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2024/04/25

ミズキの根元で夜に虫を捕食するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬・午後22:33 

ニホンアナグマMeles anakuma)が転出した後の旧営巣地に、ある晩ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独でやって来ました。 

ミズキの根元の匂いを嗅ぎ、何か昆虫らしき獲物を捕食しました。 
暗闇で逃げ回る虫を狩った瞬間はタヌキが後ろ姿になってしまい、獲物の正体がよく見えず残念でした。 

アナグマの巣穴Rには興味を示さず、左へ立ち去りました。 

つづく→

2024/04/24

ニホンアナグマの幼獣から母親♀へのアロマーキング(匂い付け)【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬・午後19:26・気温31℃ 

ある晩、ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地に母子が戻ってきていました。 
幼獣はもうすっかり大きく育ち、成獣♀との体格差が無くなりつつあります。 
腹面に乳首がある個体が母親♀と分かります。 
(母親♀は左右の目の大きさに違いがあるはずなのに、この映像では同サイズに見えるのが気になります。) 

初め手前に居た幼獣aが母親♀と入れ替わるように巣穴Lに顔を突っ込みました。 
巣口Lですれ違う際に♀は幼獣の尻(肛門腺、臭腺)の匂いを嗅ぎました。 
巣穴Lの匂いを嗅いでから外に出てきた幼獣aも横で待っていた母親♀の尻の匂いを嗅ぎました。 
興味深いのは次の行動です。 
幼獣aが母親♀に身を寄せつつ尻を擦り付けました。 
幼獣から母親♀へのアロマーキング(肛門腺、臭腺による家族間の匂い付け)を見たのは初めてです。 


4頭の幼獣がもっと幼くて巣外へ出てきたばかりの時期には、母親♀が幼獣に対して頻繁にアロマーキングを行っていました。
当時は圧倒的な体格差があるので、母親は我が子(幼獣)の上に軽く座って尻を擦り付けていました。
このように、アナグマの家族は互いに匂い付けをし合って余所者と区別できるようにしているのでしょう。

その後、この母子は一緒に右へ立ち去りました。 
母親♀といつも行動を共にしている幼獣個体が来季のヘルパー♂候補なのでしょうか? 
私にはアナグマ幼獣の性別を見分けられないのが残念です。 

その間、右上奥の獣道から別個体の幼獣bが駆け寄って来て巣口Lで母子に合流しましたが、すぐに左へ元気いっぱいで走り去りました。 
左に一旦通り過ぎた幼獣bも慌てて戻ってきて母子を追いかけます。 


つづく→

2024/04/23

痛々しく3本足で跛行するホンドタヌキ♂がスギ倒木横の溜め糞場で排便【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬〜中旬 

スギ防風林で立木の根元と倒木の間に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを自動センサーカメラで監視しています。 
右後脚を怪我して跛行する♂個体の登場シーンをまとめてみました。 


シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
真夏の林床はシダ植物があちこちに繁茂しています。 
カメラの設置アングルをもっと下に向けて、肝心の溜め糞場phを画面の中央に収めるるべきでしたね。 
ちなみに、この倒木はヒトが間伐したのではなく、低い位置で幹がバキッと折れたまま放置されていました。 


シーン1:8/6・午前3:30(@0:03〜) 
深夜未明に跛行タヌキが右からやって来ました。 
足に障害があるのにスギ倒木を乗り越えてきたとは思えませんから(※)、おそらく倒木の下の隙間をくぐって来たのではないかと思います。 
※この推測は後にくつがえされました。 

痛々しく跛行しながら溜め糞場phに辿り着くと、南南西を向いて排便しました。 
そのまま手前に立ち去りました。 


シーン2:8/8・午後21:23(@0:53〜) 
2日後の晩にも同一個体が溜め糞場phにやって来て、スギ立木の下に左を向いて佇んでいました。 
用を足す前に体の向きを変えると、股間にぶら下がっている睾丸が目立ちます。 
信楽焼のタヌキの置物は金玉がデフォルメされてますけど、実物も確かに大きいようです。
たんたんタヌキの金玉は風もないのにブーラブラ♪ 
南を向いて排便すると、そのまま手前に立ち去りました。 



シーン3:8/8・午後23:22(@1:53〜) 
約2時間後の深夜に、新鮮な大便が追加されたばかりの溜め糞場phをよく見ると、多数の糞虫が蠢いていました。 
糞便臭で誘引された黒い糞虫(種名不詳)がスギ林床を歩き、溜め糞に向かっています。 
5倍速の早回し映像でご覧ください。 
ところで、スギの根本で幹を下る虫の正体は何でしょうか? 

今回なぜトレイルカメラが起動したのか不明です。 
変温動物の昆虫がいくら活発に動き回っても、トレイルカメラのセンサーは反応しないはずです。 


シーン4:8/10・午後20:36・気温(@2:05〜) 
トレイルカメラの起動が遅れがちですけど、画面の奥からやって来たのかな?  
溜め糞場phで匂いを嗅ぎ回るだけで、今回は排便しなかったようです。 
方向転換した際に、股間に大きな睾丸を認めました。 

今回は珍しく奥に立ち去ると、大きなシダの葉に隠れてすぐに姿が見えなくなりました。 
画面の上端でスギの倒木を苦労して飛び越え、右に向かったようです。 
よく見えなかったのが残念です。
3本足で跛行しながらもなんとか倒木を飛び越えられるとは驚きました。 


シーン5:8/13・午後19:18(@2:40〜)
3日後の晩は小雨がぱらぱらと降っていました。 
跛行しながら右から来たタヌキがスギの倒木を乗り越えて、溜め糞場phへ到着しました。 
3本足でも倒木を飛び越えられることが、これで確実になりました。 
排便したかどうか不明ですが、身震いしてから手前に立ち去りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
この個体は右の後足を地面に付けないように上げて歩くので、足を引きずるのではなく3本足でヒョコヒョコと跛行します。 
罠にかかったり交通事故に遭った可能性もありますけど、夜の獣道でノイバラの棘を踏んでしまい肉球に刺さって化膿しているのではないか?と私は推測しています。 

あまりにも分かりやすい特徴なので、溜め糞場phに通って来るタヌキの中でこの個体だけ確実に識別することが可能です。 
素人目には若い個体のような気がするのですけど、夏毛で痩せて見えるだけかもしれません。 
いつ見ても尻尾が力なく垂れているのは、怪我のせいで自信を失っているのかな? (負け犬の「垂れ尾」状態) 
以前撮った排尿姿勢から、♂であることも判明しています。 


2つの撮影地点は数百m離れているのですが、この個体は跛行しながらも他の健常個体と遜色なく広い行動圏を活動できているようです。 
タヌキは獲物を狩る肉食獣ではなく雑食性ですから、足が多少不自由でもなんとか生きていけるようです。 
ニホンオオカミが絶滅して野犬も駆除された現代の日本では、逃げ足の遅いタヌキを捕食する天敵も居ません。 
足の裏に棘が刺さっただけの負傷ならいずれ回復しそうですけど、もし障害が残れば、縄張りや異性♀を巡って健常個体♂と闘争になったときには不利になりそうです。 


つづく→



2024/04/22

旧営巣地の巣穴に独り逃げ込んで周囲を警戒・籠城するニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬・午後19:25・気温26℃ 

夜の旧営巣地に単独で戻ってきたニホンアナグマMeles anakuma)の幼獣が辺りを警戒しながら巣穴Lの奥に潜り込みました。 
しばらくすると、巣口Lから顔をひょっこり外に出しました。 
ところが、すぐにまた奥に引っ込みました。 
顔だけ何度も巣口Lから出し入れして、周囲の様子を伺っています。 
最後の最後にも目だけ巣口Lに現れました。 


【考察】 
この幼獣個体は、外敵の接近をひどく恐れていると言うよりも、兄弟姉妹と隠れんぼをして遊んでいるのではないか?という気がします。 
鬼役の追手が来るのを巣口Lで待ち構えているのではないでしょうか? 
あるいは例によって、独り遊びが好きな幼獣個体なのかもしれません。 
架空の敵と追いかけっこや隠れんぼをしているのかな? 
この後につながりのある出来事が何も撮れておらず、真相は藪の中です。 
問題は、幼獣4頭の個体識別が私にはできないということです。


2024/04/19

夜のスギ林で倒木を高速道路(獣道)として利用する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年8月上旬〜中旬 

スギの防風林にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phを自動センサーカメラで見張っていると、野ネズミ(ノネズミ)が夜な夜な登場しました。 


シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
たまたま明るい日中に撮れた現場の様子です。 
真夏のスギ林床はシダ植物が繁茂しています。 
真っ直ぐなスギの倒木が林床に放置され、その左横で立木の下に黒々としたタヌキの溜め糞場phがあります。 
ちなみに、この倒木は人為的に間伐したのではなく、なぜか幹が低い位置でバキバキに折れたまま放置されていました。 






シーン1:8/4・午後19:33(@0:04〜) 
晩に野ネズミがスギ倒木の上を伝い歩いて奥へ向かっています。 
倒木から右に跳び下りたようで、右上の林床をウロチョロする野ネズミの白く光る目が動いています。 


シーン2:8/6・午前3:21(@0:16〜) 
2日後の未明に、野ネズミが再びスギ倒木を伝って奥へ走り去りました。 
画面の上端からなぜか手前に戻って来かけたものの、結局は奥に姿を消しました。 


シーン3:8/7・午前2:23(@0:29〜) 
翌日の未明、野ネズミがいつものようにスギ倒木上を伝って一旦奥へ行ってから、なぜか途中で方向転換して手前へ引き返して来ました。 

余談ですが、スギ立木の幹に止まっている黒い2匹の虫が何なのか、気になります。 


シーン4:8/10・午前2:59(@0:42〜) 
3日後の未明にトレイルカメラが起動したときには、野ネズミはスギ倒木に乗ってじっとしていました。 
倒木上を右往左往してから手前に向かって来ます。 
珍しく倒木から左の林床に飛び降りると、溜め糞場phへ慎重に近づきました。 
約1時間45分前にタヌキが排便しに来たばかりなので、新鮮な糞便臭で嗅ぎ当てたようです。(匂いによる定位) 
それと同時に、黒い糞虫(種名不詳)がスギ立木の根本から溜め糞phに誘引されています。 
すぐ目の前を黒い糞虫が歩いているのに、野ネズミは見えていないのか、捕食しませんでした。 
暗闇では虫がヒゲに触れないと野ネズミは気づかないのかな?
新鮮な溜め糞phの匂いを嗅いで点検しただけで、野ネズミは左下に立ち去りました。 


シーン5:8/11・午前3:28(@1:40〜) 
画面中央の林床を左から来た野ネズミが、右のスギ倒木の上にピョンと身軽に飛び乗りました。 
そのまま倒木上を伝い歩いて奥へ向かいます。 
奥から少し戻ってくると、右の林床にピョンと飛び降りて、右上に立ち去りました。 

ところで、手前の空中に斜めに張られたクモの糸に大きな粘球が2つの連なり、暗視カメラの赤外線を反射して白く光っています。 
ピンぼけで人魂のように見えますが、静止しているので全く怖くありません。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
野ネズミにとって、シダ植物などの下草が繁茂し落葉落枝が散乱する林床は歩きにくいのか、それとも捕食者が潜んでいる危険性があるのかもしれません。 
スギ倒木を見通しの良い安全な高速道路として、野ネズミはよく利用していることが分かりました。 
自然界でこれほど真っ直ぐな獣道は他にありません。
倒木という高速道路から下道に降りるのも、高速道路に戻るのも自由自在です。 
まるで川に架けられた丸木橋のように、陸地でも頻繁に倒木を渡り歩いています。 


倒木とは樹木の遺体です。
林業の観点からは、植林地内で倒木を放置しておくのは良くないことなのでしょう。
今回の倒木ぐらいの太さだと跨いで歩けますが、巨大な倒木があると我々ヒトは歩きにくくなりますし、様々な作業の妨げになります。
「手入れが行き届いていない荒れた山林」と呼ばれて問題になっているのをよく耳にします。
しかし、生態学の観点からは、菌類の分解力によって長い年月をかけて朽ち果て土に還っていく倒木もまた森を構成する一つの重要な要素である気がします。
倒木自体がさまざまな生きものに餌や隠れ家や道などを提供しています。



林内で朽木や倒木をありのままに残しておく方が生態系のバランスが保たれ、長い目で見たときに森の健康が守られるのではないでしょうか?
ただし、住宅地にすごく近い森の場合は、朽ちた倒木からシロアリが発生するとトラブルの元になりそうですし、理想論などは言ってられないかもしれません。
原生林ではシロアリの捕食者が何種類もいますから、シロアリの数が増えすぎることはありません。

つづく→ 


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2024/04/18

ニホンアナグマ家族群による獣道を塞ぐスギ倒木への対処法:くぐり抜け、乗り越え、伝い歩き【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年8月上旬〜中旬 

スギ防風林の中で倒木の横にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phにニホンアナグマMeles anakuma)が登場したシーンをまとめました。 

シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギ立木の根本とスギの倒木の間に黒々とした糞塊がこんもりあります。 
夏の林床にはシダ植物が繁茂しています。


シーン1:8/5・午前0:27(@0:04〜) 
深夜にトレイルカメラが起動すると、アナグマの成獣がスギ倒木の下の隙間をくぐって右へ行く様子がちらっと写りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
続けて左から2頭の幼獣が来たので、先行する個体は母親♀だったようです。 
(計4頭の幼獣が居るはずなのですが、残る2頭はカメラの死角を通ったのか、あるいは単独行動をとっているのでしょう。)
まだ体の小さな幼獣は、倒木を乗り越えるのにひどく苦労しています。 
アナグマ母子の群れはタヌキの溜め糞場phには近寄らずに素通りしました。 


シーン2:8/12・午後20:59(@0:49〜) 
7日後の晩にもトレイルカメラの起動が遅れ、倒木を伝い歩いて右下へ行く獣がちらっと写っただけでした。 
顔が見えませんでしたけど、夏毛のタヌキはこんなに丸々と太っていないはずなので、おそらくアナグマの成獣だと思います。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
今回のアナグマ個体もタヌキの溜め糞場phには興味を示さずに素通りしました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。

2024/04/17

スギ防風林で倒木横の溜め糞場にホンドタヌキが通って排便【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年8月上旬 

スギの防風林の中に溜め糞場phを新たに見つけ、ときどき定点観察しています。 


おそらくタヌキの溜め糞場だと思うのですけど、自動センサーカメラを設置して確かめることにしました。
限られた台数のトレイルカメラで複数のプロジェクトをやり繰りするのは大変なのですが、 なんとか1台確保しました。


シーン0:8/4・午後12:06(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
スギの木の根本に黒々とした糞塊がこんもり残っています。 
すぐ横に放置されているスギの倒木が目印です。 
真夏の林床にはシダ植物(種名不詳)が繁茂しています。 
カメラをもう少し下に傾けて設置すべきでしたね…。 


シーン1:8/8・午前3:24(@0:04〜) 
溜め糞場phに単独で来たホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右を向いて排便していました。 
用を足すと、そのまま右下に立ち去りました。 


シーン2:8/10・午前1:13(@0:13〜) 
カメラが起動したときには既にタヌキが単独で溜め糞に跨り、左下(南西)を向いて排便中でした。 
排泄後は左下に立ち去りました。 

尻尾の先の少し下に黒毛の部分(滴状の黒斑▼?)がある個体でした。 
垂れ尾ではなく、排便中もカールした尻尾を上げていました。 




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2024/04/16

ニホンアナグマの諸活動:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬〜8月上旬

二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴LRを新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 
何か特筆すべき行動があれば個別の記事にするのですが、とりとめもない残り物の行動シーンをまとめました。 
全て夜の活動です。
転出した後の旧営巣地(セット)に一時帰還してうろついたり、巣穴に出入りしたり、など。 
観察歴の浅い私が見落としている行動がありそうですし、念の為に撮れた動画を全て残しておきます。 (我ながら貧乏性ですね…)


シーン0:7/22・午後13:19・晴れ・気温38℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/22・午後14:07・晴れ・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/22・午後21:52・(@0:07〜) 右下へ 


シーン3:7/22・午後21:59・気温24℃(@0:16〜) 左へ 


シーン4:7/22・午後21:58・(@0:22〜) 
二次林の林縁を右往左往し、最後は足早に右へ。
腹面に乳首が見えるので、母親♀のようです。 


シーン5:7/24・午後20:01・気温27℃(@0:58〜) 
2日後の晩にニホンアナグマ幼獣が単独でうろついています。 


シーン6:7/24・午後20:01(@1:22〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
左奥の林内を左へ走り去りました。 
その後、左から登場しかけたのに、引き返してしまいました。 


シーン7:7/24・午後20:07・(@1:39〜) 
左へ。


シーン8:7/24・午後20:06・(@1:39〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
奥の灌木林を右から左へ。 
途中でぶつかった灌木が揺れています。 


シーン9:7/26・午前2:59(@1:56〜) 
2日後の未明に登場した成獣は、左右の目のサイズが同じぐらいなので、母親♀ではなくヘルパー♂のようです。 
巣口Rに顔を突っ込んで匂いを嗅ぎ、中を点検してから右へ立ち去りました。 


シーン10:7/28・午後20:41・気温27℃(@2:29〜) 
2日後の晩。 
もしかすると、巣穴Lから外に出てきたばかりなのかもしれません。 
獣道を通って右上奥へ。 
幼獣かな? 


シーン11:7/29・午前4:14・気温22℃(@2:58〜) 
幼獣2頭が巣口Lに並んで匂いを嗅いでいました。 
1頭が身を翻して左へ走り、別の兄弟(姉妹)と遊び始めたようです。 
もう1頭も巣口Lから左へ駆け出しました。 


シーン12:8/1・午前2:39(@3:20〜)
長い落枝がアナグマに踏まれて動くことで、左端の死角でうろついているアナグマの動きが、予想できます。 
巣口Rの手前まで来たのに、急に何かに驚いて身を翻し、左へ走り去りました。 
股間に睾丸が見えたので、ヘルパー♂のようです。 


シーン13:8/1・午前2:40・気温24℃(@3:20〜) 
別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
左から来て巣口Rの匂いを嗅いだヘルパー♂が、左へ戻って行きました。 
落枝に股間が触れたのはたまたまなのか、それともスクワットマーキング(匂い付け)したのか、よく分かりません。 
しばらくすると、何かに驚いたアナグマ♂が全力疾走で左から右へ横切りました。 
よほど慌てていたのか、獣道の途中で細い灌木の枝にぶつかりポキッと折れる音が聞こえました。 


シーン14:8/3・午後19:23・(@4:00〜) 
2日後の晩に、はしゃぎ回る幼獣3頭の群れが写りました。 
1頭は巣口Rの匂いをクンクン嗅いでいます。 
右へ次々と駆け出しました。 


シーン15:8/3・午後19:33・気温29℃(@4:27〜) 
やんちゃな幼獣2頭が巣穴Lへ戻ってきたと思いきや、再び追いかけっこしながら獣道を走り去りました。 


シーン16:8/3・午後20:01・気温26℃(@4:27〜) 
幼獣?の単独個体が出巣Lしたばかりのように見えますが、走って巣口Lに戻ってきて中を点検しただけかもしれません。 
右へ。 


シーン17:8/4・午前0:53・気温23℃(@4:51〜) 
翌日の深夜に幼獣が単独で左へ。 
どこから現れたのか不明です。(出巣L直後なのか?) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




2024/04/15

夏の夜に渓谷をペアで渡る野生動物の正体とは?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

 2023年7月上旬・午前0:20頃・ 




里山の渓谷(沢の源流部)が厳冬期に雪崩で埋もれると、そのスノーブリッジを野生動物が恐る恐る渡っていました。 
春以降も引き続き定点観察したかったのですけど、運用しているトレイルカメラの台数が足りなくなり、泣く泣く撤去しました。 
他所のプロジェクトがようやく一段落ついたので、夏の渓谷を再び無人センサーカメラで監視することにしました。 
低山なので、谷底の万年雪が雪渓として夏まで残ることはありません。
夏には両岸の切り立った崖を登り降りして沢を渡る野生動物の足跡や蹄跡が獣道に残っています。(フィールドサイン) 
有蹄類のニホンカモシカやニホンイノシシが渡る場合は、「義経の鵯越の逆落し」のような迫力のある動画がトレイルカメラで撮れるのではないかと期待しました。 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮れた現場の様子なのですが、サイケデリックなモアレが生じてしまいました。 
こんな症状は初めてです。 
古いトレイルカメラを騙し騙し使い続けてきたのですけど、いよいよ寿命なのかも知れません。
 (トレイルカメラのmicroSDカードを挿し直して電源を再起動すると症状が直ることが分かりました。) 
カメラを設置しながら試写したつもりなのに、夏の日差しが眩しすぎてカメラの液晶画面がよく見えず、ほとんど勘だけでアングルを決めました。 
こういうときの対処法として、液晶画面を覆う日除け(液晶サンシェード)を後に自作することになります。 
幸い、夜の暗視映像には影響を及ぼしませんでした。 

7月上旬の深夜にカメラが起動したときには、謎の野生動物が2匹、V字状の渓谷(高低差約4〜5m)を渡る途中でした。 
此岸(右岸)の崖を下りて谷底の沢を渡河する様子は撮れていませんでした。 
対岸(左岸)の急な崖を2頭の獣が前後して直登しています。 
先行して崖をよじ登っている個体が途中で振り返り、後続個体と鼻を突き合わせて励ましたようです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
旧機種のトレイルカメラは赤外線LEDの光量が弱くて、あまり遠くまで届きません。 
強引に明るく加工したので暗視映像の画質が粗くなってしまいました。 
そのため、動画を何度見返しても、謎の野生動物の正体が分かりません。 
ほとんど白く光る目しか見えません。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の♀♂つがいか、あるいはニホンカモシカCapricornis crispus)の母子かもしれません。
タヌキは険しい崖の途中でわざわざ立ち止まったり引き返したりしないような気がします。 

画質があまりにも酷い動画なので、個人的な備忘録としてブログ限定の公開としておきます。
いつか新機種のトレイルカメラを設置し直して再チャレンジするつもりです。 
冬はまだしも草木が生い茂る夏は特にトレイルカメラをきわめて設置しにくい場所なので、何か斬新な作戦を考えないといけません。

2024/04/14

夏の夜に延々と追いかけっこや取っ組み合いをして遊ぶニホンアナグマの幼獣3頭【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬〜8月上旬 

旧営巣地に戻って来たニホンアナグマMeles anakuma)の幼獣3頭が、元気いっぱいで互いに追いかけっこしたり格闘遊びしたりしてはしゃぎ回る微笑ましい様子をまとめました。 
疲れを知らぬ 724+29+803 


シーン0:7/22・午後13:19・晴れ・気温38℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/22・午後14:07・晴れ・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/24・午後20:00(@0:07〜) 
2頭の幼獣が奥の二次林内で駆け回り、取っ組み合いを始めました。 
右下に居た別個体の幼獣も参戦しようと駆け出したら、暗闇で細い灌木に頭から衝突しました。(@0:51〜) 
ぶつかった立木がしばらく左右に揺れています。 
慌てていたのかもしれませんが、 夜行性でもアナグマは目が悪いことを示しています。 
灌木の隙間をすり抜けられると思ったのかな?  
鈍臭い幼獣は幸い脳震盪を起こすこともなく、無事だったようです。 


シーン3:7/29・午前4:13・(@1:07〜)日の出時刻は午前4:36。 
5日後の夜明け前にも幼獣が3頭だけで旧営巣地に来て遊び呆けていました。 
地面の匂いを嗅いでいる別個体の尻に突進してわざとぶつかり、喧嘩を仕掛けました。 
それをきっかけに3頭が急に荒ぶり始め、1頭がもんどり打って巣穴Rに転がり落ちました。 
その際にマルバゴマキの樹冠に伸びている長い蔓にぶつかって、上の枝葉が激しく揺れました。 


シーン4:7/29・午前4:15・気温28℃?(@2:07〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 


シーン5:7/29・午前4:16(@2:57〜) 
2頭の幼獣が激しい追いかけっこをしている途中で、もつれ合うように巣口Lに転がり落ちました。(@3:30〜、@3:48〜) 
格闘中に互いに甘噛みしているのか、短い唸り声♪も聞こえます。 


シーン6:7/29・午前4:18(@3:58〜) 
幼獣2頭が左で格闘遊びをしている間、別個体が巣口Lから顔を出してその様子を伺っています。

辺りは未だ真っ暗ですけど、目覚めたヒグラシ♂(Tanna japonensis)が林内でカナカナカナ…♪と鳴き始めました。 (@4:38〜) 
時刻は午前4:19。(日の出時刻の17分前) 


シーン7:7/29・午前4:17(@4:48〜) 
別アングルの広角カメラでも撮れていました。 
2頭が対峙して、ひたすら格闘遊びを繰り広げています。 


シーン8:7/29・午前4:19(@5:24〜) 
巣口Lを半ば塞ぐように生えた木の根を甘噛みしたり、はしゃいで跳びはねたり、幼獣が独り遊びしていました。 
巣穴Lから外に出てきた別個体が左へ行くと、それを追いかけて対決が始まりました。 
ガゥッ♪と吠える声が聞こえました。 


シーン8:7/29・午前4:22(@6:05〜) 
巣口R付近で幼獣3頭がはしゃぎ回っていると、左から4頭目の成獣が登場しました。 
成獣は落ち着いていて、幼獣が「遊ぼう遊ぼう!」と挑発するように目の前で飛び跳ねても、遊びには付き合いません。 
腹面に乳首が見えたので、母親♀のようです。 
カメラを振り返ったときに、左右の目が不均等であることが確認できました。(右目<左目) 
母親♀が近くに居た幼獣を毛繕いしてやろうと試みるも、元気いっぱいの幼獣は逃げてしまいました。 


シーン9:7/29・午前4:22(@7:03〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
巣口Lを点検していた母親♀が振り返って左に行くと、出迎えた幼獣2頭が♀にまとわりついて遊びに誘います。 
仲間との追いかけっこで逃げてきた幼獣が入巣Lしたものの、すぐに出巣Lしました。 


シーン10:7/29・午前4:23(@7:40〜) 
腕白盛りの幼獣2頭が疲れを知らず、はしゃぎ回っています。 
獣道に泰然と佇んでいた母親♀に突進しても、成獣はうんざりしたような顔で(?)、誘いに乗りません。 
母子の群れは獣道を右上奥へ立ち去りました。 
元気が有り余っている幼獣は、無駄に走って何度も往復しています。 


シーン11:7/29・午前4:24(@8:27〜) 
しばらくすると、幼獣2頭が追いかけっこしながら獣道から駆け戻ってきて、巣穴Lに入りました。 
少し休んでから、幼獣2頭ともまた外に出てきて走り去りました。 


シーン12:8/3・午後19:24・(@9:01〜) 
5日後の晩にも、同様の光景が見られました。 
ニホンアナグマの幼獣だけが3頭現れ、林内でふざけて追いかけっこしています。 
母親♀の姿は見えませんが、おそらく近くで採食しているはずです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
この巣穴で今季アナグマ♀から生まれた同腹の兄弟姉妹は4頭いたはずなのに、最近は3頭しか見かけません。 
まさか3頭が結託して仲間外れにしているのでしょうか?
それとも残りの幼獣1頭は死亡したのか?と心配になります。 
来季のヘルパー候補♂はあまり幼獣同士では遊ばずに母親とべったりなのかもしれない、と想像したものの、母親♀が旧営巣地に現れたときも同行していませんでした。 
前回の記事で紹介したように、足りない幼獣1頭は家族群からはぐれて迷子になったのか、それとも独り遊びが好きな個体なのかもしれません。(親離れや独立が早い個体?) 


2024/04/13

盛夏にニホンアナグマの旧営巣地に出没するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】♀の排尿マーキング

 



2023年7月下旬〜8月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma) 母子が転出した後の旧営巣地に出入りするホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。
個体識別ができていないので、登場するタヌキが計何頭いるのか不明です。 
こうしたとりとめもない膨大な監視映像をひたすらAIに見せたら、個体識別の微細な特徴を自動的に見つけ出してしてくれるようなシステムが開発されないかな?と期待しています。(教師なしの機械学習)


シーン0:7/22・午後13:19・気温38℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/22・午後14:07(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
新旧2台のトレイルカメラでニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地を見張っています。 


シーン2:7/22・午後19:40(@0:07〜) 
晩に奥の二次林からタヌキが単独でおずおずとセットにやって来ました。 
巣口Rには近寄らず、左下へ立ち去りました。 


シーン3:7/22・午後19:41・気温25℃(@0:36〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
しかし、狸の尻尾が画面の左端にちらっと写っただけです。 


シーン4:7/28・午後22:12・気温26℃(@0:44〜) 
6日後の晩遅くに右から来たタヌキが巣口Lの手前を通って左へ向かいました。 


シーン5:7/28・午後22:11(@0:53〜) 
続きが別アングルの広角映像で撮れていました。 
林縁から手前に来て巣口Rへ慎重に近づくと、頭を巣穴に突っ込んで頻りに匂いを嗅いでいます。 
入巣Rするかどうか見届ける前に、録画時間が終わってしまいました。 


シーン6:7/28・午後22:12(@1:52〜) 
次にトレイルカメラが起動したときには、同一個体のタヌキが林縁を右へ立ち去るところでした。 


シーン7:7/29・午後21:35・(@2:00〜) 
翌日の晩にも奥の二次からタヌキが登場。 
巣口Rの匂いを嗅いでから左へ向かいました。 
レンズの至近距離でザトウムシの仲間が長い歩脚で歩き回り、目障りですね…。 


シーン8:7/28・午後21:37・気温27℃(@2:20〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
左から登場したタヌキが巣口Lの匂いを嗅ぎました。 
上半身だけ巣穴Lに入ったものの、すぐに外へ出てきました。 
獣道を右上に歩きかけたのに、なぜか立木の手前で引き返し、左へ戻って行きます。 


シーン9:7/30・午後21:37・気温27℃(@3:13〜) 
2日後の晩に、右からタヌキがやって来ました。 
回り込んで巣口Lを点検すると、左へ向かいます。 


シーン10:7/30・午後21:37(@3:47〜) 
続きが別アングルの広角映像でも撮れていました。 
巣口Rの匂いを嗅いでから手前に立ち去ります。 


シーン11:8/1・午後20:24(@4:07〜) 
2日後の晩に来たタヌキは、巣口Rの匂いを嗅ぎ回っています。 
巣口Rの縁で軽く腰をかがめて排尿マーキングしたようです。(@4:18〜) 
後脚を持ち上げずに小便したので、性別が♀と分かりました。 
タヌキ♀の排尿マーキングは初めて見たかもしれません。 
「女狸参上!」と大胆不敵にもアナグマ巣穴の玄関に縄張り宣言してから、左下へ立ち去りました。 
このシーン11だけ、別の独立した動画として切り出すべきでしたね。 
動画編集時には見落としていた匂い付けの行動(縄張り宣言)です。


シーン12:8/3・午前5:40・くもり・気温21℃(@4:33〜)日の出時刻は午前4:40。 
2日後の早朝、毛皮の濡れた獣が巣穴Lに潜り込みました。 
カメラの起動が遅れてしまい、正体不明です。 
しばらくして同じ巣口Lから頭を出したのはタヌキでした! 
巣穴Lの中で方向転換が可能であることが分かります。 
使われなくなった巣穴Lを内検してから、左へ立ち去りました。 

シーン13:8/3・午後16:44・(@4:59〜) 
旧機種のトレイルカメラで珍しく昼間にフルカラーで録画されていました。 
11時間後の夕方?に、二次林を左奥へ歩き去る後ろ姿が写っています。 


シーン14:8/3・午後16:45・気温30℃(@5:11〜) 
まだ明るい時間帯なのに、なぜかモノクロで録画されていました。 
前後のつながりを考えると、シーン13と14は逆かもしれません。 
トレイルカメラ内蔵の時計が次第に狂ってきてしまうため、時系列の辻褄が合わなくなります。 


シーン15:8/4・午前9:18・晴れ(@5:27〜) 
翌日の午前中に現れたタヌキは、奥の二次林を右上奥へ。 


シーン16:8/4・午前9:40・晴れ(@5:42〜) 
約20分後に来たタヌキは巣口Rの匂いを嗅いでから、左上奥へ。 
尻尾の中央部に滴状の黒斑▲がある個体でした。 

この時期は、巣穴の所有権をめぐってアナグマとタヌキの静かな争いがあるようです。
アナグマ家族も懐かしの我が家(旧営巣地)にしょっちゅう戻ってきますし、タヌキもあちこちで排尿マーキング(匂い付け)しています。
タヌキはなかなか巣穴に入らなくなりました。
子育てが終わると巣穴の必要性が薄れますから、激しい争奪戦にはなっていません。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。



2024/04/11

アナグマの旧営巣地でホンドタヌキ♂が昼も夜も通りすがりに立木へ放尿マーキング【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬〜8月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)にときどきやって来るホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 


シーン1:7/29・午後21:14・気温27℃(@0:00〜) 
巣口Lのすぐ左に生えた細いマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木の根本に小便をかけていました。 
片足(左後脚)を持ち上げて排尿したので、この個体の性別は♂と分かります。 
排尿マーキングを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
そのまま左に立ち去りました。 


シーン2:7/29・午後21:14・(@0:24〜) 
続きのシーンが別アングルで設置したトレイルカメラで記録されていました。 
対面の立木(ミズキ)に固定したトレイルカメラの赤外線LEDが眩しく点灯しています。 

タヌキ♂は林縁で立ち止まると、オニグルミ立木の幹の根本に排尿マーキングしました。 
今回も片足(左後脚)を上げて小便しました。 
二次林内を右上奥へ向かいました。 


シーン3:8/3・午前9:10・晴れ(@0:36〜) 
明るい午前中に珍しくフルカラーで録画されていました。 
 林縁で立ち止まったタヌキ♂が片足(左後脚)を上げて、5日前と同じオニグルミ立木の根本に放尿していました。 
そのまま右へ立ち去りました。 
短い登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
尻尾の中央部に滴状の黒斑▼がある個体ではないかと思うのですが、しっかり後ろ姿が見えませんでした。

転出したアナグマの家族が戻ってこないのであれば、このタヌキ♂がセット(営巣地)に少しずつ匂い付けして縄張りを主張し、巣穴を占有するつもりなのかもしれません。 



2024/04/10

ニホンアナグマの母子にヘルパー♂も付き添い家族総出で旧営巣地に一時帰還した夜【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬・午前0:30頃・気温20℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma) 


シーン0:7/13・午後13:30頃・晴れ・気温37℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:30頃・くもり(@0:04〜) 
明るい昼間の時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 


シーン2:7/22・午前0:28(@0:07〜) 
巣口RLの周辺を2頭の幼獣がうろついています。 
何かに驚いたのか、1頭の幼獣が左から慌てて巣内Rに駆け戻りました。(@0:35〜) 
しばらくすると、左から成獣2頭と幼獣3頭の群れが一緒にやって来ました。 
母親♀は横から見れば腹面に乳房や乳首があるので見分けられます。 
ヘルパー♂(1歳仔♂)も母子と一緒に採食行動しているのはとても珍しく、私は初めて見ました。 
久しぶりにニホンアナグマの家族が勢揃いで、生まれ育った旧営巣地に戻ってきたことになります。 
♀は巣穴Rに入りました。 


シーン3:7/22・午前0:28(@1:07〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラでもほぼ同時に撮れていて、前後のストーリーを補完することができました。 
幼獣aが巣口Lを覗き込み、匂いを嗅いで点検しています。 
幼獣bが奥で佇み、右奥の獣道の方を見ています。 
その視線の先から複数個体の白く光る目がセットに近づいて来ます。 
それに気づくと、先着していた幼獣2頭は急に警戒し、各々が慌てて巣口L、Rに駆け込んで避難しました。 

ナグマ家族の後続部隊が獣道を辿って右奥から登場。 
ヘルパー♂、♀(右目<左目)、幼獣cdの順で縦列になって来ました。 
体格は、ヘルパー>♀>幼獣でした。 
そのまま巣口Rの方へ向かいました。 
巣穴Lに避難していた幼獣aも外に出て仲間を追って慌てて左へ。 


シーン4:7/22・午前0:29(@1:50〜) 
セットから右へ立ち去る個体と入れ替わるように、別個体が巣穴Rに入りました。 
しばらくすると、その巣穴Rから母親♀と幼獣1頭が外に出てきました。 
右から戻ってきたヘルパー♂および幼獣1頭が♀を出迎え、すれ違いました。 
家族全員でセットの右に立ち去りました。 
探餌徘徊の途中で旧営巣地に立ち寄っただけだと判明しました。 


これまでの観察から、当地のアナグマは「ヘルパー♂が母子の採食行動に付き添うことはない」と私は思い込んでいたのですが、今回の映像であっさり裏切られました。
鈴木欣司『アナグマ・ファミリーの1年』などの本で、♂も♀も幼獣もヘルパーも一緒に餌場に現れるという記述を読んでも、餌付け(人工給餌)という不自然な条件下で見られる現象に過ぎないのでは?と冷ややかに受け止めていました。
(たとえ私が餌付けをしなくても、誰か近隣住民がかわいいアナグマたちに餌付けを始めた可能性も否定できません。)
私もフィールドにもっと多数の監視カメラを密に設置すれば、アナグマ家族の行動がより深く理解できそうです。
アナグマ家族の転出先の巣穴を探すのが最重要課題です。


2024/04/08

夜の二次林でニホンアナグマの母子が散開して各々で採食【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年7月中旬〜下旬 

シーン0:7/13・午後13:31・晴れ・気温37℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・くもり(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
いくら猛暑とは言え、気温データはさすがに異常値かもしれません。 
ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン2:7/13・午後20:45・気温21℃(@0:07〜) 
ある晩、アナグマの母子が生まれ育った懐かしの営巣地に戻ってきました。 
母親♀が引率すると言うよりも、元気いっぱいの幼獣が先陣切って夜の森を走ってきたようです。
幼獣3頭が左から来て巣口Lの匂いを嗅ぎ回り、中に入りかけたものの、すぐに出てきました。 
相次いで左へ向かうと…。 


シーン3:7/13・午後20:45(@1:07〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣穴Rは、入り口が更に左右2つに別れています(巣口RlとRr)。 
3頭の幼獣が巣口RlとRrへの出入りを繰り返しています。 
そこへ左から4頭目の幼獣が登場し(@1:26〜)、巣穴Rlに入りました。 
これで当年仔の兄弟姉妹が勢揃いしました。 

最後にようやく成獣の母親♀が左から登場。(@2:05〜) 


シーン4:7/13・午後20:47(@2:07〜) 
幼獣2頭が奥の林縁を探索しています。 
巣口Rの広場を徘徊していた幼獣が細い蔓につまづいて、蔓とつながっているマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の枝葉がざわざわと揺れました。(@2:30〜) 
その物音に反応したように、母親♀が巣口Rから外にひょっこり顔を出しました。 
奥の林縁まで偵察に行ってから、巣口Rに戻ってきました。 
この母親♀は、左右の目の大きさが不均一(右目<左目)なのが特徴です。 


シーン5:7/13・午後20:48(@3:07〜) 
幼獣1頭が巣口Rに留まり、残る3頭は各々がうろついて餌を探しているようです。 
成獣♀が出巣Rすると(@4:00〜)、右にのそのそ歩いて行きました。 
離乳後も横向きになると、乳房と乳首が確認できます。 


シーン6:7/13・午後20:51(@4:07〜) 
画面の右端を幼獣?が右へ立ち去りました。


シーン7:7/13・午後20:53(@4:14〜) 
右エリアで幼獣1頭が林床の落葉の匂いを嗅ぎ回っています。(探餌徘徊) 
落ち葉の下に隠れた小さな虫やミミズなどを次々に捕食しているのでしょう。 
右からもう1頭の幼獣が戻ってきました。 
更にもう1頭の幼獣が右から戻ってきて、巣口Rに向かいます。 


シーン8:7/13・午後21:03・気温28℃(@5:14〜) 
別アングルに設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
母親♀が先導して獣道を歩き去り、右奥の二次林へ消えました。 
 幼獣3頭は各自がてんでバラバラに探餌徘徊しています。 
どうも1頭の幼獣がいつも他の兄弟姉妹とは別行動をしているような気がします。 
独立心が旺盛な個体なのか、それとも母親♀のそばを離れたくないのかな? 

アナグマの母子は夜の林内で散開して各自が採食しているとは言え、離れ離れにはならず緩い群れ(家族群)を形成しています。
暗闇の中でニホンアナグマの母子は迷子にならないようにどうやって互いの存在を確認しているのでしょう。 
耳を澄ませても、アナグマの鳴き声(ジェジェジェビーム♪?)は聞き取れません。 
ニホンザル(昼行性)の場合、見通しの悪い森の中を採食しながら遊動する群れは、コンタクトコール♪(クーコール♪)という独特の鳴き声をときどき小声で発して、群れの仲間の位置関係を把握しています。 


シーン9:7/13・午後21:05・(@6:14〜) 
アナグマ母子が夜の森で散開して採餌する様子を5倍速の早回し動画でご覧ください。 
行方が分からなかった幼獣1頭が左から現れ、兄弟姉妹と合流しました。 


シーン10:7/13・午後21:07・(@6:26〜) 
うっすらと夜霧がかかり始めたようです。 
最後の個体が奥の茂みに消える後ろ姿だけ写っていました。 
そしてセットには誰も居なくなりました。 

アナグマ母子は旧営巣地の巣穴に全員で入って中で寝ることはありません。 
基本的に夜行性なので、採餌活動のついでに旧営巣地に立ち寄っただけなのでしょう。 


シーン11:7/17・午前3:00・気温22℃(@6:38〜) 
4日後の深夜未明に、再びアナグマ母子が旧営巣地に戻ってきました。 
左から先頭切って登場したのは幼獣です。 
巣口Lを点検したものの中には入らず。辺りをうろついています。 


シーン12:7/17・午前3:12(@7:11〜) 
巣口R付近を幼獣1頭が徘徊しています。 
巣口Rから斜め左に伸びるマルバゴマキの細い灌木にキリギリス?バッタ?が止まっていて、ゆっくり移動しています。 
たまたま幼獣が顔を近づけたら、バッタ?はピョンと跳んで奥へ逃げました。(@7:42〜) 
幼獣は暗闇で獲物の存在に気づいていない様子でした。 
夜行性のアナグマは、視覚ではなく嗅覚や聴覚を頼りに虫やミミズを捕食するのでしょう。 
幼獣は逃げたバッタ?の後を追うでもなく、左へ立ち去りました。 


シーン13:7/17・午前3:13・気温25℃?(@8:10〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
この幼獣個体は、単独行動を好むようです。 


シーン14:7/17・午前4:01・(@8:20〜) 
奥の林縁に居た幼獣2頭がなぜか慌てて走り出し、続けざまに巣穴Rに飛び込んで中に避難しました。 
外敵が現れたのでしょうか?
そこへ母親♀が右から早足で登場。 
巣口Rの匂いを嗅いでいると、中から幼獣が出迎えました。 


シーン15:7/22・午前4:29・気温18℃(@9:11〜)日の出時刻は午前4:30。 
5日後の明け方に成獣が単独で右から登場しました。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、手前へ向かってきます。 
どうやらヘルパー♂のようです。


シーン16:7/22・午前4:29(@9:24〜) 
続きは別アングルの監視カメラで撮れていました。 
ヘルパー♂は旧営巣地の巣口LRには立ち寄らず、奥の二次林を右奥に歩き去りました。 
今のところ、母子の群れの採餌行動にヘルパー♂は同行しません。 

2024/04/07

アナグマの旧営巣地を通りすがりに点検するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2023年7月中旬〜下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地に出没するようになったホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 


シーン0:7/13・午後13:31・晴れ・気温37℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・くもり・(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
酷暑とは言え、気温データはさすがに異常値かもしれません。 
新旧2台のトレイルカメラでアナグマの旧営巣地(セット)を見張っています。 


シーン2:7/14・午後13:45・気温22℃(@0:07〜) 
明るい日中なのに、新機種のトレイルカメラがなぜかモノクロで起動しました。 
小雨が降る中、単独で来たタヌキが左から右へ横切りました。 
巣口Lの横で立ち止まって左後脚を上げながら細いマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木の根本に排尿マーキングしたような気もしますが、アングルがいまいちで、はっきりしません。 
後ろ姿をしっかり見せてくれなかったので、尻尾の黒班による個体識別もできませんでした。 


シーン3:7/16・午後19:52(@0:23〜) 
2日後の晩に、奥の二次林からタヌキがやって来ました。 
巣口Rの匂いを嗅いでから右へ立ち去りました。 

約40秒後、野ネズミ(ノネズミ)が巣穴Rから現れました。(@0:42〜)
巣外に出てきかけたものの、警戒してすぐに引っ込みました。 
巣穴Rに出入りする野ネズミをしっかり撮れたのは、初めてかもしれません。 


シーン4:7/17・午前3:15(@0:49〜) 
日付が変わった深夜未明にセットから奥の灌木林へ立ち去る野生動物の後ろ姿が写っていました。 
おそらくアナグマではなくタヌキだと思うのですけど、出巣Rの瞬間を撮り損ねたのかな?


シーン5:7/19・午前1:29・気温23℃(@1:00〜) 
2日後の深夜にもタヌキが登場。 
左から来たタヌキが巣口Lを慎重に覗き込んで匂いを嗅いでから、左へ引き返しました。 

奥に見える常緑のヒメアオキ群落で白く光る目が動いています。 
タヌキのパートナーが茂みの陰の獣道で待っているのかと初めは思ったのですが、どうやら野ネズミのようです。 


シーン6:7/19・午前1:28(@1:24〜) 
別アングルに設置した新機種のトレイルカメラで続きのシーンが撮れていました。 
左下から登場したタヌキが巣口Rの横を通り過ぎ、右へ立ち去りました。 


シーン7:7/19・午後23:01(@1:40〜) 
小雨がぱらつく深夜にタヌキが巣口Rを点検しに来ていました。 
匂いを嗅いだだけで中には入らず、奥の二次林に立ち去りました。 


シーン8:7/22・午前2:11・気温19℃(@1:54〜) 
3日後の深夜未明にホンドタヌキが登場。 
巣口Lには立ち寄らず、左から右奥へ立ち去りました。 
尻尾の中央部に滴状の黒班▼がある個体のようです。 


【アフィリエイト】 


【考察】 
アナグマの掘った巣穴にタヌキが出入りするシーンをこの時期は撮れなくなりました。 
どうやらこの営巣地は、誰も住んでいない空き巣状態になったようです。 
(巣穴への出入りが早過ぎて、トレイルカメラが撮り損ねているだけかもしれません。)

空き巣のニッチを埋めるように野ネズミが大っぴらに巣口LRへ出入りするようになったかと言うと、意外にもそれほど登場頻度は上がっていません。 

右後脚を怪我して跛行するタヌキ個体はその後、監視カメラに写らなくなりました。
ここに来なくなったのか、それとも足裏の負傷(ノイバラの棘をうっかり踏んだ?)から回復して正常に歩けるようになったのか、私には区別できません。




2024/04/06

夜の旧営巣地で延々と取っ組み合いをして遊ぶニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月中旬 

アナグマの幼獣同士による夜の兄弟喧嘩シーンをまとめてみました。
本気の闘争ではなく、遊びの格闘ごっこでじゃれ合っているだけです。
疲れを知らない幼獣同士の格闘遊びは、見ていて微笑ましいです。 


シーン0:7/13・午後13:31・晴れ・気温37℃(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
猛暑とは言え、気温データはさすがに異常値かもしれません。 
新旧2台のトレイルカメラでニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地を見張っています。 


シーン2:7/13・午後20:55・(@0:07〜) 
アナグマの母子(幼獣4頭と母親♀)が生まれ育った旧営巣地にある晩、一時帰還したときの様子です。 
ある幼獣が巣口Rを飛び越えると、近くの別個体幼獣に襲いかかり、一緒に穴へ転がり落ちました。(@0:51〜) 


シーン3:7/13・午後20:57・(@1:07〜) 
幼獣2頭が巣口Rで取っ組み合いを続けています。 
鳴き声はほとんど聞き取れませんが、互いに甘噛みしたり前脚で押さえつけたりしているようです。 


シーン4:7/13・午後20:59・(@2:07〜) 
つづき。
格闘中にワンッ♪と鳴く声(吠える? 唸る?)がかすかに聞こえました。 
巣口Rから離れようとする個体に後ろから追いすがって、しつこく取っ組み合いを続けます。 


シーン5:7/17・午前3:06・(@3:07〜) 
4日後の深夜未明にも暗闇で幼獣同士が兄弟喧嘩(姉妹喧嘩?)していました。 
広場の奥の林縁で幼獣2頭がもつれ合っています。 
1頭が左奥に一旦離れたのに、もう1頭が追いかけて再び取っ組み合いを仕掛けます。 
ようやく格闘遊びを止めて、巣口Lの方へ向かいました。 


シーン6:7/17・午前3:06・気温24℃?(@3:47〜) 
続きは別アングルの監視カメラで撮れていました。 
幼獣2頭が格闘しながら、巣口Lにもんどり打って転がり込みました。 
相手の首筋に噛み付いてぐいぐい引っ張っています。 
これは♂の幼獣が交尾の練習をしているのですかね? 
(私には幼獣の性別が外見で区別できません。) 
ピョンピョン跳ねるように相次いで左へ走り出し、巣口Rへ向かいました。 


シーン7:7/17・午前3:07(@4:25〜) 
一旦離れてクールダウンしたのに、巣口Rでまた格闘遊びが再開しました。 


シーン8:7/17・午前4:00・気温23℃(@5:25〜) 
約50分後に巣口L付近で幼獣の取っ組み合いが再び勃発しました。 
1頭が巣口Lに転がり落ち、なかなか外に出てこなくなりました。 
さすがに疲れてきたようです。 
1頭の幼獣がアクセストレンチLに座って毛繕いをしていると、もう1頭が巣穴Lから外に出てきて、格闘遊びが再開しました。 

後半はニホンアナグマの母親♀の姿が写っていませんが、旧営巣地で遊んでいる幼獣の近くで採食していると思われます。 
母親は幼獣同士の格闘遊びに全く干渉しませんし、仲裁に入ることもありません。
格闘遊びがエスカレートして本気で相手に噛みついたり怪我したり泣き出したりすることがないのが、ヒト幼児のプロレスごっことは違って興味深く思いました。

夜の暗闇でもアナグマ幼獣は格闘の相手がしっかり見えているようです。
それとも聴覚や嗅覚だけで格闘遊びが可能なのでしょうか?


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




2024/04/04

夜に一時帰還した旧営巣地で幼獣に毛繕いしてやるニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月中旬 

どこか別の巣穴に転出したニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の母子が、生まれ育った営巣地(セット)に夜もときどき一時帰還するようになりました。 
採餌徘徊のついでに立ち寄るようです。
相変わらず、ヘルパー♂は付き添っていません。 
母親♀が幼獣に対他毛繕いするシーンをまとめてみました。 

シーン0:7/13・午後13:31・気温37℃(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
2つのアングルから巣穴L、Rをそれぞれ監視してます。 


シーン2:7/13・午後20:49・(@0:07〜) 
画面の右で母親♀が1頭の幼獣の毛皮を舐めてやっています。 
対他毛繕いが済むと、♀だけ右へ立ち去り、幼獣2頭が巣口Rの匂いを嗅いだり付近をうろついたりしています。 


シーン3:7/13・午後21:02・気温22℃(@0:49〜) 
母親♀が先頭に立って獣道を右へ歩き始めました。 
横から見ると、腹面に乳首が見えます。 
立ち止まって体をボリボリ掻きました。 
次にその場で仰向けになり、毛繕いを始めました。 
そこに近寄ってきた幼獣を舐めてやります。 
幼獣たちはもう乳離れしているようで、各々が採餌しています。 


シーン4:7/17・午前2:59・(@1:49〜) 
4日後も夜にアナグマ母子が現れました。 
まず先に旧営巣地(セット)に到着した幼獣2頭が巣口Rを点検しています。 
奥の二次林から母親♀が遅れてセットにノソノソと登場。 
この個体は、暗視映像で見ると左右の目の大きさが不均等(右目<左目)なのが特徴です。 
離乳後も、腹面の乳房・乳首が発達しています。 

先に来ていた幼獣に巣口Rで♀が対他毛繕いをし始めたものの、遊びたい盛りの幼獣は左に駆け去ってしまいました。 
別個体の幼獣が暗闇で突進したら、垂れ下がる蔓に頭が引っかかって揺らしました。(@2:20〜) 
何事かと♀が振り返ってその幼獣を気遣います。 


シーン5:7/17・午前4:04・(@2:38〜) 
巣口Rで母親♀(右目<左目)が幼獣2頭に対他毛繕いしています。 
もう赤ちゃんじゃないので排泄の世話をする必要はなくなったと思うのですが、♀は幼獣の腰や尻の辺りを重点的に舐めてやります。 


シーン6:7/17・午前4:06・(@3:39〜) 
広場の奥の林縁に移動した♀が幼獣に対他毛繕いをしています。 
幼獣もたまにお返しで母親に毛繕いしているようです(相互毛繕い)。 
最後、アナグマの母子は右へ立ち去りました。 
戻ってこなかったので、アナグマ一家が昼間に休む巣穴はここではないことがはっきりしました。

夜明け前の暗い林内でヒグラシ♂たちが、カナカナカナ…♪と一斉に鳴き始めました。 
日の出時刻は午前4:26。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。



2024/03/27

夜の渓谷で鼻息を荒らげて威嚇するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 雪崩に埋もれた渓谷を深夜に連れ立って渡る2頭のニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】 

里山の渓谷(沢の源流部)が厳冬期に雪崩で埋もれ、そこを野生動物が恐る恐る渡っていました。 
春以降も引き続き定点観察したかったのですけど、トレイルカメラの台数が足りなくなり、泣く泣く引き払いました。 
他所のプロジェクトがようやく一段落ついたので、夏の渓谷を無人センサーカメラで監視することにしました。 
夏には切り立った崖を登り降りして沢を渡る野生動物の足跡や蹄跡が地面に残っています。(フィールドサイン)

 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮れた現場の様子なのですが、ひどいモアレが生じてしまいました。
こんな症状は初めてです。
古いトレイルカメラを騙し騙し使い続けてきたので、いよいよ寿命なのかも知れません。
カメラを設置しながら試写したつもりなのですけど、夏の日差しが眩しすぎてカメラの液晶画面がよく見えず、ろくに確認できていませんでした。
こういうときの対処法として、液晶画面を覆う日除け(液晶サンシェード)を後に自作することになります。
幸い、夜の暗視映像には影響を及ぼしませんでした。


2023年7月上旬・午後21:25頃 

真っ暗な晩にトレイルカメラが起動すると、沢の流れる水音に混じってフシュ、フシュ♪と聞き馴染みのある音が渓谷の対岸から何度も鳴り響きました。 
ニホンカモシカCapricornis crispus)が対岸に現れたようで、立ち止まって何度も鼻息を荒らげているようです。 
しかし、威嚇の対象が不明です。 
まさかトレイルカメラの存在に気づいて警戒し、威嚇しているのでしょうか? 
あるいは夜の獣道で他の野生動物と遭遇したのかもしれません。
残念ながらトレイルカメラの旧機種は赤外線の光量が弱くて対岸までほとんど届かず、暗視映像ではカモシカの2つの目が点のように白く光っているだけです(赤丸@0:05)。 
動画編集時に試しに自動色調補正してもカモシカの姿は見えてこなかったので、その処理はキャンセルしました。 
それでも熱源の動きを検知するセンサーの感度には感心します。
カモシカが此岸に向かって渓谷を渡ってくれるかと期待したものの、そのまま90秒間の録画時間が終わってしまいました。 

ひょっとすると、同じ日の昼過ぎ(午後13:20〜13:40; 約8時間前)に私とつづら折れの山道で遭遇した♂と同一個体という可能性があります。 
明るい日中に出会ったときには、鼻息を荒らげて私に対して威嚇することは一度もありませんでした。

 関連記事(同日の撮影)▶  


※ カモシカの鼻息威嚇が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【追記】
渓谷の深さの計り方。
沢の源流部で深い渓谷を渡るために、ヒトも野生動物も両岸の切り立った険しい崖を登り降りしなければいけません。
有蹄類のニホンカモシカが渡る場合は、「義経の鵯越の逆落し」のような迫力のある動画がトレイルカメラで撮れるのではないかと期待しています。
ところで、渓谷の深さをどうやったら測れるでしょうか?
長いロープを使うなど色々と考えてみたのですが、携帯したGPSで標高の表示をリアルタイムで見ながら実際に渡ってみると、両岸と谷底の高低差はわずか4〜5mでした。
私の個人的な体感としては10m以上ありそうだったのに、拍子抜けしました。   




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