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2014/01/23

猿の死骸に来たヒメクロシデムシ?



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#20

見慣れない黒い甲虫が毛皮の上を徘徊し、あちこちに頭を突っ込んでいます。
ヒメクロシデムシNicrophorus tenuipes)ですかね?
全身真っ黒なのに、触角の先端だけがオレンジ色。
鞘翅(前翅)が短く、腹端が露出しています。

死骸の肛門から体内に侵入することもありました。
中で何をしているのか、暗くて見えません。(屍肉食? ウジ捕食? 産卵?)

つづく→シリーズ#21



2014/01/22

生物分解が一段落したニホンザルの死骸【微速度撮影】



2013年9月下旬・気温31℃@日向

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#19

3日ぶりの定点観察。
死骸の厚みが更に無くなり、毛皮がぺしゃんこに潰れていました。
文字通り骨と皮だけになっています。
毛根から脱落した毛が益々広範囲に散乱しています。
体内の肉や内臓を食い尽くした大量のウジ虫はもう殆ど死骸に残っていません。
死骸から一斉に離脱して地中で蛹になったのでしょう。
2頭のうちで生物分解が早く進んだ死骸Lにはもはやハエの成虫もあまり来ていません。
腐臭が大分収まり、内心ホッとしました。
臀部に「尻だこ」が丸ごと残っていますけど、分解されにくい軟骨なのかただの角質なのか気になります。

【追記】 尻だこ,尻胼胝[英ischial callosity]旧世界ザルの尻の坐骨結節に相当する部位にある,無毛の非常に丈夫な結合組織性の皮膚.知覚神経がほとんど分布せず,それで長時間,枝の上に尻だこをのせて睡眠・休息していても痛くならない.これを木の枝にうまくひっかけ,体を支えるのであり,樹上生活に対する適応例の一つ.大形類人猿では,あまり発達していない. (『岩波生物学辞典第4版』より引用)

未だ虫が来ている方(死骸R)の全身像を10秒間隔で2時間インターバル撮影した計705枚の連続写真を素材に早回し映像を作成しました。
檻の金網から落ちる影が日時計のように死骸の上を移ろい行きます。

(メッセージ性がありフォトジェニックかもしれませんが、記録映像としてはちょっと目障り…)

特筆すべきは、この日もフキバッタが毛皮の上を徘徊していることです。

関連記事→#17「死んだ猿の毛を食すフキバッタ♀



同じ連続写真を素材に、更に2倍早いタイムラプス映像も作ってみました。
せっかちな方はこちらをご覧ください。

つづく→シリーズ#20



2014/01/20

死んだ猿の毛を食すフキバッタ♀



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#17

フキバッタの一種がニホンザルの死骸Lの毛皮に陣取り、歩き回っています。
右の後脚が根元から欠損している個体です。
頻りに口器を動かしているのでよく見ると、驚いたことに、ときどき死骸の長い毛を口にしていました。
たとえ死んだ獣毛を噛み切ることが出来たとしても、草食性のフキバッタが果たして毛のタンパク質(ケラチン)を消化分解できるのかな?
ミネラル補給のため、毛を舐めているだけかもしれません。
単なる気紛れや暇潰しでモグモグしているだけかもしれませんが、とにかく不思議な摂食行動でした。
本気になって調べたければ、このフキバッタを解剖して消化管の内容物を調べれば答えが判明したと思います。
当時はそこまで思いつきませんでした。

まさかバッタが生物分解に参加するとは思いもよりませんでした。
(もちろん獣毛を分解する主役ではないでしょうけど…。)

ヒトや猿などでは栄養価の無いものを食べる異常行動はストレスによる異食症食毛症)が疑われますけど、バッタではどうなんでしょう?
このフキバッタは檻に閉じ込められている訳ではありません。
金網の隙間をくぐり抜けて、外の草むらと自由に出入りが可能です。
同時並行で死骸の全身像を微速度撮影した監視映像(連載記事#09#14)を見直すと、猿の死骸に居座るフキバッタは何度も繰り返し訪れていることが分かりました。
草むらを徘徊中にたまたま檻に迷い込み死骸に遭遇しただけではなく、腐乱臭をものともせず、明らかに何か気に入ることがあって死骸にわざわざ戻って来るようです。

未採集ですが、もしこのフキバッタの性別および正式な種名や、せめて属名だけでも分かる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。※



※ YouTubeのコメント欄にてドイツのRüdiger Hartmann氏から貴重な情報をご教示頂きました。

このフキバッタ♀が獣毛を食べているのは間違いない。私(Hartmann氏)の知る限り、フキバッタ亜科は全て似た行動を示す。例えばスイスの山中で捕獲した個体は、すぐに指を齧り始め、皮膚の角質を食べた。また、昆虫や脊椎動物の死骸を肉食する種類もいる。(超訳byしぐま)

どうやら、フキバッタは草食性だという単純な思い込みを改めないといけないようです。

つづく→シリーズ#18


【追記】
フキバッタは草食系の筈ですが、実はゲテモノ食いの個体を見るのは今回が初めてではありません。

  1. 木の柱を食害するフキバッタ
  2. 中に含まれる未消化の種子が目当てで獣糞に来たフキバッタ(写真↓のみ)


2014/01/17

ニホンザルの腐乱死体【10倍速映像】



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#14

夥しい数のウジ虫がニホンザルの死骸Rを這い回る様子の10倍速早回し映像です。



ジオラマモードの動画は手っ取り早く微速度撮影できる反面、画面の周縁部になる程、ティルトシフト処理によるピンぼけがきつくなります。
視聴者に配慮してグロい映像をソフトに加工した訳ではありません。
個人的な要望としては、余計な画像処理をしない撮影オプションを付けて欲しいなー。(パナソニックさん!)
長撮りの消費電力も抑えられる気がします。

つづく→シリーズ#15


2014/01/15

ウジ虫を捕食するクロシデムシ



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#12

生物分解の進むニホンザルの死骸に見慣れないシデムシが来ていました。
こんな真っ黒で巨大なシデムシは初見です。
帰ってから調べてみると、その名もクロシデムシNicrophorus concolor)という種類のようです。
触角の先端だけがオレンジ色です。
未採集・未採寸ですけど、檻の金網一辺の幅5cmと比べてみて下さい。

猿の死骸Rは足の先を檻の外に少しだけ出して死んでいます。
そこに密集して蠢くウジ虫をクロシデムシは次々と捕食していました。
その口元にハエの成虫(種名不詳)が群がっているのは幼虫を助けに来たのではなく、餌食となったウジ虫から滲み出る肉汁を舐めに来たのでしょう。
なんとも壮絶な光景でした。
その間、薄赤色のダニも数匹クロシデムシの体表を素早く動き回っていました。

私が檻に近づくとクロシデムシは警戒して隠れてしまうので、離れた位置から望遠マクロで撮りました。

つづく→シリーズ#13



2014/01/14

猿の死骸から離脱するウジ虫の群れ



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#11

ニホンザルの死骸Rの臀部付近や腕の下にウジ虫(ハエの幼虫)が特に密集しています。
2日前の観察と比べ特筆すべき変化は、屍肉を食べて充分に育った者から順に死骸を離脱しつつあることです。
これから地中で蛹化するために、檻の隅の地面に群れて蠢いている集団がいます。



後で思うと老熟した蛆虫を数匹サンプリングして成虫になるまで飼育し、ハエの種類を調べられればよかったですね。
当時は凄まじい光景と腐臭に圧倒されてさすがに少し気分が悪く、法医昆虫学者の真似事をしてそこまでやる根性がありませんでした…。

つづく→シリーズ#12



【追記】
岡田匡(岩波科学ライブラリー)『糖尿病とウジ虫治療――マゴットセラピーとは何か 』を読むと、マゴットセラピーにも使われるヒロズキンバエの生活史について詳しく解説してありました。

3齢幼虫の後期あれほど執着していた食事は憑き物が落ちたようにぴたりと止める。土壌の乾燥した場所を求めて移動する前蛹期に入る。この時期がウジの生育段階でもっとも長い。この間に食べたものをすっかり消化して腸は空になり、蛹になる準備をする。 (p70より引用)
私が撮った動画に登場する蛆虫がクロバエ科のヒロズキンバエの幼虫とは限りませんが、可能性はあるので、参考のために引用しておきます。



2014/01/12

生物分解が進むニホンザルの死骸【微速度撮影】



2013年9月下旬・気温31℃→26℃

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#09

2日ぶり2回目の定点観察。
害獣捕獲用の檻に放置された野生ニホンザル2頭の死骸は生物分解が進み、体の厚みがぺったんこに萎んでいました。
骨盤(尻だこ?)がやや露出しています。

2頭の死骸で生物分解の速度に差があるようです(L>R)。
檻は木陰に設置されているのですが、日当たりの違いや死体の姿勢に影響されるのでしょう。
そもそも2頭の死亡時刻が違う可能性もあります。(※追記参照)
死骸Lに群がるウジ虫は激減しました。
屍肉や内臓を食べて充分に育ったハエ(ニクバエ、クロバエ、キンバエなどの仲間)の老熟幼虫(ウジ虫)が地中で蛹化するために死骸から続々と離脱しています。

約3時間かけて10秒間隔のインターバル撮影した計243(L)+868(R)枚の写真を元に早回し映像を作成しました。

いよいよ死骸から漂う腐臭がきつくなってきました。
バンダナで顔を覆いマスクにして浅く口呼吸。
次回はメンソールを鼻の下に塗る必要があるかもしれません。


【私的メモ】
今回の素材をYouTube用の標準設定で動画をH264エンコードすると、せっかく静止画で撮った画質が粗く劣化してしまいました。
背景が金網やら枯草やらで情報量が多いため、ビットレートを高く設定(10,000)し直したら改善。

つづく→シリーズ#10




※【追記】
川瀬七緒『紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官』というミステリを読んでいたら、とても興味深い記述を見つけました。
過去の実験データによれば、組織の置かれた間隔が近いほど、虫たちは異常な行動パターンで誘引し合うことがわかっている。つまり、いくつかの肉を近くに置くと、ひとつの肉に虫が集中するか、あるいは、ひとつを除いてほかの肉で活発な活動がおこなわれることがあるのだ。実際、数人の死体が隣接して発見された現場では、偏った昆虫の来襲パターンができたという記録を読んだことがあった。 (p57より引用)


つまり、2頭並んで死んだ亡骸に集まる昆虫相や死肉分解状況に差があっても、短絡的に2頭の死亡推定時刻が異なるとは言えないらしいのです。(異常行動誘引)
これは驚きでした。(あくまでもフィクションの台詞なので、どこまで本当なのかな?)



【追記2】
推理小説家の川瀬七緒が参考にした元ネタと思われる本、Madison Lee Goff『法医昆虫学者の事件簿』(文庫版)を読んでみたら、出典の該当箇所を見つけました。
私は、三頭の(死んだ)ブタを少なくとも50メートル離して置いた。なぜなら以前の研究から、距離が近すぎると昆虫どうしが異常なパターンで誘引しあってしまうことを知っていたからである。もしブタを互いにくっつけて置いておくと、一頭がほかの二頭よりも明らかに強く昆虫の活動を受けるか、あるいは二頭がほかの一頭よりも活発な活動にさらされるということになる。実際、数人の死体が近接して発見される事件では、それと同じような偏った昆虫の襲来パターンが起こることを私は何度か見てきた。そうした事例では、たいてい一つの遺体にほかの遺体よりも多数の昆虫が集まっていた。 (文庫版 p51-52より引用)
この本は法医昆虫学のパイオニアが書いたノンフィクションです。
なぜそのような異常誘引行動が起きるのか、という私が最も知りたい点について本には答えが書いていませんでした。(未解明なのかもしれません)
私しぐまの素人考えでは、集合フェロモンあるいは視覚的に誘引されて群れる習性がありそうです。



2014/01/11

猿の死骸に来たハネカクシの仲間(黒)



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#08

ハネカクシの仲間と思われる甲虫も何匹かニホンザルの死骸に来ていました。
素早く徘徊し、あちこちに潜り込んでいます。
屍肉を直接食べているのか、あるいは死骸に集まる他の虫を捕食するのか、不明です。
♀が毛皮の奥に産卵しているのかな?
とにかくハネカクシについて予備知識が全く無いため、観察ポイントや目の付け所が分かりません。

図鑑も持っていないので、「こんな虫も居ました」というだけの記録映像です。
後日、色の違うタイプのハネカクシも見つけました。
ここでは便宜上、黒タイプのハネカクシと呼ぶことにします。
もし名前が分かる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

交尾中のペアも一瞬だけ見ました。
交尾器を連結したまま一方が他方を引きずって歩き回っていました。
残念ながらすぐに地面の枯草に潜り込んで姿を消しました。

地面を歩いて来て、檻の中に侵入するシーンも撮れました。

「◯◯に集まる昆虫ハンドブック」のシリーズを刊行している文一総合出版あたりが、「動物の死骸や糞に集まる昆虫」編を出してくれないかなー?(おねだり)
きっと需要が少ないのでしょうけど、とっかかりとなる入門書の図鑑が欲しいです。

つづく→シリーズ#09





2014/01/10

ニホンザルの死骸に集まるミツバチの謎



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#07

ここで意外なゲストの登場です。
死臭に引き寄せられるようにミツバチのワーカー♀が続々と飛来し、死顔の眼窩と鼻孔に出入りしています。
穴から出てきたミツバチは興奮したように定位飛行(ホバリングしながら扇状に飛ぶ)を繰り返して場所をしっかり記憶してから飛び去ります。
死顔の穴を気に入って同一個体の蜂が繰り返し訪れていることを示唆しています。
前回の記事#06で示したように、同じアングルで長時間の微速度撮影してみるとミツバチが何匹もしつこく繰り返し死骸の眼窩や鼻腔に出入りしている様子が記録されていました。
ミツバチの後脚の花粉籠は空荷でした。
腐乱死体にミツバチが一体何の用があるのでしょうか?

隣で横たわるもう一頭の死骸の眼窩にも同じようにウジ虫が湧いているのに、不思議なことになぜかミツバチは全く来ていません。
腐敗(生物分解)の進行度が微妙に異なり、ミツバチを強く誘引する物が片方の死骸Rにだけあってもう一方Lには無いのでしょう。
また、死骸Rの左右の眼窩の中でもミツバチが来ているのは右側だけです。
法医昆虫学では死体に集まる虫の種類を調べることで死因や死亡推定時刻などを解き明かす上で重要な手掛かりとなります(虫の知らせ)。
ミツバチが来ている猿の死骸は何を物語っているのでしょうか?

一匹だけなら「味覚のおかしいゲテモノ好きな蜂も居るもんだ(異常行動?)」と片付けられそうです。
しかし、何匹も集まって来るからには何か意味や目的があるはずです。
思いつく限りの可能性を絞り出してみました。

仮説1
ミツバチにしては余りにも想定外の行動なので、初めはもしかするとミツバチにベーツ擬態したハエなのか?と考えました。
残念ながら檻の外から観察するだけで、採集できませんでした。
しかし後日の定点観察で2匹サンプリングしてみた結果、やはり翅が4枚ある蜂でニホンミツバチでした。

仮説2
死骸の脳髄や体液を吸汁しに来た?
「腐りかけの食物は旨みが増す」原理が働き、ミツバチには禁断の蜜の味がするのかもしれません。
確か映画『インディージョーンズ』で開頭した猿の生首を食卓に供された考古学者が吐き気を催すシーンがありましたね(猿の脳みそを召し上がれ)。
それよりも更にグロい話です…。

YouTubeで米国の蜂屋さんに興味深いコメントを頂きました。
ミツバチ科ハリナシバチ亜科の中には訪花せず屍肉に集まる「vulture bee」という珍しい習性の蜂がいるそうです。
ただし日本には分布していないようです。
まさか新種の発見!…なんてね。(笑)

仮説3
ミツバチが頭蓋骨の中にコロニーごと引越すつもりなのかもしれません。
ウジ虫など屍肉掃除屋の仕事が済むのを待ち兼ねるように、気の早い斥候部隊が空き物件を物色している?
自らも頭蓋骨の内部を舐めて掃除しているのでしょうか。
死骸の眼窩から出た蜂は巣に戻って仲間を呼び寄せる有名な8の字ダンスを踊るのかもしれません。
野生のニホンミツバチは樹洞などに営巣するはずですが、最近は山でもよほどひどい住宅難なのでしょうか?
白骨化した頭蓋骨(髑髏・しゃれこうべ)の内部に自然営巣するニホンミツバチを想像しただけでシュールな(最高にイカシタ/イカレタ)光景です。
たとえば『マルハナバチの謎・上巻(ハリフマンの昆虫ウォッチング)』を読むと、森番の小屋でポインターという犬種の剥製の体内にマルハナバチが営巣し剥製の口から蜂が出入りしていた、という興味深い話がp36に登場します。



仮説4

日本産ニホンミツバチと種レベルでは同種のベトナム産トウヨウミツバチ(Apis cerana)で驚くべき習性が新たに報告されました。

獣糞を集めて巣口の周囲に塗りつけ、オオスズメバチの斥候が侵入しないよう忌避剤として使っている、というのです。(ミツバチの道具使用!)

ニホンミツバチが動物の腐乱死体に集まるのも、もしかすると不潔な汚物を巣に持ち帰って匂い付けするためだとしたら興味深い!と興奮しました。

もちろん関係ないかもしれませんが、あまりにも魅力的な仮説なので紹介しておきます。

今回、ニホンザルの死体に通って来るニホンミツバチの巣を突き止められなかったのが残念です。

原著論文の出典はこちら。(オープンアクセスで全文PDFをダウンロード可能)

Mattila HR, Otis GW, Nguyen LTP, Pham HD, Knight OM, Phan NT (2020) Honey bees (Apis cerana) use animal feces as a tool to defend colonies against group attack by giant hornets (Vespa soror). PLoS ONE 15(12): e0242668. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0242668


日本語での解説記事はこちら。

・ミツバチ、動物のふんで外敵を「撃退」(@CNN日本語版

・ミツバチ、動物の糞でスズメバチを撃退、研究 ― 巣の入り口に糞を塗るとスズメバチが寄り付かない、道具使用を初確認か  (@ナショナルジオグラフィック日本語版

英語での詳しい解説記事はこちら。

Giant hornets on the attack? Try a little water buffalo poop (@Science誌

Science誌は動画も公開しています。

これに登場するスズメバチは、日本産ヒメスズメバチと見た目は似ているのに、養蜂巣箱を集団で襲う習性はオオスズメバチのようです。




私は現場のひどい腐臭も忘れてワクワクし、これは最後まで見届けねば!と定点観察を続ける覚悟を固めました。
ただし普通に考えれば、ニホンミツバチが巣別れ(分封)する時期はとっくに過ぎているはずです。
何らかの理由で巣を逃去したコロニーですかね?
また、これから巣作りする空間として頭蓋骨は狭過ぎる気もします。

【参考】 分蜂群が新たなすみかに入るときには、先着蜂がちゃんと外側に尻を向けて集合フェロモンを放出しながら扇風し、後続の仲間を誘導する。(佐々木正己『ニホンミツバチ:北限のApis cerana』p107より)
↑そのような行動は今回見られませんでした。



不都合な真実?
蜂の腹部の色を見ると、黒っぽいニホンミツバチに混じって明るい褐色帯をもつセイヨウミツバチらしき個体も来ていました。
(ただしこの見分け方は実は自信がなくて、採集した蜂の後翅の翅脈を調べてみないとはっきりと区別できません。)
どこの巣箱から通って来ているのか知りませんが、このコロニーの蜂蜜を味見するのはちょっと遠慮したいですね…。
ミツバチが屍肉に群がるという驚きの習性は、養蜂業者にとってはもしかすると「不都合な真実」なのかもしれません。
集めた花蜜の水分を飛ばして濃縮した蜂蜜は高い浸透圧で天然の殺菌効果があります。
例えば、古代エジプト人たちがミイラ作成とは別に屍体をハチミツ漬けにしたのは、ハチミツに強力な防腐作用があるからです。(『蜂は職人・デザイナー』p71より)


したがって、汚物に触れた不浄な蜂が巣箱に出入りしていても蜂蜜の品質には別に問題は無いと思います(知らぬが仏)。

むしろハチミツに独特の風味が出てきたりして…。
しかし、一般の消費者は「蜂蜜に汚物が混入した」と知ればヒステリックに不買運動を起こしそうです(風評被害)。
蜂蜜のブランド・イメージを守るために、巣箱の周囲、働き蜂の行動圏に動物の死骸が1匹でも見つかったら蜂蜜の出荷をしばらく停止する、なんていう対処は非現実的で神経質すぎる気がします。


 古代エジプトや中国では、ハチミツは、ミイラづくりの材料として、蜜蝋とともに用いられている。当方遠征の帰途に死亡したマケドニアのアレクサンドロス大王の遺体は、遺言にしたがって、黄金の柩の中でハチミツ漬にされ、バビロンからアレキサンドリアへ運ばれたという。これは、ハチミツの殺菌力が2000年以上も前から認識され、神聖視されていたことを物語っている。 (松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』p246より引用)


余談ですが、さっきから映像でピーヒョロロ♪と聞こえるのは上空を飛ぶトビの鳴き声でしょうか。
トビがハゲタカのように死臭を嗅ぎつけて集まり屍肉を食べるなんて、聞いたことはないですけど私が勉強不足なだけかもしれません。
幸い鉄の檻で厳重に守られているので、放置された死骸がカラスや犬などに盗まれるおそれはありません。

日が経つと死骸に来たミツバチは更に奇妙な驚愕の行動を取り始めるのです。
お楽しみに。

つづく→シリーズ#08




【追記】
マディソン・リー ゴフ『法医昆虫学者の事件簿』を読むと、
死体を食べているウジを獲物としているアリやハチの成虫はしばしば見かけるが、腐敗中の死体はつかの間しか存在しないという性質をもつから、死体に社会性昆虫の丸ごとのコロニーを見かけることはまずありえない。(文庫版p155より引用)
本職(法医昆虫学者)の筆者が米国で見聞きした殺人事件の中で例外としては、頭蓋骨の中にアシナガキアリのコロニーが見つかった例(p154)と頭蓋の内部にアシナガバチの古巣があった例(p159)が記されていました。
本書にミツバチは登場しませんでした。


ニホンミツバチ@死骸・眼窩
セイヨウミツバチ?@死骸・鼻腔

2014/01/09

死後に生物分解が進むニホンザルの顔【微速度撮影】



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#06

並行して別のニホンザルMacaca fuscata)の死骸Rの顔に注目し、微速度撮影してみました。
もう一台のカメラ(旧機種)を使い、金網越しに10秒間隔のインターバル撮影を行いました。
約3時間半撮り続けた計1,215枚の写真から早回し映像を作成しました。
自然光下では明るさが一定せず、どうしてもチラチラした映像になりますね。

顔中の穴という穴(口腔、鼻腔、眼窩)の奥で活発に屍肉(猿の脳)を食しているウジ虫がときどきドバーッと大量に穴から溢れ出る様子がなんとも凄まじいですね…。(※追記参照)

ところでこの早回し映像で、とても意外な虫が繰り返し死骸を訪れていることにお気づきでしょうか?
ハエやシデムシ類に混じり、なんとミツバチが何匹も集まって猿の眼窩や鼻腔に潜り込もうとしています。
この行動は全く予想外で、心底びっくりしました。(驚愕のミステリー!)
一体何が目的で腐乱した死骸に来ているのでしょうか?

つづく→#07(ニホンザルの死骸に集まるミツバチの謎)



※【追記】
川瀬七緒『潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官』というミステリを読んでいて非常に興味深い記述を見つけました。
もちろんフィクションですし、ヒトとサルの死骸で違いがあるのかもしれませんが、個人的な覚書として残しておきます。
口の中の損傷がひどかったのは、一斉に孵化したウジが集塊になったからだと思う。ウジが塊になると、真ん中は気温よりも20度は高い温度になる。ウジは50度を超えると熱死するから、塊をぐるぐる回りながら場所を移動して、体を冷やしながら食べたものを消化する習性があるの。



【追記2】
川瀬七緒の推理小説の元ネタと思われる本、Madison Lee Goff『法医昆虫学者の事件簿』(文庫版)を読んで出典を確認しました。
卵はすべてほぼ同じ時に産みつけられるので、ほぼ同じ時に孵化し、ウジは大きな塊をなして集結して摂餌するようになる。(中略)摂取する前に組織を破壊する点では、ウジの集塊は単独のウジよりもはるかに効率的である。こうしたウジの集塊はまとまりを失わず、死体のあいだを一つの部隊として動きまわる。 (文庫版 p65より引用)

三齢の前期には、ウジは活発に死体を食べ、ウジの摂餌活動に特徴的な緊密な集塊を形成しその状態を維持する。 (p74より)

ウジは自分で体温調節ができないから、周囲の温度が摂氏50度を超えると熱死の危険性があり、したがって、集塊の中心部であまり長く過ごさない。かわりに、ウジは集塊の中をぐるぐると巡回し、摂餌するときには内側に移動し、温度が危険なほど高くなると周辺部へ移動して体を冷やしながら食べたものを消化する。しばらく体を冷やしたあと、再び集塊に入っていってこのサイクルを繰り返す。この過程で、彼らはウジの集塊の中心部の温度よりも低い温度のところでかなりの時間を過ごすのである。 (p85-86より引用) 

2014/01/08

ニホンザルの死骸とエンマコガネの一種?



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#05

ニホンザルの死骸Lに、エンマムシの仲間と思われる丸っこい小さな甲虫(エンマコガネの仲間)も来ていました。
映像前半では、ウジ虫が湧いていた死に顔の睫毛に引っかかってしばらく暴れていたエンマコガネが落下。
後半では毛皮の上を歩き回っています。

未採集、未採寸。
甲虫類にとにかく疎いので、もしどなたか写真鑑定で名前が分かるようでしたら教えて下さい。

エンマムシの仲間は、成虫・幼虫ともに死骸に群がるハエの幼虫を捕食するらしいのですが、その現場は見ていません。

【追記】

YouTubeのコメント欄で「エンマムシではなく、コガネムシ科エンマコガネの一種(Onthophagus sp.)だろう」とご教示頂きましたので訂正。

つづく→#06(死に顔の微速度撮影)





2014/01/07

死んだニホンザルの顔に集まるハエと幼虫



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#04

ニホンザルMacaca fuscata)の死骸Lです。
腐敗が進んだ死に顔にもハエがたかり、眼窩にウジ虫が出入りしています。
眼球や脳にも侵入して食い荒らしているようです。

つづく→#05(エンマムシの仲間)



2014/01/06

ニホンザルの死骸とベッコウヒラタシデムシ



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#03

ニホンザルMacaca fuscata)の死臭を嗅ぎつけ、大型の見知らぬシデムシが来ていました。
これはベッコウヒラタシデムシNecrophila brunnicollis)ですかね?
もし間違っていたら、どなたかご指摘願います。
朱色の胸部の中央に黒紋が無いのは個体差?
勉強不足でシデムシ類にまるで疎いのですが、カバイロヒラタシデムシやビロウドヒラタシデムシの可能性は?

このシデムシは、どうも死骸が地面に接する部分を好んで徘徊している印象です。
触角を掃除して身繕い。
毛皮の奥にグイグイと潜り込んでいるのは、屍肉を食べているのか、それとも♀だとしたら死骸に卵を産み付けているのでしょうか。
映像後半で何か他の虫を捕食したようです。(ウジ虫?)
檻の外からだと撮影アングルが制限されてもどかしいのですが、獲物の正体が明らかになったのは、2日後の定点観察のことでした。(記事はこちら

図鑑『山渓フィールドブックス13:甲虫』p95によれば、

ベッコウヒラタシデムシは腐った動物質を食べ、成熟した幼虫は土中で蛹化する。

つづく→#04(死骸の顔に注目)



>

2014/01/05

ニホンザルの死骸に群がるハエと幼虫



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#02

檻に捕らえられて死んだ2頭の若い野生ニホンザルMacaca fuscata)にハエの幼虫(蛆虫)が大量に群がり屍肉を貪っています。
次々に飛来するハエ成虫の同定は私の手に負えないのですが、ニクバエやクロバエ、キンバエの仲間など死肉食性の種類が来ているようです。
死骸から滲み出る体液を舐めたり産卵したりしています。


『日本動物大百科9昆虫II』p149によると、
腐肉に集まる代表はクロバエ科やニクバエ科のハエで、クロバエの♀は卵塊を、ニクバエは1齢幼虫を産みつける。



つづく→#03(ベッコウヒラタシデムシ)



2014/01/04

ニホンザル死骸の生物分解【10倍速映像】



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#01

害獣駆除のため山裾に仕掛けられた檻の中で野生ニホンザルMacaca fuscata)が2頭捕らえられたまま死んでいました。
餌に釣られて罠に閉じ込められたのは好奇心旺盛な子猿のようです。

山でニホンザルの行動を観察してきた者としては、殺された猿の姿を見ることはショックで色々と思うところはあります。
その一方で、農作物を荒らされ猿害の現実に苦しむ人々にも言い分があることを知っています。



野生動物の死体が生物分解される過程を観察できるチャンスは滅多に無いので、定点観察に通って一部始終を見届けることにしました。
木陰に設置された金網製の檻のサイズは98×98×185cm。
檻を破って逃げられないよう全面が(底も)丈夫な金網で覆われています。
金網は5×5cmの鉄格子。
これなら放置された死骸を誰かに悪戯されたり野犬やカラスに持ち去られる心配は無さそうです。
忌み嫌われる死を仏画の九相図のようにしっかり記録することが私に出来るせめてもの供養です。



先ずは横向きに倒れて死んだ個体Lに注目して、全身像を10倍速で微速度撮影してみました。
(手っ取り早くジオラマモードで撮った動画のため、画面の周縁部はティルトシフト処理でピンぼけになっています。)
死後数日が経過しているようで、死骸には夥しい数のハエの幼虫(蛆虫)が沸き、川の流れのように毛皮の上を蠢いています。
子供の頃に読んだ漫画『はだしのゲン』に登場するような地獄絵図です。
風下にはきつい腐臭が漂っています。
この日は気温を測るのを忘れました。

様々な昆虫が次々と死体に飛来し、掃除屋として各々の役割を果たしています。(これから順に紹介します)
自然界のリサイクル(輪廻転生)をテーマとして、しばらく長期連載します。

つづく→#2(ウジ虫の活動をリアルタイムの寄りの絵で撮りました)



2013/11/16

虫カビに感染したフキバッタの死骸を食すヤブキリ♀



2013年9月上旬

真っ直ぐで長い産卵管を持つヤブキリ♀(Tettigonia orientalis)成虫が朽木に止まり食事中でした。
餌食となったフキバッタの一種をよく見ると、生気が無く褐色に変色しています。
ヤブキリが棘のある前脚を使い自力で狩ったのではなく、昆虫病原糸状菌(Entomophaga grylli ?)に感染し朽木にしがみ付いたまま力尽きて死んだフキバッタを見つけて捕食したようです。
獲物の頭部の方から豪快にかじっています。
やがて獲物の前脚を齧り取り、根元から食べ始めました。



食べたヤブキリ♀も虫カビに経口感染してしまうのではないかと心配になるのですけど、採集・飼育して確認すればよかったですね。
忙しくて余力がありませんでした。
もしかすると虫カビが感染する寄主に種特異性があって、ヤブキリは感染する心配が無いのかな?

マクロレンズを装着し、口器の動きを接写してみても食欲旺盛なヤブキリ♀は逃げません。(@4:06〜)
獲物の頭部は既に食われており、その断頭した首から胸部に頭を突っ込んで中の肉を貪っています。
どうも獲物の中身はミイラのように干からびているようです。

ようやく満腹したのか、それともしつこいパパラッチに嫌気が差したのか、食べ残しを落としました。
最後に朽木を登りながら小便をピッと排泄したように見えました。
1/4倍速のスローモーションでリプレイしてみます。
おしっこにしては排泄口の位置が解剖学的に変ですかね?



2013/09/22

カノコガ(蛾)の死骸に群がるアメイロアリ



2013年7月下旬

里山の雑木林の林床にて。
コナラ?幼木の葉の上でカノコガAmata fortunei fortunei)が死んでいました。
その死骸に小さなアリが群がっています。
見慣れないアリでしたが、とにかく小さく、頭部および腹部にメタリックな光沢がありました。
調べてみると、おそらくヒメアリMonomorium intrudens)のようです。
YouTubeにて、releasewindknotさんからアメイロアリParatrechina flavipes
だろうとご教示頂きました。

蜂にベーツ擬態して天敵から身を守っているカノコガはなんと、猛毒の青酸化合物を体内に蓄積しているそうです。(参考サイト
死骸とは言え、アリが食べても平気なのでしょうか?






2013/07/29

クロコガネの死骸を貪り食うコバネヒメギス?幼虫



2013年6月中旬

田んぼの農道で事件現場に遭遇しました。
初めは得体の知れない形状の黒い虫が動いておりギョッとしたのですけど、よくよく見るとクロコガネと思われる甲虫の死骸をヒメギスの一種※が食べているところでした。
このヒメギスは無翅なので未だ幼虫です。
死骸の右脇腹に大きな穴が開いており、ヒメギスはそこへ頭を突っ込んで夢中になって死肉を食しています。

そこへクロアリが通りがかり、ヒメギスの脚の爪先を噛んで逃げました。
噛まれたヒメギスは慌てて獲物の穴から後退りすると、ようやく頭を出しました。
戻って来たクロアリがクロコガネの脚を咥えて運ぼうとするものの、ヒメギスとの体重差は歴然としており綱引きでは勝負になりません
ヒメギスは獲物の穴に頭を突っ込んで食事を再開。

※ 図鑑『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』p108 で調べると、胸部背面にある独特の黒紋が素人目にはコバネヒメギスChizuella bonneti)の黒紋と似ている気がします。
しかしながら、そのような絵合わせが有効なのかどうか知りません。





映像の最後はヒメギスから獲物を取り上げて現場で検視。
クロコガネの内臓はきれいに食べ尽くされ干からびた状態です。









↑【おまけの映像】
腹部を内部からほとんど食い荒らされてもなお虫の息で歩き回るコフキコガネの衝撃映像を紹介してもらいました。
撮影者は鳥につつかれたと考えているようですが、私は内部寄生虫の仕業だと思います。
コガネムシ類の体内に捕食寄生する虫とは一体何でしょう?
寄生ハエ(ヤドリバエ科)や寄生蜂の仲間(例えばツチバチ科)ではないかと考えられます。
冒頭で私が観察した事例では、体内寄生者が腹部を食い荒らし脱出した後のクロコガネ死骸をコバネヒメギス幼虫が見つけて齧っていた(屍肉食性)と思われます。
コバネヒメギス幼虫が生きた健康なクロコガネ成虫を狩って捕食したとはとても考えられません。


2013/07/01

川で死肉を漁るハシブトガラスのつがい(野鳥)



2013年5月下旬

橋を渡っていたら川の中でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が食事中でした。
どうやら浅瀬に流れ着いた動物の死骸を啄んでいるようです。
死肉の内臓を好んで食べています。
死骸は正体不明ですけど、尻尾が見えるので野鳥ではなく小動物(哺乳類)っぽいです。

やがてもう一羽が飛来すると(@1:35)、仲良く並んで動物の死骸を食べ始めました。
つがいなのでしょうか。
先客のカラスが飛び去って(@2.55)からも後から来た個体が腐肉を食べ続けています。

長撮りに疲れて引きの絵にしたら、偶然そのタイミングでカラスがこちらに向かって飛び立ち、旋回すると近くの電線に止まりました。
最後までサービス精神旺盛のカラスでした。

『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p170によるとハシブトガラスは

死体や腐肉、他の動物の糞なども食べ、サバンナのハイエナのような掃除屋(スカベンジャー)としてのはたらきもしている。



食後の死肉

2013/06/07

アカヤマアリ♀と奴隷アリが死んだエゾハサミムシ♂を運ぶ



2013年5月上旬

アカヤマアリFormica sanguinea)の巣の定点観察に行きました。
山道の路肩に沿ってアスファルトの境目に幾つか巣口がある様子。
大きなハサミムシの死骸を運んでいるワーカーが居ます。
ところが巣口に獲物が引っかかって入らず苦労しており、何度も搬入をやり直します。
奴隷のクロヤマアリFormica japonica
も出てきて、たまに運搬を手伝います。

獲物の正体は、ハサミが真っ直ぐで細長く、前翅の肩に黄色い紋があることから、エゾハサミムシ♂(Eparchus yezoensis)だと思います。



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