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2017/10/31

ホソバセダカモクメ(蛾)の幼虫はアキノノゲシの綿毛を食べる?



2016年9月下旬

田んぼの畦道の横に生えたアキノノゲシの群落でホソバセダカモクメCucullia fraterna)という蛾の幼虫を見つけました。
保護色にはなっておらず、白い綿毛に居るとむしろ目立ちます。
黄色と黒の模様は、毒があることを捕食者に知らせる警告色なのかな?

見つけたときこの幼虫はじっとしていたのですが、花が終わった後の綿毛や種を食べていたのですかね?
このときは先を急ぐ用事があって、摂食シーンをじっくり観察できませんでした。
飼育する余力も無くて、採集もしていません。

▼関連記事
オニノゲシの葉を食べるホソバセダカモクメ(蛾)幼虫


【追記】
ホソバセダカモクメ幼虫の種子食は2年後に確認することができました。

  ▼関連記事

ホソバセダカモクメ(蛾)の幼虫がアキノノゲシの種子を食べる際のトレンチ行動



2017/08/28

イチモンジチョウの羽化【10倍速映像】



2017年5月下旬

イチモンジチョウの飼育記録#12


微速度撮影しながら外出していたら、午後にイチモンジチョウLimenitis camilla)成虫が羽化していました。
10倍速の早回し映像を御覧ください。
垂蛹が割れてスルリと抜け出た成虫が抜け殻にしがみつくと、みるみるうちに翅が伸展します。
ところが肝心の翅が、画角から下にはみ出していて映っておらず、残念でした。
私の予測が甘かったですね。
途中で気づいて引きの絵にしても時既に遅し。
前翅翅裏の縁の白紋が明瞭なので、アサマイチモンジではなくイチモンジチョウで確定しました。
(参考:ヤマケイポケットガイド9『チョウ・ガ』p143)

イチモンジチョウ垂蛹の背面中央にある竜骨突起(しぐま造語)が何のためにあるのか、ずっと気になっていました。
羽化した成虫はこの竜骨突起に前脚をかけてぶら下がっています。
この奇妙な突起は、羽化した成虫がつかまって翅を伸ばすために作られた専用の場所なのですかね?
それとも終齢幼虫から蛹化する際に抜け殻をうまく割るための構造なのかな?
成虫の背中にコブのような物はありません。
背側なら竜骨と呼ぶのは本来おかしいのですけど(鳥類の竜骨突起は腹側にある)、正式名称をご存知の方は教えてください。

初めは左右に分かれていた2本の口吻がゼンマイのようにクルクルと伸ばしたり曲げたりしているうちに根元からジッパーのように1本に融合して、食事用の管(ストロー)になります。

やがて翅を軽く開閉するようになりました。
翅を乾かしているのでしょう。



翅を伸ばし終えた後に蛹便(羽化液)を排泄する瞬間は撮れていませんでした。
真下に敷いていた白紙に黄土色の羽化液が一滴垂れていました。
量も少なかったです。

蛹便

蛹化してから8日目に羽化しました。
蛹内での変態のスピードが予想よりも速かったです。
幼虫の時期には体内寄生を疑っていたのですが、無事に成虫が羽化して良かったです。



以下は羽化殻(垂蛹の抜け殻)の写真です。

側面
側面
腹面
背面

つづく→#13:イチモンジチョウ:羽化直後の飛翔

2017/08/27

イチモンジチョウ垂蛹:羽化前の自発的な蠕動【60倍速映像】



2017年5月下旬

イチモンジチョウの飼育記録#11


イチモンジチョウLimenitis camilla)が蛹化してから8日後。
翅の黒色が透けて黒くなった垂蛹が、朝になると背面の銀白紋が消失していました。
いよいよ羽化しそうです。

羽化の前兆が分からないので、微速度撮影で監視を始めました。
60倍速の早回し映像を御覧ください。
自発的な蠕動運動の頻度が上がってきました。
室内の風で揺れているのではありません。



↑【おまけの映像】
早回し速度を少し落とした40倍速の動画をブログ限定で公開します。


つづく→#12:イチモンジチョウの羽化【10倍速映像】



2017/08/13

イチモンジチョウ垂蛹の黒化



2017年5月下旬

イチモンジチョウの飼育記録#9


蛹化から1日経つと、イチモンジチョウLimenitis camilla)の垂蛹は全体がメタリックな黄金色に変わりました。
腹部腹面と複眼の部分に銀色の窓があります。
台を回しながら垂蛹を360°お見せします。

朝、蛹が自発的に体を左に捩ったのを見たのですが、その姿勢のまま固まっています。
たまに自発的に蠕動運動していたのに、ピンセットで蛹に触れても無反応でした。(映像なし)

更に6日が経過すると(蛹化からちょうど1週間後)、全体に黒化が進んでいます。
これは成虫の翅の黒色が透けて見えているのでしょう。

つづく→#10:触られて暴れるイチモンジチョウ垂蛹


側面(ストロボを焚くと色の印象がまた変わります)
側面
背面
腹面

2017/08/12

イチモンジチョウの蛹化【40倍速映像】



2017年5月下旬

イチモンジチョウの飼育記録#8


突発的な蠕動運動を繰り返していたイチモンジチョウLimenitis camilla)の前蛹は、朝になると最終脱皮(蛹化)して垂蛹になりました。
断続的だった蠕動運動が激しく続くようになると、いよいよ脱皮が始まります。
途中で一旦、上半身も真っ直ぐに伸びました。
当時の私はこの個体がてっきり体内寄生されていると思い込んでいたので、ここまで正常に発生したのは意外でした。

ところで、このゴツゴツした垂蛹に見られる背面の竜骨突起(正式名は?)と頭部の耳状突起が気になりました。
一体どんな役目があるのですかね?
耳状突起の中で触角が作られる訳でもありませんし、竜骨突起に対応してイチモンジチョウの成虫の背中に大きな瘤(コブ)があるとは思えません。


側面
側面
腹面
背面

下の落ちた蛹化殻を採集して、私の個人的な抜け殻コレクションに加えました。


背面
側面
腹面


【おまけの動画】
早回し速度を落とした20倍速映像と10倍速映像(オリジナルの素材)をブログ限定で公開します。







つづく→#9:イチモンジチョウ垂蛹の黒化


2017/08/11

イチモンジチョウ前蛹:蛹化前の蠕動【20倍速映像】



2017年5月下旬

イチモンジチョウの飼育記録#7


眠から覚めたイチモンジチョウLimenitis camilla)の終齢幼虫が前蛹になるまでの様子は撮り損ねてしまいました。
タニウツギ小枝の下面に腹端を固定するための足場を絹糸で綴ってから脚を枝から離して腹端でぶら下がり、前蛹になりました。
当時の私は、この個体が絶対に体内寄生されているに違いないと思い込んでいて、あまり観察に身が入らなかったのです。
むしろ私の関心は、ヤドリバエや寄生蜂の幼虫がいつ寄主を食い破って出てくるか?という方にありました。

日付が変わってから、イチモンジチョウの前蛹が脱皮して蛹になる過程を微速度撮影で愚直に記録し始めました。
20倍速の早回し映像をご覧ください。
前蛹は自発的な蠕動運動を繰り返し、ときどき身を捩らせています。
蛹化の前兆が分からなかったのですが、次第にクチクラの裏に泡のような空気が入り、色が白っぽくなってきました。
新旧クチクラ層の間に隙間が作られつつあるのです。

つづく→#8:イチモンジチョウの蛹化【40倍速映像】



2017/01/11

地中で繭を紡ぐウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】




▼前回の記事
繭作りのため地中に潜るウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#13


2016年9月中旬・午後21:09〜午前11:06

飼育下で営繭を観察するのは無理かと諦めかけていたら、ウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫はプラスチック円形容器の縁と接する地表の窪みに落ち着き、口から絹糸を吐いて繭を紡ぎ始めました。
微速度撮影で記録したので、100倍速の早回し映像をご覧下さい。
ちなみに、丸皿容器の直径は30mm(内径)。

繭室の底となる土に絹糸を敷き詰めて裏打ちしています。
幼虫は地中に完全には潜れなかったため、繭室の上はがら空きで足場がありません。
これからどうするのでしょうか?
砂粒を綴った塊が天井中央まで細長く伸びて、絹糸を架ける足場となる橋頭堡が出来ました。
これ以降は一気に営繭が進みます。
ときどき休む静止時にも背脈管(昆虫の心臓)の拍動がよく見えます。
初め白っぽかった繭が、次第に褐色に変化しました。
本種は毛虫ではないので、繭に抜け毛を織り込んでいるのではなく、絹糸の色が褐色なのでしょう。

同じイラガ科でもイラガ(Monema flavescens)の繭とは似ても似つかない繭が完成しました。
むしろイラガの硬い繭が異例なのでしょう。
完成した繭の中でウスムラサキイラガは前蛹越冬するそうです。
夏になったら成虫が無事に羽化してくれるでしょうか?

21:08 pm
00:40 am
04:03 am
11:50 am
11:50 am
11:51 am
16:08 pm
16:09 pm
16:10 pm





【おまけの動画】
同じ素材で早送り速度を落とした10倍速映像(これがオリジナル)および60倍速映像をブログ限定で公開しておきます。


つづく→#14



【追記】
2020年9月下旬

里山の林道横の法面に自生するアカメガシワ幼木の若葉に黄緑色の懐かしいウスムラサキイラガの幼虫を見つけました。
フィールドで見かけるのはこれが2回目です。
葉の表側に堂々と静止していました。
採集してもう一度飼育しようか迷ったのですけど、この時期は色々と忙しかったので、写真に撮っただけで済ませました。










2017/01/10

繭作りのため地中に潜るウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】




▼前回の記事
脚が退化したウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の歩行の秘密


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#12


2016年9月中旬

調べてみるとウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫は地中に潜って繭を紡ぐのだそうです。
外は雨が降っていたので、軒下から乾いた土を採取してきました。
大き目の砂粒をピンセットで取り除きましたが、土を細かくふるいにかけるべきでした。
直径35mmのプラスチックの皿に土を入れ、その上に幼虫を乗せてみました。
微速度撮影で記録したので、60倍速の早回し映像をご覧下さい。

幼虫はシャーレ側面の円周に沿って徘徊すると、縁から地中に潜り込み始めました。
入れた土の量が浅過ぎたのか、幼虫はすぐに地表に出てきてしまいました。
あまり土を深くすると営繭を撮影できなくなりそうで、量を加減したのです。
容器の外に這い出そうとした幼虫をもう一度地表に戻してみます。

仰向けの状態から起き上がるかと思いきや、横向きの状態で何か作業をしています。
土粒を次々に絹糸で綴って、営繭の足場となる塊を作っているのかもしれません。
自分の体の周囲に土塊の土手を作っています。
排泄した下痢便または口から吐き戻した水分で土を濡らして塊にしている可能性は?

少しずつ前進して容器の縁に達すると、また地面を掘り始めました。
画角から外れないように容器を少し動かすと幼虫は擬死(死んだふり)します。
背脈管(昆虫の心臓)の拍動が見えますね。
しばらくすると警戒を解いて活動を再開。



【おまけの動画】
同じ素材で早送り速度を落とした10倍速映像(これがオリジナル)をブログ限定で公開しておきます。

つづく→#13:地中で繭を紡ぐウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】







2017/01/08

ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前に下痢便を排泄



▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫とイラガ幼虫の小競り合い・威嚇


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#10


2016年9月中旬

最後の脱皮から6日後、食べて育ったウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫ミズナラの葉裏で主脈に沿って乗り、静止しています。
従来のような黒い固形の糞ではなく白っぽい液状の下痢便を排泄していました。
いよいよ繭を作り始める準備(前兆)でしょう。
泥水のような糞の雫にズームインしてみます。
ついでに、体表の黒い体毛が根元だけ太いことが分かります。
これはウスムラサキイラガ幼虫の特徴で、同属近縁種ムラサキイラガ(Austrapoda dentata)との識別点らしい。

そのまま動かない幼虫(営繭前の眠)を微速度撮影してみました。(@0:37〜)
10倍速の早回し映像で見ると、蠕動していることがよく分かります。
腹端の肛門がヒクヒクしています。
昆虫の心臓である背脈管が背中の中央に沿った表皮の下で激しく拍動しています。

透明な液体を大量に繰り返し排泄しました。
飼育中に私は食樹の葉に霧吹きしていなかったのに、幼虫がこれほど多量の水分を摂取していたことに驚かされます。
初めに見た泥状の糞(軟便)は、もしかするといつもの固形の糞を排便した後に透明の液体で濡れて溶けたのかもしれません。
幼虫が乗っている葉が斜めになっている(水平ではない)ために、下痢便が流れ落ちました。

最後に幼虫は徘徊を始め、隣の葉に移ると営繭場所を探索する長い旅に出かけました。
もう食欲はありません。

つづく→#11


この写真は自動色調補正済み。体表の剛毛は根元だけ太い。



2017/01/06

脱皮後に抜け殻を食すイラガ(蛾)若齢幼虫【60倍速映像】




▼前回の記事
イラガ(蛾)若齢幼虫の脱皮


イラガ(蛾)の飼育記録#2016-7


2016年9月中旬

脱皮したイラガMonema flavescens)の若齢幼虫は全身のクチクラが固まるまでなかなか食事を再開しません。
脱皮殻の傍らで休みつつ、ときどき蠕動運動しています。
頭部がペコペコと伸縮するのが面白く思いました。

夜になると、ようやく抜け殻を食べ始めました。
少しずつ前進しながら脱皮殻を食べ進みます。
刺毛の生えた肉角の抜け殻も平気で食べてしまうのは驚きです。
そんなものを口にしたら激痛が走りそうですけど、毒棘の抜け殻に毒は含まれていないのでしょうか?
自身の毒には耐性があるのかな?

普段は草食性ですが、脱皮直後だけは抜け殻を食べてタンパク質を補給するのでしょう。
もし抜け殻を取り上げてしまうと、発育が著しく遅れたりするのかな?
完食してもその場でしばらく静止しています(蠕動あり)。



【おまけの動画】
同じ素材で早送り速度を落とした10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。

つづく→#8:糸を吐いてぶら下がるイラガ(蛾)幼虫




2017/01/05

イラガ(蛾)若齢幼虫の脱皮



▼前回の記事
脱皮前の眠で微動だにするイラガ(蛾)若齢幼虫【100倍速映像】


イラガ(蛾)の飼育記録#2016-6


2016年9月中旬・午後15:39〜15:43・室温24.7℃、湿度59%

カキノキの葉表で眠状態のイラガMonema flavescens)の若齢幼虫をせっかく微速度撮影で監視していたのに、肝心の脱皮を開始する瞬間は油断して見逃してしまいました。
素人目には外見が干からびてきて生気が失われ、ただ発育不全で死に行く個体なのかと勘違いしてしまったのです。
カメラが一台しか無い上に、発育段階の異なる複数個体を飼っていると、どうしても他に目移りしてしまうという事情もあります。

気づいた時には体の前半部は既に脱げかけていて、仰天しました。
三脚を用意する余裕もなく、慌てて手持ちカメラで動画を撮り始めました。
今回はリアルタイムのHD動画です。
微速度撮影しなくても意外に早く脱皮することが分かりました。
下半身の抜け殻は白っぽい。
全身が抜け出るにつれて白く細長い気管の抜け殻も伸びていきます。
肉角や刺毛など複雑な形状なのにきれいに脱げるのが面白いですね。

抜け出てすぐに方向転換し、抜け殻の方に向き直りました。
直後は脱皮殻を食べません。

つづく→#7:脱皮後に抜け殻を食すイラガ(蛾)若齢幼虫【60倍速映像】



2017/01/04

脱皮前の眠で微動だにするイラガ(蛾)若齢幼虫【100倍速映像】


▼前回の記事
脚が退化したイラガ(蛾)幼虫の歩行のひみつ


イラガ(蛾)の飼育記録#2016-5


2016年9月中旬・午前00:39〜10:36

イラガMonema flavescens)の若齢幼虫が食事もせずにカキノキの葉表に静止しています。
脱皮前のみん状態は、肉眼で見る限り完全に静止して死んでいるようです。
しかし微速度撮影してみれば、ときどき微かに蠕動運動していることが分かります。
100倍速の早送り映像をご覧下さい。
体内では様々な変化が進行中なのでしょう。
大道芸人の彫刻芸(statue)も早回し映像にすると粗が見えてくるのと似てますね。

ワンダリング(営繭前の徘徊)中の別個体(終齢幼虫)と接触すると入眠中の個体は少しだけ身動きしました。(威嚇?)
移動したり回避したりする能力は無いようです。
ピンセットで棘状突起に触れても、身をよじるだけで逃避のために移動しませんでした。(映像無し)
全身から水分が失われた印象で、棘状突起がやや褐色に変わりました。

要するに、脱皮するまでひたすら愚直に長撮りしている訳です。
初めにセッティングすれば後はカメラに任せるだけなので、別にしんどい作業ではありません。
いよいよ脱皮が近づくにつれて、この自発的な蠕動運動の間隔が短くなります。

つづく→#6:イラガ(蛾)若齢幼虫の脱皮




2016/12/30

脱皮殻を食べるウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】



2016年9月中旬・午後23:07〜午前00:31・室温24.7℃→23.7℃
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の最終脱皮【60倍速映像】

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#8


脱皮したウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫はしばらくすると、白い薄皮のような脱皮殻(抜け殻)を貪欲に食べ始めました。
これは前回の脱皮でも見られたことです。
硬い頭楯の抜け殻にも口を付けたのですが、噛めないまま徘徊開始。
死角に隠れてしまったため、頭楯の抜け殻を食べ切れたのか不明です。
抜け殻を完食する前にその場を離れ、葉縁に向かいました。
そのままミズナラの葉を食べ始めるのかと思いきや、葉を支えていた器材を登り始めました。
ピンセットで摘み上げてミズナラの葉に戻してやると、朝まで休息していました。





【おまけの映像】
早回し速度を落としたオリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。


つづく→#9:ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫とイラガ幼虫の小競り合い・威嚇


2016/12/29

ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の最終脱皮【60倍速映像】



2016年9月中旬・午後21:00頃?・室温25.7℃、湿度56%
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の口元を隠す食事マナー


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#7


前回の脱皮から5日後、ウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の亜終齢幼虫が再び脱皮しました。

ミズナラの葉裏で眠状態だった幼虫が自発的に蠕動(左右にローリング)するのを午後14:40に目撃しました。
午後20:38に体表の変色に気づき、慌てて微速度撮影を開始。
体の前半部が白っぽく見えたのです。
脱皮の一部始終を微速度撮影で記録できたので、60倍速の早回し映像をご覧下さい。
一気に脱皮した幼虫の体色は黄緑色のままで、変化ありませんでした。
白い薄皮を脱ぐと脱皮殻の傍らで一休み。
体を降らませ、不規則な蠕動運動をしています。

普段はフードに隠れて見えない頭部もこのときだけはよく見えます。
気管の抜け殻も白い糸のように長く伸びています。
午後21:23時点の室温は22.8℃、湿度62%。

今回の脱皮時刻は前回と違い、夜でした。
ただし、室内飼育で撮影のために照明を当て続けていたので、幼虫の日周リズムや体内時計が狂ってしまった可能性があります。

これで終齢幼虫になったことが後に判明します。

『イモムシハンドブック2』によると、ウスムラサキイラガの齢数は不明で、年二化、前蛹越冬らしい、とのことでした。

つづく→#8:脱皮殻を食べるウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】


亜終齢幼虫の眠:脱皮直前
脱皮直後の終齢幼虫




【おまけの動画】
早回し速度を落とした10倍速映像をブログ限定で公開します。


2016/12/22

脱皮後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】



2016年9月上旬・午前11:21〜午後14.09
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#3


脱皮直後のウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の亜終齢幼虫はしばらく休んだ後で、白っぽく薄い抜け殻に口をつけて食べ始めました。
後半は採寸のために、幼虫の横に定規を並べて置きました。
ときどき食休みしているときもその場で蠕動運動しています。
摂食を再開すると、少しずつ前進しながら脱皮殻を食べ進みます。
硬い頭楯の抜け殻だけが最後まで残りました。
脱皮殻を完食すると、その場で休息。
硬い頭楯の抜け殻も食べたかどうか、不明です。(結局は弾き飛ばしたのかも)

ちなみに、午前11:47での室温は27.9℃、湿度66%。

つづく→#4:ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便






2016/12/21

ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】



2016年9月上旬・午前9:14〜9:47

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#2

▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫が脱皮場所を探し歩き、落ち着くまで


2日後の朝、眠から目覚めたウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の幼虫が遂に脱皮を始めました。

幼虫の蠕動が目に見えて激しくなり、体の前から脱皮します。
体表のクチクラだけでなく、体内の細い気管も一緒に脱皮します。
最後に引きちぎった白くて細い紐状の物が気管の抜け殻です。
前進して古い皮から完全に抜け出るとすぐに方向転換し、白くて薄い抜け殻(脱皮殻)に向き直りました。
その場で激しい蠕動を続けています

これで無事に亜終齢の幼虫になりました。
体内寄生されているのかもしれないという不安は杞憂に終わりました。



【おまけの動画】
2016年9月上旬・午前5:36〜9:14

時間を少し遡ります。
眠状態のウスムラサキイラガ幼虫が脱皮直前にときどき蠕動運動する様子を微速度撮影で記録した10倍速の早回し映像です。
退屈と言えば退屈な動画かもしれませんけど、未来の誰かにとっては何か資料価値があるかもしれませんので、ブログ限定で公開しておきます。
マクロレンズで接写していると室内の微風でもミズナラの葉が揺れるので、文鎮で葉を固定しました。
撮影用の照明を早朝から当て続けながら愚直に録画していたので、もしかすると幼虫の日周リズムが狂ってしまったかもしれません。

つづく→#3:脱皮直後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】


脱皮直前:2日前より表面が白っぽく変化(脱皮の前兆)。左が幼虫の前方。

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