2014年8月中旬
用水路(暗渠)沿いの道の真ん中でシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)が日光浴していました。
幼蛇という程ではないものの、小さ目の個体でした。
警戒が解けるまで正面から見据えたままフリーズしています。
こちらも我慢してじっと見ていると、ようやく体は静止したまま舌の出し入れを始めました。
高速で出し入れする舌舐めずりを240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
これまでも撮ってますが、今回は顔の正面および横顔のアップでじっくり撮らせて貰いました。
▼関連記事
・シマヘビの蛇行と舌なめずり【ハイスピード動画】@2013年10月上旬
・シマヘビの舌舐めずり【ハイスピード動画】@2013年9月上旬
二又の赤黒い舌を上下に波打たせながら素早く出し入れしています。
根元は白っぽい桃色でした。
舌の影の動きも美しい…。
ヘビや一部のトカゲが二叉に分かれた舌を頻繁に出し入れしているのは、舌に付着させた空中の化学物質をそれぞれ左右の鋤鼻器に運ぶためである。(wikipediaより)
ときどきアリが蛇の体に登って来ても、シマヘビは別に気にしないようです。
(嫌がったり補食したりすることもありませんでした。)
やがて正面を向いたまま首を小さく左右に振り始めました。
コブラの動きを連想します。
しばらくすると、ゆっくり体の向きを変えて逃げ出しました。
横から見ると特に舌の動きが優雅で惚れ惚れしますね。
舌を出し入れしながら蛇行しています。
首が左に屈曲しているように見えて骨格異常なのかと心配になるのですけど、蛇ではこれが普通なのですかね?
蛇行の際も鎌首をもたげた頭部は接地していません。
地面すれすれまで持ち上げたまま前進しています。
最後は苔むした路肩を乗り越え、斜面の草むらを下って姿を消しました。
▼関連記事(6年後の撮影)
2014年7月下旬
里山の頂上広場で三脚を立てて蜂の撮影に熱中しているときに、
▼関連記事
巣材を採土するオオフタオビドロバチ♀
虫の知らせでふと振り返るといつの間にか足元に大きなニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)が忍び寄って居ました。
気づかずにうっかり踏みつけていたら毒牙に噛まれていたかもしれません。
危機一髪のニアミスに冷や汗をかきました。
マムシは赤土の上でのんびり日光浴していただけかもしれませんが、保護色で全く気づきませんでした。
マムシは鼻先にある一対のピット器官で熱源を感知できますが、まさか積極的にヒトを襲うつもりはなかったはずです(…と思いたい)。
カメラをズームした音(超音波?)に驚いたようで、マムシは蛇行して逃げ始めました。
チロチロと舌を出し入れしながら逃げ、灌木の茂みに姿を消しました。
2014年5月下旬
里山の林床で食事中のニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)を見つけました。
尾が短い個体で、過去に天敵に襲われ緊急避難のため尾を自切したようです。
カナヘビは首を激しく振って獲物を頭から丸呑みしようとしています。
餌食となった昆虫は腹部に黒と黄色の縞模様があり、ハチの仲間に見えました。
ミューラー擬態の警告色があってもカナヘビには通用しないようで、構わず捕食しています。
カナヘビは色盲なのかな? (※追記参照)
(未だハチから痛い目に会ったことのない若いカナヘビなのかもしれません。)
捕食メニューを同定するため獲物を奪い取ろうか躊躇したのですが、捕食シーンを最後まで見届けたくて、そのまま撮影を続行。
こういうジレンマのことを「虻蜂取らず」とは良く言ったものです。
カナヘビはスギの枯葉の上で見事な保護色になっています。
@0:45 獲物を飲み込めずに嘔吐し、舌舐めずり。ハチが最期の反撃として毒針で口の中を刺したのかと思いました。ところが獲物は死んでいるようで、もう動きません。
@1:50 アリが獲物を奪って巣へ運ぼうとします。
@2:20 泥棒アリに気づいたカナヘビが獲物を盗られないよう咥え直しました。反転して再び地面に獲物を置きました。
@3:05 右手からやって来たオオゾウムシ?に反応したカナヘビが再び獲物を咥えて左手に逃げました。林床を少し走り、また地面に獲物を置きました。
@3:52 私が撮りながら横に移動してアングルを確保すると、カナヘビは警戒して再び獲物を咥えました。獲物を横に咥え、飲み込もうと咀嚼しています。カナヘビは爬虫類なので、歯が生えているはずです。
@5:08 得物を地面に置きました。
@5:30 また獲物を咥え、噛んで飲み込もうとしています。私が撮りながら再び横に移動するとカナヘビは警戒して獲物を咥えたままフリーズ。映像をよく見ると、カナヘビのすぐ左にセミの幼虫が地面から露出しています。カナヘビはこれも食べるかと思いきや、気づいていない様子。
@7:30 長撮りで疲れてきたので、背負っていたザックを下ろしました。
@8:20 カナヘビが食事再開。ひたすら獲物を噛み砕いています。
@9:50 カナヘビは移動開始。ようやく獲物をほとんど呑み込みました。顔を枯れ枝に擦り付けた際に獲物の欠片が付着。
@10:20 遂に完食したカナヘビが舌舐めずり。鼻面に食べ残しを付けています。
@11:57 画面の上から徘徊性の黒いクモ(コモリグモの一種?)が登場。
@12:12 カナヘビの目の前を通り過ぎた瞬間、クモに飛びかかりました。後ろ姿なので、狩りの成否は不明です。おそらく失敗した気がします。
@12:51 引きの絵で撮影終了。
以上、完全ノーカットでお届けしました。
いつか是非カナヘビの飼育にも挑戦してみたいものです。
ところで、背後の林で鳴いているセミは調べてみるとエゾハルゼミでした。
今季の初鳴きです。
【追記】
ミノウスバ幼虫の警告色をカナヘビで研究した常喜豊『ミノウスバの体色の意味』によると、
・(ミノウスバ)幼虫の体色は、クリーム色の地に7本の黒い縦縞という、非常によく目立つものだ。幼虫は強く押さえると、妙な匂いのする透明な液の玉を体表に分泌する。(『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第2-4章p90より引用)
・カナヘビはミノウスバ幼虫を発見すると、近寄って舌で幼虫に触れ、その後かみつく。ところが、すぐさま幼虫を放し、人間から見ればさもまずい物を口にした、という調子で口を何度も地面にこすり付ける。(忌避反応。 p91)
・カナヘビはミノウスバの体色を、ゆっくりとではあるが警告色として学習していたのである。(p93)
ミノウスバ分泌液の忌避効果は強烈な苦味のキニーネに匹敵するらしいのですが、ヒキガエルは平気で捕食し、一気に飲み込んでしまうそうです。
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左下にセミの幼虫が地面から露出 |
2013年10月上旬
平地の歩道にシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)が横たわっていました。
舌をチロチロと出し入れする様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ろうとしたら、スルスルと蛇行して側溝へ逃げて行きました。
2013年9月下旬
里山の林道脇でニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)が枯れ枝に登って日光浴していました。
二又の舌を出し入れする様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
やがて警戒を解くと、舌舐めずりしながら枝の上をぺたぺたと歩き始めました。
舌舐めずりすることで周囲の匂いを口蓋のヤコブソン器官(鋤鼻器)に送り込み嗅いでいるのは蛇と同じです。
横顔をアップにして白い瞬膜が瞬く様子のハイスピード動画を撮るのも面白そうです。
通常のHD動画でも撮っています。
呼吸する胸の動きが激しいですね。
2013年9月上旬
山道の側溝(水なし)に潜むシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)を発見。
枯草の上では保護色になっています。
舌をチロチロと高速で出し入れする様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました
初めは私に警戒して完全に静止しており、目の前をクロアリが徘徊しても眼中にありません。
やがてようやく警戒を解くと、舌舐めずりしながら蛇行で前進を始めました。
蛇の高速ベロを長年ハイスピード動画に撮りたかったのですけど、すぐに茂みに隠れてしまいました。
ヘビが二叉に分かれた舌を頻繁に出し入れしているのは、舌に付着させた空中の化学物質をそれぞれ左右の鋤鼻器(ヤコブソン器官)に運ぶためである。(wikipediaより)
2013年8月下旬
コンクリート階段の縁にヒガシニホントカゲ(Plestiodon finitimus)の幼体が止まっていました。
北側の日陰なので、日光浴ではありません。
青い稲妻のように素早く逃げる瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
何度か物を投げたらようやく身をくねらせて逃走。
後半は更に1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
2013年6月上旬
林縁の砂利道をアオダイショウ(Elaphe climacophora)が蛇行していました。
舌をチロチロと素早く出し入れする様子をハイスピード動画に撮ったら面白いかなと思ったのですけど、カメラのモードを切り替えている間に蛇は側溝の隙間へ逃げ込んでしまいました。
2012年9月下旬
庭の草むらでじっとしていたニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)を両手で包むように捕獲しました。
午前中は体温が低く動きが鈍いのかな?
尻尾の先を既に自切している個体です。
春にもニホンカナヘビの幼体を捕まえ、尻尾を自切するかどうか試したのですが、扱い方が分からず失敗しました。
関連記事→「ニホンカナヘビ幼体は尻尾を自切するか?(失敗篇)」
この機会に再挑戦します。
今回も成体ではなく幼体です(…よね? あまり自信なし)。
囚われの身となったカナヘビはときどき身を捩って暴れるものの、意外に大人しくしています。
撮影しながらの実験なので少々難しいのですが、尻尾を指で強く挟んで拘束してみます。
しつこくちょっかい出すと私の指に噛み付こうとします。
ようやく尻尾を自切して逃げて行きました!(@2:03)
自切した瞬間、ブチっと切れた感触が手に伝わりました。
決して私が無理やり尻尾を引っ張って引きちぎった訳ではありません。
丁度挟まれた位置で自切したようです。
残された尻尾はピクピクと激しく動きます。
切り口から僅かに血が滲んでいるようです。
次第に動きが弱まってきても、尻尾に触れると再び動き始めます。
動く尻尾の切れ端を見れば、なるほど確かにネコなんかはすっかり気を取られるだろうなぁと実感しました。
【追記】
浅間茂『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略 』というとても面白い中公新書を読んでいたら、前書きに驚くべきことが書いてありました。
トカゲが捕食者から逃れるために紫外線反射の強い尾を自ら切って、そちらに目を向けさせて逃げる。 (piiiより引用)
カナヘビではどうなのでしょう?
紫外線で動画が撮れるカメラが欲しくなりますが、特注でないと手に入らないようです。
【追記2】
『トカゲ・ヘビ・カメ大図鑑』で調べ物をしていたら、「トカゲの自切のしくみ」と題したコラムが掲載されていました。
カナヘビの自切とは少し違うのかもしれませんが、参考のために引用しておきます。
トカゲの仲間でも尾の再生能力が無い種類もいるのだそうで、その進化(退化?)の道筋に興味をもちました。
にげているトカゲの尾にちょっとふれただけでも、尾はかんたんに切れてしまいます。尾は背骨と同じように小さな骨がつながってできていますが、その小さな骨にはとちゅうに切れ目があり、骨が前後に分かれて切れてしまうのです。(中略) 自切したあとに生えてくる尾は、骨は軟骨で、模様も変わることがあります。また、子どものときほどよく自切を行いますが、大人のトカゲは自切をしにくくなります。尾に栄養分をたくわえているからです。(中略) 傷口の筋肉が強くしまるので、ほとんど血はでない。 (p24より引用)
2012年9月下旬
おそろしく時差のある季節感の無いブログですけど、年が明けたので巳年の干支に因んだネタを一つ。
しかし残念ながら健康体の蛇ではなく、おめでたい動画とは言えません。
どこか動きのおかしなシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)を道端で見つけました。
とぐろを巻いたり蛇行したりのたうち回っている蛇の首が右に妙な角度で曲がったままです。
草むらに逃げ込もうとしても上手く蛇行で前進できないようです。
車に轢かれて骨折しているのでしょうか?
天敵の鳥獣に襲われて負傷したのかな?
それとも生まれつき背骨や頚椎が奇形の個体?
骨格標本にするかX線写真に撮らなければ分かりませんね…。
2012年5月下旬
林道から外れて沼地へショートカットする途中の林床に蛇がいました。
毒蛇のヤマカガシ(Rhabdophis tigrinus)です。
やがて舌をチロチロ出し入れし始めました。
ゆっくりと蛇行してスギの落ち葉や倒木の奥に姿を消えました。
これから沼地のカエルを狩りに行くのでしょう。
沼地の方からカエルの合唱が聞こえます。
2012年5月下旬
岸から伸びた潅木に掴まりながら渓流を遡上していたら、手を伸ばした枝に蛇が居て目が合いました。
予想外のニアミスにどっきりしましたが、水音のせいで蛇も私の接近に気づかなかったのかもしれません。
目測で体長約2mの立派なアオダイショウ(Elaphe climacophora)でした。
アオダイショウは落ち着くと舌の出し入れを始めました。
なんとなく、これから脱皮するのかと思いました。
しかし横顔をクローズアップしても、目は特に白く濁っていません(脱皮の兆候なし)。
やがて蛇は向きを変え、枝を伝ってこちらに向かって来ました。
枝伝いにゆっくり上へ移動していきます。
ヘビの木登りを目の当たりにするのは初めてでした。
下半身で体を支えたまま、持ち上げた上半身で行き先の経路を探索しています。
蛇腹だけを使った登り方は実にしなやかで美しく、惚れ惚れします。
樹上でも必ず枝の上面を伝って蛇行で移動するようです。
(枝の下面にぶら下がることはない。)
下から見上げると、アオダイショウの下面は白色でした。
野鳥の卵や雛を狙って、樹上に鳥の巣を探し回っているのかもしれません。
しばらく登ると疲れたのか、枝に顎を乗せて静止。
wikipediaの記述によると、
(アオダイショウが)樹上に上るときには枝や幹に巻きついて登っていくのではなく、腹盤の両端には強い側稜(キール)があり、これを幹や枝に引っかけることでそのまま垂直に登ることができ、樹上を移動する。壁をよじ登ることもできる。
次は、蛇が川面を泳ぐ様子を動画に撮りたいなー。
【追記】
内山りゅう『ヘビのひみつ (ふしぎいっぱい写真絵本)』によると、
アオダイショウみたいに、木登りをするヘビもいる。木登りができるのは、お腹にある鱗が角張っていて、引っかかるから。背中の表面には、つるつるした鱗がある。(p9-11より引用)
2012年5月上旬
草叢で見つけたニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)幼体を何気なく素手で掴み取りしてみたらまさかの生け捕り成功!
コンクリートの上で解放すると逃げずに平然と日光浴しています。
カナヘビと言えば俊敏に走り回る印象なのに、随分おっとりした個体です。
体温が低い状態で鈍かったのかな?
(映像はここから)
接写すると喉がヒクヒク動いています。
身を守るための「トカゲの尻尾切り」は有名ですが、カナヘビはどうでしょうか?
不意打ちで尻尾を指で押さえても、ジタバタもがくだけで自切しませんでした。
離してやるとカナヘビ幼体はしばらく呆然としていましたが、やがて逃げて行きました。
そもそも初めに捕獲した際も尻尾切りを行いませんでした。
帰宅後に調べてみると、やはりカナヘビは自切するはずと判明。
wikipediaによると、
(ニホンカナヘビは)捕まりそうになると尾を自切することがあり、切れた尾が動いている間に逃げる。尾は再生するが再生した尾には骨がなく、時に二又になったものが見つかることもある。
自分でもすっかり忘れていましたけど、2008年に自切後の個体を観察しています。
関連記事→「尾の切れたニホンカナヘビ」
機会があればもう一度実験してみます。
力の加減が分からないためおっかなびっくりでしたが、もっと手荒に扱わないと自切しないのかな?
【追記】
後日リベンジした成功篇はこちら。
2012年5月上旬
なかなか立派なシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)が用水路を渡る橋のたもと(歩道上)で静止(日向ぼっこ?)していました。
撮りながら近づくと、急にUターンして土手の方へ逃げ始めました。
顔をアップにすると、チロチロと舌を出し入れして辺りの様子を伺っているのが分かります。
進む方向を決めあぐねている様子ですが、草むらから土手へ蛇行移動しています。
最後は土手の穴(ネズミ/モグラの穴?)にするすると潜り込みました。(映像なし)
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シマヘビは白目部分が赤い。 |
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全身像 |
2011年10月中旬
林道上で日光浴中のニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)を発見。
胸部がリズミカルに動くのは心臓の鼓動なのかな。
口元をよく見るとチロチロと舌なめずりしています。
あまり動きが無いのに痺れを切らし、撮りながら一歩踏み出したら一目散に逃げて行きました。
2006年7月上旬
蛇!
シマヘビ(Elaphe quadrivirgata)
2006年8月下旬
マムシと似ていますがアオダイショウ(Elaphe climacophora)の幼蛇だそうです。
毒蛇に擬態しているのでしょう。
写っている石段(縦に割れ目あり)の高さは24cm。
2006年8月上旬
暑い昼下がりに山道で遭遇した蛇。
近寄ったら距離を保つように道端の干上がったU字溝へ逃げ込みました。
両頬?がパフパフ脈打っています。
やがて鎌首をもたげ、溝から一気に脱出して山の方へ去りました。