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2024/01/19

ホンドタヌキ幼獣が巣穴の近くで夜に鳴く声♪【トレイルカメラ:暗視映像】






2023年5月下旬〜6月上旬 

休耕地の原っぱに営巣したホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の巣穴近くに自動センサーカメラをローアングル設置して監視しています。
鳴き声が聞こえたシーンをまとめてみました。

シーン1:5/30・午後20:44・(@0:00〜) 
晩に親ダヌキらしき影が奥の草むらを右の巣穴の方へ移動して行きます。 
しばらくすると、キャン♪(またはキョン♪)という短くて甲高い鳴き声が間近から一声聞こえました。(@0:28〜) 
これまで溜め糞場で聞いたことのあるタヌキ成獣の鳴き声(早春の求愛声)とは違います。 


シーン2:5/30・午後21:06・(@0:31〜) 
黒っぽい毛皮の幼獣が少なくとも2頭、夜の原っぱを探検しています。 
巣穴からはあまり離れず、雑草の根元の匂いを嗅ぎ回ってようです。 
トレイルカメラの近くまで来てくれないのがもどかしいですけど、親ダヌキの言いつけを守っているのでしょうか。 

キョン♪という短い鳴き声が再び聞こえました。(@1:05〜) 
ホンドタヌキ幼獣の鳴き声で間違いなさそうです。 


シーン3:5/30・午後22:24・(@1:26〜) 
なぜかレンズが少し曇っています。 
夜も更けて気温が下がると、湿度が上がって夜霧が発生したようです。 
地表近くに設置したトレイルカメラは、夜霧や朝霧にたびたび悩まされることになります。

奥の草むらで白く光る眼が動いています。 
タヌキ幼獣が再びキョン♪と鳴き声を発しました。(@1:30〜) 


シーン4:6/1・午前0:21・(@1:37〜) 
2日後の深夜には晴れていました。 
巣口付近で親ダヌキの白い目が光っています。 
しばらくすると、子ダヌキがギャーギャー♪鳴き騒ぐ声がしました。(@1:55〜) 
今までの鳴き方とは違います。 
最後にキュン♪と一声鳴きました。(@2:09〜) 
もしかすると、帰巣した親ダヌキが餌乞いする幼獣に給餌したのかな?と想像を逞しくしてみたものの、定かではありません。 
それとも、幼獣の兄弟喧嘩を親ダヌキが仲裁したのかな? 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部を編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2024/01/18

早春の雪山に響き渡るキツツキのドラミング音♪(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午前7:30頃・晴れ 

未だ雪が残る里山に早朝登山した後、下山中に遠くの森からキツツキの仲間が嘴で幹を叩くドラミング音が聞こえました。 
キツツキの姿は見えませんが、ドラミングの音程や響き方が色々でした。 
音程が低いドラミングと高いドラミングが聞こえました。 
叩く木の材質や樹洞の有無によってドラミング音が違うのでしょう。 
同一個体のキツツキが森を飛び回ってドラミングする場所を変えたというよりも、複数個体がドラミング合戦で縄張り争いをしているような気がします。 

キツツキは♂も♀もドラミングをするらしいのですが、♂が囀りさえずりの代わりにドラミングして♀にアピールする求愛目的もあるそうです。 
当地ではアカゲラ、アオゲラ、コゲラと3種類の啄木鳥が生息しています。 
ドラミング音を声紋解析すればキツツキの種類を区別できるのでしょうか? 
今回は残念ながらノイズが多いので、声紋解析は諦めました。 
遠くで救急車のサイレン♪が鳴っていますし、様々な鳥の鳴き声(囀りさえずり)も賑やかに聞こえます。 


※ ドラミング音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2024/01/14

夕暮れの樹上で鳴く♪ノスリ(野鳥)

 

2023年5月下旬・午後18:25頃・晴れ(日の入り時刻は午後18:57) 

タヌキの営巣地にトレイルカメラを設置した後、離れた林縁にブラインドを張って望遠で隠し撮りすることを試みました。 
暗くなるまで(日没の30分後まで)粘ったものの、残念ながらタヌキの行動は直接観察できませんでした。 
しかし、その間に他の生き物の活動を垣間見ることが出来ました。 

午後にカラスからモビング(擬攻撃)されて逃げ回る猛禽の鳴き声がときどき聞こえたものの、ブラインド内からは姿が見えませんでした。 

夕方になって1羽のノスリButeo japonicus)が休耕地に隣接する防風林に飛来すると、林縁に一際そびえ立つ高木の横枝に止まりました。(樹種不明:落葉性広葉樹) 
止まり木で西日を浴びながら眼下に広がる休耕地や田畑を眼光鋭く見回し、ピーエ、ピーエ♪と甲高い声で何度も鳴いています。 
毎日朝夕に鳴く囀りさえずり)のような縄張り宣言なのか、それともブラインドに隠れている私のことなどお見通しで、警戒声を発しているのでしょうか? 
ノスリは鳴き声のバリエーションが乏しくて、なかなか意図が読み取れません。

この辺りでノスリを何度も見かけるので、もしかすると近くにノスリの営巣木があるのかもしれません。 
4年前に私は河畔林で営巣するノスリを定点観察していたことがあるのですが、今回はタヌキの観察を優先しているため、ノスリがタヌキの幼獣を狩って捕食するのではないか?と気が気ではありません。 
(そんなシーンが撮れたらすごいスクープ映像です。)
しばらくすると、ノスリは自発的に飛び去ってくれて、一安心。(映像なし) 


※ 風で木の葉がザワザワ♪揺れているため、ノスリの鳴き声が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
近くで小鳥(ホオジロ?)がチチチチ…♪と鳴き続けているのは、見慣れないブラインドを不審がって警戒声♪を発しているのかもしれません。

ノスリが止まっていた高木の樹種を調べに行かないといけません。
なんとなくハンノキかな?と予想。

2024/01/08

コンクリートの橋桁に巣作りを始めたイワツバメ♀♂(野鳥)

 

2023年5月下旬・午後12:35頃・晴れ 

河原の橋の下にツバメの群れが高速で出入りしていました。 
カメラでズームインしてみると、いわゆる普通のツバメではなく、イワツバメDelichon urbica)という白黒の種類でした。 
どうやら橋桁の下に泥巣の土台を作り始めた基礎工事の段階のようです。 
私が近くからカメラを向けて撮影しても、イワツバメはさほど気にせずに造巣作業を続けています。 

ファーブル昆虫記』では人家に泥巣を作る蜂(ドロバチ類)の習性と比較するために、ツバメの造巣行動も観察しています。 
私はいわゆる普通のツバメの造巣行動もまだ観察できていません。 
この川の流域にイワツバメが生息することは気づいていたのですが、まさか巣作りを観察できるとは、千載一遇のチャンスです。 

関連記事(4年前の撮影)▶ 飛んでいるイワツバメを見つけた!(野鳥) 


実は、同じ流域の別な橋で橋桁の垂直な壁面(高所)になすりつけた泥汚れを過去に見た記憶があります。
てっきり悪童が泥団子を橋脚に投げつけて遊んだ跡なのかと当時は思ったのですけど、今思えばあれもイワツバメが作った泥巣の痕跡だったのでしょう。(※追記参照)

この橋の下をよく調べると、進捗状況の異なるイワツバメの泥巣が2箇所に作られていました。 
造巣を始めたばかりの♀♂ペアに注目します。

橋の下は鉄筋コンクリートの橋桁や橋脚に囲まれているため、イワツバメの鳴き声♪が反響しています。 
他にはカワラヒワも鳴いています♪。 
私の背後から川のせせらぎ♪も聞こえます。 





飛来したイワツバメは垂直のコンクリート壁面に塗りつけた泥玉を足掛かりとして辛うじて止まると、嘴に咥えた巣材の泥を新たに塗りつけ、泥巣の形を整えています。 
橋桁のコンクリートの壁面だけでなく、天井部の隅にも泥の巣材を塗り付けようとした形跡がありました。 
 『やまがた野鳥図鑑』でイワツバメの造巣習性を調べてみると、理由が分かって納得しました。
集団繁殖する種で、校舎の軒下や橋げた、歩道橋下などに営巣し、付近の上空を群れで飛んでいる。  「岩燕」と書く。もともとは山地の岩棚に営巣していたのだろう。建造物を岸壁などに見立てて巣作りするケースが増えている。イワツバメはツバメと違って天井ぎりぎりに巣を設け、その出入り口は狭い。中にはたくさんの羽毛が入っているようだ。(p91より引用)

イワツバメが泥巣aに飛来し、飛び去る様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
垂直な壁面に危なっかしく止まっている際には、キツツキと同じく硬い尾羽根の先端で体を支えていることが分かり、興味深く思いました。 

1回の巣作り作業は短時間で終わり、またすぐに飛び去ります。 
おそらく近くの川岸で巣材の泥を採取して来るのでしょう。 





2羽のイワツバメが相次いで飛来して、作りかけの泥巣に並んで止まることがありました。 
てっきり♀♂つがいが協力して巣作りしているのかと思ったのですが、イワツバメは集団でコロニーを形成するらしいので、2羽の♀が隣合うようにそれぞれの泥巣を作っているのかもしれません。 
私はイワツバメで性別の見分け方を知りません。 
ツバメと同じく尾羽根の長さに注目するのかな? 
バードリサーチニュースの生態図鑑でイワツバメを参照すると、素人には識別が難しそうです。
・羽色は雌雄同色.(中略)オスは肩羽および背から頭上にかけての藍色光沢が強い傾向にある. 
・さえずりは「ピチュルピチュルピチュル」と早口に長く繰り返す.繁殖期は飛翔中や巣内でよくさえずり,この声はオスのみが出すと思われる.地鳴きは「ジュリ,ジュリ」と鳴く. 
・繁殖システムは一夫一妻.つがい関係は毎年異なるものが多く…(後略) 
・巣: 建造物や岩場の崖,トンネルの出入り口などの雨の当たりにくい場所に営巣するが,近年は自然物への営巣は少ない.建造物は人家よりも橋桁や高架下,学校や病院などを好む.一般的にコロニーを作って繁殖し,一度作られた巣は長期間にわたって利用される.コロニーを放棄することもあるが,放棄されたコロニーが数年後に再び利用される例もある.巣材は泥が中心で,壁や庇の下に深い椀形で出入り口の狭い巣を作る.泥はコロニーから約200m離れた水田や約50m離れた水溜りから運んでいることが観察されている.(中略)多くの個体が古巣を補修して繁殖をおこなうが,新たに巣を作る場合の造巣日数は21.1±3.8日(n=14)であった (西 2009).

せっかくなのでイワツバメの造巣過程を微速度撮影しようと思い、急いで三脚を取りに家へ戻りました。 
ところが2時間後(午後14:45頃)に戻ってきて微速度撮影をいざ始めたら、イワツバメの親鳥は全く来なくなってしまいました。 
短いですが、10倍速の早回し映像を最後にお届けします。 (@3:16〜)
こんなことなら、三脚なしの手持ちカメラで動画撮影を続けるべきでした。
黒く濡れた泥は、新しく作られたばかりの部分です。 
巣材の泥が乾いた部分は白っぽく見えます。 









同じ橋桁で少し離れた地点にもう1つ別な泥巣bを見つけたので、後半はそちらを微速度撮影しました。 
初めに見つけた泥巣aよりも造巣作業がずっと進んでいて、素人目にはほぼ完成しているようです。 
長撮り監視しても、巣内で雛が顔を出すことはありませんでした。












さて、どうしてイワツバメは造巣を途中で止めてしまったのでしょうか? 
一日の中でも特定の時間帯にしか造巣行動をしないのかな? 
巣材の泥が乾いて強度が増すまで待っているのではないか?と推測しました。 
それとも、私が橋の下に設置した三脚カメラを警戒して営巣地に近寄らなくなってしまったのでしょうか? 
一応、橋の下に生えた雑草の茂みに三脚を隠したつもりで、微速度撮影中の私はカメラから離れて時間を潰していました。 
次回は迷彩ブラインドを持参して、三脚カメラ全体を本格的にカモフラージュ(隠蔽)するべきかもしれません。 
しかし、ツバメはカラスなどの天敵(捕食者)を避けるためにわざわざ人家の近くに営巣するシナントロープです。 
この橋の下も昼間はヒトがジョギングやイヌの散歩のため結構頻繁に往来しています。 
イワツバメも他の野鳥に比べてヒトに対する警戒心は薄いと思うのですが、どうなんでしょう? 

作りかけの泥巣の真下には、コンクリート基質に付着できなかった巣材の泥玉が大量に散乱していました。 
巣内で孵化した雛が排泄した糞なのか?と一瞬思ったのですが、よく見ると白く乾いた泥玉(巣材)でした。 

泥巣aの直下



泥巣bの直下




この時期の私は忙しくて、定点観察に連日通うのは無理でした。 
後日、現場入りしてみると、残念ながらイワツバメの営巣は失敗していました。 
まさか橋の下に作られたイワツバメの巣をわざわざ高所作業車を使ってまで駆除するヒトは居ないはず…と信じたいです。 
イワツバメがコロニーを作ったぐらいで橋脚の機能や強度に悪影響は無いはずです。 
糞害を嫌う潔癖症のヒトは居るかもしれません。 

どうやら橋脚のコンクリート表面が滑らか過ぎて、巣材の泥がしっかり付着できず、重さで自然に剥落してしまったようです。 
橋桁を建造する際に、この点を何か改善してもらえれば(コンクリートの表面を一部ザラザラに加工する等)、イワツバメにとって優しい営巣環境ができるはずです。 
ツバメの仲間は蚊やハエ、羽アリなどを飛びながら捕食してくれる益虫です。 
「害虫が大発生した!」と騒いで殺虫剤を毎年大量に撒かないといけない事態になるのは、近年ツバメが住宅難(営巣地不足)から数を減らしているのが一因です。 
イワツバメを含めた生物多様性を確保すれば、生態系のバランスが適度に保たれて害虫の大発生は抑えられるはずです。



※【追記】
半年前の冬に撮っていた写真を掘り出しました。

2022年12月上旬
同じ川の流域で少し下流に架けられた別の橋の下をくぐって通り抜ける際に見つけたものです。
コンクリート護岸に鳥の糞がまとまって大量に落ちていたので上を見上げると、コンクリートの橋桁の裏面にイワツバメが作ったと思われる古巣を見つけました。

もっと昔に撮った未公開写真があるはずなので、探しています。




2024/01/06

河原で脱糞後に飛び立つセグロセキレイ(野鳥)

 

2023年4月下旬・午後14:00頃・晴れ 

河原で石の上に乗ったセグロセキレイMotacilla grandis)が羽繕いしていました。 
私がカメラを向けたら羽繕いを止めてしまい、身震いしたり、辺りをキョロキョロ見回したりしています。 
私を警戒したのか、一声鳴きながら下流へ飛び去りました。 
セグロセキレイの背側がしっかり見えず、性別は不明です。 
現場は橋の下で、石だらけの中洲でした。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、飛び立つ直前に脱糞していました。 
尾羽根を持ち上げ、足を少しかがみながら、白い糞を少量排泄しています。 

※ スロー映像は1.5倍に拡大しました。

2023/12/24

送電塔に作られたカラスの古巣を調べるチゴハヤブサ♀♂(野鳥)

 

2023年5月中旬・午前11:20頃・晴れ 

高圧線を支える送電塔にカラスが営巣したかどうか、繁殖期にライン・センサスしています。 
郊外に建てられた鉄塔#20に小枝を組み合わせた巣がいつの間にか作られていて、しかも意外な珍客が来ていたので驚きました。 
チゴハヤブサFalco subbuteo)の♀♂つがいです。 
猛禽がこんな街なかの鉄塔に営巣するとは意外でした。 
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』を紐解いてチゴハヤブサの生態について調べると、
巣を自分で作ることは少なく、木立ちの上にある古巣を拝借することが多い。筆者が見たものはすべてカラスの空巣であったが、カケスや他のタカの巣を利用することもあるという。5月下旬〜6月に2〜4卵を産む。(p166より引用)

両隣の送電塔#21および#19で毎年のようにハシボソガラスやハシブトガラスが営巣しているのですが、今季はなぜか#19と#20に造巣したようです。 
(送電塔#19の営巣状況については、映像を公開予定)

カラスは天敵の猛禽類が大嫌いで、見つける度にモビング(擬攻撃)して縄張りから追い払います。 
しかしチゴハヤブサは飛翔能力が高いので、カラスがモビングを挑んでも空中戦で負けてしまうのでしょう。 
もしかすると、カラスが作りかけた巣#20をチゴハヤブサが強引に乗っ取ったのかもしれません。 
そのドラマチックな過程を観察できなかったことが悔やまれます。 

あいにく午前中は逆光で、チゴハヤブサの姿が黒っぽく見えてしまいます。 
快晴で気温が高く、陽炎が立ち昇っています。 
ズームインしてもやや遠くて、私には2羽の性別を外見から見分けることができません。 
体格差があるそうです(♀>♂)。 
小林正之、五百沢日丸『ハヤブサ 隼』という写真集によれば、
♀は胸の横に赤味があり、すね毛に縦斑がある。(p52より引用)
とのキャプションが付けられていました。 
ただし、これが全てのチゴハヤブサ♀に共通した特徴(性差)なのか、それともたまたま写真に撮れた個体(@山形県)だけの特徴なのか、不明です。 

カラスの古巣をじっくり内見している個体が♀で、横の鉄骨に止まって見張っている個体が♂ではないか?と私は推測しています。 

斜めの鉄骨(腕金吊材)に止まった♂が断続的にキィキィキィ♪と甲高い高音で鳴く声がかすかに聞こえました。 
嘴を開閉する動きと同期しているので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

しかも近所で飼い犬がずっと鳴いています♪ 

左の鉄骨に止まっていた♂が右に少し飛んで、在巣の♀に合流しました。 
撮影中はてっきり♂が♀に求愛給餌したのかと思ったのですが、1/5倍速のスローモーションで動画を見直すと、私の勘違いでした。
♂は巣内の座り心地を確かめてから、送電塔の左へ飛び降りました。 
巣の縁に立っている♀は、その様子を見守っています。 

出巣した♂は高速で右に滑空してから旋回し、同じ送電塔#20に舞い戻ってきました。 
今度は右側の腕金主材に着地すると、足で顔を掻いたり足元の鉄骨で嘴を拭ったりしています。 
カメラを向けている私に対する苛立ちの現れだとしたら、申し訳ないです。 
一方、♀は巣内で座り心地を確かめているようです。 

もしかして、性別は逆ですかね?
つまり、古巣を先に見つけた♂が♀に対して巣内に入って調べるように促しているのかもしれません。

内見中のチゴハヤブサ♀♂にあまりストレスを与えないように、早々に撮影を打ち切って立ち去りました。


約4時間後に現場の送電塔#20を再訪すると、チゴハヤブサの♀♂つがいは留守でした。 
私が無遠慮にカメラを向けたせいで営巣を止めてしまったのではないか?と心配です。 
♀が巣内に身を伏せて抱卵している可能性はあります。

送電塔の周囲をぐるぐる回って、いろんなアングルから古巣を写真と動画で記録しました。 (@3:50〜)
4時間前に撮った写真を見比べると、巣材の小枝が増えた形跡はありません。 

交通量がそこそこ多い交差点の近くですけど、果たしてチゴハヤブサ♀♂はこの古巣を気に入って繁殖を始めてくれるでしょうか? 
ここは落ち着いてじっくり観察できないのも難点です。 
撮影のために身を隠すブラインドを張れそうな場所もありません。 
(街なかでは不審者扱いされて通報されそうです。)


つづく→

2023/12/20

ニホンアナグマ♀の発情期が終わってもしつこく夜這いに通い、追い払われる♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma) の巣穴に設置したトレイルカメラの記録です。


シーン1:5/5・午前2:26・気温8℃・(@0:00〜) 
深夜に右手前の巣穴Rから♀(?)が外に出て来ました。 
巣口Rで身震いすると、何かを見つけて手前(画面下)に向かって走って来ます。 
しばらくすると、営巣地(セット)の広場に戻ってきました。 
今度は右へ向かう獣道の途中で座り込むと、茂みの陰(カメラの死角)で毛繕いしたり、体を掻いたりしています。 
後ろ向きで入巣Rしかけて、そのまま巣口Rで見張りを続けます。 


シーン2:5/6・午前1:32・(@1:46〜) 
翌日の深夜、夜這いに来た余所者の♂が右から右手前の巣口Rを覗き込んでいます。 
巣内には押し入らず、左へ立ち去りました。 
このとき♂の求愛声は聞き取れませんでした。 
もしかすると、ヘルパー(若い♂)かもしれません。 


シーン3:5/6・午前1:33・(@2:28〜) 
♂はそのまま広場に座って体の手入れをしています。(仰向け毛繕い) 
5倍速の早回しでご覧ください。 


シーン4:5/6・午前1:34・(@2:34〜) 
♂が広場から巣穴Lを経由して左に立ち去るようです。 
カメラの電池が消耗していて、細切れの映像になっています。 


シーン5:5/6・午前1:35・(@2:44〜) 
奥から手前に向かって♂が走って逃げて来ます。 
その後ろから♀(右目<左目)が追いかけてきます。 
巣穴Rを挟んで2頭が向かい合いました。 
巣口Rで立ち止まった♀が身震いしてから、再び♂に突進して撃退しました。 
このとき威嚇や求愛の鳴き声は聞き取れませんでした。 

残念ながら、せっかく面白いところで尻切れトンボで録画終了。 
深夜の採餌活動から戻って来た♀が、侵入者♂を見つけて追い払ったようです。 
ということは、これまで広場でウロウロしていた個体はやはりヘルパー♂ではなくて、求愛目的の♂(余所者)だったことが分かりました。 


シーン6:5/8・午後20:33・気温6℃・(@2:55〜) 
2日後の晩。 
広場に居た♀が右の暗闇に居た♂に突進して追い払いました。 
激しい威嚇や喧嘩の鳴き声♪および灌木の細い枝がポキポキ折れる音が聞こえます。


シーン7:5/8・午後20:31・(@3:07〜) 
別アングルの映像に切り替えてみましょう。 
画面には何も写っていませんが、カメラの背後からアナグマ♀♂の激しい喧嘩の鳴き声が聞こえます。 
残念ながら、トレイルカメラの電池切れで2秒間しか録音できていません。 


シーン8:5/8・午後20:34・(@3:09〜) 
次にカメラが起動したときには、巣口Rに戻った♀が左を向いて警戒していました。 


シーン9:5/8・午後20:35・(@3:13〜) 
別アングルの監視映像に切り替えました。 
こちらのトレイルカメラは新機種で、電池に余裕があります。 

右から戻ってきた♀が入巣Rしかけるも、巣口Rで振り返ってカメラ目線になりました。 
右目が左目よりも小さいことが分かります。 
巣口Rに後退して塹壕戦のように身を隠しながら、警戒を怠りません。 


シーン10:5/9・午後20:23・(@3:38〜) 
翌日の晩にも似たような行動が繰り返されました。 
夜這いに来た♂が広場を回り込んで巣口Rに座り込みました。 


シーン11:5/9・午後20:24・(@3:48〜) 
手前の獣道へ来かけた♂が、振り返って巣口Rの様子を見ています。 
求愛声は聞き取れません。 


シーン12:5/9・午後20:25・気温12℃(@3:48〜) 
別アングルの映像に切り替えました。 
広場の右端で佇む夜這い♂が巣口Rの方をずっと見ているものの、♀が怖いのか近づけないようです。 
しばらくして、ようやく♀が巣穴Rから出てくると、♂に突進して追い払いました。 
今回は何も鳴き声は聞き取れませんでした。 
慌てて逃げるアナグマが林床に転がっている空き缶を蹴飛ばす音がカラン♪と聞こえました。(@4:28〜) 

後日、アナグマ営巣地付近の林床で見つけた缶コーヒーの空き缶2個の写真を載せておきます。
誰かが林内で飲んだ後にポイ捨てしたのか、それとも甘い香りに誘われてタヌキがゴミ捨て場から拾ってきたのか、不明です。







シーン13:5/9・午後22:11・(@4:30〜) 
約2時間後、珍しく左奥の巣口Lからアナグマが外に出てきました。 
♀かヘルパー♂か見分ける間もなく、尻切れトンボで録画終了。 


シーン14:5/9・午後22:12・(@4:35〜) 
ワンッ♪と吠える声がしました。 
出巣Lしたのはおそらく♀で、セットにしつこく近づく夜這い♂を追い払ったようです。 


シーン15:5/9・午後22:13・(@4:40〜) 
巣口Rから出てきた♀が、奥に居座る♂と対峙しています。 
♂の目が白く爛々と光って見えます。 


シーン16:5/9・午後22:13・(@4:43〜) 
次にトレイルカメラが起動したときには、♂が逃げた後でした。 
♀は警戒を怠らず、巣口Rに残っています。 


シーン17:5/9・午後22:14・(@4:46〜) 
右の二次林から♂がセットに登場。 
逃げた♂が懲りずにしつこく戻ってきたようです。 


シーン18:5/9・午後22:15・(@4:48〜) 
巣口Rから外に出てきた♀が奥に居座る♂と睨み合っています。 


シーン19:5/9・午後22:17・(@4:51〜) 
♂を追い払った♀が奥から戻って来て巣穴Rに戻りました。 


シーン20:5/11・午後20:20・気温9℃・(@4:56〜) 
2日後の晩。 
ヘルパー♂(?)が広場で仰向けになって毛繕いしたり、辺りをうろついたりしています。 
仰向けで開脚してくれるのですが、私には外性器がよく分かりません。 

林冠から垂れ下がっている蔓をちょっとだけ掴んでぶら下がる体勢になりました。(@6:10〜) 
蔓を引っ張って遊んでいるのでしょうか? 


突然、♀が巣穴Rから飛び出してきて♂を奥の森へ追い払いました。 
凄い剣幕でワンワン吠え立てています。(威嚇の鳴き声) 

それまであまりにも巣口Rでリラックスしてるので、てっきり私はヘルパー♂が暇を潰していると思ったのですが、夜這い♂だったのでしょうか? 
育児で苛ついていた♀が、巣口Rでくつろぐヘルパー♂を夜這い♂と誤認した可能性もありますかね? 
まだ♂を個体識別できてないのが私の課題です。 

この時期はもう交尾行動が録画されなくなり、夜這いに来た♂を♀は営巣地から追い払うだけです。 
どうやら今年の♀の発情期はもう終わったようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2023/12/15

ニホンアナグマ♀と親密に相互毛繕いしても結局は追い払われる夜這い♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地を2台の自動センサーカメラで見張っています。

シーン1:5/1・午後20:21(@0:00〜) 
晩に夜這いに来た余所者の♂が珍しく左奥の巣口Lに座り込み、♀が出てくるのを見張っています。 
巣の主が外出から戻って来たのか、画面奥を振り返って警戒しています。 
慌てて広場に走って来た♂が、右の林内に走り去りました。 
このとき右手前の巣穴Rに避難しなかったことから、ヘルパー♂ではないと考えています。 
そもそも今回登場する「♂」は外見からして♂っぽくありません。
若い♂なのかな?
外性器が見えないので確定できないのですが、前後の行動から求愛♂とみなしています。

しばらくすると、別個体が画面の左端から巣口Lに登場しました。 
次の映像を見ると、同一個体がぐるっとひと回りしてきたという可能性は除外できます。 


シーン2:5/1・午後20:24・気温18℃(@1:31〜) 
別アングルで撮れた映像を見てみましょう。 
気温はおそらく異常値です。 

夜這い♂が営巣地(セット)の広場から二次林内を右上奥へ走って逃げました。 
別個体が画面の左下隅から登場。 
巣口L、Rの横を通って広場を右へ。 
さっき走って逃げた個体の後を追いかけているのでしょうか? 


シーン3:5/3・午前3:28(@2:05〜) 
2日後の未明、夜這いに来た♂が巣口Lの左に座り込んで体をボリボリ掻いています。 
手前に忍び寄ると巣口Rを覗き込み、身震いしました。 
このとき♂の求愛声(ジェジェジェビーム♪)を発したはずですが、聞き取れませんでした。 

♂が奥へ立ち去ろうとすると、異変を感じた♀(右目<左目)が巣穴Rから出てきました。 
余所者の夜這い♂と対峙して目の前で身震いしただけで、♂は逃げ腰になりました。 
左にちょっと退散しかけたものの、♂が慎重に正面から♀に近づき、互いに匂いを嗅ぎ合います。 
そのまま親密な相互毛繕いを始めました。 
これは交尾前の前戯なのでしょうか? 


シーン4:5/3・午前3:30(@3:35〜) 
相互毛繕いを5倍速の早回し映像でご覧ください。 


シーン5:5/3・午前3:30(@3:49〜) 
長々と相互毛繕いしていたのに、急に機嫌が悪くなった♀が軽く唸って♪しつこい♂を追い払いました。 
♂は少し離れた所に座っています。 
再び♀に近づこうとするも、牽制されたのか、♂は諦めて右奥の茂みの陰に隠れました。 
広場に残った♀は独りで身だしなみを整えています。 

♀が交尾する♂の選り好み(配偶者選択)をしているのでしょうか?
発情期が終わったら♀は♂と交尾しなくなります。 
この♂は前年までヘルパー役を勤めた個体(息子)ではないか?と勝手に想像してみました。
あるいはヘルパーに選ばれなかった兄弟(♀の若い息子)かもしれません。


シーン6:5/3・午前3:33・気温2℃(@4:23〜) 
別アングルの監視カメラに切り替えます。 
広場の少し左、マルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の茂みの陰で♀が独りで毛繕いしています。 
そこへ夜這い♂が左の茂みから近づいて来ました。 
♀♂2頭が林縁ですれ違いました。 
♀は広場に残り、♂は少し奥の林内で体を掻いたり毛繕いしたりしています。 
やがて♀が広場から軽く突進して♂を追い払いました。 
逃げた♂は少し逃げただけで、♀の様子をうかがっています。 

♀が歩いて左下に移動し始めました。 
採餌やトイレ(排泄)に出かけたのかな? 
♂は♀について行くでもなく、広場の匂いを嗅ぎながらうろついています。 
そのまま♂が巣口Rに近づこうとしたら、♀が左下から戻ってきて巣口Lで座りこみました。 
それを見た♂は慌てて右へ逃げて行きます。 
♀がセットの広場に戻る途中で2分間の録画終了。 


シーン7:5/3・午前3:33(@6:24〜) 
別アングルでも撮れていました。 
広場に戻った夜這い♂がしばらくカメラ目線で警戒した後、地面の匂いを嗅ぎ回っています。 
こちらの旧機種カメラは電池が消耗して、断片的な映像しか撮れなくなりました。 


シーン8:5/3・午前3:34(@6:46〜) 
巣口Lの横で座っていた♀が立ち上がると、地面の匂いを嗅ぎ回ります。 
さっき来た夜這い♂の残り香を調べているのでしょう。
広場に座り込んでカメラ目線になると、左右の目の大きさが非対称であることが分かります(右目<左目)。 
立ち上がって身震いし、手前に歩き出したところ録画終了。 


シーン9:5/3・午前3:35(@7:06〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
広場に佇んでいた♀がようやく入巣Rしました。 

そのまま映像を撮り続けると、右から別個体(おそらく♂)がセットにやって来ました。 
巣穴Rには立ち寄らず、少し迂回しながら左へ素通りしました。 


シーン10:5/3・午前3:36(@7:49〜) 
続きを別アングルの監視映像でご覧ください。 
夜這い♂が左奥の巣穴Lに立ち寄ってからまた広場に戻ってきて巣穴Rを覗き込みました。 
体を掻いてから右の林内に立ち去りました。 
未明のしつこい夜這い行動はこれで一段落しました。 


シーン11:5/3・午前23:23・気温8℃(@7:49〜) 
同じ日の深夜に♀が右の巣穴からひょっこり外に出てきました。 
手前(画面下)へ走って来ます。 
カメラの背後で激しい鼻息や物音が聞こえるのは、おそらく♀が夜這い♂を撃退する行動と思われます。 
画面下から広場に戻ってきた♀が立ち止まって身震いし、今度は左へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2023/12/12

山麓の草むらで縄張り宣言の母衣打ちをするキジ♂(野鳥)

 

2023年5月上旬・午後12:20頃・晴れ 

山麓の農村部の草むら(休耕地?)でキジ♂(Phasianus versicolor)が居ました。 
緑の草むらの中に派手な赤い頭部が一際目立ちます。 
横を向いていたキジ♂の落ち着きが無くなり、辺りをキョロキョロ見回すようになりました。 
やや後ろ向きになると、ケンケーン♪とけたたましく鳴きながら激しく羽ばたいて母衣ほろ打ち♪を披露しました(@0:55〜)。 
繁殖期に♂が縄張り宣言する鳴き声ですが、近所の別個体♂が鳴き返す応答は聞こえませんでした。 

母衣打ちの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@1:22〜)、2回絶叫しながら4+9回羽ばたいていました。 

キジ♂の近くをウスバシロチョウが飛び回っています。 
手前に生えた草でキジ♂の頭部が少し隠れていたので、鳴き終えたキジ♂が後ろを向いている隙に、私は少し横にずれて撮影アングルを確保しました。 
ところが振り返ったキジ♂が私に気づいて正面から睨みつけると、警戒して土手の向こう側のへ降りて姿が見えなくなりました。 
私が欲を出さなければ、次の母衣打ちをハイスピード動画で録画できたのに、残念です。

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