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2018/08/27

日光浴中、互いに手足を振るミシシッピアカミミガメの謎(求愛行動?)



2018年6月中旬


蓮池の岩で3匹のミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)がいつものように甲羅干ししていました。
この日は日光浴しながら後脚をばたつかせる、という謎の行動を繰り返していて、興味深く思いました。
特に中央の個体がよくやっています。

日光浴で体温が上がり、運動したくなっただけなのかな?
それとも、日光浴する岩場で縄張り争いのように互いを牽制するための誇示行動なのでしょうか?
近くに居る相手を蹴飛ばすには届かない距離を互いに保っています。

私は亀について勉強不足なのですが、♂による求愛行動なのかもしれません。
しかし求愛ディスプレーなら、♀の目の前に回り込んでからやらないと意味がないような気がします。
後脚だけでなく前足も同様に動かしているかどうか興味があるのですけど、岸からでは見えません。

小学館・自然観察シリーズ『日本の両生類・爬虫類』でミシシッピーアカミミガメを参照すると、

♂は前肢の爪が長く、繁殖期には♀の前で、さかんに指をふるわせて、求愛のディスプレーを行う。(p70より引用)


侵入生物データベースサイトでミシシッピアカミミガメの繁殖生態について調べると、

交尾は春と秋にみられる.産卵は4月から7月にかけてなされる.
雄は伸長した爪を雌の前で震わせて求愛する.


途中で池を泳いでやって来た4匹目の大型個体が新たに岩場へ上陸し、割り込みました。

▼前回の記事
池から岩に上陸して日光浴するミシシッピアカミミガメ♂
このとき先客との間で陣取り合戦のような激しい争いにはなりませんでした。
しかし元気に手足を振っていた中央の個体(中型)が向きを変え、右の新顔に対しても左後脚をヒラヒラと左右に振って見せつけました。
それをじっと見ている新顔の亀(甲羅が未だ濡れている)は無反応です。
やはり求愛誇示なのかな?

その後も何度か定点観察に通ったのですが、甲羅干し中の謎の足振り行動を見たのはこの日限りでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

全個体の性別をしっかり判定したくても、岸から狙うだけでは撮影アングルが限られてしまいます。
取り敢えず真上から(背側から)甲羅の形状を確認し、岩場を回り込んで亀の正面から前脚の爪の長さを撮りたいのです。
池にドローンを飛ばして撮影するのは大袈裟なので、岸から伸ばした長い竿の先にGoProのようなアクションカメラを取り付けて撮るのが手軽そうです。



↑【おまけの動画】
Takeo Oshimaさんが撮影なさった「ミシシッピアカミミガメの求愛行動」を参考のために紹介します。
泳ぎながら水中で前脚を振っています。


2015年9月20日、東京都江東区清澄庭園にて撮影。小さい方が雄。雌の顔の前で両手を揃えて震わせ、顔に触れる。


【追記】

内田至『カメを飼ってみよう』という入門書(児童書)によれば、
アメリカから日本にやってきたアカミミガメのディスプレイは、たいそうはでです。(中略)小さな♂が、大きな♀の顔の前で、大きくのびた前肢のつめを、両方からおがむように合わせて、はげしくふります。ときには、♂が♀の背中にのって、♀の頭の上でこのはげしいディスプレイをすることもあります。 (p35〜36より引用)

この本でも求愛時の後肢の動きについて記述はありませんでした。
ということは、今回動画に撮れた後肢を振る動きは求愛ディスプレイではなさそうです。

ミシシッピアカミミガメ3@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメa@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメb@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメb@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメc@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?

2018/07/26

ウワミズザクラの花蜜を吸うアカタテハにサカハチチョウが誤認求愛?



2018年5月中旬

里山で満開に咲いたウワミズザクラに越冬明けのアカタテハVanessa indica)も訪花していました。
木漏れ日を浴びつつ翅を半開きにして吸蜜しています。
意外にもこの組み合わせは初見でした。

突然そこへ春型のサカハチチョウAraschnia burejana)が二度も飛来し、ぶつかりそうなぐらい近寄って来ました。(@0:29、1:57)
初回のアタックはアカタテハの正面から、二回目は背後から迫ってホバリング(停空飛翔)したものの、(誤認と気づいて?)サカハチチョウはすぐに飛び去りました。
突撃(アタック)されたアカタテハの反応は、迷惑そうに少し飛んで近くの花穂へ移動しただけでした。
この謎の行動は、サカハチチョウ♂がアカタテハを交尾相手の♀だと誤認した求愛行動なのでしょうか?
ウワミズザクラの花は辺りに大量に咲いているので、蜜源を巡る占有行動(縄張り争い)とは考えにくいと思います。
同じタテハチョウ科ですけど、大きさも違いますし(アカタテハ>サカハチチョウ)、我々ヒトの目には二種の翅の模様は全く異なって見えます。

一体どうして誤認求愛したのか、理解に苦しみます。
サカハチチョウ♀♂間の正常な求愛・交尾行動を未だ観察していないのに、異種間の誤認求愛という難しい応用問題をいきなり与えられてしまいました。
私にはサカハチチョウの性別が見分けられない、という問題もあります。

2年前には同じくウワミズザクラの花で吸蜜中のサカハチチョウ春型に対して同種の別個体が飛来して、至近距離で短時間ホバリング(停空飛翔)しました。
花上の個体が翅をしっかり閉じて交尾拒否すると、諦めてすぐに飛び去りました。
これが求愛行動だったのかどうかも私には分かりませんが、観察例を地道に積み重ねて少しずつ謎解きするしかありません。

▼関連記事(2年前の撮影)
ウワミズザクラの花蜜を吸うサカハチチョウ春型


アカタテハ@ウワミズザクラ訪花吸蜜
アカタテハ@ウワミズザクラ訪花吸蜜
アカタテハ@ウワミズザクラ訪花吸蜜←サカハチチョウ@誤認求愛

2018/07/15

ヒゲナガハナバチの一種:♂同士の誤認求愛



2018年5月上旬


▼前回の記事
カキドオシの花蜜を吸うヒゲナガハナバチの一種♂

川の堤防に咲いたカキドオシの群落でこの日に見かけたヒゲナガハナバチの仲間は触角の長い雄蜂♂ばかりで、触角の短い♀の姿を見かけませんでした。
♀が未だ羽化する前に♂が活動を始め、交尾相手の♀を待ち伏せしているのでしょう。(雄性先熟)

一匹の♂αが吸蜜しながら腹部を身繕いしていると、そこへ(おそらく同種の)別個体♂βが背後から飛来して軽く飛びつきました。
すぐに離れて少し離れた別の花に着陸し、吸蜜を始めました。
餌場(蜜源)からライバル♂を追い出す縄張り争いではないようなので、おそらく♀と誤認して交尾しかけたのでしょう。

スーパースローで撮影していれば、一瞬の出会いで何か面白いことが行われていたのかどうか突き止められたかもしれません。

その後、二匹の雄蜂は花上で念入りに化粧をしています。
とても長い口吻を伸縮させ、前脚で拭いました。
このぐらい舌が長ければ、カキドオシの漏斗状の花筒の奥にある蜜腺から吸蜜するのは容易でしょう。
カキドオシに正当訪花して吸蜜するハナバチ類は長い舌が必要なのです。

上の個体♂βが先に花から飛び立ちました。
下に居た個体♂αに再び誤認求愛してから飛び去りました。
今回もすぐに離れましたが、♂αは何か交尾拒否(抗議)のシグナルを発したのかな?

蜂を同定するため撮影後に持っていたビニール袋を被せて採集しようとしたものの、逃げられてしまいました…。



2018/05/07

ヒダリマキマイマイの交尾未遂



2016年5月中旬・午後23:11〜23:15

気温の下がる深夜に飼育容器内に霧吹きすると、ヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)の徘徊活動が活発になりました。
移動しながら水滴を吸収しているのでしょう。

やがて2匹が容器壁面を徘徊中に遭遇しました。
思わせぶりに絡み合い始めたので交尾するかと期待して動画を撮り始めました。

2匹ともに生殖器の辺り(頭部の左側面)が隆起しているので、性的に興奮はしているようです。
その辺りで触れ合うものの、本格的な交尾は始まりません。
互いに巴陣形になりましたが、結局はすれ違って別れました。
なんとも艶めかしい触れ合いでした。

木村一貴「暴​走する愛 ― カタツムリの交​尾と恋の矢」によると、

性的興奮状態にあるカタツムリが判るのかと驚かれるかもしれないが、ここで用いられたヒダリマキマイマイはとても判りやすい。求愛されたり魅力的な個体と出会ったとき、性的に興奮すると目と目の間が瘤のように膨らむのである(これは頭瘤と呼ばれている)。また、生殖口も同様に膨らむことがある。 (『貝のストーリー: 「貝的生活」をめぐる7つの謎​解き』第1章p16より引用)

今回の映像で頭瘤の膨らみについては、素人の私にはよく分かりませんでした。
この同一ペアの交尾行動はこれまで何回か観察できましたが、出会う度にいつも交尾を始める訳ではありません。



【追記】
YouTubeのコメント欄にてMEGUMI ch KOTAさんより次のような解説をしてもらいました。
生殖器官が最高に出る時は、頭がもうひとつついてるくらい出てきます。
頭瘤は、フェロモンらしきものを発するようで、複数カタツムリがいる時に、これを出すと、寄ってくるものが現れて、気に入ったものと交尾したのを見たことがあります。
相手探しの為だと思います。この時は、ミスジマイマイでした。


2018/05/04

アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガードと性的共食い



2017年10月上旬

田んぼでは稲刈りが始まっていました。
農道沿いに繁茂するセイタカアワダチソウの群落を見て歩くと、花が咲く前(蕾の状態)の花穂に止まっているアカオニグモ♂(Araneus pinguis)を発見。
黒くて複雑な形状の触肢が発達しているので、交接可能な成体です。
その左側の株では葉や蕾の花序を糸で綴り合わせた隠れ家があり、中には大型のアカオニグモ♀が潜んでいました。
セイタカアワダチソウの株間に張り渡した網は強風でほとんど壊れていました。
おそらく♀亜成体が脱皮して成体になるまで♂が辛抱強く待っているのでしょう。(交接前ガード)
アカオニグモ♂の居るセイタカアワダチソウの茎は♀の作った網から糸で繋がっていませんでしたが、おそらく強風でセイタカアワダチソウ群落が激しく揺れたせいで糸が切れてしまったのだと思います。


▼関連記事(1年前の撮影)
アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード

クモ生理生態事典 2016』でアカオニグモの項目を参照すると、「交尾は8月,9月には 雄は見られない」とありますが、今回の記録はそれに対するささやかな反例になります。
地方によって出現時期にズレがあるのでしょう。

このアカオニグモ♀♂ペアを採集して飼育下で配偶行動を観察しようか迷ったのですが、この日の私は病み上がりで余力がありませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂・全景
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂


10日後(10月中旬)に再訪すると、交接前ガードしていた♂の姿が見えなくなっていました。
興味深い配偶行動を見逃してしまったようです。


同じ農道沿いでセイタカアワダチソウ群落のラインセンサスをすると、別個体のアカオニグモ♀が潜む隠れ家を新たに見つけました。
糸でラッピングされた小型のクモに噛みついて吸汁しています。

写真をよく見るとその獲物は腹部が黄色くて、どうやらアカオニグモ♂のようです。
(ムツボシオニグモの可能性は? ラッピングを取り上げて確認すべきでした。しかしムツボシオニグモがわざわざ他種の網に侵入する理由は無いでしょう。)
交接の成否は不明ですが、性的共食いが行われ♂は♀の餌食になってしまったようです。
私がもう少し早く見つけていれば、興味深い配偶行動の一部始終を観察できたかもしれません…(残念無念)。


アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)・全景

2018/04/16

交尾しないニホンカワトンボ♀♂の謎



2016年6月上旬

用水路沿いの草むらでニホンカワトンボ♀♂(Mnais costalis)が同じ笹の葉で隣り合うように止まっていました。
同じ方向を向いて止まっています。
橙色翅型の成熟♂が翅を開閉したのは♀へのアピールでしょうか。
しかし冒頭で一度やっただけで止めてしまいました。
無色翅型の♀は翅を閉じたまま静止しています。

目の前に居る♀に対して♂が求愛交尾を始めないのは不思議でなりません。
「据え膳食わぬは男の恥」じゃないの?
図鑑『日本のトンボ』でニホンカワトンボの配偶行動について調べると、

橙色翅型の♂は水辺の植物や石に止まって縄張り占有し、近づく♂を激しく追い払う。♀が現れると目の前でホバリングして求愛した後、連結して移精、交尾を行う。(p37より引用)

右側に居る♀は性的に未熟なのか、それとも未成熟な透明翅型♂(♀に擬態したスニーカー♂[間男]※)なのでしょうか?
右側の個体の腹端の形状は、閉じた翅に隠れて分かりづらいものの、素人目には♀だと思います。

※ サテライト
[英satellite]
【同】衛星雄
なわばり防衛や求愛などを行わず,他の雄の繁殖努力に便乗して,あるいはその隙をついて繁殖を行う雄個体.ただしこの語の用法は研究者によってかなり異なる.例えば,ブルーギル・サンフィッシュの繁殖戦略を研究したM.Grossは,水草の陰に潜んでいて,産卵放精中のペアを見つけると突進して放精する小形雄をスニーカー(sneaker),そのような行動をスニーキング(sneaking)とよび,その後成長して雌擬態によって繁殖中のペアに近づくようになったものをサテライトとよんで区別した.しかし,両者を特に区別せず用いたり,またギンザケにおける同様な雄をジャック(jack)とよび,またブルーヘッドベラやササノハベラの一次雄が雌とペア産卵している二次雄のところに突進する行動をストリーキング(streaking)とよぶなど,対象動物によって固有の用語をあてることも多い. (岩波『生物学辞典 第4版』より引用)
カワトンボ科カワトンボ属に関して、ここ東北地方はニホンカワトンボの単独生息域であり、橙色翅型♂、無色翅型♂および無色翅型♀の組み合わせが同所的に見られるそうです。(図鑑『日本のトンボ』p41より)

もしかすると、交尾、産卵も済ませた♀♂ペアが別れて休んでいるのかな? (しかし、♂は用済みの♀をすぐに縄張りから追い払いそうな気がします。)

直後に私は別の被写体に気を取られてしまい、気になる♀♂ペアのその後の顛末を見届けられませんでした。



▼関連記事 
ニホンカワトンボの情事
この動画を見直すと、今回見た行動は交尾直後の束の間の休息だったのかもしれません。


2018/04/04

ミヤマアカネ♀♂連結打水産卵からの♀単独打水産卵



2017年9月上旬・午後12:13〜12:16

正午過ぎに街中の側溝でミヤマアカネ♀♂(Sympetrum pedemontanum elatum)が連結飛翔しながら連続で打水産卵していました。
用水路を流れる水深はかなり浅かったです。
産卵地点は流れの中央ではなく、コンクリートの護岸付近のようです。(死角でうまく撮れず)
本種は卵で越冬するそうです。

しかし、こんな水草も生えていない殺風景なコンクリート三面張りの水路に産卵しても、無事に孵化してヤゴが育つとは思えません。
冬は融雪溝として使われるため水量が激増し、大量の雪が連日投下されるからです。

やがて、この♀♂ペアは尾繋がりを解消してしまいました。
私が近づいたから焦って連結が外れてしまったのかと申し訳なく思ったのですけど、後に本種の産卵習性を知るとどうやら自然に別れたようです。
驚いたことにミヤマアカネ♀は単独でも産卵を続け、♂はその近くでホバリング(停空飛翔)しながら警護していました。
本種は分かりやすい性的二形(雌雄異型)なので、観察しやすくて助かります。
成熟した♂は目にも鮮やかな「赤とんぼ」ですが、♀は地味な黄色っぽい体色です。

その後、♀だけが近くの路上で暫し休息(日光浴?)しました。
私が♀の写真を連写している間に♂の姿を見失ってしまいました。
次の♀を探しに行ったのかもしれません。


図鑑『日本のトンボ (ネイチャーガイド)』でミヤマアカネについて調べると、まさに観察した通りの産卵行動が書いてありました。

交尾後のペアは連結態のまま浅い流れを訪れ、水面や泥面を腹端で打って産卵する。♂の警護飛翔を伴い、♀が単独で産卵することもある。飛翔中は翅の模様がちらつくように目立つ。(p405より引用)

wikipediaでも同様の記述でした。

産卵は打水産卵または打泥産卵で、緩やかで浅い流れの上を通常は雌雄が連結して行う。流速が早い場所、水深の深い場所は産卵には適していないようである。産卵の途中で「キ」の字に連なったまま植物などにつかまり休息することも多い。その後連結を解いて雌の単独で産卵に移行することもあり、その場合は短時間ではあるが雄が上空で警護飛翔をする。


ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵
ミヤマアカネ♂@用水路+警護飛翔
ミヤマアカネ♀@路上+休息:産卵直後

2018/03/22

スズバチの交尾拒否



2017年8月下旬

用水路沿いに咲いたナガボノシロワレモコウの群落でスズバチOreumenes decoratus)が訪花していました。(♀?)
花蜜を舐めているところへ、飛来したもう一匹の個体(♂?)がやって来ていきなり飛びつきました!(@0:39)
スズバチには儀式的な(ロマンチックな)求愛行動は全く無いようです。
飛びつかれた♀が翅を斜め下に下げたのは交尾拒否の意思表示なのかな?
♂はマウントもせずにあっさり諦めて飛び去りました。
♂が去ると♀はすぐに翅を戻しました。
♀はこの間ずっと吸蜜を続けています。
一瞬の出来事なので、1/4倍速のスローモーションでリプレイ。

登場したスズバチ2匹の性別を外見(形態)からしっかり見分けられていません。(自信なし)
行動から私が勝手に性別を想像しただけです。
吸蜜中の♂を♀だと誤認して♂が交尾を挑んだ可能性もありますかね?
餌場での縄張り争いにしては淡白な交流でした。


▼関連記事
交尾を迫るスズバチ♂を背負ったまま飛び回る♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018/02/22

恋矢を自ら引き抜くヒダリマキマイマイ



2016年10月上旬

夜、いつものように飼育容器内に霧吹きしていると、一匹のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)が恋矢れんしを排出していることに気づきました。
最近もう一匹と交尾したはずですが、私は見逃したようです。

恋矢(交尾矢love dart)はカルシウムを含み,交尾前に恋矢嚢が裏返しとなることによって射出され,相手の個体の皮膚に機械的刺激を与え,交尾が終ると捨てられる.刀身状のものが多いが,紡錘形・剣菱形・三角形・山形・円形など種類によってさまざまで,分類上の重要な標徴となる. (『岩波生物学辞典第4版』より引用)


透明なプラスチック容器越しに腹面から接写すると、水滴で濡れた壁面を舐める歯舌の動きよく分かります。
体の左側面から白く長い恋矢が伸びています。
魚の小骨のように湾曲し、一端は鋭く尖っています。
交尾の際にパートナーから刺された恋矢を傷口から排出しているのでしょう。
体内にしばらく残された恋矢は痛むのでしょうか?
やがて水滴を舐めるついでに、体を左によじって恋矢にキスを始め、体に刺さっていた恋矢を口で引き抜きました。
しばらく抜けた恋矢の根元を舐めています。
もしかすると、自分の体液(血液?)やパートナー由来の粘液が恋矢に付着していて、それを栄養源として摂取しているのかな?と想像しました。

後半は微速度撮影に切り替えて記録したので、10倍速の早回し映像でご覧ください(@4:01〜)。
蛇行しながら飼育容器の壁面を登って行きます。
波打つ腹足の蠕動がよく分かります。
ヒダリマキマイマイが這った後は、透明な粘液で泡立っています。



恋矢の排出シーンを観察したのはこれが初めてです。
今回の恋矢について改めて考えると、おかしなことに気づきました。
もし体内に刺さった恋矢を引き抜いたのなら、尖った先が内側(傷口)を向いているはずです。
しかし映像を見直すと、恋矢の尖った先が外側を向いています。
これは何を意味しているのでしょう?
交尾に使われなかった自分の恋矢を体内から排出(排泄)したのでしょうか?

そんな必要性があるのか疑問です。
次回の交尾に使えば良いのでは?
あるいは、交尾で相手を刺したのに恋矢が折れなくて、排出に手間取ったのかもしれません。(恋矢は交尾の度に使い捨て?)
交尾相手から刺された恋矢が体を完全に貫いて折れ、そのまま排出したのですかね?
それとも、捨てられた古い恋矢が容器の壁面に付着していて、徘徊中の個体がそれをゆっくり乗り越えるシーンをたまたま見ただけかな?
どのシナリオが正しいのか知るためには、交尾直後から連続録画でひたすら愚直に監視するしかなさそうです。


飼育容器内に脱落した恋矢を見つける度に記念として採集してきたのですが、なぜか今回の恋矢はどこに紛れてしまったのか、採集した記憶がありません…。


▼関連記事 (背側からの観察例)
交尾後に恋矢を排出するヒダリマキマイマイ

2018/02/19

ミゾソバの葉で求愛するイチモンジセセリ♀♂



2017年8月下旬・午後15:43

用水路沿いの草むらでイチモンジセセリ♀♂(Parnara guttata)が求愛していました。
ミゾソバの葉で翅を閉じて(立てて)止まっている♀の斜め背後に♂が来ています。
イチモンジセセリ♂は頻繁に飛び立って♀の目の前を少し飛び、すぐに葉上に戻る、という行動を繰り返していました。
イチモンジセセリ♀が一瞬だけ翅を少し開いたのは、交尾拒否の合図なのかな?
何度かアタックした後で脈なしと悟った♂は諦めて飛び去りました。
求愛が成就して交尾に至る例を早く観察してみたいものです。
(♀は翅を広げて♂を受け入れるのではないかと予想しています。)

▼関連記事(2013年の撮影)
イチモンジセセリ♂♀の求愛と交尾拒否@ススキ葉【ハイスピード動画&HD動画】
イチモンジセセリの求愛と交尾拒否@アカツメクサ花【ハイスピード動画&HD動画】




2018/02/14

交尾を迫るスズバチ♂を背負ったまま飛び回る♀【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬・午後15:19〜15:23

農業用水路沿いに咲いたナガボノシロワレモコウの群落でスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が訪花していました。
吸蜜シーンを撮っていると、雄蜂♂が飛来していきなり飛びついてきました。
儀式的な求愛行動は特に見られませんでした。
♂が♀に飛びつく瞬間を撮り損ねたのは残念無念。

♂がマウントしている間も♀は構わずに♂を背負ったまま花から花へ飛び回り吸蜜を続けています。(色気より食い気)
一方♂は♀の背に必死でしがみついているだけで、交尾器は未だ結合できていません。
したがって、トンボの配偶行動のように尾繋がりとか連結飛翔とは呼べませんね。
正式な用語を知らないので、ここでは勝手に「マウント飛翔」と呼ぶことにします。

スズバチ♂は♀を見つけてマウントしただけで安心してしているようで、おとなしくしているのが不思議でした。
必死に交尾しようと試みておらず、余裕を感じさせます。
とりあえず♀を確保してライバル♂から守ることができれば(交尾前ガード)満足なのかな?
この♀が交尾拒否行動をしているようには見えませんが、このペアは体格差があり過ぎて、マウントしたままでは交尾器が届かないのかもしれません。

花からペアで飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮影してみました。(@1:40〜)
♀♂がほぼ同時に羽ばたいて離陸しているように見えますが、1/8倍速のスローモーションで見ると、羽ばたき始めるのは♀の方がほんの一瞬だけ早いことが分かりました。
加速がつくと♂はすぐに羽ばたきを止めてしまい、♀任せで次の花まで運ばれて行きます。
つまり、マウント飛翔の主導権は完全に♀が握っていました。
画角から見切れる寸前にも♂が再び羽ばたくことがあったので、失速して揚力が必要な着陸時も♀に協力するのかもしれません。
スズバチの♀はこれから巣材の泥玉を運んだり獲物の芋虫を巣に運んだりしないといけませんから、華奢な♂を背負って飛ぶぐらいは朝飯前なのでしょう。

最後スズバチ♀♂のペアは川を渡って田んぼ(休耕地?)の方へ飛び去りました。
どこか落ち着いた場所で交尾するのでしょう。

狩蜂の交尾開始を観察できたのは、これが初めてかもしれません。
とても幸運でした。

スズバチの雌雄をフィールドで同時に見れるのは交尾のときだけなので、この機会に性別の見分け方を検討しておきます。
体長は♀>♂で、雄蜂の方が華奢。
頭楯の色は、♀が濃い黄色(オレンジ色)で♂は白っぽい淡黄色。
顔色で見分けられたら一番楽なのですが、もしかすると羽化後の日齢で色が変わる(濃くなる)のではないか?と個人的には疑っているので、未だ保留にしておきます。(♀よりも♂が先に羽化する雄性先熟だとすれば私の杞憂?)
♂の触角は先端がやや屈曲している?ようにも見えますが、単独で居たときにこれだけで見分けられる自信はありません。
腹部(膨腹部)の体節を数えれば確実に見分けられそうです。(♂6節、♀5節で、♂の方が1節多い)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



▼関連記事 (いきなり飛びかかる瞬間が撮れています)
スズバチの交尾拒否


スズバチの交尾(腹部の体節が♂は1つ多い)
スズバチの交尾(頭楯の色が♂は薄い)

2018/02/12

キンケハラナガツチバチ♀が交尾拒否する解発刺激とは?



2017年8月下旬

スペアミントの花蜜を吸うキンケハラナガツチバチ♀



民家の庭に咲いたスペアミントの群落でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。
吸蜜している白い花穂で黄緑色の徘徊性クモ(ハナグモの仲間?)が待ち伏せしていたのですが、ツチバチは獲物として巨大過ぎる(手強い)ようで、クモは逃げ出しました。

ラストシーンでとても興味深い行動が偶然に録画されていました。
横の車道を一台のスクーターがブィーンと騒々しく通り過ぎる瞬間に、このキンケハラナガツチバチ♀が後脚を左右同時に高々と挙げたのです。(@2:13〜2:17)
この万歳姿勢は、以前に観察した交尾拒否行動と同じです。

♂に背後からマウントされないようにしているのでしょう。
▼関連記事
キンケハラナガツチバチ♀が吸蜜中に交尾拒否
スクーターのエンジン音(排気音)が交尾を挑んでくる雄蜂♂の羽音の周波数とたまたま似ていたので、面倒な♂が飛来したと誤認して交尾拒否姿勢が解発されてしまったのでしょう。
バイクが遠くから走って来て通り過ぎるとエンジン音がドップラー効果によって音程がやや低くなり、より迫真の解発刺激(リリーサー)になったと思われます。
それまでにも何台かの車やバイクが横の車道を通り過ぎたのですけど、この♀個体が最も明瞭に反応したのは最後のバイクに対してでした。
予め録音しておいた雄蜂♂の羽音やバイクの排気音を♀に聞かせて、再現性を確かめてみたら面白そうです。(プレイバック実験)

特にベスパ(Vespa:イタリア語でスズメバチの意味)という名前のイタリア製スクーターのエンジン音に対する反応を調べたら、ネタになりそうです。
ドローン(drone:英語で雄蜂の意味)のプロペラ音を♀の蜂に聞かせてみたら、どんな反応になるでしょう?
その一方で、雄蜂にこの音を聞かせても無反応と予想されますが、ライバル♂や天敵が飛来したと思って警戒したり迎撃を試みたりするのでしょうか?
その前に、音がどのぐらい似ているのか、声紋解析してみる必要がありますね。

ツチバチの♀は羽化後に一度交尾すると、その後は♂を拒むようになるのかな? (色気より食い気)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キンケハラナガツチバチ♀@スペアミント訪花吸蜜
キンケハラナガツチバチ♀@交尾拒否@スクーター音♪

2018/02/08

キタキチョウの交尾拒否?(誤認求愛?)



2016年9月下旬

休耕田の草むらでシロチョウ科の2頭が低空で飛び回り追いかけっこをしていました(追尾飛翔、求愛飛翔)。
求愛を繰り返している黄色い翅の個体は、キタキチョウ♂(Eurema mandarina)のようです。

一方、白い翅の個体がどうしてもしっかり同定できませんでした。
(どなたか映像で見分けられる達人がいらっしゃいましたら、ぜひとも教えてください。)
スロー再生で何度も見直してみたのですが、終始ピントがしっかり合わず、もどかしい限りです。
白い蝶は飛んで逃げ回るのを止めて草むらに降り立ち、アメリカセンダングサの花蜜を吸い始めました。
キタキチョウ♀の翅は♂よりも黄色が薄いらしいのですが、こんなに真っ白に見えるものなのでしょうか?
(翅を斜めから見ているので光の加減で白っぽく写っているだけ?)
その背後でキタキチョウ♂がホバリングのように羽ばたいて求愛しても、白い蝶は閉じた翅を素早く少しだけ開閉して交尾拒否しました。(※追記参照)
やがてキタキチョウ♂は諦めて飛び去りました。
(したがって縄張りから追い出す行動ではありません。)

白い蝶がキタキチョウ♀だとすれば、♂の求愛と♀の交尾拒否というストレートな解釈になります。
しかし白い蝶はモンキチョウ♀またはモンシロチョウのようにも見えるので、キタキチョウ♂が異種に対して誤認求愛したことになり、興味深く思いました。
シロチョウ科でも属レベルで違う種類の蝶に対して果たして誤認求愛するのかな?

黄色と白という2色の蝶の追いかけっこを見つけたとき、初めはモンキチョウの求愛飛翔かと思ったのでした。
モンキチョウの求愛飛翔では、逃げる♀の前に♂が回り込んで上昇するという動きをグルグルと繰り返すことが知られています。

▼関連記事 
モンキチョウ♀♂の求愛飛翔【ハイスピード動画】
ところが、今回の映像でキタキチョウ♂は白い蝶が逃げて行く後をただ追いかけるだけでした。

この後、ふられたキタキチョウ♂を追いかけた私は、近くのミゾソバの群落で訪花吸蜜したのを観察しています。
キタキチョウに特有の翅裏にある斑点模様を確認しました。(映像公開予定?)
むしろ白い蝶の正体を突き止めるべきでしたね。(アングルを少し変えて訪花シーンをしっかり撮るだけで良かったのに…。)


「キタキチョウの求愛」でネット検索してみると、公開された情報は少ないようですが、見事な生態写真を掲載したブログを見つけました。
はばたき「第二部 キタキチョウの求愛飛翔」(by Favoniusさん)
撮影アングルによってキタキチョウ♀の翅はクリーム色というよりもかなり白っぽく見えることがあるようです。
モンキチョウの求愛飛翔とは飛び方が違うのだそうです。

一方、YouTubeで検索してみると、唯一yomaturi1さんの動画「キタキチョウ探雌行動2」がヒットしました。

はっきりしたことは、覚えていませんが、この藪の中に蛹があり、その蛹を探して飛翔しています。雌雄の区別は出来ないようで、オスの蛹にも集まります。
とのコメントを頂きました。
キタキチョウは羽化直後の飛べない♀に♂が集まって交尾することもあるようです。
そのような観察例がFavoniusさんのブログ記事「第三部 キタキチョウの強制求愛」に報告されていました。



▼関連記事(4年語の撮影)
羽化直後のキタキチョウ♂にしつこく誤認求愛する♂の群れ



※【追記】
交尾拒否するキタキチョウ♀の写真を拝見すると、翅を大きく広げながら腹端を高々と持ち上げていました。
私の動画では斜めから見たアングルでわかりにくいのですが、そのような明確な交尾拒否ではありませんでした。
やはり異種間の出会いだったのでしょうか?



【追記2】
浅間茂『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略 』(中公新書)によると、
シロチョウ科のキタキチョウは♂の黄色い部分が紫外線を反射し、♀は吸収した。(中略)このキタキチョウの♂の翅は撮影する角度によってその紫外線反射量が変化した。これは構造色の発色のしかたと似ている。 (p24より引用)

・♂のキタキチョウはモルフォチョウと同じ構造で紫外線だけを反射している。それも少し角度が変わるだけで大きく変化する。(中略)キタキチョウは紫外線反射により、互いに雌雄を容易に見極めている。 (p25-26より引用)
私も紫外線で動画が撮れるカメラが欲しくなりました。


2018/01/28

キンケハラナガツチバチ♀が吸蜜中に交尾拒否



2017年8月下旬

平地の農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。

触角の短い♀が吸蜜しているところへ、触角の長い♂が飛来しました。
特に求愛行動は無くて、いきなり♀に飛びつきました。
キンケハラナガツチバチ♂は3回アタックしたものの、♀にマウントできずに♂は諦めて飛び去りました。
♀の交尾拒否行動は具体的に何をしたのか、よく分かりませんでした。
♀が♂を脚で蹴ったり、後脚を背面に高く挙げて万歳のような姿勢になるのが♂のマウントを妨げる交尾拒否なのかな?
♂が居なくなっても♀は吸蜜を続けます。
後脚も高々と上げなくなりました。


▼関連記事
スペアミントの花蜜を吸うキンケハラナガツチバチ♀(交尾拒否行動の意外な解発刺激)

恥ずかしながら正直に告白すると、私はキンケハラナガツチバチとオオハラナガツチバチの区別がいつも自信ありません。
今回は蜂を採集できていないので、動画をスロー再生で何度も見直すしかありません。
もしかすると、オオハラナガツチバチ♀にキンケハラナガツチバチ♂が誤認交尾を試みたシーンかもしれません。
♀の背板の黄色(白色)帯が3本か4本かが問題になるのですが、薄っすらと4本目が見えている点が不慣れな素人を悩ませるのです。
今回♀にアタックした♂の頭楯は黄色っぽく見え、背板の黄色帯は4本でした。

【参考サイト@平群庵昆虫写真館:オオハラナガツチバチキンケハラナガツチバチ(2)



2018/01/02

交尾中のルリイロハラナガハナアブの一種♀♂



2017年8月中旬

河畔林から河川敷に伸びてきたフジ(藤)の蔓の葉に乗って交尾中の虻を発見。
これは、以前に観察したことがあるルリイロハラナガハナアブ(またはルリイロナガハナアブ)の一種Xylota sp.)だと思います。


▼関連記事(5年前の撮影)
ルリイロハラナガハナアブの一種の交尾と連結逃走


背側に続いて側面から撮ると、2匹は互いに逆を向き結合部の腹端を上下に小刻みに揺らしていました。
この行動は5年前の映像にも記録されていたので、精子を送り込む運動なのでしょう。
マクロレンズを装着して、背面から接写してみます。
右の個体は左右の複眼が接しているので♂、左の個体は複眼が離れているので♀と判明。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



撮影後に、ありあわせのビニール袋を素早く被せて、この♀♂ペアを採集しました。
以下は採集した標本の写真。

2017/08/22

ヨツモンカメムシ♀♂交尾中の綱引き



2017年5月下旬・午前7:00頃

朝、郊外の道端に生えた灌木(ハルニレ?)の葉でヨツモンカメムシUrochela quadrinotata)の♀♂ペアが交尾していました。
風で葉が絶えず揺れるので、あまりズームできません。
左にいる大柄な個体Lが♀なのでしょう。

交尾器を結合したまま互いに逆へ歩こうとするので、綱引きのような引っ張り合いになっています。
ドリトル先生に登場するオシツオサレツを思い出しました。
このオシツオサレツ状態を性的対立と呼ぶのは大袈裟でしょうけど、葉裏に隠れたいのか、♀が交尾を終えたいのかもしれません。

葉上に鳥の糞が付着しているのですが、吸汁せずにその上を通り過ぎました。

▼関連記事
鳥の糞を吸汁するセアカツノカメムシ♀
鳥の糞を吸汁するツノアオカメムシの幼虫

最後はようやく2匹とも葉裏に回り込みました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ところで、この灌木の樹種はハルニレで合ってますかね?(あまり自信がありません)


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