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2024/02/21

ムシトリナデシコの花蜜を吸いに飛び回るモンシロチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後12:05頃・晴れ 

平地の農道沿いに咲いたムシトリナデシコの群落でモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま、口吻を花筒の奥にぐっと差し込んで吸蜜しています。 
隣の花筒へ歩いて移動する際は羽ばたいてバランスを取ります。 
花から花へ忙しなく飛び回りますが、飛び立っても同じ花序に舞い戻ってくることもあります。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:39〜) 
最後の個体はもしかすると♂かもしれません。 
撮影アングルの加減で♂に見えるだけなのかな?
紫外線カメラで撮ればモンシロチョウの性別は一目瞭然のはずなので、カメラメーカーがお手頃な値段で発売して欲しいものです。


【アフィリエイト】

2024/02/17

ムシトリナデシコの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:55頃・晴れ(梅雨の晴れ間) 

川沿いの花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落でウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 風で揺れるムシトリナデシコの花序で歩き回り、細長い花筒に口吻を深く差し込んで吸蜜しています。 
訪花中に初めは半開きの翅を開閉していたのに、途中から暑くなったのか、翅をしっかり閉じるようになりました。 
翅表に性標の黒条が見えたので、♂と判明。 

田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』によれば、
(ムシトリナデシコの)蜜は1.5cmもある細長い筒の中に隠されているので、口の長い昆虫にしか吸えない。(p42より引用)
この花壇で様々な虫が訪花していましたが、確かにいずれも口吻の長い種類でした。 (映像公開予定)

ウラギンヒョウモン♂がムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:27〜) 
風揺れの激しい虫撮りには悪条件の日でも、スーパースローで見ると気にならなくなります。


【アフィリエイト】

2024/02/16

ブラックベリーの花蜜を吸うキタテハ夏型

 

2023年6月上旬〜中旬 

民家の裏庭の生垣にブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)の花が咲き、夏型のキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
昨年は撮り損ねて悔しい思いをしたので、念願の吸蜜シーンをいそいそと撮影しました。 
同じ場所で2回撮れた映像をまとめました。


シーン1・6月中旬・午前9:00頃・晴れ(@0:00〜) 

日向で半開きの翅を開閉しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
横の車道を車が通りかかったら、飛んで逃げました。 
 次はやや日陰の花に移動して、吸蜜を続けます。 

ハキリバチの一種が正面から飛来すると、キタテハは素早く翅を打ち下ろして追い払いました。(@0:45〜) 
その撃退シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

ブラックベリーの白い花は萎れかけ、受粉後の未熟果が早くも育ちつつあります。

シーン2・6月上旬・午前10:50頃・晴れ(@1:26〜) 

この日は日向で翅をしっかり閉じたままブラックベリーの花蜜を吸っていました。 
動画を撮り始めたらすぐに吸蜜を止めてしまい、少し飛んで近くのミツバアケビの葉に止まり直しました。 
木漏れ日の落ちる葉上は完全な日向ではなく、半開きで開閉していた翅を最後は閉じてしまいました。 
暑くて日光浴の必要がないのでしょう。 


※ 撮影した時系列順ではなく、入れ替えました。

2024/02/12

ムラサキツメクサの花蜜を吸うベニシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前11:00頃・晴れ 

川沿いの堤防路に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
共にありふれた普通種ですけど、意外にもこの組合せは初見です。 
翅を立てたまま(ほとんど閉じて)吸蜜しているということは、気温が暑いのでしょう。 
よほど花蜜の量が豊富なのか、なかなか飛んでくれません。 
よく見ると、クモの遊糸が吹き流しのように風にたなびいているのがキラキラと光って見えます。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:14〜) 
すぐ横をヒゲナガハナバチ?が高速で飛来しても、ベニシジミは無反応でした。 
用事があって急いでいた私はベニシジミが自発的に飛び立つまで待ち切れず、帽子を投げつけたら前方に飛び去りました。 
緊急避難の羽ばたきが速過ぎて、翅表の斑紋をしっかり見極められず、春型か夏型か不明です。

2024/02/04

ブラックベリーの花蜜を吸うヒメシジミ♂

 

2023年6月上旬・午前10:50頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)の生垣でヒメシジミ♂(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
素早く飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、開いた翅表が淡青色だったので♂と判明。 

手前の花壇に咲いているイモカタバミのピンクの花に今回のヒメシジミ♂は見向きもしませんでした。 
関連記事(7年前の撮影)▶ イモカタバミの花蜜を吸うヒメシジミ♂

2024/01/15

ツツジの花蜜を吸うサカハチクロナミシャク(蛾)

 

2023年5月下旬・午前12:55頃・くもり 

山麓の駐車場に咲いたツツジの植え込みで見慣れない白黒模様の蛾が訪花していました。 
一瞬ダイミョウセセリかと思いきや、よく見ると違います。 
後で調べると、サカハチクロナミシャク本州以南亜種Rheumaptera hecate hecate)という昼行性の蛾でした。 
和名はサカハチチョウと似たネーミングですが、漢字の八の字を上下逆さまにしたような白い斑紋が黒地の翅表に描かれていることにちなんでいるのでしょう。 

ツツジの赤紫色の花筒に正当訪花で頭部を突っ込んで、がっつくように吸蜜しています。 
正面に回り込んで撮影したいところですが、こういうとき私が無理して動くと虫は警戒して逃げてしまうので、じっと我慢して撮り続けます。 

ツツジの花から勢い良く飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:33〜1:03) 
隣の花に歩いて移動するかと思いきや、予想が外れました。 

サカハチクロナミシャクは少し飛んでツツジの葉の表側に止まり直しました。 
初めは翅を半開きで開閉していましたが、全開した状態で落ち着きました。 
風が吹いたら再び翅を開閉するようになりました。 

次にツツジの葉から飛び立つシーンをハイスピード動画でも撮ろうとしたのですけど、なかなか飛んでくれません。 
仕方なく帽子を投げつけたら、狙いどころが悪くて失敗しました。 

調べてみると、サカハチクロナミシャクの幼虫はツツジ科が食樹とのことで、ツツジの生垣に来ていたことに納得しました。 
この種類の蛾は初見ですし、性別の見分け方を知りません。 
吸蜜後もツツジの葉に産卵しませんでした。 
交尾相手の♀を待ち伏せしている♂なのかな? 

「Digital Moths of Japan」サイトでサカハチクロナミシャクについて調べると、
昼飛性で, 晴天の目中によく花に飛来するし, 湿地に群をなして止まっていることがある. 
・幼虫はレンゲツツジ,ホツツジ,ウラジロヨウラクなどツツジ科やシラカンバの葉をつづって中にひそむ.
次は幼虫を探してみるのも面白そうです。


【追記】
サカハチクロナミシャクについてネット上で調べ物をしていたら、面白いブログを見つけました。
サカハチクロナミシャクを巡る3種の鱗翅目に関する考察」by かんきちのフィールドレポート
シラフシロオビナミシャク、サカハチクロナミシャク、ダイミョウセセリ間3種の間にベイツ型擬態系が形成されていることを提唱する。

ツツジ科は有毒植物が多いので、それを食べて育つサカハチクロナミシャクの幼虫および成虫は毒成分を体内に溜め込んでいると予想されます。 

したがって、成虫の白黒斑紋が似ている鱗翅目成虫はチョウ・ガによらずサカハチクロナミシャクにベーツ擬態しているのではないか?という仮説です。

こういう考察や予想は私も大好きです。

以下に私の見解を示しますが、この仮説には懐疑的です。

見た目の類似性だけで言うと、サカハチチョウ夏型も含まれませんかね?(ちょっと赤色の斑点がありますけど)

フィールドでの個人的な印象では、このグループで無毒のダイミョウセセリやサカハチチョウが一番多い普通種で、他の種類(シラフシロオビナミシャクや有毒のサカハチクロナミシャク)は少ないです。※

※ もちろん定量的にきっちり調査した訳ではありませんし、私の探し方が下手なだけかもしれません。

これでは鳥などの捕食者は味見して痛い目にあう学習の機会が確率的に(ほとんど)なくてベーツ擬態が成立しないのではないでしょうか?

つまり、鳥がミミック種(無毒)を忌避しているのであれば、個体数がミミック種(無毒)<<モデル種(有毒)という状態で均衡しているはずです。

とりあえず実際に鳥に飼育下で給餌してみて、有毒種のサカハチクロナミシャクを忌避するかどうか、確かめてみたくなります。

サカハチクロナミシャクが本当に有毒で不味いのであれば、もっと派手な警告色を身に纏うように進化しなかったのは不思議です。

2024/01/07

ハルザキヤマガラシの花蜜を吸うモンシロチョウ春型♂

 

2023年4月下旬・午後15:30頃・晴れ 

堤防路に沿って咲いた帰化植物ハルザキヤマガラシの群落で春型のモンシロチョウ♂(Pieris rapae)が忙しなく訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 

モンシロチョウは蛹で越冬しますから、春になって羽化したばかりのはずです。 
それなのに左後翅が破損した個体でした。 
翅を半開きにして吸蜜していました。 
翅表の黒い斑紋から♂と判明。 
ハルザキヤマガラシはモンシロチョウが食草とするアブラナ科ですから、♀が産卵に来るのを待ち伏せしていたのかもしれません。 

すぐに飛び去ってしまったので、飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:13〜)

2023/12/31

尾根道で日光浴してから飛ぶ越冬明けのヒオドシチョウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月中旬・午後12:50頃・晴れ 

里山の尾根道を歩くと、日陰のところどころに残雪が未だ少しありました。 
越冬明けのヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)を尾根道で何頭も見かけました。 

尾根道の路肩で落ち葉の上に止まって閉じた翅を小刻みに震わせている個体がいます。 
翅の外縁が激しく破損していて、越冬の厳しさを物語っています。 
翅をパッと全開にしてから飛び去りました。 
気温が未だ低いので、くもっていると飛び立つ前に準備運動が必要だったようです。 


次は日向で翅を全開にして日光浴している個体がいました。 
自発的に飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜) 
尾根道に転がっている丸太の上で翅を開閉しながら日光浴していた個体は、翅がほぼ無傷でした。 
複数個体を撮影。 

関連記事(1、9年前の撮影)▶  

ヒオドシチョウの性別を私は外見から判別できませんが、蝶道を作って侵入者(他のチョウ)を追尾していたことから、おそらく♂が尾根道に縄張りを張っているようです。 
そのシーンは動きが激し過ぎて、動画に撮れませんでした。 

 越冬後は山頂や稜線でよく見られ、♂は見晴らしのよい場所で占有行動をとる。(フィールドガイド『日本のチョウ』p225より引用) 


関連記事(同じ尾根道で同日の撮影)▶ 日光浴してから飛ぶ越冬明けのエルタテハ 


冬の間になまった体に鞭打って尾根道まで登ってきたのは、ギフチョウ類の配偶行動を観察するためでした。
しかし残念ながら、 目当てのギフチョウ、ヒメギフチョウは1頭も見かけませんでした。 
どうやら時期を逃してしまったようです。
今季は春の雪解けが早かったので、もっと早く観察に来るべきでした。

2023/12/29

カキドオシの花蜜を吸うルリシジミ♀

 

2023年4月中旬・午後14:40頃・晴れ 

河畔林の林床に咲いたカキドオシの群落でルリシジミ♀(Celastrina argiolus)が訪花していました。 
晴れているのに、初めは翅を閉じたまま吸蜜していました。 
閉じた後翅を互いに擦り合わせています。 
春風が強く吹くせいであまり飛ばず、隣の花に歩いて移動します。 

後半からは花弁に止まったまま吸蜜を止め、翅を半開きにして日光浴に専念しています。 
前翅の外縁に太い黒帯があることから♀と判明。 
粘って撮影しても飛んでくれませんでした。 

近くでウグイス♂のさえずる鳴き声♪が聞こえます。 
春の林床に咲くスプリング・エフェメラルは、カキドオシに交代したようです。

2023/12/20

笹の葉裏に繭を紡いだヤママユ?(蛾)

2022年8月中旬

里山の林道で左右の下草を刈る作業をしていました。 
笹薮を伐採した直後に歩くと、笹の葉裏に作られた黄緑色(ペパーミントグリーン)の大きな繭を見つけました。 
笹ごと拾って採集し持ち帰りました。 
笹の種類は日本海側の多雪地帯に多いチマキザサではないか?と思うものの、真面目に検討していません。 

イネ科植物の笹を食草とする幼虫と言えば、以前この林道で見かけたヨシカレハ毛虫が思い浮かびます。
しかしヨシカレハやタケカレハの繭と比べると明らかに色も形も違います。 


この繭と一番似ているのは、ヤママユAntheraea yamamai)という蛾の幼虫が紡いだ繭です。 
しかし、ヤママユの幼虫はイネ科の笹を食べるはずがありません。 
林道の周囲は雑木林の灌木です。
ブナ科の葉を食べて育ったヤママユの終齢幼虫が下草に一旦降りてから、笹の茎を登り直して葉裏に営繭したと考えれば、一応は辻褄が合います。

『繭ハンドブック』を参照すればすぐに種類が分かるだろうと楽観していたのに、意外にも似た見かけの繭は掲載されていませんでした。 
こうなったら室内で成虫を羽化させて自分で解明するしかありません。 
羽化が始まったらすぐに撮影できるように、笹ごと繭を卓上に放置していたのですが、待てど暮せど蛾の成虫が羽化してくれません。 
遂に1年以上経ちました。
繭内で完全変態に失敗したのか、体内寄生されていたようです。
しかしヤママユ?幼虫を寄主として育った寄生バチや寄生ハエが繭を食い破って脱出した形跡はありません。 

飼育失敗の原因として思い当たることと言えば、卓上の照明を夜遅くまで煌々と点灯していたことです。 
本来羽化するはずの秋になっても日照時間が短くならなかった(長日条件のまま)結果、夏の休眠が解除されないまま蛹が死んでしまったのかもしれません。
また、2022年は秋になっても室内の気温(室温)があまり下がりませんでした。
しかし気温ならまだしも、繭の中の蛹が日照時間を感知できるのかどうか疑問です。

2023/12/06

ハナズオウの花蜜を吸うナミアゲハ春型

 

2023年4月下旬・午後15:00頃・晴れ 

郊外の畑の片隅に植栽されたハナズオウが花を満開に咲かせています。 
そこに春型のナミアゲハPapilio xuthus)が訪花していました。 
ナミアゲハは今季初見です。 

翅を全開にしたまま、がっつくようにマメ科の蝶形花から吸蜜していました。 
花から花へ伝い歩きをするときだけ、少し羽ばたいてバランスを取ります。 
最後は自発的に飛び去りました。
今回私が撮った個体の雌雄を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。 
『フィールドガイド日本のチョウ』によると、ナミアゲハの腹端を側面から見れば性別判定が可能らしいです。
いつもお世話になっている図鑑なのですが、どうしても苦言したい点があります。
せっかく掲載された腹端の写真があまりにも小さ過ぎて、図鑑と見比べて性別判定を実践することができません。 
これは致命的な問題ではないでしょうか。 
もっと拡大した写真を載せてください。
図鑑を買っても種類や性別を見分けられないというのは、図鑑としての使命を果たしていません。
(増補改訂版では改善されているのでしょうか?)
紙の図鑑でフルカラーの写真を大きくふんだんに載せようとすると印刷コストが跳ね上がるという出版社側の事情は理解できます。
なるべく多くの情報を限られた紙面に詰め込みたいというレイアウトの苦心が伺えます。
それなら、もう全て電子書籍で販売して欲しいというのが私の個人的な願いです。 
電子書籍化すれば、必要に応じて写真を拡大できますし、重くてかさばる図鑑を何冊でも野外に持ち歩くことが可能になります。
写真ファイルだけでなく鳴き声の音声ファイルや行動の動画ファイルを一体化したマルチメディア図鑑に進化すべきなのに、ここ何十年も紙のまま中途半端に停滞している(進歩を拒んでいる?)出版社の怠慢が解せません。
検索性も含めると使い勝手では紙の図鑑よりもインターネット上のWEB図鑑が圧勝しているので、そのオフライン版を電子書籍で販売して欲しいのです。
 

2023/11/21

セイヨウタンポポの花蜜を吸うツバメシジミ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月下旬・午後14:40頃・晴れ 

農道の横に咲いたセイヨウタンポポの群落でツバメシジミ♂(Everes argiades hellotia)が訪花していました。 

初めは翅を半開きのまま吸蜜していました。 
やがて翅をときどき開閉するようになりました。 
次はしっかり閉じた翅の後翅を互いに擦り合わせています。 
後翅の尾状突起を触角のように動かす自己擬態の行動です。 

セイヨウタンポポの花からツバメシジミ♂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜)

この組み合わせは初見です。 
個人的に、ツバメシジミの成虫をこんな早い時期に見たのも初めてです。 
本種は幼虫で越冬するのだそうです。 
温暖化で羽化が早まっているのでしょうか? 
 

2023/11/09

オオイヌノフグリの花蜜を吸うルリシジミ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月中旬・午前11:45頃・晴れ 

川沿いの土手に咲いたオオイヌノフグリの群落でルリシジミ♂(Celastrina argiolus)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
春風に煽られても、花にしっかりしがみついて吸蜜を続けます。 
とにかく風が強くて、通常の虫撮りには不向きな条件でした。 

花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:44〜) 
羽ばたく際に翅表がようやく見えて、♂と判明しました。 
スーパースローにすれば、風揺れも気にならなくなります。 
日差しが強く、ハイスピード動画に適した撮影日和でした。 

※ 前半に流れていた選挙カーの騒音を無音にするのも不自然なので、後半の音声(自然音)と入れ替えました。


田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』でオオイヌノフグリについて調べると、メインの送粉者はハナアブ類なのだそうです。
花はアブが活動できる15℃になると、満開になる。(p74より引用)
ハナアブ類の名前を調べるのが億劫で、どうしても撮影を後回しにしてしまいます。

 

2023/11/03

日光浴してから飛ぶ越冬明けのエルタテハ

 

2023年4月中旬・午後12:50頃・晴れ 

里山の尾根道には残雪が少しありました。 
山道の横にある枯れ草の上で越冬明けのエルタテハNymphalis vaualbum)が翅を開閉しながら日光浴していました。 
体温を上げてから自発的に飛び去りました。 
 翅裏をしっかり見せてくれず、性別を見分けられません。 
右後翅の激しい破損が、越冬の厳しさを物語っています。 
それでも飛翔能力に支障はないようです。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

よく似たヒオドシチョウも同様に日光浴する姿を、この日の山行で多数見かけました。(映像公開予定)
私のフィールドでエルタテハは個体数が少なく、出会えると嬉しい蝶のひとつです。


関連記事(9年前の撮影@晩秋)▶ エルタテハの日光浴

2023/10/15

越冬明けの早春に求愛するキタテハ♂と交尾拒否する♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年3月下旬・午前11:40頃・晴れ 

川沿いの枯れ草に覆われた土手に越冬明けのキタテハPolygonia c-aureum)秋型が止まり、翅を開閉しながら日光浴していました。 
やがて自発的に飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:09〜) 
フィールドで見かけるキタテハの性別を私は自信を持って見分けられません。 
この個体はなんとなく、縄張りを張る♂が、飛来したライバル♂を追い払いに行ったように見えました。 
あるいは♂が♀を待ち伏せしていて、飛来した♀を追いかけて飛び立ったのかもしれません。 

『フィールドガイド日本のチョウ』という図鑑でキタテハ♀♂の識別法を調べると、
キタテハ:秋形では♀の(翅:しぐま註)裏の外縁は一様に濃褐色で、♂では淡黄色を帯びる。(p223より引用)
しかし翅裏に正対して見ないと、太陽光の角度によって色の濃淡は変わって見えます。 
翅裏を斜めからしか撮れていない動画で性別を見分けるのは難しいのです。

辺りを探すと、堤防路の道端で枯れた落ち葉の上に2頭のキタテハ♀♂が並んで止まっていました。 
♀は翅をしっかり閉じたまま、じっとしています。 
一方、♂は斜め後ろから頭部を♀の翅裏に密着させ、翅を半開きにしました。 
これがキタテハ♂の求愛行動なのでしょうか? 
♂の触角は♀の翅裏に触れています。 
もしかすると♀の性フェロモンの匂いを嗅いだり体に直に触れたりして、同種の♀であることを確認しているのかな? 

キタテハの求愛行動をじっくり記録するために、私は240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@0:48〜1:46) 
♂は前脚で頻りに♀の翅裏に触れています。 
翅を広げた♂は日光浴しているようです。 
交尾に備えて体温を上げているのでしょうか。 
春風が吹くと、キタテハ♂の翅が煽られます。 
キタテハ♀が翅を閉じたままなのが交尾拒否の意思表示なのでしょう。 
シロチョウ科の交尾拒否行動とは全く異なります。 
しばらくするとキタテハ♂は紳士的に諦めて飛び去りました。(@1:25〜) 
翅をしっかり閉じた♀は全く無反応で、反射的に♂につられて飛び立つこともありませんでした。 
煩わしい♂から解放されてしばらくすると、ようやく♀も身動きするようになり、自発的に飛び立ちました。(@1:37〜) 
低空で羽ばたき、前方に飛び去りました。 

キタテハ♀の交尾拒否行動を観察できたのはこれが2回目です。
関連記事(9年前の撮影:6月下旬)▶ キタテハの交尾拒否 
どうやら♀が翅を固く閉じたままなので、♂は腹端の交尾器を連結できないでいるようです。 (交尾に成功すれば互いに逆向きに連結するはずです。) 
これがキタテハ♀の交尾拒否行動なのでしょう。 
やがて諦めた♂は飛び去りました。 

堤防路の少し離れた地点でも同様のシーンが繰り広げられていました。(@1:48〜) 
地上に2頭のキタテハ♀♂が並んで止まっています。 
さっきと同一の♀♂ペアなのか別個体なのか不明です。 
枯れ葉の上で翅を閉じていると、翅裏は枯葉のように地味なため、見事な保護色で見つけにくくなっています。 

今回も♀♂ペアは共に翅をしっかり閉じています。 
高画質のFHD動画で交尾拒否行動を記録しました。
♀の閉じた翅裏に対して♂が正対してアプローチするのがキタテハ♂の求愛の流儀なのでしょう。 
体の向きは互いに直交しています。 
♂は頭部や触角を♀の翅裏にぐいぐい押し付けながら、♀の背後に回り込んでマウントしようと試みます。 
しかし♀が翅を閉じたままなので、腹端がしっかり隠されていて交尾器を結合できません。 
この間に♂が翅を少し開閉しました。 
これが求愛の儀式的な行動なのかどうか、定かではありません。 
♀の背後で♂が翅を広げて美しい翅表を見せつけたところで、♀には見えない気がします。 
♀の閉じた翅を♂が手足を使ってこじ開けることは出来ず、♂は交尾を諦めて飛び去りました。 
♀に交尾拒否された♂が飛び去る様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:06〜) 

キタテハの翅裏は地味なので、地上で翅を閉じたままだと周囲の枯葉や落葉に完全に紛れています(隠蔽擬態、保護色)。 
翅の外縁の不規則なギザギザ(鋸歯)も隠蔽効果を高めています。 
地上で翅を閉じたまま静止している同種♀を♂はどうやって探し出すのでしょうか? 
今回のケースでは♂の求愛を拒否したので、地上の♀が性フェロモンを放出して♂を誘引しているとは思えません。 
(♂を誘引した上で、求愛しに来た♂を♀が品定めしている可能性は残ります。)
可視光しか見えないヒトとは違って昆虫の視覚は紫外線のスペクトルでも見えているので、もしかすると紫外線の下では♀の姿がよく目立つのかもしれません。 
紫外線カメラでキタテハを撮影し、確かめてみたいものです。 


採集したキタテハ♀の標本(死骸)を野外に放置したら、♂が求愛に来て交尾を試みるのかどうか、実験してみるのも面白そうです。 
♂の標本に対してはどんな反応をするでしょうか? 
同性に誤認求愛するでしょうか?
もしも近縁種シータテハ♀の標本を使うと、キタテハ♂はしっかり異種だと見分けられるでしょうか?
異種に誤認求愛するかな?
(ヒトが翅裏を見ただけでシータテハとキタテハを見分けるのは、蝶に詳しいマニアでなければ難易度が高いです。)

地上で休んでいるキタテハ♀を♂が目敏く見つけて横に舞い降りたとは限りません。
♂の縄張り内に飛来した♀を追尾して乱舞になり、一緒に着陸したのではないかと思います。 
この過程はあまりにも動きが激し過ぎて、しっかり観察・撮影できていません。(見失いがち)

交尾済みの♀にとって、♂のしつこい求愛(セクハラ)は煩わしいだけです。 
キタテハでは交尾拒否の決定権が♀にあり、♂が♀の意志に反してむりやり交尾することは物理的に不可能です。 
交尾拒否された♂はあっさりと紳士的に諦め、次の♀を探しに行きます。 
キタテハで求愛が成就して交尾に至る例を私は未だ一度も観察できていません。 
♀が翅を開いて♂を受け入れれば互いに逆向きで連結するはずですが、そもそも交尾中のキタテハ♀♂も未見です。
かなり古い本ですけど、保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』(1972)を紐解いてキタテハの配偶行動について調べると、
秋型の交尾は一般に越冬後に行なわれるが、9月に交尾した記録もある。(p228より引用)

独りになった♀はようやく翅を開くようになりました。(@3:01〜) 
後翅外縁部の損傷が激しい個体で、越冬の厳しさを物語っています。 
最初に観察した♀とは別個体であることが判明しました。 
日光浴で体温を上げると、自発的に飛び立ちました。(@3:28〜) 
そのまま低空で飛び続け、オオイヌノフグリの花が咲き乱れる土手を下りて行きました。 


2023/10/12

石を舐めてミネラル摂取する早春のルリシジミ♂

 

2023年3月下旬・午後12:25頃・晴れ 

橋の下を流れる小川の岸辺でルリシジミ♂(Celastrina argiolus)が岩の上に止まっていました。
今期初見の個体です。 
ルリシジミは蛹で越冬するらしく、こんなに早く成虫が羽化したのも温暖化の影響かもしれません。
日当たりが良いのに日光浴しないで翅を閉じたままということは、むしろ暑いのでしょう。

歩き回りながら口吻を伸ばして岩の表面を舐めていました。 
急に岩から飛び立ち、辺りをせわしなく飛び回ると、翅の裏表で色が違うために、青紫色と白っぽい灰色がちらちらと点滅します。 
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、開いた翅表が淡紫青色であることから♂と判明しました。 

多くの種類の蝶で♂は地面や汚物を舐め、性成熟に必要なミネラル成分を摂取することが知られています。 


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同一個体のルリシジミ♂が次に止まったのは、平べったい小石でした。 
やはり赤茶けた色(酸化鉄?)の石で、鉱物学的に共通の名前がありそうです。 
(私は地学に疎いので、ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。) 
今回は石の表面そのものではなく、石に付着した泥(砂)が乾いた部分を好んで舐めていました。 
翅をしっかり閉じたまま、後翅を互いに擦り合わせました。 

チョロチョロと流れる小川の土手にはオオイヌノフグリやヒメオドリコソウなどの群落が可憐な花を咲かせているのに、ルリシジミ♂は訪花しませんでした。 

撮影時期が早春ということで近縁種スギタニルリシジミの可能性も考えましたが、この個体は翅裏が灰色で褐色みがなかったので、除外しました。 
撮影したのは平地で、そもそもスギタニルリシジミは山地性らしい。

2023/10/03

オオイヌノフグリの花蜜を吸う越冬明けのキタテハ秋型

 

2023年3月下旬・午前11:45頃・晴れ 

雪が溶けた川原の土手は枯れ草に覆われ、オオイヌノフグリの群落だけが青々としています。
早春にいち早く咲いたオオイヌノフグリの大群落で秋型のキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅を広げて日光浴しながら吸蜜しています。 
そのままオオイヌノフグリの花畑を歩き回り、次々に吸蜜します。 

越冬明けなのに、翅に破損が無いきれいな個体でした。 
後翅の黒斑の中に散りばめられている水色の小さな点がオオイヌノフグリの花の色とマッチしていてきれいです。
ときどき翅を閉じると春風に翅が煽られそうになりますが、翅裏に目立つC文字も見えました。 

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