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2018/05/13

キイロスズメバチ♀がセイタカアワダチソウの花で吸蜜しセイヨウミツバチ♀を狩る



2017年10月下旬

湿地帯に近い遊歩道の脇に背高く咲いたセイタカアワダチソウ群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
種々のハナアブ類に混じって花蜜を舐めているようです。

スズメバチの吸蜜シーンは珍しいと思い動画を撮り続けていると、急に花穂の外側に向き直り、近くに飛来したセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀を捕獲しました。
花上で獲物を狩った瞬間を撮れたのは初めてですが、無造作に飛びついて捕獲しただけでした。

セイタカアワダチソウの黄色い花の上ではキイロスズメバチの体色はあまり目立ちませんから、もしかすると花蜜目当てに訪花していたのではなく、獲物を待ち伏せするための攻撃的擬態(ペッカム型擬態)なのかもしれない?と妄想してみました。
それまでに何度かハナアブ類とニアミスしていたキイロスズメバチ♀は、獲物に対して敏感になっていたのでしょう。

餌食となったミツバチの花粉籠に少量の花粉団子が付いていました。
キイロスズメバチは毒針は使わずすぐに大顎で獲物に噛み付いて仕留めるはずですけど、花の陰に隠れてしまいました。
獲物の首元(頭部?)を咥えて飛び去る瞬間、セイヨウミツバチ♀は反撃の毒針を出していました。
この後、キイロスズメバチはどこか近くで肉団子を作り、巣に持ち帰るはずですが、見失ってしまいました。



2018/05/10

雛鳥のために捕らえた虫を運ぶムクドリ(野鳥)



2017年5月下旬

河川敷に生えたニセアカシア(別名ハリエンジュ)の樹上でムクドリSturnus cineraceus)が嘴に大量の虫を咥えていました。
ニセアカシアの白い花が満開です。
ムクドリはすぐに飛んで逃げて行きました。
おそらく巣に戻って雛に給餌するのでしょう。
親鳥が虫を捕らえる度に一匹ずつ巣に運んでいたのでは無駄が多いので、何匹も嘴に溜めてから帰巣しまとめて給餌するのです。
複数の獲物を咥えておきながらどうやって新しい獲物を捕らえることが可能なのか、いつも不思議に思います。
嘴を開くとせっかく咥えていた獲物が落ちてしまいそうに思うのですが、何か工夫があるのでしょうか?

実はこの親鳥は河畔林で捕虫していたのではありません。
それまで土手の辺り(地上)に居たのに、私が通りかかったせいで警戒し樹上に一時避難したのでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/05/04

アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガードと性的共食い



2017年10月上旬

田んぼでは稲刈りが始まっていました。
農道沿いに繁茂するセイタカアワダチソウの群落を見て歩くと、花が咲く前(蕾の状態)の花穂に止まっているアカオニグモ♂(Araneus pinguis)を発見。
黒くて複雑な形状の触肢が発達しているので、交接可能な成体です。
その左側の株では葉や蕾の花序を糸で綴り合わせた隠れ家があり、中には大型のアカオニグモ♀が潜んでいました。
セイタカアワダチソウの株間に張り渡した網は強風でほとんど壊れていました。
おそらく♀亜成体が脱皮して成体になるまで♂が辛抱強く待っているのでしょう。(交接前ガード)
アカオニグモ♂の居るセイタカアワダチソウの茎は♀の作った網から糸で繋がっていませんでしたが、おそらく強風でセイタカアワダチソウ群落が激しく揺れたせいで糸が切れてしまったのだと思います。


▼関連記事(1年前の撮影)
アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード

クモ生理生態事典 2016』でアカオニグモの項目を参照すると、「交尾は8月,9月には 雄は見られない」とありますが、今回の記録はそれに対するささやかな反例になります。
地方によって出現時期にズレがあるのでしょう。

このアカオニグモ♀♂ペアを採集して飼育下で配偶行動を観察しようか迷ったのですが、この日の私は病み上がりで余力がありませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂・全景
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂


10日後(10月中旬)に再訪すると、交接前ガードしていた♂の姿が見えなくなっていました。
興味深い配偶行動を見逃してしまったようです。


同じ農道沿いでセイタカアワダチソウ群落のラインセンサスをすると、別個体のアカオニグモ♀が潜む隠れ家を新たに見つけました。
糸でラッピングされた小型のクモに噛みついて吸汁しています。

写真をよく見るとその獲物は腹部が黄色くて、どうやらアカオニグモ♂のようです。
(ムツボシオニグモの可能性は? ラッピングを取り上げて確認すべきでした。しかしムツボシオニグモがわざわざ他種の網に侵入する理由は無いでしょう。)
交接の成否は不明ですが、性的共食いが行われ♂は♀の餌食になってしまったようです。
私がもう少し早く見つけていれば、興味深い配偶行動の一部始終を観察できたかもしれません…(残念無念)。


アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)・全景

2018/03/10

脱皮中のコバネササキリ♀を捕食するヤミイロカニグモ(蜘蛛)



2016年10月中旬

農道のガードレール下に生えたススキの茎でコバネササキリ♀(Conocephalus japonicus)が最終脱皮していました。
ススキの茎に下向きで止まっています。
口元に見えるのは抜け殻(羽化殻)でしょう。
もしかすると、脱皮後に抜け殻を食べる習性があるのかもしれません。

何か様子が変なので、よくよく見ると、カニグモの仲間に捕食されているところでした。
クモは獲物の腹端の辺りを噛み付いています。
コバネササキリ♀の産卵管は長いのに翅が未だ短いのは、羽化したばかりで翅が伸び切る前の無防備な状態のときに襲われたのでしょう。
もしコバネササキリ♀が元気なら、カニグモもこんな巨大な獲物は易々と狩れない気がします。

後半は広角で接写しながら大胆に近づいてみました。
気配を感じたクモは第1、2歩脚を左右に大きく広げて威嚇姿勢になりました。
私がススキの茎を指で軽く叩いたら、クモが巨大な獲物を咥えたまま茎を回り込んでくれました。
クモの背側がしっかり見えるようになり、ヤミイロカニグモXysticus croceus)と判明。
更にススキの茎を引き寄せたら、警戒したヤミイロカニグモが茎の裏側へ裏側へと回り込んで必死に私の目から隠れようとします。

撮影後もしつこく追い回してクモを採集しようとしたら、遂には逃げられてしまいました。
そのため、クモの性別をしっかり見分けられませんでした。



2018/02/22

花壇で獲物を吸汁するアオメアブ



2017年8月下旬

センニチコウ(千日紅)の花が咲き乱れる花壇でムシヒキアブの一種を発見。
他の虫を撮っていた私が知らずに近づいたせいで、ムシヒキアブが少し飛んで花壇の端に生えたイネ科の雑草の葉に避難したのです。
どうやら食事中を邪魔してしまったようです。
正面から顔を見ると、複眼がメタリックな緑色の構造色で美しいですね。

更に少し飛んで移動し、今度はセンニチコウの茎に止まり直しました。
今度は背側を向いて止まってくれました。

複眼の形状から♀と判明。
抱えている獲物には体が黒く透明な翅がありますが、正体不明です。
訪花昆虫を襲って狩り、体液を吸汁するのでしょう。

どうやらアオメアブCophinopoda chinensis)のようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事(2年後の撮影)マメコガネを吸汁するアオメアブの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】



2017/12/04

ハスの葉に乗り虫を捕食するスズメ(野鳥)



2017年7月下旬・午前6:50

朝の蓮池に飛来したスズメPasser montanus)が水面を覆うハス(蓮)の葉に着陸しました。
体重が軽いので、沈まずに水面に浮いていられます。
葉から葉へときどき走り回って、何か虫を捕食しているようです。

もう1羽は初め、大きな蓮葉の下で休んでいました。
まるで大きな日傘をさしているようです。
スズメは長い茎にも器用に止まることが可能です。

蓮の葉は高い撥水性を持つため、スズメが動くことで葉に付いていた大きな水滴が玉のように動きます。

▼関連記事
水を弾き泥汚れも付かないハスの葉の秘密:ロータス効果の実演

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
ハンディカムで撮ったので、画質や望遠性能がいまいちです。



2017/12/02

高圧線鉄塔に運んだ獲物をついばむノスリ(野鳥)



2017年7月上旬・午前4:28〜4:40 (日の出時刻は午前4:22)

早朝の田園地帯で、1羽の大型の猛禽類αが奇妙な飛び方をして(ヒラヒラとチョウゲンボウみたいな飛び方)道端の電柱(いわゆる普通の高さの電柱)に止まりました。
(映像はここから)
私を警戒してそこから更に飛び立ち、近くの高圧線鉄塔#23に向かいました。
このとき、力強く飛び去る猛禽類が足の鉤爪で何か獲物を掴んで運んでいることに気づきました。
空輸する獲物が重くて、いつものように上手く飛べないのでしょう。
映像冒頭は1/4倍速のスローモーションで始まります。
獲物は自分で狩りをして仕留めた小動物(哺乳類)なのか、それとも夜に車がはねた死骸(ロードキル)を見つけただけなのか、正体不明です。
死肉食ならノスリよりもトビMilvus migrans)の可能性が高まります。

私も急いで追いかけると、おそらくノスリButeo japonicus)と思われる猛禽類が高圧線鉄塔#23の鉄骨中段に止まり、足元の獲物を食い千切って捕食していました。
獲物が重くてこれ以上高く運び上げられなかったのかな?
この時点でカメラを上にパンしても、この鉄塔に他の野鳥は止まっていませんでした。
(鉄塔の最上部まで確認していないのが痛恨のミス)
ノスリ?αはキョロキョロと辺りを警戒してから朝食を摂り始めました。
獲物を足で押さえつけながら鋭い嘴で細かく引きちぎり飲み込んでいます。
やがて、どこからともなくピーエ♪という甲高い鳴き声が繰り返し聞こえるようになりました。
食事中のノスリ?αはこの鳴き声を聞いてもあまり気にせずに、獲物を食べ続けます。

鳴き声の主を探して私がカメラを上にパンすると、鉄塔の天辺にもう1羽のノスリβを発見。
私が知らぬ間に飛来したようです。
実はここはノスリのお気に入りの止まり場所なので、通りがかる度に気にして見るようにしています。(ノスリの定点観察)

▼関連記事
高圧線の鉄塔で羽繕いするノスリ(野鳥)
高圧線の鉄塔から見張るノスリ(野鳥)
高圧線の鉄塔で鳴いて♀を呼び寄せるノスリ♂(野鳥)

ピーエ、ピーエ♪という甲高い鳴き声と嘴の動きが一致したので(リップシンクロ)、鳴いていたのはこの個体βで間違いありません。
早朝から縄張り宣言の囀り♪(モーニングコール)でしょうか。
餌乞いの際は違う鳴き方をするような気がします。
鳴いているノスリβはときどき下を見ているのに、獲物をねだったり奪いに行かないのが不思議でなりません。
鉄塔は末広がりの構造なので、天辺から見下ろせば確実に食事中のノスリαの存在に気づくはずです。
この2羽はつがいの関係なのか、それとも親子なのかな?
その間、鉄骨中段でノスリ?αは黙って小動物を食べ続けています。

ここで私が欲を出して、真横からのアングルを確保しようと少し動いたら、警戒したノスリαに飛んで逃げられてしまいました。(痛恨のミス)
慌てて飛び去る姿をスローモーションで見直すと、今度は足の鉤爪に何も運んでいませんでした。
獲物はもう食べ尽くしてから飛び去ったのでしょう。
実は捕食シーンを撮影した個体αもノスリだと思っているのですが、識別点である翼の下面の模様を確認できていませんし、特徴的な鳴き声も発しませんでした。(例えば、実はトビだったのかもしれません。)

一方、鉄塔の天辺には相変わらずノスリβが残って鳴き続けています。
αが飛び去った方角をちょっと振り返って見ただけです。

私が更にもう少し横にずれると、ノスリβが再び鳴き始めました。
ピーエ、ピーエ♪と寂しげな鳴き声を何度も繰り返しています。


ノスリの捕食シーンを観察したのは、これが二回目です。

次は獲物を狩る瞬間を撮影してみたいものです。
▼関連記事
ノスリの狩り・捕食と飛翔(冬の野鳥)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。(実際はもう少し薄暗いです。)



【追記】
宮崎学 『野生動物の首をしめるゴミ (かわりゆく環境 日本生き物レポート)』という本(写真集)を読んでいたら、ノスリも動物の死がいを食べることがあると知りました。
ネコの死がいを食べるノスリの生態写真が掲載されていて、
 ふだんはノウサギをはじめ、イタチ、リス、野ネズミ、ヘビ、カエルなどを狩って生きている。そのノスリが死んだネコを食べているということは、気位の高いタカとしては不似合いにうつる。 しかし、冬の時期はノスリといえども獲物をとりにくいから、たとえ死んだイヌでもネコでもシカでも、そこにありさえすればごちそうなのである。 (p108より引用)





2017/11/30

蛾を捕らえたスズメ親鳥が幼鳥に巣外給餌(野鳥)



2017年8月上旬

池の畔を私が歩いていたら、地上に居た一羽のスズメPasser montanus)成鳥が少し飛んで逃げました。(映像はここから)

蛾(種名不詳)を捕らえた直後だったらしく、嘴に咥えた獲物が未だ暴れています。
それをスズメは路肩に叩きつけて(擦り付けて)殺しました。
死んだ蛾の翅を毟り取ると、その場で食べるのかと思いきや、獲物を咥えて飛び立ちました。
私が慌てて振り返ると、背後の民家の板塀の上端にスズメは着陸しました。
そこには巣立ったばかりの嘴の黄色い幼鳥2羽が待ち構えていて、餌を運んできた親鳥を走って追いかけます。
幼鳥1羽は板塀から脱落(落下)してしまいました。
親鳥が餌を咥えたまま少し逃げると、追いすがる幼鳥は広げた翼を小刻みに震わせて餌乞いします。
親鳥が幼鳥に口移して蛾を巣外給餌したその瞬間、残念なことにカメラのAFピントがずれてしまいました。
餌をもらった幼鳥は板塀から飛び降りると、下の車道で蛾を食べ始めました。
そこへ車が走って来たので、スズメ幼鳥は再び民家の庭の方へ飛んで逃げました。
板塀に残っていた親鳥も庭に飛び降りました。

スズメの日常生活はなかなか慌ただしいですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


この記事の本題とは少し外れますが、スズメの歩き方に注目してみましょう。
藤田祐樹 『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』によると、

・二足による移動の中で、鳥だけが行い、私たちヒトは行わない動きが、ホッピングだ。  (p33より引用)
・ホッピングは先述のように両足をほぼそろえてジャンプする運動だ。身近な鳥では、スズメやメジロなどの小鳥類がホッピングを行うし、カラスも急ぐときにはホッピングをする。スズメは両足をそろえてジャンプしているが、両足を少しずらしてホッピングする種もいる。 (p33〜34より)





2017/10/30

セマダラコガネを捕食吸汁するシオヤムシヒキ♂



2017年7月下旬・午前8:17

アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の生け垣で、シオヤムシヒキ♂(旧名シオヤアブ;Promachus yesonicus)が葉の上に止まっていました。
腹端に白い毛束があるので♂ですね。
抱えている獲物はセマダラコガネAnomala orientalis)でした。
その胸背(頭部?)から吸汁しているようですが、口器の状態はよく見えませんでした。
シオヤムシヒキ♂は腹部をヒクヒクさせて腹式呼吸しています。
最後は獲物を抱えてどこかに飛び去ってしまいました。

アベリアに訪花していたセマダラコガネを狩ったのでしょうか?
それとも横の芝生で狩ったのかもしれません。
いつか狩りの瞬間を観察してみたいものです。(飼育すれば見れるかな?)



2017/10/19

狩ったニホンミツバチ♀で肉団子を作るキイロスズメバチ♀



2016年9月下旬

山麓で毎年定点観察しているニホンミツバチApis cerana japonica)の巣の周囲をキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が単独でホバリングしながら狩りのチャンスを伺っていました。
ミツバチは巣口の周辺に集まり、振身威嚇で対抗しています。
毎年繰り返されるこの攻防は過去に記事にしているので、今回は割愛。

ミツバチのワーカー♀を狩る瞬間は撮り損ねてしまいましたが、獲物を抱えて飛び去るキイロスズメバチを追うと、近くに止まり直してくれました。
針葉樹(カラマツ? ヒマラヤスギ?)の大木の幹を覆うツタの葉先に止まったキイロスズメバチ♀は、後脚の爪先だけでぶら下がって食肉加工を始めました。
大顎で噛みほぐして粗挽きの肉団子を作り終えると巣に持ち帰りました。





下の古い写真は、ススキの葉にぶら下がり、狩ったばかりのミツバチで肉団子を作っているキイロスズメバチ♀です。
ミツバチを狩った直後の食肉加工中はいつもこんな体勢です。
11年後の今回、ようやく動画で記録することが出来ました。

@ススキ葉:2005年10月中旬

2017/10/11

ソヨゴの雄花でハナバチを狩るツチスガリ♀



2017年6月下旬

街路樹として植栽されたソヨゴの雄株で地味な花が咲いていました。
雄花の盛りは過ぎているものの、小さな黒い狩蜂が訪花していました。
体節がごつごつと節くれだっていて、腹部に黄色のストライプが一本あります。
吸蜜目的ではなく、獲物を探索しているようです。

花上で獲物(ミツバチ♀?)の胸背を噛んで仕留めると、葉に移動して身繕いを始めました。
獲物を抱えると馬乗りに跨っています。
最初は探餌飛行していたのに、毒針で獲物に麻酔する瞬間をしっかり撮れなかったのは残念無念…。
最後は獲物を抱えて巣へ飛び去りました。

スナップショット写真を見直すと、この狩蜂はナミツチスガリ♀(Cerceris hortivaga)またはその仲間だと思われます。
だとすると獲物はコハナバチの一種でしょう。

こんな平地の街中(中心街)に単独性狩蜂がいるとは驚きです。
意外に自然が残っているのでしょう。
今までナミツチスガリとは山道でしか出会ったことがないのです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ソヨゴ雄花
ソヨゴ雄株の花

ちなみに、同じ通りの20mぐらい離れた地点にソヨゴ雌株の花も咲いていました。

▼関連記事
ソヨゴの雌花で吸蜜するクロマルハナバチ♀


2017/10/04

エゴノキに訪花するハナバチ類を襲うコガタスズメバチ♀



2017年6月上旬


満開に咲いたエゴノキの花は千客万来。
様々なハナバチが訪花しています。
その獲物を狩るために、コガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀がホバリングで探餌飛翔しています。
花で採餌しているトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀の背後から襲いかかりましたが、トラマルハナバチは素早く飛んで逃げました。

二回目にアタックした標的は、後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けたキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)でした。
クマバチは花から転げ落ちるように緊急逃避し、難を逃れました。

ハナバチ類の方が飛翔能力は上手(敏捷)のようで、スズメバチの狩りは失敗続きです。

後半は1/4倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:27〜)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/09/22

道端の側溝内で採餌するハクセキレイ♀(野鳥)



2017年6月中旬

街中で道端を歩いていたハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)が自発的に側溝へ出入りしていました。
側溝内の水深は浅く、ハクセキレイ♀はアメンボ、ボウフラ、蚊などの昆虫をせっせと捕食しているようです。
この水路は冬になると融雪溝として使われるもので、ヒトが落ちないように鉄格子で蓋をしています。

ハクセキレイは舗装路から側溝に戻る際になんと三角跳びを披露してくれました。
ブロック塀に飛び蹴りしてから、直下(側溝の縁)に着地したのです。

ハクセキレイのバードウォッチングで久しぶりに興奮した出来事でした。
都市鳥らしい暮らしぶりですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/09/06

幼虫を捕食するスズメ(野鳥)



2017年5月下旬・早朝

始業前の工場の敷地内で舗装路の脇に猫の額ほどの狭い植え込みがあります。
2羽のスズメPasser montanus)が早朝から争っていたのですが、私が撮り始める前に1羽は先に逃げてしまいました。
残ったスズメは、植え込みで見つけたイモムシを横の舗装路で喋んでいます。
親鳥が幼鳥に巣外給餌していたのかと一瞬思ったのですが、この個体は頬班が黒いので成鳥ですね。
初めに見た小競り合いは、成鳥同士が獲物を奪い合っていたのでしょう。
朝食を済ませたスズメは、道端の芝生に移動してから飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/09/03

畑や空中で虫を捕食するハクセキレイ♀の妙技(野鳥)



2017年6月上旬

家庭菜園でハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)を見つけました。
土を耕したものの作物は未だ何も生えていない畑を忙しなく走り回って土を啄んでいます。
それだけでなく、ときどき飛び上がって空中を飛んでいる虫を直接捕食しています。
華麗に舞う素早い動きに感嘆しました。
ハイスピード動画に撮れたら面白そうですけど、動きが予測不能なので難しそうです。


(セキレイ科は)しばしば空中でも虫を捕らえる。長い尾はこのときにバランスをとるのに役立つ。 (『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』p135より引用)


捕らえた虫を嘴に貯めていないので、雛に給餌するためではなく自分の食餌なのでしょう。
(未だ繁殖に参加しない若鳥なのかもしれません。)

▼関連記事
雛のために橋で虫を捕食するハクセキレイ♀(野鳥)

畑だけでなく、ときどき横の舗装路にも移動して昆虫を捕食しています。
途中でときどき羽繕いしました。
最後はチュチュチュン♪と鳴きながら民家の向こうへ(田んぼの方へ)飛び去りました。



藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』を読んでいて、ハクセキレイについて意外な事実を知りました。

セキレイ類をしばらく観察していると、たしかに尾羽をピョコピョコと上下に振っている。これはたいへん目立つ行動だ。セキレイのことを英語でワッグテイル(wagtail)というが、ワッグは振るという意味で、テイルは尾である。すなわち、英語ではセキレイは「尾振り」と呼ばれているわけだ。(中略)セキレイは歩くときには尾を振りません。首を振って歩きます。 (p104-105より引用)

実際のところ、セキレイは歩くときには尾を振らない。立ち止まっているときに振るのである。そして、歩くときには、ハトと同じように首を振って歩いている。セキレイはしばらく歩き、立ち止まっては尾を振り、また歩きといった動作を繰り返す。尾を振る印象があまりに強すぎるのと、歩いている途中で頻繁に立ち止まるので、つい歩きながら尾を振ると思ってしまうのだろう。 (p105より)

セグロセキレイを観察し、セキレイの尾振りは、天敵を警戒している時に頻繁に行なわれることを明らかにした。捕食者に対して、自分は気づいていることを伝えるメッセージだというのだ。(中略)ハクセキレイは、採食しているときにより頻繁に尾を振っていたこと、さらに、採食中でも、餌をついばんでいるときよりも、頭をあげて左右をキョロキョロして周囲を警戒しているときのほうが、頻繁に尾を振っていたことがわかったのだ。(p106より)
今回の映像を見直しても、確かにその通りでした。
身近な普通種の鳥の行動を観察するだけでも面白い科学のネタは転がっているのだと感銘を受けた本です。


2017/09/02

川でミミズ?を捕食するハシボソガラス(野鳥)



2017年5月下旬

街中を流れる川の岸辺で何かを採食していたハシボソガラスCorvus corone)がこちらに向かって飛んで来ました。
嘴に何か細長い獲物を咥えています。
ミミズかな?
近くの民家の赤いトタン屋根に着地すると、貯食せずにその場で肉を引きちぎって食べ始めました。

屋根の雪止めに隠れてよく見えなかったのが残念。
食後は屋根から飛び去りました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/08/27

甲虫を捕食するスズメ(野鳥)



2017年5月下旬

郊外の住宅地で砂利を敷いた庭にスズメPasser montanus)が居ました。
頬班が黒い成鳥で、何か食べ物を地面の砂利に何度も落としては啄んでいます。
獲物は小型の甲虫かと思ったのですが、植物の種子ですかね?
後日に観察した、スズメが虫を捕らえた直後に暴れる獲物を殺す行動と似ているので、前者だと思います。
虫を咥えたままピョンピョン跳んで物陰に隠れてしまったため、そのまま自分で食べたのか、それとも巣に持ち帰って雛に給餌したのか、不明です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/08/23

屋根裏の巣で待つ雛に虫を給餌するムクドリ♀♂つがい【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】



2017年5月下旬・午前10:29~10:43

また新たにムクドリSturnus cineraceus)の巣を見つけました。
郊外(農村部)の納屋の軒下に破れたような穴が空いていて、その奥でお腹を空かせた雛が鳴いています。
すぐ横の道を走る車の音がうるさいのですが、耳を澄ませば雛の鳴き声が聞こえます。
巣口直下の壁面は鳥の糞で汚れています。

しばらく待つと案の定、2羽の親鳥が相次いで採餌から戻って来ました。
雛鳥のため嘴に虫を何匹も咥えて運んできた親鳥は、私のことを初めはかなり警戒し、帰巣するのを躊躇しています。
いくら人家近くに営巣しているとは言え、やはり見知らぬヒトに巣の位置をなるべく知られたくないのでしょう。
営巣地の近くの電線に止まり、横歩きで少しずつ営巣地に近づいたり、電線から電線へ飛んで右往左往したりしています。
しかし私が少し離れてから静かに(なるべく動かず)撮影を続けると、結局は巣口に飛び込んで雛へ給餌するようになりました。
番(つがい)の♀♂が共働きでせっせと給餌していますね。
顔の斑紋で親鳥の個体識別ができるかもしれません。
踏切が鳴り♪列車が近くを通過しても、親鳥はもう騒音に慣れてしまっていて全く動じません。

巣口に出入りする親鳥を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@3:12~4:14、5:23~5:50)
親鳥の警戒を少しでも和らげるため、私は車道を挟んで少し離れた位置からカメラで狙うことにしました。
ムクドリは入巣の際に、壁の手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露してくれました。

飛来したスズメが壁際でホバリングした後、なぜか納屋の壁の水平なでっぱりに止まりました。
スズメ自身の営巣地を物色しているのかもしれません。
慌てて飛んで来たムクドリの親鳥はスズメを追い払ってから巣に入りました。(このとき虫は運んでいなかったようです。)
親鳥が2羽同時に巣に入ることは出来ない(巣が狭い)ようで、巣口の手前で鉢合わせになると渋滞することがありました。

通常のHD動画と交互に撮影しました。
親鳥が巣口に飛び込むと、雛鳥たちが一斉に餌乞いの鳴き声を発して賑やかになります。
ハイスピード動画では鳴き声を録音できない仕様なので、一長一短です。
親鳥は出巣した後も近くの電線に一旦止まってから次の採餌に出かけることが多いです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

実はこの屋根裏の穴に毎年ムクドリが営巣していて目をつけていたのですが、動画をじっくり撮影できたのは今回が初めてです。


つづく→排糞行動(ハイスピード動画)



2017/08/21

雛のために橋で虫を捕食するハクセキレイ♀(野鳥)



2017年5月下旬・午後18:15頃(日の入り時刻は午後18:52)

夕方の河川敷を歩いていると、橋でハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)を見つけました。
橋の欄干の外、コンクリートの縁に沿って歩きながら昆虫をせっせと捕らえていました。
横の車道を車が走っても全く気にしていません。
獲物はイモムシではなく、川に多いユスリカやガガンボ類(成虫)のようです。
自分の食欲を満たすためにその場で捕食するのではなく、嘴に獲物を何匹も溜め込んでいるということは、巣で待つ雛鳥のために採餌しているのです。
初めは嘴に何も咥えてなかったのに、次々と虫を捕まえて、最後は大漁です。
団子状の虫の塊をどうやって落とさずに、次の獲物を捕獲できるのか、不思議ですね。
飛び上がって空中で捕虫する妙技も披露してくれました。

途中で橋脚の基礎部分に飛び降りました。
てっきり橋脚に巣があるのかと思いきや、再び欄干へ戻って虫捕りを続けています。
橋の袂まで歩いて戻り、最後は巣へ飛び去りました。
土手を越えて住宅地へ向かったようです。
いつかハクセキレイの営巣地を突き止めたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
宮崎学『野生動物の首をしめるゴミ (かわりゆく環境 日本生き物レポート)』を読むと、似た事例が書いてありました。
 ハクセキレイの行動を追っていてわかったのだが、この野鳥は、日中、自動販売機や人家の玄関先など、夜間に照明のともるようなところで、えさとなる虫たちを捕まえていることをよく目にする(中略)。 これは、夜、明かりに集まる虫たちは、夜間の照明によってホルモンの調整がおかしくなって、昼間、その場所に動かないでとどまっていることが多いためなのである。その虫たちをハクセキレイはさがしだして捕まえているわけである。 (p103より引用)

確かに、夜になると橋を照らす外灯に大量の虫が川から誘引されますから、昼間は死んだ虫や休んでいる虫が橋の上に散乱しているのでしょう。



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