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2018/11/13

深夜のコナラ樹液酒場に来たザトウムシ【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:42頃

里山で定点観察しているコナラの樹液酒場を夜明け前に見に行くと、意外な生物と出会いました。
(ちなみに日の出時刻は、午前4:51。)

まず赤外線の暗視カメラで撮ると、ザトウムシの仲間が2匹、根元近くの苔むした幹で長い歩脚を屈伸させていました。
夜な夜な樹液を吸汁する習性があるのか、夜行性動物がたまたま通りかかっただけなのか、分かりません。
カメラを近づけると逃げ出してしまうのは、私の立てる物音や振動に対して非常に敏感なのか、それともまさか赤外線が見えるのでしょうか?

次に白色LEDを点灯したら、眩しい光を警戒して脚の屈伸運動を止めてしまいました。
可視光で見ると意外なことに、2匹の胴体(頭胸部+腹部)の色が違いました。(灰色の個体と、見慣れない褐色の個体)
私はザトウムシについて疎いので、2匹が別種なのか、それとも発育ステージや性別の違いによって色が変わるのか、まるで分かりません。

最後に私が息を吹きかけたら、ザトウムシは慌てて逃げ出し見失ってしまいました。
ストロボ写真を撮れなかったのは、残念でした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/11/11

夜明け前に飛び回りコナラの樹液を舐めるシダクロスズメバチ♀【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:47〜4:52(日の出時刻は4:51)

定点観察している里山のコナラ樹液酒場を日の出前から見に行くと、クロスズメバチの一種のワーカー♀も来ていました。
樹液を吸汁するシーンを撮りたくてもすぐに飛び去ってしまいます。
入山前に吸血性ブヨ対策として体中に噴霧した虫除けスプレーの匂いが嫌いなのかもしれません。(蚊に刺されるのは慣れで我慢できても、ブヨに刺される痛さは耐えられないのです。)
私が少し動いただけですぐ逃げてしまうため、白色LEDを点灯できず撮影は赤外線の暗視モードのみです。
シダクロスズメバチが薄明の森を自由に飛び回ることが可能だと分かったのは一つ収穫です。
スズメバチの仲間で暗い夜も飛べるのはモンスズメバチだけだと思っていたからです。
こんなに早い時刻から巣外で活動を始める個体がいるとは意外でした。
私がしばらく粘ってじっと待つと、ようやく落ち着いて樹液を吸汁してくれました。
樹液を舐めながら腹部を激しく伸縮させているのは、激しい飛翔運動をした直後の腹式呼吸なのでしょう。

同定のため、動画撮影後にビニール袋を被せて捕獲しました。
採集に手こずって少し時間が開いてしまったので同一個体である保証はありません。

しかし、それ以降は樹液酒場にクロスズメバチの仲間が1匹も来なくなったので、おそらくこの個体でしょう。
標本を精査すると、シダクロスズメバチ♀(Vespula shidai)でした。
以下は標本の写真。

死骸の腹端から毒針が伸びていました。

シダクロスズメバチ♀標本:背面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:側面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:側面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:腹面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:単眼@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:顔@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:顔@方眼紙



【追記】
有賀文章『スズメバチの生活:生態に光をあてて』という本を読むと、筆者はクロスズメバチとシダクロスズメバチ、それぞれの巣の入り口(巣口)に出入りする蜂の数を一日中連続観察するという偉業(苦行)を成し遂げておられました。
シダクロスズメバチの或る巣を8月下旬の午前4時23分から午後18時45分まで5分間隔で調べた結果、暑い夏季には朝と夕方という涼しい時間帯にもっとも多くのワーカーが活動するそうです。あるていど日がのぼり、気温があがってくると、活動がぐっと少なくなる。(p58〜61) 
筆者は晩秋の11月下旬にも同様の終日観察をされています。最初に蜂が出巣したのは午前7時46分、そのときの気温は4.4℃、照度1649ルクスとのこと。晩秋になると朝夕は活動は鈍っても日中に気温が高くなると、巣の入り口は夏の朝夕をおもわせる賑わいを見せます。外が十分に明るくても外気温が低いと蜂は出巣しても慌ててすぐにUターンして巣に戻るらしい。(p66〜70)
この本を読むと、暑い夏にシダクロスズメバチのワーカー♀が未だ薄暗い日の出直前に巣を出て外役に従事するのはおそらく普通のことだと知りました。
蜂の活動性と照度(明るさ)や気温の関係を調べれば面白いかも知れません。


2018/11/07

深夜も円陣を組んでコナラの樹液を吸汁するムネアカオオアリ♀【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:45

里山で定点観察しているコナラの樹液酒場に夜明け前に来てみると、常連客のムネアカオオアリCamponotus obscuripes)ワーカー♀が計13匹も居ました。

まず赤外線の暗視カメラで撮影すると、いつものように円陣を組んで樹液を舐めていました。
お気に入りの樹液スポットを昼も夜も占領して、入れ代わり立ち代わりひたすら樹液を吸汁しているようです。
暗視映像でもムネアカオオアリの体色はツートンカラーになっていました。

次に白色LEDを点灯すると、眩しい光のせいか、小競り合いの喧嘩が勃発しました。
喧嘩の原因の一部は、微小アリ(種名不詳)のせいかもしれません。
腹部の節間膜が伸びているのは、満腹の証拠です。

ちなみに、日の出時刻は午前4:51。
動画には写っていませんが、東の空が白白と明け始め、木々の隙間から朝焼けが少し見えるようになりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




2018/11/03

コナラの樹液酒場に来たオオゾウムシ【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:38

定点観察しているコナラの樹液酒場に日の出前から来てみると、オオゾウムシSipalinus gigas)が居ました。
まずは赤外線の暗視カメラで撮ってみましょう。
泡立つ樹液スポットの直下にいたオオゾウムシが幹を少し登り、静止しました。

次に白色のLEDを点灯しても、特に反応はありませんでした。
コナラの幹に樹液が滴り落ちています。
採寸代わりに左手の人差し指を差し出し、オオゾウムシに軽く触れただけで擬死落下(死んだふり)しました。
保護色のため、林床で見失ってしまいました。

本で読んではいたものの、実際にオオゾウムシが樹液に来るのを観察したのはこれが初めてで、嬉しい収穫でした。
しかし目ぼしい甲虫はこれだけで、ちょっと期待外れでした。
(常連客のアオカナブンの姿もありませんでした。)
夜明け前は客足が途絶える時間帯なのかもしれません。
山林ではもうヒグラシ♂が悲しげに鳴いています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/31

深夜のコナラ樹液酒場に来たニホンアマガエル



2018年8月中旬・午前4:40頃

里山の林道脇で見つけたコナラの樹液酒場に夜明け前から様子を見に来てみました。
日の出時刻は午前4:51。
すると、樹液酒場のすぐ横の小枝にニホンアマガエルHyla japonica)が居ました。
まず初めは赤外線の暗視カメラで撮ってみます。
幹の方を向いて静止していて、喉も動いていませんでした。
樹液に集まるショウジョウバエなどを待ち伏せて捕食しているのでしょう。
舌を伸ばして捕食する瞬間をいつか動画に撮ってみたいと思いつつ、長期戦になりそうで、いつも諦めてしまいます。(飼育すべきか?)

▼関連記事(4年前の撮影)
夜のミズナラ樹液酒場に来たニホンアマガエル
夜の樹液酒場に来たモリアオガエル

白色LEDを点灯したら、ニホンアマガエルの体色は緑でした。
迷彩のような黒っぽい斑紋が入っています。
緑色に苔むしたコナラの幹に対して保護色になっていますが、完全な暗闇では関係ないでしょう。
左手の人差し指でカエルに軽く触れると、ピョンと跳んで逃げて前方の幹にしがみつきました。
ジャンプのスローモーションは1/5倍速。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/30

アオカナブンとヨツボシオオキスイが樹液酒場で出会うと…



2018年7月下旬

里山の林道脇で定点観察しているコナラの樹液酒場で、1匹のアオカナブンb(Rhomborrhina unicolor)に注目して動画に撮ってみたら、ちょっと興味深い映像が得られました。

アオカナブンbがコナラの幹を少し降りると、立ち止まって前脚で顔を拭いました。
ヨツボシオオキスイHelota gemmata)が居座っている右横の樹液スポットに向かって行きます。
樹液酒場にズカズカと割り込むと、ヨツボシオオキスイを軽く前脚で小突いて蹴散らしました。
樹液酒場での序列は明らかにヨツボシオオキスイよりもアオカナブンが強いようで、闘争らしい闘争になりませんでした。
ところがアオカナブンはその場で方向転換すると、幹に対して上を向いて透明なオシッコをシャッと排泄しました。
オシッコが見やすいようにまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
真下に居るヨツボシオオキスイには直接かからなかったものの、これも一種の攻撃(酷い侮辱)なのかな?
その後もアオカナブンはヨツボシオオキスイが居た樹液酒場には固執せずにコナラの幹をゆっくり登り続けたので、ただ無頓着に排尿しただけなのでしょう。

この樹液に集まっている昆虫相がいまいち貧弱なのは、周囲が杉をメインとした林だからかもしれません。
この日は鱗翅目が1頭も飛来せず、スズメバチ類も見かけませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオカナブンb+ヨツボシオオキスイ@コナラ樹液吸汁

2018/10/26

コナラの樹液を舐めるヨツボシオオキスイ



2018年7月下旬

里山の林道沿いで見つけたコナラの樹液酒場にはヨツボシオオキスイHelota gemmata)も2匹来ていました。
同じ幹であちこちの樹液スポットに別れて吸汁していました。

上翅に走る縦すじが直線状なので、近縁種のムナビロオオキスイではなくヨツボシオオキスイと分かりました。
▼関連記事ミズナラの樹液を吸うムナビロオオキスイ
口器がかすかに動いていますが、この日はマクロレンズを持参し忘れたので、ちょっと物足りない映像になってしまいました。
接近中の台風の影響で、夕方の雑木林がザワザワしています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

ヨツボシオオキスイ@コナラ樹液吸汁
ヨツボシオオキスイ@コナラ樹液吸汁・全景

撮影後に1匹だけ採集して持ち帰りました。
もう1匹は私の殺気を感じたのか、幹から擬死落下して林床で見失いました。
以下は標本の写真。(掲載予定)


2018/10/23

飛べ!アオカナブン【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

里山のコナラ樹液酒場に来ていた2匹のアオカナブンRhomborrhina unicolor)内の1匹(個体b)です。
下向きで幹に静止して樹液を舐めていました。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p49によれば、腹面を見ればよく似たアオカナブンとカナブン(緑化個体)とを簡単に区別できるのだそうです。
試しにこの個体bを捕獲して裏返してみてみると、左右の後脚のつけ根が接していたのでアオカナブンでした。

手掴みで捕獲しても脱糞、排尿などの抗議行動はしませんでした。
次に、解放するついでに飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:32〜)
カナブンの仲間の飛翔は、鞘翅(前翅)をしっかり閉じたまま後翅だけを広げて羽ばたくことが特徴です。
鞘翅を閉じることで無駄な空気抵抗を減らしているのでしょう。

1回目は、畳んでいた後翅を広げて羽ばたいたものの、飛ぶと言うよりも、慌てふためいてほぼ落下しただけでした。
下草に落ちたアオカナブンbを再び拾い上げ、しつこくやり直します。
2回目(Take2)は、軽く握りしめた拳をそっと開くと私の指に少し登ってから見事に離陸しました。
飛翔中は後翅が羽ばたく際に、閉じた鞘翅がガタガタと振動していることが分かりました。
これは昔に観察した羽化不全個体でも同じでした。

▼関連記事(6年前の撮影)
アオカナブン羽化不全個体の羽ばたき【ハイスピード動画&HD動画】

正常な個体でも意外と翅の立て付けが悪いのですね。
こんなに摩擦が生じるのでは、無駄なエネルギーのロスも結構ありそうです。

平凡社『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p114によると、

ハナムグリ類は上翅を閉じたままの独特の飛び方をする。上翅をやや持ち上げぎみにして、側縁のえぐれた部分から後翅をくりだして飛ぶのである。このため、すばやく飛翔態勢をとることができ、上翅にかかる空気抵抗が少ないぶん、飛ぶスピードも速くなる。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
最後に暗転シーンが無駄に続くのは動画編集のミスです。
不要パートを編集でカットしたつもりが、なぜか終わってくれませんでした。


アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:側面@コナラ樹液酒場
アオカナブンa:腹面@捕獲


つづく→コナラの樹液を舐め幹を登り飛び立つアオカナブン
(同じ樹液酒場で別個体aを撮った動画です)


2018/10/19

コナラの樹液を舐めるアカウシアブ♀



2018年7月下旬・午後16:06

コナラの樹液酒場でアカウシアブ♀(Tabanus chrysurus)が樹液を舐めに来ていました。


▼関連記事(4年前の撮影)
ミズナラ樹液酒場で身繕いするアカウシアブ♀

私の体の周囲を飛び回るので身を固くしましたが、刺されて吸血されずに済みました。(スズメバチより怖いです)
樹液酒場でのスズメバチは、こちらから手出しをしなければヒトを襲ってくることはありません。
一方、アカウシアブは我々がたとえじっとしていてもヒトの体温や呼気に含まれる二酸化炭素(CO2)に誘引されて集まり、血を吸うからです。(口器で刺されると痛い!)
▼関連記事 
アカウシアブ♀の吸血 
車好きのアカウシアブ

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アカウシアブ♀@コナラ樹液吸汁

2018/10/17

コナラの樹液酒場に来たアオカナブンとスジクワガタ♂



2018年7月中旬

里山の林道沿いで見つけたコナラの樹液酒場でアオカナブンRhomborrhina unicolor)が居ました。
初めは2匹居たのですが、私が崖を登ってコナラの木に辿り着く間に一匹が飛んで逃げてしまいました。
残るは1匹。
幹から滲み出て発酵した樹液を口器で舐めています。
薄暗い夕方なのでストロボを焚いて写真に撮ると、緑色の美しさは失われ、どうしても赤っぽく写ってしまいます。
動画は自然光で撮るので良いのですけど…。
▼関連記事(4年前の撮影)
ミズナラの樹液を舐めるアオカナブン


動画を撮り初めたら偶然アオカナブンがぴゅっと透明なオシッコを排泄しました。(@0:11)


アオカナブンの上にはスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis striatipennis)も見つけました。
こちらは幹にほぼ静止しており、口器も動いていませんでした。

樹液酒場では、他にも得体の知れない微小な虫が色々と蠢いていますね。
これを一つ一つ解明していくだけでも気の遠くなる作業です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオカナブン+スジクワガタ♂@コナラ樹液酒場
アオカナブン+スジクワガタ♂@コナラ樹液酒場

2018/10/15

コナラの樹液を舐めるムツボシベッコウハナアブ♀



2018年7月下旬・午後16:21

里山の雑木林でコナラの樹液酒場にムツボシベッコウハナアブ♀(Volucella nigropicta)も来ていました。
左右の複眼が離れているので♀ですね。
ベッコウハナアブ類の中でもかなりレアな種類らしく、私も4年ぶりの嬉しい再会です。
この里山はムツボシベッコウハナアブが寄生するスズメバチ類が豊かで貴重な生態系であることを物語っています。

▼関連記事(4年前の撮影)
ミズナラの樹液を舐めるムツボシベッコウハナアブ♀
ミズナラ樹液を吸いつつ排泄するムツボシベッコウハナアブ♂

コナラの幹に着陸すると横に歩き、泡立つ樹液酒場を発見すると吸汁を始めました。
腹端をゆっくりと上下に動かしています。
薄暗いのでストロボを焚いて写真に撮ろうと私がちょっと身動きしたら虻は飛んで逃げてしまい、戻って来ませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ムツボシベッコウハナアブ♀@コナラ樹液吸汁

2018/10/12

コナラの樹液酒場で交尾するヨツボシケシキスイ♀♂と群がるムネアカオオアリ♀



2018年7月中旬・午後17:50

里山の林道を登っていると、発酵した樹液の濃密な匂いが漂ってきました。
帰路の下山中にも同じ場所で樹液臭がします。
辺りを見回すとスギが多くてそれ以外の樹種は少ないので、樹液臭の元を頑張って探してみることに。
すると案の定、林道の横の崖を少し登った所に生えているコナラの幹に樹液が滲んでいました。

薄暗くなってきた夕方の雑木林で、ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が5匹、コナラの樹液に群がっていました。
甘い樹液を飲み過ぎてアリの腹部の節間膜が伸び切っています。

アリの他には交尾中のヨツボシケシキスイLibrodor japonicus)♀♂ペアが居ました。
樹液を吸汁している♀の背後から♂がマウントして交尾しています。

ストロボを焚いて撮った写真を見返すと、ヨツボシケシキスイ以外にも、とても小さい謎の甲虫も何匹か樹液に来ていました。
マクロレンズで接写する気になれないほど薄暗かったので、そちらは追求せずにスルーしてしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨツボシケシキスイ♀♂交尾+ムネアカオオアリ♀5群れ@@コナラ樹液酒場
ヨツボシケシキスイ♀♂交尾+ムネアカオオアリ♀5群れ@@コナラ樹液酒場

コナラ葉裏(ミズナラと異なり葉柄が長い)

動画撮影後にヨツボシケシキスイの♀♂ペアを採集しました。
容器内で離れた際に、♂の伸ばした長い交尾器が見えました。
以下は標本の写真。

2018/09/29

柳の樹液を吸いに集まるヨツボシケシキスイ



2018年7月中旬

湿地帯に生えた柳の灌木(樹種不明)で樹液が滲み出ている幹がありました。
発酵して白く泡立っている物を指で触れて嗅ぐと樹液の甘酸っぱい発酵臭がしました。

その樹液酒場にヨツボシケシキスイLibrodor japonicus)が集まっていました。
樹液を吸汁しながらときどき腹端から排泄しているようです。(@0:21、1:30)
樹液が泡立って白い塊になった部分だけでなく、樹液で濡れているものの泡立ってはいない部分の幹にも来ていました。
樹皮の隙間や割れ目に隠れている個体もいました。
ヨツボシケシキスイは昆虫ゼリーを餌として飼育できるらしいので、機会があれば挑戦してみるつもりです。

柳の樹液酒場には得体のしれない謎の幼虫も蠢いていました。
小さなハエも来ています。(種名不詳)



森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』によれば

(ヨツボシケシキスイは)平地〜低山地まで広く分布し、個体数も非常に多い。クヌギやコナラなどの樹液に来る。昼間のほうが活発だが、昼夜問わずに体ごと樹液に埋没しているような姿でいることが多く、活動中か休息中か判断しづらい。クワガタムシのような立派な大あごをもつが、これを使って戦う姿をみたことはない。 (p52より引用)


山渓フィールドブックス13『甲虫』によると、
ヨツボシケシキスイは成虫がクヌギなどの樹液に集まり、周囲の樹皮のすき間に産卵する。孵化した幼虫は雑食性で、樹液だけでなく、他の昆虫類の幼虫も捕食して育ち、7月頃に木の根元近くの樹皮下などに潜って蛹になる。 (p97より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁
ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁・全景
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁(左の樹皮の隙間・割れ目にも隠れている)
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁・全景

2018/04/01

苔むしたコナラの樹液酒場で吸汁・排尿するオオスズメバチ♀



2014年9月上旬

里山の雑木林でコナラの苔むした幹の根元付近でオオスズメバチVespa mandarinia japonica)とモンスズメバチVespa crabro flavofasciata)のワーカー♀が小競り合いしていました。
体格で圧倒的に勝るオオスズメバチがモンスズメバチを追い払うと(@〜0:05)、大顎で激しく噛み付いて苔を円形に剥ぎ取り樹皮を露出させました。
しかし、ここは樹液の出が悪かったようで離れました。
あちこち飛んで移動すると、苔むした幹で樹液の滲むスポット(樹液酒場)を探索しています。
おそらく樹液の微かな匂いを頼りに探し回り、あちこちで幹を覆う苔を試しに剥ぎ取っています。

苔を毟る作業中に腹端を少し持ち上げると、透明の液状便(尿)を勢い良く排泄しました。(@4:35)
オオスズメバチのおしっこを撮影できたのは、これが二度目です。

▼関連記事
ミズナラの樹液を吸いつつ排泄するオオスズメバチ♀
排尿したということは、それまで樹液を大量に吸汁していたと思われます。
しかし私の目には、この幹から樹液が分泌しているようには見えません。
通常スズメバチは樹皮に噛み傷をつけて樹液の分泌を促すのですが、もしかするとこのコナラ幹では柔らかい苔に樹液が染み込んでいて、オオスズメバチ♀はそれを大顎でスポンジを搾り取るように吸汁しているのかもしれない…と想像を逞しくしてしまいました。
もし樹液が全く出ていないのなら、スズメバチは長居せずにすぐ立ち去るはずです。

樹液の匂いに惹かれて近づいてくるハエやクロアリ(種名不詳)をオオスズメバチ♀は嫌がり、牽制しました。
その場で短く羽ばたいて威嚇したり、強大な大顎を見せつけたりしています。

チャイロスズメバチ♀が守っている樹液スポットの付近を飛び回ったときは、不思議とオオスズメバチ♀は喧嘩を挑みませんでした。
樹液酒場でチャイロスズメバチの序列(力関係)はオオスズメバチに次いでナンバー2ですから、手強い相手だと認識しているのでしょうか。

このオオスズメバチ♀の腹端付近をよく見ると、スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されているようです。

▼関連記事
ネジレバネに寄生されたオオスズメバチ♀がコナラの樹液を吸汁

※ どなたかこのコケ(苔)の名前をご存知でしたら教えて下さい。


2017/10/07

ネジレバネに寄生されたオオスズメバチ♀がコナラの樹液を吸汁



2014年9月上旬

里山の雑木林で苔むしたコナラの幹のあちこちから樹液が分泌し、様々なスズメバチ類が集まっていました。
私がモンスズメバチ♀を撮っているとオオスズメバチVespa mandarinia japonica)のワーカー♀が飛来し、少し上の樹液スポットで樹液の吸汁を始めました。

オオスズメバチが幹で下を向いたときによく見ると、腹端付近の腹部環節の間からネジレバネの体が僅かにはみ出していることに気づきました。

スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されたワーカーは行動が変化し、外役にほとんど出ないそうです。
私も実際に見るのは初めてです。
今思えば採集すべきでしたが、撮影中は被寄生に全く気づきませんでした。

突然、背後から気の強いチャイロスズメバチ♀が飛びかかり、オオスズメバチ♀は慌てて飛んで逃げました。(餌場の占有行動)
鬼の居ぬ間に漁夫の利でハエが樹液酒場に群がります。
ネジレバネに寄生されたオオスズメバチ♀は同じ幹で何度も場所を変え、樹液の吸汁を続けます。
大顎で苔を毟り取ったり樹皮を齧ったりしながら、樹液を舐めています。



つづく→苔むしたコナラの樹液酒場で吸汁・排尿するオオスズメバチ♀

下を向かないとネジレバネはほとんど見えない。

2017/09/24

ベニカナメモチ生垣の樹液を舐めるキイロスズメバチ♀



2016年10月上旬

民家の生垣として植栽されたベニカナメモチ(別名レッドロビン)にキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が何匹も集まっていました。

最近剪定したばかりの枝の切り口に興味を示し、滲み出る樹液を舐めています。
しかし樹液の量が少ないようで、すぐに飛び立ってしまいます。
同じコロニー出身のワーカーと思われる2匹が枝に仲良く並んで舐めていました。
一旦飛び立っても同じ枝に舞い戻って来ます。
ようやくじっくり撮れたので口元をよく見ると、大顎で枝の樹皮を齧っていました。

▼関連記事
ベニカナメモチの樹液を舐めるコガタスズメバチ♀



赤と緑のおしゃれな生垣
レッドロビン(ベニカナメモチ)の実

2017/09/11

ベニカナメモチの樹液を舐めるコガタスズメバチ♀



2016年10月中旬

ベニカナメモチ(レッドロビン)の生け垣でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が枝から滲み出る樹液を舐めに来ていました。
素人目には最近枝を剪定された形跡はないのに不思議です。
晩秋になると枝先から自然に樹液を分泌するようになるのかな?
もしかすると、スズメバチが樹皮を噛んで傷つけて、樹液の分泌を促しているのかもしれません。

1匹が吸汁の合間に身繕い(休息?)していたら突然、左からもう一匹♀が飛来しました。
軽く小競り合いになったものの、すぐに飛び去りました。
同じ巣(コロニー)から来たのでしょう。
2匹は同じ小枝で仲良く吸汁するようになりました。
生垣をあちこちに飛び回ります。

ミツバチが餌場の位置情報をダンスで正確に伝達するのに対して、スズメバチは巣の仲間を餌場に呼び寄せることはありません。
外役中の各ワーカーが偶然に同じ餌場を見つけたのでしょう。
他のコロニーの個体に対しては占有行動をするのでしょうか?
雑木林でよく見られる樹液酒場とは異なり、この生垣の樹液スポットはあちこちに点在している上に個々の分泌量が少ないので、防衛しにくい気がします。

山内博美『都市のスズメバチ』によると

・生け垣によく使われるベニカナメモチ(レッドロビン)にもスズメバチがやって来る。(p45より引用)
・レッドロビンの樹液を舐めるコガタスズメバチ(写真のキャプション)
普段の私の虫撮りは「犬も歩けば棒に当る」式の行き当りばったりのスタイルなのですが、この記事は予備知識を元に「撮りたい!」と思ってレッドロビン生垣の見回りに出かけ、ものにしたネタです。



▼関連記事 
ベニカナメモチ生垣の樹液を舐めるキイロスズメバチ♀

レッドロビンの生垣で樹液を吸いに来たコガタスズメバチ♀ 






2015/04/22

朝からミズナラの樹液を吸汁するモンスズメバチ♀



2014年8月中旬

早朝(06:15 am)の雑木林で樹液が滲むミズナラの幹に早起きのモンスズメバチVespa crabro flavofasciata)のワーカー♀が幹に取り付いて樹液を舐めていました。


モンスズメバチは夜行性というか昼夜を問わず採餌活動に飛び回るので、「早起きの蜂」という表現は正しくないかもしれません。

※ 映像の前後半で同一個体か失念。



2015/04/18

アカタテハがミズナラの樹液を吸汁



2014年10月中旬

里山の雑木林でミズナラの樹液酒場にアカタテハVanessa indica)が来ていました。
翅を開閉しながら幹を歩いて下りて来ると、樹液が滲むスポットを探り当てて吸汁開始。



2015/04/04

ミズナラ樹液酒場に来たガガンボ【暗視映像】



2014年9月中旬

里山の雑木林で樹液が滲むミズナラの幹にガガンボの一種が日没後(午後18:37)に来ていました。
赤外線の暗視カメラで撮影すると、脚を広げて止まっています。
口を樹液に付けている…かな?
点灯するとすぐ逃げてしまうのです。
横着してストロボ写真を撮り忘れましたが、翅に斑紋あります。

同じ樹液酒場で夜の定点観察に通っている期間中に、長い脚で屈伸運動しながら樹液を吸汁しているガガンボを見かけたのですけど、そちらは撮り損ねました。


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