2015/01/13

ホシヒメホウジャク(蛾)の停空飛翔【ハイスピード動画】




2014年9月下旬

用水路沿いに生えたアザミ(種名不詳)の花で小型のスズメガが飛び回り吸蜜していました。
ホバリング(停空飛翔)しながら長い口吻を伸ばして吸蜜する様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
ところが夕暮れ時のため、光量不足の厳しい条件です。※

1/8倍速のスローモーションでも羽ばたきは速過ぎて見えませんでした。
後翅の橙色紋だけが目立ちます。
少なくとも2頭が入れ代わり立ち代わり訪花していました。
ときどき出会い頭に軽い空中戦も勃発したのですが、その面白いシーンは撮れませんでした。

同定用にストロボを焚いた写真は上手く撮れ、ホシヒメホウジャクNeogurelca himachala sangaica)と判明しました。

※ 本種成虫は薄明時の数時間しか活動しないらしい。
英語版wikipediaの記述を引用すると

Adults do not fly very much and are active for only a few hours just after day-break and/or at dusk.
薄暗い時の写真撮影はストロボを焚くだけで済みますけど、動画で記録するのは困難な挑戦になります。(強い照明を使うと蛾の自然な行動に影響を及ぼしてしまうでしょう。)



花の名前もしっかり調べたかったのですけど、用水路の対岸の藪に咲いている群落なので、近づいて接写したり採集したりできませんでした。

つづく→HD動画&暗視動画



クロヒカゲの水難事故



2014年9月下旬

稲刈りシーズンとなり、農業用水路は水抜きされていました。
一部に残った溜まり水でキジバトが喉を潤していたようです。
私が気づかずに近づくと、驚いた鳥がバサバサと慌てて飛んで逃げて行きました。(映像なし)
おそらくその急な羽ばたきに煽られたせいだと思うのですが、クロヒカゲLethe diana)が水に落ちてしまいました。
後翅裏面の「くの字」からヒカゲチョウではなくクロヒカゲと判明。
左前翅が破損しているのは野鳥に襲われたビークマークかな?
だとすれば、自慢の眼状紋に自衛の威嚇効果は無かったことになります。
もしかすると先程見かけたキジバトに捕食されそうになり、逃げている途中で水面に緊急不時着したのでしょうか。
翅の鱗粉に撥水性があるため、浮力もあって沈まずに水面で暴れています。
鱗粉が浮いた水面でクロヒカゲが暴れる度に波紋が同心円状に広がります。
自力で岸に辿り着けば助かりそうですが、パニック状態で暴れても体力が消耗するばかりです。
安全対策上、深い用水路の底には下りれないようになっていたので、助けてやることが出来ませんでした。

映像後半は水面が反射して白飛び気味なので、YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。
今思うと、レンズに偏光フィルターを装着すべきでしたね。(せっかく買ったのに未だ使ったことがありません…。)



2015/01/12

モンスズメバチ♀の夜間飛行【暗視映像】



2014年9月中旬


▼前回の記事
涼しくても扇風行動を続けるモンスズメバチ♀の謎

モンスズメバチの巣の定点観察11

暗くなった夜でもクヌギ樹洞の巣に出入りするモンスズメバチVespa crabro flavofasciata)ワーカー♀の飛翔シーンを暗視動画に撮りました。(時刻は18:18 pm)
昼間の撮影では見えなかったのですが、樹洞内に巣盤が少し見えました。

今夜から秘密兵器を投入します。
暗視動画を撮る際の補助照明として、赤外線LED36球の投光機を購入しました。
使ってみると細かいところまで考え抜かれており、さすがポラロイド社の製品だなーと感心し気に入りました。
夜のフィールドで従来よりも遠くまで明るく撮れるようになりました。


つづく→シリーズ#12:涼しい夜も巣口で扇風行動するモンスズメバチ♀【暗視映像】


アカショウマの花蜜を吸うジガバチの一種



2014年7月下旬

林道の道端に咲いたアカショウマの群落でジガバチの一種♀が訪花していました。
吸蜜を終えると花から葉に飛び降り、軽く身繕いしてから飛び去りました。

ジガバチの仲間を同定するには採集して標本を精査しないといけないのですが、捕獲のタイミングを逸して逃げられてしまいました。



『野草見分けのポイント図鑑』p156によれば、

アカショウマの小葉の基部はくさび形、トリアシショウマは心形。




ノシメトンボの連結打空産卵



2014年9月下旬

稲刈りが進行中の田んぼで、尾繋がりのトンボが飛びながら産卵していました。
黄金色の稲穂のすぐ上から連結打空産卵しています。
ハイスピード動画や同定用の写真を撮る前に♀♂ペアは飛び去り、見失ってしまいました。
映像を見る限り、おそらくノシメトンボSympetrum infuscatum)だと思います。
『ヤマケイポケットガイド18:水辺の昆虫』p152でノシメトンボの項目を参照すると、

♀♂が連結。挺水植物の生えているところで打空産卵
とあります。


水抜きされた田んぼに卵を産みつけても孵化できるのか、という疑問が湧きます。
調べてみると、本種は卵で越冬するらしい。
【参考サイト】:保存版 ノシメトンボの見分けと産卵によると、

春まで卵のままで越冬し、春先に水が田んぼに張られると孵化して幼虫になります。



2015/01/11

涼しくても扇風行動を続けるモンスズメバチ♀の謎



2014年9月中旬


▼前回の記事
モンスズメバチ♀門衛2匹が直列で扇風行動

モンスズメバチの巣の定点観察10

23日ぶりの定点観察です。
クヌギ樹洞を覆う被膜の範囲が変わっており、前回よりも巣口が広がっていました。
秋になり外気温が高くないのに(12:40pm頃、気温19℃)、巣口でモンスズメバチVespa crabro flavofasciata)の門衛♀がほぼ常に扇風行動をしています。
この点がいつも不思議でなりません。
樹洞内は熱気が篭っているのでしょうか?(コロニーの呼吸熱や発酵熱など)
モンスズメバチはヨーロッパにも分布する種類ですが、北方系は
高温に弱いのでしょうか?(蜂の子が高温では育たないなど暑がりなのかな?)
温度調節のためというよりも、酸素を取り入れ二酸化炭素を排出するために換気が必要なのかな?
そんなに樹洞内が暑かったり酸欠になったりするのであれば巣口を被膜で塞がずに広げれば良さそうなものですが、巣の防衛との兼ね合いもあるのでしょう。
なんとかして樹洞内に温度計などを突っ込んで測定してみないことには、いくら考えても結論は出ませんね。※

映像では巣口の下で門衛が身を乗り出しながら激しく羽ばたいています。
帰巣するワーカーに押し込まれると翅を休めますが、しばらくすると扇風行動を再開。

つづく→シリーズ#11:夜間飛行【暗視映像】


※【追記】
まず高価な防護服を買わないと、スズメバチの巣に温度計を差し込む危険な作業は無理だろうと諦めていました。
しかし翌年になって、「非接触式 赤外線放射温度計 レーザーポインタ付」なる夢のような商品を通販サイトで見つけました。
値段も手頃ですし、これならモンスズメバチを怒らせずに樹洞内の温度測定ができるかもしれません。





夜のナガコガネグモ【蜘蛛:暗視映像】



2014年8月下旬

農業用水路にナガコガネグモArgiope bruennichi)が網を張っていたので、赤外線の暗視ビデオカメラのテストで夜中に(23:00頃)撮ってみました。
クモは正常円網に占座して獲物がかかるまで動きがありませんが、網の糸や隠れ帯(白帯)もしっかり撮れています。

前回の昼間に見た時とは網を張る角度が変わっていました。
いつか造網行動を観察してみたいものです。


後日の昼間に撮影@9月中旬
全景@9月中旬

野菊の花蜜を吸うメスグロヒョウモン♀



2014年9月下旬

芋煮会シーズンの河原の堤防に咲いた野菊(種名不詳)の群落でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana liane)が訪花していました。
風が吹いて花が揺れてもしがみついて吸蜜を続けています。





2015/01/10

ミズナラ樹液を巡って争うオオスズメバチとモンスズメバチ



2014年9月中旬

里山の雑木林でミズナラの幹の下からモンスズメバチ♀(Vespa crabro flavofasciata)が登って来ました。
上部で樹液を吸汁しているオオスズメバチ♀(Vespa mandarinia japonica)が気づいて向き直り威嚇すると、モンスズメバチは慌てて飛んで逃げました。
この2種は格が違うので、闘争にもなりません。
樹液酒場での種間順位を相撲で例えると横綱と小結の対戦に相当します。


上がオオスズメバチ、下がモンスズメバチ。

ヤマトクロスジヘビトンボを捕まえた!



2014年6月上旬

山麓に建つ神社の境内でヘビトンボの仲間を見つけました。
祠の柱に止まっていたので、指で押さえると難なく捕獲できました。

捕らえようとすると、大顎でかみついてくる。その攻撃的な姿はまるでヘビが鎌首をもたげるよう。(ヤマケイポケットガイド18『水辺の昆虫』p220より)


このとき実際に手を噛まれたかどうか、覚えていません。
(覚えていないということは噛まれていない気がしますけど、映像では噛まれたので慌てて離したようにも見えます。)
離してやると神社の軒先を元気に飛び去りました。
どうせなら飛び立ちをハイスピード動画で撮ればよかったですね。

帰ってから調べてみると、いわゆるヘビトンボという種類ではなく、ヤマトクロスジヘビトンボParachauliodes japonicus)のようです。
タイリククロスジヘビトンボとの相違点は翅脈で見分けるらしい。



アザミ?の花蜜を吸うクロマルハナバチ♀



2014年9月中旬

山裾スギ林縁の草むらに咲いたタムラソウと思しき花でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が吸蜜していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。

この花の名前は何でしょう?
タムラソウでもなさそうですね。
葉の形は一般的なアザミっぽくありません。
アザミの仲間ということにしておきます。



2015/01/09

駆除により再度引っ越したキイロスズメバチ移動巣(第三次巣)

2014年9月中旬
▼前回の記事
巣口周りの外被を増築するキイロスズメバチ♀

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#13

定点観察の間隔がかなり開いてしまいました。
ようやく3週間(23日)ぶりに様子を見に行くと、東屋の天井裏にあったキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣は綺麗さっぱり駆除されていました。(嘆息)
せっかく移動巣(第二次巣)を見つけたのに営巣活動を最後まで見届けられず、無念でなりません。
場所が場所だけに、巣が誰かに見つかって駆除されるのは時間の問題でした。
だから、このチャンスを少しでも活かそうと集中的に頑張って観察してきました。
スズメバチにとって最凶の天敵はヒトに他なりません。
言いたいことは山ほどあるのですけど、現代日本でスズメバチの肩をもつのはごく少数派で危険思想になるのでしょうね…。
人通りが少ない山道とは言え公共の施設ですし自分の所有する山ではないので、舌打ちして泣き寝入りするしかありません。



巣盤の欠片が落ちていました。
一段しか巣盤が作られていなかったのか、残りは駆除の業者が持ち帰ったのか不明です。
育房内に蜂の子が見当たらなかったのも謎です。



余談ですが、オオハキリバチの死骸が床に転がっていました。
(キイロスズメバチの死骸は見当たらず。)
実は同じ東屋で建材の節穴に借坑性のオオハキリバチが例年営巣していたのです。
ヒトを刺したりしない穏やかで無害な蜂なのに、キイロスズメバチ駆除のとばっちりを受けたようです。
地面を徘徊するクロオオアリにとって虫の死骸はご馳走のはずなのに、死んだオオハキリバチには全く見向きもせず放置していました。
駆除に使われた殺虫剤が残留しているのかと思うと、暗澹たる気分になります。
※ オオハキリバチは樹脂を巣材に使いますから、死骸の表面に残った樹脂がアリ避け(忌避剤)になっている可能性もアリますね。



閑話休題。
興味深いのはここからです。
呆然と私が立ち尽くしていると、殺戮を免れたキイロスズメバチの残党が同じ東屋内で元の巣から数m離れた天井裏に再営巣していることに気づきました。
天井板(幅14.5cm)に開いた穴の奥にワーカー♀が出入りしています。
元々はクマバチやオオハキリバチが穿坑した穴だと思われます。
穴の縁がギザギザなのは、キイロスズメバチが通れるように板を噛んで拡張したのかもしれません。
(後日、巣口の直径を採寸するとXcm。)
今度は開放空間に巣を吊り下げるのではなく、危険を学習して安全な閉鎖空間に移動巣(第三次巣)を作り始めたのであれば、スズメバチも健気というか逞しいですね。
巣を完全に破壊されたのに、ヒト全般に対して復讐心を抱いて私を刺しに攻撃してくることもありませんでした。
駆除から日数が経てば忘れてしまうのでしょう。
全く別のコロニーが新たに引っ越してきた可能性もありますけど、だとすれば開放空間に営巣するはずです。
(梁に残留する殺虫剤を嫌ったのでは?と再反論されそうですが、第三次巣という解釈が最も自然でしょう。)
それにしても、観察間隔が開いてしまったことが悔やまれます。
駆除された時期はいつなのだろう?

カメラのレンズをズームしても穴の奥は暗くて見えません。
コロニーの規模(蜂の数)が激減しているようで、板の裏で活動している気配を感じられませんでした。
ファイバースコープが欲しいところです。
軒下を飛び回るだけでなかなか帰巣しない個体も結構いました。

もし女王蜂が殺されていたとしても、残ったワーカー♀だけで営巣を続け産卵することが可能です(働蜂産卵)。
ただしワーカーは交尾していないため、雄蜂(♂)しか生まれてきません。
それでも次世代に遺伝子を残す道が残されています。
(参考:『スズメバチの科学』p28)

板の裏に隠れ巣の発展が見えなくなったのでは観察に通っても面白くありません。
その後は第三次巣に面白い展開は特に見られず、雄蜂が羽化する前にコロニーは尻すぼみに衰退してしまいました。
(穴に出入りする蜂が次第に居なくなった。)
スズメバチの習性を熟知した優秀な駆除業者の手で、残党も殺虫剤処理でとどめを刺されたのかもしれません。

アフターケアも万全!(皮肉)

シリーズ完。



※【追記】
『都市のスズメバチ』p23によると、キイロスズメバチは
 働きバチの羽化後営巣空間が狭くなると、7月〜8月により広い場所を求めて引っ越しをする習性がある。 働きバチは全ての幼虫が羽化するまで(引越し後1ヶ月ほど)は新巣と旧巣の間を行き来して子育てを行う。
 そのため、この時期に引越し先の巣を駆除すると、元の巣から飛来した働きバチによって、何度も巣が再建されることがあるので注意が必要である。


飛べ!シロスジベッコウハナアブ【ハイスピード動画】



2014年9月上旬

雑木林の山道脇でドクダミの葉にシロスジベッコウハナアブ♀(Volucella pellucens tabanoides)が止まっていました。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

複眼がよく見えないアングルのため、性別不明です。
手元の図鑑『札幌の昆虫』p209と見比べると、胸部が明るい褐色なので♀と言っても良いかな?
この特徴は専門的なサイトの標本写真でも一応成り立っています。


川で魚捕りするアオサギ幼鳥(野鳥)



2014年9月下旬

街中を流れる川が合流する地点の堰でアオサギArdea cinerea jouyi)を見つけました。
橋の袂からこっそり近づくも隠し撮りに失敗し、上流へ少し飛んで逃げられました。
追いかけて撮影開始。

体格が小柄で全身が灰色っぽく、嘴が黒っぽいので、幼鳥と判明。
頭に黒い冠羽が生えかけている?
【参考】:アオサギの成鳥と幼鳥

アオサギ幼鳥は浅い川をゆっくり遡行し、小魚を捕食しました(@0:25)。
その後も歩き続け、岸辺の草むら(芦原?)に隠れました。

こちらも堤防沿いに近づくと、横を向いていたアオサギが警戒して急に羽ばたき上流へ飛び立ちました。
高度を上げると旋回して住宅街に姿を消しました。





2015/01/08

巣口周りの外被を増築するキイロスズメバチ♀



2014年8月下旬
▼前回の記事
キイロスズメバチ♀の巣作り【微速度撮影】

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#12

微速度撮影に引き続いてリアルタイムで(通常のHD動画)キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)ワーカー♀の造巣行動を撮ってみました。
真下から見上げたアングルです。
巣内から出てきた1匹が巣材を薄く伸ばして作る新しい外被が巣口を螺旋状に取り巻いています。

面白がって撮りまくった結果、似たような動画ばかり続けて載せてしまいました。
ブログを見ている人は退屈かもしれませんね。
真社会性蜂の行動は一々理に適っていて、なるほど上手いこと巣作りするもんだなーと感嘆するばかりです。
造巣行動の記録は、これで終わりです。
残念ながら帝国の繁栄は儚いものでした。
最大最悪の天敵とは…。

つづく→シリーズ#13:駆除により再度引っ越したキイロスズメバチ移動巣(第三次巣)



交尾中のオオヒラタシデムシ♂は♀の触角を噛む性癖がある



2014年9月下旬

川沿いの遊歩道でミミズの死骸にオオヒラタシデムシNecrophila japonica)が群がっていました。
橋の下に近く、小径の両側はニセアカシアなどの河畔林でした。
死骸を覆い隠していたクズの葉を撮影のために取り除いたら、一部のオオヒラタシデムシが慌てて逃げ出しました。
ミミズの死骸は喰い千切られ、内臓が露出しています。

食事中の♀に♂が背後からマウントしています。
交尾器の結合状態はよく見えません。(交尾後ガードの可能性もあります。)
♀は頻りに脚を動かして、マウントする♂を払い除けるような仕草をしました。
交尾中のペアを接写してみると、♀の左触角を♂が噛んで引っ張りながらマウントしていることが分かりました。
この性癖は本に書いてある通りでした。

▼関連記事
クロボシヒラタシデムシ♂は交尾中♀の触角を噛む性癖がある

『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p103によると、

シデムシ亜科の多くは、交尾をするとき、♂が♀の背中に乗り、大顎で♀の触角の左右一方を掴む。そして♂は交尾がすんだ後も触角を捕らえたまま♀の背中に乗っていることがあり、時に産卵がすむまで放さず、ほかの♂を寄せつけないこともある。


色気より食い気の♀は構わずに食事を続けます。
別個体が死んだミミズのご馳走をめがけて交尾中の♀の腹の下に潜り込んできたせいで、♀が転倒してしまいました。
先程逃げた個体が次第に戻ってきた結果、計4匹が死骸に密集しています。
あぶれた独り身の2匹は交尾干渉するでもなく、食餌に夢中です。
形態による性別判定法を知りませんが、おそらく♀なのでしょう。

『山渓フィールドブックス13甲虫』p37によると、本種の生活史は

オオヒラタシデムシも年1世代で、越冬した成虫が4月から7月にかけて現れ、土中に1個ずつ卵を産みつける。孵化した幼虫は腐敗動物質を食べて8月末頃までに成虫になる。



2015/01/07

キイロスズメバチ♀の巣作り【微速度撮影】



2014年8月下旬
▼前回の記事
成長したキイロスズメバチの移動巣

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#11

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の移動巣(第二次巣)が引き続き拡張されていく様子を真下から見上げるアングルで微速度撮影してみました。
50倍速の早回し映像をご覧下さい。

巣口を取り巻くように新しい外被を下に伸ばしています。
巣の上部でも外被を増築しているようですがが、下からは見えません。
巣の入り口で門衛と栄養交換する個体や、外被ポケットに潜り込んでいる(サボっている?)個体もいます。

この間、肉団子を搬入する個体は依然として確認できませんでした。(未だ幼虫が孵化していないのかな?)
また、この日も巣口での扇風行動が見られませんでした。

【おまけの映像】
微速度撮影の動画を見て心地良く感じる早回し速度の好みは皆さんそれぞれ違うと思います。



折角なので、少し遅い30倍速映像↑もブログ限定で公開しておきます。



こちら↑はオリジナルの10倍速映像です。

つづく→シリーズ#12:巣作り【リアルタイム】


アキノノゲシの花蜜を吸うヒメハナバチの一種?



2014年8月下旬

郊外の道端の草むらに咲いたアキノノゲシの群落で見慣れないハナバチが訪花していました。
映像冒頭で飛来した個体と小競り合いのような行動が見られました。
♂が求愛しに来たのか、喧嘩なのか、不明です。
1/4倍速のスローモーションでリプレイしても、ハイスピード動画でないとよく分かりませんね。
花に残った蜂は少し身繕いしてから飛び去りました。

映像の後半は結構離れた場所で見つけた、おそらく同種の蜂です。
2匹がアキノノゲシの同じ花で仲良く吸蜜していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
もしかすると♂なのかもしれません。

素人目にはコハナバチ科よりも大きいのでヒメハナバチ科の一種だと思うのですが、翅脈を調べたくても採集に失敗してしまい残念。



2015/01/06

成長したキイロスズメバチの移動巣



2014年8月下旬


▼前回の記事
巣に離着陸するキイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#10

前回の定点観察から5日後に再訪すると、キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の移動巣(第二次巣)の外被作りは一段落した様子。
予想した程は大きくなっていませんでした。
動画に撮りながら巣の回りを一周して、360°の全体像を記録してみました。
(かなりアナログで原始的なパノラマ撮影です。)
東屋(六角堂)内のベンチや柱に躓いたりぶつかったりすると天井裏の巣に振動・衝撃を与えキイロスズメバチを怒らせてしまうので危険です。
慎重にゆっくり動けば刺されることはありません。
外被の鱗模様が惚れ惚れするほど美しいですね。
ちなみに巣の大きさを比較する対象として、巣が吊り下げられた天井の梁(太い角材)の幅は11.5cm、天井板の幅は14.5cm。
外被の直径を比で求めると、10.1cmと算出されました。
多少の誤差はあるかと思いますが、6日間で7.5cmから10.1cmに成長したことになります。

つづく→シリーズ#11:造巣の微速度撮影



ミズナラ樹液を巡って争うオオスズメバチとチャイロスズメバチ【占有行動】



2014年9月中旬

里山の雑木林で樹液が滲むミズナラの幹の上からオオスズメバチ♀(Vespa mandarinia japonica)が歩いて降りて来ました。
途中で立ち止まると、しばし身繕い。
下部の樹液酒場で吸汁していたチャイロスズメバチ♀(Vespa dybowskii)を一蹴し追い払いました。
樹液酒場を占有したオオスズメバチは吸汁を始めるも、なぜか長居せずに飛び去りました。
「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」というジャイアンみたいですね。
ちなみにこの2種はスズメバチ属(Vespa)の中で最強の上位2種です。

『スズメバチの科学』p97によれば、

同所性のスズメバチ属6種の生息する地域で樹液孔における種間順位は、おおむねオオスズメバチチャイロスズメバチ、モンスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ、キイロスズメバチの順である。




2015/01/05

巣に離着陸するキイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】



2014年8月中旬
▼前回の記事
キイロスズメバチ♀の巣作り

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#9

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣に出入りする外役ワーカー♀の飛翔シーン(離着陸)を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
巣材を運んで帰巣する蜂の姿が撮れています。
その一方、肉団子を搬入する個体を見なかったのはおそらく、未だ巣を引っ越したばかりで給餌すべき幼虫が孵化していないのでしょう。

午前中(8時過ぎ)の撮影で東屋の天井裏は未だ光量不足のため画質が粗く、蜂の羽ばたきがぼやけてしまいました。
カメラの設定で明るさのゲインを上げても、羽ばたきをきれいなスローモーションに撮れず不満が残ります。


ここまでが移動巣を見つけてから2日目の観察記録です。

つづく→シリーズ#10:成長した巣(全景一周)


ヤマハッカ?の花蜜を吸うニホンミツバチ♀



2014年9月中旬

里山に咲いたヤマハッカ?(自信なし)の群落でニホンミツバチ(Apis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。


この花はアキノタムラソウですかね?(当てずっぽう)



2015/01/04

キイロスズメバチ♀の巣作り



2014年8月中旬
▼前回の記事
日の出と共に巣作りを始めるキイロスズメバチ♀【暗視映像】

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#8

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の移動巣(第二次巣)の建築作業が続いています。
(撮影開始時刻は8:38 am。)
帰巣したばかりのワーカーが巣口の横で巣材を噛みほぐし唾液とパルプを混ぜ合わせています。
巣口は外被の一番下に開口しています。
そのすぐ横まで伸びた新しい層の外被作りを担当するようです。

この個体に注目してズームインしてみました。
尻すぼみになった外被ポケットの縁に巣材を大顎で薄く伸ばしながら器用に付け足していきます。

後退しながら外被の伸長作業を進めます。
巣材を使い切った♀は巣の外被をウロウロと歩き回っています。

その間、常に門衛が巣口の中から外界を見張っています。
巣口は1匹の蜂しか通れないぐらい狭く、2匹がすれ違うことは出来ません。

つづく→シリーズ#9:巣に離着陸する蜂のハイスピード動画


オオハナアブ♀の化粧



2014年7月下旬

オオハナアブ♀(Phytomia zonata)が葉に乗って身繕いしていました。
前脚で頭部を拭い、中脚では胸背と腹背を拭っています。

やれうつな虻が手をすり足をする



ミズナラの樹液を吸いつつ排泄するオオスズメバチ♀



2014年9月中旬

里山の雑木林でミズナラの幹にオオスズメバチVespa mandarinia japonica)のワーカー♀が止まり、白く泡立つ樹液を一心不乱に舐めていました。
吸汁しながら透明な液体を腹端からピュッと勢い良く排泄しました。(@0:25)
排便シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
スズメバチは成虫になると固形物を摂取しない(出来ない)ので、排泄物はおしっこのような液状です。





2015/01/03

日の出と共に巣作りを始めるキイロスズメバチ♀【暗視映像】



2014年8月中旬
▼前回の記事
深夜に総員臨戦態勢で巣を守るキイロスズメバチ【暗視映像】

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#7

夜が明けて次第に明るくなると、日の出前からキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が待ちかねたように外役活動を始めました。
外は明るくても東屋の天井裏を通常のカメラで撮るには未だ薄暗いので、赤外線の暗視ビデオカメラで撮りました。
照度計が欲しいなー。
ちなみに国立天文台のサイト(こよみの計算)よると、日の出時刻は4:59 amでした。
5:00を過ぎると数匹の蜂が飛んで巣に出入りし、前日の続きで外被の増築作業をせっせと始めていました。

つづく→シリーズ#8:造巣行動



屋根に片足立ちで佇むアオサギ(野鳥)



2014年9月下旬

街中を流れる川沿いに建つ民家の屋根に大きなアオサギArdea cinerea jouyi)の成鳥が一羽佇んでいました。
屋根に止まる姿は初見です。
冠羽が無いのは非繁殖期だから?
川をじっと見下ろしているので、てっきり魚影を探しているのかと思いしばらく粘って観察してみました。
おそらくただの休息らしいと分かってきました。
西日を浴びて黄昏れています。
のんびりと羽繕いを始めました。(@0:28〜)
嘴で首の根元を掻くように撫で付けています。
次に翼の付け根を嘴で羽繕いしています。
左足の爪で首を掻いています。(@2:09)

屋根の縁まで歩いて移動しました。
川面を見下ろすも、予想に反して飛んでくれません。
なんとも哀愁のある立ち姿です。
空を飛んでいるトンボには見向きもくれません。
やがてリラックスすると片足を上げた姿勢になりました。(@3:38)
フラミンゴの一本足を連想しましたが、疲れた筋肉を片足ずつ休ませているのでしょうか。
トタン屋根が西日で熱いのであれば、もっと頻繁に足を踏み変えるはずです。

首をすくめていたアオサギが片足立ちのまま急に首を伸ばして遠くを眺めました。
何事もなかったようで再び首をすくめた姿勢に戻ります。
長撮りに疲れた私が川の対岸を歩いて少しずつ近づくと、警戒したアオサギは屋根を歩いて死角に隠れてしまいました。
更にしつこく対岸を歩いて回り込み、撮影続行。
夕陽を浴びたアオサギの横顔が美しいですね。
急に身を屈めると飛び立ち、下流方向へ飛び去りました。
飛びながら腹立たし気にグワーッ♪と一声鳴きました。
近くの鎮守の森のスギの梢に着陸しました。
枝葉に隠れて姿は見えませんが、ここを夜の塒とするのでしょうか。



アオサギの鳴き声を声紋解析してみる
いつものようにオリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから鳴いている部分を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
やや遠いせいか、低周波成分の多い不鮮明な声紋ですね。



ミズナラ樹液の分泌と泡立ち♪



2014年9月中旬

今季、里山の雑木林で定点観察に通っているミズナラの樹液酒場です。
なぜか樹皮が焼け焦げた状態の立木です。
白く泡立つ樹液が発酵し、甘い芳香を放っていました。(発泡酒!)
樹皮の穴からプスプス♪と音を立てて樹液が滲み出ています。
いつも様々な昆虫が吸汁に訪れているのですが(千客万来)、客足が途切れたときを狙って動画に撮影しました。


2015/01/02

深夜に総員臨戦態勢で巣を守るキイロスズメバチ【暗視映像】



2014年8月中旬
▼前回の記事
夜も巣口で警戒するキイロスズメバチの門衛♀【暗視映像】

キイロスズメバチ移動巣の定点観察#6

ついでに夜の雑木林で樹液酒場を巡回したりして少し疲れたので、キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣の近くで仮眠をとりました。
すると深夜(23:49 pm)に、外被上を多数のワーカー♀がガサガサと走り回る激しい物音で目が醒めました。
昼間に観察した総員臨戦態勢が夜中にまた発動したようです。
一体何に対して警戒しているのか、警報フェロモンを発したきっかけは不明です。
たとえばアリや寄生昆虫が巣に侵入したのかもしれませんし、あるいは蛾など夜行性の虫が飛来して巣にコツンとぶつかったのかもしれません。

ワーカー総出で外被の上を闇雲に駆け回っています。
キイロスズメバチ♀の震わせている翅が外被に触れて羽音がビリビリと響きます。
撮影を始めた頃にはどうやら騒ぎは下火になりつつあるようで、蜂は巣内に続々と戻っています。
作りかけの外被ポケットに頭を突っ込んで静止している個体もいます。
ただし昼間の臨戦態勢と違う点として、巣の周囲を飛び回る個体はいませんでした。
夜行性のモンスズメバチとは異なり、キイロスズメバチは暗いと飛べないようです。

防護服が無いとさすがに怖くてあまり近づけず、ビデオカメラの赤外線が巣に充分に届かず暗い映像ですね。

追加の赤外線投光機が欲しくなりました。
(※ その後、YouTubeの動画編集で自動色調補正を施したら画面の暗さが改善されました。)

警戒レベルが最大の時に通常の照明(白色光)を点灯するとキイロスズメバチが光を目掛けて飛びかかってくるのか、
興味があるところです。
しかし、防護服を着用しないとそんな自殺行為のような実験はできません。

ここまでが移動巣(第二次巣)を見つけた初日の観察記録です。

つづく→シリーズ#7:日の出と共に造巣


ラベンダーを訪花するクロマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2014年7月中旬

川沿いの花壇に咲いたラベンダーの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。。

花から花へ飛び立つ瞬間を狙って、後半は240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(@1:00〜)
複数個体を撮影。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けて運んでいる個体もいれば空荷の個体もいます。



クスサン♂(蛾)眼状紋による威嚇【暗視映像】



2014年9月中旬

郊外の大通りで夜(20:54 pm)、クスサン♂(Saturnia japonica japonica)が街灯下の歩道に止まっていました。
触角が羽毛状なので性別は♂です。
赤外線の暗視ビデオカメラで撮りながら翅に触れると、後翅を広げて眼状紋を見せ威嚇します。
しつこく触って刺激を続けると羽ばたいて暴れるも、大型の蛾は気温が低いとすぐには飛び立てません。
準備運動で体温を充分に上げてからでないと飛び上がれないのです。

すぐには逃げられないため眼状紋による威嚇を発達させたのではないかな?
それとも逆に、眼状紋による自衛が有効であったために大型化が進んだのかな?



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