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2016/07/30

夜フランスギクの花で寝るクサギカメムシ【暗視映像】



2015年5月下旬

農村部の道端に咲いたフランスギクの群落で深夜(午前1:45)、クサギカメムシHalyomorpha halys)が訪花していました。
初めは赤外線の暗視カメラでそっと撮ってみました。
現場は真っ暗ではなく、外灯の真下でした。

ビデオカメラの白色LEDライトを点灯しても、クサギカメムシは動きません。
しつこく照らすとようやく脚や触角がピクリと動きました。
吸汁しているかどうか、口吻の状態は確認できませんでした。


2016/07/23

鳥の糞を吸汁するツノアオカメムシの幼虫



2016年6月上旬

山間部の道端に生えたクリの灌木で、ツノアオカメムシPentatoma japonica)の幼虫が、葉に付着した鳥の糞から吸汁していました。
無翅で腹背が剥き出しなので、未だ幼虫なのでしょう。
レンズを近づけようと手前の葉にゴソゴソしてたら、警戒したカメムシは葉裏に避難してしまいました。

写真撮影はストロボの使い方やピント合わせなど色々と雑になってしまいました。(動画の方が上手く撮れています。)
疲労困憊していた上に夕暮れ時で下山を急いでいたせいです。

いつもお世話になっている「不明幼虫の問い合わせのための画像掲示板」に投稿したところ、akaitoriさんより「ツノアオカメムシに似て見える」との回答を頂きました。




実は糞を吸うカメムシを見つけたのは、これが3例目です。

▼関連記事
鳥の糞を吸汁するセアカツノカメムシ♀
獣糞を吸汁するハラビロヘリカメムシ

2016/07/14

フランスギクの花で交尾するアカスジカメムシ♀♂



2016年6月上旬

郊外の住宅地で道端に咲いたフランスギクの花でアカスジカメムシGraphosoma rubrolineatum)の♀♂ペアが交尾していました。
よりによって萎れかけの花に居るのはフォトジェニックじゃなくて残念ですけど、逆に言えばカメムシが吸汁した結果、花が急速に萎れたのでしょうか?
隣の花にもう一匹居て、こちらはおそらく吸汁中。





2016/06/26

アワフキムシ幼虫の泡巣を舐めるムモンホソアシナガバチ♀



2016年5月中旬

里山で林道脇に生えたコナラ幼木の茂みにムモンホソアシナガバチParapolybia indica)♀が飛び込みました。
この時期は未だワーカー♀ではなく、創設女王ではないかと思います。
獲物を狩る瞬間が撮れるのではないかと期待していると、アワフキムシの仲間の幼虫が枝に作った白い泡巣を見つけた蜂が顔を突っ込みました。
中に潜んで枝から吸汁しているアワフキムシの幼虫を狩るのが目的ではなく、あくまでも泡を舐めています。
満足した蜂は飛び去りました。
初めて見る謎の行動に興奮したあまり、泡巣を調べて中の幼虫を同定するのを忘れてしまいました。
…と思ったら、実は7年前にも観察していました。


▼関連記事
アワフキムシの泡巣を舐めるキアシナガバチ女王

Polistes属のアシナガバチだけでなく、Parapolybia属の蜂でも見られる行動だとこれで分かりました。

『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p136によれば、

(アワフキムシ類の)幼虫がつくる泡の素材は排泄液(尿)由来のアンモニアと腹部第7節、第8節にあるバテリ(Batelli)腺から分泌されるロウ脂質由来の脂肪酸とのアンモニア塩の鹸化物で、腹部を伸縮させて空気を送り込み排泄液中の水分とともに泡立て、繊維状タンパク質を混ぜて強度を高めている。



アシナガバチは水分補給や巣材集めに泡巣を舐めた可能性も考えられます。



【追記】
小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』p183によると、
アワフキムシのつくる泡の巣は、アリのような小型の外敵から身を守るのに非常に有効です。石鹸水でできているため表面張力が働かず、小さな虫がうかつに泡に触ると容易に全身が石鹸水まみれになり、気門を塞がれて呼吸ができぬまま死んでしまいます。
今回のアシナガバチは顔だけを泡に突っ込んでいるので、呼吸は問題ないのでしょう。



2016/04/28

コガタスズメバチの古巣で集団越冬するフタモンアシナガバチ新女王



2015年12月上旬

コガタスズメバチ巣の定点観察@祠・軒下#4


軒下から採集してきたコガタスズメバチVespa analis insularis)の古巣を持ち帰りました。
忙しくてそのまま9日間も室内に放置してしまいましたが、ようやく中の様子を調べてみました。
まず外被をノギスで採寸すると、長径13.5cm、高さ10.5cmでした。
(採集容器がギリギリの大きさだったため、持ち帰る際に外被がやや潰れてしまいました。)
巣全体の乾燥重量を量ればよかったですね…。


巣口
軒下から削ぎ落とした面。巣盤の天井部が見える。

外被の薄皮を少しずつ壊すと、一層の巣盤が現れました。
未だサンプル数は少ないのですが、これまで私が調べたコガタスズメバチの巣盤はいつも一層です。
ここ雪国ではコガタスズメバチの営巣期が短いために、二層以上の巣盤を作る期間が足りないのかもしれません。(※追記参照)
今回の巣盤はなぜか2つに別れた奇妙な形をしています。
巣盤の天井部は一つ(共通)なのに、下部の育房は隔壁で仕切られていました。
春先に2匹のコガタスズメバチ女王が協同して創設したのか、それとも途中で巣の乗っ取りが行われたのかな?
あるいは寄生蛾の幼虫などに冒された巣盤を途中で隔離したのかもしれません。



小さい巣盤の育房数は15室。
大きい巣盤の育房数は33室。
正六角形をした育房の1辺の長さは約5mm。
巣盤の隔壁部をナイフで割ったら、中は白カビが生えていました。




まず見つけたのはフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)の新女王です。
3匹が同じ外被ポケットに潜り込んで集団越冬していました。
休眠が深く、なかなか覚醒しません。
目覚めてもおとなしく身繕いするぐらいで、飛び立つ元気はありません。



薄いパルプと空気の層を重ねた外被は断熱効果に優れているため、その隙間(空気室)で様々な昆虫が越冬していました。
意外な居候としては、オオトビサシガメIsyndus obscurus)が一匹。(動画はありません)



その一方でコガタスズメバチ新女王は自分の育った巣では越冬しないようで、一匹も見つかりませんでした。

つづく→#5:越冬休眠していたフタモンアシナガバチ新女王の覚醒


※【追記】
『都市のスズメバチ』p38によると、
(コガタスズメバチの)女王バチが健在にも拘わらずあまり大きくならない巣が少数ながら存在する。

2016/03/06

網にかかったホソヘリカメムシを捕食するジョロウグモ♀(蜘蛛)



2015年11月上旬

堤防の水門に張られた網にジョロウグモ♀(Nephila clavata)に生き餌を給餌してみました。
歩脚に欠損のない五体満足の個体ですけど、体格はやや小型の印象。(未採寸)

水門の裏面を徘徊していたホソヘリカメムシRiptortus pedestris)を生け捕りにし、ジョロウグモの網に投げつけました。
すぐに駆けつけたジョロウグモ♀はかなり長時間、獲物を噛んでいました。
その間は見ていても退屈なので、6倍速の早回し映像に加工しました。

クモに噛まれても毒液があまり効かないのか、ホソヘリカメムシは後脚を動かしてしばらく暴れています。
ホソヘリカメムシは太くて棘のある腿節を闘争用の武器としています。
しかし胸部を噛まれているため、反撃したくても武器が敵に届かず虚しく空を切るばかりです。

・(ホソヘリカメムシの)雄の成虫の後脚腿節が不釣り合いに太く、その内側に棘の列がある[2]。
・雄は雌の居場所を縄張りとし、縄張りをめぐって争う。争いでは棘がついた後ろ足で相手をはさみつけるという方法がとられ、後脚腿節が長いものが有利になる[12]。(wikipediaより)

クモに攻撃されている間、異臭を全く感じなかったので、カメムシは身を守る毒ガスを発しなかったようです。
不思議に思い調べてみると、ホソヘリカメムシは

カメムシには珍しく、匂いがない[4]。(wikipediaより)

一方、ジョロウグモは噛み付きながらときどき歩脚の先で獲物に触れて生死を確認しているようです。(歩脚の先で獲物の周囲の糸を切っているのかも?)

次にジョロウグモは獲物を梱包ラッピングし始めたものの、なぜか手間取っています。
水色のペンキで塗られた水門が背景だとジョロウグモの網も糸も極めて見え難いのですが、梱包ラッピングする捕帯の糸が殆ど出ていない点が気になりました。
レンズを至近距離まで近づけても捕帯の糸は見えません。
晩秋の餌不足でジョロウグモ♀が飢餓状態となり、出糸腺(ブドウ状腺)の糸が枯渇しているのかな?と想像しました。
あるいは産後の肥立ちが悪いのかもしれません(産卵した直後なのか?)。
ジョロウグモ♀は最小限の糸を節約して使い、時間をかけてなんとかラッピングしました。
獲物を噛んで体外消化しながら直ちに消化吸収して、泥縄式に糸を合成したのかもしれません。
ようやく毒が回り、獲物は動かなくなりました。
クモは噛みつきを止めてラッピングに専念しています。

『スパイダーウォーズ』p145-146によると、

オニグモはコガネグモと同じように攻撃ラッピングを多用するクモですので糸腺の数が多く、ジョロウグモはそれをしないので糸腺(ブドウ状腺)も少ない、とも解釈できます。噛みつきによって殺した餌の接着や梱包には、たくさんの糸は必要ないのです。


ジョロウグモ♀は円網の甑に獲物を持ち帰ると身繕い。
糸で汚れた歩脚の先を順に舐めて掃除しています。
化粧が済むと、網に吊り下げていた獲物を引き寄せ、ようやく口を付けました。




【追記】
吉田真『クモはどのようにして餌を捕らえるか?』によると、
ジョロウグモ属のクモでは、捕帯による固定はみられず、固定はもっぱら噛みつきによってなされます。しかし、このクモの網には、セミ・バッタ・トンボなどの大型の昆虫や、ハチなどの危険な昆虫、カメムシなどの不快な匂いを出す昆虫の食いかすが残されています。このことは、捕帯による固定ができなくとも、大型あるいは危険な餌を捕獲できることを示しています。(中略)大型の餌または危険な餌がかかると、このクモはなかなか噛みつこうとせず、固定には長い時間がかかります。その間に網から逃れる昆虫もいるのでしょうが、多くの糸を使った網が餌の逃亡を防ぐ効果的な罠となっているのかもしれません。 (ポピュラー・サイエンス『動物たちの気になる行動(1)食う・住む・生きる篇』p46-47より引用)


2016/02/24

巣に侵入したクサギカメムシを追い払うキイロスズメバチ♀



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#10


以前の定点観察#3キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が営巣する軒下をウロウロと歩き回っている黒っぽい昆虫が気になりました。
スズメバチの巣に寄生するハネカクシやゴキブリだとしたら面白い話です。

▼関連記事
コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
巣に侵入するナミクシヒゲハネカクシ?を殺すモンスズメバチ♀門衛

この日の観察では、謎の虫の正体を突き止めることに専念しました。


シーン1:6倍速映像

クサギカメムシHalyomorpha halys)が軒下の垂木に沿って右往左往しています。
おそらく越冬場所を探し回っているのでしょう。
晩秋になると毎年クサギカメムシは屋根裏や屋内にも続々と侵入して集団越冬することが知られています。
カメムシの歩行を見ていても、スズメバチの巣に誘引された動きではなさそうです。
遂にキイロスズメバチの外被に偶然迷い込みました。(@1:14〜)
しかし巣の本体まで降りてくることはなく、そのまま軒下の棟木へ移動しました。
在巣のスズメバチは未だカメムシに気づいていないのか、それとも無害だと無視(黙認)しているのでしょうか。
カメムシを攻撃したり獲物として狩ったりすることはありませんでした。



シーン2:1倍速(リアルタイム)映像(@1:25〜)

棟木の付近の外被にクサギカメムシが迷い込んで徘徊しています。
近くで外被を増築していたキイロスズメバチ♀にも気づかれず、ひっそりと立ち去りました。


シーン3:1/8倍速スローモーション(@2:10〜)

後半は巣に出入りするキイロスズメバチ♀の飛翔シーンを狙って240-fpsのハイスピード動画に記録しようと長撮りを繰り返しました。
軒下が薄暗いせいで(光量不足)蜂の羽ばたきがあまり上手く撮れなかったのですが、その映像の中に興味深い対決シーンが偶然写っていました。
巣の外被上はなぜか騒然としており、4〜5匹の蜂が巣口の周りを羽ばたきながらパトロールしています。
巣に迷い込んだクサギカメムシが外被に静止していると保護色で非常に見えにくいですね。(動き出さないと気づきません。)
外被上に迷い込んだクサギカメムシが遂に外被点検中のキイロスズメバチのワーカー♀に見つかってしまいました。
蜂は羽ばたいて威嚇しながらカメムシを追い立てます。
安易に噛み付いたり攻撃を加えないのは、毒ガスの反撃を恐れているのかもしれません。
(これまでに何度も繰り返し侵入されて、蜂もカメムシ対処法を学習していそうです。)
慌てて逃げるカメムシは外被から転げ落ちました。(@3:10)
追跡者は震わせていた羽ばたきを止めました。

同様のシーンがもう一度繰り返されます。
ところが今回は、外被上を逃げるカメムシが一直線に巣口へ向かっています。
巣内へ侵入した!と思いきやキイロスズメバチの門衛に撃退され、挟み撃ちされたカメムシは落下しました。(@4:55)
追跡していた蜂もすぐに飛び立ちました。
その後の展開も興味深く、巣口から出てきた門衛が興奮したように羽ばたきながら巣口周囲の外被をパトロールしてから巣に戻りました。
映像ではいまいちはっきりしないのですが、入巣直前の羽ばたきが扇風行動のように見えました。
頭は巣内を向いているので、ニホンミツバチがやるような排気行動だとすると、追い払ったカメムシの最後っ屁(毒ガス)を換気しているのかもしれません。
巣内の冷却が必要になるほどこの日の気温は暑くありませんし、扇風行動が見られたのはカメムシ遭遇戦の直後だけでした。


肉食性のカメムシでない限り、もしスズメバチの巣への侵入が成功したとしても無害な居候として潜伏するだけでしょう。
寄生や共生のような緊張を伴う緊密な関係ではないはずです。
スズメバチの巣は断熱材で守られたシェルターですから、クサギカメムシが越冬する隠れ家として向いているかもしれません。
クサギカメムシがキイロスズメバチの巣に次々と侵入すれば、やがて集合フェロモンの効果であたかもスズメバチの巣に誘引されているように見えるはずです。




コロニーが解散した後にスズメバチの古巣を調べてみれば、多数のカメムシが集団越冬していそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→#11:キイロスズメバチの巣に侵入する寄生ハエ?



2016/02/18

アオクチブトカメムシがリンゴの果実を吸汁



2015年10月下旬

山麓の神社でアオクチブトカメムシDinorhynchus dybowskyi)を見つけました。
側角がなで肩なので、ツノアオカメムシではなくアオクチブトカメムシです。
リンゴを丸ごと食べ終えた後の芯を試しに与えてみました。


初めは嫌がったものの、やがて口吻を伸ばして吸汁を開始。
しかし太い口吻を深く突き刺しているようには見えず、先端で果肉の表面に触れ探っているだけかもしれません。
(側面からも口針が見えないのはどうしてかな?)
リンゴの皮が残っている部分からは吸汁出来ないようです。
家に帰ってから食性を調べてみると、本種は鱗翅目の幼虫を捕食するらしい。(『札幌の昆虫』p80より)


肉食性のアオクチブトカメムシが果実を吸汁するのがもし異例の出来事であれば、本当に摂取していることを実証するには胃内容物にリンゴ由来の果糖が検出されるかどうか調べるしかないでしょう。

(今回リンゴにカメムシが自発的に誘引されたのではなく、リンゴの上に乗せてから撮影しました。)

カメムシに指で軽く触れたら、ゆっくり逃避行動(移動)を始めました。
悪臭は放ちませんでした。



2016/02/10

網にかかったツマグロオオヨコバイを捕食するイシサワオニグモ♀(蜘蛛)



2015年10月上旬・午前9:57〜10:04

イシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)で色々と実験したお詫びとして、今度は本当の獲物を給餌することにしました。

近くの草むらに飛来したツマグロオオヨコバイBothrogonia ferruginea)を生け捕りにし、垂直円網(甑の少し左下)に付けてやりました。
キイチゴ?葉裏の隠れ家に潜んでいたイシサワオニグモ♀は網に急行すると、まずは獲物の胸部に噛みついて毒液を注入しました。
つづいて獲物を網から外しながら大量の捕帯を繰り出して梱包ラッピングします。
糸を噛み切りながら、円網に開いた穴を補修するため糸で最小限の修繕を施しています。
網全体が崩壊しないよう、切った縦糸を張り直しているようです。
甑から新たな信号糸を糸を張りながら、獲物を隠れ家に持ち帰りました。
隠れ家に落ち着くと、捕食を始めました。
ちなみに午前10:00に測った気象状況は、気温19.1℃、湿度73%。

さて、イシサワオニグモが円網を張り替える行動を観察したくて前日から徹夜で監視したのに空振りに終わりました。(待ちぼうけ)
夜間に網を張り替えなかったのは、私が花や虫を次々に給餌したり音叉を使った実験を繰り返したからでしょうか?
もし何も獲物がかからなければ、「この網ではもう駄目だ」と判断して張り替えたのかな?



2016/01/09

ミズキに付くアブラムシに随伴するクロクサアリ



2015年9月下旬

用水路沿いに生えたミズキの木の葉裏や葉柄、実などに黒いアリが集結していました。
おそらくクロクサアリLasius fuji)だと思います。
個々のアリをよく見ると満腹らしく腹部の節間膜が広がっています。

ミズキに花外蜜腺があるのか?と不思議に思ってネット検索しても情報が出てこないので無さそうです。
黒っぽく熟したミズキの実は甘いのか(糖分を含んでいるのか?)味見してみればよかったですね。
『野鳥と木の実ハンドブック』p50で調べてみると、「口に入れてみてもこれといった味はしない」そうです。


ミズキの葉裏の特に葉柄に蟻が群がっています。
点在するアブラムシのコロニーが排泄した甘露を舐めているようです。
共生関係(蜜月関係)にありそうですけど、アブラムシの数が少ないのでこれだけ多数のアリを養えるとはちょっと驚きです。
今回風が吹いていたのでマクロレンズで接写していません。
アブラムシの種類を真面目に検討した訳ではありませんが、ミズキをホストとするアブラムシを検索すると例えばオカボキバラアブラムシ(別名オカボノキイロアブラムシ;Anoecia fulviabdominalis)がヒットしました。



2015/11/07

網戸で鳴く♪アブラゼミ♂2015



2015年8月中旬

網戸の外でアブラゼミ♂(Graptopsaltria nigrofuscata)が喧しく鳴いています。
カーテンを捲ってビデオカメラをそっと近づけたらセミは警戒して横歩きし、桟の陰に隠れようとしました。
網戸を少し登ると安心したように再び鳴き始めました。
(もしかするとセミには網戸の裏側なんか見えてなくて、鳴き声の一小節ごとに位置を変える習性があるのかもしれません。)
当然ながら逆光でしかも網戸越しなので、発音器の腹弁の動きがよく見えません。(ビデオカメラのライトを点灯したらセミは逃げてしまうかな?)
鳴き終えて飛び立つまで動画に記録しました。
気温を測り忘れました。
飛び立つ瞬間に小便を排泄していない…と思います。
セミの排尿シーンをハイスピード動画に撮ってみたいと常々思っているのですが、木で吸汁している個体を狙うべきなのでしょう。



アブラゼミ♂の鳴き声を声紋解析してみる



オリジナルのMOVファイルから音声をWAVファイルにデコードしてからスペクトログラムを描いてみました。


まず全体の波形を見ると、最大音量で鳴き続けるサビのパートは毎回約30秒間と決まっているようです。
セミも疲れてしまうのでしょうか?

音量を抑えた間奏もほぼ同じ時間(少し長い)でした。
次に最後のサビの前後だけ切り出したスペクトログラムを描いてみます。



今回使用したビデオカメラは内蔵マイクで録音した音声を圧縮・劣化せずに保存しているという特長があります。
3年前に別のカメラで調べた声紋では非可聴域の高音部がカットされていたので、この点でささやかながら進歩しました。

2015/10/25

クヌギの幹で共生するトゲアリ♀とアブラムシ



2015年8月中旬

平地の雑木林でクヌギの幹にトゲアリPolyrhachis lamellidens)のワーカー♀が群がっていました。
この木のどこかにトゲアリの巣があるのでしょうか?
よく見ると、樹皮の裂け目の奥にアブラムシ(種名不詳)が数匹ずつのコロニーを形成していて、トゲアリはそのアブラムシと相利共生関係になり護衛しているようです。
マクロレンズがあればトゲアリがアブラムシの甘露を舐めるシーンなどを接写したかったのですが、この日うっかり家に忘れてきたことを悔やみました。

「アブラムシ・ミニ図鑑」サイトではクヌギをホストとするアブラムシは10種類もヒットします。


2015/10/22

カメムシの幼虫を捕食するニホンカナヘビ



2015年8月中旬

峠道の道端の落ち葉でニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)を発見。
見事な保護色になっています。
冒頭は何か別な虫を食べているような気がしたのですけど、撮り損ねました。
歩き回る虫に数回トライしてようやく捕食に成功しました。
獲物はカメムシ(種名不詳)の幼虫のようです。
カメムシが放つ悪臭は天敵のカナヘビに対して身を守る効き目がないようです。
カナヘビは咥えたままの獲物を地面に擦りつけています。
手前の雑草や枯れ葉が邪魔でよく見えず、もどかしい思いをしながらゆっくりしゃがみ、ようやくカナヘビの顔を捉えたときには食べ終えていました。
食後のカナヘビは舌舐めずり。
体にアリが登ってきても気にしませんでした。
突然、身を翻して逃げて行きました。





2015/08/25

夜道でニイニイゼミ♀を拾う



2015年7月中旬

深夜(00:30頃)に山際の交差点の灯火下で見慣れないセミを見つけました。
個人的にニイニイゼミPlatypleura kaempferi )は初見です♪

ライトで照らしても路上でじっとしています。
セミを指で触れると羽ばたいて逃げるも、飛翔力は弱々しい。

このまま路上に放置したのでは車に轢かれてしまいそうです。
一時的に捕獲しても鳴かず、腹弁が無いことから♀と判明。
真っ黒な後翅が印象的でした。


2015/08/23

クサフジで交尾および吸汁するヒメマルカメムシ



2015年7月上旬

農道に咲いたクサフジの群落で、小さくて丸いカメムシが茎に止まって交尾していました。
左側に居る大型の個体が♀だと思いますが、茎から吸汁してるようです。(色気よりも食い気。)
やがてペアを解消して別れました。
茎に口吻を突き刺しています。

見慣れないカメムシでしたが、交尾しているということは、小型でも幼虫ではなく成虫です。
図鑑で調べてみると、ヒメマルカメムシCoptosoma biguttulum)ですかね?
山間部のハギ(マメ科)に集まるらしい。(旺文社『野外観察図鑑1昆虫』p132より)
萩は未だ咲いていませんが、クサフジも一応マメ科になります。
マメ科牧草に加害する飼料作物害虫という扱いらしい。
近縁種タデマルカメムシとの違いはこちらのサイトで解説があります。


2015/07/17

桑の葉裏にヒメツノカメムシ幼虫集団



2015年6月中旬

道端に植えられたクワの灌木から黒く熟した実を摘んで食べようとしたら、葉裏に集合したカメムシの幼虫を見つけました。
齢数がまちまちの幼虫集団でした。
脱皮直後の幼虫は複眼が真っ赤。
集団のままで葉裏の葉脈から吸汁しているのですかね?
それにしては、葉が萎れている様子はありません。
葉をめくって撮影を始めるとカメムシたちはもぞもぞと動き始めました。
それでも、日光を浴びたぐらいでは分散しませんでした。
指で葉表を叩いてみても、意外にも逃げ出しません。
コロニーの端に居た個体に直接触れたら、ようやく逃げ始めました。
「蜘蛛の子を散らすように」逃げ惑うと予想したのですけど、意外にものんびりしていました。
カメムシに触れた指の匂いを嗅いでも、特に悪臭はしませんでした。

さて気になる幼虫の和名ですが、エサキモンキツノカメムシSastragala esakii)とヒメツノカメムシElasmucha putoni)辺りで悩みました。
素人目にはとにかく集団内の色彩変異(齢数の違いによる
バリエーション)に気を取られてしまい、何が種の特徴なのか分かりません。
異種のカメムシが混群を形成する可能性は?※

実はこの日、出歩いた中であちこちの桑の葉裏で同様のカメムシ集団を見かけました。
写真を撮るのが億劫でスルーしていたのが残念。


ブックマークしていた「カメムシBBS」になぜかアクセスできなくなっていたので、いつもお世話になっている「不明幼虫の問い合わせのための画像掲示板」に問い合わせてみました。
すると早速akaitoriさんより、ヒメツノカメムシ幼虫に似てるとご教示頂きました。
ご紹介いただいたリンク先の飼育記録(およびフィールド観察)が秀逸で参考になりました。
桑の赤い実を好んで吸汁するそうです。
私も採集して飼育しようか迷ったのですが、他の飼育ネタで手一杯でした。

※【追記】
「カメムシ&混群」で検索してみると、唯一ヒットしたのが石垣島での興味深い採集記録でした。
ナナホシキンカメムシとハラアカキンカメムシが混群を形成する例が書いてました。(それほど単純な話ではありません)



2015/07/02

クリオオアブラムシの甘露を舐めるモンスズメバチ♀



2015年6月上旬

平地に植えられたクリの木で夕方、複数のモンスズメバチ♀(Vespa crabro flavofasciata)が飛び回っていました。
時期的に単独営巣期の創設女王と思われます。
未だ開花していないのに獲物が多い狩場なのか?と不思議に思い見ていると謎が解けました。
獲物の探索飛翔にしては、のんびりしています。
クリオオアブラムシLachnus tropicalis)と思しき黒いアブラムシがクリの小枝にびっしりと密集していて、モンスズメバチ♀はその直下の葉に止まっています。
アブラムシが排泄した甘露を舐めに来たのでしょう。
最後は入れ替わりでコガタスズメバチ♀(Vespa analis insuralis)が登場しました。
喧嘩にはならず、先客のモンスズメバチ♀は逃げました。

多数のハエも枝に止まっているので、やはり甘い汁が目当てなのでしょう。
枝を歩くナミテントウは、アブラムシを捕食しに来たようです。
ちょっとした食物連鎖の生態系が垣間見れました。



2015/07/01

クリオオアブラムシの甘露を舐めに来たコガタスズメバチ♀



2015年6月上旬

平地に植えられたクリの木で夕方コガタスズメバチ♀(Vespa analis insuralis)が飛び回っていました。
時期的に単独営巣期の創設女王と思われますが、複数個体が集まっていました。
未だ開花していないのに獲物が多い狩場なのか?と思い見ていると謎が解けました。
クリの小枝に黒いアブラムシがびっしりと密集していて、コガタスズメバチ♀はその直下の葉に止まっています。
アブラムシが排泄した甘露を舐めに来たのでしょう。
同じく甘露目当てに飛来したキアシナガバチ♀は、コガタスズメバチの姿を認めると慌てて逃げて行きました。
スズメバチはアブラムシのコロニーに踏み込んでアリのように直接甘露をねだることはありませんでした。
アリがボディーガードしてるのかな?
アブラムシのコロニーに注目すると、透明な甘露の排泄シーンが撮れたような気がしました。(気のせいかも?)




アブラムシについては勉強不足で疎いのですけど、クリオオアブラムシLachnus tropicalis)ですかね?



2015/03/08

ツノアオカメムシの幼虫がホウチャクソウの花で盗蜜?



2014年5月下旬

里山の草地に咲いたホウチャクソウの白い花筒にツノアオカメムシPentatoma japonica)の幼虫が静止していました。
花弁の根元にできた隙間に口吻を差し込んで花蜜を吸っているように見えてドキッとしました。
もしそうなら盗蜜行動になります。

▼関連記事
ホウチャクソウの花で盗蜜するマドガ(蛾)
残念ながらマクロレンズを装着する前にツノアオカメムシ幼虫は花を登って葉に移動してしまいました。
カメムシの幼虫は羽がないので飛べません。
訪花中は背側のアングルから撮っただけなので口吻の状態がしっかり見えず、本当に吸蜜していたかどうか疑問です。
思わせぶりな位置に止まっていただけかもしれません。
そもそも、カメムシが花蜜を吸いますかね?



2015/01/23

蛾の幼虫を捕食するクチブトカメムシ



2014年9月下旬

つづら折りの山道の下草(木苺の一種)に乗った茶色のカメムシが蛾の幼虫を捕食しています。
側角が鋭く、クチブトカメムシPicromerus lewisi)だと思うのですが、どうでしょう?※
口吻を突き刺して吸汁している獲物は毛虫ではなく芋虫タイプでした。
日差しが強く、どうしても白飛び気味になってしまいます。

※ Web東奥のあおもり昆虫記サイトによると、

似た種にオオクチブトカメムシがあるが(中略)クチブトカメムシはオオクチブトと違って、森林地帯で見られる。クチブトカメムシは肉食・捕食性で、ハムシなどの幼虫や小さな昆虫を捕らえて食べる。



撮影後に採集しました。
飼育して狩りの瞬間を動画に撮りたかったのですが、忙しくて手が回らず(生き餌を調達できず)、結局逃してやりました。
以下は標本(生体)写真。


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