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2019/01/04

カワセミの飛び込み漁と脱糞(野鳥)



2018年9月下旬

池の中に突き刺さったままの落枝がゴイサギなど水鳥たちの格好の止まり木になっています。
ゴイサギの定点観察に来てみたら、この日は成鳥も幼鳥も全く見つかりませんでした。
その代わりに、幸せの青い鳥が止まっていました。
カワセミAlcedo atthis bengalensis)です。
逃げられそうで近づけず、性別を見分けられませんでした。


カワセミは池にボチャンと飛び込み、すぐまた落枝に戻りました。
漁の成否は不明です。
もし小魚を取ったなら、獲物を止まり木の枝に叩きつけて殺すはずですが、手前の枝が邪魔でよく見えません。
ひょっとして、夕方にさっと水浴びをした可能性もありますかね?


尾羽を上げたと同時に白い糞を後方にポトリと排泄しました。(@0:32)
すっきり軽量化したカワセミは落枝から飛び立つと、池の水面スレスレを低空で飛び去りました。
この池でまさかカワセミに会えるとは、とても意外でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カワセミ(野鳥)@池畔:落枝

2018/12/29

川の倒木で羽根を乾かしながら脱糞するカワウ(野鳥)



2018年9月下旬

岸から倒れて川に張り出したままになっている倒木(おそらくニセアカシア)に一羽のカワウPhalacrocorax carbo hanedae)が止まっていました。
カワウはこちらに背を向け(下流を向き)、大きく広げた翼を軽く動かすようにして濡れた羽根を乾かしています。
この止まり木は以前にも一度カワウが利用しているのを見ていたのですが、夏になると周囲の草木が生い茂り、対岸からは観察できなくなってしまいます。


▼関連記事(前年の5月に撮影)
川岸の倒木で羽繕い、脱糞するカワウ(野鳥)

少し遠くなるのですけど、上流の別アングルから撮影できるポイントをこの日はたまたま見つけて嬉しくなりました。

日光浴中のカワウが尾羽根を持ち上げると、白い液状便を勢い良く川に排泄しました。
排便直後に尾羽根を左右に激しく振り、軽く身震いしました。
排泄中も翼は広げたままでした。
飛び立つ前に軽量化したのかと思いきや、その後ものんびり日光浴を続けています。

中川雄三『水辺の番人 カワウ (月刊たくさんのふしぎ2017年11月号)』によると、

カワウは水かきをもつにもかかわらず、上手に枝をつかむことができます。多くの鳥は前に3つ、後ろに1つのゆびをもちますが、カワウは前だけに4つのゆびがあり、それぞれのゆびの間に水かきがあります。この4つのゆびを使い、木をぎゅっとつかむのです。(p20-21より引用)

この記述を自分でも確かめてみたいのですが、ブラインドを使うなどして、もっと近づかないといけませんね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
ウの仲間は尾脂腺が発達していないので、羽毛が水をはじきにくく、翼を広げて乾かす姿がよく見られる。 (孝森まさひで『フィールド版 カモ類の観察』p23より引用)


カワウ(野鳥)@川倒木+日光浴:羽根乾燥
カワウ(野鳥)@川倒木+日光浴:羽根乾燥

2018/12/24

羽化後に蛹便を排泄するオビガ♀e【蛾:HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#11


▼前回の記事
オビガ♀e(蛾)の羽化【60倍速映像】

羽化直後にシワクチャだったオビガ♀e(Apha aequalis)の翅が伸び切った後は、不要になった羽化液(蛹便)の排泄を見届けるのが次のミッションです。
蛾の真下にティッシュペーパーを敷いて長時間待ち構えていたのに、蛹便を自発的に排出してくれませんでした。

諦めて、それなら初飛行(処女飛行)を動画に記録しようとオビガ♀eに軽く触れてみました。
すると翅を小刻みに震わせて準備運動を始めました。
胸部飛翔筋の激しい収縮運動で体温が充分に上がれば、飛び立ってくれるはずです。

割箸の止まり木に静止したまま広げた翅を小刻みに震わせています。
翅の下に隠れていた触角を前面に出していました。
突然、腹端から粘り気のある薄い黄土色の蛹便をドロリと排泄しました。
飛び立つ前に軽量化が必要なのでしょう。
予め下に敷いて置いたティッシュに蛹便が2滴、付着しました。
2度目の排便は4滴、3度目はピューッと勢い良く線状に放出しました。
排便直後のオビガ♀eの毛深い腹端を見ると、蛹便が1滴付着しています。
しばらくすると4度目も液状便をピューッと線状に放出。
これで体内から蛹便を出し切ったようで、身軽になった♀eは割箸を登り始めました。
割箸の天辺に到達し、力一杯激しく羽ばたくも、飛び立てないでいます。
疲れ切った♀eは諦めて羽ばたきを止めてしまいました。
大量の蛹便で白いティッシュがかなり汚れ、机にも少しはみ出してしまいました。
蝶や蛾の蛹便は無臭で、別に汚いものではありません。


さて、全く同じシーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮影していました。
今度は1/8倍速のスーパースローで羽化液の排泄シーンを振り返ってみましょう。(@1:53〜)

小刻みに羽ばたいて飛翔準備運動しているオビガ♀eの腹端で黄土色の水滴が少しずつ大きくなります。
やがて蛹便の雫が糸を引いて落下しました。
再び腹端に蛹便の雫が次第に大きくなり、大量の蛹便が糸を引いて落ちました。
3度目は腹部がギューッと収縮し、腹端からジャーっと大量の液状便を勢い良く放出しました。
最後の一滴が粘り気で戻り、腹端の横に付着しました。
4度目も同様ですが、前回よりは排泄量が少なかったです。
後半は止まり木から飛び立とうと必死で羽ばたくものの、疲れて諦めてしまうまでのスーパースローです。

初飛行の離陸に失敗したのは足場や体勢が悪かっただけかと初めは思いました。(重い腹部が下垂した状態では飛べないのかな?)
その後、飼育を続けても、♂とは異なり♀が元気に飛び回る姿を見ていません。

もしかすると自然界でもオビガの♀は体が重過ぎてほとんど飛べず、交尾相手の♂が飛来するのを羽化地点でひたすら待っているだけなのかもしれない、と思うようになりました。
もちろん、これから観察例数を増やさないことには確かなことは言えません。
ちなみにオビガ成虫は口吻が退化しており、餌を摂取できませんから、空腹が飛べない理由にはなりません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#12:性フェロモンを放出するオビガ♀(蛾)のコーリング行動


オビガ♀e(蛾)蛹便@ティッシュペーパー
オビガ♀e(蛾)@蛹便排泄直後

2018/12/20

ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫がアキノノゲシの実を食べる作法の謎



2018年9月上旬
▼関連記事
ホソバセダカモクメ(蛾)の幼虫がアキノノゲシの種子を食べる際のトレンチ行動


田んぼの農道沿いに生えたアキノノゲシの群落でホソバセダカモクメCucullia fraterna)の幼虫が葉ではなく実を食べていました。

この記事では、2頭見つけた幼虫のうち、右側の個体aに注目します。
実とその中の種子をかじっていました。
実際は休み休み食べていたのですが、食休みのシーンは退屈なので編集でカットしました。

ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫a@アキノノゲシ実摂食
ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫a@アキノノゲシ実摂食



食餌の合間に幼虫aが腹端を少し持ち上げて糞を排泄しました。
たまたまそのときは静止画の連写モードにしていたせいで、動画では脱糞シーンを撮り損ねてしまいました。
排便を済ませた幼虫aは、持ち上げていた腹端をゆっくりと茎に戻しました。

ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫a@アキノノゲシ実摂食+脱糞

ホソバセダカモクメの幼虫が2頭ともアキノノゲシの実を食べていたことから、秋になると葉よりも実(出来かけの種子)の方が栄養豊富なのでしょう。
アキノノゲシは植物体のどこを傷つけても白い乳液を分泌します。(映像公開予定
これは食植性の動物に対して忌避効果を持つと考えられています。
しかし、ホソバセダカモクメ幼虫に食害された実の傷口をよく見ると、白い乳液を分泌していません。
その実の手前の細長い茎に何箇所か噛み跡があります。(実を柄から完全に切り落とすのではなく、柄に噛み傷を付けて萎れさせているだけという点がポイントです。)
ホソバセダカモクメの幼虫はアキノノゲシの実を食べる前に柄に噛み傷を付けて、乳液が実に流入しないように遮断しているのでしょう。
昆虫のこのような食行動は、トレンチ行動と呼ばれています。
トレンチ(trench)とは、塹壕とか排水溝という意味です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

2頭のホソバセダカモクメ幼虫が共に同じようなトレンチ行動をしていたことから、たまたまではなく再現性はありそうです。
念の為にホソバセダカモクメの幼虫を飼育して、再現性を確認したいところです。(来年の課題)

今思えば、食べている途中の実をこっそり取り除いてしまえば、トレンチ行動をもう一度初めから観察できたかもしれません。
この日は先を急ぐ用事があったので、ここに腰を据えてじっくり観察する時間的余裕がありませんでした。

次は、食害を受けていないアキノノゲシの株で実に傷をつけると乳液を分泌するかどうか、実験してみましょう。

つづく→アキノノゲシは傷口から乳液を分泌する



【追記】
森昭彦『イモムシのふしぎ』という新書を読むと、トレンチ行動をする幼虫の実例がたくさん登場します。
ただし残念ながら、ホソバセダカモクメの幼虫は掲載されていませんでした。
私も色んな種類のイモムシ毛虫を一つずつ飼育してトレンチ行動を確かめてみたいものです。


2018/12/10

「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#2【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】



2018年6月下旬


▼前回の記事
「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#1【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】

夕方の河原でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の群れが水浴していました。
実際はハシボソガラスも少し居る混群なのですが、この記事ではハシブトガラスの行動に注目します。

一連の水浴行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:30〜)
浅い岸辺で翼を川面に激しく叩きつけながら水飛沫を豪快に跳ね上げ、体を濡らします。
同時に嘴を水中で左右に激しく振っています。
水浴の直後は岩の上に飛び乗ると身震いして羽の水気を切り、羽繕いします。
(長くなるので羽繕い行動は編集でカットしました。)
再び川に入って水浴を何度も繰り返します。
行水の合間に岸で白い糞を排泄する個体もいました(@11:38)。
最後は川から飛び立ちました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/11/30

街路樹シラカシに塒入りするスズメの群れ(野鳥)



2018年9月上旬・午後17:40〜17:43

夕暮れ時に、市街地にある某大型店の駐車場に植栽された1本の街路樹にスズメPasser montanus)が次々に飛び込んでいます。(集団就塒)
ここがスズメの集団塒なのでしょう。
既に塒入りした多数の個体がチュンチュン♪とやかましく鳴いています。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:59。

この木の下にそっと入り、塒を下から見上げると、かなり暗いもののなんとかスズメの姿を捉えることができました。
スズメは未だ落ち着きがなく、塒内を枝から枝へ飛び回っています。
一羽が枝上で脱糞しました。(@1:51)

この常緑樹をあちこちの街路樹で結構よく見かけるのですけど、名前を知りませんでした。
枝にはドングリのような実がなっていました。
調べてみると、どうやらシラカシのようです。
東北地方の雪国でも植栽されるようになったのでしょう。

※ 動画編集時に彩度を少し上げました。

実は同時刻に同じ駐車場でムクドリの群れも飛び回っていたので、どこか別の街路樹に塒入りしたのかもしれません。


スズメ(野鳥)群れ@集団就塒:シラカシ

シラカシ葉
シラカシ枝葉+未熟堅果(ドングリ)

2018/11/19

電線に片足立ちで羽繕い、排便するセグロセキレイ♂(野鳥)



2018年8月中旬

街中を流れる川をまたぐように張られた電線に夕方、一羽のセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が下流を向いて止まっていました。
辺りをキョロキョロ見回しながら羽繕いや身震いしています。
このとき電線でしばらく片足立ちになっているのが珍しく思いました。
片足立ちで休むのはサギ類ではよく見られる姿勢ですけど、セキレイ類では見たことがありませんでした。

次に、尾羽根を軽く持ち上げながら、丸い固形糞をポトリと排泄しました(@1:14)。
最後は鳴きながら飛び立ち、下流の市街地へ飛んで行きました。


セグロセキレイ♂(野鳥)@電線+片足立ち+羽繕い

2018/11/12

ゴイサギ幼鳥の群れが昼塒のヨシ原で羽繕い、脱糞(野鳥)



2018年8月中旬・午前7:14〜7:21

溜池の周囲のヨシ原に隠れるようにゴイサギNycticorax nycticorax)の幼鳥が4羽休んでいました。
ここが昼塒なのでしょう。
じっとしていればゴイサギ幼鳥(別名:ホシゴイ)の迷彩柄は目立ちません。
互いに少し離れ、のんびり自分で羽繕いしています。

1羽が池にお尻を向けて足を屈め、粘り気のある白い糞を水面に排泄しました(@0:57)。
その後は葦原の茂みの中へ移動し、隠れました。

辺りに成鳥の姿は見当たりませんでした。
なぜか、この池でゴイサギの成鳥を見つけたことがないのです。(とても上手く隠れているのか、親子で完全に別行動しているのか、不明です。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池畔:葦原
ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池畔:葦原
ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池畔:葦原+羽繕い

2018/11/10

親鳥に巣外給餌してもらい食後に脱糞するチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)



2018年8月中旬
▼前回の記事
獲物を捕食するチゴハヤブサ(野鳥)

前回初めて見つけてから12日後、ようやくチゴハヤブサFalco subbuteo)と再会できました。
今回は逆光のアングルになってしまいましたが、家族群の行動を観察することができました。
お気に入りの止まり木となっているヒノキの大木の枯れた梢をチェックすると、幼鳥(巣立ち雛)と思われる2羽が止まっていました。
ヒノキのてっぺんが枯れて風化しており、なかなかフォトジェニックで味わい深い止まり木です。

羽ばたきと滑翔を繰り返しながら辺りを飛び回っていた親鳥が、ようやく止まり木に戻ってきました。
狩りに成功したようです。
空腹で待っていた幼鳥a(巣立ち雛)が餌をねだり、親鳥から給餌してもらいました。
遠くて餌乞いの鳴き声は聞き取れず、獲物の正体も不明です。
細長い小枝のように見えたので、もしかするとナナフシまたはヤンマの仲間かな?
一段上の横枝に止まっているもう一羽の幼鳥bは、その間もおとなしく待っていました。

給餌を済ませた親鳥はすぐに左へ飛び去ると、近くの針葉樹の梢に止まっていた野鳥に高速でアタックしました。
獲物とみなして襲いかかったのか、縄張りから追い出す威嚇の攻撃なのでしょう。
襲われた鳥(カラス?)は慌てて逃げ出しました。

止まり木で留守番している2羽の幼鳥にレンズを向け直すと、幼鳥a(下の枝の個体)がポトリと食後の脱糞をしました(@0:49)。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)


2018/11/09

川の護岸で脱糞するセグロセキレイ♂(野鳥)



2018年8月中旬

街中を流れる川のコンクリート護岸上でセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が右に左に歩いていました。
脚を少し屈むと少量の白い糞を排泄しました。
次にその場で身震い。
最後は下流へ鳴きながら飛び立ちました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セグロセキレイ♂(野鳥)@川護岸

2018/11/05

日没後のスギ樹上で脱糞、羽繕いするゴイサギ成鳥(野鳥)



2018年8月上旬。午後19:05〜19:08(日の入り時刻は18:44)

ゴイサギNycticorax nycticorax)の昼塒が気になって、2日後の晩に再び様子を見に来ました。
池を見下ろすスギ(杉)の大木に1羽のゴイサギ成鳥が止まっていました。
暗い林の中で白っぽい成鳥は逆に目立ちます。
逆に迷彩模様の幼鳥の姿は見つけられませんでした。(既に塒を離れた後なのかもしれません。)

足を屈めて白い糞を排泄しました。(@0:08)
多数のゴイサギが毎日集まるねぐらの下(木の葉や地面)が糞で汚れるのも納得です。
その後はのんびり身震い。
枝伝いに少し移動したのは、対岸から見上げている私を警戒して身を隠そうとしているのでしょう。

日が暮れてゴイサギが昼塒から飛び立つ瞬間を動画に記録したいのですが、暗視機能が無い普通のカメラでは限界でした。
辺りは刻々と暗くなります。
予め居場所が分かっているから撮れますけど、この状況でゴイサギの居場所を探し出すのは無理ですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
暗くて不鮮明な映像を無理やり明るく加工してあります。


ゴイサギ成鳥(野鳥)@日没後+昼塒:スギ樹上

2018/10/30

アオカナブンとヨツボシオオキスイが樹液酒場で出会うと…



2018年7月下旬

里山の林道脇で定点観察しているコナラの樹液酒場で、1匹のアオカナブンb(Rhomborrhina unicolor)に注目して動画に撮ってみたら、ちょっと興味深い映像が得られました。

アオカナブンbがコナラの幹を少し降りると、立ち止まって前脚で顔を拭いました。
ヨツボシオオキスイHelota gemmata)が居座っている右横の樹液スポットに向かって行きます。
樹液酒場にズカズカと割り込むと、ヨツボシオオキスイを軽く前脚で小突いて蹴散らしました。
樹液酒場での序列は明らかにヨツボシオオキスイよりもアオカナブンが強いようで、闘争らしい闘争になりませんでした。
ところがアオカナブンはその場で方向転換すると、幹に対して上を向いて透明なオシッコをシャッと排泄しました。
オシッコが見やすいようにまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
真下に居るヨツボシオオキスイには直接かからなかったものの、これも一種の攻撃(酷い侮辱)なのかな?
その後もアオカナブンはヨツボシオオキスイが居た樹液酒場には固執せずにコナラの幹をゆっくり登り続けたので、ただ無頓着に排尿しただけなのでしょう。

この樹液に集まっている昆虫相がいまいち貧弱なのは、周囲が杉をメインとした林だからかもしれません。
この日は鱗翅目が1頭も飛来せず、スズメバチ類も見かけませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオカナブンb+ヨツボシオオキスイ@コナラ樹液吸汁

2018/10/17

コナラの樹液酒場に来たアオカナブンとスジクワガタ♂



2018年7月中旬

里山の林道沿いで見つけたコナラの樹液酒場でアオカナブンRhomborrhina unicolor)が居ました。
初めは2匹居たのですが、私が崖を登ってコナラの木に辿り着く間に一匹が飛んで逃げてしまいました。
残るは1匹。
幹から滲み出て発酵した樹液を口器で舐めています。
薄暗い夕方なのでストロボを焚いて写真に撮ると、緑色の美しさは失われ、どうしても赤っぽく写ってしまいます。
動画は自然光で撮るので良いのですけど…。
▼関連記事(4年前の撮影)
ミズナラの樹液を舐めるアオカナブン


動画を撮り初めたら偶然アオカナブンがぴゅっと透明なオシッコを排泄しました。(@0:11)


アオカナブンの上にはスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis striatipennis)も見つけました。
こちらは幹にほぼ静止しており、口器も動いていませんでした。

樹液酒場では、他にも得体の知れない微小な虫が色々と蠢いていますね。
これを一つ一つ解明していくだけでも気の遠くなる作業です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオカナブン+スジクワガタ♂@コナラ樹液酒場
アオカナブン+スジクワガタ♂@コナラ樹液酒場

2018/10/01

棚網に給餌したセマダラコガネを襲うクサグモ(蜘蛛)



2018年7月上旬

▼前回の記事
クサグモ(蜘蛛)の棚網から脱出するセマダラコガネ黒色型

タケニグサの群落にクサグモAgelena silvatica)が作った棚網にしつこく給餌実験を繰り返します。
2匹目の生き餌として、通常型のセマダラコガネa(Anomala orientalis)を投入しました。


セマダラコガネa@イタドリ

すると今度はクサグモがすぐに反応して住居から駆け寄りました。
このとき獲物に噛み付いて毒液を注入したかどうか、よく見えませんでした。
襲われたセマダラコガネは後脚を高々と持ち上げた万歳姿勢で威嚇・防御します。
クサグモは糸で獲物をラッピングせずに、獲物を軽く咥え住居に持ち帰り始めました。
慌てているのか、途中で2回も獲物を棚網に落とし、拾い直しました。

やがてセマダラコガネは棚網で仰向けにひっくり返り、脚をピクピク動かしています。
腹端から黄土色の糞を排泄しました。(@0:55〜)
断末魔の獲物をクサグモはじっと見ているだけで、毒が回るのを待っているようです。
ようやくセマダラコガネは動かなくなりました。

ところが、雨の水滴があちこちに付着した棚網に獲物を残したまま、なぜかクサグモは一旦住居に戻りました。
食べ残しの方が気になるのかな?
管状住居内で方向転換すると、再び棚網に出てきて、セマダラコガネを住居へ搬入します。
ようやく落ち着いて捕食が始まります。
獲物を噛んで時間をかけながら体外消化するのです。


つづく→食べ残した獲物を住居網の入口で捕食するクサグモ(蜘蛛)


クサグモ(蜘蛛)@棚網+セマダラコガネ給餌実験:bite
クサグモ(蜘蛛)@棚網+セマダラコガネ給餌実験:bite
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居網+セマダラコガネ捕食

2018/09/29

柳の樹液を吸いに集まるヨツボシケシキスイ



2018年7月中旬

湿地帯に生えた柳の灌木(樹種不明)で樹液が滲み出ている幹がありました。
発酵して白く泡立っている物を指で触れて嗅ぐと樹液の甘酸っぱい発酵臭がしました。

その樹液酒場にヨツボシケシキスイLibrodor japonicus)が集まっていました。
樹液を吸汁しながらときどき腹端から排泄しているようです。(@0:21、1:30)
樹液が泡立って白い塊になった部分だけでなく、樹液で濡れているものの泡立ってはいない部分の幹にも来ていました。
樹皮の隙間や割れ目に隠れている個体もいました。
ヨツボシケシキスイは昆虫ゼリーを餌として飼育できるらしいので、機会があれば挑戦してみるつもりです。

柳の樹液酒場には得体のしれない謎の幼虫も蠢いていました。
小さなハエも来ています。(種名不詳)



森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』によれば

(ヨツボシケシキスイは)平地〜低山地まで広く分布し、個体数も非常に多い。クヌギやコナラなどの樹液に来る。昼間のほうが活発だが、昼夜問わずに体ごと樹液に埋没しているような姿でいることが多く、活動中か休息中か判断しづらい。クワガタムシのような立派な大あごをもつが、これを使って戦う姿をみたことはない。 (p52より引用)


山渓フィールドブックス13『甲虫』によると、
ヨツボシケシキスイは成虫がクヌギなどの樹液に集まり、周囲の樹皮のすき間に産卵する。孵化した幼虫は雑食性で、樹液だけでなく、他の昆虫類の幼虫も捕食して育ち、7月頃に木の根元近くの樹皮下などに潜って蛹になる。 (p97より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁
ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁・全景
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁(左の樹皮の隙間・割れ目にも隠れている)
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁・全景

2018/09/28

ブチヒゲカメムシのおしっこ



2018年7月上旬
▼前回の記事
オオバギボウシの花で交尾するブチヒゲカメムシ♀♂

オオバギボウシの花を歩き回っていたブチヒゲカメムシDolycoris baccarum)が腹端から透明の液体をポタポタと大量に(6滴)排泄しました。

昨年は同じ種類のカメムシが脱糞する様子を動画に記録しています。
このときは白色の液状便をポトリと排泄しました。

▼関連記事
ブチヒゲカメムシの脱糞
一方、今回は透明だったので、糞ではなく尿と考えても良さそうです。
植物から大量に吸汁した後で余分な水分を捨てたのでしょう。

すっきりしたブチヒゲカメムシは一番上の花まで登ったので飛び立つのかと思いきや、裏に回って吸汁を始めたようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
観察と発見シリーズ『カメムシ博士入門』に「カメムシの排泄」と題したコラムが掲載されていました。
食べ物を消化すれば、最後に排泄が必要となるのはカメムシも変わりない。カメムシの排泄物は基本的に液状である。飼育してみるとわかるが、点々と液状の糞が観察できる。 (p60より引用)


関連記事(2年前の撮影:透明な液体を排泄)▶ トゲカメムシの排泄 

ブチヒゲカメムシ@オオバギボウシ訪花

幼虫もオオバギボウシを訪花していました。


ブチヒゲカメムシ幼虫@オオバギボウシ訪花

2018/09/26

羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc

▼前回の記事
羽化の途中で蛹便を排泄してしまったキアゲハb【10倍速映像】


キアゲハの飼育記録(2018年)#7



2018年7月中旬

朝(6:45)様子を見ると、プラスチック容器内の隅に作られた帯蛹cからキアゲハPapilio machaon hippocrates)の成虫cが羽化していました。
蛹化してから8日目の早朝でした。
抜け殻にしがみついた状態で翅伸展は既に完了していたものの高さがギリギリで、後翅の尾状突起が容器の底につかえて窮屈そうです。
終齢幼虫cはそれを見越してここで蛹化したのだとしたら、驚異的な予測能力ですね。
幼虫自身の体長を基準にして高さを測定したのでしょうか?

キアゲハ成虫cに割り箸をそっと差し出すと素直に登ってくれました。
広い空間でのびのびと翅を伸ばし、緩やかに開閉して乾かします。

キアゲハc@羽化(翅伸展)後



午前9:07、室温30.3℃、湿度59%。
止まり木でじっとしているキアゲハcが腹部をヒクヒクさせてから、白っぽい液状便を勢い良く大量に放出しました。
羽化後の翅伸展が無事に終わったので、不要になった体液を蛹便(羽化液)として排泄したのです。
排泄の瞬間、腹部が急激に収縮し、真下に向けていた腹端をやや前方に屈曲させました。
それまで膨満していた腹部が少し収まったようです。

キアゲハc蛹便(羽化液)@ティッシュペーパー

予め真下に敷いていたティッシュペーパーが羽化液で汚れました。

透明な液体成分と白い尿酸成分から成ることが分かります。
特に悪臭はしません。
幼虫時代に摂取した水分を羽化するまで蓄えていたのです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#8:キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる




以下の写真は帯蛹から羽化した後の抜け殻です。
キアゲハc羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:背面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:尾端@方眼紙

2018/09/24

羽化の途中で蛹便を排泄してしまったキアゲハb【10倍速映像】



2018年7月中旬・午前7:51〜8:10
▼前回の記事
羽化直前のキアゲハ帯蛹b【40倍速映像】


キアゲハの飼育記録(2018年)#6


水平に固定された帯蛹は珍しいのですが、果たして無事に羽化できるでしょうか?
蛹化してから8日目の朝、キアゲハPapilio machaon hippocrates)帯蛹bの胸部が急に割れ、いよいよ羽化が始まりました。
新成虫は容器天井の縁に足で掴まり、水平に固定された蛹からスムーズに抜け出ました。
そのまま容器の上縁に掴まり、翅の伸展を開始。
黒い口吻をクルクルと何度も伸縮させると、元々2本だった口吻がジッパーを閉じるように1本の管に連結します。

途中で背面を向いてしまったので、見栄えを考慮して側面から撮ろうと容器を少し動かしました。(回した)
それに驚いたキアゲハ新成虫は少し暴れ、黄土色の蛹便(羽化液)を勢い良く噴射しました。
飼育容器の壁と底が蛹便で汚れました。
蝶が羽化する時は体液の内圧で翅芽を膨らませ、羽化が完了したら余った体液を蛹便として排泄します。
蛹便を早くに排泄してしまったら翅伸展に支障を来すのではないかと心配になりました。
容器ではなくカメラを動かして撮影アングルを調整すべきでしたね。
自然界でもたまにこのような事態があるのかもしれません。
つまり、羽化中は一番無防備な状態ですから、天敵に襲われた時に咄嗟に蛹便を噴射すれば相手を多少はたじろがせることが出来るのかもしれません。
それとも体内の水分が多い個体は早めに蛹便を排泄するのかな?

しかし、みるみるうちに翅が伸び、無事に羽化を完了してくれて一安心。
その後は翅を軽く半開きに開閉して乾かしています。
開いた翅を横から撮りたいのに、またもや背面を向いてしまいます。
もしかすると、光を背に受けたがる性質があるのかもしれません。

撮影中に測った室温と湿度は、
午前7:01 27.2℃、62%
午前7:51 28.9℃、60%
午前8:02 29.2℃、59%


つづく→#7:羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc


キアゲハb@羽化直後(翅伸展後)
キアゲハb@羽化直後(翅伸展後)

キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:背面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:開裂部@方眼紙
キアゲハb羽化殻:尾端@方眼紙
キアゲハb羽化殻:尾端@方眼紙

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