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2024/01/06

河原で脱糞後に飛び立つセグロセキレイ(野鳥)

 

2023年4月下旬・午後14:00頃・晴れ 

河原で石の上に乗ったセグロセキレイMotacilla grandis)が羽繕いしていました。 
私がカメラを向けたら羽繕いを止めてしまい、身震いしたり、辺りをキョロキョロ見回したりしています。 
私を警戒したのか、一声鳴きながら下流へ飛び去りました。 
セグロセキレイの背側がしっかり見えず、性別は不明です。 
現場は橋の下で、石だらけの中洲でした。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、飛び立つ直前に脱糞していました。 
尾羽根を持ち上げ、足を少しかがみながら、白い糞を少量排泄しています。 

※ スロー映像は1.5倍に拡大しました。

2023/12/24

送電塔に作られたカラスの古巣を調べるチゴハヤブサ♀♂(野鳥)

 

2023年5月中旬・午前11:20頃・晴れ 

高圧線を支える送電塔にカラスが営巣したかどうか、繁殖期にライン・センサスしています。 
郊外に建てられた鉄塔#20に小枝を組み合わせた巣がいつの間にか作られていて、しかも意外な珍客が来ていたので驚きました。 
チゴハヤブサFalco subbuteo)の♀♂つがいです。 
猛禽がこんな街なかの鉄塔に営巣するとは意外でした。 
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』を紐解いてチゴハヤブサの生態について調べると、
巣を自分で作ることは少なく、木立ちの上にある古巣を拝借することが多い。筆者が見たものはすべてカラスの空巣であったが、カケスや他のタカの巣を利用することもあるという。5月下旬〜6月に2〜4卵を産む。(p166より引用)

両隣の送電塔#21および#19で毎年のようにハシボソガラスやハシブトガラスが営巣しているのですが、今季はなぜか#19と#20に造巣したようです。 
(送電塔#19の営巣状況については、映像を公開予定)

カラスは天敵の猛禽類が大嫌いで、見つける度にモビング(擬攻撃)して縄張りから追い払います。 
しかしチゴハヤブサは飛翔能力が高いので、カラスがモビングを挑んでも空中戦で負けてしまうのでしょう。 
もしかすると、カラスが作りかけた巣#20をチゴハヤブサが強引に乗っ取ったのかもしれません。 
そのドラマチックな過程を観察できなかったことが悔やまれます。 

あいにく午前中は逆光で、チゴハヤブサの姿が黒っぽく見えてしまいます。 
快晴で気温が高く、陽炎が立ち昇っています。 
ズームインしてもやや遠くて、私には2羽の性別を外見から見分けることができません。 
体格差があるそうです(♀>♂)。 
小林正之、五百沢日丸『ハヤブサ 隼』という写真集によれば、
♀は胸の横に赤味があり、すね毛に縦斑がある。(p52より引用)
とのキャプションが付けられていました。 
ただし、これが全てのチゴハヤブサ♀に共通した特徴(性差)なのか、それともたまたま写真に撮れた個体(@山形県)だけの特徴なのか、不明です。 

カラスの古巣をじっくり内見している個体が♀で、横の鉄骨に止まって見張っている個体が♂ではないか?と私は推測しています。 

斜めの鉄骨(腕金吊材)に止まった♂が断続的にキィキィキィ♪と甲高い高音で鳴く声がかすかに聞こえました。 
嘴を開閉する動きと同期しているので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

しかも近所で飼い犬がずっと鳴いています♪ 

左の鉄骨に止まっていた♂が右に少し飛んで、在巣の♀に合流しました。 
撮影中はてっきり♂が♀に求愛給餌したのかと思ったのですが、1/5倍速のスローモーションで動画を見直すと、私の勘違いでした。
♂は巣内の座り心地を確かめてから、送電塔の左へ飛び降りました。 
巣の縁に立っている♀は、その様子を見守っています。 

出巣した♂は高速で右に滑空してから旋回し、同じ送電塔#20に舞い戻ってきました。 
今度は右側の腕金主材に着地すると、足で顔を掻いたり足元の鉄骨で嘴を拭ったりしています。 
カメラを向けている私に対する苛立ちの現れだとしたら、申し訳ないです。 
一方、♀は巣内で座り心地を確かめているようです。 

もしかして、性別は逆ですかね?
つまり、古巣を先に見つけた♂が♀に対して巣内に入って調べるように促しているのかもしれません。

内見中のチゴハヤブサ♀♂にあまりストレスを与えないように、早々に撮影を打ち切って立ち去りました。


約4時間後に現場の送電塔#20を再訪すると、チゴハヤブサの♀♂つがいは留守でした。 
私が無遠慮にカメラを向けたせいで営巣を止めてしまったのではないか?と心配です。 
♀が巣内に身を伏せて抱卵している可能性はあります。

送電塔の周囲をぐるぐる回って、いろんなアングルから古巣を写真と動画で記録しました。 (@3:50〜)
4時間前に撮った写真を見比べると、巣材の小枝が増えた形跡はありません。 

交通量がそこそこ多い交差点の近くですけど、果たしてチゴハヤブサ♀♂はこの古巣を気に入って繁殖を始めてくれるでしょうか? 
ここは落ち着いてじっくり観察できないのも難点です。 
撮影のために身を隠すブラインドを張れそうな場所もありません。 
(街なかでは不審者扱いされて通報されそうです。)


つづく→

2023/12/20

ニホンアナグマ♀の発情期が終わってもしつこく夜這いに通い、追い払われる♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma) の巣穴に設置したトレイルカメラの記録です。


シーン1:5/5・午前2:26・気温8℃・(@0:00〜) 
深夜に右手前の巣穴Rから♀(?)が外に出て来ました。 
巣口Rで身震いすると、何かを見つけて手前(画面下)に向かって走って来ます。 
しばらくすると、営巣地(セット)の広場に戻ってきました。 
今度は右へ向かう獣道の途中で座り込むと、茂みの陰(カメラの死角)で毛繕いしたり、体を掻いたりしています。 
後ろ向きで入巣Rしかけて、そのまま巣口Rで見張りを続けます。 


シーン2:5/6・午前1:32・(@1:46〜) 
翌日の深夜、夜這いに来た余所者の♂が右から右手前の巣口Rを覗き込んでいます。 
巣内には押し入らず、左へ立ち去りました。 
このとき♂の求愛声は聞き取れませんでした。 
もしかすると、ヘルパー(若い♂)かもしれません。 


シーン3:5/6・午前1:33・(@2:28〜) 
♂はそのまま広場に座って体の手入れをしています。(仰向け毛繕い) 
5倍速の早回しでご覧ください。 


シーン4:5/6・午前1:34・(@2:34〜) 
♂が広場から巣穴Lを経由して左に立ち去るようです。 
カメラの電池が消耗していて、細切れの映像になっています。 


シーン5:5/6・午前1:35・(@2:44〜) 
奥から手前に向かって♂が走って逃げて来ます。 
その後ろから♀(右目<左目)が追いかけてきます。 
巣穴Rを挟んで2頭が向かい合いました。 
巣口Rで立ち止まった♀が身震いしてから、再び♂に突進して撃退しました。 
このとき威嚇や求愛の鳴き声は聞き取れませんでした。 

残念ながら、せっかく面白いところで尻切れトンボで録画終了。 
深夜の採餌活動から戻って来た♀が、侵入者♂を見つけて追い払ったようです。 
ということは、これまで広場でウロウロしていた個体はやはりヘルパー♂ではなくて、求愛目的の♂(余所者)だったことが分かりました。 


シーン6:5/8・午後20:33・気温6℃・(@2:55〜) 
2日後の晩。 
広場に居た♀が右の暗闇に居た♂に突進して追い払いました。 
激しい威嚇や喧嘩の鳴き声♪および灌木の細い枝がポキポキ折れる音が聞こえます。


シーン7:5/8・午後20:31・(@3:07〜) 
別アングルの映像に切り替えてみましょう。 
画面には何も写っていませんが、カメラの背後からアナグマ♀♂の激しい喧嘩の鳴き声が聞こえます。 
残念ながら、トレイルカメラの電池切れで2秒間しか録音できていません。 


シーン8:5/8・午後20:34・(@3:09〜) 
次にカメラが起動したときには、巣口Rに戻った♀が左を向いて警戒していました。 


シーン9:5/8・午後20:35・(@3:13〜) 
別アングルの監視映像に切り替えました。 
こちらのトレイルカメラは新機種で、電池に余裕があります。 

右から戻ってきた♀が入巣Rしかけるも、巣口Rで振り返ってカメラ目線になりました。 
右目が左目よりも小さいことが分かります。 
巣口Rに後退して塹壕戦のように身を隠しながら、警戒を怠りません。 


シーン10:5/9・午後20:23・(@3:38〜) 
翌日の晩にも似たような行動が繰り返されました。 
夜這いに来た♂が広場を回り込んで巣口Rに座り込みました。 


シーン11:5/9・午後20:24・(@3:48〜) 
手前の獣道へ来かけた♂が、振り返って巣口Rの様子を見ています。 
求愛声は聞き取れません。 


シーン12:5/9・午後20:25・気温12℃(@3:48〜) 
別アングルの映像に切り替えました。 
広場の右端で佇む夜這い♂が巣口Rの方をずっと見ているものの、♀が怖いのか近づけないようです。 
しばらくして、ようやく♀が巣穴Rから出てくると、♂に突進して追い払いました。 
今回は何も鳴き声は聞き取れませんでした。 
慌てて逃げるアナグマが林床に転がっている空き缶を蹴飛ばす音がカラン♪と聞こえました。(@4:28〜) 

後日、アナグマ営巣地付近の林床で見つけた缶コーヒーの空き缶2個の写真を載せておきます。
誰かが林内で飲んだ後にポイ捨てしたのか、それとも甘い香りに誘われてタヌキがゴミ捨て場から拾ってきたのか、不明です。







シーン13:5/9・午後22:11・(@4:30〜) 
約2時間後、珍しく左奥の巣口Lからアナグマが外に出てきました。 
♀かヘルパー♂か見分ける間もなく、尻切れトンボで録画終了。 


シーン14:5/9・午後22:12・(@4:35〜) 
ワンッ♪と吠える声がしました。 
出巣Lしたのはおそらく♀で、セットにしつこく近づく夜這い♂を追い払ったようです。 


シーン15:5/9・午後22:13・(@4:40〜) 
巣口Rから出てきた♀が、奥に居座る♂と対峙しています。 
♂の目が白く爛々と光って見えます。 


シーン16:5/9・午後22:13・(@4:43〜) 
次にトレイルカメラが起動したときには、♂が逃げた後でした。 
♀は警戒を怠らず、巣口Rに残っています。 


シーン17:5/9・午後22:14・(@4:46〜) 
右の二次林から♂がセットに登場。 
逃げた♂が懲りずにしつこく戻ってきたようです。 


シーン18:5/9・午後22:15・(@4:48〜) 
巣口Rから外に出てきた♀が奥に居座る♂と睨み合っています。 


シーン19:5/9・午後22:17・(@4:51〜) 
♂を追い払った♀が奥から戻って来て巣穴Rに戻りました。 


シーン20:5/11・午後20:20・気温9℃・(@4:56〜) 
2日後の晩。 
ヘルパー♂(?)が広場で仰向けになって毛繕いしたり、辺りをうろついたりしています。 
仰向けで開脚してくれるのですが、私には外性器がよく分かりません。 

林冠から垂れ下がっている蔓をちょっとだけ掴んでぶら下がる体勢になりました。(@6:10〜) 
蔓を引っ張って遊んでいるのでしょうか? 


突然、♀が巣穴Rから飛び出してきて♂を奥の森へ追い払いました。 
凄い剣幕でワンワン吠え立てています。(威嚇の鳴き声) 

それまであまりにも巣口Rでリラックスしてるので、てっきり私はヘルパー♂が暇を潰していると思ったのですが、夜這い♂だったのでしょうか? 
育児で苛ついていた♀が、巣口Rでくつろぐヘルパー♂を夜這い♂と誤認した可能性もありますかね? 
まだ♂を個体識別できてないのが私の課題です。 

この時期はもう交尾行動が録画されなくなり、夜這いに来た♂を♀は営巣地から追い払うだけです。 
どうやら今年の♀の発情期はもう終わったようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2023/12/15

ニホンアナグマ♀と親密に相互毛繕いしても結局は追い払われる夜這い♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地を2台の自動センサーカメラで見張っています。

シーン1:5/1・午後20:21(@0:00〜) 
晩に夜這いに来た余所者の♂が珍しく左奥の巣口Lに座り込み、♀が出てくるのを見張っています。 
巣の主が外出から戻って来たのか、画面奥を振り返って警戒しています。 
慌てて広場に走って来た♂が、右の林内に走り去りました。 
このとき右手前の巣穴Rに避難しなかったことから、ヘルパー♂ではないと考えています。 
そもそも今回登場する「♂」は外見からして♂っぽくありません。
若い♂なのかな?
外性器が見えないので確定できないのですが、前後の行動から求愛♂とみなしています。

しばらくすると、別個体が画面の左端から巣口Lに登場しました。 
次の映像を見ると、同一個体がぐるっとひと回りしてきたという可能性は除外できます。 


シーン2:5/1・午後20:24・気温18℃(@1:31〜) 
別アングルで撮れた映像を見てみましょう。 
気温はおそらく異常値です。 

夜這い♂が営巣地(セット)の広場から二次林内を右上奥へ走って逃げました。 
別個体が画面の左下隅から登場。 
巣口L、Rの横を通って広場を右へ。 
さっき走って逃げた個体の後を追いかけているのでしょうか? 


シーン3:5/3・午前3:28(@2:05〜) 
2日後の未明、夜這いに来た♂が巣口Lの左に座り込んで体をボリボリ掻いています。 
手前に忍び寄ると巣口Rを覗き込み、身震いしました。 
このとき♂の求愛声(ジェジェジェビーム♪)を発したはずですが、聞き取れませんでした。 

♂が奥へ立ち去ろうとすると、異変を感じた♀(右目<左目)が巣穴Rから出てきました。 
余所者の夜這い♂と対峙して目の前で身震いしただけで、♂は逃げ腰になりました。 
左にちょっと退散しかけたものの、♂が慎重に正面から♀に近づき、互いに匂いを嗅ぎ合います。 
そのまま親密な相互毛繕いを始めました。 
これは交尾前の前戯なのでしょうか? 


シーン4:5/3・午前3:30(@3:35〜) 
相互毛繕いを5倍速の早回し映像でご覧ください。 


シーン5:5/3・午前3:30(@3:49〜) 
長々と相互毛繕いしていたのに、急に機嫌が悪くなった♀が軽く唸って♪しつこい♂を追い払いました。 
♂は少し離れた所に座っています。 
再び♀に近づこうとするも、牽制されたのか、♂は諦めて右奥の茂みの陰に隠れました。 
広場に残った♀は独りで身だしなみを整えています。 

♀が交尾する♂の選り好み(配偶者選択)をしているのでしょうか?
発情期が終わったら♀は♂と交尾しなくなります。 
この♂は前年までヘルパー役を勤めた個体(息子)ではないか?と勝手に想像してみました。
あるいはヘルパーに選ばれなかった兄弟(♀の若い息子)かもしれません。


シーン6:5/3・午前3:33・気温2℃(@4:23〜) 
別アングルの監視カメラに切り替えます。 
広場の少し左、マルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の茂みの陰で♀が独りで毛繕いしています。 
そこへ夜這い♂が左の茂みから近づいて来ました。 
♀♂2頭が林縁ですれ違いました。 
♀は広場に残り、♂は少し奥の林内で体を掻いたり毛繕いしたりしています。 
やがて♀が広場から軽く突進して♂を追い払いました。 
逃げた♂は少し逃げただけで、♀の様子をうかがっています。 

♀が歩いて左下に移動し始めました。 
採餌やトイレ(排泄)に出かけたのかな? 
♂は♀について行くでもなく、広場の匂いを嗅ぎながらうろついています。 
そのまま♂が巣口Rに近づこうとしたら、♀が左下から戻ってきて巣口Lで座りこみました。 
それを見た♂は慌てて右へ逃げて行きます。 
♀がセットの広場に戻る途中で2分間の録画終了。 


シーン7:5/3・午前3:33(@6:24〜) 
別アングルでも撮れていました。 
広場に戻った夜這い♂がしばらくカメラ目線で警戒した後、地面の匂いを嗅ぎ回っています。 
こちらの旧機種カメラは電池が消耗して、断片的な映像しか撮れなくなりました。 


シーン8:5/3・午前3:34(@6:46〜) 
巣口Lの横で座っていた♀が立ち上がると、地面の匂いを嗅ぎ回ります。 
さっき来た夜這い♂の残り香を調べているのでしょう。
広場に座り込んでカメラ目線になると、左右の目の大きさが非対称であることが分かります(右目<左目)。 
立ち上がって身震いし、手前に歩き出したところ録画終了。 


シーン9:5/3・午前3:35(@7:06〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
広場に佇んでいた♀がようやく入巣Rしました。 

そのまま映像を撮り続けると、右から別個体(おそらく♂)がセットにやって来ました。 
巣穴Rには立ち寄らず、少し迂回しながら左へ素通りしました。 


シーン10:5/3・午前3:36(@7:49〜) 
続きを別アングルの監視映像でご覧ください。 
夜這い♂が左奥の巣穴Lに立ち寄ってからまた広場に戻ってきて巣穴Rを覗き込みました。 
体を掻いてから右の林内に立ち去りました。 
未明のしつこい夜這い行動はこれで一段落しました。 


シーン11:5/3・午前23:23・気温8℃(@7:49〜) 
同じ日の深夜に♀が右の巣穴からひょっこり外に出てきました。 
手前(画面下)へ走って来ます。 
カメラの背後で激しい鼻息や物音が聞こえるのは、おそらく♀が夜這い♂を撃退する行動と思われます。 
画面下から広場に戻ってきた♀が立ち止まって身震いし、今度は左へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2023/12/12

山麓の草むらで縄張り宣言の母衣打ちをするキジ♂(野鳥)

 

2023年5月上旬・午後12:20頃・晴れ 

山麓の農村部の草むら(休耕地?)でキジ♂(Phasianus versicolor)が居ました。 
緑の草むらの中に派手な赤い頭部が一際目立ちます。 
横を向いていたキジ♂の落ち着きが無くなり、辺りをキョロキョロ見回すようになりました。 
やや後ろ向きになると、ケンケーン♪とけたたましく鳴きながら激しく羽ばたいて母衣ほろ打ち♪を披露しました(@0:55〜)。 
繁殖期に♂が縄張り宣言する鳴き声ですが、近所の別個体♂が鳴き返す応答は聞こえませんでした。 

母衣打ちの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@1:22〜)、2回絶叫しながら4+9回羽ばたいていました。 

キジ♂の近くをウスバシロチョウが飛び回っています。 
手前に生えた草でキジ♂の頭部が少し隠れていたので、鳴き終えたキジ♂が後ろを向いている隙に、私は少し横にずれて撮影アングルを確保しました。 
ところが振り返ったキジ♂が私に気づいて正面から睨みつけると、警戒して土手の向こう側のへ降りて姿が見えなくなりました。 
私が欲を出さなければ、次の母衣打ちをハイスピード動画で録画できたのに、残念です。

2023/12/10

朽木に止まったコゲラの鳴き声♪と飛び立ち(野鳥)

 

2023年5月上旬・午後14:10頃・くもり 

平地の池のほとりで啄木鳥がドラミングする音を聞きました。 
ドラミング音のする方へそっと近づくと、花盛りのウワミズザクラ樹上からコゲラDendrocopos kizuki)が飛び去り、 少し離れた朽木の天辺に止まり直しました。
 (映像はここから。) 
 同一個体なら♂ということになる。 
コゲラ♂は朽木を嘴で軽くつついてから、チッチッチッ♪と甲高い声で鳴き出しました。 
初めて聞く鳴き声で、カワセミの鳴き声を連想しました。 

やがて朽ち木から飛び立つと、私の方へ向かって波状に飛んで来ました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
飛翔シーンを正面から撮れたのは珍しいです。 

※ 動画編集時に逆光補正を施しています。


コゲラの鳴き声を声紋解析してみる

いつものように、撮影した動画ファイルから音声パートをWAVファイルとして抽出し、鳴いている部分を切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
キキキキキキキキ♪と8回連続で鳴いています。



日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』を紐解くと、コゲラのキッキッキッキ♪という鳴き方は地鳴きと分類されていました。
その他:くちばしで幹を叩きコロロロという音を出すドラミング(さえずり的な機能をもつ) 
地鳴き:ギィーギィー、とかキッキッキッキと鳴く。 (中略)鳴き声が似ている鳥は特にいない。( p16より引用)

ところが他の資料では、さえずり的な縄張り宣言とされています。 
例えば wikipediaでコゲラを調べると、
つがいや家族がいっしょにいることが多く、お互いの確認をするため「ギー、ギー」という声を出す。なわばりの主張や、遠方への自分の位置の伝達、巣立ったヒナが親鳥に給餌をねだるときなどには、「キッキッキ」という強い声を出す。嘴で木を強く連続して叩いて音を出すドラミングも行う。ドラミング音は、アカゲラなどの大型のキツツキに比べ小さく短い場合が多い。
バードリサーチニュースの「野鳥生態図鑑」によると、
コゲラもドラミングをするが,多くの場合その音はかなり控えめ(約0.4秒間に10回程度で音も小さい)で,遠くまで届かない.その代わり,キッキッキッキという声を張り上げ,この声は遠くまで聞こえるので,アオゲラのピョーという声と同じようにこの声がドラミングの代わりになわばり宣言などの機能を持っていると考えられる.キッキの声は,強く主張する場合の声で,雛が餌をねだるようなときにも,この声に似た声を出すことがある.

2023/12/08

鳴きながら飛んで小川を行き交うカワセミ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年5月上旬 

小川に架かる天然の丸木橋を自動センサーカメラで監視しています。 

シーン1:4/28・午後13:04・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
画面の手前から奥に向かって小川が緩やかに流れ、その先で川の本流と合流します。 


シーン2:5/8・午後18:20頃・(@0:03〜) (日の入り時刻は午後18:39) 
日没前の夕方に、小さな鳥が画面の奥から小川の上を低空でこちらに向かって飛んで来ました。 
甲高い特徴的な鳴き声から、カワセミAlcedo atthis bengalensis)と判明。 

直後に同一個体が戻って来ました。 
甲高い鳴き声を発しながら画面の下(手前)から現れ、水路上を下流に向かって青い彗星のように素早く飛び去りました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:34〜)、ニセアカシア倒木の下をくぐらずに、その上スレスレを飛び越えていました。 
あまりにも高速飛翔なので、スロー再生してもカワセミの性別を見分けられませんでした。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

この川の流域にカワセミが生息していることはずっと前から知っていて、長年カワセミの営巣地を探し歩いているのですが、なかなか見つけられません。 


2023/12/04

トレイルカメラの死角で交尾するニホンアナグマ♀♂の鳴き声♪?【暗視映像】

 



2023年4月下旬・午前0:49〜1:02・気温2℃ 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma) の営巣地を監視するトレイルカメラが深夜に起動しても、アナグマの姿は見えません。 
しかし、死角から小声で動物が鳴く声が繰り返し聞こえます。
ワンワンワン♪とかウッ♪というイヌのような鳴き声を素早く繰り返しています。 
それに混じってときどき聞こえる低音の奇妙な音は、アナグマ♂が♀を宥める求愛声(ジェジェジェビーム♪)かもしれません。 
なんとも言葉では表しにくいのですが、痰が絡んだ低音の超ハスキーボイスのように私には聞こえます。 
それにしても、トレイルカメラ自身が規則正しく発するザッザッザッ…♪という電子ノイズが耳障りで困ります。 
メーカーには改善してもらいたいものです。

※ 鳴き声が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


手前の巣穴Rの中で生まれたアナグマの赤ちゃん達が元気に鳴いているのか?と初めは思いました。
それとも巣内で♀とヘルパー(若い息子♂)がじゃれ合って遊んでいるのかな? 
(ヘルパー♂と母親♀が近親交配するおそれはないのか? という疑問が湧きます。)
カメラの近くで何者かが断続的に鳴き続けるものの、最後まで姿は見えません。 
そもそも、なぜトレイルカメラが繰り返し起動したのか不明です。 

ひときわ大声で鳴いた直後に、画面の下端からアナグマ♀が登場しました。(@4:25〜) 
巣穴の方を向いて身震いし、ちらっと振り返ってくれたので、アナグマと確定できました。 
どうやら、手前の死角で♀♂カップルが交尾していたようです。 
謎の鳴き声は交尾中に2頭が発したものなのでしょう。
交尾の終盤に♀が♂から離れたがって抗議する鳴き声と、それを宥めて交尾を続けようとする♂の求愛声だったと想像しています。
♀が♂を振り払って巣穴に帰ろうとする度にカメラのセンサーが反応し、背後から抱きつく♂は必死に引き戻していたのでしょう。

♀が手前の巣穴Rに入ると、謎の鳴き声はしなくなり、辺りは静寂に包まれました。 
このことからも、幼獣の鳴き声という可能性は否定されました。
(赤ちゃんが巣穴から母親を呼ぶ声だとすれば説明できてしまう?)
夜這いに来て♀と交尾後に別れた♂は最後まで動画に登場しませんでしたが、カメラとは反対側に帰って行ったのでしょう。  

福田幸広『アナグマはクマではありません』によると、
交尾は2日間ほと続き、はじめは10分程度ですが、クライマックスの頃には2時間以上もの間交尾をし続けます。♂は交尾の最中もずっとジェジェジェビームを発し続けています。♀は時折「キュッ、キュッ」と声を発する程度です。 (p50より引用 )
今回の動画の鳴き声も、キュキュキュ♪と表現できなくもありません。

アナグマ♀の営巣地にトレイルカメラを2台設置しているのですが、それでも死角で交尾することが多く、肝心の交尾行動を撮り損ねてしまいます。
来年の繁殖期にはもっと監視カメラの台数を増やす必要がありそうです。






激しい空中戦でトビを縄張りから追い払うハシボソガラス♀♂(野鳥)モビング

 

2023年4月下旬・午前10:45頃・晴れ 

広大な刈田の上空で1羽のトビMilvus migrans)が鳴きながら逃げ回っていました。 
♀♂つがいと思われる2羽のハシボソガラスCorvus corone)がしつこく空中戦を仕掛けています。 

カラスはトビよりも体格で劣るものの、空中で敏捷に小回りがききます。
刈田の上空で上昇気流に乗って帆翔しているトビは、次々に襲い来るカラスの攻撃をひらりひらりとかわすしかなく、反撃できません。 

空中戦の合間にハシボソガラスの嗄れ声がかすかに聞こえます。 
トビは鳴き声のバリエーションが乏しく、モビングされている間もピーヒョロロ♪と甲高い声で鳴きました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

途中でハシボソガラスの1羽がモビング(擬攻撃)から離脱しました。 
やがてカラスが2羽とも居なくなった後、ホッとしたトビが私の真上を帆翔してくれました。 
よく晴れた青空を背景にトビを間近から見上げると、尾羽の縁が摩耗した個体でした。 
カラスに引き抜かれたのか、それとも換羽中なのかな? 

しばらくするとカラスがまた戻ってきて、トビにモビングを再開。 
いつもより激しいモビングでした。
ハシボソガラス♀♂の縄張り(営巣地の周辺)から追い出すまで続きます。
春はカラスの繁殖期が始まり、猛禽への敵対心が最大限に高まっているのです。
私の知る限りトビはカラスの卵や雛を捕食しないはずですけど、カラスは猛禽の種類を識別できず無差別にモビングするようです。
トビにとっては、濡れ衣のとばっちりですね。 
この2種はスカベンジャー(屍肉食の掃除屋)としてのニッチが同じなので、ライバルを縄張り(餌場)から追い出したいのかもしれません。
ハシボソガラスの巣がどこにあるのか、見つけられませんでした。

空中戦になるとカラスの方が優位なので、どうしてもトビが可哀想に写ります。
しかし、トムとジェリーの追いかけっこのように連日飽きずに繰り返しているとしたら、意外とトビは顔馴染みのカラスを挑発してスリルを楽しんでいるのかもしれません(性格の悪いトビの遊び?)。




関連記事(半年、5年前の撮影)▶  

2023/12/02

電柱の天辺で鳴くノスリが飛び去るまで【野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:55頃・晴れ 

田園地帯に並ぶ電柱の天辺に止まったノスリButeo japonicus)がピーエ、ピーエ♪と甲高い声で鳴いていました。 
カメラを三脚に固定し、高画質の4K動画で撮影してみました。
やがてノスリは身震いすると飛び去りました。 
飛び立ち直後にも鳴きました。 
羽ばたきと滑空を交互に繰り返して遠ざかります。 

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:08〜) 
翼の下面の斑紋からノスリと確定しました。 

※ 三脚を使って撮影しても映像が揺らいでいるのは、陽炎が立ち昇っているからです。 

2023/12/01

深夜の営巣地で交尾するニホンアナグマ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月下旬・午前2:56〜4:05 

草木も眠る丑三つ時に、巣穴Rの奥の林縁でニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)が交尾していました。 
交尾に至る求愛の記録されていないのが残念です。 
いつものように夜這いに来た♂が求愛し♀が巣穴Rから出てきて交尾に応じたのか、それとも外出して帰巣途中の♀を掴まえて交尾したのでしょうか? 

体格はやや♀<♂。 
背後から♂にのしかかられた♀は、後脚を畳んで座り込みました。(腹這い?) 
♂は前脚で♀を抱え込むだけでなく、♀の首の皮に噛み付いて保定しているようです。 
♀にマウントしながら♂は腰をスラストさせました。 
アナグマの♂が筋肉隆々なのは、穴掘り作業をするだけでなく、交尾で♀を長時間抑え込む必要あるからなのでしょう。

巣穴の主である♀は、顔を正面から見ると左右の目の大きさが異なります(右目<左目)。 
♀が落ち着き無く動き回ろうとしても、♂が背後からがっちり抱え込んでいるので、逃れられません。 

♀が♂から逃れようともがくことで、ときどき向きが変わります。 
カメラに対して横を向いたり後ろ向きになったり正面を向いたりと、交尾シーンを全てのアングルから記録することができました。 

♀が立ち上がろうとする度に♂が背後から押し潰すように♀を押さえつけます。
交尾しながらコテンと横倒しになっても、すぐに起き上がります。(@18:15〜、@19:07〜)
横倒しのまま交尾を続ける体位のバリエーションは無いようです。 

交尾中の♂がときどき中腰になり、尻尾を左右に激しく振ることがありました。(例@14:33〜) 
♀の尻尾は交尾中にどういう状態なのか、見えません。 

少し遠い上に春の夜風がゴーゴーと吹くので、ニホンアナグマの鳴き声があまり聞き取れません。 
(トレイルカメラ自体が時計のように規則的に発し続ける内部ノイズも耳障りです。) 
たまに、ワンッワンッ♪またはウッウッ♪のような声で鳴く声がかすかに聞こえます。 
なんとなく♀が抗議して鳴いている気がするのですけど、♀♂どちらの発した鳴き声なのか不明です。 
ときどきかすかに聞こえるキチキチキチ…♪またはグルルルル…♪のような奇妙な鳴き声が、♂の発する求愛声(いわゆるジェジェ・ジェビーム♪)のようです。 
♀を交尾に誘ったり(求愛)、逃げようともがく♀を宥めるため鳴く声なのでしょう。


アナグマは一夫一妻ではなく、一妻多夫の乱婚型なのだとか。 
私は未だアナグマ♂を個体識別できていませんが、近所に住む複数の♂が♀の巣穴へ代わる代わる夜這いに来ていたはずです。 
今回の♀♂カップルが交尾中に、♀を強奪しようと別のあぶれ♂がやって来ることはありませんでした。 
あぶれ♂は遠慮して、少し離れた位置で交尾の順番待ちをしているのでしょうか?  
それとも♀との交尾権をめぐる♂同士の闘争で決着が付いているのかな? 

電力消費の激しい暗視動画を連続撮影するので、トレイルカメラの電池が消耗してきました。 
録画時間を1分30秒間に設定していたのに、後半は録画時間がどんどん短くなり、わずか数秒間で打ち切られるようになりました。 
それでも電圧が回復するとニホンアナグマ♀♂の動きにセンサーが反応してカメラが再起動し、健気にも動画を撮り続けてくれます。 
 遂に交尾時間が1時間を突破しました。 
アナグマ♂の持久力は絶倫ですね。 


♀が♂と長時間交尾している間、実は巣穴の中には生まれたばかりの赤ちゃん(幼獣)が居ます。 
定期的に授乳したり抱いて保温したりする必要があるはずですけど、♀がこれほど長く巣穴を留守にしていて大丈夫なのでしょうか?(育児放棄) 
母親に代わってヘルパーが赤ちゃんの面倒を見ているのかもしれませんが、アナグマの場合は若い♂がヘルパーなので、授乳は無理でしょう。 

アナグマ♀は出産したばかりの育児中に♂と交尾するのです。 
♂との交尾で受精しても遅延着床という仕組みがあって、次の赤ちゃんを翌年の冬から春にかけて出産するようになっています。 
通常は胚が子宮に侵入すると直ちに着床するが、イタチ科やクマ科、鰭脚類(アシカ科・アザラシ科・セイウチ科)、カンガルー、ラットなどの一部の動物種の胚は子宮内で浮遊状態を保ち、条件が整ってから着床する。これを着床遅延(ちゃくしょうちえん)と呼ぶ。wikipediaより引用)

 

(ニホンアナグマの)交尾期は2月〜4月、遅延着床がみられ、妊娠期間は約1年間におよぶ。産仔数は1〜4頭。(福田幸広『アナグマはクマではありません』の表紙カバー裏より引用)

交尾を終えた♀♂ペアが離れる瞬間を撮れずに残念でした。
交尾後の♀は巣穴Rに戻り、♂も自分の巣へ帰っていったはずです。

野生動物の交尾行動を初めて観察できて、とても感動しました。 
初回は早回し加工などはしないで、赤裸々な無修正ノーカットでお届けします。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


・♀は冬眠から覚めて少しすると巣穴で出産します。驚くことに出産後すぐに発情して交尾が始まります。
♀は交尾刺激を受けることで排卵します。そのため交尾は休憩を挟みながら何度も行なわれます。
・♂は交尾の最中もずっとジェジェジェビームを発し続けています。♀は時折「キュッ、キュッ」と声を発する程度です。
・♀は巣の中の赤ちゃんに授乳しながら複数の♂のプロポーズを受け続けたのです。
・交尾の間中、♂は♀の背中に噛み付いたままジェジェジェビームを出し続けているのです。(以上、福田幸広『アナグマはクマではありません』p50より引用)



 

↑【参考動画】 
ニホンアナグマの交尾行動  Japanese Badger's mating by しあわせ動物写真家・福田幸広 /Yukihiro Fukuda 

私のバイブルとなっている写真集『アナグマはクマではありません』の筆者による動画です。
深夜の夜這いに来た♂が巣口で求愛し、中から飛び出してきた♀と交尾を始めるところからトレイルカメラの暗視映像で撮れています。 
♂が♀の首筋に噛み付きながら交尾しています。 
確かに♂がジェジェジェ♪と鳴いていました。 
中盤は40倍速の早回し映像。 
交尾を延々と4時間近く続けてします。 
交尾を終えた♂はすぐに離れて立ち去り、 残された♀はゆっくり巣穴へ戻りました。



2023/11/30

求愛に来たニホンアナグマ♂を門前払いした♀が追いかけて交尾?【トレイルカメラ】

 



2023年4月下旬・午後18:39頃・(日の入り時刻は午後18:26) 

日が暮れて早々にニホンアナグマ♂(Meles anakuma)が♀の巣穴Rに来ていました。 
巣口Rに頭を突っ込んでいますが、♂による求愛声は聞き取れませんでした。 
中から♀が出て来ると、♂は慌ててセットの右へ逃げました。 
この♂は臆病と言うかとても紳士的で、♀の巣穴に押し入ったり、強引に♀を巣穴から外へ引きずり出したりしませんでした。 

アナグマ♀も、♂が逃げた方へゆっくり歩いて行きました。 
寝起きの♀は機嫌が悪いのではないかと、♂の安否が心配です。 

やがて右の死角から小声で鳴く声が聞こえるようになりました。 
怒った♀がしつこい♂を撃退する威嚇や喧嘩の鳴き声ではなさそうです。 
ニホンアナグマ♀♂がいちゃつく鳴き声だとしたら、遂に交尾が始まったのでしょうか? 
トレイルカメラは完全に固定されていますから、画角の外で何が起きているのか見れないのがもどかしいです。 



※ 動画編集時に自動色調補正を施し、後半は鳴き声が聞き取れるように音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2023/11/28

夜な夜な求愛に来るニホンアナグマ♂と追い払う♀の攻防戦【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月下旬 

二次林でニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地に2台の自動センサーカメラを設置して春の配偶行動を観察しています。 

シーン0:4/21・午後14:19、14:43・(@0:00〜) 
明るい日中に偶々撮れた現場の様子です。 
2つの巣穴LRを隠すように湾曲しながら生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の灌木から新緑の若葉がどんどん開いています。 
ここは多雪地帯なので、冬期の雪圧で樹形が低く湾曲しています。 
アナグマが巣穴を隠蔽するために自ら灌木を曲げていたら面白いのですが、そんな行動がこれから撮れたら大発見です。


シーン1:4/21・午後23:24・(@0:07〜) 
夜更けに夜這いに来た♂がセットの奥の二次林でうろついています。 
5倍速の早回し映像でお届けします。 
♀の巣穴を訪問する勇気がなかなか出ないのでしょうか? 
ときどき林内で毛繕いしているようにも見えます。 


シーン2:4/21・午後23:26・(@0:25〜) 
ようやく♂が右側の巣口Rを覗き込みました。 
風が強く吹いているせいか、このとき求愛の鳴き声(ジェジェジェビーム♪)は聞き取れませんでした。 
突然、中から出てきた♀が♂に噛みつきました! 
♂は悲鳴を上げて(?)右に逃走。 
それを見送った♀は悠然と巣穴Rの奥に引っ込みました。 


シーン3:4/22・午前2:32・(@1:03〜) 
日付が変わった未明にも夜這い♂がセットにやって来ました。 
さっきと同一個体が懲りずに戻ってきたのか、別個体の♂が代わる代わる来ているのか、私には見分けられません。 
♂が巣口Rを覗き込むと、巣内から♀が撃退したようです。 
カッ(ガッ)♪という短い威嚇の鳴き声♪がかすかに聞こえました。 
♂はすごすごと巣穴Rから離れ、それでも諦め切れず林縁をうろついて時間を潰しています。 

シーン4:4/22・午前2:35・(@1:44〜) 
戻って来た♂が巣口Rにゆっくり近づいて中を覗き込みますが、無理に押し入ろうとはせずに林縁でに居座り♀を待ち伏せします。 


シーン5:4/22・午前2:38・(@2:02〜) 
どうやらカメラが遅れて起動し、♀が巣口から突進して♂を追い払った直後のようです。 
林縁で2頭が対峙しています。 
奥の灌木林に逃げ込んだ♂が振り返って見ている白い目が光ります。 
睨みつけただけで♂を追い払うと、♀が戻って来て入巣R。 
巣穴の主である♀は左右の目の大きさが異なります(右目<左目)。 
すぐにまた二次林の奥から♂が戻って来て、ちょうど巣口Rに出てきた♀と鉢合わせしました。 
♀uneven-eyesが♂に突進して追い払いました。 
威嚇の鳴き声は、荒い息を吐いたぐらいにしか聞こえません。 
その後♀はセットから右へ向かい、逃げた♂を追撃したようです。 


シーン6:4/22・午前2:43・(@3:12〜) 
セットに戻ってきた♀uneven-eyesが辺りを警戒してから帰巣R。 


シーン7:4/22・午後18:50・(@3:38〜) 
同じ日の晩にも、夜這い♂が二次林からセットに登場。 
カメラの電池が消耗していて、これ以降は断片的な動画になります。 


シーン8:4/22・午後18:50・(@3:44〜) 
巣穴Rから出てきた♀と林縁の♂が対峙。 
今回も♂の求愛声は聞き取れませんでした。 
♀が身震いしただけで♂は慌てて退散したものの、すぐに振り返って♀を見ています。 
♀が巣穴に戻りかけたところで、尻切れトンボに録画終了。 


シーン9:4/22・午後18:51・気温6℃(@3:50〜) 
同じシーン?が別アングルの監視カメラ(新機種)にも撮れていました。 
奥からやって来た♂が右へ回り込んで林縁から巣穴の様子を伺っています。 
そこへたまたま外出から戻った♀が画面の手前から登場。 
手前の巣穴Rに入ろうとしたら、近くに♂が来ていることに気づき、巣口Rで身を伏せて対峙しました。 
♀が強気で少し前進すると、♂は退散しました。 
今回も求愛の鳴き声は聞き取れませんでした。 
♀は身震いしてから巣口Rで体を掻いています。 
しばらく警戒してから入巣R。 

やがて♂が右奥の二次林から戻って来ました。 
♀の巣穴には近づかず、そのまま右に立ち去りました。 


シーン10:4/22・午後20:57・気温5℃(@5:01〜) 
夜這い♂が珍しく左奥の巣穴L付近をうろついています。 
マルバゴマキの藪の陰で見えにくいのですが、巣口Lを覗き込んだり、毛繕いしたりしているようです。 
ただし、♀が巣穴Lに出入りする様子を私はほとんど見たことがありません。


シーン11:4/22・午後20:58(@5:26〜) 
♂が奥の林縁を右に移動。 

シーン12:4/22・午後21:03(@5:31〜) 
♂が巣口Rを訪問。 


シーン13:4/22・午後21:03(@5:36〜) 
録画が切れた合間に♀が撃退したようで、♂は居なくなっていました。 
♀が巣口Rから身を乗り出して奥の灌木林の方を見ています。 


シーン14:4/23・午前5:22(@5:39〜) 
夜が明けました。 
日の出時刻は午前4:51。 
早朝から♂がセットで座り込み、体をボリボリ掻いています。 
巣穴Rに入りかけたものの、後退して再び体掻き。 

しばらくすると、♀が巣穴Rから外に出てきました。 
てっきりいつものように♀が夜這い♂を凄い剣幕で追い払うかと思いきや、驚きの展開になりました。 
♂の横に寄り添うと、仲良く相互毛繕いを始めたのです。 
いよいよ♀が発情し、交尾前の前戯を始めたのでしょうか? 
それとも母親とヘルパー(若い息子♂)なのかな? 


シーン15:4/23・午前5:24(@7:09〜) 
つづき。 
ついさっきまで仲良く相互毛繕いしていた2頭♀♂の間に一体何が起きたのか、突然♀が激昂し、相手♂の首筋に噛みつきながら吠えていました。 
せっかく良い感じになりかけたのに、♂の詰めが甘くて♀の機嫌を損ねたのでしょうか? 
げに難しきは女心と秋の空。 
このとき短くジェジェジェビーム♪も聞こえました。 
♀を宥める鳴き声のようです。(求愛声?) 

♂は右に少し逃げただけで、林縁に留まっています。 
♂を撃退した♀は巣穴Rに後退し、体を掻いてから入巣R。 
再び♀が巣口Rに顔を出すと、♂に突進して右に追い払いました。 
このときワンッ♪という威嚇の鳴き声が聞こえました。 
右から戻ってきた♀が入巣Rしかけたところで録画終了。 


シーン16:4/23・午前5:33(@8:10〜) 
懲りない♂が戻って来ていました。 
早朝から近くの田畑でトラクターによる耕耘作業が始まったようです。 
ゴゴゴゴ♪という騒音と振動が響いても、アナグマは慣れているようで動じません。 
体をボリボリ掻いてから巣口Rに入りかけるも、怖気づいて止めました。 
♀が巣穴Rから顔を出して巣口で腹這いになり、♂を牽制します。 
♂は逃げ腰になりつつも、♀を見ています。 
♀が後退して入巣Rしかけたところで、録画終了。 
近くのハシブトガラスも目覚めてカーカー♪鳴いています。 

まるでラブコメを見ているようで、なかなか面白いですね。


※ 一部の動画には編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
鳴き声が聞き取れるように音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

 

↑【参考動画】 「Japanese Badger アナグマのジェジェジェビームは凄いんです」by しあわせ動物写真家・福田幸広 /Yukihiro Fukuda 

私のバイブルとなっている見事な写真集『アナグマはクマではありません』の著者ご本人のYouTubeチャンネルです。 
本に繰り返し登場する「ジェジェジェビーム♪」という鳴き声が実際にどんなものか想像つかなかったので、動画を公開してくれるのはありがたいです。 

私の観察したアナグマの求愛行動と福田氏の本『アナグマはクマではありません』の内容には少し違いがあります。
私が見ている♂は求愛声(ジェジェジェビーム♪)をほとんど発していないのです。
♂による求愛の鳴き声に個体差または地域差があるのでしょうか? 
それともトレイルカメラが少し遠いと録音されにくいのですかね? 
他の投稿者によるアナグマの交尾動画でもジェジェジェビームは聞こえないのが気になります。
この点について質問してみると、福田さんから直々に回答をいただきました。
あまりはっきりと発声しない個体もいます。僕の観察個体は地域に関係なく鳴いてます。トレイルカメラでは拾いにくいかもしれません。



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