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2024/01/09

タヌキの溜め糞場に集まって婚活するクロボシヒラタシデムシ♀♂

 

2023年5月上旬・午後15:05頃・晴れ 

平地でスギ防風林を通り抜ける獣道の途中にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が長年使っている大きな溜め糞場wbcがあります。 
定点観察に来ると、新鮮な糞が追加されていました。 

未消化の獣毛が大量に混じった糞が気になります。 
タヌキが野ネズミなど哺乳類の獲物を狩って捕食したのでしょうか? 
死骸を食べたのかな?(腐肉食) 
あるいは、季節の変わり目でどんどん抜け落ちる冬毛を自分で毛繕いする際に誤飲してしまったのかもしれません。 
糞分析の専門家は、体毛だけでも顕微鏡で調べることで種類を見分けられるのだそうです。 
糞虫の中には、糞そのものというよりも糞やペレットに含まれる獣毛や羽毛を専門に食べる種類がいるらしいですけど、見慣れない糞虫は来ていませんでした。

糞に含まれる紫色の人工物の破片は、人家から盗んできた長靴を噛んだ際に誤飲したのでしょう。 
野生タヌキの行動圏を解明するために、マーキングしたプラスチック片を仕込んだ餌を与えて各地の溜め糞場で回収されるかどうか調べるマーキング実験を連想しました。 

タヌキの溜め糞にクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫が群がっていました。 
これほど多数の群れを見たのは初めてかもしれません。 
マウントした♂を背負いながら♀が歩き回っています。 
クロボシヒラタシデムシのあぶれ♂が交尾相手の♀を求めて忙しなく動き回り、互いにマウントし合っています。 
誤認求愛に気づくとあっさり離れるのですが、鳴き声(リリースコール♪)を発している訳でもありませんし、交尾拒否の合図がよく分かりません。 

赤っぽいダニ(種名不詳)がクロボシヒラタシデムシの体表を徘徊していました。 
他にはハエ類とカメムシがタヌキの溜め糞に集まっていました。 

2023/12/27

ハルジオンの花で後食するアカムネハナカミキリ

 

2023年5月中旬・午後15:00頃・晴れ 

川沿いの土手に咲いたハルジオンの群落で見慣れないカミキリムシが訪花していました。 
花粉や花蜜を食べているようです。(後食行動) 
後半は細い舌状花の花弁に付着した花粉を舐め取りました。 
風揺れが酷いため、ハルジオン頭花の茎を左手で押さえながら動画に撮りました。 
太陽を背にして撮影を始めてしまったので、カメラの影が被写体にかぶらないように苦労しました。 

私が手を離したら、飛び去って見失いました。 
飛翔シーンを撮り損ねたのが残念です。 

家に帰ってから図鑑で調べてみると、おそらくアカムネハナカミキリMacropidonia ruficollis)だろうと判明。 
他に候補となったホタルカミキリは触角がもっと短いですし、外来種で近年問題になっているクビアカツヤカミキリは鞘翅がもっと黒光りしているはずです。 
ところが、アカムネハナカミキリはかなり珍しい種類なのだそうです。
山地に生息するが、生息地は極限られ、確実に見られるのは長野県の1ヶ所のみという珍しいカミキリムシ。(「とある虫屋のむし写し」サイトより引用)
撮影現場は平地の川沿いですし、食樹のクロツバラという植物を私は全く知りませんでした。 
近くの河畔林で最近になってニセアカシアを大量に伐採したので、それに誘引されたのかな?と想像してみたのですが、見当違いだったようです。 
他にはノイバラの藪が生えていますが、そもそもクロツバラはバラ科ではなくクロウメモドキ科に属するらしい。 
山形県にアカムネハナカミキリは生息しないのかと心配になってネット検索してみると、山形県立博物館に標本が収蔵されていることが分かりました。 
胸部のきれいな赤色が死後は退色してしまうようです。 
県のレッドデータブックには絶滅危惧種として登録されていません。
今思うと、採集すればよかったですね。

鈴木知之『新カミキリムシハンドブック』でアカムネハナカミキリについて調べると、
ヤマボウシやノリウツギの花上で得られた記録はあるが、通常、花には集まらない(飼育下ではクロツバラの花粉をよく食べた)。(p33より引用)
今回ハルジオンの花粉を食べたのは、珍しい後食行動だったのかもしれません。

2023/12/26

ゴマダラカミキリばらばら死体の謎

2022年8月中旬

里山の尾根道でゴマダラカミキリAnoplophora malasiaca)の死骸が転がっていました。
頭部、胸部、腹部とバラバラにされた部位が点々と散らばっています。
鞘翅を開げたまま死んでいるのも不思議です。
復元すればほぼ全身が残っているので、野鳥や野生動物が捕食した食べ残しにしては変です。
自然死した死骸がアリによって解体されて巣に運ばれる途中なのでしょうか?
アリの大群は居なかったものの、写真をよく見直すと、頭部の死骸に2匹の黒アリ(種名不詳)が写っていました。
(右触角の先と大顎の下)

2023/10/31

飛べ!カメノコテントウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月中旬・午後13:10頃・晴れ

ノイバラなどの下草が生え始めた春の川岸で、カメノコテントウAiolocaria hexaspilota)がせかせかと歩き回っていました。 
前胸部右側の白い部分に、自分が分泌した赤い体液が付着した個体でした。 
少しでも高い場所によじ登り、足場が良ければ、翅をパカッと開げて飛び立ちます。 
しかしなぜか飛行が下手糞で、遠くまで飛べずにすぐ地面に落ちてしまいます。 
それでもめげずに何度も離陸を繰り返していました。 

飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:26〜) 
離陸直後に隣の葉に翅が接触して、地表に墜落することもありました。 

関連記事(12年前の撮影:220fps)▶ カメノコテントウの飛び立ち(ハイスピード動画)
カメノコテントウは成虫で集団越冬します。 
越冬明けのカメノコテントウがどうしてここに居たのでしょう?
不思議に思って辺りを見回すと、すぐ近くにオニグルミの木が自生していて、若葉が開き始めていました。 
肉食性のカメノコテントウはクルミハムシの幼虫が大好物ですから、納得しました。

2023/10/25

春の池で水面を高速遊泳するミズスマシの群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月上旬・午後14:20頃・晴れ 

里山の池でヤマアカガエル卵塊の定点観察に来たら、小さい方の池でミズスマシの仲間が水面をくるくると高速遊泳していました。 
越冬明けの成虫が春の池で活動を始めたのでしょう。
水生昆虫に疎い私は、生きたミズスマシを見るのが生まれて初めてで、感激しました。 
(子供の頃に見ているかもしれませんが、記憶にありません。) 
山からの雪解け水が溜まるこの池には、前年に生えたガマの群落が枯れたまま残っています。 
この池は完全な止水ではなく、やや流れがあります。 
隣りにある大きな池からチョロチョロと水が流れ込んでいるのです。 

ミズスマシは水面を滑らかに回ったり八の字を描いたり蛇行したり、休み無く高速で遊泳しています。 
多数のミズスマシが水面で群れる性質があるらしいのですが、この池では2〜3匹しか居ませんでした。
水面で2匹のミズスマシがたまにニアミスしたときに何が起きているのか気になったので、240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@4:35〜) 
仲間を獲物と誤認してしまうのでしょうか? 
それとも水面に自分の縄張りがあるのかな?(縄張り争い)

スーパースローで見ると、スクリューの回転のような持続的な推進力ではなく、ミズスマシの泳ぎは足で掻いて断続的に進んでいるようです。 
右回りから左回りに移行する際に8の字を描きます。

たまに爆発的にダッシュすることがあり、大きな波紋が広がります。 
しかし水面の獲物を目がけて突進する訳ではなく、目的が分かりません。 
獲物(候補)を探査するために意図的に波紋を出しているのですかね? 
潜水艦がソナーでピン音(ping)を打つ様とか、コウモリのエコロケーションを連想しました。 

池の底では黒いオタマジャクシ(ヤマアカガエルの幼生)がときどき身をくねらせて泳いでいます。 
しかし水面のミズスマシは水中に潜ってオタマジャクシを狩ることはありませんでした。 
次は捕食シーンを観察してみたいものです。 
今回は現場で手頃な生き餌を調達できませんでしたが、適当なゴミや虫を水面に落とすとミズスマシは反応するでしょうか? 
捕食中は遊泳を止めて獲物に群がるのかな? 

小さな泡やゴミ(浮遊物)が水面をゆっくり流れてくると、ミズスマシは興味を示して近づいてきます。
しかし獲物ではないと知ると、離れて行きました。


2匹のミズスマシが水面でニアミスしても激しい喧嘩や共食いにはならず、すぐに離れました。 
ニアミスする直前にピンを打っている(大きな波紋を立てている)ような気もしますが、定かではありません。
そもそも自分の出したピンが反射した波紋と相手の発したピンを区別できるのでしょうか?

 ヤマケイポケットガイド18『水辺の昆虫』に載っていたオオミズスマシの解説によると、
中・後ろあしをスクリューのように回転させて、ぐるぐる回るように泳ぐ。ぐるぐる回っているのはえさを捕まえるためと、上空の鳥と水中の魚から身を守るため。 前あしは遊泳用ではなく、水草につかまるために発達した。 
越冬形態:成虫  
ぐるぐる回ってできる波で、獲物や障害物の位置を知ることができる。

 ミズスマシの仲間は、水面の位置を堺にして複眼が上下に分かれている。この上下2対の目で、水中と空中とを同時に見ることができる。(p266-267より引用)


遊泳中にミズスマシはお尻から オナラのように泡を出して、それを腹端に付けたまま泳ぎ回っています。

泳ぐ際に水の抵抗で邪魔になりそうですけど、水中の酸素とガス交換しているのかな? 


※ 動画の順番を適当に入れ替えました。
動画ばかり夢中で撮ってしまい、同定用のストロボ写真を撮り忘れてしまいました。
高速旋回するミズスマシにきちんとピントを合わせるのは至難の業です。
ミズスマシをしっかり同定するには、網を持参して採集する必要がありそうです。

後半のハイスピード動画が長過ぎて冗長(退屈)かもしれません。 
初めての観察で嬉しくなった私は長撮りを繰り返したものの、編集でカットするには惜しくなってしまいました。 
面白いシーンはなるべく前半にお見せするように編集しました。 
ミズスマシが水面に描く軌跡をトレースしたら、各個体の縄張りが見えてくるかもしれません。 

2023/09/09

雪解け水の貯まった早春の池で水中を泳ぐクロゲンゴロウ?

 

2023年3月上旬・午後14:55頃・晴れ 

里山の雪がようやく溶け始め、山腹の池がようやく姿を現しました。 
残雪の雪解け水が貯まった池の水は冷たそうです。 
ヤマアカガエルの繁殖期が始まり、第一陣の♀が産み付けた卵塊が岸辺にありました。 
水面にはマツモムシが背泳ぎしています。 
それらは毎年早春に見られる風物詩ですが、今回は嬉しい初物との出会いがありました。 
池の水中を大型の黒い甲虫が泳いでいたのです。 

後脚で水を掻き、水面下をスイスイ泳いでいます。 
いわゆる普通のゲンゴロウにしては、鞘翅の黄色い縁取りがありません。 
おそらくクロゲンゴロウCybister brevis)ではないかと思うのですが、どうでしょうか。 

釣りをしない私は水生昆虫に疎く、生きたゲンゴロウを見たのは生まれて初めてでした。 
こんな早春に雪山の池で見られるとは驚きです。 
調べてみると、ゲンゴロウの仲間は成虫が池の枯れ草の下に潜って越冬するらしく、これは越冬明けの個体になります 

左右の足を同時に掻いて平泳ぎのように進みます。 
ゲンゴロウの仲間はてっきり太く発達した後脚だけをオールのように使うのかと思いきや、同時に前脚も使って泳いでいました。 

クロゲンゴロウ?は雪渓や沢からの雪解け水が流れ込む岸辺に達すると、泳ぎを止めました。 
池の水温を測りたいところですが、温度計を持ってきていませんでした。 

春風で水面が波立っているために、水中の姿がくっきりと撮れません。 
レンズに偏光フィルターを装着すれば、もっと明瞭に撮れたかな? 
クロゲンゴロウ?の左鞘翅の表面に白い傷のような線がついているように見えますが、鞘翅表面の光沢なのか、付着したゴミなのか、斑紋なのか、分かりません。
あいにく採集用の網を持ってきておらず、詳しく調べられなかったのが残念です。 

次に機会があれば、捕食シーンを観察してみたいものです。
飼育しないと無理かな?
レッドデータブックによれば、クロゲンゴロウは山形県で絶滅危惧種Ⅱ類(VU) に分類されているので、採集禁止かもしれません。

2023/08/19

交通事故で死んだホンドテンの割れた頭骨をミールワームに除肉クリーニングしてもらう【50倍速映像】

 



2023年1月上旬・午後14:00頃 

ロードキル死骸のホンドテンMartes melampus melampus)を解剖したついでに頭骨標本も作りたかったのですが、走行車と正面から激しく衝突して頭蓋骨の頭頂部が骨折していたので使い物になりません。 
それでも冬の暇潰し(ブログのネタ)として、やれるところまでやってみました。 
頭骨の表面に少しへばりついている脳や筋肉組織などをきれいに取り除く必要があります。 
今回は残った組織を入れ歯洗浄剤(タンパク質分解酵素)で溶かしたりバクテリアに分解してもらうのではなく、ミールワームに食べさせることにしました。 




まずは皮を剥いで首から切り落としたホンドテンの頭部を専用の小鍋に入れて水から軽く茹でます(水煮)。 
煮汁を捨てて粗熱を冷まします。

左側面

右側面

上面。頭頂部の骨折が激しく、煮ただけで左右に割れて脳が飛び出した。

下面


ピンセットや爪楊枝などを使って頭骨からチマチマと除肉しました。 
それでもきれいに取り切れません。 

左側面

右側面

上面

下面

除肉片



ホームセンターのペットショップ・コーナーからチャイロコメノゴミムシダマシ(ミールワーム;Tenebrio molitor)幼虫を2パック買ってきました。 
容器には「10gまたは約150匹」と記載されていましたが、2パック分のミールワームを実際に数えると、計255匹でした。 
ホンドテン頭骨が収まる大きな容器にミールワームを餌のフスマごと全て移し替えました。 
下半分をカットした2Lペットボトルを飼育容器として再利用します。 
それまで水に浸しておいたホンドテン頭骨を容器に投入しました。 
乾燥しないように、飼料のフスマを被せて頭骨を埋めるべきだったかもしれません。 
(しかし、頭骨の状態が逐一見えなければ微速度撮影できません。)

5日後に微速度撮影してみました。 
50倍速の早回し映像をご覧ください。 
ミールワームの大群が蠕動徘徊するせいで、飼料や頭骨が波打つように動いています。 
残った屍肉をミールワームが食べて頭骨をきれいにクリーニングする様子を記録したかったのですが、ここで問題発生。 
どうやら撮影用の眩しい照明を嫌って(負の走光性)ミールワームがフスマの中に潜り込んでしまうようです。 
好き好んでホンドテン頭骨に殺到している様子はありません。 
それなら赤外線の暗視カメラに切り替えて暗所で微速度撮影すれば良かったのですけど、「どうせ激しく砕けた頭蓋骨だしなぁ…」とモチベーションが上がらず、ここで諦めてしまいました。 
古生物学者は細かく折れた骨からでもパズルのように丹念に組み合わせて嬉々として復元するのですから、凄いですよね。

暗所に放置して5日後の状態
頭骨を裏返した下面

一方、解剖後のホンドテン死骸の残りは人気ひとけのない野外の雪原に放置して、カラスなどのスカベンジャーに給餌することにしました。 
どんな生き物が来るのかトレイルカメラを設置して観察したかったのですが、複数のプロジェクトを同時並行でやっているためにトレイルカメラの数が足りず、泣く泣く諦めました。 
数日後に現場を再訪すると、ホンドテンの死骸は毛皮や内臓も含めてきれいさっぱり無くなっていました。

2023/08/17

ヒメウコギの花に集まるヒラタハナムグリ♂

 

2021年5月下旬・午後16:45頃・晴れ 

山形県南部では棘のある落葉灌木ウコギを生け垣として植栽し、若葉を食用とする伝統があります。 
民家の生垣で見慣れない微小の甲虫がヒメウコギに訪花していました。 
ヒメウコギの花粉や花蜜を食べているようです。 

コアオハナムグリにしては異常に小さいです。 
よく見ると、鞘翅にゴツゴツした小さな突起が2対あります。 
マクロレンズを装着して接写すればよかったですね。 

微小甲虫の名前が分からなくてずっとお蔵入りにしていた動画です。
最近『くらべてわかる甲虫1062種』という図鑑をパラパラと眺めていたら、ヒラタハナムグリNipponovalgus angusticollis angusticollis)だろうと判明しました。 
別の古い図鑑にも標本写真が載っていたのですが、原寸大のため印刷が潰れて細部が見えず、役に立ちませんでした。 
電子書籍の図鑑は写真を自由に拡大できるので便利です。

別の花序にもう1匹のヒラタハナムグリを発見。 
本気で探せば、ウコギの生け垣でもっと多数のヒラタハナムグリが集まっているのを見つけられたかもしれません。 
花に来るヒラタハナムグリは♂で、♀は朽木に集まるのだそうです。 
(ほんまか?と内心疑ってしまいます。私も調べてみたいので、こんなに小さな甲虫の性別を外見でどう見分けるのか、教えて欲しいです。) 

アリ(種名不詳)もウコギの花に集まり、吸蜜したり蜜源植物を防衛(ガード)したりしているようです。 
硬い鞘翅に守られている甲虫に対しても、アリは脚を噛んだりして攻撃できるはずなのに、ヒラタハナムグリ♂はアリに攻撃・排除されず見逃されているのが不思議でした。
まさか体表の組成を化学的にアリ擬態しているのでしょうか?
このアリの種類をどなたか教えてください。
クロヤマアリではなさそうです。
 

2023/08/13

クワガタが柳の樹液に夢中で「頭隠して尻隠さず」

 

2022年7月上旬・午後17:00頃・くもり 

河畔林の柳(樹種不詳)灌木から樹液が滲み出して、様々な昆虫が集まる樹液酒場になっています。 
この日は細い幹の穴(ミニ樹洞)に1匹のクワガタが頭を突っ込んでいました。 
穴の奥から滲み出る樹液を舐めているのでしょう。 

大顎の形が見えない上に、私の手が届かないので採集できず、クワガタの種類は分からずじまいです。 
ここでの優占種はコクワガタDorcus rectus rectus)なのですが、今回はどうでしょう? 
クワガタに詳しい達人は、腹端の形状から性別が見分けられたりするのでしょうか。

2023/08/10

夏にタヌキの古い溜め糞に集まる虫たち:アカバトガリオオズハネカクシに噛み付くムネアカオオアリ♀など

 

2022年8月下旬・午後13:50頃・くもり 

里山の雑木林を抜ける林道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場aを久しぶりに見に来ました。 
林道の両脇に生えているアカマツとブナが目印です。 
新鮮な糞は残されておらず、一見すると溜め糞場aは使われていないようです。 
しかしよく見ると、糞塊が乾いて粒状の黒土と化しています。 
糞虫の活動によって、よく耕されていることが見て取れます。 
タヌキ溜め糞の遷移過程で夏によく見かける状態です。(何か専門的な呼び名があるのでしょうか?) 
遠目からは、ガリガリ、ザクザクとした霜柱をいつも連想します。 

肉食性のアカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシPlatydracus brevicornis)が獲物を求めて徘徊しています。 
糞中に浅く潜るハネカクシの尻尾にムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が試しに噛み付きましたが、さすがに獲物として狩ることはありませんでした。 
2匹のハネカクシが出会うと、小競り合いになりました。

青紫色の金属光沢が糞の中からちらっと覗いているのは、おそらくセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)だと思うのですけど、棒でほじくって確認すべきでした。 
溜め糞場でセンチコガネをタヌキが捕食してから後日、未消化のまま排泄された鞘翅だとしたら面白いですね。

関連記事 ▶ 

小型の黒い糞虫はエンマコガネの仲間でしょうか?(自信なし) 
同定のためにエンマコガネ?を採集して持ち帰りました。 
以下に標本の写真を載せる予定です。 

採寸代わりに並べた熊よけスプレー(長さ20cm)


2023/07/27

早朝から柳の樹液に集まるシロテンハナムグリ

 

2022年8月上旬・午前5:20頃・晴れ (日の出時刻は午前4:44)

河畔林の(種名不詳)から樹液が滲んでいて、様々な昆虫が吸汁しに集まる樹液酒場になっています。 
伐採した枝の切り口と小さな樹洞から樹液が滲み出し、発酵しているのです。 
早朝に通りかかると、シロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)が群がっていました。 
朝日を浴びて鞘翅が銅色に輝いています。 
夜の間から集まっていたのでしょうか? 

いつもはクワガタが占領している樹洞の窪みの奥にもシロテンハナムグリが潜り込んでいました。 
互いに頭を突き合わせて押し合いへし合いし、少しでも樹液の多いスポットを巡って争っています(占有行動)。 
この日はなぜかクワガタなど他の昆虫をこの樹液酒場で見かけませんでした。 
微小なアリ(種名不詳)も柳の枝を徘徊していました。 

※ 後半は動画編集時に逆光補正を施しています。 
朝日の射さない日陰は未だ薄暗く、シロテンハナムグリ鞘翅の金属光沢が失われて斑点模様もゴマダラカミキリのような印象でした。
以下の写真はフラッシュを焚いて撮りました。
 

2023/07/02

山道を歩くセンチコガネ♂とアリの遭遇

 

2022年8月中旬・午前11:00頃・晴れ 

低山で落ち葉に覆われた尾根道をセンチコガネ♂(Phelotrupes laevistriatus)が足早にせかせかと歩いていました。 
稜線の左右は雑木林です。 

通りすがりのアリ(種名不詳)がセンチコガネ♂の背中に乗りました。 
すぐに降りたので、攻撃では無さそうです。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:21〜) 

最後にセンチコガネ♂は落ち葉の下に潜り込んで身を隠しました。 
しかし、近くに獣糞は見当たりませんでした。
採集したかったのに、見失ってしまい残念。

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