2014年9月上旬
苔むしたコナラの根際で小型のクワガタムシ2匹が喧嘩していました。(闘争シーンは撮り損ね)
2匹は一旦離れたものの、ウロウロ歩き回った挙句に結局は同じ穴に潜り込みました。
樹液スポットを巡って争奪戦が行われているのか、隠れ家(シェルター)として苔の下に潜り込もうとしているのか、目的がよく分かりませんでした。
幹を覆う苔をスズメバチのように大顎で毟り取ったり苔の下に潜り込んで樹皮から樹液を舐めようとしているような気がします。
ハエも来ているので、やはり樹液が滲むスポットのようです。
同一のコナラの木でもスズメバチ類(チャイロスズメバチ、モンスズメバチ)が盛んに通って専有している樹液スポットとは互いに棲み分けているのが興味深く思いました。
本郷儀人『カブトムシとクワガタの最新科学』によると、
ミヤマとノコギリは両者とも、カブトムシと同じく木の表面から樹液の出ている部位を餌場にしています。が、ヒラタクワガタ、コクワガタ、スジクワガタなどは樹木の表面ではなく、樹皮の裏側やウロなどに潜り込み、主にその中を餌場にします。つまり、同じ樹液場に集まったとしても、樹木の表面を狙う種類と、樹皮の裏側を狙う種類のあいだでは微妙に「棲み分け」ができているため、互いを脅かすことなく共存できているわけです。(p63より引用)
恥ずかしながら未だにクワガタムシを見分けるのはあまり自信がないのですけど、これはコクワガタ♂(Dorcus rectus)ですかね?
小型で大顎の発達が悪いとは言え、♀ではないと思うのですけど。
もし♀だとしたら、産卵のための行動である可能性もありますかね?
それともクワガタムシ以外の甲虫だったりして…。
動画撮影後に2匹を採集しました。
以下は標本写真。
鞘翅に縦筋があるので、小型のスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis)のような気もしてきました。
ただし、大顎の内歯が一つである点はコクワガタの特徴なので素人には悩ましいところです…。
小学館の学習百科図鑑49『クワガタムシ』p47によると、
(スジクワガタは)コクワガタに似ていますが、大型個体では、大顎の内歯は常に2本あり、小型の個体でも必ず小さい歯が1本あります。また、中・小型の♂、♀は前翅に縦筋がはっきりと現れます。
『札幌の昆虫』p112によれば、
コクワガタとスジクワガタのちがい
全てのコクワガタの上翅にはすじがない。スジクワガタも大型〜中型の♂ではすじが消失するが、大顎の内側の歯の形が異なるので区別できる。
正面および側面から接写した際に、前脚の腿節前面に密生した褐色の毛束パッドを見つけました。
これはセンチコガネ科およびクワガタムシ科に性別を問わず見られ、フェロモンを分泌するらしい。
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センチコガネの前脚に謎の付着物
2014年9月上旬
里山の雑木林で苔むしたコナラの幹で1匹のモンスズメバチ(Vespa crabro flavofasciata)のワーカー♀が居座り樹液を吸っていました。
その占有行動を10倍速で微速度撮影してみました。
緑色の苔を大顎で毟り取り、露出した幹を齧って樹液の分泌を促しています。
甘い発酵臭に誘われてアリ(種名不詳)やハエも続々と集まって来ています。
しかし怖いモンスズメバチが陣取っているため、樹液酒場に近づけません。
やがてチャイロスズメバチが飛来してモンスズメバチを追い払いました。(@1:35)
実はこのコナラの木は根本近くで二又になっており、もう一本の苔むした幹でチャイロスズメバチの群れが上質の樹液スポットを占有していました。
▼関連記事
コナラの樹液酒場に居座り吸汁・排便するチャイロスズメバチ♀【10倍速映像】
樹液酒場での力関係では常にチャイロスズメバチの方がモンスズメバチよりも強いことになっています。
したがって今回もモンスズメバチはやや質の劣る樹液スポットに甘んじていたのです。
チャイロスズメバチはせっかくモンスズメバチを追い出したのに、なぜかこの樹液スポットを横取りしませんでした。
やはりここは分泌する樹液の質や量が劣るようで、ただの嫌がらせだったのでしょう。
モンスズメバチは少し離れたところで身繕い(化粧)して時間を潰すと、ほとぼりが冷めた頃にまた戻って来て吸汁を再開。
満腹したモンスズメバチが巣へ飛び去ると、樹皮の穴から透明な樹液が滲み出る決定的瞬間が記録されていました。
しばらくすると同一個体と思われるモンスズメバチ♀が同じ樹液スポットに戻ってきました。
2014年9月上旬
里山のよく手入れされた雑木林に咲いたヒヨドリバナをオナガアゲハ(Papilio macilentus)が訪花していました。
花に止まっている間も激しく羽ばたきながら花蜜を吸っています。
後翅前縁に白帯が見えないので♀かな?と思うのですが、自信がありません。
写真で瞬間を切り取るかハイスピード動画に撮らないと見分けられませんね。
このヒヨドリバナはなぜか花も葉も萎れかけています。
下草に生えた他の植物は元気なので、水不足ではなく何か病害虫のせいでしょう。
2014年9月上旬
里山の雑木林で樹液が滲むコナラの幹でエルタテハ(Nymphalis vaualbum)が徘徊していました。
翅を開閉しながら樹液酒場を探して幹を歩き回ります。
そこへチャイロスズメバチ♀(Vespa dybowskii)が飛来し、追い払いました。(占有行動)
その前にエルタテハはベニシタバ(蛾)にもニアミスしています。
2014年9月上旬
里山の雑木林でコナラの木を登るオオゾウムシ(Sipalinus gigas)を発見。
ゴツゴツした鞘翅が樹皮に対して見事な保護色になっています。
樹液が滲む地点に辿り着くと吸汁を始めました。
マクロレンズを装着して接写すると、警戒したオオゾウムシは口吻を樹皮から離してしまいました。
満腹になったのかパパラッチを嫌ったのか、再び幹を登り始めました
2014年9月上旬
里山の雑木林で苔むしたコナラの幹でチャイロスズメバチ(Vespa dybowskii)のワーカー♀が樹液を吸汁していました。
幹を覆う苔を大顎で毟り取って露出した樹皮を齧り、樹液の分泌を促しています。
この樹液酒場を1匹のチャイロスズメバチが占有する様子を10倍速の微速度撮影してみました。
おこぼれに与ろうと群がるハエ(種名不詳)に睨みを効かせて寄せ付けません。
また身繕い(化粧)行動の他に、液状の糞を排泄した瞬間も記録されていました。(@0:35)
早回し映像では分かり難いので、勢い良くオシッコを噴射する瞬間をスローモーション(実時間に対して2.5倍速モード)でリプレイ。
ようやく満腹したのか、飛び去って巣に戻ったようです。
怖いチャイロスズメバチが居なくなった途端にハエが樹液へ殺到しています。
2014年9月上旬
里山の雑木林でコナラの苔むした幹を歩いて降りてきたクロヒカゲ(Lethe diana)が口吻を伸ばして苔の奥を舐め始めました。
樹液が滲み出しているようです。
常に翅を閉じて(立てて)止まるので、翅表は見せてくれません。
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コナラ枝葉 |
2014年9月上旬
里山の雑木林にひょろっと生えたミヤギノハギの幼木でヤノトガリハナバチ♀(Coelioxys yanonis)が訪花していました。
労働寄生蜂なので、幼虫のための採餌活動ではなく自身の栄養補給(吸蜜)が目的です。
ハキリバチ科なのに花粉を集めるスコパもありません。(退化?)
同じ花で時間を空けて2回撮れたのですが(13:46 pm, 15:06 pm)、採集に失敗し逃げられました。
同一個体が巡回しているのかな?
『ハチハンドブック』p91によるとヤノトガリハナバチは
顔面には黄褐色の毛が密生。尖った腹先がこの属の♀の特徴。小楯板の両端に突起がある。
2014年8月中旬
用水路(暗渠)沿いの道の真ん中でシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)が日光浴していました。
幼蛇という程ではないものの、小さ目の個体でした。
警戒が解けるまで正面から見据えたままフリーズしています。
こちらも我慢してじっと見ていると、ようやく体は静止したまま舌の出し入れを始めました。
高速で出し入れする舌舐めずりを240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
これまでも撮ってますが、今回は顔の正面および横顔のアップでじっくり撮らせて貰いました。
▼関連記事
・シマヘビの蛇行と舌なめずり【ハイスピード動画】@2013年10月上旬
・シマヘビの舌舐めずり【ハイスピード動画】@2013年9月上旬
二又の赤黒い舌を上下に波打たせながら素早く出し入れしています。
根元は白っぽい桃色でした。
舌の影の動きも美しい…。
ヘビや一部のトカゲが二叉に分かれた舌を頻繁に出し入れしているのは、舌に付着させた空中の化学物質をそれぞれ左右の鋤鼻器に運ぶためである。(wikipediaより)
ときどきアリが蛇の体に登って来ても、シマヘビは別に気にしないようです。
(嫌がったり補食したりすることもありませんでした。)
やがて正面を向いたまま首を小さく左右に振り始めました。
コブラの動きを連想します。
しばらくすると、ゆっくり体の向きを変えて逃げ出しました。
横から見ると特に舌の動きが優雅で惚れ惚れしますね。
舌を出し入れしながら蛇行しています。
首が左に屈曲しているように見えて骨格異常なのかと心配になるのですけど、蛇ではこれが普通なのですかね?
蛇行の際も鎌首をもたげた頭部は接地していません。
地面すれすれまで持ち上げたまま前進しています。
最後は苔むした路肩を乗り越え、斜面の草むらを下って姿を消しました。
▼関連記事(6年後の撮影)
2014年8月下旬
深夜(23:01 pm)の農道を歩いていたらエンマコオロギ♀(Teleogryllus emma)が人懐こくズボンの裾に乗って来ました。
靴からなかなか降りてくれません。
人肌恋しい(温もりが気に入った)のかな?
最後はようやく道端の草むらに逃げ込みました。
2014年9月上旬
里山の雑木林の下草でトゲトゲの派手な芋虫が徘徊していました。
ルリタテハ(Kaniska canace no-japonicum)の幼虫です。
背中の棘にずっと付着している異物(松枯葉?枯れた花弁?)を気にしています。
口で取ろうとしても届きません。
摂食行動を撮りたくてしばらく粘ったのですけど空振りに終わりました。
帰ってから調べてみると、このとき幼虫が居た植物クサボタン(キンポウゲ科)はルリタテハの食草(ユリ科)ではありませんでした。
葉に残っていた虫喰い穴は他の虫による食痕だったのでしょう。
この幼虫を採集するかどうか迷ったのですが、この時期は忙しくて飼育する余力がありませんでした。
2014年9月上旬
雑木林の林床で大型のツチバチが徘徊していました。
帰ってから図鑑で調べてみると、キオビツチバチ(Scolia oculata)と判明。
(顔が黒いので、よく似たアカスジツチバチは除外できます。)
地中でハナムグリ類の幼虫を狩り産卵する行動を見られるかと期待して撮り始めました。
触角で地面を探りながら歩き回り、地中の獲物を探しているようです。
滅多に飛ばず、ひたすら林床を歩き回ります。
ムネアカオオアリ♀と遭遇する度に喧嘩になります。
圧倒的な体格差があるのに(キオビツチバチ>ムネアカオオアリ)、頭を落ち葉の隙間に突っ込んでいるツチバチの体を噛んで逃げる嫌がらせをしています。
ニッチも違うのに敵対する意味が分からないのですが、出会う度にムネアカオオアリから嫌がらせを受けています。
キマワリとニアミスすると、キオビツチバチは驚いて逃げました。
立ち枯れした大木が根こそぎ倒れた根元の穴に興味を示し、繰り返し訪れて調べています。
最後はこの一帯での捜索を諦めて飛び去りました。
狩りと産卵を観察できず、残念無念。
そもそもツチバチ♀が雑木林で獲物を探すのがちょっと意外でした。
なんとなく狩場は草地なのかと思っていました。
▼関連記事(5年後に神社の境内で撮影)
地中のコガネムシ幼虫を探し回るキオビツチバチ♀
2014年8月中旬・天気は雨
里山の雑木林で定点観察しているミズナラの樹液酒場は雨天でも賑わっています。
ウシアブ♀(Tabanus trigonus)とベニシタバ(Catocala electa zalmunna;またはその仲間オニベニシタバ?)が小競り合いをしていました。(占有行動)
ベニシタバが得意な戦法は、派手な後翅をぱっと広げて見せる威嚇です。
しかしこの誇示戦法もウシアブには通用しませんでした。
ウシアブがこの勝負に勝って蛾を追い払ったのに、なぜか樹液に執着せず少し離れた所で身繕いを始めました。
その間にベニシタバは樹液酒場に戻り、吸汁しています。
2014年8月下旬
クロクサアリ(Lasius fuji)のワーカー♀と思われる蟻が行列をなして林道を横切っていました。
左に行く個体は腹部の節間膜が伸びているので、満腹状態で帰巣する集団と思われます。
逆の右に行く集団は餌場に向かっているのでしょう。
『アリハンドブック』p61によると、
(クロクサアリの)巣は樹木の根部にあり、行列を作って樹木に生息するアブラムシに集まり、甘露を定常的な餌にしている。
本当にクロクサアリかどうか採集して確かめるべきでしたが、とても疲れており余裕がありませんでした。
2014年9月上旬
堤防のコンクリート階段に生えたヌルデの灌木でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が訪花していました。
風がやや強い中、翅を開閉しながら吸蜜しています。
2014年8月下旬
川沿いの堤防の草むらでコガタスズメバチ(Vespa analis insuralis)のワーカー♀が獲物を求めて飛び回っていました。
ヘラオオバコの群落で枯れた穂先になぜか執着してしがみつき、大顎で齧っていました。
この謎の行動は、芋虫など何か獲物と誤認したのでしょうか?
スズメバチを誘引する匂いが付いていたのかな?
過去にここで行った狩りの成功体験が忘れられずに通ってきているのかもしれません。
とにかく、単に翅を休めて身繕いしていたようには見えませんでした。
ヘラオオバコは風媒花なので、花蜜を分泌しないはずです。
しかし今回と同様の事例を以前ドロバチ科(フタスジスズバチ)でも観察しています。
▼関連記事
ナガボノシロワレモコウを訪花するフタスジスズバチ
細長い花序が狩蜂に芋虫と誤認させる超正常刺激になっているとか?
だとしたら狩蜂がもっと殺到している筈ですね。
植物側の擬態による全く新しい虫媒花や種子散布のシステムが進化しつつあるのか?などと勝手に妄想してみました。
私の考え過ぎかもしれませんけど…。
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ヘラオオバコの実 |
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ヘラオオバコの葉 |
2014年9月上旬・くもり
堤防に繁茂するクズの群落でイチモンジセセリ(Parnara guttata)が訪花していました。
吸蜜しながら腹端から透明な液体をポトリと一滴排泄しました!(@0:52)
飛び立つ直前に軽量化を図ったようです。
2014年8月下旬
川沿いのちょっとした原っぱでオオハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris grossa matsumurai)が念入りにお化粧していました。
飛び立つ寸前に横を向いた際に見えた腹部の白い横線が3本で頭頂部の毛が少ないので、キンケハラナガツチバチではなくオオハラナガツチバチと分かりました。(『ハチハンドブック』p45より)
獲物(コガネムシ類の幼虫)を狩るため地中に潜ったかと期待したのですが、茂みの下で見失ってしまいました。
ちなみに、少し離れたところでは同種の♂がスペアミントを訪花していました。
互いの存在を気づいていないのか、交尾行動などは見られませんでした。
2014年8月下旬
▼前回の記事
夜モンスズメバチの巣に忍び寄るシロスジカラスヨトウ(蛾)【暗視映像】
モンスズメバチの巣の定点観察9
クヌギ樹洞の巣口で門衛を務めるモンスズメバチ(Vespa crabro flavofasciata)のワーカー♀が巣内の温度を冷やすための扇風行動をしています。
映像後半では二匹のワーカーが巣門の前後で扇風隊を務めています。(直列二連!)
もしかすると更に樹洞の奥にも並んでいてリレー式に送風しているのかもしれません。
激しく羽ばたいて巣内に送風している間にも他の外役ワーカーが頻りに出入りしています。
外気温は23〜24℃でした。
ところで前回の観察と比べて、樹洞の右側にある小さな穴に営巣していた小型のアリ(種名不詳)のコロニーが幹を登る蟻道を構築していました。
材料は木屑や糞なのかな?
アリが樹洞内に侵入しないのが不思議です。
こちらも色々と興味があるのですけど、蜂の巣が危ないので間近で調べることが出来ません…。
つづく→シリーズ#10:涼しくても扇風行動を続けるモンスズメバチ♀の謎
2014年7月中旬
農道の脇に生えたタケニグサの群落で黒っぽい小さな蜂が盛んに訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けて運んでいるので、ハナバチの仲間の♀ですね。
一瞬ニホンミツバチかと思いきや、たぶんヒメハナバチの一種ではないかと思います。
♀が採餌していると、そこへ別個体(頭楯が白い?)が飛来し、ニアミスしました。
交尾相手を探している♂なのか、それとも♀なのか不明ですけど、交尾には至らずすぐに別れました。(♀による交尾拒否?)
花から花へ忙しなく飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。
もう少し粘れば、訪花中の♀に♂が飛び付いて交尾を試みる瞬間がスローモーションで撮れたかもしれません。
複数個体を撮影。
同定のため、撮影後に1匹だけ採集しました。
以下は標本写真
いつもお世話になっている「蜂類情報交換BBS」に投稿して問い合わせたところ、青蜂@管理人さんより以下の回答を頂きました。
このヒメハナバチは、ミツクリフシダカヒメハナバチ(Andrena japonica)です。
腹部の各背板が強く反り返っているのが特徴です。
ミツクリフシダカヒメハナバチは手元にある『ハチハンドブック』p81にも載っていました。
撮影・採集は7月中旬ですから、夏型ですね。
生態に関する情報はヒゲおやじさんのサイトを参照。
2化性種であるミツクリフシダカヒメハナバチは典型的な広食性である。(以下の参考文献より)
【参考文献】(PDF論文)
前田泰生, 藤原光博, and 北村憲二. "ミツクリフシダカヒメハナバチの生態的知見." 昆蟲. ニューシリーズ 7.4 (2004): 155-171.
2014年8月下旬
道端に咲いたペパーミントの群落でベニシジミ(Lycaena phlaeas daimio)が2頭訪花していました。
そのうち1頭は翅が黒っぽく明らかに夏型でした。
仲良く吸蜜していて、互いに没交渉です。
争ったり求愛交尾したりしないのは同性だからでしょうか?
(残念ながら私にはベニシジミの性別が見分けられません。)
2014年8月下旬
里山の雑木林で定点観察しているミズナラの樹液酒場でチャイロスズメバチ(Vespa dybowskii)とモンスズメバチ(Vespa crabro flavofasciata)のワーカー♀が1:1で争っていました。
チャイロスズメバチが樹液酒場を占有している間にモンスズメバチが周囲をホバリングするも怖くて近づけないようです。
本に書いてあった通り、力関係はチャイロ>モンでした。
『スズメバチの科学』p97によれば、
同所性のスズメバチ属6種の生息する地域で樹液孔における種間順位は、おおむねオオスズメバチ、チャイロスズメバチ、モンスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ、キイロスズメバチの順である。
ライバルを追い払った直後、チャイロスズメバチ♀が糞を排泄しました。(@0:28)
▼関連記事(前年の観察記録)チャイロスズメバチvsモンスズメバチ:樹液酒場での序列【HD動画&ハイスピード動画】