサギNycticorax nycticorax)の群れ(家族群)の昼塒を見つけた同じ日の日没後に現場の池を再訪すると、親鳥はどこかに居なくなっていました。
一方、池の中に突き刺さった落枝には数羽の幼鳥が未だ居残っていました。
静かにしていた昼間とは打って変わり、グェッ、グヮッ♪と盛んに鳴き交わしています。

決して美声ではありませんが、「夜ガラス」と俗に言われる不気味な鳴き声の正体がこれで分かりました。
木に登ったり羽ばたきの練習をしたりと活動的です。
オレンジ色の光は、横の車道を照らす外灯(ナトリウムランプ)です。

夜行性のゴイサギは暗くなると続々と昼塒を離れ、採餌場へと飛び立ちます。
それまで気づかなかったのですが、池の畔の森にもっとたくさんのゴイサギが潜んでいたようです。(集団塒)
てっきり群れの一部は昼塒にしている池に夜も留まって採餌するのでは?と予想していたのですけど、やがてゴイサギは一羽も居なくなりました。

ゴイサギが夜どこで採餌しているのか突き止めたくて、この夏の晩に何度か追跡してみたものの、残念ながら失敗しました。
大群で一団となってねぐらから採餌場へ飛んで行くのではなく、三々五々とバラバラに飛んでいくので、追跡が難しいのです。
川沿いを上流へ向かって調べたり別の溜池に目星をつけて行ってみても、夜の水辺にはカルガモしか見つけられませんでした。
川や池ではなく、夜の水田に散開して採食しているのかな?
ゴイサギにGPSを取り付けて夜通し追跡できたら面白いのになぁ…と夢想します。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際の現場はこれより遥かに暗く、私のカメラ(Panasonic FZ-300)の性能の限界ギリギリでした。
薄暗がりでのゴイサギ幼鳥の動きが見えやすいように動画編集で無理やり明るく加工してあります。
私の興味関心は生き物の自然な行動にあるので、強いサーチライトなどは使いたくありません。
このような薄暗い状況でも愛機(Panasonic FZ-300)で上手く撮れる「手持ちカメラ夜景モード」の存在を当時は知らず、いつもの「お任せモード」のままで撮りました。
赤外線の暗視カメラも別に持っているのですけど、赤外線投光機(補助照明)を用いても対岸には届かない距離のため、この状況では暗くて使い物になりません。


ゴイサギ幼鳥(野鳥)群れ@日没後:池畔:落枝

2018/11/01

池を低空で飛び去るゴイサギ幼鳥(野鳥)



2018年8月上旬

池の昼塒に集まるゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥の群れをしつこく撮っている私を警戒したのか、1羽の幼鳥が水面スレスレの低空飛行で逃げて行きました。
咄嗟に流し撮りした映像を15%のスローモーションでご覧下さい。
池の岸から水面に大きく張り出したコナラ大木の枝に着陸したようです。
手前の枝葉が邪魔で姿が見えなくなりました。
幼鳥と言えども、飛翔能力はほぼ一人前のようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/30

樹上のゴイサギ成鳥に突撃するアブラゼミ(野鳥)



2018年8月上旬・午後16:20

▼前回の記事
池の昼塒でくつろぐゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)


ゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥の昼塒がある池の奥は小山で、鬱蒼とした林になっています。
池の対岸からその木々を丹念に探すと、白っぽい鳥が高木の枝に止まっていました。
望遠レンズでズームインしてみると、ゴイサギの成鳥でした。
実はゴイサギ成鳥の実物を見つけたのはこれが初めてで、念願の出会いに感激しました。
幼鳥の群れとは少し離れた高木に単独で昼塒を取っていました。
残念ながら樹種は不明です。(見て分かる方は是非教えて下さい。)
図鑑で読んだ通り、ゴイサギ成鳥の見開いた目の虹彩は真っ赤で、丸い瞳孔は黒くて大きいのが印象的でした。

同じ横枝でゴイサギの少し左にアブラゼミ♂(Graptopsaltria nigrofuscata)が止まっています。
そのアブラゼミが飛び立つと、ゴイサギの背中に衝突してから慌てたように飛び去りました。
背後から不意をつかれたゴイサギは少しキョロキョロしたものの、眠いのかそれほどパニックにはなりませんでした。
衝突シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ゴイサギ成鳥+アブラゼミ(野鳥)@昼塒:樹上

2018/10/28

ノウゼンカズラを訪花するキイロスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬


▼前回の記事
ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

駐車場の隅に立つヒノキの高木に蔓植物ノウゼンカズラが巻き付き、満開の花が咲いていました。
そこへキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀も吸蜜しに来ていました。
花筒の入口から潜り込む正当訪花を繰り返すので、体の背面が黄色い花粉で汚れています。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:21〜)

吸蜜後は花筒から頭を抜いた後に身繕いをすることがありました。
触角や顔を前脚で拭って化粧しています。
花から飛び去りながらホバリング中に後脚同士を擦り合わせ、花粉を落としています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花+身繕い
キイロスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花+身繕い

2018/10/27

池でゴイサギの幼鳥をからかう錦鯉(野鳥)



2018年8月上旬


▼前回の記事
池の枯木から飛んで逃げるゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)

仲間から離れた一羽のゴイサギNycticorax nycticorax)の幼鳥が石垣をゆっくり降りて池の水際へ移動しました。
頭を下げ、魚を獲る漁の姿勢になりました。
興味津々で水面を見つめるゴイサギ幼鳥の虹彩はオレンジ色でした。
目の前の水中をオレンジ色のニシキゴイ(錦鯉:Cyprinus carpio)が行き交います。
池の錦鯉に給餌する人が時々いるので、岸に立っているとコイ(鯉:Cyprinus carpio)が人懐こく近寄って来て口をパクパク開けて餌乞いします。
ゴイサギ幼鳥に対しても命知らずの鯉が餌乞い(度胸試し?)しているのでしょうか?

何度も岸辺近くを泳ぎ射程距離のはずなのに、ゴイサギ幼鳥は錦鯉を嘴でつついて仕留めようとしないのは意外でした。
魚捕りを未だ会得していないのか、獲物として大き過ぎて怖気づいたのかな?
その後、水中に嘴を軽く突っ込んで池の水を飲んだようです。(@1:39、1:52)

背後の岩にハグロトンボ♀(Calopteryx atrata)が止まり、黒い翅を開閉して誇示行動に余念がありません。

突然、ゴイサギ幼鳥が左へ飛び立つと、少し飛んで岸から大きく張り出した木の枝に止まり直しました。
岸のハグロトンボも驚いて飛び去りました。
ゴイサギ幼鳥は枝葉の茂みに隠れて姿が見えなくなりました。
対岸からしつこく撮影している私を警戒したようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/10/26

池の枯木から飛んで逃げるゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)



2018年8月上旬

台風や大雪のせいで木の枝が折れて池の中に突き刺さり、そのまま枯れています。
ゴイサギNycticorax nycticorax)の幼鳥がその落枝に集まっていたのは、捕食者に襲われにくい安全な止まり木だからなのでしょう。
4羽以上も集まり、落枝の枝先で羽ばたき練習をしている個体もいます。

池の対岸から私がしつこく撮影すると警戒し、少し離れた木の枝や岸の石垣へ次々に飛んで移動しました。
幼鳥はもう自力で飛んで移動できることが分かりました。
飛びながら池の水面に足で着水しかけましたが、魚を狩ろうとしたのではなくて飛び方が未だ下手糞なだけのようです。

ゴイサギ幼鳥がもし全く動かずに静止していれば、見事な保護色で辺りに溶け込んで私も全く気づかなかったことでしょう。
この近くに巣があって、そこから巣立った幼鳥なのかな?
あるいは、ゴイサギは夜行性なので、ここは単に日中に休む昼塒なのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池畔:桜?枝先
ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池岸:石垣

2018/10/25

訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

農道沿いでムラサキツメクサに訪花するキアゲハを240-fpsのハイスピード動画で記録していたら、とても興味深いシーンがたまたま撮れていました。

キアゲハPapilio machaon hippocrates)が花から飛び立つまで長撮りしていると、途中から1匹のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)が登場しました。
初めはニアミスしても互いに無関心でムラサキツメクサ(=アカツメクサ)から吸蜜し、トモンハナバチ♂は花から花へ飛び回っています。
トモンハナバチ♂がキアゲハの下をくぐって飛ぶこともありました。(@0:33〜)

やがて驚いたことに、トモンハナバチ♂がキアゲハの背後から狙いを定めてコツンと突撃しました。(@1:43)
不意に追突されたキアゲハは驚いて前方に飛び去りました。
それをトモンハナバチ♂は少し追尾してから戻って来ました。
トモンハナバチは狩蜂ではなくハナバチの仲間ですから、この攻撃性は意外でした。
これは探雌飛翔のパトロールをしていたトモンハナバチ♂が交尾相手の♀と間違えてキアゲハに誤認求愛したのでしょうか?

▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】

それなら初めにキアゲハを見つけた途端に飛びつこうとするはずです。
初めは見逃していた(無視していた)のに、しばらく経ってから急に交尾を挑むのは謎です。
確かにキアゲハの翅には黄色と黒の斑紋があり、トモンハナバチの配色と似ていなくもないですが、いくら何でもサイズや形が違い過ぎるでしょう。

同じ花に長時間居座って吸蜜していたキアゲハに対して、「いい加減、もうそろそろ縄張りから出ていけよ!」と攻撃的な占有行動をしたのではないか?という気がします。
トモンハナバチ♂には蜜源植物が咲いている一帯を縄張りとして、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せする習性がありそうです。
だとすれば他種の昆虫と言えども、縄張り内の餌資源(花蜜や花粉)をあまり奪われないように追い払おうとしても不思議ではありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

(登場したトモンハナバチが1匹ではなく複数個体だった可能性は?)

トモンハナバチは蜂類にしては珍しく、♂の体長が♀よりも大きい性的二型です。
これは♀を巡って♂同士で激しい闘争行動が繰り広げられることを示唆しているのですが、私は未だ見たことがありません。

ピアノ演奏付きで熱唱するミンミンゼミ♂



2018年8月上旬

ミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)がサクラの幹に止まって鳴いています。
背後の民家で誰かがピアノを練習していて、夏の午後らしい風情を感じました。

鳴いているミンミンゼミ♂を横から見ると口吻は幹に突き刺してはおらず、吸汁と求愛歌を両立している訳ではありません。
大音量で発音する腹部の動きは伸縮させながら背側⇔腹側に大きく屈曲するだけでなく、意外にも複雑・繊細でした。
動画を撮りながら少しずつ回り込んでセミの背面も撮ろうとしたら、逆光になってしまいました。

ひとしきり鳴き終わるとミンミンゼミ♂は飛び去ってしまいました。
飛び立つ瞬間に小便の排泄はありませんでした。
うるさいセミが飛び去ったら急に辺りが静かになり、ピアノ練習曲がよく聞こえるようになりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ミンミンゼミ♂@サクラ幹♪

2018/10/23

飛べ!アオカナブン【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

里山のコナラ樹液酒場に来ていた2匹のアオカナブンRhomborrhina unicolor)内の1匹(個体b)です。
下向きで幹に静止して樹液を舐めていました。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p49によれば、腹面を見ればよく似たアオカナブンとカナブン(緑化個体)とを簡単に区別できるのだそうです。
試しにこの個体bを捕獲して裏返してみてみると、左右の後脚のつけ根が接していたのでアオカナブンでした。

手掴みで捕獲しても脱糞、排尿などの抗議行動はしませんでした。
次に、解放するついでに飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:32〜)
カナブンの仲間の飛翔は、鞘翅(前翅)をしっかり閉じたまま後翅だけを広げて羽ばたくことが特徴です。
鞘翅を閉じることで無駄な空気抵抗を減らしているのでしょう。

1回目は、畳んでいた後翅を広げて羽ばたいたものの、飛ぶと言うよりも、慌てふためいてほぼ落下しただけでした。
下草に落ちたアオカナブンbを再び拾い上げ、しつこくやり直します。
2回目(Take2)は、軽く握りしめた拳をそっと開くと私の指に少し登ってから見事に離陸しました。
飛翔中は後翅が羽ばたく際に、閉じた鞘翅がガタガタと振動していることが分かりました。
これは昔に観察した羽化不全個体でも同じでした。

▼関連記事(6年前の撮影)
アオカナブン羽化不全個体の羽ばたき【ハイスピード動画&HD動画】

正常な個体でも意外と翅の立て付けが悪いのですね。
こんなに摩擦が生じるのでは、無駄なエネルギーのロスも結構ありそうです。

平凡社『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p114によると、

ハナムグリ類は上翅を閉じたままの独特の飛び方をする。上翅をやや持ち上げぎみにして、側縁のえぐれた部分から後翅をくりだして飛ぶのである。このため、すばやく飛翔態勢をとることができ、上翅にかかる空気抵抗が少ないぶん、飛ぶスピードも速くなる。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
最後に暗転シーンが無駄に続くのは動画編集のミスです。
不要パートを編集でカットしたつもりが、なぜか終わってくれませんでした。


アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:側面@コナラ樹液酒場
アオカナブンa:腹面@捕獲


つづく→コナラの樹液を舐め幹を登り飛び立つアオカナブン
(同じ樹液酒場で別個体aを撮った動画です)


2018/10/21

訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

民家の庭に咲いたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が吸蜜に来てしていました。
前回撮り忘れた240-fpsのハイスピード動画で訪花シーンを撮ってみました。(前回とは撮影地点が違います。)

▼前回の記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ

花から花へ飛び立つ瞬間を狙ってクマバチ♂の羽ばたきに集中していたら、小型のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)も素早く飛び回っていたことに現場では気づきませんでした。
スーパースローで見直すと、とても興味深い瞬間的な行動が記録されていました。

セイヨウニンジンボクの花で吸蜜中のクマバチ♂の背後からトモンハナバチ♂が飛来しました。
トモンハナバチ♂はホバリング(停空飛翔)して狙いを定めると脚を前方に伸ばして相手に掴みかかりました。
一瞬早くクマバチ♂が花から飛び立ち、間一髪で攻撃?を交わしました。
空中でホバリングしながらクマバチ♂とトモンハナバチ♂は睨み合いました。
2匹はすぐに別れたのですが、迫力たっぷりの一瞬の空中戦でした。
似ても似つかないのに(大きさも色も明らかに別種)、そそっかしいトモンハナバチ♂がクマバチ♂を交尾相手(トモンハナバチ♀)と誤認したのかもしれません。
探雌飛翔中のトモンハナバチ♂は、とりあえず蜂らしい物なら何でも飛びついてみる作戦なのでしょう。

▼関連記事(5年前の撮影)
トラマルハナバチ♀とトモンハナバチ♂のニアミス【ハイスピード動画】

Take2の映像でも、奥の花に移動したクマバチ♂の背後から再びトモンハナバチ♂が急襲していました。
この出来事に全く気づかずに撮影を止めてしまったのが残念です。

おそらく誤認求愛だろうと考えていたら、特定の蜜源植物の周囲に縄張りを張って守ろうとする(クマバチ♂などのライバルを追い払う)占有行動の可能性も出てきました。
実は同じ日に別な場所で観察したのですが、訪花中のキアゲハに対してもトモンハナバチ♂が背後から飛びかかって追い払っていました。
▼関連記事
訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】
さすがに大型の蝶に対してトモンハナバチ♂が誤認求愛するとは考えにくいので、占有行動の習性もありそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
アメリカの公共放送局PBSが近縁種Wool Carder beeを扱った動物番組を公開しました。
見事なスーパースロー映像を駆使していて、見応えがあります。
雄蜂♂が蜜源植物の群落で縄張りを張り、同種の♂や他種のハナバチ(マルハナバチなど)を激しく追い払うと紹介されていました。
つまり、縄張り防衛の占有行動という解釈でした。
闘争の際には腹端の刺を使うそうです。
同種の♀が訪花に来ると交尾を挑むのです。

川岸で親鳥を待つハクセキレイの幼鳥2羽(野鳥)



2018年7月下旬
▼前回の記事
川岸で幼鳥2羽にアメンボなどの虫を給餌するハクセキレイ親鳥♂(野鳥)

ひとしきり巣外給餌を済ませたハクセキレイMotacilla alba lugens)の親鳥♂が飛び去った後、残された2羽の幼鳥も相次いで川の対岸へ飛んで渡り、コンクリート護岸の上で親鳥の帰りを待っています。
幼鳥(巣立ち雛)も普通に飛べるようで、安心しました。
川の少し下流に橋がかかっていて、その真上の電線に親鳥が止まって幼鳥を見守っていました。(幼鳥の撮影を優先したので、親鳥の方は撮り損ねました。)
やがてこの家族群は下流へ飛び去ってしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハクセキレイ幼鳥(野鳥)@川岸:コンクリート護岸
ハクセキレイ幼鳥2(野鳥)@川岸:コンクリート護岸

2018/10/20

川岸で幼鳥2羽にアメンボなどの虫を給餌するハクセキレイ親鳥♂(野鳥)



2018年7月下旬・午後12:02〜12:06

コンクリートで護岸された泥だらけの川岸でハクセキレイMotacilla alba lugens)の親鳥♂と2羽の幼鳥が一緒に居ました。
巣立ったばかりの幼鳥を連れて歩き、せっせと巣外給餌しているようです。

2羽の幼鳥(巣立ち雛)は川岸で離れ離れにならないように常に近くに居るようです。
親鳥♂が近くに来ると幼鳥は黄色い嘴を開けて給餌をねだります。
餌乞いの鳴き声は、川の流れる音にかき消されてあまりよく聞き取れず残念でした。
カラスの幼鳥とは異なり、餌乞いの際に翼を閉じたままで小刻みに震わせています。 

親鳥♂が幼鳥Lの目の前の泥に居た虫を喋んで口移しに与えました。(@1:08)
幼鳥は自力では未だ採餌(探餌)出来ないことが分かります。

そこへ急にカワラヒワCarduelis sinica)が飛来し、ハクセキレイ家族群の横に着地しました。(@1:14)
カワラヒワは種子食性ですから、ハクセキレイを襲ったり追い払ったりする意図は無いようです。
川岸に居るハクセキレイは保護色になっていて、カワラヒワは着陸寸前まで存在に気づかなかったのでしょうか。

また、川の中央から岸の方に低空飛行でやってきたハグロトンボCalopteryx atrata)が空中でターンして引き換えしました。(@1:25)
果たして親鳥♂はハグロトンボを捕食するでしょうか?

親鳥♂が急に飛び立つと、川岸に近い目の前の水面で虫を素早く捕らえました。(@1:34)
獲物はアメンボかな?
そのまま急旋回して岸に戻った親鳥♂に幼鳥Lが駆け寄ると、口移しで給餌しました。
見事な空中捕食シーンを1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

親鳥♂は休む間もなく川岸を下流へ歩いて移動し、次の餌を探します。
草むらで虫を素早く捕食した親鳥♂が幼鳥Lの待つ場所へ駆け戻り、給餌しました。

次に親鳥♂は川岸を上流へ歩きながら獲物を探します。
川岸の岩場から飛び立つと川面での捕食に挑みます。
一度失敗したものの、二度目は見事に水面の虫を嘴で捕らえました。
スローモーションで見直すと、ホバリング(停空飛翔)して狙いを定めると、水面を逃げるアメンボを追いかけ嘴で仕留めています。(@2:55)
岸に戻ると大き目の獲物を咥え直し、駆け寄ってきた幼鳥Lに給餌。(@3:27)
幼鳥LはRよりも飢えているのか、4回連続で給餌してもらっています。(貪欲で図々しい性格は兄弟間の競争において得でしょう。)

岩場で大人しく待っている幼鳥Rの横を通り過ぎる親鳥に対して、待ちくたびれた幼鳥Rが餌乞いしたら、ようやく餌を口移ししてくれました。
ただし、これは給餌の振りをしただけかもしれません。
明らかに餌が足りないらしく、幼鳥Rは不満そうに親鳥をちょっと追いすがりました。
未だ食べ足りない育ち盛りの幼鳥2羽が岩場で親鳥の近くに集まり、賑やかに餌乞い♪しています。
最後、ハクセキレイの親鳥♂は飛び立つと対岸のガードレールに止まり、川岸には幼鳥だけが取り残されました。

辺りを探しても母鳥♀の姿はありませんでした。
巣立った幼鳥を2群に分けて親鳥♀♂が別々に面倒を見ているのでしょうか。
育雛の初期には沢山の虫を嘴に貯めてから帰巣するハクセキレイの姿を見かけました。

▼関連記事(5月の撮影)
雛のために橋で虫を捕食するハクセキレイ♀(野鳥)
田んぼの水面で芋虫を捕食して巣に運ぶハクセキレイ♂(野鳥)
一方、今回観察した巣外給餌では、虫を一匹捕らえる度に幼鳥へ給餌していました。
雛が巣立つと親鳥について歩くようになります。
親鳥が捕らえ集めた獲物をいちいち巣に運ばなくて済むので、この時期の給餌は楽なのかもしれません。

確実に幼鳥と分かるハクセキレイを今回初めて撮ることができました♪
営巣地が近くにあったのかな?
大きな護岸ブロック(テトラポット? 正式名不詳)の下の穴が怪しいと思うのですが、どうでしょう?
身近にいるハクセキレイの断片的な観察を積み重ねてきて暮らしぶり(生態)が大体分かってきたものの、どうしても未だ巣を見つけることが出来ていません。

つづく→川岸で親鳥を待つハクセキレイの幼鳥2羽(野鳥)


ハクセキレイ(野鳥)親鳥♂@川岸+巣外給餌→幼鳥
ハクセキレイ(野鳥)親鳥♂@川岸+巣外給餌→幼鳥
ハクセキレイ(野鳥)親鳥♂@川岸+巣外給餌→幼鳥
ハクセキレイ(野鳥)親鳥♂+幼鳥2@川岸

2018/10/19

ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

駐車場の隅に立つヒノキの高木に巻き付いた蔓植物ノウゼンカズラの花が満開に咲いていました。
そこへ飛来したモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が正当訪花を繰り返しています。
まずは花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

飛来した蜂が風で揺れる花に着地するのに少し苦労しています。
花弁から歩いて花の中央に潜り込み(正当訪花)、吸蜜します。
胸背が黄色い花粉で汚れている個体でした。
ノウゼンカズラに正当訪花すると雄しべの葯が胸背に当たって花粉が擦り付けられる仕組みになっているのでしょう。
次の花に潜り込むとこの花粉が雌しべに擦り付けられ、他家受粉が成立するのです。
これで積年の謎が解けました。
以前観察したコガタスズメバチ♀の中に胸背が黄色く汚れている個体が居て、何の花粉か分からなかったのです。

▼関連記事
花粉で汚れたコガタスズメバチ♀の帰巣
葉で休息中のモンスズメバチ♀がノウゼンカズラの花から飛び立つキイロスズメバチ♀とニアミスしました(@1:37〜1:48)。
花から飛び立って上昇中にうっかり葉にぶつかり、バランスを崩して墜落する瞬間が捉えられていました。(@2:10〜2:20)

最後は通常のHD動画による撮影です(@2:20〜)。




▼関連記事(3年前の撮影)
ノウゼンカズラの花で獲物を探すコガタスズメバチ♀

モンスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花吸蜜

ノウゼンカズラ花
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ幹
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ樹冠

2018/10/16

クリの樹洞に営巣したニホンミツバチ♀



2018年7月下旬

農村部の庭に植えられたクリ(栗)の大木の周囲を多数の蜂がひっきりなしに飛び交っていました。
大木の根本に雑草が生い茂っていてよく見えませんが、藪の隙間からそっと覗くと、どうやらニホンミツバチApis cerana japonica)の巣があるらしいと分かりました。
おそらく樹洞の中で営巣していると思われますが、防護服がないので下手に近づけません。
幹の下部を多数のワーカー♀がウロウロしています。
スズメバチが巣を襲っているときのような振身威嚇行動はしていませんでした。
採餌に出かける個体と帰巣する個体が飛び交っています。
栗の枝には未だ青いイガが実っていました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

防護服を持っていなくてもちょっとした秘策があるので、定点観察に通ってみることにします。

つづく→ニホンミツバチの巣がある樹洞を深夜に観察【暗視映像】


ニホンミツバチ♀群れ@巣口:クリ樹洞
ニホンミツバチ♀群れ@巣口:クリ樹洞

2018/10/15

夏の水田を飛んで渡るキアゲハ



2018年7月下旬

青々と育つイネが一面に広がる田んぼの上空をキアゲハPapilio machaon hippocrates)が飛び回っています。
手前の畦道に着陸したようですが、私からは見えない死角に入ってしまいました。
吸蜜出来る花が何か咲いていたのかもしれません。
あるいは♀が産卵のために水田の畦道に生えたセリ類を探しに来たのでしょうか?

夏になるとこのような光景を結構頻繁に見かけるのですけど、ようやく映像に残すことが出来ました。(夏の風物詩)
動画をスロー再生すると、ナミアゲハではなくキアゲハであることが分かります。


2018/10/13

古巣のある高圧線鉄塔で鳴き騒ぐハシブトガラスの家族群(野鳥)



2018年7月中旬

水辺に建てられた高圧線の鉄塔#26の天辺付近で、カラスがいつの間にか枯枝を組み合わせた巣を作り、今季の繁殖を既に終えたようです。
昨年はここには営巣せず、しかも今年の春(3月下旬)に見たときには造巣してなかったので、すっかり油断していました。

高圧線で1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がやかましく鳴き騒いでいました。
飛び立つと鉄塔に残された古巣の下の段の鉄骨に止まり、更に鳴き続けています。
そこへ更に2羽が相次いで飛来し合流しました。
ここで巣立った家族群(親鳥と幼鳥)なのでしょうか?
営巣期の状況を観察していないのですけど、警戒心の強いハシブトガラスがこんな丸見えの場所に巣を作るとは考えにくいです。
なんとなくハシボソガラスの古巣ではないかと私は思います。
(作りかけのまま使われずに放置された偽巣という可能性もあります。)
警戒心の強いハシブトガラスだからこそ、古巣をじっと見上げている私に対して警戒声を発しているのかな?

撮影後にこの群れが隣の鉄塔#27へ飛んで移動しました。
隣の鉄塔に巣はありません。(昨年は鉄塔#27でハシボソガラスが営巣していました。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

今季は樹上に営巣したカラスの巣を重点的に観察していたので、ここは見回りしていませんでした。


ハシブトガラス(野鳥)@高圧線
ハシブトガラス3(野鳥)@高圧線鉄塔#26
カラスsp古巣(野鳥)@高圧線鉄塔#26
カラスsp古巣(野鳥)@高圧線鉄塔#26
カラスsp古巣(野鳥)@高圧線鉄塔#26

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