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2019/04/22

川から飛び立つカワウの助走は両足跳び(野鳥)【HD動画&ハイスピード動画】



2018年11月上旬・午後16:17頃


▼前回の記事
川の浅瀬に集まって休むカワウとダイサギの混群(野鳥)

夕方の川に就塒前集合していたカワウPhalacrocorax carbo hanedae)とダイサギArdea alba)の混群が、次々と上流へ飛び立ち始めました。
川沿いの堤防を歩く通行人を警戒したのか、それとも集団塒に向かって自発的に飛び立ったのか、私には分かりませんでした。
近隣の採餌場から新たに続々と川に飛来するカワウとダイサギの群れが就塒前集合の頭上を飛び越えて上流に向かうので、先着組もその動き(流れ)につられた(誘われた)のかもしれません。
白と黒の大型水鳥が次々に飛び去る様子はなかなか壮観でした。
一羽だけ混じっていたアオサギArdea cinerea jouyi)も一緒に飛び立ちました。

カワウの飛び立ちを観察するのは初めてなので、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:55〜1:18)
群れから少し離れて単独で川に佇んでいた個体が、羽ばたきながら水面を上流へ向かって走り、8〜9歩でようやく離陸しました。
カワウの助走は、両足を揃えて水面に同時に付けてピョンピョン跳んでいる(ホッピング)ことが分かり、とても奇妙で興味深く思いました。

バタフライ泳法の動きを連想しましたが、ヒトにはなかなか真似出来ない独特の走法かもしれません。
カワウは両足を同時に着かないと水かきがあっても体重を支え切れず水中に沈んでしまうのかな?
体の作りが潜水漁に適応しているカワウは、歩いたり走ったりするのが苦手なのでしょうか?
しかし過去に撮った映像を見直すと、カワウが地上を歩く際は、スズメのように両足を揃えてピョンピョン跳ぶのではなく、二足を交互に前へ出して普通に歩いていました。


ようやく飛び立ってもカワウは急上昇せず(できない?)、低空のまま上流へ向かっています。
後半は1/5倍速のスローモーションでリプレイ。



すぐには飛び立てず長い助走を必要とするのは、白鳥と似ています。
離陸が苦手なのは、大型で体重が重いからでしょう。
ただし白鳥の助走は足を交互に出して走る点がカワウと異なります。

▼関連記事
夕方の川から飛び立つコハクチョウのペア(冬の野鳥)

一方、ダイサギやアオサギなど大型のサギ類は、屈んだ足で地面(川底)を蹴りながら力強く羽ばたいて飛び立ち、助走なしですぐに離陸することができます。
ダイサギやアオサギがカワウと並走するように飛ぶこともありました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際にはもっと薄暗い条件でした。
光量不足だと動画撮影中にカメラのオートフォーカス(AF)が効きにくくなってしまいます。




【追記】
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか』(岩波科学ライブラリー)によると、鳥のこのような走り方は「ホッピング」と呼ばれるそうです。
二足による移動の中で、鳥だけが行い、私たちヒトは行わない動きが、ホッピングだ。 (p33より引用)


ホッピングも、走行と同様、高速で移動するときにも行なわれ、腱のバネ的作用を活用して、運動エネルギーと弾性エネルギーを転換する運動様式だ。そして、両者の違いは、脚を交互に動かすか、ほぼそろえて動かすか、ということだけだったのである。 (p34より引用)


2019/04/21

センニチコウを訪花するイカリモンガ(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月下旬

林縁の花壇に咲いたセンニチコウ(千日紅)の群落でイカリモンガPterodecta felderi)が訪花していました。
いつものように翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
センニチコウの花壇には薄いピンク色の花とマジェンタ(赤紫色)の品種が咲き乱れています。
イカリモンガが花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:41〜)
翅表の紋様を見るには飛翔シーンをスローモーションで撮るしかありません。

この花壇は通りかかる度にチェックしているのですけど、この日はイカリモンガの他に目ぼしい訪花昆虫は見当たりませんでした。
(小型のアブが一匹だけ)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


イカリモンガ(蛾)@センニチコウ訪花吸蜜
イカリモンガ(蛾)@センニチコウ訪花吸蜜

2019/04/19

連結打水産卵する2組のアキアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬・午後12:17

土の農道の轍にできた水溜りで、おそらくアキアカネSympetrum frequens)と思われる赤トンボが盛んに産卵していました。
尾繋がりで連結した2組の♀♂2ペアが互いに競うように近くで連結打水産卵しています。
水溜りの中央部ではなく、浅い岸辺付近を好んで水面を♀の腹端で打つように産卵します。
狙いが外れて水溜りの外の泥に産卵することも多々ありました。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@00:49〜)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ネイチャーガイド『日本のトンボ』という図鑑でアキアカネの産卵行動について調べると、
交尾後のペアは連結態で湿地や水たまりを訪れ、泥や水面を腹端で連続的に打って産卵する。(中略)個体数が多いときには、しばしば集団での産卵もみられる。(中略)生殖活動は午前中から正午過ぎに集中する。 (p389より引用)
今回の撮影時刻も確かに正午過ぎ(午後12:17)でした。



アキアカネ?♀♂:2ペア@連結打水産卵@水溜り
アキアカネ?♀♂:2ペア@連結打水産卵@水溜り

2019/04/15

ブロッコリーを訪花するモンシロチョウの羽ばたき【ハイスピード動画】



2018年10月中旬

山麓の農村部に広がるブロッコリー畑でモンシロチョウPieris rapae)が訪花していました。
翅を半開きにして花蜜を吸っています。
吸蜜後に花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
優雅に羽ばたくと次の花へ止まります。
初めは花穂の裏側に隠れていたモンシロチョウが後半はようやくこちら側に来てくれました。


▼関連記事(4年前の撮影)
ブロッコリーに産卵するモンシロチョウ♀

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ブロッコリー花
ブロッコリー蕾+葉@畑

モンシロチョウ?幼虫@ブロッコリー蕾



2019/04/10

ナツアカネ♂の縄張り占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬

湿地帯の端に生えた柳の灌木にナツアカネSympetrum darwinianum)の成熟♂が止まっていました。
翅を深く下ろして休んでいる間も大きな複眼で上空を油断なく見張っていて、頭部全体がグリグリと動きます。
どうやらこの止まり木を中心とした縄張りを張っているようで、飛び立ってもすぐにまた同じ場所に舞い戻ってきます。

昆虫の飛翔シーンを撮る際に私はよく物を投げつけて強引に飛び立たせることがあるのですが、今回は赤トンボが自発的に飛び立つまで辛抱強く待ちます。

止まり木に離着陸を繰り返す様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:16〜)
スローモーションで見ると、ナツアカネ♂は頭部が動いて狙いを定めてから、そちらの方向へ飛び立っています。
飛行中は畳んでいた脚を広げて着地します。



▼関連記事(4年前の撮影) 
稲穂に離着陸するナツアカネ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

ナツアカネ♂が毎回飛び立った理由は、もっと引きの映像で記録しないとよく分かりません。
交尾相手となる♀が飛来するのを待ち構えているはずなので、それらしき飛影が上空を横切ったのを見てスクランブル発信したのかもしれません。
冒頭のシーンでは止まり木に戻ってきたナツアカネ♂が口をモグモグと動かしていました。
おそらく微小の昆虫を空中で捕獲し、すぐに食べてしまったのでしょう。
捕食(らしき)シーンが撮れたのはこの1回だけでした。

wikipediaの解説によると、

(ナツアカネの)成熟した雄は水域近くに縄張りを持つようになるが、本種は明確な縄張りの範囲を持たず、すぐに場所を変える。

図鑑『ネイチャーガイド日本のトンボ』でナツアカネの項目を参照すると、

成熟♂は水辺の植物に静止して♀を待ち、他の♂が近づくと追尾するが、はっきりした縄張り性はみられない。 (p375より引用)




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


余談ですが、赤とんぼが止まった小枝の又の部分にイラガの空き繭が見えます。
繭の上端部に丸い穴が開いているのは羽化した跡です。



撮影地点は池や川の畔ではなく柳の林縁で、ナツアカネ♂は舗装された歩道の方を向いて止まっていました。
近くに♀が産卵できるような水はありませんでした。
ただし、私が座るためにキャンプ用の銀マット(クッション)を近くの歩道に広げていたので、それが反射してトンボの目には産卵可能な水溜りに見えた可能性があります。
トンボが誤認したとしたらそれはそれで面白いので、改めて検討(実験)してみます。


ナツアカネ♂:側面@銀マット


2019/04/06

セイタカアワダチソウを訪花するツマグロヒョウモン♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬

湿地帯の近くに咲いたセイタカアワダチソウの群落で1頭のツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が訪花していました。
同一個体がほぼ同じ場所でずっと吸蜜しています。
翅を開閉しながら口吻を伸ばして花蜜を吸っています。
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:57〜)
力強い羽ばたきですね。
数回羽ばたくとフワリと滑空します。

今季は明らかにツマグロヒョウモンの発生量(目撃数)が多い年でした(個人的に過去最高)。
猛暑の影響で北進が捗ったのかな?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ツマグロヒョウモン♂@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
ツマグロヒョウモン♂:翅裏@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
ツマグロヒョウモン♂@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
ツマグロヒョウモン♂@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜

2019/03/25

アキノノゲシを訪花するキタキチョウの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬

田園地帯の農道沿いに咲いたアキノノゲシの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
吸蜜中は翅をしっかり閉じています。
地面に倒伏した花もしっかり見つけて吸蜜しています。
ちなみに耳障りな騒音は、背後の田んぼで最後の稲刈りをしているコンバインの音です。

キタキチョウがアキノノゲシの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:26〜)
本種は訪花中に翅を閉じているため、翅表の黒紋は飛んでいるときにしか見ることができません。
スローモーションの映像をよく見ると、翅を打ち下ろす度に腹部が上に持ち上がっています。(作用反作用?)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キタキチョウ@アキノノゲシ訪花吸蜜
キタキチョウ@アキノノゲシ訪花吸蜜

2019/03/09

セイタカアワダチソウを訪花するシロスジベッコウハナアブ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月上旬

湿地帯の近くに咲いたセイタカアワダチソウの群落でシロスジベッコウハナアブ♀(Volucella pellucens tabanoides)が訪花していました。
花序を歩き回りながら口吻を伸ばして花粉や花蜜を頻りに舐めています。
隣の株に移動した際にようやく背側がしっかり撮れて、複眼の形状(発達具合)から♀と判明しました。

同様に訪花していたセイヨウミツバチ♀とニアミスしても、互いに無関心でした。

シロスジベッコウハナアブ♀が花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:34〜)
更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
花から慌てて飛び立ったのは、このときキイロスズメバチ♀が飛来した(写っていない)ので捕食されないように逃げたのかもしれません。(たまたまかな?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



▼関連記事
シロスジベッコウハナアブ♀のセイタカアワダチソウ訪花と飛び立ち【ハイスピード動画&HD動画】
同じテーマで6年前にも古いカメラで撮っているのですが、当時のハイスピード動画は220fpsでさすがに古さを感じるので、240fpsの動画に差し替えます。


シロスジベッコウハナアブ♀@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜

2019/01/20

ツマグロヒョウモン♂の日光浴と縄張り占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月上旬

快晴の昼下がり。
河川敷の遊歩道のすぐ横の草むらでツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が日光浴をしていました。
クズの葉先や地面にしばらく止まっていた♂は、急に飛び立つと蝶道のように数往復してからほぼ同じ場所に舞い戻ります。
飛来したトンボを縄張りから追い払うのも目撃しました。(映像なし)
日光浴しながら、交尾相手の♀が飛来するのを待ち構えているのでしょう。
静止中の口吻に注目しても何かを舐めている訳ではないので、吸水やミネラル摂取ではありません。

初めはクズの葉の先端部に止まり、翅を全開にして昼下がりの強い日差しを浴びていました。
翅は半開きでゆるやかに開閉することもありました。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:10〜0:36、および2:06〜)
日差しが強く、絶好のスーパースロー撮影日和です。
こういうときに私は普段、物を投げつけて強制的に飛び立たせることもあるのですが、今回は蝶が自発的に飛び立つまで少し離れた所から気長に待ちました。

翅裏の斑紋も撮りたくて私が回り込もうとすると、警戒したツマグロヒョウモン♂が飛んで逃げ、縄張りの拠点を少し変えてしまいました。
遊歩道のシロツメクサの葉などに止まり直しました。
縄張りを張るのなら少し高い所を選んで止まる方が辺りを見渡せて良いと思うのですが、地面に近くてもあまり気にしないようです。

(私が立ち去るのを待っていただけかもしれません。)

左からシジミチョウの仲間(種名不詳)が飛来し、地面で日光浴していたツマグロヒョウモン♂の目の前を横切りました。(@2:06〜)
なんとなく、ヒメシジミやツバメシジミではないかと思うものの、定かではありません。
ツマグロヒョウモン♂はピクッと反応しただけで、飛び立ちませんでした。
小物は眼中に無いのかと思いきや、二度目の領空侵犯でスクランブル発進しました。
実はそのシジミチョウの行動にはシジミチョウなりの目的があり、同種の2頭が追いかけっこをしていたのです。
カメラの仕様でハイスピード動画モードでは固定焦点になってしまうため、シジミチョウ♀♂の求愛飛翔を記録できずに残念でした。
その間にツマグロヒョウモン♂はシジミチョウの追跡を止め、奥のクズの葉先に止まり直しました。(映像なし)

それにしても、今季はツマグロヒョウモンとの遭遇回数が過去最高を更新中です。
本来は南方系であるツマグロヒョウモンをここ北国(東北地方の雪国)で何度も見かけるようになったということで、地球温暖化に伴う分布の北進をひしひしと実感します。
もはやレア感はありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
『フィールドガイド日本のチョウ』でツマグロヒョウモンを調べると、
♂は見晴らしのよい場所で占有行動をとる。 (p201より引用)
「見晴らしの良い場所」と言っても、それほど高くない(場合もある)ということを今回の観察で知りました。



【追記2】
環境Eco選書『チョウの行動生態学』によると、蝶♂の配偶戦略には探索戦術と待伏せ戦術の2通りがあり、ツマグロヒョウモン♂は後者なのだそうです。
空き地や芝生などの開けた場所にとまっていたツマグロヒョウモンArgyreus hyperbiusが、急に飛び立っては元の場所に戻ることを繰り返しているのを見たことのある人は多いのではないだろうか。これはツマグロヒョウモンの♂が何かが飛来したのに気づいて、♀かどうか確認しに行く姿である。(p128より引用)
ツマグロヒョウモン♂@クズ葉+日光浴:縄張り占有
ツマグロヒョウモン♂@シロツメクサ葉+日光浴:縄張り占有
ツマグロヒョウモン♂@小径+日光浴:縄張り占有

2019/01/11

オトコエシを訪花するスズキハラボソツリアブの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬


山間部の峠道沿いの斜面に咲いたオトコエシの群落でスズキハラボソツリアブSystropus suzukii)が訪花していました。
ホバリング(停空飛翔)でゆっくり飛び回り、花に着陸すると羽ばたきを止めて吸蜜します。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜)
飛行中も長い後脚をだらんと伸ばしたままなのは不思議です。

♂だけが長い後脚を持つのなら♀による性選択(性淘汰)が働いて進化したのだろうと推定されますが、♀も同様に後脚が長いのです。
いかにも空気抵抗が大きくて飛びにくそうです。

飛ぶのが遅いと鳥などの天敵に捕食されるリスクが高いと思うのですけど、毒針を持つアシナガバチにベーツ擬態して飛び方も真似しているのでしょうか?

同一個体を撮り続けていたら、訪花中に小型の別個体(♂?)が体当りしてきました。(@3:28)
求愛交尾には至らず、2匹は飛び去りました。

近縁種のニトベハラボソツリアブといつも迷うのですが、今回は自力でなんとか同定できました。
触角全体が黒く、後脚の第1跗節の全体が黄色である点がスズキハラボソツリアブの特徴です。
(跗節の脛節に繋がっている方から順に、第1跗節、第2跗節、…と呼びます。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜

2019/01/09

水たまりで単独打水産卵するウスバキトンボ♀?【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

砂利が敷かれた農道の轍に水溜りができていて、そこで単独打水産卵しているトンボ♀が居ました。
いわゆる「赤トンボ」ではなくて、黄色っぽい体色です。
水で濡れた腹端が白く光って見えます。

動画を優先したのでトンボの種類を同定できる高画質の写真は撮れておらず、採集もできませんでした。
なんとなく、ウスバキトンボ♀(Pantala flavescens)ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

図鑑『日本のトンボ』でウスバキトンボの産卵を調べると、

交尾後は連結態のまま広範囲に飛び回り、間欠的に打水産卵する。♀は単独でも産卵し、♂が警護飛翔を行うこともある。(p451より引用)

ウスバキトンボだとすると、今季に世代交代をしながら北上してきたのでしょう。
南方性のトンボですから、ここ北国では幼虫(ヤゴ)が卵から孵化しても越冬できず死滅してしまいます。

ウスバキトンボ?♀の単独打水産卵を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:16〜)
飛行中は脚を畳んで体に引き付け、空気抵抗を減らしています。
ホバリング(停空飛翔)で狙いを定めると、羽ばたきを一瞬止めて自由落下でスーッと高度を下げます。
墜落しないように再び羽ばたき始めると同時に腹端が下がり、その勢いで水面を叩いて腹端から産卵します。
浅い水溜りに打水産卵する度に水面に波紋が広がります。
水溜りの岸辺に近い浅い所を狙って産卵しているような印象を受けました。
決して深い中央部では産卵していません。

♀が単独で産卵中に近くで警護しているはずの♂が見当たらないのも不思議です。
撮影中は気付かなかったのですが、もしかすると水溜りの奥の草に止まっている赤っぽくて細長い物体(ピンぼけ)がウスバキトンボ♂ですかね?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2019/01/03

シャグマユリの花から離着陸を繰り返して縄張り占有するアキアカネ成熟♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

農村部の物置小屋の前に咲いたトリトマ(別名シャグマユリ)の花穂の天辺にアキアカネSympetrum frequens)成熟♂が止まっていました。
腹部が赤く色づいて「赤とんぼ」になっているのは性的に成熟した証です。
花穂からときどき飛び立っても、またすぐに舞い戻って来ます。
見晴らしの良いここを縄張りの拠点として、交尾相手の♀や獲物が飛来するのを待ち構えているようです。


(アキアカネの)成熟♂は朝方に草地や樹上で探雌飛翔するほか、日中は水辺の植物や地面に止まって縄張り占有し、♀を見つけると捕えて交尾する。(『日本のトンボ』p389より引用)

止まったまま時間が経っても、翅を深く下げた休息姿勢になりません。
翅を水平よりやや持ち上げた姿勢のままで、いつでも飛び立てる臨戦状態を保っています。
大きな複眼のある頭部がときどきグリグリと動き、辺りを油断なく見張っています。

ちなみに、ときどきバーン!と聞こえるのは、銃声ではなく近くの田んぼに設置されたスズメ追いの爆裂音です。

▼関連記事
収穫前の田んぼからスズメ(野鳥)を追い払う爆音機♪
この爆裂音が鳴ってもアキアカネ♂は驚いて逃げたりしませんでした。
もうすっかり慣れてしまって気にならないのか、それともトンボは聴覚があまり発達していないのでしょうか。

アキアカネ♂の離着陸や飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:11〜)
離陸シーンでは、前方に飛び出すだけでなく、いきなり急上昇することも斜め後方に飛び上がることもありました。
縄張りを軽く一回りした後、シャグマユリの花穂に近づいてホバリング(停空飛翔)しながら畳んでいた脚を広げて着陸します。
花穂に止まる向きが決まっているせいか、着陸時はいつも同じ方向からアプローチしています。
戻ってきたアキアカネ♂をよく見ても、獲物は何も捕らえていません。

渡辺守『トンボの生態学』によると、

ノシメトンボの採餌飛翔の経路は、静止場所の上空を通過しようとする小昆虫に向かってほぼ一直線に飛翔し、捕獲成功の有無にかかわらず空中で反転し、もとの静止場所に戻ってくるという8の字型である。(p48より引用)

今回のアキアカネ♂の行動も採餌飛翔(捕獲失敗)の繰り返しなのかもしれませんが、もう少し引きの絵で撮らないと飛翔経路が8の字型になっているかどうか分かりませんね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

余談ですが、この園芸植物の「トリトマ」という呼称は旧属名から来ているらしいので、そのうち使われなくなりそうです。
現在の分類体系ではユリ科Tritoma属ではなくツルボラン科Kniphofia属とのこと。


アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有

2018/12/24

羽化後に蛹便を排泄するオビガ♀e【蛾:HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#11


▼前回の記事
オビガ♀e(蛾)の羽化【60倍速映像】

羽化直後にシワクチャだったオビガ♀e(Apha aequalis)の翅が伸び切った後は、不要になった羽化液(蛹便)の排泄を見届けるのが次のミッションです。
蛾の真下にティッシュペーパーを敷いて長時間待ち構えていたのに、蛹便を自発的に排出してくれませんでした。

諦めて、それなら初飛行(処女飛行)を動画に記録しようとオビガ♀eに軽く触れてみました。
すると翅を小刻みに震わせて準備運動を始めました。
胸部飛翔筋の激しい収縮運動で体温が充分に上がれば、飛び立ってくれるはずです。

割箸の止まり木に静止したまま広げた翅を小刻みに震わせています。
翅の下に隠れていた触角を前面に出していました。
突然、腹端から粘り気のある薄い黄土色の蛹便をドロリと排泄しました。
飛び立つ前に軽量化が必要なのでしょう。
予め下に敷いて置いたティッシュに蛹便が2滴、付着しました。
2度目の排便は4滴、3度目はピューッと勢い良く線状に放出しました。
排便直後のオビガ♀eの毛深い腹端を見ると、蛹便が1滴付着しています。
しばらくすると4度目も液状便をピューッと線状に放出。
これで体内から蛹便を出し切ったようで、身軽になった♀eは割箸を登り始めました。
割箸の天辺に到達し、力一杯激しく羽ばたくも、飛び立てないでいます。
疲れ切った♀eは諦めて羽ばたきを止めてしまいました。
大量の蛹便で白いティッシュがかなり汚れ、机にも少しはみ出してしまいました。
蝶や蛾の蛹便は無臭で、別に汚いものではありません。


さて、全く同じシーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮影していました。
今度は1/8倍速のスーパースローで羽化液の排泄シーンを振り返ってみましょう。(@1:53〜)

小刻みに羽ばたいて飛翔準備運動しているオビガ♀eの腹端で黄土色の水滴が少しずつ大きくなります。
やがて蛹便の雫が糸を引いて落下しました。
再び腹端に蛹便の雫が次第に大きくなり、大量の蛹便が糸を引いて落ちました。
3度目は腹部がギューッと収縮し、腹端からジャーっと大量の液状便を勢い良く放出しました。
最後の一滴が粘り気で戻り、腹端の横に付着しました。
4度目も同様ですが、前回よりは排泄量が少なかったです。
後半は止まり木から飛び立とうと必死で羽ばたくものの、疲れて諦めてしまうまでのスーパースローです。

初飛行の離陸に失敗したのは足場や体勢が悪かっただけかと初めは思いました。(重い腹部が下垂した状態では飛べないのかな?)
その後、飼育を続けても、♂とは異なり♀が元気に飛び回る姿を見ていません。

もしかすると自然界でもオビガの♀は体が重過ぎてほとんど飛べず、交尾相手の♂が飛来するのを羽化地点でひたすら待っているだけなのかもしれない、と思うようになりました。
もちろん、これから観察例数を増やさないことには確かなことは言えません。
ちなみにオビガ成虫は口吻が退化しており、餌を摂取できませんから、空腹が飛べない理由にはなりません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#12:性フェロモンを放出するオビガ♀(蛾)のコーリング行動


オビガ♀e(蛾)蛹便@ティッシュペーパー
オビガ♀e(蛾)@蛹便排泄直後

2018/12/23

オトコエシを訪花するヨコジマオオハリバエの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

山間部の峠道の脇に咲いたオトコエシの群落でヨコジマオオハリバエTachina jakovlevi)が訪花していました。
左右の複眼が離れているので♀ですかね?(…とは限らない?)
口吻を伸ばして花蜜や花粉を舐めています。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:48〜)
更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨコジマオオハリバエ@オトコエシ訪花吸蜜
ヨコジマオオハリバエ@オトコエシ訪花吸蜜

2018/12/16

飛べ!ツバメシジミ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月中旬

川の堤防の草むらでヨモギの葉にツバメシジミ♀(Everes argiades hellotia)が乗って休んでいました。
翅を閉じて葉表に静止しています。
夕方(午後17:35)なので、このままここで塒をとるのでしょうか?
採寸した訳ではありませんが、目視の印象では矮小化した小型の個体のようでした。

茂みに物を投げつけて飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:28〜)
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
ツバメシジミは翅を力強く打ち下ろすと同時に腹端を高々と持ち上げました。
翅表が黒褐色なので♀と判明。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ツバメシジミ♀@ヨモギ葉

2018/12/14

クズを訪花するスミスハキリバチ♂の羽ばたき【ハイスピード動画】



2018年9月上旬


▼前回の記事
ヤブツルアズキの花蜜を吸うスミスハキリバチ♂

(同一個体を続けて撮ったつもりなのですが、ときどき見失ったので、別個体の可能性もあります。)

山麓の農村部の道端に咲いたクズの群落でスミスハキリバチ♂(Megachile humilis)が訪花していました。
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

吸蜜中は腹部を上に反らした海老反り姿勢になっています。
腹端に丸みがあるので雄蜂♂だと思うのですが、いまいち自信がありません。
顔が白っぽいのは、雄蜂♂に特有の白い毛が密生しているためか、それとも単に花粉で汚れているだけなのか、悩ましいところです。
吸蜜中に丁度クズの花の雄しべの先が腹部下面に当たり、花粉が付着します。(花粉で汚れたせいで、♀特有のスコパの有無が紛らわしいです。)

同時に雌しべの先も擦られて花粉が付くので、次の花へ飛び回る蜂はクズの送粉者として持ちつ持たれつの共生関係にあります。
(更にスミスハキリバチの♀はクズ等の葉を切り取って巣材にします。)

高画質のHD動画でも記録しようとしたら、逃げられてしまいました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
クズの花の構造については「マメ科の蝶形花冠」というサイトの写真付きの解説が参考になります。
旗弁の根本には黄色い蜜標があり、これを目印としてハナバチ類は訪花します。
蝶形花冠をしたマメ科の花は、昆虫が蜜標を目印にしてもぐりこむとき脚で翼弁と舟弁を押し下げます。すると舟弁の中に隠されていた雌しべと雄しべは押し下げられないので外に出てきて昆虫に花粉をつけたり、昆虫から花粉を受け取ったりします。昆虫が飛び去ると翼弁と舟弁は元の位置にもどり再び雄しべ雌しべは隠れてしまうのです。 (上記サイトより引用)
バネ仕掛けのような下線部の様子が今回撮れたスローモーションの映像でよく分かります。

2018/12/11

トンネル天井にぶら下がる野生コウモリの飛び立ち【暗視映像】



2017年9月中旬・午後16:53

山麓のボックスカルバート内にねぐらを取っている夜行性の野生コウモリを調べています。
赤外線の暗視カメラで撮りながら長くて暗いトンネルを探検していると、2頭のコウモリがバラバラで(群塊を作らず)天井からぶら下がっていました。
左の個体は既に覚醒していて、私を警戒しています。
怪しい侵入者に向かって盛んに超音波を発して探っているのでしょう。(コウモリの超音波を可聴域に変換するバットディテクターという装置が欲しい…)
小さい耳介は丸みを帯びた形状でした。
やがて天井から落ちながら羽ばたいて飛び去りました。
飛び立つ様子を1/10倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:45〜)
右側の個体もいつの間にか居なくなっていました。

これは何というコウモリなのか、もし映像で分かるようでしたら、どなたか教えてください。
虫が相手ならさっさと採集して標本で体の各部位の特徴を図鑑と見比べれば絞り込めるのですけど、野生のコウモリを無許可で捕獲するのは法律で禁じられているのです。
コウモリの集団塒を保全するためにその場所を秘匿したり、
コウモリの暮らしを乱さないように入洞する時期や時間帯を配慮する必要があります。
別に不満を訴えている訳ではありませんが、虫を相手にした調査の気楽さに比べて、色々と勝手が違います。
コウモリを同定できれば同じ種類の映像を編集でまとめて一気に紹介するのですけど、私は未だ見分けられないので、撮れた動画を1頭ずつ分けて記事にしています。
複数種が塒内で棲み分けていることがよくあるそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/12/10

「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#2【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】



2018年6月下旬


▼前回の記事
「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#1【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】

夕方の河原でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の群れが水浴していました。
実際はハシボソガラスも少し居る混群なのですが、この記事ではハシブトガラスの行動に注目します。

一連の水浴行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:30〜)
浅い岸辺で翼を川面に激しく叩きつけながら水飛沫を豪快に跳ね上げ、体を濡らします。
同時に嘴を水中で左右に激しく振っています。
水浴の直後は岩の上に飛び乗ると身震いして羽の水気を切り、羽繕いします。
(長くなるので羽繕い行動は編集でカットしました。)
再び川に入って水浴を何度も繰り返します。
行水の合間に岸で白い糞を排泄する個体もいました(@11:38)。
最後は川から飛び立ちました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/12/08

イチモンジセセリがオトコエシを訪花する羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月上旬

山麓の道端に咲いたオトコエシの群落でイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見でした。
いつものように翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
隣接する花には歩いて移動することもあります。
オトコエシの花に薄黄緑色のコハナグモ?が潜んでいたのですが(どこに居るか分かりますか?)、イチモンジセセリとはニアミスせず、捕食シーンは撮れませんでした。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:44〜)
日没前の夕方でハイスピード動画を撮るにはやや薄暗いのですが、動画編集時に自動色調補正を施して少し明るく加工しました。
1/8倍速のスーパースローで見ても、イチモンジセセリの羽ばたきは素早く独特のリズムでした。


イチモンジセセリ@オトコエシ訪花吸蜜

2018/12/04

オオイヌタデ(白花)の花蜜を吸い、飛び立つヒメシジミ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月上旬

住宅地の道端に咲いたオオイヌタデの群落でヒメシジミ♂(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。
白く小さな花で翅を半開きに開閉しながら吸蜜しています。
花蜜を求めて花序から花序へ渡り歩きます。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@5:17〜)
なかなか飛んでくれないので、帽子を投げつけました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヒメシジミ♂@オオイヌタデ(白花)訪花吸蜜
ヒメシジミ♂@オオイヌタデ(白花)訪花吸蜜
ヒメシジミ♂:翅表@オオイヌタデ(白花)訪花吸蜜
ヒメシジミ♂:翅表@オオイヌタデ(白花)訪花吸蜜
ヒメシジミ♂:翅裏@オオイヌタデ(白花)訪花吸蜜
ヒメシジミ♂:翅裏@オオイヌタデ(白花)訪花吸蜜



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