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2017/06/30

塒の川から第二陣のコハクチョウが飛び立つまで(冬の野鳥)



2016年11月上旬午前7:14~7:23(日の出時刻は午前6:11)
▼前回の記事
コハクチョウ第一陣が塒の川から飛び立つまで(冬の野鳥)

集団塒の川からコハクチョウCygnus columbianus)の第二陣が飛び立つまでの一部始終をノーカットでお届けします。
もしかすると、この小群は昼間も川に居残りヒトからの給餌に依存して暮らすのかと思いきや、結局は少し遅れて離塒しました。

後で聞くと、鳥インフルエンザの流行を恐れて今季はここで白鳥に給餌をしていないのだそうです。
第二陣の内訳は、黒っぽい幼鳥が2羽、成鳥が3羽の計5羽。
もし血縁関係にある家族群だとしたら、つがい(番)以外の成鳥一羽は前の年に生まれたヘルパーなのかな?

♂1♀2の小ハーレムである可能性もありそうです。
それとも昼間に行動をともにする群れの構成員は日替わりで変わるのでしょうか?
足環調査でしっかり個体識別しないと分かりませんね。

ときどき鳴き交わしながら川面を優雅に移動しています。
各々が朝の身支度(水浴と羽繕い)に余念がありません。
水浴シーンでは、体を上下に揺すって冷たい川の水を背中に繰り返しかけています。(@1:10)
川の水を嘴ですくって飲む個体もいます。(@2:15)

最後は川の中央部で全員が横一列に並んで同じ方向(上流)を向いています。
首を上下して鳴き交わす頻度が次第に上がってきました。
助走開始のきっかけは、陣形の中央に居た1羽の成鳥が先陣を切りました。(@7:00)
幼鳥は陣形の右翼を占めていました。
全速力で走りながら初めは水面を翼で激しく叩きますが、徐々に高度を上げていきます。
今回も上流へ向かって(風上へ?)離陸しました。
川の上空で右に旋回して河畔林に一度隠れてから、下流のどこか採餌場へ飛び去りました。
白鳥の行き先をいつか突き止めたいものです。
そして塒の川に白鳥は1羽も居なくなりました。
夕方になれば再び群れで戻って来るでしょう。

午前7:20に測定した気温は1.4℃、湿度82%。
今思うと、川の水温も測るべきでしたね。
風向きが逆の日は助走の向きも今回とは逆になることも確認したいです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、

ハクチョウはいっせいに移動することはありません。日の出から10時くらいまでに、家族ごとや仲間どうしで田んぼへ飛んでいきます。コオーコオーと仲間どうしでよびかけあいながらの移動です。 (p12-13より引用)


2017/06/29

コハクチョウ第一陣が塒の川から飛び立つまで(冬の野鳥)



2016年11月上旬・ 午前6:54~7:05(日の出時刻は午前6:11)
▼前回の記事
早朝に集団塒の川から飛び立つコハクチョウの群れ:ハイライト映像(冬の野鳥)


集団塒の川からコハクチョウCygnus columbianus)の第一陣が飛び立つまでの一部始終をノーカットでお届けします。
朝焼けで赤く染まった川面に霧が流れています。
第一陣の内訳は黒っぽい幼鳥が3羽、成鳥が18羽の計21羽。


初めは上流(画面右)を向いて川の中央に並び、長い首を上下しながら互いに鳴き交わしています。
手前の岸辺には5羽の小群(これが第二陣になる)が居残って、カモ類と一緒にのんびり羽繕いしたりしています。
やがて群れは下流へ(画面左)向かって川面を移動し始めました。
朝の身支度(水浴と羽繕い)をする個体もときどきいます。
途中で画面を横切り単独で飛び去った白い鳥は(@5:27)、同じ川を塒としていた白鷺(おそらく冬鳥のダイサギ)です。

ようやくコハクチョウの群れが離陸のための助走のスタートラインに付いたようです。(@7:35)
このとき、隣り合う成鳥2羽が噛み付き合う小競り合いが勃発しました。(@8:15)
スタート位置や陣形を決めるポールポジションの位置取り争いがあるのでしょうか?

群れ全体で鳴き声が一層高まりました。(@9:15)
遂に中央の成鳥一羽が背伸びをして大きく羽ばたき、助走を開始。(@9:25)
連鎖反応のように群れが鳴きながら直線の川で助走を始めます。
走りながら初めは水面を翼でバシバシ叩きますが、徐々に高度を上げ上流へ向かって飛んで行きました。
おそらく風上に向かって飛び立ったはずですが、撮影に夢中の私はそこまで気が回らず、風向きを確認していません。
離陸した群れは右へ旋回し、下流へ飛び去りました。
昼間の採餌場がどこにあるのか、いつか突き止めたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→第二陣の離塒


2017/06/16

川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第三、四陣



▼前回の記事
川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣
コハクチョウの塒入り#4

2016年11月上旬・午後17:00~17:16

新たに飛来した5羽の白鳥の群れが鳴きながら編隊飛行で川の上空を旋回しています。
夕日を浴びて飛ぶ姿が美しいですね。

先着組のコハクチョウCygnus columbianus)たちの頭上を飛び越え、下流側から着水しました。
到着直後に水を飲み羽繕いするのは同じです。
塒入りした第三陣は、成鳥3、若鳥2の群れでした。

更に13羽の群れが下流側より飛来しました。
一旦塒を通り過ぎてすぐ旋回すると、上流側から着水。
もう相当暗いのでズームできません。
細かい行動はもう観察できなくなりました。
コハクチョウかどうかも不明で、オオハクチョウの可能性もあります。
その場合は、混群の集団塒ということになります。
互いに鳴き交わしながら川面を移動し、複数の群れが合流しました。
灰色の若鳥は夕暮れの川面で保護色になっていて(「白鳥」ではない)非常に見つけにくいことを実感しました。
軍艦をカモフラージュのために灰色に塗装しているのと同じですね。

とっぷりと日が暮れると、動画に映っているのは河畔林のシルエットと遠くの外灯だけになりました。
暗くなってからの方が白鳥は頻りに大声で鳴き交わしています。(挨拶?)
(カモ類の鳴き声も聞こえます。)
新たに飛来した群れが着水したらしい水音が響くものの、姿は全く捉えられません。

ちなみに、この日の日の入り時刻は16:35、月齢5.4でした。
川に就塒した白鳥を合計すると11羽+αでした(暗くなってから帰投した個体はカウント不能)。
今回#4は実際の暗さをお見せするために、動画編集時に自動色調補正していません。

シリーズ完。
次の課題は、早朝に塒から飛び立つ白鳥を観察することです。→つづく


2017/06/15

川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣



▼前回の記事
川に塒入りしたコハクチョウが着水後に水をガブ飲み(冬の野鳥)


コハクチョウの塒入り#3


2016年11月上旬・午後16:49~16:58

第一陣として就塒したコハクチョウCygnus columbianus)のペアは常に行動を共にしています。

そこへ新たに4羽のハクチョウの群れ(うち若鳥1羽)が上流側から飛来すると、先着ペアの近くに着水しました。(@0:59)
第二陣の群れも着水の直後に水を盛んに飲みました。
若鳥は羽色が灰色で嘴が黄色くない(白っぽい)ので、見分けるのは容易です。※
着水の際に少し離れ離れになっても、川面を移動して再集合します。
家族群なのかな?

やがて後から来た4羽が川面を移動し、先客のペアに合流しました。
就塒した群れは、これで計6羽になりました。
毎晩塒を共にするので互いに顔見知りだと思うのですけど、挨拶のような行動は特に見られませんでした。
各々が川の水を嘴で掬って飲んだり、羽繕いしたりしています。

最後は白鷺の大群(20羽以上?)が飛来し、上流へ飛び去りました。
近くに白鷺の集団塒が別にあるのでしょう。

日が暮れてどんどん薄暗くなってきました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施していますが、実際はもっと薄暗いです。


※『しぜんのせかい10:はくちょう』p20によると、

ハクチョウの幼鳥は灰褐色です。翌年渡ってくる頃は白くなります。


つづく→#4:塒入り第三陣


2017/06/14

川に塒入りしたコハクチョウが着水後に水をガブ飲み(冬の野鳥)




▼前回の記事
夕方の川から飛び立つコハクチョウのペア(冬の野鳥)

コハクチョウの塒入り#2


2016年11月上旬・午後16:35~16:47


下流側から番(つがい)と思しき2羽のコハクチョウCygnus columbianus)が並んで飛んで来ると、ほぼ同時に川面に着水しました。
両足の水かきを拡げて水面との抵抗でブレーキをかけます。
第一陣の塒入りがちょうど日の入り時刻(午後16:35)である点が興味深く思いました。

塒の川に着いたコハクチョウは、すぐに水を何度も飲み始めました。
上空は空気が乾燥していたのか、あるいは激しい飛翔運動でかなり喉が渇いたようです。

熟練した白鳥の研究者は、群れから個体識別ができるのだそうです。
『日本動物大百科3:鳥類I』p64に「図C:コハクチョウのくちばしの模様による個体識別の一例」がイラストで描かれていました。


映像を見直すと、ペアのうち一羽の嘴の根元が灰色で黄色い部分が少なかったです。
先ほど飛び立った番が川の上空を旋回しただけですぐにまた戻って来たのかと思ったのですが、嘴を見比べると明らかに別の番でした。


羽繕いしながら川面を移動しています。

嵯峨悌二氏による写真集『白鳥 (クォークスペシャル) 』によると、

・水を飲むときは、水面にくちばしをつけて水をすする。それから頭をもたげると、喉に水が流れ落ちていく。(p52より)



嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、
渡ってきたばかりのハクチョウは、何回も水をすくって飲みます。水を飲みこむときにのどがくねくね動きます。 (p4より引用)



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣


2017/06/10

用水路で水を飲み羽繕いするカルガモのつがい(野鳥)



2016年5月中旬

山麓を流れる深い農業用水路で2羽のカルガモAnas zonorhyncha)を発見。
里山のダムや池ではよく見かけるものの、この状況は初見です。
ちょっと珍しいと思い、動画に記録しました。
水があればそれだけで落ち着くのかな?

初めは用水路を渡る橋の部分の下(日陰)で休んでいて、一羽が羽繕いを始めました。
ときどき嘴で水をすくって飲んでいるのは、羽根を適度に濡らすためですかね?

私がカメラを向けると警戒し、少しずつ流れに逆らって逃げ始めました。
濠自体は深く掘られているものの流れている水量は少なく、カモの足が底につきそうなぐらい浅い水路です。
泳いでいるというよりも、ほとんど歩いている状態かもしれません。

こんなコンクリート三面張の水路にカルガモの餌があるとはとても思えなかったのですが、苔むしたコンクリート壁をときどき啄んでいます。

私が用水路沿いに歩いてカルガモを追い越してから振り返って見ると、今度は流れに乗って下流へ遠ざかりました。


2016/12/12

餌場からルリシジミ♂を追い払うムネアカオオアリ♀の占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2016年8月下旬

▼前回の記事
鳥糞を舐めつつ排尿するルリシジミ♂

路上の小石に付いた鳥の糞を舐めてミネラル摂取していた3頭のルリシジミ♂(Celastrina argiolus)は、翅表の紋様から♂と判明しました。

ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀も近くに群がっています。
ルリシジミが排泄するおしっこをアリが舐めに来ているのか?と頭によぎったのですが、違うようです。
ムネアカオオアリが集まっている辺りにはおそらく獣糞や死骸があったのだろうと推測しましたが、よく分かりません。

ムネアカオオアリのワーカー♀がときどきルリシジミの体に噛み付いて攻撃しているのが興味深く思いました。
獲物として狩るのではなく、餌場から追い払う占有行動のようです。
飛んで逃げたルリシジミ♂は懲りずにすぐ舞い戻って来て、仲間の近くに再着陸します。
ムネアカオオアリが接近しただけでルリシジミが飛んで逃げ出すこともありました。
240-fpsで撮ったハイスピード動画にも占有行動が写っていました。(@0:27〜2:01)
ルリシジミがときどき飛び立つのは自発的ではなく、アリに噛まれたからだということがスローモーションで明確になりました。
ムネアカオオアリにとって、ライバルのルリシジミを追い出してでも独占したいぐらい魅力的な餌場なのでしょう。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/12/08

鳥糞を舐めつつ排尿するルリシジミ♂



2016年8月下旬

峠道の路上で2頭のルリシジミ♂(Celastrina argiolus)およびムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が群がっていました。
ルリシジミが口吻を伸ばして舐めているのは、白っぽい鳥の糞が付着した小石でした。
吸汁しながらときどきルリシジミが透明な液体を排泄しました。


▼関連記事鳥の糞に群がるシホンハマダラミバエとルリシジミ

ムネアカオオアリが集まっている辺りにはおそらく獣糞や死骸があったのだろうと推測しましたが、どうでしょうか。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく






2016/12/01

朝、池の水を飲むゴイサギの幼鳥(野鳥)



2016年8月中旬・午前5:16

▼前回の記事
池に飛来し、飛び去るゴイサギ幼鳥

溜池の中に散らばっているゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥群の中で、手前の東岸に佇む個体に注目しました。
この直前に飛来して池に着水したのです。(映像無し)
しばらくすると、岸辺を歩き始めました。
つづいて池の水を3回に分けて飲みました。
嘴で水を一口すくう度に頭を上げて喉に流し込んでいます。

その後、全身の羽毛を一瞬だけ逆立てた仕草は何を意味しているのですかね?
小声で鳴いているような気もするのですが、定かではありません。
ブラインドの陰からズームを多用して幼鳥の横顔を撮っていたら、どうやら私の存在に気づいてしまったようです。
突然岸辺から飛び立ち、逃げてしまいました。



この日初めて使ってみた迷彩ブラインドの効果は抜群でした。
この映像が撮れただけでも元が取れた気になりました。
夜通しで観察してきた中で一番感激した瞬間です。
ブラインドが無ければ、水鳥をこんな間近から撮るのはとても無理です。
今回は望遠レンズを使わなくても済むぐらいの近距離でした。


つづく→ゴイサギ幼鳥同士の喧嘩と威嚇誇示


眼の周りが緑色でした。

余談ですが、夜明け前(深夜3:00頃)に池の畔でブラインドを木陰に張っているときに思わぬ出会いがありました。
背後の土手の茂みからガサガサと小動物が動く音がするので赤色灯で照らしてみると、そこに居たのはなんとハクビシンPaguma larvata)でした。
向こうもニアミスに驚いてすぐに引き返して逃げて行きました。
証拠映像が撮れずに残念無念。
一瞬の出会いでしたが、タヌキの顔ではありませんでした。
外来種のハクビシンが溜池周辺に生息しているとは、嬉しい発見でした。
暗闇で作業していた私の物音を聞きつけて、好奇心旺盛なハクビシンが様子を見に来てくれたのでしょう。






2016/11/01

サカハチチョウ夏型の吸水と排尿



2016年7月下旬

沢の水が流れ込んで濡れている路面に夏型のサカハチチョウAraschnia burejana)が来ていました。
半開きの翅を開閉しながら徘徊すると、口吻を伸ばして泥から吸水を始めました。
泥からミネラル成分を摂取しているのでしょう。
吸水しながらときどき腹端から透明な液体を排泄しています。

一緒に来ていたコチャバネセセリと比べると、サカハチチョウ夏型は鈍感で撮影が楽でした。
この水場では他にキタテハも吸水に来ていたのですが、逃げられて撮り損ねました。





2016/10/30

ヨシゴイ♂(野鳥)が池の水を飲み脱糞



2016年7月下旬・午後16:50

東北地方南部の梅雨明けが宣言された日の夕方に溜池で観察していると、ヨシゴイ♂(Ixobrychus sinensis)が岸辺のヨシ原に飛来しました。
頭頂部が黒いので♂成鳥です。
水面に嘴を付けてから頭を持ち上げる動作を何度も繰り返し、水を飲んでいます。
つづいて白い液状の糞を池に排泄しました。(@0:53)
水洗トイレですね。

軽く飛んで水辺から葦原に戻ると、長い茎から茎へ渡り歩きながら、獲物を探し始めました。
途中で再び水辺に降りて嘴を水でゆすぎました。(@1:30)

後半は手前の水面をカルガモが2羽横切ったり、一羽のアオサギがいつの間にか溜池に飛来したりしたので、私はそちらに気を取られてしまいました。
互いに顔馴染みらしく、3種の水鳥は互いに無関心でした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


頭頂部が黒いので♂




2016/10/29

ルリシジミの吸水と排尿【HD動画&ハイスピード動画】



2016年7月下旬

沢の水が流れ込んで泥濘になった路上でルリシジミCelastrina argiolus)が吸水していました。
口吻の先を泥に差し込み、触角を緩やかに上下しています。
あちこち歩き回るのではなく、とにかく一箇所にじっとしています。
ときどき腹端を少し下げて黄色っぽい透明の尿をポタリと排泄します。
大量に水を飲んで泥に含まれるミネラル成分を摂取しているのでしょう。

おしっこは勢い良く噴射するのではありませんが、滴り落ちる排尿シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@5:09〜5:44)

常に翅をしっかり閉じているので、翅裏しか見えません。
飛び立つ瞬間をハイスピード動画に撮れば翅表の色で性別判定できるはずだ、と思いついた時には残念ながら居なくなっていました。






2016/10/27

コチャバネセセリ♂の吸い戻し(吸水と排尿)



2016年7月下旬

峠道の登り口で沢の水が流れ込んで常に路面が濡れている場所があります。
夏になるとここは蝶たちにとって格好の水場になるので、通りかかる度に何が来ているのか楽しみな観察スポットです。
道端の泥になっている部分は、もしかすると獣糞が少し混じっているのかもしれません。

まず初めに夏型のコチャバネセセリ♂(Thoressa varia)を紹介します。
ヒトの気配にかなり敏感で、すぐに飛んで逃げてしまいます。
おそらく同一個体が繰り返し水場に飛来していたので、私もかなりしつこく粘って吸水と吸い戻しの撮影に成功しました。
大量に飲んで排尿するだけなら夏のビアガーデンでヒトがよくやっていますね。
コチャバネセセリ♂はときどき腹部を前方に強く曲げて透明な液体を排泄していることが分かります。
泥や汚物に含まれるミネラル成分を摂取しているのですが、おしっこをかけて泥を溶かしながら吸水する行動がセセリチョウ科に特有の吸い戻しです。

濡れた路上を歩き回り朽木の欠片を見つけると、吸い戻しを開始。
再び少し歩いて、路上で吸水と排尿を続けます。



【追記】
『チョウのはなしI』p143によると、
セセリチョウ科の吸いもどし行動のことを述べておきます。これは、自分の排泄物そのもの、あるいは鳥獣糞に排泄物をのせて成分を溶解させて吸う行動です。その生理的な意味はまだよくわかりませんが、おそらくチッ素分の補給のためなのでしょう。






2016/09/11

畑の土で吸水するモンシロチョウ



2016年6月下旬

家庭菜園の畑で水を撒いた部分の湿った黒土にモンシロチョウPieris rapae)が止まっていました。
モンシロチョウのミネラル摂取は珍しい(初めて見る)!と思い、撮り始めました。
しかし撮影アングルを変えながら口元に注目しても、口吻を伸ばして土を舐めているようには見えません。
濡れた土が気化熱でひんやり涼しいだけかもしれません。
もし体温を冷やしたいのなら、日陰に飛んで行けば良いと思うのですけど…。

▼関連記事(3年後に土を舐める口吻をしっかり撮れました!)
畑の土を舐めてミネラル摂取するモンシロチョウ♂



2016/08/11

池の水を飲むドバト(野鳥)



2016年6月中旬・午前7:34

溜池の岸でカワラバト(=ドバト;Columba livia)が水を飲みに来ていました。
コンクリートで護岸された斜面を水際まで歩いて降りると、頭を下げて嘴を水面に付けたまま水を吸ってゴクゴク飲んでいます。
不思議なことに、この飲み方が可能なのは、鳥類ではハトの仲間だけです。
どうやら隠し撮りしている私のことを警戒しているようです。
鳩は水を少し飲んだだけで慌てたように斜面を登り返してクズの茂みの陰に隠れ、飛び去ってしまいました。
実は同様の飲水シーンを同じ日にもう一回見ているのですけど、撮り損ねました。

▼関連記事
川の水を飲むキジバト(野鳥)


【追記】
国松俊英『ハトの大研究―古代から人とともに生きてきた鳥』によると、

水道の水を(蛇口から)のむキジバト。ハトはほかの鳥とちがい、くちばしを水に入れたままのむことができる。 (口絵の写真より引用)
ハトは(中略)くちばしを鼻孔(はなのあな)まで水の中に入れ、頭をあげないで水をのむことができます。 (p11より引用)




2016/08/05

路上で吸水するイチモンジチョウ



2016年6月上旬

山裾にて正午過ぎ、沢の水で濡れている路上でイチモンジチョウLimenitis camilla)が水を飲みに来ていました。
翅を立てて(閉じて)吸水しています。
残念ながらすぐに飛び立ってしまいました。
映像の後半は1/4倍速のスローモーションでリプレイ。





2016/07/28

コベニスジヒメシャク?(蛾)の吸水



2016年6月上旬

山麓の道で沢の水が流れ込む濡れた路上に、おそらくコベニスジヒメシャクTimandra comptaria)またはその仲間と思われる蛾がペタリと止まっていました。
背面からでは肝心の口吻の状態が見えないのですが、水を飲んだりミネラルを摂取しに来たのでしょう。

本種成虫の口吻が退化しているかどうか、私は知りません。
もしその場合は解釈に困るのですが、打ち水したように気化熱で涼しい路面が気に入ったのでしょうか。





2016/07/26

濡れた路上で吸水するサカハチチョウ春型



2016年6月上旬

春型のサカハチチョウAraschnia burejana)が吸水していました。
場所は山道を登り始めた地点で、沢が流れこむため暗渠のすぐ横の路面がいつも濡れています。
午後の日光を浴び、翅を開閉しながら吸水しています。

翅が左右非対称に見えるのが気になりました(左>右)。
翅を広げる角度が左右違っているだけかと思いきや、前翅の翅頂が重なりません。
羽化不全個体だったり、もしかするとギナンドロモルフ(雌雄モザイク)だったりして…?
飛翔能力には影響ないようです。






2016/06/06

池の護岸で虫を捕食するハクセキレイ♀♂(野鳥)



2016年5月上旬

溜池のコンクリート護岸でハクセキレイMotacilla alba lugens)が虫を捕食しに通っていました。
水辺や階段で虫を捕食したり、飛びながら池の水面で水生昆虫をキャッチしたりしています。
遠くて獲物は見えませんが、トンボやアメンボ、カワゲラ等かな?
暴れるカワゲラ?を階段に何度も叩きつけてから飲み込みました。
何度も連続で捕食していますが、同じ日にここで観察したセグロセキレイ♂のように嘴に多数の獲物を貯めてから帰巣して雛に給餌するのではなく、自分のためにその場で食べていました。
ときどき岸から水面に嘴を付けて水を飲んだようです。

映像の前後半に登場する個体は背中が灰色なので♀、中盤(@0:52〜1:35)に登場する個体は背中が黒いので♂だと思います。

階段で逃げ惑う虫を素早く追いかけて捕食しています。
階段の下を覗きこんで虫を探すこともありました。
この階段の下面でほぼ毎年、営巣していたフタモンアシナガバチの巣が大きく育つ前にことごとく壊されて落胆したのですが、犯人(捕食者の正体)はハクセキレイやセグロセキレイなどの野鳥だったのかもしれません。
これだけ熱心に階段の下を覗き込んで虫を探索していれば、間違いなく蜂の巣も見つけたことでしょう。

▼関連記事:フタモンアシナガバチの営巣
リンク123
池から飛び去る時の鳴き声が、セグロセキレイとは異なりチチッ♪と澄んでいたのは図鑑に書いてある通りでした。


写真は全て♀

2016/05/28

池の護岸で虫を捕食するセグロセキレイ♂(野鳥)



2016年5月上旬

溜池のコンクリート護岸の階段でセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が虫を捕食しに通っていました。
よく見ると嘴に虫を何匹も咥えたまま走り回っています。
何度も連続で虫を捕らえ、嘴に獲物を貯めてから帰巣して雛にまとめて給餌するのでしょう。
自分のために捕食しているのであれば、嘴に獲物を貯めずにすぐ飲み込むはずです。
ときどき池の水面をかすめるように飛んでは岸の階段にすぐ戻ってくるのは、水生昆虫を見つけて捕らえたのでしょう。
また、岸から水面に嘴を付けて水を飲んだように見えましたが、もしかすると水面のアメンボなどを素早く捕食したのかもしれません。
本当の飲水行動なら嘴を水に浸した直後に上を向いて喉に水を流し込むはずですし、嘴に獲物を何匹も咥えたまま水を飲むのはとても難しそうです。

飛ぶときに発する鳴き声が確かにハクセキレイとは違い濁っていますね。
(近くでオオヨシキリやカルガモが喧しく鳴いています。)



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