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2022/12/19

羊歯の葉の上で日光浴するニホンカナヘビ幼体

 

2022年8月中旬・午前10:10頃・晴れ 

里山の山腹を流れる沢に近い山道を歩いていると、日向に生い茂る羊歯(種名不詳)の葉の上にニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)の幼体が乗って日光浴していました。 
長い尻尾は無傷で、自切痕がありません。 
じっとしていても、胸が早く拍動しています。 
(背側から見ると胸が左右対称に伸縮しているので、心臓の拍動ではなく呼吸の動きなのでしょう。) 
急に右に向きを変え、移動を始めました。 
動き出しの際にペロッと舌を素早く出して葉を舐めました。 
隣接するシダの葉から葉へチョロチョロと渡り歩きます。


関連記事(11日後の撮影)▶ 羊歯の葉を伝って逃げるニホンカナヘビ成体

2022/10/19

飛べ!キマダラセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年7月中旬・午後14:55頃・晴れ 

山腹をトラバースする山道沿いでクズの葉にキマダラセセリPotanthus flavus)が乗っていました。 
翅を半開きにして日光浴しているようです。 
背側から見下ろすアングルでは翅裏が見えません。 
 『フィールドガイド日本のチョウ』p297によると、キマダラセセリ♂は葉上で占有行動をとるそうです。 
ただし、私にはこの個体の性別が見分けられません。 
本種の食草はイネ科、タケ科なので、マメ科のクズとは無関係のはずです。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:06〜) 
物を投げつけて飛び立たせました。 
ハイスピード動画でも羽ばたきが速過ぎて、翅裏の斑紋が見えません。

2022/10/18

池の落枝で佇むカワウ若鳥が水面を助走して飛び立つまで(野鳥)

 

2022年7月下旬・午後17:00頃・晴れ 

溜池で初めてカワウPhalacrocorax carbo hanedae)を発見。 
若鳥が1羽、落枝(流木?)の上に片足立ちで乗り、夕方の西日を浴びていました。 
水面からの照り返しもあり、白飛び気味になってしまいました。 
近くに居たアオサギは警戒心が強く、私が池畔からカメラを向けた途端に続々と飛び去ってしまいました。 
カワウは上げていた左足を下ろしたものの、キョトンとして辺りを見回しています。 
やがて、翼を震わせ羽毛を逆立てました。 
周囲に水鳥の仲間がいないとやはり不安になるようで、辺りをキョロキョロ見渡しています。 
最後は飛び去るために助走開始。 
残念ながら手前の草むらが邪魔で、飛び立つ様子を見届けられませんでした。 
助走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
翼を広げ足を屈めて落枝から水面に飛び降りると、水面を両足跳びで走っています。 
今回の個体は、飛び立つ直前に軽量化の脱糞をしませんでした。 
カワウが居なくなると、重みで水面下に沈んでいた落枝が弾性・浮力で戻りました。 

※ 最後の助走シーンのみ水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2022/09/05

柳の葉から飛んで樹液酒場に辿り着いたコムラサキ♀

 

2022年6月下旬・午後12:15頃・晴れ 

用水路が川の本流に合流する手前の岸に自生する(樹種不詳)の若葉にコムラサキApatura metis substituta)が止まっていました。 
翅を半開きにしたまま日当たりの良い葉表に静止しています。 
柳はコムラサキの食樹ですが、♀の産卵行動でもありません。 
柳の葉の表面(に付着した甘露)を舐めていたら面白いと思って撮り始めたのですけど、私がカメラを向けたら黄色い口吻の伸縮を止めてしまいました。 

レンズをズームアウトしかけたら、急にコムラサキが飛び立ちました。 
コムラサキ♀の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:59〜) 

河畔林の柳の灌木の周りを素早く飛び回ると、同じ柳の幹に着地しました。 
そこは樹液が滲み出す場所の少し上でした。 
翅表の色が地味なので、ようやく♀と判明。 
コムラサキ♀は柳の枝を歩いて降りて樹液酒場に辿り着くと、黄色い口吻を伸ばして吸汁開始。 
現場では樹液の発酵臭(甘酸っぱい芳香)を私の鼻で嗅ぎ取れず、樹液酒場の存在に気づきませんでした。
コムラサキ♀が教え導いてくれた樹液酒場は先客で混み合っていました。 

2022/07/06

境界標で日光浴する越冬明けのヒオドシチョウ

 

2022年4月下旬・午後16:25頃・晴れ 

河原の土手の草地に立てられた古い境界標に越冬明けのヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)が止まっていました。 
本種は成虫で越冬しますから、翅の縁がギザギザに破損しているのは長く厳しい冬を無事に生き延びた証です。 
境界標の側面上部に塗られた赤いペンキが剥げています。 

夕方の西日が当たる境界標の側面で翅を全開にしていました。 
口吻を注意してよく見たのですが、コンクリートの表面を舐めてはいません。 
したがって、ミネラル摂取ではなく、ただの日光浴なのでしょう。  
関連記事(7年前の撮影)▶ 日光浴する越冬明けのヒオドシチョウ
前足で触角をすばやく拭うと(@0:34)、境界標の側面を歩いて登り、境界標の上縁に達しました。 
太陽光に正対するように方向転換したのかと思いきや、蝶の影の面積はさほど減っていません。 

やがて、準備運動なしで急に飛び去りました。 
蝶を怖がらせないように私が動かずに佇んでいると、ヒオドシチョウはしばらく辺りを往復してから、同じ境界標に舞い戻りました。 
もしかすると、縄張り占有行動なのでしょうか? 
飛び立つ直前に別種のチョウなど縄張りへの侵入者(領空侵犯)があったかどうか、撮影に集中していた私は気づきませんでした。 

お気に入りの境界標の側面に今度は下向きで止まりました。 
もう体温が充分に上がった(暑くなった)ようで、翅を閉じてしまいました。 
翅裏は地味ですけど、人工物のコンクリートに対して保護色にはなっていません。
(樹木の幹に止まれば見事な保護色になるはずです。)

フィールドガイド日本のチョウ』でヒオドシチョウについて調べると、
越冬後は、山頂や稜線でよく見られ、♂は見晴らしのよい場所で占有行動をとる。 
【食草】エノキ、ハルニレ(ニレ科)、エゾヤナギ、シロヤナギ、シダレヤナギ(ヤナギ科)など。(p225より引用)
今回の撮影地は平地の川沿いですから、図鑑の記述とは少し違います。 
ヤナギ科の植物もヒオドシチョウ幼虫の食草であることをすっかり忘れていました。 
それなら川沿いで成虫が見られたのも納得です。
関連記事(8年前の撮影)▶ 群れで柳の葉を食すヒオドシチョウの幼虫

境界標の上部は確かに見晴らしの良いポイントなので、ヒオドシチョウ♂が♀を待ち構えている縄張り占有行動なのかな? 
腹部の太さでヒオドシチョウの性別を見分けるそうなのですが、私には自信を持って決められません。 
境界標の近辺に食樹も生えてなければ蜜源植物も咲いてないのに、ヒオドシチョウ♀が飛来するあてはあるのでしょうか?



2022/06/14

初冬に雪面から飛んでも着陸に失敗して暴れるアキアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年12月上旬・午後12:15頃・晴れ 

山麓に少し積もった雪の上で赤トンボの群れが点々と休んでいました。 
初冬に雪が降ってもしばらくは生き残っているのです。 
よく晴れているので、ザラメ雪の上で日光浴しているのでしょう。 
根雪になる前の残雪から草がパッチ状に露出しているのに、赤トンボがわざわざ冷たい雪の上で休むのはなぜでしょう? 
雪面からの反射も利用して体温を効率的に温めているのかな?(雪焼け) 
雪上で翅を深く下げて休んでいる際も頭部をグリグリと動かして上空を油断なく見張っています。 

雪面からときどき自発的に飛び立つものの、低空で短い距離を弱々しく飛ぶだけで、日向の雪面に止まり直します。 
着陸直後の顔を正面から見ると口をモグモグさせているので、空中で何か小さな虫を捕食したのかもしれません。 
アキアカネSympetrum frequens)の♂が多く集まっているようなので、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せしているのでしょうか? 

なぜか雪面への着地に失敗して、仰向けにひっくり返ったまま暴れている個体をよく見かけました。 
トンボは仰向けにひっくり返ると足が地面に届かないので、羽ばたく反動で起き上がるしかありません。 
手助けしてやらなくても、やがて自力で起き上がりました。 

雪面から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:25〜) 
低温でも飛翔筋はなんとか正常に羽ばたいて飛べるのに、足がかじかんで上手く着地できないのかな? 
飛び立ちよりもむしろ雪面への着陸シーンをハイスピード動画に撮りたいところですが、どこに着地するか予想できないのでは無理です。 

寿命が近い老化とか低温障害の症状(低体温症)と考えられますが、実際にどれぐらい寒いのでしょう?
撮影後に気温や雪面の温度を測って記録したフィールドノートを紛失してしまいました。 

晴れた日にザラメ雪の表面はトンボの複眼にはどう見えているのでしょうか? 
光を乱反射して、雪面までの遠近感が分からなくなって着地に失敗するのかもしれません。 
ある種のシャコやトンボにいたっては、数十種類のオプシンを持っているものがいます。彼らにはいったいどんな色が見えているのでしょうか。われわれには想像もつかないような極彩色の世界を見ているかもしれません。(松尾亮太『考えるナメクジ ―人間をしのぐ驚異の脳機能』p57より引用)

きちんと数えた訳ではありませんが、ここで生き残っているアキアカネは♂ばかりで♀が少ない印象です。(圧倒的な嫁不足) 
着地に失敗した♀が雪面で暴れていても、周囲の♂が飛びかかって交尾を挑まないのは不思議です。 

雪面に止まった1匹の♀個体を手掴みで易々と捕獲することができました。 
胸部側面の黒条の先端が尖っているので、アキアカネ♀としっかり同定することが出来ました。 
以下の写真は全てアキアカネ♀。

2022/06/12

食後に雪面を走り回るイオウイロハシリグモ(蜘蛛)

前回の記事:▶ ガガンボを捕食する雪国のイオウイロハシリグモ(蜘蛛)
2021年12月上旬・午後12:30頃・晴れ 

食後のイオウイロハシリグモDolomedes sulfureus)亜成体はクローバーの葉の上に乗って休んでいました。 
横から口元を見ても獲物はもう見えません。 
クモの食事は体外消化で固形物を飲み込むことはありません。 
食べ残したガガンボの残渣があるはずなのに、それを捨てるシーンを見届けられませんでした。 
食後の身繕いも見ていません。 

のんびり日光浴しているクモのすぐ目の前の枯草で微小な虫(トビムシの仲間?)が徘徊しています。
しかし、満腹したクモは飛びかかって狩ろうとしません。 

やがてクモが草の茂みの中をウロウロと徘徊し始めました。 
草の下に潜り込む際に腹部の下面がちらっと見えたのですが、外雌器の有無は確認できませんでした。 
触肢は♀タイプで、時期的におそらく亜成体だと思います。 
黒光りする大顎(牙)が目立ちます。 

遂にイオウイロハシリグモは残雪の上を走り出しました。 
残雪から露出したパッチ状の草地を渡り歩いています。 
草の根際に開いた穴に潜り込んだり雪面にまた出てきたりと、活発に徘徊しています。 
右の第2および第3歩脚が根元から欠損した6本脚の個体でも歩行に支障はありません。 

※ 基本的に映像素材を時系列順に並べただけですが、最後のシーン(@1:38〜)だけは一番始めに(獲物を捕食する前に)この個体を見つけたときの様子です。ついでに追加しておきました。 


2022/03/07

食草の葉表に次々と産卵するスジグロシロチョウ夏型♀

 

2021年8月下旬・午前9:20頃・晴れ  

山麓の沢沿いの湿った山道でスジグロシロチョウの夏型♀(Pieris melete)が産卵していました。 
わだちが水浸しになった山道を低空で飛び回っています。 食草(おそらくアブラナ科)の葉に止まると直ちに腹部を前方に少し曲げ、葉表に産卵しました。 
白い卵を1粒ずつ産みつけています。 
スジグロシロチョウ夏型♀は産卵を続けて疲れたのか、道端で倒伏した植物(草刈りした後)に止まって休みます。 
翅を半開きで日光浴する間に翅表の斑紋からスジグロシロチョウと判明しました。 
しばらくすると、産卵活動を再開しました。 
山道を低空で忙しなく飛び回り、あちこちで食草の葉に触れてチェックすると1粒ずつ産卵して回ります。 

産卵行動で気づいた点としては、 
・食痕がある葉も避けない。(@1:25) 
・必ず葉表に産み付ける。 
シロチョウ類の♀は食草の葉裏に産卵するというイメージを私は持っていたので、その点はとても意外でした。 
関連記事(11年前の撮影@同所:葉裏に産卵)▶ スジグロシロチョウ♀の産卵
今回のように食草が若くて背丈が低い場合は、葉表に産卵するのかな? 
食草の植物に花が咲いていなかったので、種類を同定することができませんでした。 

こんなに目立つ葉表に無防備に産卵して大丈夫なのかと心配になります。 
天敵(捕食者・寄生者)対策は特に何もしていないようですけど、大量の卵をあちこちに分散して産みつける戦略なのでしょう。 
気温の高い真夏は産卵後すぐに孵化するのかもしれません。

食草1株に卵を1個だけ産むのは、孵化した幼虫同士の競合・共倒れを避けるためと思われます。 
かなり若い葉でも気にせず産卵していたのですが、幼虫が食べ尽くして食草不足になったら群落内を自力で移動するのでしょう。

食草ごと卵を採集し、飼育したかったのですが、他にもあれこれ手を広げ過ぎていた私には余力がありませんでした。 

2022/02/02

日光浴後に飛び立つツマグロヒョウモン♂【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年11月上旬・午後12:50頃・晴れ 

河川敷の小径の地面にツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が止まっていました。 
私が近づくと飛んで逃げますが、私が立ち止まったままじっとしていると、ツマグロヒョウモン♂は辺りを往復してからほぼ同じ場所に着陸します。 
縄張りを張って♀を待ち構えているのでしょう。 
(映像はここから。)
翅を全開にして日光浴しています。 
右後翅の肛角付近が破損している個体でした。 
左右非対称の破損なので、鳥に襲われたビークマークではありません。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:16〜) 
全開状態の翅を一度持ち上げてから勢い良く打ち下ろす必要があり、緊急時にはタイムロスになる気がします。

2021/10/17

カノコガ(蛾):朝の日光浴と飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月下旬・午前6:10頃・晴れ 

山麓にある神社の境内で、カノコガAmata fortunei fortunei)が小さな祠のコンクリート基礎部分の北面に止まって朝日を浴びていました。 

少し離れた所で別個体がアキカラマツ(別名タカトグサ) の茎にしがみついていました。 
カノコガはいつも翅を広げたまま止まります。 
アキカラマツの株を手で揺らしても飛んでくれませんでした(映像省略)。 
次は右手の人差し指でカノコガの右翅に軽く触れると、準備運動なしで慌てて飛び立ちました。 
緊急離陸の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画で撮影。(@0:23〜)

関連記事(5、8年前の撮影)▶ 



この日は里山に入山すると、多数のカノコガ個体が林縁を低く飛び回っているのをあちこちで目撃しました。(映像なし)
♂の探雌飛翔ではないかと思うのですが、定かではありません。

2021/09/24

お気に入りの八木式アンテナに止まるモズ♂:地鳴きと飛び立ち(野鳥)

 

2021年7月上旬 

民家の屋根に設置されたままの古い八木式アンテナに同一個体と思われるモズ♂(Lanius bucephalus)がいつも止まっています。 
この辺り(郊外の住宅街)を縄張りとする親鳥♂なのでしょう。 
3日間にわたる観察記録をまとめてみました。 

シーン1:午後12:30頃・晴れ 


午前中からキチキチキチ…♪としつこく鳴き続ける声が聞こえていました。 
止まり木をあちこち移動しながらひたすら鳴いているようです。
私はてっきりモズの警戒声だと思っていたのですが、 この時期は巣立った幼鳥が餌乞いする鳴き声も含まれていると知りました。
関連記事(同じ縄張り内で同時期に撮影) ▶ 餌乞いで鳴く♪モズの幼鳥(野鳥)

昼過ぎにようやく、お気に入りの八木式アンテナに止まって鳴いているモズ♂成鳥(親鳥)を見つけることができました。 
けたたましい高音でキキキキキ…♪と鳴いています。 
しかし私がカメラを向けた途端に気が弱くなり(私を警戒?)、あまり鳴かなくなってしまいました。 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

やがて気まずそうにアンテナから飛び去りました。 
アンテナから飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

シーン2(3日後):午前11:55頃・晴れ 


キチキチキチ…♪と鳴いていたのに、今回も私が撮影を始めたら黙り込んでしまいました。 
嘴を開けたまま周囲をキョロキョロする様子が興味深く思いました。 
どうやら暑さに喘いでいるようです。 
唾液の気化熱で少しでも体温を下げようとしているのでしょう。

シーン3(2日後):午後12:35頃・晴れ 


お気に入りの八木式アンテナ上でキチキチキチ…♪と鳴いていたのに、今回も私がカメラを向けたら鳴き止んでしまいます。 
じっくり撮影するには、ブラインドを張って隠し撮りする必要がありそうです。 
動画ではモズの鳴き声が聞こえますけど、被写体のモズ♂の嘴は全く動いていないので(リップシンクロしてない)、別個体の鳴き声です。 
どこか近くに幼鳥またはつがいのパートナー♀がいるのでしょう。 

アンテナから飛び去ったモズ♂の行き先のひとつは、近くの空き地を見下ろす電線でした。 
縄張りを見張って獲物を待ち伏せしているのかもしれません。 
このときも別個体の鳴き声♪が遠くからかすかに聞こえてきます。 

実は数時間後に、親鳥♂が幼鳥へ給餌するシーンを観察できました。
関連記事(同日に撮影)▶ 電線でモズの幼鳥に巣外給餌する親鳥(野鳥)

近くに営巣木がありそうですけど、発見できていません。 

2021/09/22

日光浴中の体温上昇を抑えるため喉を震わせる夏のカワウ(野鳥)

 

川岸から倒れたニセアカシアの大木が水鳥たちの格好の止まり木になっています。 
定点観察に通うと、暑い夏にカワウPhalacrocorax carbo hanedae)が白い喉をプルプル震わせています。 
これは唾液の気化熱で体を冷やすための行動(体温調節)で、既に動画撮影済みです。 
川で潜水漁をした後のカワウは日光浴して濡れた羽根を乾かす必要があります。
カワウの羽根は他の水鳥に比べて油分が少なく、撥水性が低いので、乾くまでに時間がかかります。
しかしカワウは黒い鳥なので、体温が上がり過ぎないようにしているのです。(熱中症の予防)
この行動を見る度に、私はいつもスズメバチの扇風行動を連想します。
関連記事(1年前の撮影)▶  
喉を震わせて体温を冷やす炎天下のカワウ(野鳥) 
喉をブルブル震わせて体温を冷やす真夏のカワウ(野鳥)
これまで測り忘れていた気温のデータと共に、2回分の映像を今回はまとめました。 
ただし、対岸の撮影地点での気温です。 
カワウが居る倒木上は川面からの照り返しもあり、体感ではもっと暑いのかもしれません。 
未だ観察回数が少ないものの、目安として気温が30℃を超えるとカワウは喉を震わせ始めるようです。
この気温閾値もスズメバチの扇風行動と同じで、興味深く思いました。

シーン1: 2021年7月上旬・午後15:30頃・晴れ・気温30℃ 

いつもの倒木にカワウが1羽だけ止まっていました。 
胸の羽毛に白い斑が混じっているので、換羽中の若鳥のようです。 
キョロキョロと辺りを見回しながら、白く弛んだ喉をプルプルと震わせています。 

シーン2: 2021年7月中旬・17:20頃・晴れ・気温35℃ 

倒木上で2羽のカワウが夕日を浴びていました。 
右に居る成鳥が喉をブルブル震わせて、体温を冷やそうとしています。 
その一方で、倒木の左端に止まった若鳥は念入りに羽繕いを続けています。

2021/08/01

電柱に止まって日光浴するアブ♂【名前を教えて】マルハナバチに擬態?

 

2021年5月下旬・午後17:10頃・晴れ 

ノボリフジ(ルピナス)の花が咲き乱れる大群落の横に立つコンクリート電柱の側面に見慣れないアブ(種名不詳)が止まっていました。 
ルピナスへの訪花シーンを期待したものの、ひたすら日光浴しているだけでした。 
蔦の葉に覆われた電柱のコンクリートが露出した面に静止して夕日を浴びています。 
飛び立つ瞬間をハイスピード動画で記録したかったのですが、失敗しました。 

このアブの名前をご存知の方がいらっしゃいましたら教えて下さい。 
大きく発達した左右の複眼が中央で接していることから、♂のようです。 
触角の根元は白いです。 
過去に出会った虫の中ではチャイロオオイシアブと似てるかな?と思って調べ直すと、どうも違うようです。 
トラマルハナバチにベーツ擬態しているのですかね? 
『札幌の昆虫』という図鑑には「マルハナバチに擬態したハナアブ類」をまとめたページがあるのですけど、これと似た種類は載っていませんでした。

2021/07/29

電柱の側面で日光浴するルリタテハの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月上旬・午後16:40頃・晴れ 

里山の林道で今季初見のルリタテハKaniska canace no-japonicum)と出会いました。 
山道の横に立つコンクリートの電柱に止まり、翅を全開にして日光浴しています。 
いつもは地面にペタッと止まるルリタテハがこのような垂直面に止まって休んでいるのは珍しいと思って撮り始めました。 
しかし後になって落ち着いて考えると、樹液を吸汁するためにルリタテハが木の幹に止まることはありますね。 
関連記事(7〜8年前の撮影)▶ 
今回もコンクリートの表面を舐めてミネラル摂取したかな?と思って映像を見直しても口吻は伸ばしていませんでした。 
やはりただの日光浴でしょう。 
何か小さな昆虫が近くを素早く飛んで横切ると、ルリタテハは反射的に飛び立ち、追いかけて行きました。 
どうやら縄張りの占有行動のようです。 
1/5倍速のスローモーションで飛び立ちをリプレイ。 

蝶道を忙しなく飛び回っていたルリタテハは、しばらくすると砂利道に着陸しました。 
再び翅を全開にして日光浴。 
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:27〜) 

実は山道で黒い蝶同士の激しい空中戦を何度も見かけたものの、動きが激し過ぎて動画に撮れませんでした。

2021/07/26

ミシシッピアカミミガメの甲羅干し:謎のバタ足と欠伸

 

2021年5月中旬・午後15:50頃・晴れ 

池の岩場でミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)が1匹だけ日光浴していました。 
平べったい石の上に乗った亀がなぜか後脚をばたつかせて宙を掻く動きを繰り返しています。 
池から岩場に自分で上陸したはずなので、座礁して石から降りれないのではなく、ただご機嫌に甲羅干ししているのだと思います。 
性別は♀ですかね?(自信なし) 
やがて周囲を見渡しながら欠伸しました。(@1:38) 
本種の欠伸シーンは初見です。

2021/07/08

日光浴の合間に閉じた翅を震わせるアカタテハの謎【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年4月下旬・午後15:50頃・くもり 

里山の尾根道を縄張りとするアカタテハVanessa indica)と出会いました。 
厳しい冬を無事に生き延びた個体です。(アカタテハは成虫越冬) 
尾根道の上を低空飛行で忙しなく往復(いわゆる蝶道)しても、やがて山道に着陸します。 
曇り空ですが、翅を全開に広げて日光浴を始めました。 
地上のアカタテハは口吻を縮めたままで、地面を舐めていませんでした。 
ここまではよく見かける行動ですけど、アカタテハが翅を閉じたときにその翅を細かく震わせていることに気づきました。
関連記事(1〜1.5年前の撮影)▶ 
アカタテハの日光浴

越冬明けのアカタテハ:日光浴と飛翔【HD動画&ハイスピード動画】 

この個体は縄張り占有行動に余念がないので、侵入者(領空侵犯)が飛来したらその途端にスクランブルで飛び立つ必要があります。 
体温が下がらないように飛翔筋の準備運動をしているのでしょう。 
つまり、即時対応でスクランブル発進できるように翅を細かく震わせてスタンバイしているのです。 
気温を測るべきでしたが、残念ながら温度計を持参していませんでした。 
私の体感では全く寒くなく、過ごしやすい春の気温でした。 
わざわざ準備運動が必要なほどの低温ではないと思ったので、アカタテハのシバリングが興味深く思ったのです。 
翅を全開にするとアカタテハのシバリングは必ず止まり、翅をしっかり閉じると再開します。 
暑い夏でも同様のシバリングをするのか、確かめてみるつもりです。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:11〜) 
閉じた翅を震わせながら待機(スタンバイ)していれば、翅を素早く打ち下ろすだけで飛び立つことが可能です。 
しかし翅が全開状態だと、一度翅を閉じてからでないと飛び立てないので、タイムロスが生じます。 

このような昆虫の体温調節行動や準備運動をサーモグラフィカメラで動画に記録してみたいのですが、高嶺の花です。 
近年のコロナ禍でサーモグラフィカメラの需要が一気に高まったので、もっと値段が安くならないかなーと期待しています。

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